JP4535366B2 - セフェム剤の製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、セフェム化合物の3位にイミダゾロ[4,5―b]ピリジニウムメチル基を導入したセフェム化合物が知られている(特許文献1参照)。当該文献には、該セフェム化合物の製法として、主に、原料に3位側鎖の閉環体であるイミダゾロ[4,5―b]ピリジン誘導体を使用するルート(以下、閉環体ルートという)が記載されている(例:実施例6−2)。しかし、当該ルートではレジオアイソマーが副生するので、これを除去するためにカラム精製が必須となり、工業的製法として好ましくない。
一方、該イミダゾロ[4,5―b]ピリジン誘導体の開環体を3位側鎖部分として導入した後に、閉環・脱保護反応により目的化合物を得るルート(以下、開環体ルートという)も記載されている。しかし、当該方法で具体的に合成しているのは、7位側鎖上のオキシム部分が−CH2Fで置換されている化合物のみである(実施例31〜33)。また閉環・脱保護反応に使用している溶媒は酢酸である。3位側鎖部分を導入するための求核反応の溶媒としてはジメチルアセトアミドが使用されている。
さらに同系統のセフェム化合物の硫酸塩結晶およびその製法が公知である(特許文献2参照)。当該文献の製法は、閉環体ルートであり、脱保護の溶媒として蟻酸を使用している。
しかし上記の問題点は、反応溶媒の種類等を検討することにより解決できた。また、開環体ルートの別法として、3位の閉環・脱保護反応の後、7位側鎖を形成する製法も見出した。本発明の好ましい態様を以下に示す。
で示される化合物(II)を、ジメチルスルホキシドおよびアセトニトリルからなる群から選択される1種またはそれ以上の溶媒中、酸で処理することを特徴とする、
式:
で示される化合物(I)、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物の製造方法。
(3)X1が水素またはベンズヒドリル;X2がt−ブトキシカルボニルまたはp−メトキシベンジル;X3がt−ブトキシカルボニル;および/またはY1がハロゲンである、上記1または2記載の製造方法。
(4)溶媒がジメチルスルホキシドである、上記1〜3のいずれかに記載の製造方法。
(5)式:
で示される化合物(V)を出発原料に用いて、以下の工程:
(A工程)
式:
で示される化合物(VI)またはその反応性誘導体を使用する7位側鎖の形成工程、および
(B工程)
式:
で示される化合物(VII)を使用する3位側鎖形成工程(但し、AおよびB工程の操作順は制限されない)
を含むことを特徴とする、
式:
で示される化合物(II)の製造方法(但し、R1が−CH2F;R2がメチル;R3およびR4がメチル;X1がカルボキシ保護基;X2がアミノ保護基;X3がアミノ保護基;Y1がIである場合を除く)。
式:
で示される化合物(VII)とを、ジメチルアセトアミド中で反応させることを特徴とする、
式:
で示される化合物(II)の製造方法(但し、R1が−CH2F;R2がメチル;R3およびR4がメチル;X1がカルボキシ保護基;X2がアミノ保護基;X3がアミノ保護基;かつY1がIである場合を除く)。
(7)式:
で示される化合物(V)に、
式:
で示される化合物(VII)を反応させて、
式:
で示される化合物(IV)を得た後、式:
で示される化合物(VI)またはその反応性誘導体を反応させることを特徴とする、上記5記載の化合物(II)の製造方法。
(9)X1が水素またはベンズヒドリル;X2がt−ブトキシカルボニルまたはp−メトキシベンジル;X3がt−ブトキシカルボニル;および/またはY1がハロゲンである、上記5〜8のいずれかに記載の製造方法。
(10)上記5〜9のいずれかに記載の製造方法により化合物(II)を得た後、酸で処理することを特徴とする、上記1〜4のいずれかに記載の化合物(I)、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物の製造方法。
(11)式:
(12)式:
で示される化合物。
(13)R2がメチル;R3およびR4がメチル;X1が水素またはカルボキシ保護基;X2がアミノ保護基;X3がアミノ保護基;nが3;Y1がハロゲンである、上記12記載の化合物。
(14)式:
で示される化合物を酸で処理することにより
式:
で示される化合物(VIII)またはその製薬上許容される塩を得た後、これに式:
で示される化合物(VI)またはその反応性誘導体を反応させることを特徴とする、
式:
で示される化合物(I)、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物の製造方法。
(15)R1がエチル;R2がメチル;R3およびR4がメチル;および/またはnが3である、上記14記載の製造方法。
(16)X1が水素またはベンズヒドリル;X2がt−ブトキシカルボニルまたはp−メトキシベンジル;X3がt−ブトキシカルボニル;および/またはY1がハロゲンである、上記14または15記載の製造方法。
低級アルキルは、直鎖又は分枝状のC1〜C6アルキルを包含し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、第3級ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等が例示されるが、好ましくはC1〜C3アルキルである。
低級アルキルが置換されている場合、該置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、アミノ、モノまたはジ低級アルキルアミノ(例:メチルアミノ)、カルバモイル、モノまたはジ低級アルキルカルバモイル(例:メチルカルバモイル)、カルバモイルオキシ、スルファモイル、低級アルコキシカルボニル(例:メトキシカルボニル)、低級アルキルチオ(例:メチルチオ)、フェニルなどが例示される。該置換基がヒドロキシ、カルボキシ、アミノ等の官能基である場合、これらの基は適宜、各保護基で保護されていてもよい。
R1は好ましくは、ハロゲン(例:F、Cl、Br、I)等で置換されていてもよい低級アルキル(例:CH3、CH2CH3、CF3、CH2CF3)であり、好ましくはCH2CH3である。
R2は好ましくは、メチルである。
R3およびR4は好ましくは、メチルである。
カルボキシ保護基としては、当該分野で公知の保護基が適宜使用され、置換されていてもよいC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10シクロアルキルC1〜C6アルキル、置換されていてもよいC6〜C10アリール、置換されていてもよいC7〜C12アラルキル、ジC6〜C10アリールメチル、トリC6〜C10アリールメチル、置換シリル等が用いられる。
該置換されていてもよいC1〜C6アルキルとしては、例えばメチル、エチル、イソプロピル、第3級ブチル等が用いられ、それらは例えば、ベンジルオキシ、C1〜C4アルキルスルホニル(例:メチルスルホニル等)、ハロゲン(例:F、Cl、等)、アセチル、ニトロベンゾイル、ベンゼンスルホニル、C1〜C4アルキルスルフィニル(例:メチルスルフィニル等)、シアノ等で置換されていてもよく、そのような基としては例えば、ベンジルオキシメチル、2ーメチルスルホニルエチル、2,2,2−トリクロロエチル、アセチルメチル、p−ニトロベンゾイルメチル、p−メシルベンゾイルメチル、ベンゼンスルホニルメチル等が用いられる。
C2〜C6アルケニルとしてはビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル等が用いられる。
C3〜C10シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル等が用いられる。
C3〜C10シクロアルキルC1〜C6アルキルとしてはシクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチル等が用いられる。
C6〜C10アリールとしては、フェニル、ナフチル等が用いられ、それらは例えば、ニトロ、ハロゲン(例、F、Cl、Br等)等で置換されていてもよく、そのような基としては例えば、p−ニトロフェニル、p−クロロフェニル等が用いられる。
置換されていてもよいC7〜C12アラルキルとしてはたとえば、ベンジル、ナフチルメチル等が用いられ、それらは例えば、ニトロ、C1〜C4アルコキシ(例、メトキシ等)、C1〜C4アルキル(例、メチル等)、ヒドロキシ等で置換されていてもよく、そのような基として例えば、p−ニトロベンジル、p−メトキシベンジル、3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル等が用いられる。
ジC6〜C10アリールメチルとしては、ベンズヒドリル(BH)等が、トリC6〜C10アリールメチルとしてはトリチル等が、また置換シリルとしてはトリメチルシリル、第3級ブチルジメチルシリル等が用いられる。
X1がカルボキシ保護基である場合、好ましくは、ベンズヒドリル(BH)である。
アミノ保護基としては、当該分野で公知の保護基が適宜使用され、C1〜C6アルカノイル(例:ホルミル、アセチル等)、C3〜C5アルケノイル(例:アクリロイル、クロトノイル等)、C6〜C10アリールカルボニル(例:ベンゾイル、ナフトイル、p−トルオイル、p−ヒドロキシベンゾイル等)、複素環カルボニル基(該複素環の例:4−イミダゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1H−テトラゾリル、4−オキサゾリル、3−ピリジル等)、C1〜C6アルキルスルホニル(例:メタンスルホニル、エタンスルホニル等)、C6〜C10アリールスルホニル(例:ベンゼンスルホニル、ナフタレンスルホニル、p−トルエンスルホニル等)、置換オキシカルボニル(例:メトキシメチルオキシカルボニル、アセチルメチルオキシカルボニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル、2−メタンスルホニルエトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−シアノエトキシカルボニル、p−メチルフエノキシカルボニル、p−メトキシフエノキシカルボニル、p−クロロフエノキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p−メチルベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−クロロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル(Boc)、2−プロペニルオキシカルボニル等)、置換アラルキル(例:p−メトキシベンジル(PMB))、置換シリル(例:トリメチルシリル、第3級ブチルジメチルシリル等)等が用いられる。
X2および/またはX3がアミノ保護基である場合、好ましくはt−ブトキシカルボニル(Boc)、p−メトキシベンジル(PMB)である。
R5がアミノ保護基である場合、好ましくはトリメチルシリルである。
nは好ましくは、1〜3の整数、より好ましくは1である。
Y1は、4級アンモニウムと塩を形成し得る対イオンであるが、好ましくはハロゲン(例:Cl、Br、Iまたはその混合物)であり、より好ましくはIである。
波線は、シス、トランスまたはその混合物を表わす。
Y2で示される脱離基としては、ヒドロキシ、ハロゲン(Cl、Br、I等)、カルバモイルオキシ、置換カルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイルオキシ、N,N-ジメチルカルバモイルオキシ)、アシルオキシ(例、アセトキシ、クロロアセトキシ、ピバロイルオキシ)等が用いられるが、好ましくは、アセトキシ、ハロゲン(Cl、I)である。
塩としては、無機塩基、アンモニア、有機塩基、無機酸、有機酸、塩基性アミノ酸、ハロゲンイオン等により形成される塩又は分子内塩が例示される。該無機塩基としては、アルカリ金属(Na、K等)、アルカリ土類金属(Mg等)、有機塩基としては、2−フェニルエチルベンジルアミン、ジベンジルエチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ポリヒドロキシアルキルアミン、N−メチルグルコサミン等が例示される。無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等が例示される。有機酸としては、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸等が例示される。塩基性アミノ酸としては、リジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジン等が例示される。塩として好ましくは、無機酸塩であり、特に硫酸塩(例:1硫酸塩)である。
溶媒和物としては、水和物、アルコール和物などが例示されるが、好ましくは水和物(例:1〜5水和物)である。
(1)閉環・脱保護反応
化合物(II)を酸で処理することにより、3位側鎖部分の閉環と脱保護反応が進行し、化合物(I)、その塩または溶媒和物が得られる。
本反応の溶媒としては、後記A工程で使用される溶媒等が使用可能である。しかし、溶媒の種類によっては、副反応が進行することが判明した。特に溶媒が従来使用されていた酢酸等では、7位オキシム部分の異性体(アンチ体)が多量に発生することが分かった。しかし、溶媒にジメチルホルムアミドやアセトニトリルまたはそれらを含む混合溶媒、好ましくはジメチルホルムアミドまたはアセトニトリル、より好ましくはジメチルホルムアミドを使用すれば、アンチ体の生成が顕著に抑制され(例:約1〜10PA%、好ましくは約1〜2PA%程度)、7位オキシム部分がシン体である化合物(I)が収率よく得られる(PA%は、HPLC測定による面積百分率を意味する。以下、同じ)。
酸としては、有機酸(例:トリフルオロ酢酸、酢酸、蟻酸)、無機酸(例:塩酸、硫酸)、ルイス酸(例:塩化アルミニウム、4塩化チタン)等が用いられる。好ましくは無機酸が使用され、特に好ましくは硫酸が使用される。使用する硫酸の濃度は、通常、10〜98%の範囲であり、好ましくは50〜75%である。
反応温度は、通常、氷冷下〜室温である。反応時間は、数十分〜数十時間である。
化合物(I)は、好ましくは1硫酸塩またはその溶媒和物として得られる。
(2)化合物(II)の製造
化合物(II)は、化合物(V)に以下のAおよびB工程を組み合わせて行うことにより得られる。化合物(V)は文献(例:WO86/03204、特開平10-291993等)記載の方法に従って合成できる。
(A工程)
化合物(VI)またはその反応性誘導体を使用する7位側鎖の形成工程。
(B工程)
化合物(VII)を使用する3位側鎖形成工程
上記A工程およびB工程の操作順は制限されず、いずれの順番でもよい。よって、化合物(I)の製法として以下の2法が例示される。また中間体は単離してもしなくてもいずれでもよい。
(方法1:A→B)
化合物(V)に化合物(VI)またはその反応性誘導体を反応させて、化合物(III)を合成する。次に化合物(III)に化合物(VII)を反応させて化合物(I)を得る。
(方法2:B→A)
化合物(V)に化合物(VII)を反応させて、化合物(IV)を合成する。次に化合物(IV)に化合物(VI)またはその反応性誘導体を反応させて化合物(I)を得る。
(A工程)
化合物(VI)またはその反応性誘導体を使用する7位側鎖の形成工程。
当該工程は、当業者に周知のセフェム化合物の7位のアシル化反応の条件に準じて行えばよい。
反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:ジオキサン、テトラハイドロフラン、ジエチルエーテル、第3級ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸 n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N,N′−ジメチルイミダゾリジノン(DMI))、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、アルコール類(例:メタノール、エタノール、イソプロパノール、第3級ブタノール)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。好ましくはジメチルアセトアミド、ジクロルメタン、酢酸エチル、アセトニトリルまたはその混合物である。
化合物(VI)の反応性誘導体としては、無機塩基塩、有機塩基塩、酸ハライド、酸アジド、酸無水物、混合酸無水物、活性アミド、活性エステル、活性チオエステル等が例示される。該無機塩基としてはアルカリ金属(例:Na、K等)、アルカリ土類金属(例:Ca,Mg) 等が、有機塩基としてはトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、第3級ブチルジメチルアミン、ジベンジルメチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が、酸ハライドとしては酸クロライド、酸ブロマイド等が、混合酸無水物としてはモノアルキル炭酸混合酸無水物、脂肪族カルボン酸混合酸無水物、芳香族カルボン酸混合酸無水物、有機スルホン酸混合酸無水物等が、活性アミドとしては含窒素複素環化合物とのアミド等が例示される。活性エステルとしては有機リン酸エステル(例:ジエトキシリン酸エステル,ジフェノキシリン酸エステルなど)、p−ニトロフェニルエステル、2,4−ジニトロフェニルエステル、シアノメチルエステル等が例示される。活性チオエステルとしては、芳香族複素環チオール化合物とのエステル(例:2−ピリジルチオエステル、ベンゾチアゾールチオエステル等) 等が例示される。
好ましくは有機スルホン酸ハライド(例:メタンスルホニルクロライド)を使用して、有機スルホン酸混合酸無水物(例:メシレート)に誘導される。
また上記反応においては所望により適当な縮合剤を使用してもよい。縮合剤としては例えば、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N′−カルボニルジイミダゾール、N,N′−チオカルボニルジイミダゾール、N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン、オキシ塩化リン、オギザリルクロライド、アルコキシアセチレン、2−クロロピリジニウムメチルアイオダイド、2−フルオロピリジニウムメチルアイオダイド、メタンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルフォニルクロリド、パラトルエンスルフォニルクロリド等が用いられる。
反応は所望により、塩基存在下に行われる。塩基としては脂肪族アミン、好ましくはアルキルアミン(例:トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、4−メチルモルホリン)、や芳香族アミン(例:ピリジン、キノリン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール)などが例示されるが、好ましくはアルキルアミン(例:トリブチルアミン)である。塩基の使用量は、化合物(V)または(IV)に対して、通常、約1〜8モル等量、好ましくは約2〜3モル等量である。
化合物(VI)またはその反応性誘導体の使用量は、化合物(V)または(IV)に対して、通常、約1〜5モル等量、好ましくは約1〜2モル等量である。
反応温度は、通常、−20℃〜室温、好ましくは −10〜5℃である。
反応時間は、数時間〜数十時間である。
化合物(VII)を使用する3位側鎖形成工程
当該工程は、当業者に周知のセフェム化合物の3位メチレン部分での求核反応の条件に準じて行えばよい。
反応溶媒としては、A工程で例示したものが使用されるが、好ましくはアセトン、ジメチルアセトアミド、1、2−ジクロロエタン、テトラヒドロフランである。
上記方法1において、化合物(III)に当該反応を適用して化合物(II)を得る場合、溶媒としてアセトン等を使用すれば、副生物として化合物(II)の異性体である△2体が生成(例:約18PA%)する恐れがあることが判明した。しかし、反応溶媒にジメチルアセトアミド等を使用することにより、△2体の生成が抑制される。ここで△2体とは、セフェム骨格の2位に2重結合を有する異性体を意味する。
また原料の化合物(III)や化合物(V)のY2(脱離基)は、好ましくはアセチルやClなどである。反応性を高めるために反応促進剤としてハロゲン化物(例:ヨード試薬(例:NaI、ヨードトリメチルシラン))等と反応させて、Y2=I等の状態にしてから、化合物(VII)と反応させてもよい。該ヨード体は、所望により一旦単離してもよい。
化合物(VII)の使用量は、化合物(V)または(III)に対して、通常、約1〜5モル等量、好ましくは約1〜1.5モル等量である。
反応温度は、通常、氷冷下〜40℃、好ましくは 20℃〜40℃である。
反応時間は、数時間〜数十時間である。
(製法2)
(1)化合物(IV)を、製法1の反応条件に準じて閉環・脱保護反応に付すことにより化合物(VIII)またはその塩を得る。
(2)化合物(VIII)を製法1の前記A工程の反応条件に準じて、化合物(VI)またはその反応性誘導体と反応させることにより、化合物(I)が得られる。
また上記製法により得られた化合物(I)、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物は、当業者周知の方法(例:結晶化)により精製してもよい。特に硫酸塩またはその溶媒和物は、国際公開第02/088147号等に記載の方法に準じて、結晶として単離することが可能である。化合物(I)は、国際公開第00/32606号に記載の化合物であり、抗菌剤として有用である。また化合物(II)や(IV)は、その製造中間体として有用である。
島津LC-10CLASS-VP、カラムWaters-COSMOSIL-5C18-AR:4.6×150mm.
(略号)
Me=メチル ; Et=エチル;Boc=第3級ブトキシカルボニル;PMB=p−メトキシベンジル;BH=ベンズヒドリル;TMS=トリメチルシラン
実施例1
(保護基)X2=Boc,X3=Boc
(溶媒) 四級化;アセトン 脱保護;ジメチルスルホキシド
化合物(1)(HPLC純度89%)3.0g(4.36ミリモル)をアセトン3mLに溶解し、室温下ヨウ化ナトリウム1.31g(8.71ミリモル)を加え、続いて3mLのアセトンに溶解した2.1g(4.79ミリモル)の[3−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−プロピル]−[2−(ジメチルアミノ−メチレンアミノ)−ピリジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(以下、化合物(2)と略する)を加え、窒素雰囲気、遮光条件下40℃で7時間攪拌した。この反応液を-20℃で一晩保存した後、0℃に昇温し、アセトン8mLを加えた。この反応液を室温下、激しく攪拌した酢酸イソプロピル120mL中に滴下し、氷冷下25分間攪拌した。析出した沈殿物をろ過して乾燥すると、5.2gの粗固体(3)(HPLC純度77%)が得られた。
粗固体(3):1H-NMR(DMSO-d6):δ1.23 (t, 3H, J=7.5, Et), 1.38 (s, 18H, Boc), 1.66 (brs, 2H, -CH2-), 2.63(s, 2H, -CH2-), 2.75(s, 6H, -NMe2), 3.01 (s, 3H, -NMe), 3.06-3.15 (m, 2H, -SCH2-), 3.20 (s, 2H, -CH2-), 4.16 (q, 2H, J=7.5Hz, Et), 5.19 (d, 2H, J=4.8, C6-H), 5.50 (m, 2H, NCH2-), 6.00 (dd, 1H, J=8.1, 4.5, C7-H), 6.95 (s, 1H, -CHPh2), 7.20-7.42 (m, 10H, Ph2), 7.47 (d, 1H, 7.2Hz, Ar), 7.58 (d, 1H, 6.9Hz, Ar), 7.74 (s, 1H, Ar), 8.22 (s, 2H, -NH2), 8.55 (m, 1H, -CONH-), 9.66 (m, 1H, -N=CH-). FABMS (m/z): [M+H]+ 1012.
(2)化合物(4)の製造
化合物(3)1.5g(1.01ミリモル)をジメチルスルホキシド3mLに溶解し、この溶液を氷冷した62%硫酸水14.4g(90.9ミリモル)に滴下後、同温度で1時間攪拌した。室温に昇温した後、さらに1時間攪拌後、室温下300mLのイソプロピルアルコールに滴下し、10分間攪拌した。析出した沈殿物をろ過して乾燥すると、0.91gの粗固体(4)(HPLC純度62%、含量38%)が得られた(化合物1からの収率46%)。このとき、化合物(4)のアンチ体(“=N−OEt”部分)のHPLCによる面積百分率は2%であった。
(保護基)X2=Boc,X3=Boc
(溶媒) 四級化;アセトン 脱保護;アセトニトリル
化合物(1)(HPLC純度89%)1.6g(2.43ミリモル)をアセトン1.6mLに溶解し、室温下ヨウ化ナトリウム0.75g(5.00ミリモル)を加え、続いて1.6mLのアセトンに溶解した1.1g(2.50ミリモル)の化合物(2)を加え、窒素雰囲気、遮光条件下40℃で7時間攪拌した。続いて室温で1時間攪拌した後、氷冷下、激しく攪拌した酢酸tert-ブチル100mL中に滴下し、氷冷下30分間攪拌した。析出した沈殿物をろ過して乾燥すると、3.5gの粗固体(3)(HPLC純度71%)が得られた。
(2)化合物(4)の製造
化合物(3)0.5g(0.32ミリモル)をアセトニトリル1mLに溶解し、この溶液を氷冷した62%硫酸水4.6g(28.8ミリモル)に滴下後、室温で1時間攪拌した。ここにアセトニトリル3mLと水5mLを加え、さらに30分間攪拌した。この反応液をHPLCにて測定したところ、各面積百分率は、 化合物(4)が54.4%、化合物(4)のアンチ体が10.6%、化合物(4)のΔ2体が7.1%であった。なお、化合物(1)からの通算収率は、44.7%であった。
実施例3
(保護基)X2=PMB,X3=Boc
(溶媒) 四級化;アセトン 脱保護;ジメチルスルホキシド
化合物(1)(HPLC純度89%)2.0g(2.90ミリモル)をアセトン2mLに溶解し、室温下ヨウ化ナトリウム0.91g(6.07ミリモル)を加え、続いて2mLのアセトンに溶解した1.7g(3.33ミリモル)の化合物(5)を加え、窒素雰囲気、遮光条件下室温で4時間攪拌した。この反応液にアセトン2.5mLを加え、氷冷下、激しく攪拌した酢酸tert-ブチル120mL中に滴下し、氷冷下30分間攪拌した。析出した沈殿物をろ過して乾燥すると、5.3gの粗固体(6)(HPLC純度66%)が得られた。
(2)化合物(4)の製造
化合物(6)0.5g(0.28ミリモル)をジメチルスルホキシド1mLに溶解し、この溶液を氷冷した62%硫酸水4.02g(25.4ミリモル)に滴下後、氷冷下4時間攪拌し、続いて室温下さらに1時間攪拌した。この反応液をHPLCにて測定したところ、各面積百分率は、化合物(4)が50.5%、化合物(4)のアンチ体が0.7%、化合物(4)のΔ2体が17.6%であった。なお、化合物1から化合物(4)までの通算収率は、50.6%であった。
(保護基)X2=PMB,X3=Boc
(溶媒) 四級化;ジメチルアセトアミド 脱保護;ジメチルスルホキシド
化合物(1)(HPLC純度89%)3.0g(4.36ミリモル)をジメチルアセトアミド3mLに溶解し、室温下ヨウ化ナトリウム1.31g(8.71ミリモル)を加え、続いて3mLのジメチルアセトアミドに溶解した2.2g(4.79ミリモル)の{3−[[2−(ジメチルアミノ−メチレンアミノ)−ピリジン−3−イル]−(4−メトキシベンジル)−アミノ]−プロピル}メチルカルバミン酸tertブチルエステル(以下、化合物(5)と略する)を加え、窒素雰囲気、遮光条件下室温で4時間攪拌した。この反応液にジメチルアセトアミド4mLを加え、室温下、激しく攪拌した酢酸tert-ブチル130mL中に滴下し、氷冷下15分間攪拌した。析出した沈殿物をろ過して乾燥すると、7.4gの粗固体(6)(HPLC純度71%)が得られた。
1H-NMR(DMSO-d6):δ 1.23 (t, 3H, J=6.9Hz, Et), 1.32 (s, 9H, Boc), 1.56 (brs, 2H, -CH2-), 2.70, 2.74 (s, 6H, -NMe2), 2.63-2.65 (m, 9H, -SCH2-, -CH2-, -CH2-, -NMe), 3.72 (s, 3H, -OMe), 3.99 (dd, 2H, J=14.0, 20.6, -CH2-), 4.17 (q, 2H, J=6.6, -CH2-), 5.11 (d, 1H, J=4.5, C6-H), 5.38 (d, 2H, J=15.9, 105.0Hz, NCH2-), 6.02 (dd, 1H, J=4.8, 7.8Hz, C7-H), 6.84 (d, 2H, J=7.8, PMB), 6.94 (s, 1H, -CHPh2), 7.02 (brs, 2H, PMB), 7.21-7.41 (m, 10H, Ph2), 7.47 (d, 1H, J=7.5, Ar), 7.56 (d, 1H, J=7.5, Ar), 7.77 (brs, 1H, Ar), 8.16 (s, 2H, -NH2), 8.39 (s, 1H, -CONH-), 9.64 (d, 1H, J=8.4, -N=CH-).
FABMS (m/z): 計算値C52H62N11O8S2 + [M+H]+ 1032.4224, 実測値[M+H]+ 1032.4225.
(2)化合物(4)の製造
化合物(6)3.5g(2.15ミリモル)をジメチルスルホキシド3mLに溶解し、この溶液を氷冷した62%硫酸水30.6g(193ミリモル)に滴下後、室温で1時間攪拌した。反応液を氷冷した後、さらに1時間攪拌後、室温下650mLのイソプロピルアルコールに滴下し、30分間攪拌した。析出した沈殿物をろ過して乾燥すると、1.86gの粗固体(4)(HPLC純度82%、含量32%)が得られた(化合物1からの収率49%)。このとき、化合物(4)のアンチ体のHPLCによる面積百分率は1%であった。また化合物(4)のΔ2体のHPLCによる面積百分率は8%であった。
上記の粗固体(4)1.86gを6.3mLの蒸留水に懸濁したのち、ろ過し、不溶物を除去した。ここにイソプロピルアルコール3.2mLを加えた後、室温下、化合物(4)結晶を10mg添加した。1.5時間かけて5℃まで徐冷し、4時間攪拌した後、析出した沈殿物をろ過して乾燥すると、0.23gの精固体(4)(HPLC純度97%)が得られた。
精固体(4)のスペクトルデータ:1H-NMR(D2O):δ 1.30 (t, 3H, J=6.9Hz, Et), 2.42 (dd, 2H, J=7.7, 15.3Hz, -CH2-), 2.74 (s, 3H, -NMe), 3.17 (t, 2H, J=7.8, -CH2-), 3.49 (dd, 2H, J=18.6, 96.9Hz, -SCH2-), 4.33 (q, 2H, J=7.2Hz, Et), 4.65 (t, 2H, J=7.5Hz, -CH2-), 5.25 (d, 1H, J=5.1Hz, -CH2-), 5.83 (dd, 2H, J=14.7, 70.8Hz, -NCH2-), 5.88 (d, 1H, J=5.1Hz, C6-H), 7.89 (dd, 1H, J=6.3, 8.4Hz, Ar), 8.92-8.89 (m, 3H, Ar). FABMS (m/z): 計算値C24H29N10O5S2 + [M+H]+ 601.1764, 実測値[M+H]+ 601.1766.
1,2−ジクロロエタン 80mlと7β−アミノ−3−アセトキシメチルセフ−3−エム−4−カルボン酸(7-ACA 、化合物7)10.0g(36.7ミリモル)の懸濁液に、ヘキサメチルジシラザン8.9g(55.1ミリモル)と硫酸 72mg(0.02当量)を加え、加熱還流を5時間した後、10℃に冷却し、ヨードトリメチルシラン9.4ml(66.1ミリモル)を3分間で滴下し、10℃から20℃に1時間要して昇温攪拌する。反応液を5℃に冷却してテトラヒドロフラン8.9ml(110.2ミリモル)を5分間で滴下後、化合物(5)18.6g(40.4ミリモル)の1、2−ジクロロエタン2ml溶液を加えて同温度で7時間攪拌する。その反応液を、酢酸エチル500mlとメタノール25mlの混液に室温下、17分間を要して滴下し、同温度で30分間攪拌後、沈殿物をろ取し乾燥すると、化合物(9)の粉末が16.2g(HPLC純度42%、見掛け収率55%)得た。FABMS(m/z): 計算値C33H46N7O6S+ [M+H]+ 668.3230, 実測値[M+H]+ 668.3231.
(2)化合物(11)の製造
(5−アミノ−[1,2,4]チアジアゾール−3−イル)−エトキシイミノ酢酸(以下、化合物(10)と略する)1.08g(5ミリモル)のジメチルアセトアミド10ml溶液にメタンスルホニルクロライド0.46ml(6ミリモル)とトリブチルアミン1.8 ml(7.5ミリモル)を加えて氷冷攪拌した。別の容器の化合物(9)3.98g(5ミリモル)とジクロルメタン24mlとトリブチルアミン2.63ml(11ミリモル)の溶液に先に調製したメシレートを5℃で10分を要して滴下した。同温度で50分間攪拌した後、酢酸エチル340mlの中へ室温下に滴下し、同温度で30分間攪拌した。析出した沈殿物をろ取し、酢酸エチルで洗浄後、乾燥すると化合物(11)の粉末を4.76g(HPLC純度31%、見掛け収率96%)で得た。FABMS(m/z): 計算値C39H52N11O8S2 + [M+H]+ 866.3442, 実測値[M+H]+ 886.43441.
(3)化合物(4)の製造
化合物(11)248mg(0.25ミリモル)をジメチルスルホキシド1mlに溶解し、62%硫酸水 1.78g(11.25ミリモル)を加えて室温で4時間攪拌した。この反応液を、氷冷したイソプロピルアルコール20ml中に滴下し、析出した沈殿物をろ過して乾燥すると、化合物(4)の粉末125mg(HPLC純度25%、見掛け収率71%)を得た。FABMS(m/z): 計算値C24H29N10O5S2 + [M+H]+ 601.1764, 実測値[M+H]+ 601.1762.
化合物(9)1.59g(2ミリモル)をジメチルアセトアミド8mlに溶解し、氷冷下に62%硫酸水 14.2g(89.8ミリモル)を20分間要して滴下した。その後、20〜25℃で2.5時間攪拌した。その反応液をイソプロパノール160mlへ室温下に滴下し、室温攪拌30分間した後、ろ取し乾燥すると、化合物(12)を1.0g(HPLC純度43%、見掛け収率79%)得た。FABMS(m/z): 計算値C18H23N6O3S+ [M+H]+ 403.1552, 実測値[M+H]+ 403.1551.
(2)化合物(13)の製造
化合物(10)108mg(0.5ミリモル)とアセトニトリル1mlの縣濁液に氷冷下、メタンスルホニルクロライド69mg(0.6ミリモル)とトリブチルアミン139mg(0.75ミリモル)を加え、氷冷攪拌1時間した。別の容器に化合物(12)250mg(0.4ミリモル)と蒸留水2mlとアセトニトリル0.5mlとトリブチルアミン278mg(1.5ミリモル)を入れて氷冷攪拌し、その縣濁液に、先に調製したメシレートを滴下して、2時間氷冷攪拌した。その反応液をイソプロパノール20mlへ氷冷下に滴下し、30分間氷冷攪拌した。得られた沈殿物をろ取して乾燥すると、化合物(13)の粉末を210mg(HPLC純度24%、見掛け収率88%)得た。FABMS(m/z): 計算値C24H29N10O5S2 + [M+H]+ 601.1764, 実測値[M+H]+ 601.1763.
参考例1
(保護基)X2=Boc ,X3=Boc
(溶媒) 四級化;アセトン 脱保護;酢酸
化合物(1)(HPLC純度89%)1.6g(2.43ミリモル)をアセトン1.6mLに溶解し、室温下ヨウ化ナトリウム0.75g(5.00ミリモル)を加え、続いて1.6mLのアセトンに溶解した1.1g(2.50ミリモル)の化合物(2)を加え、窒素雰囲気、遮光条件下40℃で7時間攪拌した。続いて室温で1時間攪拌した後、氷冷下、激しく攪拌した酢酸tert-ブチル100mL中に滴下し、氷冷下30分間攪拌した。析出した沈殿物をろ過して乾燥すると、3.5gの粗固体(3)(HPLC純度71%)が得られた。
(2)化合物(4)の製造
化合物(3)0.5g(0.32ミリモル)を酢酸1mLに溶解し、この溶液を氷冷した62%硫酸水4.4g(27.9ミリモル)に滴下後、室温で1時間攪拌した。この反応液をHPLCにて測定したところ、各面積百分率は、化合物(4)が35.9%、化合物(4)のアンチ体が25.0%、化合物(4)のΔ2体が5.3%であった。なお、化合物(1)からの通算収率は、29.0%であった。
Claims (11)
- R1がエチル;R2がメチル;R3およびR4がメチル;およびnが3である、請求項1記載の製造方法。
- X1が水素またはベンズヒドリル;X2がt−ブトキシカルボニルまたはp−メトキシベンジル;X3がt−ブトキシカルボニル;および/またはY1がハロゲンである、請求項1または2記載の製造方法。
- 溶媒がジメチルスルホキシドである、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 式:
(式中、X1は水素またはカルボキシ保護基;Y2は脱離基;R5は水素またはアミノ保護基)
で示される化合物(V)を出発原料に用いて、以下の工程:
(A工程)
式:
(式中、R1はエチル)
で示される化合物(VI)またはその反応性誘導体を使用する7位側鎖の形成工程、および
(B工程)
式:
(式中、R2は低級アルキル;R3およびR4はそれぞれ独立して低級アルキル;X2はアミノ保護基;X3はアミノ保護基;nは1〜5の整数;波線はシス、トランスまたはその混合物を表わす)
で示される化合物(VII)を使用する3位側鎖形成工程(但し、AおよびB工程の操作順は制限されない)
を含むことを特徴とする、
式:
(式中、R1はエチル;R2は低級アルキル;R3およびR4はそれぞれ独立して低級アルキル;X1は水素またはカルボキシ保護基;X2はアミノ保護基;X3はアミノ保護基;Y1は対イオン;nは1〜5の整数;波線はシス、トランスまたはその混合物を表わす)
で示される化合物(II)の製造方法。 - 式:
(式中、R1はエチル;X1は水素またはカルボキシ保護基;Y2は脱離基)で示される化合物(III)と、
式:
(式中、R2は低級アルキル;R3およびR4はそれぞれ独立して低級アルキル;X2はアミノ保護基;X3はアミノ保護基;nは1〜5の整数;波線はシス、トランスまたはその混合物を表わす)
で示される化合物(VII)とを、ジメチルアセトアミド中で反応させることを特徴とする、
式:
(式中、R1はエチル;R2は低級アルキル;R3およびR4はそれぞれ独立して低級アルキル;X1は水素またはカルボキシ保護基;X2はアミノ保護基;X3はアミノ保護基;Y1は対イオン;nは1〜5の整数;波線はシス、トランスまたはその混合物を表わす)
で示される化合物(II)の製造方法。 - R1がエチル;R2がメチル;ならびに、R3およびR4がメチルである、請求項5〜7のいずれかに記載の製造方法。
- X1が水素またはベンズヒドリル;X2がt−ブトキシカルボニルまたはp−メトキシベンジル;X3がt−ブトキシカルボニル;および/またはY1がハロゲンである、請求項5〜8のいずれかに記載の製造方法。
- 請求項5〜9のいずれかに記載の製造方法により化合物(II)を得た後、酸で処理することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物(I)、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物の製造方法。
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