JP2548324B2 - 射出成形機の可塑化制御方法 - Google Patents

射出成形機の可塑化制御方法

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JP2548324B2 JP63232700A JP23270088A JP2548324B2 JP 2548324 B2 JP2548324 B2 JP 2548324B2 JP 63232700 A JP63232700 A JP 63232700A JP 23270088 A JP23270088 A JP 23270088A JP 2548324 B2 JP2548324 B2 JP 2548324B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、射出成形機における可塑化制御方法、特に
加熱シリンダ内で成形材料を流動化するとともに該成形
材料の射出量を計量する方法に関する。
(従来の技術) 従来、加熱シリンダ内で加熱され流動化された成形材
料を高圧により金型内に射出し、その中で冷却個化又は
硬化させ、次いで金型を開いて成形品を取り出す射出成
形機においては、上記金型内に成形材料を射出する前
に、射出量を計量しておく必要がある。
上記射出成形機には、プランジャを前後進させて射出
成形するプランジャ型のものと、スクリュを前後進させ
て射出成形するスクリュ式のもの等があるが、上記計量
は、スクリュ又はプランジャを後方に後退させながら行
われる。
第4図に上記従来のスクリュ式射出成形機の可塑化制
御装置を示す(特開昭61−72512号公報参照)。
図において、射出成形機の加熱シリンダ1の内部にス
クリュ2が回転自在かつ前後進自在に支持されている。
すなわち、スクリュ2はスプライン3、駆動軸4、スラ
ストベアリング5、中間軸6を介して第一電動機7に接
続されている。そして、中間軸6に形成されたネジ8
が、ケーシング9に固定されたナット10と係合してお
り、該ネジ8を第一電動機7によって回転させることに
より、上記スクリュ2を前方に移動させることができ
る。
また、上記スクリュ2は、駆動軸4に固定された従動
歯車11、駆動歯車12、滑りキー13、駆動軸14を介して第
二電動機15に接続されている。
上記射出成形機において、射出が完了すると、上記第
二電動機15が回転し始めスクリュ2を加熱シリンダ1内
で回転させる。
この時、材料供給口16から落下してくる成形材料は、
該スクリュ2の回転によって前方に押し出され、該移動
中に加熱シリンダ1内で溶融可塑化されてスクリュ2の
前方に蓄積される。これによって発生する加熱シリンダ
1内の樹脂圧力は、第二電動機15の回転によって所定の
状態に維持される。
すなわち、加熱シリンダ1のノズル部の圧力がセンサ
17で検出され、その信号が制御装置18の増幅器19を介し
て比較演算器20に送られる。そして、該比較演算器20に
おいて設定器21より送られてきた信号と比較されて偏差
が求められ、駆動回路22が該偏差を0とするような駆動
信号を第二電動機15に送る。
上記射出成形機の可塑化制御装置においては、加熱シ
リンダ1の前方に移送される成形材料の反力でスクリュ
2が後退するようになっているが、その時、成形材料に
加える背圧は上記第二電動機15の回転によって得る得る
ようになっている。
他にも、成形材料に背圧を加えて制御するものとして
油圧シリンダを使用したもの、射出用サーボモータを使
用したもの、スクリュの後退運動に対してブレーキを掛
けるもの等が提供されている(特公昭63−25934号公報
参照)。
また、他の可塑化制御装置として、スクリュの後退速
度を一定にするものが提供されている(特開昭61−1105
24号公報参照)。
上記装置においては、スクリュの後退速度を一定にす
るため、スクリュの回転速度を変化させたり、スクリュ
の背圧を変化させたりしている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記従来の方法では、次のような問題
点があって安定した可塑化計量を行うことができなかっ
た。
すなわち、スクリュを後退させつつ可塑化計量する際
に背圧をかける方法においては、可塑化計量の開始から
終了までの全ストロークに必要とされるスクリュの総回
転数、つまり成形材料に加える総仕事量が、成形のショ
ットごとに安定せず、特に、成形材料が前方に送られに
くくなる計量不調の状態が始まっても、加えている背圧
を小さくするだけの制御を行うに止まり、正常な計量に
回復することはできなかった。
また、スクリュの回転速度を変えてその後退速度を一
定にする方法においては、回転速度が変わるたびに成形
材料に対する剪断速度が変化することになり、樹脂粘度
が変化して精密成形が困難であった。
そして、背圧を変えてスクリュの後退速度を一定にす
る方法においては、計量不調が始まると、背圧が小さく
されるが、もともと存在する機械抵抗のために正常な計
量を回復することは困難であるだけでなく、背圧が小さ
くなると成形材料内にエアが残存して、成形品が不良と
なる率が高くなっていた。
本発明は、以上に述べたような可塑化計量の際の問題
点を解決して、成形材料に加わる剪断速度及び総仕事量
を安定させてショットごとの樹脂粘度を一定に保ち、成
形材料内に含まれるエアを確実に脱気して樹脂密度を均
一化するとともに、可塑化計量に要する時間を安定さ
せ、また計量不調が生じてもそれを回復できる射出成形
機の可塑化制御方法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) そのために本発明は、加熱シリンダと、該加熱シリン
ダ内で前後進可能に支持されるスクリュ又はプランジャ
と、該スクリュ又はプランジャを前後進させる手段とか
らなる射出成形機の可塑化制御方法において、計量開始
から計量終了までの時間に対するスクリュ又はプランジ
ャの位置を予め設定しておき、微小時間ごとにスクリュ
又はプランジャの位置を検出して該検出位置と上記設定
位置との比較を行って位置の差を求め、該位置の差があ
る時にそれを無くす方向に上記スクリュ又はプランジャ
を前後進させる手段を駆動するようにしている。
また、微小時間ごとに求めた位置の差が設定値を越え
た場合、及び計量開始から計量終了までの全時間におい
て、上記位置の差が生じた回数が設定値を越えた場合に
計量不良と判定するようにしている。
(作用) 本発明によれば、微小時間ごとにスクリュ又はプラン
ジャの位置を検出して、その検出位置と設定位置とを比
較することにより、スクリュ又はプランジャが本来ある
べき位置まで後退しているかどうかが判断される。そし
て、設定位置との間にズレのあることが分かると、スク
リュ又はプランジャを前後進する手段が駆動されて設定
位置に移動させる。
また、ズレの量が大きくなり設定値以上となった場
合、またズレの生ずる回数が多くなり設定値以上となっ
た場合には、計量不良と判定して警報等を働かせること
もできる。
(実施例) 以下、本発明の実施例について第1図〜第3図に基づ
き詳細に説明する。
第1図は本発明の射出成形機の可塑化制御方法を実施
するための制御装置、第2図は制御動作フロー図、第3
図は制御動作説明図である。
図において、31は加熱シリンダ、32は該加熱シリンダ
31内において回転自在かつ前後進自在に支持されたスク
リュである。ホッパ33から供給された成形材料34はスク
リュ32の回転に伴い、溝35に案内されて供給部36、圧縮
部37を介して前方に移動し、蓄積空間38に蓄えられる。
上記スクリュ32は駆動スプライン軸39、伝達機構40を
介して射出用モータ41に連結されており、また、駆動ス
プライン軸39に形成されているネジ42が固定ナット43と
係合しているため、上記射出用モータ41を回転させるこ
とによってスクリュ32を回転させつつ前後に移動させる
ことができる。
また、上記駆動スプライン軸39にはスプライン44が形
成され、歯車45を介してスクリュモータ46に連結されて
いる。
ここで、該スクリュモータ46を駆動してスクリュ32を
回転させると、上記ホッパ33から供給された成形材料34
は供給部36で発生する摩擦供給力によって前方へ圧送さ
れ、溝35の体積が減少させられた圧縮部37において更に
圧縮されつつ加熱シリンダ31によって加熱され、溶融し
て蓄積空間38に蓄えられる。
この時、前方に移動する成形材料34の反力でスクリュ
32は後退するが、該後退位置は位置検出センサ47によっ
て検出され、該位置検出センサ47の信号が設定器48から
の設定信号とともに演算制御装置49に送られる。上記設
定器48には、可塑化計量の開始時から終了時までの時間
に対して適正なスクリュ位置が記憶されている。したが
って、上記演算制御装置49はクロックパルス発生器50か
ら送られてくるパルス信号を受けて、微小時間が経過す
るごとに上記設定器48から適切なスクリュ位置の信号を
取り出して現実のスクリュ位置と比較し、現実のスクリ
ュ位置が適切でないことが分かると、電力増幅器51に信
号を送り、射出用モータ41を回転させてスクリュ位置の
補正を行う。
次に、第2図及び第3図によって制御動作を説明す
る。
ステップ クロックパルス周期(微小時間Δt)、ク
ロックパルスごとの目標移動量Δl、スクリュの位置補
正時の前後進速度V、計量完了位置L、スクリュ回転速
度Rv、計量完了後サックバック前の前進量Lp、警報出力
用後退量異常回数設定値Na、警報出力用異常移動量設定
値Laを設定する。
ステップ 計量開始位置までスクリュ32を前進させ
る。
ステップ スクリュ32を回転させる。
ステップ スクリュ32の位置xiを検出する。
ステップ Lとxiを比較して、スクリュ32の位置xi
計量完了位置Lになれば、ステップでスクリュ32の回
転を停止し、ステップでLpだけスクリュ32を前進させ
て脱気を十分行ってから、ステップで計量完了出力を
出し、次工程のサックバックを行う。
また、位置xiが計量完了位置Lになっていなければ、
ステップに進む。
ステップ Δtが経過したかどうかを判断する。
スクリュ32の位置xi+1を検出する。
ステップ 微小時間のスクリュ3の後退量Δx(Δx
=xi+1−xi)を算出する。
ステップ スクリュ32の後退量ΔxがLaより大きいか
どうかを判断して、大きければステップに進みスクリ
ュ32の回転を停止させ、ステップで警報を出力する。
そして、スクリュ32の後退量ΔxがLaより小さければス
テップに進む。
ステップ スクリュ32の後退量Δxが目標移動量Δl
と等しいかどうかが判断される。等しければ(第3図B
点)、ステップでiをカウントアップしてステップ
に戻り、等しくなければステップに進む。
ステップ スクリュ32の後退量Δxが目標移動量Δl
より小さいかどうかが判断される。小さいと(第3図A
点)、ステップに進んで射出用モータ41が駆動されて
スクリュ32は後退し、大きいと(第3図C点)、ステッ
プに進んで射出用モータ41が駆動されてスクリュ32は
前進する。
ステップ 異常回数Naとなったかどうかが判断され、
異常回数Naとなっていれば、ステップに進み、スクリ
ュ32の回転が停止させられ、ステップで警報を出力す
る。
ステップ スクリュ位置xを検出する。
ステップ スクリュ位置xが目標位置量Δlだけ進ん
だか判断する。目標移動量Δlだけ進んだ場合、ステッ
プで上記スクリュ32の前後進を停止させ、ステップ
でiをカウントアップしてステップに戻る。目標移動
量Δlだけ進んでいない場合は、ステップに進む。
ステップ スクリュ32の前後進を継続する。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、
これらを本発明の範囲から排除するものではない。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明によれば、計量開始から
計量終了までの時間に対するスクリュ又はプランジャの
位置を予め設定しておき、微小時間ごとにスクリュ又は
プランジャの位置を検出して該検出位置と上記設定位置
との比較を行って位置の差を求め、該位置の差を無くす
方向に上記スクリュ又はプランジャを前後進させるた
め、計量不調の時には射出用モータがスクリュを必要量
後退させ、成形材料蓄積空間内の圧力を下げ、成形材料
を前方に送りやすくして計量不調の回復を図ることがで
きるため、射出成形の中断する必要がなくなる。
また、計量が不調で所定の後退量が得られない回数が
多くなると計量不良の判定が行われるため、それを警報
等で操作者に知らせることができる。そして、成形材料
としてポリカーボネート等の硬質樹脂を使用し、かつ、
低温条件下で射出成形を行う場合においては、成形材料
がナットの作用をしてスクリュが急激に後退することが
あるが、この様な場合にも計量不良の判定が行われるた
め、それを警報等で操作者に知らせることができる。
一方、計量が順調な時は微小時間ごとにスクリュ又は
プランジャを前後進させるので、計量の所要時間が安定
するでだけでなく、成形材料が揺動して効果的に脱気す
ることができる。
更に、計量に必要な時間は予め設定できるため、冷却
時間より少し前に計量を終了し、スクリュ回転数をでき
るだけ低くして発熱量を押さえることにより、計量がサ
イクルタイムに与える影響を無くすことができる。
そして、成形材料に加わる剪断速度及び総仕事量が安
定するため、ショットごとの樹脂粘度が一定となり、成
形材料内に含まれるエアを確実に脱気して樹脂密度を均
一化することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の射出成形機の可塑化制御方法を実施す
るための制御装置を示す図、第2図は制御動作フロー
図、第3図は制御動作説明図、第4図は従来のスクリュ
式射出成形機の可塑化制御装置を示す図である。 31……加熱シリンダ、32……スクリュ、33……ホッパ、
34……成形材料、35……溝、36……供給部、37……圧縮
部、38……蓄積空間、39……駆動スプライン軸、40……
伝達機構、41……射出用モータ、42……ネジ、43……固
定ナット、44……スプライン、45……歯車、46……スク
リュモータ、47……位置検出センサ、48……設定器、49
……演算制御装置、50……クロックパルス発生器、51…
…電力増幅器。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱シリンダと、該加熱シリンダ内で前後
    進可能に支持されるスクリュ又はプランジャと、該スク
    リュ又はプランジャを前後進させる手段とからなる射出
    成形機の可塑化制御方法において、計量開始から計量終
    了までの時間に対するスクリュ又はプランジャの位置を
    予め設定しておき、微小時間ごとにスクリュ又はプラン
    ジャの位置を検出して該検出位置と上記設定位置との比
    較を行って位置の差を求め、該位置の差がある場合にそ
    れを無くす方向に上記スクリュ又はプランジャを前後進
    させる手段を駆動することを特徴とする射出成形機の可
    塑化制御方法。
  2. 【請求項2】微小時間ごとに求めた位置の差が設定値を
    越えた場合に計量不良と判定する上記請求項1記載の射
    出成形機の可塑化制御方法。
  3. 【請求項3】計量開始から計量終了までの全時間におい
    て、上記位置の差が生じた回数が設定値を越えた場合に
    計量不良と判定する上記請求項1記載の射出成形機の可
    塑化制御方法。
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