JPH09241260A - 二環性複素環化合物の製造法 - Google Patents

二環性複素環化合物の製造法

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JPH09241260A
JPH09241260A JP8051124A JP5112496A JPH09241260A JP H09241260 A JPH09241260 A JP H09241260A JP 8051124 A JP8051124 A JP 8051124A JP 5112496 A JP5112496 A JP 5112496A JP H09241260 A JPH09241260 A JP H09241260A
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JP
Japan
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compound
formula
substituent
general formula
alkyl group
Prior art date
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Pending
Application number
JP8051124A
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English (en)
Inventor
Masami Otsuka
雅己 大塚
Toshiyuki Nishi
敏之 西
Takeshi Hayano
健 早野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Daiichi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Publication of JPH09241260A publication Critical patent/JPH09241260A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 優れた抗菌作用を有するカルバペネム誘導体
を合成するのに必要な光学活性な原料化合物を簡便に製
造する。 【解決手段】 次式に示す中間体を経由する経路に従う
ことで簡便に製造できる。 〔式中、Xはハロゲン原子を;Rは水素原子、ベンジ
ル基、メチル基等を;R,R,Rはメチル基、エ
チル基、プロピル基等;Rは水素原子、メチル基、エ
チル基等;R,Rはメチル基、フェニル基等;を夫
々表す〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗生物質として有用
な、2位に二環性の複素環置換基を有する1−β−メチ
ルカルバペネム誘導体(10)(特開平2−22358
7号参照。)
【0002】
【化16】 (式中、Rは水素原子または炭素数1から6のアルキ
ル基を表す。)の製造中間体として有用である、置換ま
たは無置換の、光学活性な二環性複素環化合物及びその
製法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】一般式(10)で表される化合物(以
下、化合物(10)と略す。また他の番号の式の化合物
についても同様に省略する。)は幅広い抗菌スペクト
ル、高い抗菌活性さらに優れた安全性を有する抗生物質
として期待されている。その構造上の特徴は二環性複素
環置換基を有していることである。この置換基の導入に
必要な化合物(12)はラセミ体の化合物(11)を出
発原料として得ていた(特開昭62−149683号参
照。)。
【0004】
【化17】
【0005】この化合物(12)はラセミ体であること
から、光学分割を行うか、ジアステレオマーのままで反
応に使用してジアステレオマーの混合物である化合物
(10)を合成した後、その混合物をHPLC等を用い
て分離して必要な異性体を分離する工程を要していたた
め、工業的製法として優れたものとはいえなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、化合物(9)のうちの必要な異性体を簡便に得る
ための工業的に有用な中間体、及びその工業的に有利な
製造法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本研究者らは鋭意研究を
重ねた結果、以下に示す様に、入手が容易である光学活
性な化合物(1)を原料とすることによって、光学活性
な二環性チオール化合物(9)が工業的に有利に得られ
ることを見いだし本発明を完成した。
【0008】
【化18】
【0009】すなわち、化合物(1)を イミノエーテル化合物に変換し、 このイミノエーテル化合物に、アミノアセトアルデヒ
ドジアルキルアセタールを反応させた後に閉環してイミ
ダゾール誘導体とし、 このイミダゾール誘導体をさらに閉環して、二環性ア
ルコール誘導体とし、 この二環性アルコール誘導体をアルコールの反応性誘
導体に変換し、 この反応性アルコール誘導体を保護されたチオアルコ
ール誘導体に変換し、 そして保護基を脱離してチオール化合物に変換する、 各工程を含む製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】すなわち本願発明は、一般式
(1)
【0011】
【化19】 (式中、置換基Rは水素原子、置換基を有していても
よいアリールメチル基、または炭素数1から6のアルキ
ル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で表される化
合物と、一般式 R−OH (式中、Rは炭素数1から6のアルキル基を表す。)
で表される化合物とを塩化水素存在下に処理して一般式
(2)
【0012】
【化20】 (式中、R、RおよびXは先の定義に等しい。)で
表される化合物に変換し、この化合物に一般式(3)
【0013】
【化21】 (式中、Rは水素原子または炭素数1から6のアルキ
ル基を表し、RおよびRは、各々独立に、炭素数1
から6のアルキル基を表す。)で表される化合物を反応
させて一般式(4)
【0014】
【化22】 (式中、R、RおよびXは先の定義に等しい。)で
表される化合物を得、この化合物を閉環して一般式
(5)
【0015】
【化23】 (式中、RおよびRは先の定義に等しい。)で表さ
れる化合物とした後、該化合物の置換基Rが水素原子
でない場合は水素原子である化合物に変換し、置換基R
が水素原子である一般式(5)の化合物に、一般式
(6)
【0016】
【化24】R−SOH (6) (式中、Rは炭素数1から6のアルキル基または置換
基を有していてもよいアリール基を表す。)で表される
化合物またはその反応性誘導体を反応させて一般式
(7)
【0017】
【化25】 (式中、RおよびRは先の定義に等しい。)で表さ
れる化合物を得、この化合物を一般式 R−COSH (式中、Rは炭素数1から6のアルキル基または置換
基を有していてもよいアリール基を表す。)で表される
化合物の金属塩を反応させて一般式(8)
【0018】
【化26】 (式中、Rは炭素数1から6のアルキル基または置換
基を有していてもよいアリール基を表す。)で表される
化合物を得た後、置換基R−CO−を脱離することを
特徴とする、一般式(9)
【0019】
【化27】 (式中、Rは先の定義に等しい。)で表される化合物
の製造法に関する。
【0020】さらに本発明は、置換基Rが水素原子で
ある一般式(5)の化合物に、一般式(6)で表される
化合物またはその反応性誘導体を反応させて一般式
(7)で表される化合物を得、この化合物を一般式 R−COSH (式中、Rは炭素数1から6のアルキル基または置換
基を有していてもよいアリール基を表す。)で表される
化合物の金属塩を反応させて一般式(8)で表される化
合物を得た後、この化合物の置換基R−CO−を脱離
することを特徴とする、一般式(9)で表される化合物
の製造法に関する。
【0021】そしてより具体的には、一般式(9)の化
合物が、式
【0022】
【化28】 または、式
【0023】
【化29】 (式中、Rは水素原子または炭素数1から6のアルキ
ル基を表す。)で表される化合物である上記の製造法;
が水素原子である上記の製造法;一般式(9)の化
合物が、(6S)−6−メルカプト−6,7−ジヒドロ
−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾールである上記
の製造法;一般式(4)
【0024】
【化30】 (式中、置換基Rは水素原子、アルキル基、置換基を
有していてもよいベンジル基を表し、Rは水素原子ま
たは炭素数1から6のアルキル基を表す。)で表される
化合物及びその光学活性体;一般式(5)
【0025】
【化31】 (式中、置換基Rは水素原子、アルキル基、置換基を
有していてもよいアリールメチル基を表し、Rは水素
原子または炭素数1から6のアルキル基を表す。)で表
される化合物及びその光学活性体;一般式(7)
【0026】
【化32】 (式中、Rは水素原子または炭素数1から6のアルキ
ル基を表し、Rは炭素数1から6のアルキル基または
置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で表さ
れる化合物及びその光学活性体;一般式(8)
【0027】
【化33】 (式中、Rは水素原子または炭素数1から6のアルキ
ル基を表し、Rは炭素数1から6のアルキル基または
置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で表さ
れる化合物及びその光学活性体;Rが水素原子である
上記の化合物に関する。
【0028】以下に本発明の方法について詳細に説明す
る。本願発明の製造方法に用いる化合物(1)
【0029】
【化34】 において、置換基Rは水素原子、置換基を有していて
もよいアリールメチル基、炭素数1から6のアルキル基
を表し、Xはハロゲン原子を表す。
【0030】ハロゲン原子としては、塩素原子が最も好
ましい。また、置換基Rのアルキル基としては好まし
くはメチル基、エチル基、またはプロピル基である。
【0031】さらに、置換基を有していてもよいアリー
ルメチル基において、アリール基としてはフェニル基、
ナフチル基等の芳香族炭化水素から導かれる置換基でよ
く、フェニル基が最も好ましい。またアリールメチル基
上の置換基は、アリール基またはメチル基のいずれに置
換していてもよい。アリール基上の置換基としては、ハ
ロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基およびニトロ
基からなる群から選ばれる1または2以上の置換基でよ
く、複数種、複数個が混在していてもよい。またメチル
基上の置換基としては炭素数1から6のアルキル基が好
ましく、特にメチル基が好ましい。置換基を有していて
もよいアリールメチル基としては、ベンジル基、2−ま
たは4−ニトロベンジル基、2−または4−ハロゲノベ
ンジル基等を例示することができる。
【0032】本願の方法において化合物(1)の置換基
は、水素原子であるかまたは置換基を有していても
よいベンジル基が好ましい。
【0033】置換基Rがアルキル基または置換基を有
していてもよいアリールメチル基である化合物(1)
は、Rが水素原子の化合物から通常の方法によって調
製することができる。また、置換基Rが水素原子の化
合物のラセミ体および各々の対掌体は、特開昭63−3
16758号に記載の方法によって調製することができ
る。
【0034】この化合物(1)と一般式
【0035】
【化35】R−OH (式中、Rは炭素数1から6のアルキル基を表す。)
で表される化合物とを塩化水素存在下に処理することに
よって、イミノエーテル誘導体である化合物(2)
【0036】
【化36】 に変換することができる。
【0037】この工程に使用する化合物R−OHの置
換基Rとしては、炭素数1から6のアルキル基でよい
が、このうちではメチル基またはエチル基が好ましく、
すなわちR−OHとしてはメタノールまたはエタノー
ルが好ましい。また、化合物R−OHは溶媒を兼ねさ
せて反応を実施するのが簡便である。
【0038】本工程は塩化水素の存在下に実施するが、
塩化水素を溶解させたR−OHに化合物(1)を溶解
させて実施すればよい。具体的には塩化水素ガスを吸収
させた、例えば、メタノールまたはエタノールに化合物
(1)を加えて反応させればよい。
【0039】塩化水素の使用量は化合物(1)に対して
1当量以上あればよいのであるが、過剰量を使用しても
よく、溶媒兼用として使用するR−OHに塩化水素ガ
スを飽和するまで吸収させて使用するのが簡便である。
この塩化水素を飽和させたR−OHは化合物(1)に
対して10から30倍程度を使用して反応させればよい
(例えば、化合物(1)1gに対して、塩化水素ガス飽
和のR−OHを2mlの割合で使用するときが2倍で
ある。)。
【0040】この反応処理は無水の条件下で実施するの
がよい。また反応温度は、通常は0℃から50℃の範囲
の温度で実施すればよいが、好ましくは15℃から25
℃程度である。
【0041】反応時間は2時間から48時間の範囲範囲
でよいが、通常は3時間から10時間程度で反応は終了
する。
【0042】反応終了後は、溶媒および塩化水素を除去
した後、生成した化合物(2)は特に精製することなし
に次の工程に使用することができる。
【0043】次の工程は、化合物(2)にアミノアセト
アルデヒド・ジアルキルアセタール誘導体(3)
【0044】
【化37】 を反応させる工程である。化合物(3)において、置換
基Rは水素原子または炭素数1から6のアルキル基で
あり、置換基RおよびRは、各々独立に、炭素数1
から6のアルキル基である。置換基Rとしては、水素
原子、メチル基またはエチル基が好ましい。一方、R
およびRのアルキル基はメチル基またはエチル基が好
ましい。RおよびRは同一でも異なっていてもよい
が、同一であるものがより好ましい。化合物(3)の置
換基Rがアルキル基である化合物は相応のアミノ酸か
ら変換して得ることができる。
【0045】化合物(3)と化合物(2)との反応に際
しては、化合物(2)に対して化合物(3)を1当量か
ら2当量の範囲で使用すればよいが、好ましくは1.1
当量から1.5当量である。
【0046】反応温度は0℃から50℃の範囲で実施す
ればよいが、好ましくは15℃から25℃の範囲であ
る。
【0047】反応溶媒は、反応に不活性であれば特に制
限はないが、例えばメタノールやエタノール等のアルコ
ール類、アセトニトリル等のニトリル類、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル類、ジクロロメタン、
クロロホルム等のハロゲン化炭素類、そしてジメチルホ
ルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類
を挙げることができる。これらの溶媒は混合物として使
用してもよい。これらのうち好ましくは、アルコール類
またはニトリル類であり、より好ましくはメタノール、
エタノールまたはアセトニトリルである。
【0048】反応時間は3時間から48時間の範囲でよ
いが、通常は12時間から24時間程度で完了する。置
換体は特に精製せずに次の工程の反応に使用することが
できる。
【0049】この、化合物(2)と化合物(3)の反応
生成物である次の化合物
【0050】
【化38】 は適当な酸の存在下に加熱して閉環反応を行い、化合物
(4)
【0051】
【化39】 に変換する。
【0052】閉環の際に使用する酸としては、スルホン
酸類例えばメタンスルホン酸やトルエンスルホン酸等を
例示することができる。この酸の使用量は0.1当量か
ら2当量の範囲、好ましくは0.5当量から1.2当量
である。また、反応温度は50℃から100℃の範囲で
よい。
【0053】反応溶媒は、反応に不活性であればよく、
好ましくは非プロトン性の溶媒である。例えば、アセト
ニトリル等のニトリル類、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド等等のアミド類、ベンゼン、トルエン等の
芳香族炭化水素類等を挙げることができる。これらのう
ちではニトリル類または芳香族炭化水素類が好ましく、
アセトニトリル、ベンゼン、トルエンが好ましい。これ
らの溶媒は混合物として使用してもよい。
【0054】反応時間は、3時間から24時間の範囲で
よいが、通常は5時間から10時間程度で終了する。
【0055】生成する化合物(4)は、シリカゲルやイ
オン交換樹脂を使用したカラムクロマトグラフィー等、
通常の方法によって精製することができる。
【0056】次は化合物(4)を閉環して化合物(5)
【0057】
【化40】 に変換する工程である。この閉環は、Xが塩素原子また
は臭素原子の場合にはヨウ化ナトリウムの存在下に加熱
して、またXがヨウ素原子の場合は単に加熱することで
進行する。なお、ヨウ化ナトリウムのほかにヨウ化カリ
ウムを使用してもよい。
【0058】ヨウ化ナトリウム使用量は化合物(4)に
対して、1当量から10当量の範囲で使用すればよい
が、好ましくは1当量から5当量の範囲である。
【0059】反応溶媒はメタノール、エタノール、プロ
パノール等のアルコール類、アセトニトリル等のニトリ
ル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等
のアミド類を使用すればよい。これらは混合物として使
用してもよい。溶媒の使用量は、化合物(4)に対して
5から50倍程度でよく、好ましくは20から30倍の
範囲である。
【0060】反応温度は50℃から150℃の範囲でよ
いが、好適には80℃から130℃の範囲である。反応
時間は6時間から24時間の範囲でよく、通常、12時
間から15時間程度で完了する。
【0061】生成物はイオン交換樹脂やシリカゲルを使
用したカラムクロマトグラフィー等、通常の方法によっ
て精製することができる。
【0062】化合物(5)において置換基Rが水素原
子でない場合にはこの後の構造変換を行うに当たって、
置換基Rを水素原子に変換しておく必要がある。この
水素原子への変換は、保護基の脱離法として通常使用さ
れている方法を実際に使用している置換基Rに応じて
適宜選択して実施すればよい。すなわち、エーテル結合
を切断して水酸基に変換する方法を適宜採用して実施す
ればよい。
【0063】本願の目的化合物はチオール化合物であ
り、上記のようにして得られたアルコール体の水酸基部
分をチオール誘導体に変換することが必要である。その
ためにまず、得られた化合物(5)の水酸基部分(化合
物(5)において、Rが水素原子でない場合は、水素
原子に変換した後に使用する。)をより活性な官能基に
変換し、その後このものに硫黄化合物を反応させればよ
い。そこで、化合物(6)
【0064】
【化41】R−SOH (6) またはこの化合物の反応性誘導体を反応させて化合物
(7)
【0065】
【化42】 に変換する。
【0066】化合物(6)において、置換基Rは置換
基を有していてもよいアリール基または炭素数1から6
のアルキル基であるが、アルキル基としては、メチル基
がよく、またこのメチル基はトリフルオロメチル基とな
っていてもよい。置換基を有していてもよいアリール基
はのアリール基としてはフェニル基、ナフチル基等の芳
香族炭化水素から導かれる置換基でよく、フェニル基が
最も好ましい。またこの置換基は、ハロゲン原子、炭素
数1から6のアルキル基およびニトロ基からなる群から
選ばれる1または2以上の置換基でよく、複数種、複数
個が混在していてもよい。置換基を有していてもよいア
リール基としては、フェニル基、トルイル基を例示する
ことができる。
【0067】化合物(6)の反応性誘導体としてはスル
ホニルハロゲナイドを使用するのが最も一般的であり、
そのうちではスルホニルクロライドを使用すればよい。
スルホニルクロライドとしてはメタンスルホニルクロラ
イドやトルエンスルホニルクロライドを例示することが
できるが、メタンスルホニルクロライドを使用するのが
好ましい。スルホニルハロゲナイドの他にはスルホン酸
無水物を挙げることができる。
【0068】化合物(6)の反応性誘導体は、化合物
(5)に対して1.0から2.0当量の範囲で使用すれ
ばよく、好ましくは1.0から1.2当量の範囲であ
る。
【0069】反応温度は零下0℃から25℃の範囲、好
ましくは零下5℃から10℃の範囲である。
【0070】反応時間は3分から1時間程度でよいが、
好ましくは5分から15分の範囲である。
【0071】反応溶媒は、メチレンクロライド、クロロ
ホルム等のハロゲン化炭化水素類の他にピリジンを使用
すればよいが、これらは混合物として使用してもよい。
溶媒は5倍量から20倍量の範囲で使用すればよい。
【0072】化合物(5)の水酸基部分を反応性官能基
に変換せずに、ミツノブ反応によっても化合物(7)を
製造することができる。
【0073】化合物(7)はシリカゲル等を使用したカ
ラムクロマトグラフィー等の通常の方法によって精製す
ることができる。
【0074】次にこの水酸基の活性化誘導体をチオール
誘導体に変換するのであるが、そのためにはチオカルボ
ン酸化合物
【0075】
【化43】R−COSH の金属塩を反応させればよい。ここで、R7は炭素数1
から6のアルキル基または置換基を有していてもよいア
リール基を表すが、このRは先のRの定義と同一で
あってよい。Rとしてはメチル基、フェニル基、ハロ
ゲノフェニル基、アルキルフェニル基等が好ましい。
【0076】金属塩としては、アルカリ金属やアルカリ
土類金属の塩でよく、ナトリウム塩、リチウム塩、カリ
ウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等を挙げること
ができる。
【0077】金属塩は化合物(7)に対して1当量から
2当量を使用すればよい。
【0078】反応は溶媒を使用し実施すればよいが、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド
類が好ましい。溶媒の使用量は5から50倍量の範囲
で、より好ましくは10から20倍量程度である。
【0079】反応温度は、30℃から100℃の範囲で
あり、好ましくは40℃から60℃の範囲である。
【0080】反応時間は、3時間から12時間の範囲で
よいが、通常は4時間から8時間で反応は完了する。
【0081】またチオカルボン酸の金属塩ではなく、塩
基性条件下でチオカルボン酸化合物を反応させても化合
物(8)を得ることができる。
【0082】生成した化合物(8)は、シリカゲルクロ
マトグラフィー等の通常の精製法によって精製すること
ができる。
【0083】
【化44】 次に化合物(8)の置換基R−CO−を脱離して化合
物(9)
【0084】
【化45】 に変換する工程である。この工程は保護基の脱離反応と
して通常使用されている反応を、実際に使用されている
置換基に即して適用して実施すればよい。このような反
応として例えばアンモニア水中での加水分解反応や、ア
ルカリ金属アルコキサイドで処理する方法等を例示する
ことができる。
【0085】得られた化合物(9)はシリカゲルクロマ
トグラフィー等を使用した、通常の精製方法によって精
製することができる。
【0086】得られる化合物(9)は不斉炭素1個を有
し、いわゆる光学活性化合物であり対掌体関係となる異
性体が存在する。本願発明の方法は原料化合物の選択に
よって化合物(9)のラセミ体そして対掌体の各々を製
造することができる。対掌体の製造に当たっては光学活
性な化合物(1)を原料として製造を開始すればよい
が、本願の方法では異性化は進行しないことが判明して
おり、したがって目的の異性体を収率よく製造すること
ができる。
【0087】
【実施例】以下に本発明の方法を実施例を挙げて詳細に
説明するが、本願発明はこれに限定されるものではな
い。
【0088】[実施例1](3R)−4−クロロ−3−ヒドロキシ−1−(2−イ
ミダゾリル)−プロパン (R)−4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリル
(4.00g,33.5mmol)を塩化水素を飽和さ
せたエタノール(50ml)に溶解し、密栓して室温で
一晩攪拌した。反応液を濃縮し、残留物にエタノールを
加えて共沸させる操作を数回反復した後、残留物をエタ
ノール(50ml)に溶解し、アミノアセトアルデヒド
ジメチルアセタール(3.95ml,36.8mmo
l)を加え、室温で一晩攪拌した。反応液を濃縮し、ア
セトニトリルで先と同様に数回共沸した。残留物をアセ
トニトリル(100ml)に溶解し、p−トルエンスル
ホン酸(6.91g,40.1mmol)を加え、6時
間加熱還流した。放冷後、反応液を濃縮し、濃縮液を重
曹で中和し、クロロホルムで希釈した後、不溶物を濾別
した。濾液を濃縮後、得られた残留物をシリカゲルカラ
ム(Merck Art9385:100g,MeOH
/CHCl=1/99)にて精製し、標題化合物
(4.10g,76%)を得た。
【0089】H−NMR(CDCl)δ:7.01
(s,2H),4.22(m,1H),3.55(m,
2H),3.20(m,1H),3.05(m,1
H).
【0090】[実施例2](6R)−6−ヒドロキシ−6,7−ジヒドロ−5H−
ピロロ[1,2−a]イミダゾール (3R)−4−クロロ−3−ヒドロキシ−1−(2−イ
ミダゾリル)−プロパン(4.23g,26.3mmo
l)をDMF(80ml)に溶解し、NaI(19.7
g,24.5mmol)を加え、130℃で一晩加熱し
た。放冷後、反応液を濃縮した。得られた残留物を水に
溶解し、クロロホルムで洗浄した。得られた水層をその
まま陽イオン交換樹脂(Amberlite IR−1
20B;15ml)にチャージし、水洗後、1Mアンモ
ニア水で溶出し、標題化合物(1.08g,33%)を
得た。
【0091】[α] 24 +10.8°(c=0.9
65,HO) IR;(KBr−disk):3152,1528,1
428,1344,1268,1078 cm−1 H−NMR(CDCl)δ:6.91(s,1
H),6.80(s,1H),5.03(m,1H),
4.16(dd,1H,J=11.2and5.9H
z),3.89(dd,1H,J=11.2and2.
4Hz),3.29(br,1H),3.14(dd,
1H,J=16.6and6.3Hz),2.89(d
d,1H,J=16.6and2.4Hz).
【0092】[実施例3](3R)−3−ベンジルオキシ−4−クロロ−ブチロニ
トリル (R)−4−クロロ−3−ヒドロキシ−ブチロニトリル
(1.20g,10mmol)を塩化メチレン(7m
l)に溶解し、シクロヘキサン(10ml)、ベンジル
2,2,2−トリクロロアセトイミダート(2.24
ml,12.0mmol)を加えた。次に室温攪拌下に
トリフルオロメタンスルホン酸(89ml,1.00m
mol)を滴下した。更にベンジル 2,2,2−トリ
クロロアセトイミダート(3.36ml,18.0mm
ol)、トリフルオロメタンスルホン酸(89ml,
1.00mmol)を加え、反応温度を40℃にして一
晩攪拌した。析出した結晶を濾去し、濾液を飽和重曹水
で洗浄したのち乾燥した。濃縮後、得られた残留物をシ
リカゲルカラム(Merck Art 9385,30
g;AcOEt/n−Hexane=5/95)にて精
製し、標題化合物(1.06g,50.5%)を得た。
【0093】H−NMR(CDCl)δ:7.38
−7.35(m,5H),4.70(d,1H,J=1
1.7Hz),4.66(d,1H,J=11.7H
z),3.92(m,1H),3.67(dd,1H,
J=11.7and4.4Hz),3.60(dd,1
H,J=11.7and6.8Hz),2.77(d
d,1H,J=17.1and5.4Hz),2.68
(dd,1H,J=17.1and6.4Hz).
【0094】[実施例4](3R)−3−ベンジルオキシ−4−クロロ−1−(2
−イミダゾリル)−プロパン (R)−3−ベンジルオキシ−4−クロロ−ブチロニト
リル(1.64g,7.82mmol)を塩化水素を飽
和させたエタノール(25ml)に溶解し、密栓して室
温にて3時間攪拌した。反応液を濃縮し、エタノールを
加えて共沸する操作を数回反復した後、残留物をエタノ
ール(20ml)に溶解し、アミノアセトアルデヒドジ
メチルアセタール(0.923ml,8.60mmo
l)を加え、一晩室温にて攪拌した。反応液を濃縮し、
アセトニトリルで数回共沸した後、残留物をアセトニト
リル(50ml)に溶解し、p−トルエンスルホン酸
(1.62g,9.83mmol)を加え、8時間加熱
還流した。放冷後、反応液を濃縮して飽和重曹水で中和
し、クロロホルムで抽出した。有機層を乾燥し濃縮後、
得られた残留物をシリカゲルカラム(Merck Ar
t 9385;80g;MeOH/CHCl=5/9
5)にて精製し、標題化合物(1.23g,63%)を
得た。
【0095】H−NMR(CDCl)δ:7.36
−7.29(m,5H),6.94(s,2H),4.
70(d,1H,J=11.2Hz),4.49(d,
1H,J=11.2Hz),4.03(m,1H),
3.63(dd,1H,J=11.7and5.4H
z),3.56(dd,1H,J=11.7and4.
4Hz),3.14(dd,1H,J=15.1and
4.4Hz),2.68(dd,1H,J=15.1a
nd7.3Hz).
【0096】[実施例5](6R)−6−ベンジルオキシ−6,7−ジヒドロ−5
H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール (3R)−3−ベンジルオキシ−4−クロロ−1−(2
−イミダゾリル)−プロパン(1.23g,4.91m
mol)をアセトニトリル(30ml)に溶解し、Na
I(3.68g,24.5mmol)を加え一晩加熱還
流した。放冷後、反応液を濃縮し、得られた残留物を飽
和重曹水で中和し、クロロホルムで抽出した。有機層を
乾燥し、濃縮後、得られた残留物をシリカゲルカラム
(Merck Art 9385;40g;MeOH/
CHCl=3/97)にて精製し、標題化合物(86
9mg,83%)を得た。
【0097】H−NMR(CDCl)δ:7.37
−7.33(m,5H),7.05(s,1H),6.
87(s,1H),4.65(d,1H,J=11.7
Hz),4.55(d,1H,J=11.7Hz),
4.81(m,1H),4.20(dd,1H,J=1
1.2and6.4Hz),3.99(dd,1H,J
=11.2and3.9Hz),3.20(dd,1
H,J=16.6and6.8Hz),3.01(d
d,1H,J=16.6and3.9Hz).
【0098】[実施例6](6R)−6−ヒドロキシ−6,7−ジヒドロ−5H−
ピロロ[1,2−a]イミダゾール (6R)−6−ベンジルオキシ−6,7−ジヒドロ−5
H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール(503mg,
2.35mmol)をクロロホルム(10ml)に溶解
し、アルゴン雰囲気下TMSI(トリメチルシリルアイ
オダイド、1.00ml,7.04mmol)を加え、
室温にて3時間攪拌した。反応液にはクロロホルムに不
溶のオイルが生成する。反応液に水を加え、このオイル
を溶解し、さらに1M−塩酸を加えて系内を酸性化した
後、クロロホルムで洗浄した。得られた水層をそのまま
陽イオン交換樹脂(Amberlite IR−120
B:15ml)にチャージし、水洗後、1Mアンモニア
水で溶出し、標題化合物(240mg,82.5%)を
得た。得られた各種スペクトルデータ及び物性値は実施
例2に示した値と一致した。
【0099】[実施例7] (6R)−6−メタンスルホニルオキシ−6,7−ジヒ
ドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール (6R)−6−ヒドロキシ−6,7−ジヒドロ−5H−
ピロロ[1,2−a]イミダゾール(932mg,7.
51mmol)を塩化メチレン(20ml)に溶解し、
氷冷、アルゴン雰囲気下でトリエチルアミン(1.15
ml,8.26mmol)およびメタンスルホニルクロ
ライド(639ml,8.26mmol)を加え、10
分間攪拌した。反応液をクロロホルムで希釈し、飽和重
曹水で洗浄した後乾燥した。濃縮後、得られた残留物を
シリカゲルカラム(MerckArt 7734;30
g;MeOH/CHCl=3/97)にて精製し、標
題化合物(515mg,34%)を得た。
【0100】H−NMR(CDCl)δ:7.11
(s,1H),6.95(s,1H),5.82(m,
1H),4.38(dd,1H,J=12.2and
5.4Hz),4.28(dd,1H,J= 12.2
and2.4Hz),3.39(dd,1H,J=1
7.3and6.8Hz),3.12(dd,1H,J
=17.3and2.4Hz),3.12(s,3
H).
【0101】[実施例8](6S)−6−アセチルチオ−6,7−ジヒドロ−5H
−ピロロ[1,2−a]イミダゾール (6R)−6−メタンスルホニルオキシ−6,7−ジヒ
ドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール(2
6.6mg,0.132mmol)をDMF(1ml)
に溶解し、アルゴン雰囲気下チオ酢酸カリウム(22.
5mg,0.197mmol)を加え、50℃にて5時
間攪拌した。反応液をクロロホルムで希釈し、これを飽
和重曹水、飽和食塩水で洗浄した後乾燥した。濃縮後、
得られた残留物をシリカゲルカラム(Merck Ar
t 9385;2.5g;MeOH/CHCl=1/
99)にて精製し、標題化合物(15.5mg,65
%)を得た。
【0102】[α] 25 −118°(c=0.11
5,CHCl H−NMR(CDCl)δ:7.07(s,1
H),6.87(s,1H),4.60(m,1H),
4.48(dd,1H,J=11.2and7.8H
z),3.87(dd,1H,J=11.2and5.
4Hz),3.37(dd,1H,J=16.6and
8.3Hz),2.86(dd,1H,J=16.6a
nd5.9Hz),2.38(s,3H).
【0103】[実施例9](6S)−6−メルカプト−6,7−ジヒドロ−5H−
ピロロ[1,2−a]イミダゾール (6S)−アセチルチオ−6,7−ジヒドロ−5H−ピ
ロロ[1,2−a]イミダゾール(106mg,0.5
82mmol)をエタノール(2ml)に溶解し、28
%アンモニア水(1ml)を加えて、アルゴン雰囲気下
に45分間攪拌した。反応液を濃縮し、得られた残留物
をシリカゲルカラム(Merck Art 9385;
7g;MeOH/CHCl=1/99)にて精製し、
標題化合物(126mg,定量的)を得た。
【0104】[α] 27 −5.6°(c=2.6
0,CHCl H−NMR(CDCl)δ:7.06(s,1
H),6.87(s,1H),4.38(dd,1H,
J=10.7and7.3Hz),4.06(m,1
H),3.86(dd,1H,J=10.7and6.
3Hz),3.40(dd,1H,J=16.1and
7.8Hz),2.85(dd,1H,J=16.6a
nd6.8Hz),2.06(d,1H,J=7.8H
z).
【0105】本願発明の製造法によって製造できる化合
物は、以下の方法によってカルバペネム化合物に変換す
ることができる。
【0106】[参考例1] p−ニトロベンジル (1R,5S,6S,8R)−2
−((6S)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,
2−a]イミダゾール−6−イル)チオ−6−(1−ヒ
ドロキシエチル)−1−メチル−1−カルバデチアペン
−2−エム−3−カルボキシレート p−ニトロベンジル (1R,5S,6S,8R)−2
−ジフェニルホスホリルオキシ−6−(1−ヒドロキシ
エチル)−1−メチル−1−カルバデチアペン−2−エ
ム−3−カルボキシレート[D.H.シー等(Shih
et. al.,),ヘテロサイクルズ(Heter
ocycles),21.29(1984)の方法で合
成]、9.51gにアセトニトリル(12ml)を加
え、アルゴン雰囲気下、−35℃で撹拌しながら、実施
例9で得られた(6S)−6−メルカプト−6,7−ジ
ヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール
(2.25g)のアセトニトリル(3ml)溶液、続い
てジイソプロピルエチルアミン(3.1ml)を滴下
し、一晩撹拌した。析出した固体を濾取してジエチルエ
ーテルで洗浄後乾燥し、標題化合物を5.07g得た。
【0107】H−NMR(DMSO−d)δ:1.
17(3H,d,J=6Hz),1.22(3H,d,
J=7Hz),2.69(1H,dd,J=4.4,1
6.6Hz),3.2−3.5(2H,m),3.5−
3.7(1H,m),3.9−4.1(2H,m),
4.27(1H,dd,J=2.4,9.3Hz),
4.4−4.6(2H,m),5.1−5.2(1H,
d,OH),5.28(1H,d,J=14Hz),
5.45(1H,d,J=14Hz),6.92(1
H,s),7.09(1H,s),7.68(2H,
d,J=8Hz),8.21(2H,d,J=8Hz)
【0108】[参考例2](1R,5S,6S,8R)−2−((6S)−6,7
−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール
−6−イル)チオ−6−(1−ヒドロキシエチル)−1
−メチル−1−カルバデチアペン−2−エム−3−カル
ボン酸ナトリウム塩 参考例1で得られたp−ニトロベンジル (1R,5
S,6S,8R)−2−((6S)−6,7−ジヒドロ
−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−6−イ
ル)チオ−6−(1−ヒドロキシエチル)−1−メチル
−1−カルバデチアペン−2−エム−3−カルボキシレ
ート(2.5g)をTHF−1/15Mリン酸緩衝液
(pH6.0)(1:1)110mlに懸濁し、酸化白
金(0.25g)を加え、水素雰囲気下、室温、4気圧
で1時間反応した.触媒を除き反応液を濃縮し、濃縮液
をダイヤイオンHP−20(200ml)より精製し、
5%THF−水の溶出部を濃縮し、NaHCOを加
え、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(担体:
CAPCELL PAK C18 SG120Å,25
0×30φ SHISEIDO;溶媒:4%アセトニト
リル−水;流速:30ml/min)で精製し、保持時
間10分の画分を凍結乾燥後標題化合物1.9gを得
た。
【0109】H−NMR(DO)δ:1.27(3
H,d,J=7.3Hz),1.32(3H,d,J=
6.4Hz),2.84(1H,dd,J=4,2H
z),3.3−3.5(3H,m),4.06(1H,
dd,J=2.4,11.2Hz),4.1−4.30
(2H,m),4.4−4.6(2H,m),4.80
(HOD),7.06(1H,s),7.11(1H,
s)
【0110】[参考例3]ピバロイルオキシメチル (1R,5S,6S,8R)
−2−((6S)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ
[1,2−a]イミダゾール−6−イル)チオ−6−
(1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−1−カルバデ
チアペン−2−エム−3−カルボキシレート 参考例2で得られた(1R,5S,6S,8R)−2−
((6S)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2
−a]イミダゾール−6−イル)チオ−6−(1−ヒド
ロキシエチル)−1−メチル−1−カルバデチアペン−
2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩(226mg)
をDMSO(2.5ml)に溶解し、室温でトリエチル
アミン(0.17ml)、ヨ−ドメチルピバレート
(0.3g)を加え、30分間撹拌した。反応液に酢酸
エチルを加え、これを水、飽和食塩水で洗浄してNa
SOで乾燥後、シリカゲル(20g)のクロマトグラ
フィーで精製し、CHCl−MeOH=9:1の流分
より標題化合物を237mg得た。
【0111】H−NMR(DMSO−d)δ:1.
10(9H,s),1.15(3H,d,J=5.9H
z),1.21(3H,d,J=7.3Hz),2.6
6(1H,dd,J=4.4,16.6Hz),3.2
5−3.40(2H,m),3.53(1H,dt,J
=6.8,17.1Hz),3.90(1H,dd,J
=3.4,11.2Hz),3.95−4.05(1
H,m),4.25(1H,dd,J=2.4,9.3
Hz),4.46(1H,dd,J=6.4,11.2
Hz),4.5−4.6(1H,m),5.11(1
H,d,J=4.9Hz,),5.70(1H,d,J
=5.9Hz),5.87(1H,d,J=5.9H
z),6.92(1H,d,J=1Hz),7.06
(1H,d,J=1Hz)
【0112】[参考例4]p−ニトロベンジル (1R,5S,6S,8R)−2
−((6S)−6,7−ジヒドロ−2−メチル−5H−
ピロロ[1,2−a]イミダゾール−6−イル)チオ−
6−(1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−1−カル
バデチアペン−2−エム−3−カルボキシレート p−ニトロベンジル (1R,5S,6S,8R)−2
−ジフェニルホスホリルオキシ−6−(1−ヒドロキシ
エチル)−1−メチル−1−カルバデチアペン−2−エ
ム−3−カルボキシレート(5.74g)にアセトニト
リル(15ml)を加え、ここにアルゴン雰囲気下、−
35℃で撹拌しながら、実施例8の化合物と同様にして
調製した(6S)−6−メルカプト−6,7−ジヒドロ
−2−メチル−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾー
ル(1.36g)のアセトニトリル(15ml)溶液、
続いてジイソプロピルエチルアミン(1.85ml)を
滴下し、一晩撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈後、
希釈液を水洗してNaSOで乾燥、濃縮後、析出し
た固体を濾取、標題化合物を2.13g得た。
【0113】H−NMR(DMSO−d)δ:1.
16(3H,d,J=6Hz),1.21(3H,d,
J=7Hz),2.07(3H,s),2.62(1
H,dd,J=4.4,16.6Hz),3.3−3.
4(2H,m),3.54(1H,m),3.85(1
H,dd,J=3.4,11.2Hz),3.9−4.
1(1H,m),4.25(1H,dd,J=2.4,
9.3Hz),4.38(1H,dd,J=6.5,1
1.2Hz),4.4−4.6(1H,m),5.10
(1H,d,J=4.9Hz,OH),5.28(1
H,d,J=14Hz),5.45(1H,d,J=1
4Hz),6.76(1H,s),7.67(2H,
d,J=9Hz),8.20(2H,d,J=9Hz)
【0114】[参考例5](1R,5S,6S,8R)−2−((6S)−6,7
−ジヒドロ−2−メチル−5H−ピロロ[1,2−a]
イミダゾール−6−イル)チオ−6−(1−ヒドロキシ
エチル)−1−メチル−1−カルバデチアペン−2−エ
ム−3−カルボン酸ナトリウム塩 参考例4で得られたp−ニトロベンジル (1R,5
S,6S,8R)−2−((6S)−6,7−ジヒドロ
−2−メチル−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾー
ル−6−イル)チオ−6−(1−ヒドロキシエチル)−
1−メチル−1−カルバデチアペン−2−エム−3−カ
ルボキシレート(2.13g)をTHF−1/15Mリ
ン酸緩衝液(pH6.0)(1:1)100mlに懸濁
し、酸化白金(0.21g)を加え、水素雰囲気下、室
温、5気圧で1時間反応した。触媒を除いて反応液を濃
縮し、濃縮液をダイヤイオンHP−20(200ml)
より精製し、5%THF−水の溶出部を濃縮した。これ
にNaHCOを加え、高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)(担体:CAPCELL PAK C18
SG120Å 250×30φ SHISEIDO;溶
媒:5%アセトニトリル−水;流速:30ml/mi
n)で精製し、保持時間9分の画分を凍結乾燥後、標題
化合物1.3gを得た。
【0115】H−NMR(DO)δ:1.24(3
H,d,J=7.3Hz),1.30(3H,d,J=
6.3Hz),2.14(3H,s),2.75(1
H,dd,J=3.9,17.1Hz),3.3−3.
4(2H,m),3.45(1H,dd,J=2.4,
6.4Hz),3.98(1H,dd,J=2.9,1
1.2Hz),4.2−4.3(2H,m),4.39
(1H,dd,J=6.4,11.2Hz),4.4−
4.5(1H,m),4.80(HOD),6.79
(1H,s).
【0116】[参考例6]ピバロイルオキシメチル (1R,5S,6S,8R)
−2−((6S)−6,7−ジヒドロ−2−メチル−5
H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−6−イル)チ
オ−6−(1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−1−
カルバデチアペン−2−エム−3−カルボキシレート 参考例5で得られた(1R,5S,6S,8R)−2−
((6S)−6,7−ジヒドロ−2−メチル−5H−ピ
ロロ[1,2−a]イミダゾール−6−イル)チオ−6
−(1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−1−カルバ
デチアペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
(262mg)をDMF(4ml)、DMSO(1m
l)に溶解し、室温でトリエチルアミン(0.19m
l)、ヨ−ドメチルピバレート(0.33g)を加え、
一晩撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、これを水、
飽和食塩水で洗浄してNaSOで乾燥後、シリカゲ
ル15gのクロマトグラフィーにて精製し、CHCl
−MeOH=19:1の流分より標題化合物を143m
g得た。
【0117】H−NMR(DMSO−d)δ:1.
09(9H,s),1.15(3H,d,J=5.9H
z),1.20(3H,d,J=6.8Hz),2.0
7(3H,s),2.61(1H,dd,J=3.9,
17.9Hz),3.25−3.35(2H,m),
3.51(1H,m),3.83(1H,dd,J=
2.9,11.2Hz),3.98(1H,m),4.
24(1H,dd,J=2.4,9.3Hz),4.3
8(1H,dd,J=6.4,11.2Hz),4.4
5−4.55(1H,m),5.13(1H,d,J=
4.9Hz),5.70(1H,d,J=5.9H
z),5.86(1H,d,J=5.9Hz),6.7
6(1H,s).

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、置換基Rは水素原子、置換基を有していても
    よいアリールメチル基、または炭素数1から6のアルキ
    ル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で表される化
    合物と、一般式 R−OH (式中、Rは炭素数1から6のアルキル基を表す。)
    で表される化合物とを塩化水素存在下に処理して一般式
    (2) 【化2】 (式中、R、RおよびXは先の定義に等しい。)で
    表される化合物に変換し、この化合物に一般式(3) 【化3】 (式中、Rは水素原子または炭素数1から6のアルキ
    ル基を表し、RおよびRは、各々独立に、炭素数1
    から6のアルキル基を表す。)で表される化合物を反応
    させて一般式(4) 【化4】 (式中、R、RおよびXは先の定義に等しい。)で
    表される化合物を得、この化合物を閉環して一般式
    (5) 【化5】 (式中、RおよびRは先の定義に等しい。)で表さ
    れる化合物とした後、該化合物の置換基Rが水素原子
    でない場合は水素原子である化合物に変換し、置換基R
    が水素原子である一般式(5)の化合物に、一般式
    (6) 【化6】R−SOH (6) (式中、Rは炭素数1から6のアルキル基または置換
    基を有していてもよいアリール基を表す。)で表される
    化合物またはその反応性誘導体を反応させて一般式
    (7) 【化7】 (式中、RおよびRは先の定義に等しい。)で表さ
    れる化合物を得、この化合物を一般式 R−COSH (式中、Rは炭素数1から6のアルキル基または置換
    基を有していてもよいアリール基を表す。)で表される
    化合物の金属塩を反応させて一般式(8) 【化8】 (式中、Rは炭素数1から6のアルキル基または置換
    基を有していてもよいアリール基を表す。)で表される
    化合物を得た後、置換基R−CO−を脱離することを
    特徴とする、一般式(9) 【化9】 (式中、Rは先の定義に等しい。)で表される化合物
    の製造法
  2. 【請求項2】 一般式(9)の化合物が、式 【化10】 または、式 【化11】 (式中、Rは水素原子または炭素数1から6のアルキ
    ル基を表す。)で表される化合物である請求項1に記載
    の製造法
  3. 【請求項3】 Rが水素原子である請求項1または2
    に記載の製造法
  4. 【請求項4】 一般式(9)の化合物が、(6S)−6
    −メルカプト−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,
    2−a]イミダゾールである請求項1に記載の製造法
  5. 【請求項5】 一般式(4) 【化12】 (式中、置換基Rは水素原子、アルキル基、置換基を
    有していてもよいベンジル基を表し、Rは水素原子ま
    たは炭素数1から6のアルキル基を表す。)で表される
    化合物及びその光学活性体
  6. 【請求項6】 一般式(5) 【化13】 (式中、置換基Rは水素原子、アルキル基、置換基を
    有していてもよいアリールメチル基を表し、Rは水素
    原子または炭素数1から6のアルキル基を表す。)で表
    される化合物及びその光学活性体
  7. 【請求項7】 一般式(7) 【化14】 (式中、Rは水素原子または炭素数1から6のアルキ
    ル基を表し、Rは炭素数1から6のアルキル基または
    置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で表さ
    れる化合物及びその光学活性体
  8. 【請求項8】 一般式(8) 【化15】 (式中、Rは水素原子または炭素数1から6のアルキ
    ル基を表し、Rは炭素数1から6のアルキル基または
    置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で表さ
    れる化合物及びその光学活性体
  9. 【請求項9】 Rが水素原子である請求項5から8の
    いずれか一項に記載の化合物
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999033830A1 (fr) * 1997-12-26 1999-07-08 Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. Procede de preparation d'un compose thiol heterobicyclique
KR20160138191A (ko) * 2014-03-27 2016-12-02 존슨 맛쎄이 퍼블릭 리미티드 컴파니 카바페넴 항생물질의 제조 방법

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