JP4005922B2 - 記憶媒体が搭載された検出器を備えた射出成形機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は射出成形機、特に、記憶媒体が搭載された検出器を備えた射出成形機に関する。
【従来の技術】
【0003】
射出成形機においては、加熱シリンダ内において加熱され溶融された樹脂を高圧で射出し、金型のキャビティ空間に充填し、キャビティ空間内において冷却して固化させ、金型を開いて成形品を取り出す。
【0004】
そのため、かかる射出成形機には、複数の駆動部及び当該駆動部によって駆動される被駆動部が設けられている。また、当該被駆動部の速度や位置等、被駆動部の駆動状況を検出するために、検出器が被駆動部又は駆動部等に備えられている。
【0005】
例えば、電動射出成形機には、射出用サーボモータ、スクリュー回転用サーボモータ、型締用サーボモータ等の複数のモータが駆動部として設けられている。また、スクリュー、クロスヘッド等が被駆動部として設けられている。更に、これらのサーボモータの出力軸には、ロータリーエンコーダ等の回転検出器が設けられている。例えば、回転検出器は、サーボモータの回転数や回転量を認識し、認識した回転数や回転量を示す検出信号を出力する。この検出信号は、サーボモータの出力軸で駆動される被駆動部の速度や位置を検出するための信号として用いられる。被駆動部の速度制御を行う場合には、コントローラが回転検出器からの検出信号を受ける。コントローラは検出信号で示される速度に応じてサーボモータの回転数や回転量を制御する。即ち、コントローラは被駆動部を指令速度に合わせるように、サーボモータの回転数や回転量の制御を行う。
【0006】
図1は、従来の電動射出成形機におけるサーボモータのフィードバック制御系を模式的に示すブロック図である。なお、このブロック図は説明を簡略化するために、最小限の構成要素のみを示しており、実際のフィードバック制御系はこれよりも複雑な構成となる。
【0007】
図1を参照するに、サーボモータ21の出力軸25に回転検出器22が設けられる。回転検出器22からの検出信号は、インタフェース回路23を経由して、コントローラ20に入力される。インタフェース回路23は、回転検出器22からの信号をコントローラ20でのデジタル処理に適した信号に変換する。コントローラ20は、回転検出器22から取得したサーボモータ21の回転数や回転量の情報により、ドライブ24を介して、サーボモータ21の回転数や回転量を制御する。
【0008】
ところで、回転検出器22をサーボモータ21の出力軸25に取り付けた際には、サーボモータ21の原点位置を計測し、原点位置情報として保存することが必要である。サーボモータ21の回転数や回転量を制御するためには、原点位置を基準として回転数や回転量を認識する必要があるからである。
【0009】
また、回転検出器22を識別するために、コントローラ20には、サーボモータ21の原点位置情報に加えて、検出器情報が保存される。検出器情報とは、回転検出器を個別に識別できる個別情報であり、例えば「回転検出器の型式」、「シリアル番号」、「バージョン番号」等、数値やアルファベット等の記号で表される情報が該当する。コントローラ20は射出成形機に1つ備えられるが、通常は、コントローラ20は射出成形機における複数のサーボモータを並列的に制御する。従って、複数の検出信号が複数の回転検出器からコントローラ20に入力される。この場合、入力された検出信号がどの回転検出器からのものであるか識別を行う必要がある。また、入力された検出信号が正規の回転検出器から得られたものであるかという識別を行う必要もある。
【0010】
このように、従来の電動射出成形機では、サーボモータ21の原点位置情報は、このサーボモータ21の出力軸25に設置された回転検出器22の検出器情報と組合わされて、回転検出器22のサーボモータ21への取付け後、コントローラ20に内蔵されているメモリ26に保存されている。なお、インタフェース回路23がメモリを内蔵している場合は、このメモリにサーボモータ21の原点位置情報及び検出器情報が保存される。
【0011】
しかし、上述の従来の射出成形機では、回転検出器22を交換した場合に、回転検出器22の交換の度に、射出成形機の原点位置検出動作を行い、サーボモータ21の原点位置情報と回転検出器22の検出器情報を、メモリ26に保存し直さなければならない。この際に、回転検出器が交換された後に原点位置の情報の入力等の設定操作を忘れた場合や、誤って別の種類の回転検出器がサーボモータ21に取り付けられたまま射出成形機が運転された場合等に、射出成形機が誤動作をする。
【0012】
また、上述の従来の射出成形機では、原点位置情報及び検出器情報を持つインタフェース回路23あるいはコントローラ20を交換した場合や、回転検出器22と、原点位置情報及び検出器情報を持つインタフェース回路23あるいはコントローラ20を交換した場合に、サーボモータ21の原点位置情報と回転検出器22の検出器情報を、当該交換の度に保存し直さなければならない。従って、夫々の交換作業が煩雑となり、その結果、交換作業の度にメンテナンスのための人為的サポートを必要とし不便である。
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明の目的は、駆動部と、前記駆動部によって駆動される被駆動部と、前記駆動部に備えられ、前記被駆動部の駆動状況を検出して検出信号を出力する検出器と、前記検出信号を受けて前記駆動部による駆動を制御するコントローラと、を備えた射出成形機であって、前記検出器には前記検出器を識別するための検出器情報を記憶させた記憶媒体が搭載され、前記記憶媒体には前記駆動部の原点位置情報および前記射出成形機を識別するための成形機情報を記憶させ、前記コントローラには前記成形機情報が記憶されたメモリが内蔵され、前記メモリには前記原点位置情報および前記検出器情報を記憶させることを特徴とする射出成形機を提供することにある。
【0014】
本発明によれば、コントローラにも同じ検出器情報や原点位置情報を保存して比較を行うことができ、回転検出器が交換された後の設定操作忘れによる射出成形機の誤動作を防止することができる。更に、検出器情報及び原点位置情報に加えて、成形機情報を記憶媒体及びコントローラに保存することにより、コントローラのみが交換された場合と、回転検出器とコントローラが交換された場合の判別を確実にすることが出来る。
【0015】
コントローラは、前記記憶媒体に記憶されている前記検出器情報と前記メモリに記憶されている前記検出器情報を比較し、不一致の場合はその旨を報知することとしてもよい。また、コントローラは更に、前記記憶媒体に記憶されている前記原点位置情報と前記メモリに記憶されている前記原点位置情報を比較し、不一致の場合はその旨を報知することとしてもよい。
【0016】
不一致の報知がなされることにより、射出成形機の駆動前に正しい設定操作を促される。これによって、検出器が交換された後の設定操作忘れによる射出成形機の誤動作を防止することができる。
【0017】
コントローラは更に、記憶媒体に記憶されている成形機情報とメモリに記憶されている成形機情報を比較し、不一致の場合はその旨を報知することとしてもよい。
【0018】
かかる報知により、コントローラのみが交換された場合と、回転検出器とコントローラが同時に交換された場合の判別をすることが可能となる。コントローラのみが交換された場合は、コントローラは、記憶媒体に保存されている原点位置情報をそのまま読み出すことが可能であるため、原点位置の検出及び設定の動作を再度行う必要がなくなる。
【発明の実施の形態】
【0019】
図2乃至図12を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
図2は、本発明の第一実施例に係る射出成形機の概略構成を示す側面図である。図2を参照するに、電動射出成形機40は、射出装置50及び型締装置70から構成される。
【0021】
射出装置50は、加熱シリンダ51を備え、加熱シリンダ51にはホッパ52が配設される。また、加熱シリンダ51内には、スクリュー53が進退自在かつ回転自在に配設される。スクリュー53の後端は、支持部材54によって回転自在に支持される。支持部材54には、サーボモータ等の計量モータ55が駆動部として取り付けられ、計量モータ55の回転が、計量モータ55の出力軸61に取り付けられたタイミングベルト56を介して、被駆動部のスクリュー53に伝達されるようになっている。計量モータ55の出力軸61の後端には、回転検出器62が直結している。回転検出器62は、計量モータ55の回転数又は回転量を認識し、スクリュー53の駆動状況を示すスクリュー53の回転速度を検出する。
【0022】
射出装置50は更に、スクリュー53と平行にねじ軸57を回転自在に備える。ねじ軸57の後端は、サーボモータ等の射出モータ59の出力軸63に取り付けられたタイミングベルト58を介して、射出モータ59に連結されている。従って、射出モータ59によってねじ軸57を回転させることが出来る。ねじ軸57の前端は支持部材54に固定されたナット60と螺合させられる。従って、駆動部たる射出モータ59を駆動し、タイミングベルト58を介して駆動伝達部たるねじ軸57を回転させると、支持部材54は前後進可能となり、その結果、被駆動部のスクリュー53を前後進させることが出来る。射出モータ59の出力軸63の後端には、位置検出器64が直結している。位置検出器64は、射出モータ59の回転数又は回転量を認識し、スクリュー53の駆動状況を示すスクリュー53の位置を検出する。
【0023】
型締装置70は、可動側の金型71が取り付けられた可動プラテン72と、固定側の金型73が取り付けられた固定プラテン74を含む。可動プラテン72と固定プラテン74は、タイバー75によって連結される。可動プラテン72はタイバー75に沿って摺動可能である。また、型締装置70は、一端が可動プラテン72と連結し、他端がトグルサポート76と連結するトグル機構77を含む。トグルサポート76の中央においては、ボールねじ軸79が回転自在に支持されている。ボールねじ軸79には、トグル機構77に設けられたクロスヘッド80に形成されたナット81が螺合させられている。また、ボールねじ軸79の後端にはプーリー82が配設され、サーボモータ等の型締モータ78の出力軸83とプーリー82との間には、タイミングベルト84が張設されている。
【0024】
従って、型締装置70において、駆動部たる型締モータ78を駆動すると、型締モータ78の回転が、タイミングベルト84を介して、駆動伝達部たるボールねじ軸79に伝達される。そして、ボールねじ軸79及びナット81によって、運動方向が回転運動から直線運動に変換され、トグル機構77が作動させられる。トグル機構77の作動により、可動プラテン72はタイバー75に沿って摺動し、型閉じ、型締め及び型開きが行われる。型締モータ78の出力軸83の後端には、位置検出器85が直結している。位置検出器85は、型締モータ78の回転数又は回転量を認識し、ボールねじ軸79の回転に伴って進退するクロスヘッド80又はトグル機構77によってクロスヘッド80に連結された被駆動部たる可動プラテン72の位置を検出する。
【0025】
図3は、本発明の第一実施例に係る射出成形機の駆動部の一つである計量モータ55に関し、本発明を利用したフィードバック制御系を模式的に示したブロック図である。なお、このブロック図は説明を簡略化するために、最小限の構成要素のみを示しており、実際のフィードバック制御系はこれよりも複雑な構成となる。
【0026】
図3を参照するに、図2を用いて説明したように、本実施例では、駆動部たる計量モータ55が被駆動部たるスクリュー53を駆動し、計量モータ55の出力軸61に回転検出器62が設けられている。回転検出器62は、計量モータ55の回転数又は回転量を認識し、スクリュー53の回転速度を検出する。回転検出器62には様々なタイプのものがあるが、例えば、ロータリーエンコーダが該当する。
【0027】
回転検出器62からの検出信号は、インタフェース回路36を経由してコントローラ34に入力される。コントローラ34は、回転検出器62で認識された計量モータ55の回転数又は回転量の情報により、ドライブ37を介して、計量モータ55の回転数又は回転量を制御する。
【0028】
回転検出器62には、1チップマイコン38が記憶媒体として搭載されている。1チップマイコン38には、計量モータ55の原点位置情報及び回転検出器62の検出器情報を記憶させている。1チップマイコン38はメモリを有し安価で提供されており、記憶媒体として適している。
【0029】
計量モータ55の回転数又は回転量を制御するためには、原点位置を基準として回転数又は回転量を検出する必要があるため、原点位置情報が要求される。従って、原点位置情報を、正常に記憶させることにより、計量モータ55によって駆動されるスクリュー53の誤動作を防止することが出来る。
【0030】
また、本実施例では、検出器情報として、「回転検出器の型式」、「シリアル番号・バージョン番号」が使用される。
【0031】
「回転検出器の型式」の情報により、射出・計量・型締・エジェクター等の各駆動部に関し、正規の型式の回転検出器が取り付けられているかを把握することが出来る。ここでは、計量モータ55に関し、正規の型式の回転検出器が取り付けられているか否かを把握することが出来る。
【0032】
ところで、同一型式の回転検出器であっても、検出方法の改善等があった場合に、コントローラ側のソフトウェアの変更を伴う場合がある。また、回転検出器の交換作業をする際に、どのバージョンの回転検出器が搭載されていたのか不明な場合がある。即ち、当該バージョンの回転検出器に適したコントローラ側のソフトウェアを、回転検出器の交換と同時に提供する必要がある。そこで、「シリアル番号・バージョン番号」を保存しておくことにより、どのバージョンの検出器が搭載されてもコントローラが検出器のバージョンを判別し、自動的に最適なソフトウェアを提供することが出来る。
【0033】
但し、個別の回転検出器を識別することが出来る限りは、「回転検出器の型式」、「シリアル番号・バージョン番号」に限られず、どのような情報を使用してもよい。
【0034】
また、回転検出器62には予め1チップマイコン38を組み付け、しかも1チップマイコン38のメモリに予め検出器情報を書き込んだものを提供するものとする。
【0035】
本実施例ではまた、1チップマイコン38のメモリに成形機情報も記憶させることが出来る。成形機情報は、射出成形機を識別するための情報である。ある工場において射出成形機が設置されるのは1台のみとは限らず、複数台の射出成形機が設置されるのが普通である。そして、この場合、複数台の射出成形機を一括監視するのが望ましい。成形機情報の存在により、複数台の射出成形機を一括監視し識別することが出来る。
【0036】
成形機情報として、射出成形機ごとに与えられる「機番」、検出器を使用している射出成形機内の「駆動部位」に関する情報、「可塑化容量・型締容量」に関する情報等が使用される。
【0037】
「機番」は、各成形機固有の番号である。同一の機番は存在しないので個体判別を確実に行うことが出来る。なお、「機番」には、射出成形機のシリーズ名を含んでもよい。
【0038】
また、使用している「駆動部位」の情報により、一台の射出成形機で同一型式の検出器が複数個使用されている場合に、これらを入れ替えたときに、入れ替えた旨を判別することが可能となる。「駆動部位」に関する情報は、例えば、IJ(射出)、MD(型締)、EJ(エジェクター)、RO(計量)等、記号化して入力される。
【0039】
また、不慮の故障等により、コントローラ34及び検出器62のデータは異常なデータに変化することが考えられる。従って、成形機情報として、「可塑化容量・型締容量」等、「機番」及び使用している「駆動部位」以外の情報を保存しておくことにより、コントローラ34のメモリ35のデータと検出器62の1チップマイコン38のデータの比較を行う際に、より多くのデータの比較を行うことができる。その結果、データの正確性を増すことが出来る。
【0040】
但し、個別の射出成形機を識別することが出来る限りは、上述の情報に限られず、どのような情報を使用してもよい。
【0041】
上述のような1チップマイコン38を持つ回転検出器62を計量モータ55の出力軸に取り付けた際には、計量モータ55の原点位置を計測し、その原点位置情報を検出器情報、成形機情報と共に1チップマイコン38内のメモリに保存する。1チップマイコン38内のメモリへのデータ保存は周知の技術で行うことができるが、本実施例ではコントローラ34を通して行うことができるようにしている。即ち、コントローラ34にはディスプレイ、キーボード等のデータ入力装置が組合わされ、このデータ入力装置により必要な情報を入力してコントローラ34経由で1チップマイコン38内のメモリに書き込みを行う。このため、コントローラ34と1チップマイコン38との間を専用線30で接続している。コントローラ34は、専用線30を通して1チップマイコン38へのデータ入力のみならず、1チップマイコン38からのデータ読み出しも行う。
【0042】
本形態では更に、コントローラ34内のメモリ35にも、上記の原点位置情報、回転検出器62の検出器情報、成形機情報を記憶させるようにしている。これは、後述するように、コントローラ34において、1チップマイコン38に記憶されている原点位置情報、回転検出器62の検出器情報、成形機情報と、コントローラ34内のメモリ35に記憶されている原点位置情報、回転検出器62の検出器情報、成形機情報との比較を行うためである。コントローラ34は、射出成形機への電源が投入された時には必ず上述の比較を行い、不一致があると、その旨をアラームで報知し、不一致の内容をディスプレイに表示する。
【0043】
なお、成形機情報については、射出成形機の製造段階でコントローラ34内のメモリ35に記憶されているものとする。
【0044】
このようにすることにより、回転検出器62、インタフェース回路36あるいはコントローラ34を交換した場合に、計量モータ53の原点位置情報や回転検出器62の検出器情報を再度保存し直す必要が無い。
【0045】
次に、図4乃至図7を参照して、様々な場合に応じた上記の情報の保存方法について説明する。
【0046】
図4は、電動射出成形機40を新規に据え付けする場合について示している。この場合、回転検出器62に組み付けられている1チップマイコン38のメモリには検出器情報のみが書き込まれている。一方、コントローラ34内のメモリ35には成形機情報のみが書き込まれている。
【0047】
据え付け後、電動射出成形機40の電源が投入されると、コントローラ34は1チップマイコン38のメモリから情報を読み出すが、検出器情報のみ得られる。一方、コントローラ34内のメモリ35には成形機情報のみが存在する。この場合、コントローラ34は、射出成形機の新規据え付けであると判別し、以下の動作を実行する。
【0048】
コントローラ34は、1チップマイコン38のメモリ及びコントローラ34内のメモリ35の検出器情報、原点位置情報、成形機情報について比較を実行するが、一致は得られない。この場合、コントローラ34は1チップマイコン38のメモリから読み出した検出器情報をメモリ35に保存すると共に、メモリ35に記憶されている成形機情報を読み出して1チップマイコン38のメモリに書き込む。コントローラ34はまた、情報の不一致を示すアラームを出力させ、原点位置情報の不一致をディスプレイに表示させる。この表示によりオペレータは計量モータ55の原点位置検出動作を行う。オペレータは、検出した原点位置を、データ入力装置からコントローラ34を介して、1チップマイコン38のメモリ及びコントローラ34内のメモリ35に書き込む。
【0049】
上述のようにして、1チップマイコン38のメモリ及びコントローラ34内のメモリ35にはそれぞれ、同じ検出器情報、原点位置情報、成形機情報が書き込まれたことになる。従って、この後、コントローラ34が前述の比較動作を実行すると全て一致するので、以後の制御動作が可能な状態となる。
【0050】
図5は、既に設置されている回転検出器を交換する場合について示している。この場合、新規の回転検出器を取り付ける場合と、中古品の回転検出器を取り付ける場合とが考えられる。しかし、何れの場合もコントローラ34による比較の結果、不一致となる。以下では、新規の回転検出器を取り付ける場合について説明する。
【0051】
この場合、回転検出器62に組み付けられている1チップマイコン38のメモリには検出器情報のみが書き込まれている。一方、コントローラ34内のメモリ35には、成形機情報の他、前の回転検出器の旧検出器情報及び旧原点位置情報が書き込まれている。コントローラ34は、新規の回転検出器62の交換であると判別し、以下の動作を実行する。
【0052】
回転検出器の交換後、電動射出成形機40の電源が投入されると、コントローラ34は1チップマイコン38のメモリから検出器情報を読み出し、コントローラ34内のメモリ35から読み出した検出器情報との比較を行う。検出器情報、原点位置情報、及び成形機情報のいずれも一致しない。
【0053】
この場合、コントローラ34はメモリ35に記憶されている旧検出器情報を消去して1チップマイコン38のメモリから読み出した検出器情報を上書き保存すると共に、メモリ35に記憶されている成形機情報を1チップマイコン38のメモリに書き込む。
【0054】
コントローラ34はまた、情報の不一致を示すアラームを出力させ、原点位置情報の不一致をディスプレイに表示させる。この表示によりオペレータは計量モータ55の原点位置検出動作を行い、検出した原点位置情報を1チップマイコン38のメモリに書き込む。オペレータはまた、データ入力装置からコントローラ34を介して、コントローラ34内のメモリ35の旧原点位置情報を消去し、新しい原点位置情報を上書き保存する。
【0055】
上述のようにして、1チップマイコン38のメモリ及びコントローラ34内のメモリ35にはそれぞれ、同じ検出器情報、原点位置情報、成形機情報が書き込まれたことになる。従って、この後、コントローラ34が前述の比較動作を実行すると全て一致するので、以後の制御動作が可能な状態となる。
【0056】
なお、交換されるのが新規の回転検出器ではなく中古品の回転検出器である場合には、図3において、1チップマイコン38のメモリには、前の射出成形機の旧原点位置情報及び旧成形機情報が書き込まれている点において上述の説明と異なる。この場合、コントローラ34は、中古品の回転検出器が交換されたものと判別し、1チップマイコン38のメモリにおける原点位置情報及び成形機情報の書き換えを行うと共に、メモリ35における検出器情報及び原点位置情報の書き換えを行うことになる。
【0057】
図6は、既に設置されている電動射出成形機におけるコントローラ34を交換する場合について示している。この場合、回転検出器62に組み付けられている1チップマイコン38のメモリには検出器情報、原点位置情報、成形機情報が書き込まれている。これらは更新される必要が無いものである。
【0058】
一方、新規のコントローラ34の交換が完了の段階で、そのコントローラ34内のメモリ35に、当該射出成形機の成形機情報を書き込む。この成形機情報は1チップマイコン38のメモリの成形機情報と同じであるため、コントローラ34は、コントローラ自体の交換であると判別して以下の動作を実行する。
【0059】
コントローラ34の交換後、電動射出成形機40の電源が投入されると、コントローラ34は1チップマイコン38のメモリから情報を読み出し、コントローラ34内のメモリ35から読み出した情報との比較を行う。検出器情報及び原点位置情報が一致せず、成形機情報のみが一致する。
【0060】
コントローラ自体の交換の場合には、情報が全部一致していなくても、コントローラ34は、アラームを出力させず、不一致の表示も行わない。この後、1チップマイコン38のメモリに記憶されている情報はすべて正しいものとして、1チップマイコン38のメモリから読み出した検出器情報及び原点位置情報を夫々メモリ35に記憶させる。コントローラ34が前述の比較動作を実行すると全て一致するので、以後の制御動作が可能な状態となる。
【0061】
ここで、1チップマイコン38のメモリ及びコントローラ34内のメモリ35に成形機情報も記憶させるようにしているのは、以下の理由による。
【0062】
1チップマイコン38のメモリ及びコントローラ34内のメモリ35に成形機情報が記憶されていなければ、例えば、回転検出器を別の中古品の回転検出器に交換し、同時にコントローラを交換する場合に、1チップマイコン38のメモリには、検出器情報と原点位置情報が記憶されているが、コントローラ34内のメモリ35には、検出器情報も原点位置情報も何れも無い。従って、成形機情報が記憶されていなければ、コントローラのみが交換されたのか、それとも回転検出器とコントローラが同時に交換されたのかの区別ができない。これに対し、成形機情報があることにより、上述の場合に、コントローラのみが交換されたときには成形機情報が一致し、回転検出器とコントローラが同時に交換されたときには成形機情報は一致しないので、上述の区別をすることが可能となる。コントローラのみが交換された場合は、コントローラ34は、1チップマイコン35のメモリに保存されている原点位置情報をそのまま読み出してくることが可能なため、原点位置の検出及び設定の動作を再度行う必要がない。
【0063】
図7は、電動射出成形機40に電源が投入された場合、即ち、電動射出成形機40の通常の運転開始の場合について示している。
【0064】
前述のように、コントローラ34は電動射出成形機40に電源が投入されると、1チップマイコン38のメモリに記憶されている検出器情報、原点位置情報、成形機情報をそれぞれ、メモリ35に記憶されている検出器情報、原点位置情報、成形機情報と比較する。通常の運転開始の場合にはこれらは全て一致する。従って、直ぐに以後の制御動作が可能な状態となる。
【0065】
本発明によれば、図4及び図6に示されるようにコントローラを交換した場合は、従来のように計量モータ55の原点位置情報、回転検出器62の検出器情報を保存し直す必要は無く、交換終了後の何らかの設定操作も不要である。従って、メンテナンスのための人為的サポートを必要とすることなく、オペレータ自身によって容易に、交換作業に射出成形機の誤動作が発生しないよう当該交換作業を遂行することが可能となる。即ち、電動射出成形機40のメンテナンスが簡便となり、当該交換作業後に電動射出成形機40を容易に立ち上げることが可能となる。
【0066】
更に、本発明によれば、図4及び図5に示されるように、回転検出器62の交換終了後には必ず検出器情報及び原点位置情報の比較が行われ、一致していなければその旨が報知されて原点位置情報の検出及び入力作業が行われる。従って、回転検出器62が交換された後に、仮に原点位置情報の入力作業が忘れられた場合に、従来は射出成形機がそのまま運転されると誤動作が発生する可能性があったが、これを運転前に防止することができる。
【0067】
また、同じ種類の回転検出器は、同じ型式を有する。ある駆動部に関する回転検出器を交換する場合に、誤って別の種類の型式の回転検出器が取り付けられた場合には、射出成形機の誤動作の原因となる。これに対し、本発明によれば回転検出器の型式の比較が行われ、不一致の場合にはそれが表示されるので、誤って別の種類の型式の回転検出器が取り付けられることも防止できる。
【0068】
なお、上述の実施例では、便宜上、計量モータ55に関して説明をしたが、射出モータ59及び型締モータ78の場合も、本発明を利用した同様のフィードバック制御系を適用することが出来る。即ち、射出モータ59の出力軸63に設けられた位置検出器64によるスクリュー53の位置の検出に基づくフィードバック制御及び型締モータ78の出力軸83に設けられた位置検出器85によってボールねじ軸79の回転に伴って進退するクロスヘッド80又はトグル機構77によってクロスヘッド80に連結された可動プラテン72の位置の検出に基づくフィードバック制御にも、本発明を適用することができる。
【0069】
次に、本発明の第二実施例に係る射出成形機について説明する。図8は、本発明の第二実施例に係るビルトイン式の電動射出成形機の概略構成を示す側面図である。図8を参照するに、電動射出成形機90は、射出装置100及び型締装置120から構成される。
【0070】
射出装置100は、加熱シリンダ101を備え、加熱シリンダ101にはホッパ102が配設される。また、加熱シリンダ101内には、スクリュー103が進退自在にかつ回転自在に配設される。加熱シリンダ101の後方には、駆動部ケース104が設けられている。駆動部ケース104の内部には、前方部に計量モータ105が、後方部に射出モータ106が、互いに同一軸上に配設される。
【0071】
駆動部たる計量モータ105は、第一スプライン107を介して、被駆動部たるスクリュー103を回転させる。即ち、第一スプライン107は、計量モータ105による駆動をスクリュー103に伝達する駆動伝達部としての機能を果たす。第一スプライン107には、回転検出器108が設けられている。回転検出器108は、第一スプライン107の回転数又は回転量を認識し、スクリュー103の駆動状況を示すスクリュー103の回転速度を検出する。
【0072】
また、駆動部たる射出モータ106は、第二スプライン109を介して、ボールねじ軸110を回転させる。ボールねじ軸110は、ボールねじ軸110に螺合するボールナット111を介して、直線運動する。その結果、被駆動部たるスクリュー103が前後進可能となる。即ち、ボールねじ軸110は、射出モータ106による駆動をスクリュー103に伝達する駆動伝達部としての機能を果たす。ボールねじ軸110の後端には、位置検出器112が設けられている。位置検出器112は、ボールねじ軸110の回転数又は回転量を認識し、スクリュー103の駆動状況を示すスクリュー103の位置を検出する。
【0073】
型締装置120は、可動側の金型121が取り付けられた可動プラテン122と、固定側の金型123が取り付けられた固定プラテン124を含む。可動プラテン122と固定プラテン124は、タイバー125によって連結される。可動プラテン122はタイバー125に沿って摺動可能である。また、型締装置120は、一端が可動プラテン122と連結し、他端がトグルサポート126と連結するトグル機構127を含む。トグルサポート126の中央においては、ナット130が取り付けられている。ナット130に螺合しているボールねじ軸128は、前端がクロスヘッド129に連結し、後端は型締モータ131に連結している。
【0074】
型締装置120において、駆動部たる型締モータ131を駆動すると、型締モータ131の回転が、スプライン132により直線運動に変換される。これによって、ボールねじ軸128及びナット130を介して、クロスヘッド129を駆動させ、クロスヘッド129を進退させることが出来る。クロスヘッド129の駆動により、トグル機構127が作動させられ、被駆動部たる可動プラテン122はタイバー125に沿って摺動し、型閉じ、型締め及び型開きが行われる。このように、スプライン132は、型締モータ131による駆動をクロスヘッド129に伝達する駆動伝達部としての機能を果たす。スプライン132には、位置検出器133が設けられている。位置検出器133は、スプライン132の回転数又は回転量を認識し、クロスヘッド129の駆動状況を示すクロスヘッド129の位置を検出する。
【0075】
また、型締装置120の可動プラテン122の中央には、型開き後に成形品を金型121から離型すべく、エジェクタピン140が設けられている。駆動部たるエジェクタモータ141中の図示しないスプラインにより、エジェクタモータ141の回転運動が直線運動に変換される。かかる直線運動により、エジェクタクロスヘッド142を駆動させ、被駆動部たるエジェクタピン140を直線的に進退動作させることが出来る。ここで、エジェクタモータ141中の図示しないスプラインは、エジェクタモータ141による駆動をエジェクタクロスヘッド142に伝達する駆動伝達部としての機能を果たす。当該スプラインには、位置検出器143が設けられている。位置検出器143は、当該スプラインの回転数又は回転量を認識し、エジェクタクロスヘッド142の位置を検出する
図9は、図8に示すビルトイン式の電動射出成形機100の駆動部の一つである計量モータ105に関し、本発明を利用したフィードバック制御系を模式的に示したブロック図である。なお、このブロック図は説明を簡略化するために、最小限の構成要素のみを示しており、実際のフィードバック制御系はこれよりも複雑な構成となる。
【0076】
図9を参照するに、図8を用いて説明したように、本実施例では、駆動部たる計量モータ105が、被駆動部たるスクリュー103を駆動し、回転検出器108により、駆動伝達部たる第一スプライン107の回転数又は回転量を検出する。
【0077】
フィードバック制御の方法及び様々な場合に応じた原点位置情報、検出器情報、成形機情報の保存方法については、第一実施例と同様であるので、説明を省略する。
【0078】
また、射出モータ106、型締モータ131及びエジェクタモータ141に関する場合も、本発明を利用したフィードバック制御系を適用することが出来る。即ち、ボールねじ軸110の後端に設けられた位置検出器112によるスクリュー103の位置の検出に基づくフィードバック制御、スプライン132に設けられた位置検出器133によるクロスヘッド129の位置の検出に基づくフィードバック制御、及び位置検出器143によるエジェクタクロスヘッド142の位置の検出に基づくフィードバック制御にも、本発明を適用することができる。
【0079】
次に、本発明の第三実施例に係る直線運動を検出する検出器を備えた射出成形機について説明する。図10は、本発明の第三実施例に係り、直線運動を検出する検出器を備えた油圧式射出成形機の概略構成を示す側面図である。図10を参照するに、油圧式射出成形機150は、射出装置160及び型締装置180から構成される。
【0080】
射出装置160は、加熱シリンダ161を備え、加熱シリンダ161にはホッパ162が配設される。また、加熱シリンダ161内には、スクリュー163が進退自在にかつ回転自在に配設される。
【0081】
スクリュー163の後方には、射出用シリンダ164が設けられる。射出用シリンダ164内には、直線的に移動可能な射出用ピストン165が設けられている。駆動部たる射出用ピストン165は、油経路168及び169からの圧油の供給に基づき往復作動する。射出用ピストン165により、スクリュー163の後端に設けられているロッド166を介して、被駆動部たるスクリュー163は前後進することが出来る。射出用ピストン165には、位置検出器167が設けられている。位置検出器167は、スクリュー163の位置を検出する。
【0082】
なお、射出用ピストン165の後方には、スクリュー163を回転させるスクリューモータ170が、スクリュー163、射出用シリンダ164、及び射出用ピストン165と同一軸上に配設される。
【0083】
型締装置180は、可動側の金型181が取り付けられた可動プラテン182と、固定側の金型183が取り付けられた固定プラテン184を含む。可動プラテン182と固定プラテン184は、タイバー185によって連結される。可動プラテン182はタイバー185に沿って摺動可能である。
【0084】
また、型締装置180は、可動プラテン182の後方(図10中の左側)には、型締用シリンダ186を備える。型締用シリンダ186内には、型締用ピストン187が進退自在に配設される。駆動部たる型締用ピストン187は、油経路189、190及び191からの圧油の供給に基づき往復作動し、被駆動部たる可動プラテン182を前後進させることが出来る。可動プラテン182には、位置検出器188が設けられている。位置検出器188は、可動プラテン182の駆動状況を示す可動プラテン182の位置を検出する。
【0085】
図11は、図10に示す油圧式射出成形機150の射出装置160の駆動部たる射出用ピストン165に関し、本発明を利用したフィードバック制御系を模式的に示したブロック図である。なお、このブロック図は説明を簡略化するために、最小限の構成要素のみを示しており、実際のフィードバック制御系はこれよりも複雑な構成となる。
【0086】
図11を参照するに、図10を用いて説明したように、本実施形態では、駆動部たる射出用ピストン165は、被駆動部たるスクリュー163を駆動し、射出用ピストン165には、スクリュー163の位置を検出する位置検出器167が設けられている。フィードバック制御の方法及び様々な場合に応じた原点位置情報、検出器情報、成形機情報の保存方法については、第一実施例と同様であるので、説明を省略する。
【0087】
図12は、図10に示す油圧式射出成形機150の型締装置180の駆動部たる型締用ピストン187に関し、本発明を利用したフィードバック制御系を模式的に示したブロック図である。なお、このブロック図は説明を簡略化するために、最小限の構成要素のみを示しており、実際のフィードバック制御系はこれよりも複雑な構成となる。
【0088】
図12を参照するに、図10を用いて説明したように、本実施形態では、駆動部たる型締用ピストン187は、被駆動部たる可動プラテン182を駆動し、可動プラテン182には、可動プラテン182の位置を検出する位置検出器188が設けられている。フィードバック制御の方法及び様々な場合に応じた原点位置情報、検出器情報、成形機情報の保存方法については、第一実施例と同様であるので、説明を省略する。また、直線運動を検出する検出器を備えた射出成形機の例として、油圧射出成形機を挙げたが、駆動部にリニアモータを用いた射出成形機にも本発明を適用することが出来る。
【0089】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0090】
なお、本出願は、2001年5月24日に出願された日本優先権出願2001−155729及び、2002年3月6日に出願された日本優先権出願2002−060053に基づくものであり、その全内容が参照される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の電動射出成形機のサーボモータのフィードバック制御系を模式的に示したブロック図である。
【図2】 本発明の第一実施例に係る射出成形機の概略構成を示す側面図である。
【図3】 図2に示す本発明の第一実施例に係る射出成形機40の計量モータ55に関し、本発明を利用したフィードバック制御系を模式的に示したブロック図である。
【図4】 射出成形機を新規に据え付けする場合について、1チップマイコンのメモリに保存されている情報及びコントローラ内のメモリに保存されている情報の内容を説明するための図である。
【図5】 図3に示す回転検出器62を交換する場合について、1チップマイコンのメモリに保存されている情報及びコントローラ内のメモリに保存されている情報の内容を説明するための図である。
【図6】 図3に示すコントローラ34を交換する場合について、1チップマイコンのメモリに保存されている情報及びコントローラ内のメモリに保存されている情報の内容を説明するための図である。
【図7】 図2に示す本発明の第一実施例に係る射出成形機への通常の電源投入時における、1チップマイコンのメモリに保存されている情報及びコントローラ内のメモリに保存されている情報の内容を説明するための図である。
【図8】 本発明の第二実施例に係るビルトイン式の射出成形機の概略構成を示す側面図である。
【図9】 図8に示す本発明の第二実施例に係る射出成形機90の計量モータ105に関し、本発明を利用したフィードバック制御系を模式的に示したブロック図である。
【図10】 本発明の第三実施例に係り、直線運動を検出する検出器を備えた射出成形機の概略構成を示す側面図である。
【図11】 図10に示す本発明の第三実施例に係る射出成形機150の射出用ピストン165に関し、本発明を利用したフィードバック制御系を模式的に示したブロック図である。
【図12】 図10に示す本発明の第三実施例に係る射出成形機150の型締用ピストン187に関し、本発明を利用したフィードバック制御系を模式的に示したブロック図である。

Claims (4)

  1. 駆動部と、
    前記駆動部によって駆動される被駆動部と、
    前記駆動部に備えられ、前記被駆動部の駆動状況を検出して検出信号を出力する検出器と、
    前記検出信号を受けて前記駆動部による駆動を制御するコントローラと、を備えた射出成形機において、
    前記検出器には記憶媒体が搭載され、前記コントローラにはメモリが内蔵され、前記記憶媒体と前記メモリーには、夫々に共通の情報を記憶させることを特徴とする射出成形機。
  2. 前記共通の情報は前記検出器を識別するための検出器情報であり、前記コントローラは、前記記憶媒体に記憶されている検出器情報と前記メモリに記憶されている前記検出器情報を比較し、不一致の場合はその旨を報知することを特徴とする請求項記載の射出成形機。
  3. 前記共通の情報は前記駆動部の原点位置情報であり、前記コントローラは、前記記憶媒体に記憶されている前記原点位置情報と前記メモリに記憶されている前記原点位置情報を比較し、不一致の場合はその旨を報知することを特徴とする請求項記載の射出成形機。
  4. 前記共通の情報は前記射出成形機を識別するための成形機情報であり、前記コントローラは、前記記憶媒体に記憶されている前記成形機情報と前記メモリに記憶されている前記成形機情報を比較し、不一致の場合はその旨を報知することを特徴とする請求項記載の射出成形機。
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