JP2606762B2 - 射出成形機のスクリュ起動方法 - Google Patents
射出成形機のスクリュ起動方法Info
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- JP2606762B2 JP2606762B2 JP3133577A JP13357791A JP2606762B2 JP 2606762 B2 JP2606762 B2 JP 2606762B2 JP 3133577 A JP3133577 A JP 3133577A JP 13357791 A JP13357791 A JP 13357791A JP 2606762 B2 JP2606762 B2 JP 2606762B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は出力トルクを制限可能な
スクリュ回転用駆動モータを備えた射出成形機のスクリ
ュ起動方法に関する。
スクリュ回転用駆動モータを備えた射出成形機のスクリ
ュ起動方法に関する。
【0002】
【背景技術及びその課題】一般に、射出成形機における
成形サイクルは、スクリュを回転制御して材料を可塑化
計量する計量工程と、スクリュを前進制御して計量され
た材料を金型キャビティ内に射出充填する射出工程の繰
返しにより行われ、スクリュは材料に対する可塑化機能
と射出機能を兼ね備えている。
成形サイクルは、スクリュを回転制御して材料を可塑化
計量する計量工程と、スクリュを前進制御して計量され
た材料を金型キャビティ内に射出充填する射出工程の繰
返しにより行われ、スクリュは材料に対する可塑化機能
と射出機能を兼ね備えている。
【0003】ところで、図3に示すように、通常、スク
リュ3の前端には射出時に材料がスクリュ3の溝3wを
伝って後方に逆流するのを防止する逆流防止リング3r
を備えている。この逆流防止リング3rはスクリュ3の
前端面に螺着した比較的細いスクリュヘッド3sによっ
て支持されており、スクリュヘッド3s付近はスクリュ
3の中でも最も機械的強度の弱い部位となっている。一
方、成形サイクルに対するサイクルアップの要求からス
クリュ回転数が高まり、また、起動時における立上がり
時間(加速時間)短縮の要求から大型サーボモータが使
用されるとともに、高粘度の新材料(エンジニアリング
プラスチック)の成形や加熱不足により材料が高粘度に
なることも少なくない。
リュ3の前端には射出時に材料がスクリュ3の溝3wを
伝って後方に逆流するのを防止する逆流防止リング3r
を備えている。この逆流防止リング3rはスクリュ3の
前端面に螺着した比較的細いスクリュヘッド3sによっ
て支持されており、スクリュヘッド3s付近はスクリュ
3の中でも最も機械的強度の弱い部位となっている。一
方、成形サイクルに対するサイクルアップの要求からス
クリュ回転数が高まり、また、起動時における立上がり
時間(加速時間)短縮の要求から大型サーボモータが使
用されるとともに、高粘度の新材料(エンジニアリング
プラスチック)の成形や加熱不足により材料が高粘度に
なることも少なくない。
【0004】このため、スクリュヘッド3sに対する材
料の抵抗が許容トルク以上に大きくなることも少なくな
く、成形サイクル毎に繰返されるスクリュの起動が円滑
かつ安定に行われないとともに、スクリュは成形サイク
ル毎に受ける衝撃により疲労し、破損しやすい問題があ
った。
料の抵抗が許容トルク以上に大きくなることも少なくな
く、成形サイクル毎に繰返されるスクリュの起動が円滑
かつ安定に行われないとともに、スクリュは成形サイク
ル毎に受ける衝撃により疲労し、破損しやすい問題があ
った。
【0005】本発明はこのような背景技術に存在する課
題を解決したものであり、スクリュ起動時の衝撃を防止
し、円滑かつ安定した起動を実現するとともに、スクリ
ュの破損を有効に防止できる射出成形機のスクリュ起動
方法を提供する。
題を解決したものであり、スクリュ起動時の衝撃を防止
し、円滑かつ安定した起動を実現するとともに、スクリ
ュの破損を有効に防止できる射出成形機のスクリュ起動
方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る射出成形機
のスクリュ起動方法は、出力トルクTを制限可能なスク
リュ回転用駆動モータ4を備えた射出成形機Mにおい
て、成形サイクル毎に駆動モータ4の出力トルクTを定
常時における正規トルクTnよりも小さい初期トルクT
aにより起動を開始するとともに、予め設定したスクリ
ュ3の一回転以内の起動用回転領域Dの間に、出力トル
クTをスクリュ3の回転位置に対応して設定した大きさ
に従って、初期トルクTaから正規トルクTnまで順次
上昇させるようにしたことを特徴とする。この場合、起
動用回転領域Dを複数区間Da、Db、Dcに分割し、
出力トルクTを段階的に上昇させてもよいし、起動用回
転領域Dの間に出力トルクTを連続的に上昇させるよう
にしてもよい。なお、初期トルクTaを付与してもスク
リュ3が起動しないときは異常処理する。
のスクリュ起動方法は、出力トルクTを制限可能なスク
リュ回転用駆動モータ4を備えた射出成形機Mにおい
て、成形サイクル毎に駆動モータ4の出力トルクTを定
常時における正規トルクTnよりも小さい初期トルクT
aにより起動を開始するとともに、予め設定したスクリ
ュ3の一回転以内の起動用回転領域Dの間に、出力トル
クTをスクリュ3の回転位置に対応して設定した大きさ
に従って、初期トルクTaから正規トルクTnまで順次
上昇させるようにしたことを特徴とする。この場合、起
動用回転領域Dを複数区間Da、Db、Dcに分割し、
出力トルクTを段階的に上昇させてもよいし、起動用回
転領域Dの間に出力トルクTを連続的に上昇させるよう
にしてもよい。なお、初期トルクTaを付与してもスク
リュ3が起動しないときは異常処理する。
【0007】
【作用】本発明に係る射出成形機のスクリュ起動方法に
よれば、まず、起動開始に際しては駆動モータ4の出力
トルクTを定常時における正規トルクTnよりも小さい
初期トルクTaに設定する。初期トルクTaはスクリュ
3を回転させることができるが、スクリュ3を破損させ
ない大きさに設定される。
よれば、まず、起動開始に際しては駆動モータ4の出力
トルクTを定常時における正規トルクTnよりも小さい
初期トルクTaに設定する。初期トルクTaはスクリュ
3を回転させることができるが、スクリュ3を破損させ
ない大きさに設定される。
【0008】そして、初期トルクTaを付与することに
より、スクリュ3が回転を開始すれば、出力トルクTを
初期トルクTaから順次上昇させ、予め設定した起動用
回転領域Dの間に正規トルクTnまで上昇させる。この
場合、起動用回転領域Dを一回転以内に設定することに
より、立上がりの応答性を良好にするとともに、立上が
り時間を短くできる。このように、出力トルクTが制限
された初期トルクTaによって、起動を開始するため、
スクリュ3に対する起動開始時の衝撃が回避され、かつ
円滑かつ安定した起動が行われる。なお、初期トルクT
aを付与してもスクリュ3が起動しないときは正常では
ないため、異常処理が行われる。
より、スクリュ3が回転を開始すれば、出力トルクTを
初期トルクTaから順次上昇させ、予め設定した起動用
回転領域Dの間に正規トルクTnまで上昇させる。この
場合、起動用回転領域Dを一回転以内に設定することに
より、立上がりの応答性を良好にするとともに、立上が
り時間を短くできる。このように、出力トルクTが制限
された初期トルクTaによって、起動を開始するため、
スクリュ3に対する起動開始時の衝撃が回避され、かつ
円滑かつ安定した起動が行われる。なお、初期トルクT
aを付与してもスクリュ3が起動しないときは正常では
ないため、異常処理が行われる。
【0009】
【実施例】次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ図面
に基づき詳細に説明する。
に基づき詳細に説明する。
【0010】まず、本発明に係るスクリュ起動方法を実
施できる射出成形機の概略構成について、図3を参照し
て説明する。
施できる射出成形機の概略構成について、図3を参照し
て説明する。
【0011】図3において、Mは射出成形機を示し、1
1は機台10に取付けた射出装置である。射出装置11
は加熱筒2を備え、先端に射出ノズル12を有するとと
もに、後部には加熱筒2の内部に材料を供給する不図示
のホッパを有する。加熱筒2の内部にはスクリュ3を挿
通し、スクリュ3の前端には前述したスクリュヘッド3
s、逆流防止リング3rを備えるとともに、スクリュ3
の後端はガイドバー14に沿って水平移動自在なスライ
ダ15の前端に回動自在に結合する。また、スライダ1
5にはパルスエンコーダ17を内蔵した計量用サーボモ
ータ16(駆動モータ4)を取付けるとともに、同モー
タ16の回転をスクリュ3に伝達する伝達機構18を配
設してスクリュ回転用駆動部19を構成する。さらにま
た、機台10にはパルスエンコーダ21を内蔵した射出
用サーボモータ20を取付けるとともに、出力シャフト
20sをスライダ15の後端にボールネジ機構22を介
して連結し、これにより、スクリュ進退移動用駆動部2
3を構成する。
1は機台10に取付けた射出装置である。射出装置11
は加熱筒2を備え、先端に射出ノズル12を有するとと
もに、後部には加熱筒2の内部に材料を供給する不図示
のホッパを有する。加熱筒2の内部にはスクリュ3を挿
通し、スクリュ3の前端には前述したスクリュヘッド3
s、逆流防止リング3rを備えるとともに、スクリュ3
の後端はガイドバー14に沿って水平移動自在なスライ
ダ15の前端に回動自在に結合する。また、スライダ1
5にはパルスエンコーダ17を内蔵した計量用サーボモ
ータ16(駆動モータ4)を取付けるとともに、同モー
タ16の回転をスクリュ3に伝達する伝達機構18を配
設してスクリュ回転用駆動部19を構成する。さらにま
た、機台10にはパルスエンコーダ21を内蔵した射出
用サーボモータ20を取付けるとともに、出力シャフト
20sをスライダ15の後端にボールネジ機構22を介
して連結し、これにより、スクリュ進退移動用駆動部2
3を構成する。
【0012】一方、計量用サーボモータ16及びパルス
エンコーダ17はサーボモータ制御部31に接続し、射
出用サーボモータ20及びパルスエンコーダ21はサー
ボモータ制御部32に接続する。また、各サーボモータ
制御部31及び32は、射出成形機全体の制御を司るコ
ンピュータ機能を内蔵した成形機制御装置33に接続す
る。制御装置33には図示しないが、本発明に係る起動
方法を実行するスクリュ回転制御プログラムを格納した
ROMをはじめ、データの一時記憶や演算処理のための
RAM、各種設定値等を記憶する不揮発性メモリ、各パ
ルスエンコーダ17、21等の入力信号やスクリュ回転
速度指令及びスクリュ回転トルクリミット指令等の出力
信号のためのインタフェースを備える。さらにまた、3
4は制御装置33に接続した各種設定値等の入力を行う
入力部、35は制御装置33に接続した警報表示等を行
う表示部である。
エンコーダ17はサーボモータ制御部31に接続し、射
出用サーボモータ20及びパルスエンコーダ21はサー
ボモータ制御部32に接続する。また、各サーボモータ
制御部31及び32は、射出成形機全体の制御を司るコ
ンピュータ機能を内蔵した成形機制御装置33に接続す
る。制御装置33には図示しないが、本発明に係る起動
方法を実行するスクリュ回転制御プログラムを格納した
ROMをはじめ、データの一時記憶や演算処理のための
RAM、各種設定値等を記憶する不揮発性メモリ、各パ
ルスエンコーダ17、21等の入力信号やスクリュ回転
速度指令及びスクリュ回転トルクリミット指令等の出力
信号のためのインタフェースを備える。さらにまた、3
4は制御装置33に接続した各種設定値等の入力を行う
入力部、35は制御装置33に接続した警報表示等を行
う表示部である。
【0013】なお、この場合、パルスエンコーダ17は
計量用サーボモータ16の速度或いは回転量を検出し、
パルスエンコーダ21は射出用サーボモータ20の速度
或いは回転量を検出する。また、制御装置33はサーボ
モータ制御部31に制御指令を与え、計量用サーボモー
タ16を制御してスクリュ3を回転させるとともに、サ
ーボモータ制御部32に制御指令を与え、射出用サーボ
モータ20の回転速度、回転トルクを制御することによ
り、スクリュ3の前進時及び回転時の背圧を制御する。
さらにまた、制御装置33は射出用サーボモータ20の
パルスエンコーダ21の出力信号を処理することによ
り、スクリュ3の位置検出を行うとともに、計量用サー
ボモータ16の出力トルクに対してトルク制御を行う。
計量用サーボモータ16の速度或いは回転量を検出し、
パルスエンコーダ21は射出用サーボモータ20の速度
或いは回転量を検出する。また、制御装置33はサーボ
モータ制御部31に制御指令を与え、計量用サーボモー
タ16を制御してスクリュ3を回転させるとともに、サ
ーボモータ制御部32に制御指令を与え、射出用サーボ
モータ20の回転速度、回転トルクを制御することによ
り、スクリュ3の前進時及び回転時の背圧を制御する。
さらにまた、制御装置33は射出用サーボモータ20の
パルスエンコーダ21の出力信号を処理することによ
り、スクリュ3の位置検出を行うとともに、計量用サー
ボモータ16の出力トルクに対してトルク制御を行う。
【0014】次に、本発明に係る射出成形機のスクリュ
起動方法について、図1〜図3を参照して説明する。
起動方法について、図1〜図3を参照して説明する。
【0015】まず、制御装置33はスクリュ回転指令に
より、スクリュ回転制御プログラムを呼び出し、スクリ
ュ回転工程(計量工程)を開始する。この際、本発明に
従って、最初に起動処理が実行される。なお、起動処理
の条件は図1に示すように予め設定されている。即ち、
スクリュ3の最初の一回転を起動回転領域Dに設定する
とともに、その一回転を三分割してそれぞれの分割区間
でトルク制限を行う。この場合、最初の1/3回転とな
る0〜回転位置Paの間は、計量用サーボモータ16の
出力トルク(初期トルク)をTaとなるようにトルク制
限し、次の1/3回転である回転位置Pa〜回転位置P
bの間は出力トルクをTbとなるようにトルク制限し、
さらに、次の1/3回転である回転位置Pb〜回転位置
Pcの間は出力トルクをTcとなるようにトルク制限す
る。回転位置Pcはスクリュ3の一回転目であり、この
位置からはトルク制限を解除し、定常時における正規ト
ルクTnとする。この際、各出力トルクTa、Tb、T
cの値は段階的に順次大きくなるように設定するととも
に、それぞれ直前におけるスクリュ3の可動可能な停止
状態又は回転速度に対してさらに加速できる値であっ
て、望ましくはスクリュヘッド3sが破損しない最大ト
ルクよりも小さい値に設定する。
より、スクリュ回転制御プログラムを呼び出し、スクリ
ュ回転工程(計量工程)を開始する。この際、本発明に
従って、最初に起動処理が実行される。なお、起動処理
の条件は図1に示すように予め設定されている。即ち、
スクリュ3の最初の一回転を起動回転領域Dに設定する
とともに、その一回転を三分割してそれぞれの分割区間
でトルク制限を行う。この場合、最初の1/3回転とな
る0〜回転位置Paの間は、計量用サーボモータ16の
出力トルク(初期トルク)をTaとなるようにトルク制
限し、次の1/3回転である回転位置Pa〜回転位置P
bの間は出力トルクをTbとなるようにトルク制限し、
さらに、次の1/3回転である回転位置Pb〜回転位置
Pcの間は出力トルクをTcとなるようにトルク制限す
る。回転位置Pcはスクリュ3の一回転目であり、この
位置からはトルク制限を解除し、定常時における正規ト
ルクTnとする。この際、各出力トルクTa、Tb、T
cの値は段階的に順次大きくなるように設定するととも
に、それぞれ直前におけるスクリュ3の可動可能な停止
状態又は回転速度に対してさらに加速できる値であっ
て、望ましくはスクリュヘッド3sが破損しない最大ト
ルクよりも小さい値に設定する。
【0016】そして、図2に示すように、制御装置33
に内蔵するカウンタ機能部はリセットされスクリュ3の
回転位置Pの検出を開始するとともに、内蔵する監視用
のタイマ機能部は計時を開始する(ステップ51、5
2)。また、同時に、計量用サーボモータ16は初期ト
ルクTaに基づいて回転を開始する(ステップ53)。
なお、タイマ機能部は予め設定された設定時間内に、プ
ログラム処理が正常に実行されたか否かを判別するため
のものであり、その設定時間はスクリュ3が設定された
回転速度に達するまでの加速時間が設定される。また、
スクリュ3の回転位置Pはパルスエンコーダ17から出
力するパルス信号をスクリュ3の回転開始時からカウン
トして検出する。
に内蔵するカウンタ機能部はリセットされスクリュ3の
回転位置Pの検出を開始するとともに、内蔵する監視用
のタイマ機能部は計時を開始する(ステップ51、5
2)。また、同時に、計量用サーボモータ16は初期ト
ルクTaに基づいて回転を開始する(ステップ53)。
なお、タイマ機能部は予め設定された設定時間内に、プ
ログラム処理が正常に実行されたか否かを判別するため
のものであり、その設定時間はスクリュ3が設定された
回転速度に達するまでの加速時間が設定される。また、
スクリュ3の回転位置Pはパルスエンコーダ17から出
力するパルス信号をスクリュ3の回転開始時からカウン
トして検出する。
【0017】次いで、スクリュ3が初期トルクTaに基
づいて1/3回転し、回転位置Paに達したなら、出力
トルクTbに切換える(ステップ55)。これにより、
計量用サーボモータ16は出力トルクTbにより回転す
る(ステップ56)。
づいて1/3回転し、回転位置Paに達したなら、出力
トルクTbに切換える(ステップ55)。これにより、
計量用サーボモータ16は出力トルクTbにより回転す
る(ステップ56)。
【0018】なお、スクリュ3が予め設定した回転速度
に達する前にタイマ機能部がタイムアップした場合は、
正常に回転していない状態のため、スクリュ3の回転を
停止するとともに、表示部35に警報表示するなどの異
常処理を行う(ステップ54、57)。
に達する前にタイマ機能部がタイムアップした場合は、
正常に回転していない状態のため、スクリュ3の回転を
停止するとともに、表示部35に警報表示するなどの異
常処理を行う(ステップ54、57)。
【0019】さらに、スクリュ3が出力トルクTbに基
づいて1/3回転し、回転位置Pbに達したなら、出力
トルクTcに切換える(ステップ57)。これにより、
計量用サーボモータ16は出力トルクTcで回転する
(ステップ58)。そして、スクリュ3が出力トルクT
cに基づいて1/3回転し、回転開始から一回転したな
ら、トルク制限を解除し、定常時における正規トルクT
nに切換え、起動処理を終了し、本来の計量工程のため
の制御プログラムを継続する(ステップ58、59、6
0)。
づいて1/3回転し、回転位置Pbに達したなら、出力
トルクTcに切換える(ステップ57)。これにより、
計量用サーボモータ16は出力トルクTcで回転する
(ステップ58)。そして、スクリュ3が出力トルクT
cに基づいて1/3回転し、回転開始から一回転したな
ら、トルク制限を解除し、定常時における正規トルクT
nに切換え、起動処理を終了し、本来の計量工程のため
の制御プログラムを継続する(ステップ58、59、6
0)。
【0020】このような起動処理によって、スクリュ2
の回転速度特性は図1に示す特性曲線Vのようになり、
各成形サイクル毎にスクリュ3に対しての衝撃が低減さ
れ、ソフトスタートが行われる。
の回転速度特性は図1に示す特性曲線Vのようになり、
各成形サイクル毎にスクリュ3に対しての衝撃が低減さ
れ、ソフトスタートが行われる。
【0021】なお、本発明に係る起動処理はスクリュ3
の各成形サイクルにおける起動時毎に実行されるが、特
に、射出成形機の運転開始時におけるスクリュ起動に際
して有効である。即ち、運転開始時には前回の材料がス
クリュ3と加熱筒2間に固化した状態で残留している。
このため、通常は加熱筒2を所定時間にわたって予め昇
温し、固化した材料を溶融することにより、スクリュ3
の破損防止を図っているが、実際には十分溶融したかど
うか不明である。よって、この場合、前記ステップ56
の異常処理によりその確認を行うことができる。
の各成形サイクルにおける起動時毎に実行されるが、特
に、射出成形機の運転開始時におけるスクリュ起動に際
して有効である。即ち、運転開始時には前回の材料がス
クリュ3と加熱筒2間に固化した状態で残留している。
このため、通常は加熱筒2を所定時間にわたって予め昇
温し、固化した材料を溶融することにより、スクリュ3
の破損防止を図っているが、実際には十分溶融したかど
うか不明である。よって、この場合、前記ステップ56
の異常処理によりその確認を行うことができる。
【0022】また、スクリュ3は、通常、スプライン方
式或はキー方式により支持されているため、ラジアル方
向に所定の遊びが存在する。このため、回転位置Paに
対して遊びに相当する回転量を加え、初期トルクTaの
大きさをさらに小さくすれば、この遊びを減らすことが
でき、これにより、スプライン方式等における遊びが原
因の衝撃を抑えることができる。さらにまた、スクリュ
3が正常に回転したか否かは、スクリュ3の回転速度指
令を回転位置で付与するとともに、その指令値と検出値
の差を検出し、差が所定値以上になったことにより検出
してもよい。一方、起動用回転領域Dにおける出力トル
クTの上昇は、図1中点線Lで示すように、起動用回転
領域Dの間において連続的に上昇させてもよい。他方、
各部の処理はハードウェア構成で行ってもよいし、ソフ
トウェアで実行してもよい。また、サーボモータは汎用
モータで置換してもよいし、油圧式モータで置換しても
よい。この場合、駆動油圧源の油圧を変更してスクリュ
の回転トルクを制限すればよい。さらにまた、スクリュ
式予備可塑化装置付射出装置におけるスクリュの回転制
御にも応用できる。その他、細部の構成、手法等におい
て本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更できる。
式或はキー方式により支持されているため、ラジアル方
向に所定の遊びが存在する。このため、回転位置Paに
対して遊びに相当する回転量を加え、初期トルクTaの
大きさをさらに小さくすれば、この遊びを減らすことが
でき、これにより、スプライン方式等における遊びが原
因の衝撃を抑えることができる。さらにまた、スクリュ
3が正常に回転したか否かは、スクリュ3の回転速度指
令を回転位置で付与するとともに、その指令値と検出値
の差を検出し、差が所定値以上になったことにより検出
してもよい。一方、起動用回転領域Dにおける出力トル
クTの上昇は、図1中点線Lで示すように、起動用回転
領域Dの間において連続的に上昇させてもよい。他方、
各部の処理はハードウェア構成で行ってもよいし、ソフ
トウェアで実行してもよい。また、サーボモータは汎用
モータで置換してもよいし、油圧式モータで置換しても
よい。この場合、駆動油圧源の油圧を変更してスクリュ
の回転トルクを制限すればよい。さらにまた、スクリュ
式予備可塑化装置付射出装置におけるスクリュの回転制
御にも応用できる。その他、細部の構成、手法等におい
て本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更できる。
【0023】
【発明の効果】このように、本発明に係る射出成形機の
スクリュ起動方法は、出力トルクを制限可能なスクリュ
回転用駆動モータを備えた射出成形機のスクリュ起動方
法において、成形サイクル毎に、駆動モータの出力トル
クを定常時における正規トルクよりも小さい初期トルク
により起動を開始するとともに、予め設定したスクリュ
の一回転以内の起動用回転領域の間に、出力トルクをス
クリュの回転位置に対応して設定した大きさに従って、
初期トルクから正規トルクまで順次上昇させるようにし
たため、次のような顕著な効果を奏する。 成形サイクル時に、出力トルクをスクリュの回転位
置に対応して順次上昇させるため、スクリュ起動時の衝
撃を防止し、円滑かつ安定した起動を実現するととも
に、スクリュの破損を有効に防止できる。 成形サイクル時に、起動用回転領域を一回転以内に
設定したため、立上がりの応答性を良好にするととも
に、立上がり時間を短くできる。 成形サイクル時に、初期トルクを付与してもスクリ
ュが起動しないときは異常処理を行うため、成形サイク
ル時の異常を確実に検出できる。
スクリュ起動方法は、出力トルクを制限可能なスクリュ
回転用駆動モータを備えた射出成形機のスクリュ起動方
法において、成形サイクル毎に、駆動モータの出力トル
クを定常時における正規トルクよりも小さい初期トルク
により起動を開始するとともに、予め設定したスクリュ
の一回転以内の起動用回転領域の間に、出力トルクをス
クリュの回転位置に対応して設定した大きさに従って、
初期トルクから正規トルクまで順次上昇させるようにし
たため、次のような顕著な効果を奏する。 成形サイクル時に、出力トルクをスクリュの回転位
置に対応して順次上昇させるため、スクリュ起動時の衝
撃を防止し、円滑かつ安定した起動を実現するととも
に、スクリュの破損を有効に防止できる。 成形サイクル時に、起動用回転領域を一回転以内に
設定したため、立上がりの応答性を良好にするととも
に、立上がり時間を短くできる。 成形サイクル時に、初期トルクを付与してもスクリ
ュが起動しないときは異常処理を行うため、成形サイク
ル時の異常を確実に検出できる。
【図1】本発明に係る射出成形機のスクリュ起動方法を
用いたトルク特性図、
用いたトルク特性図、
【図2】同スクリュ起動方法を示すフローチャート、
【図3】同スクリュ起動方法を実施できる射出成形機の
概略構成図、
概略構成図、
3 スクリュ 4 駆動モータ M 射出成形機 T 出力トルク Ta 初期トルク Tn 正規トルク D 起動用回転領域
Claims (4)
- 【請求項1】 出力トルクを制限可能なスクリュ回転用
駆動モータを備えた射出成形機のスクリュ起動方法にお
いて、成形サイクル毎に、駆動モータの出力トルクを定
常時における正規トルクよりも小さい初期トルクにより
起動を開始するとともに、予め設定したスクリュの一回
転以内の起動用回転領域の間に、出力トルクをスクリュ
の回転位置に対応して設定した大きさに従って、初期ト
ルクから正規トルクまで順次上昇させることを特徴とす
る射出成形機のスクリュ起動方法。 - 【請求項2】 起動用回転領域を複数区間に分割し、出
力トルクを段階的に上昇させることを特徴とする請求項
1記載の射出成形機のスクリュ起動方法。 - 【請求項3】 起動用回転領域の間に出力トルクを連続
的に上昇させることを特徴とする請求項1記載の射出成
形機のスクリュ起動方法。 - 【請求項4】 初期トルクを付与してもスクリュが起動
しないときは異常処理を行うことを特徴とする請求項1
記載の射出成形機のスクリュ起動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3133577A JP2606762B2 (ja) | 1991-05-09 | 1991-05-09 | 射出成形機のスクリュ起動方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3133577A JP2606762B2 (ja) | 1991-05-09 | 1991-05-09 | 射出成形機のスクリュ起動方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH04334429A JPH04334429A (ja) | 1992-11-20 |
JP2606762B2 true JP2606762B2 (ja) | 1997-05-07 |
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ID=15108067
Family Applications (1)
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JP3133577A Expired - Fee Related JP2606762B2 (ja) | 1991-05-09 | 1991-05-09 | 射出成形機のスクリュ起動方法 |
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JP (1) | JP2606762B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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JP6212069B2 (ja) | 2015-05-12 | 2017-10-11 | ファナック株式会社 | 可動部をモータで駆動制御する射出成形機 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH085102B2 (ja) * | 1988-12-22 | 1996-01-24 | ファナック株式会社 | スクリュー保護方法 |
-
1991
- 1991-05-09 JP JP3133577A patent/JP2606762B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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