JP2020044730A - 射出成形機 - Google Patents

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JP2020044730A
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大 大野
Masaru Ono
大 大野
竜一 徳能
Ryuichi Tokuno
竜一 徳能
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住友重機械工業株式会社
Sumitomo Heavy Ind Ltd
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Abstract

【課題】シリンダの内部において射出部材の前方に蓄積される成形材料の密度がショット間でばらつく場合に、成形不良を低減できる、技術を提供する。【解決手段】成形材料が内部に供給されるシリンダと、前記シリンダの内部に移動自在に配置され、前記シリンダ内の成形材料を金型装置に射出する射出部材と、前記射出部材が前記成形材料に作用する圧力を検出する圧力検出器と、前記射出部材の移動を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記射出部材により前記シリンダ内の前記成形材料を金型装置に射出する射出工程を制御し、前記射出工程の開始から、前記成形材料に作用する圧力の検出値と、前記成形材料に作用する圧力の設定値との偏差に基づいて、前記射出部材の移動速度を設定するフィードバック制御を実施する、射出成形機。【選択図】図5

Description

本発明は、射出成形機に関する。
特許文献1に記載の射出成形機は、成形材料が内部に供給されるシリンダと、シリンダの内部に進退自在に配置されるスクリュと、スクリュを進退させる射出モータと、充填工程および保圧工程を制御する制御装置とを有する。充填工程では、射出モータを駆動してスクリュを設定移動速度で前進させ、シリンダの内部から金型装置の内部に成形材料を充填する。充填工程においてスクリュがV/P切換位置に達すると、充填工程から保圧工程への切換が行われる。保圧工程では、射出モータを駆動してスクリュを設定圧力で前方に押し、金型装置の内部に充填された成形材料に圧力をかける。冷却収縮による不足分の成形材料が補充できる。
特開2017−170800号公報
シリンダの内部には、スクリュなどの射出部材が移動自在に配置される。射出部材は、充填工程において、充填開始位置(「射出開始位置」とも呼ぶ。)から、V/P切換位置まで前進する。射出開始位置やV/P切換位置が一定である場合、充填工程における射出部材の前進量は一定である。
ところで、シリンダの内部においてスクリュなどの射出部材の前方に蓄積される成形材料の密度がショット間でばらつく場合がある。この場合に、射出部材の前進量が一定であると、シリンダの内部から金型装置の内部に射出される成形材料の質量がばらつくので、成形不良が生じる。
本発明の一態様は、シリンダの内部において射出部材の前方に蓄積される成形材料の密度がショット間でばらつく場合に、成形不良を低減できる、技術を提供する。
本発明の一態様に係る射出成形機は、
成形材料が内部に供給されるシリンダと、
前記シリンダの内部に移動自在に配置され、前記シリンダ内の成形材料を金型装置に射出する射出部材と、
前記射出部材が前記成形材料に作用する圧力を検出する圧力検出器と、
前記射出部材の移動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記射出部材により前記シリンダ内の前記成形材料を金型装置に射出する射出工程を制御し、
前記射出工程の開始から、前記成形材料に作用する圧力の検出値と、前記成形材料に作用する圧力の設定値との偏差に基づいて、前記射出部材の移動速度を設定するフィードバック制御を実施する。
本発明の一態様によれば、シリンダの内部において射出部材の前方に蓄積される成形材料の密度がショット間でばらつく場合に、成形不良を低減できる。
図1は、一実施形態に係る射出成形機の型開完了時の状態を示す図である。 図2は、一実施形態に係る射出成形機の型締時の状態を示す図である。 図3は、一実施形態に係る射出工程を制御する制御装置を示すブロック図である。 図4は、計量が不安定な時の射出工程の制御に用いる設定値が入力される表示画面の一例を示す図である。 図5は、図4に示す設定値に従って射出工程を制御したときの樹脂圧力の検出値の時間変化の一例を示すグラフである。 図6は、計量が安定な時の射出工程の制御に用いる設定値が入力される表示画面の一例を示す図である。 図7は、図6に示す設定値に従って射出工程を制御したときの樹脂圧力の検出値の時間変化の一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。尚、各図面において同一の又は対応する構成には同一の又は対応する符号を付し、説明を省略することがある。
(射出成形機)
図1は、一実施形態に係る射出成形機の型開完了時の状態を示す図である。図2は、一実施形態に係る射出成形機の型締時の状態を示す図である。図1〜図2において、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向は互いに垂直な方向である。X軸方向およびY軸方向は水平方向を表し、Z軸方向は鉛直方向を表す。型締装置100が横型である場合、X軸方向は型開閉方向であり、Y軸方向は射出成形機10の幅方向である。Y軸方向負側が操作側であり、Y軸方向正側が反操作側である。
図1〜図2に示すように、射出成形機10は、型締装置100と、エジェクタ装置200と、射出装置300と、移動装置400と、制御装置700と、フレーム900とを有する。フレーム900は、型締装置フレーム910と、射出装置フレーム920とを含む。型締装置フレーム910および射出装置フレーム920は、それぞれ、レベリングアジャスタ930を介して床2に設置される。射出装置フレーム920の内部空間に、制御装置700が配置される。以下、射出成形機10の各構成要素について説明する。
(型締装置)
型締装置100の説明では、型閉時の可動プラテン120の移動方向(例えばX軸正方向)を前方とし、型開時の可動プラテン120の移動方向(例えばX軸負方向)を後方として説明する。
型締装置100は、金型装置800の型閉、昇圧、型締、脱圧および型開を行う。金型装置800は、固定金型810と可動金型820とを含む。
型締装置100は例えば横型であって、型開閉方向が水平方向である。型締装置100は、固定プラテン110、可動プラテン120、トグルサポート130、タイバー140、トグル機構150、型締モータ160、運動変換機構170、および型厚調整機構180を有する。
固定プラテン110は、型締装置フレーム910に対し固定される。固定プラテン110における可動プラテン120との対向面に固定金型810が取付けられる。
可動プラテン120は、型締装置フレーム910に対し型開閉方向に移動自在に配置される。型締装置フレーム910上には、可動プラテン120を案内するガイド101が敷設される。可動プラテン120における固定プラテン110との対向面に可動金型820が取付けられる。固定プラテン110に対し可動プラテン120を進退させることにより、金型装置800の型閉、昇圧、型締、脱圧、および型開が行われる。
トグルサポート130は、固定プラテン110と間隔をおいて配設され、型締装置フレーム910上に型開閉方向に移動自在に載置される。尚、トグルサポート130は、型締装置フレーム910上に敷設されるガイドに沿って移動自在に配置されてもよい。トグルサポート130のガイドは、可動プラテン120のガイド101と共通のものでもよい。
尚、本実施形態では、固定プラテン110が型締装置フレーム910に対し固定され、トグルサポート130が型締装置フレーム910に対し型開閉方向に移動自在に配置されるが、トグルサポート130が型締装置フレーム910に対し固定され、固定プラテン110が型締装置フレーム910に対し型開閉方向に移動自在に配置されてもよい。
タイバー140は、固定プラテン110とトグルサポート130とを型開閉方向に間隔Lをおいて連結する。タイバー140は、複数本(例えば4本)用いられてよい。複数本のタイバー140は、型開閉方向に平行に配置され、型締力に応じて伸びる。少なくとも1本のタイバー140には、タイバー140の歪を検出するタイバー歪検出器141が設けられてよい。タイバー歪検出器141は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。タイバー歪検出器141の検出結果は、型締力の検出などに用いられる。
尚、本実施形態では、型締力を検出する型締力検出器として、タイバー歪検出器141が用いられるが、本発明はこれに限定されない。型締力検出器は、歪ゲージ式に限定されず、圧電式、容量式、油圧式、電磁式などでもよく、その取付け位置もタイバー140に限定されない。
トグル機構150は、可動プラテン120とトグルサポート130との間に配置され、トグルサポート130に対し可動プラテン120を型開閉方向に移動させる。トグル機構150は、クロスヘッド151、一対のリンク群などで構成される。一対のリンク群は、それぞれ、ピンなどで屈伸自在に連結される第1リンク152と第2リンク153とを有する。第1リンク152は可動プラテン120に対しピンなどで揺動自在に取付けられる。第2リンク153はトグルサポート130に対しピンなどで揺動自在に取付けられる。第2リンク153は、第3リンク154を介してクロスヘッド151に取付けられる。トグルサポート130に対しクロスヘッド151を進退させると、第1リンク152と第2リンク153とが屈伸し、トグルサポート130に対し可動プラテン120が進退する。
尚、トグル機構150の構成は、図1および図2に示す構成に限定されない。例えば図1および図2では、各リンク群の節点の数が5つであるが、4つでもよく、第3リンク154の一端部が、第1リンク152と第2リンク153との節点に結合されてもよい。
型締モータ160は、トグルサポート130に取付けられており、トグル機構150を作動させる。型締モータ160は、トグルサポート130に対しクロスヘッド151を進退させることにより、第1リンク152と第2リンク153とを屈伸させ、トグルサポート130に対し可動プラテン120を進退させる。型締モータ160は、運動変換機構170に直結されるが、ベルトやプーリなどを介して運動変換機構170に連結されてもよい。
運動変換機構170は、型締モータ160の回転運動をクロスヘッド151の直線運動に変換する。運動変換機構170は、ねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを含む。ねじ軸と、ねじナットとの間には、ボールまたはローラが介在してよい。
型締装置100は、制御装置700による制御下で、型閉工程、昇圧工程、型締工程、脱圧工程、および型開工程などを行う。
型閉工程では、型締モータ160を駆動してクロスヘッド151を設定移動速度で型閉完了位置まで前進させることにより、可動プラテン120を前進させ、可動金型820を固定金型810にタッチさせる。クロスヘッド151の位置や移動速度は、例えば型締モータエンコーダ161などを用いて検出する。型締モータエンコーダ161は、型締モータ160の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。
尚、クロスヘッド151の位置を検出するクロスヘッド位置検出器、およびクロスヘッド151の移動速度を検出するクロスヘッド移動速度検出器は、型締モータエンコーダ161に限定されず、一般的なものを使用できる。また、可動プラテン120の位置を検出する可動プラテン位置検出器、および可動プラテン120の移動速度を検出する可動プラテン移動速度検出器は、型締モータエンコーダ161に限定されず、一般的なものを使用できる。
昇圧工程では、型締モータ160をさらに駆動してクロスヘッド151を型閉完了位置から型締位置までさらに前進させることで型締力を生じさせる。
型締工程では、型締モータ160を駆動して、クロスヘッド151の位置を型締位置に維持する。型締工程では、可動金型820と固定金型810との間にキャビティ空間801(図2参照)が形成され、射出装置300がキャビティ空間801に液状の成形材料を充填する。充填された成形材料が固化されることで、成形品が得られる。
キャビティ空間801の数は、1つでもよいし、複数でもよい。後者の場合、複数の成形品が同時に得られる。キャビティ空間801の一部にインサート材が配置され、キャビティ空間801の他の一部に成形材料が充填されてもよい。インサート材と成形材料とが一体化した成形品が得られる。
脱圧工程では、型締モータ160を駆動してクロスヘッド151を型締位置から型開開始位置まで後退させることにより、可動プラテン120を後退させ、型締力を減少させる。型開開始位置と、型閉完了位置とは、同じ位置であってよい。
型開工程では、型締モータ160を駆動してクロスヘッド151を設定移動速度で型開開始位置から型開完了位置まで後退させることにより、可動プラテン120を後退させ、可動金型820を固定金型810から離間させる。その後、エジェクタ装置200が可動金型820から成形品を突き出す。
型閉工程および昇圧工程における設定条件は、一連の設定条件として、まとめて設定される。例えば、型閉工程および昇圧工程におけるクロスヘッド151の移動速度や位置(型閉開始位置、移動速度切換位置、型閉完了位置、および型締位置を含む)、型締力は、一連の設定条件として、まとめて設定される。型閉開始位置、移動速度切換位置、型閉完了位置、および型締位置は、後側から前方に向けてこの順で並び、移動速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、移動速度が設定される。移動速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。移動速度切換位置は、設定されなくてもよい。型締位置と型締力とは、いずれか一方のみが設定されてもよい。
脱圧工程および型開工程における設定条件も同様に設定される。例えば、脱圧工程および型開工程におけるクロスヘッド151の移動速度や位置(型開開始位置、移動速度切換位置、および型開完了位置)は、一連の設定条件として、まとめて設定される。型開開始位置、移動速度切換位置、および型開完了位置は、前側から後方に向けて、この順で並び、移動速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、移動速度が設定される。移動速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。移動速度切換位置は、設定されなくてもよい。型開開始位置と型閉完了位置とは同じ位置であってよい。また、型開完了位置と型閉開始位置とは同じ位置であってよい。
尚、クロスヘッド151の移動速度や位置などの代わりに、可動プラテン120の移動速度や位置などが設定されてもよい。また、クロスヘッドの位置(例えば型締位置)や可動プラテンの位置の代わりに、型締力が設定されてもよい。
ところで、トグル機構150は、型締モータ160の駆動力を増幅して可動プラテン120に伝える。その増幅倍率は、トグル倍率とも呼ばれる。トグル倍率は、第1リンク152と第2リンク153とのなす角θ(以下、「リンク角度θ」とも呼ぶ)に応じて変化する。リンク角度θは、クロスヘッド151の位置から求められる。リンク角度θが180°のとき、トグル倍率が最大になる。
金型装置800の交換や金型装置800の温度変化などにより金型装置800の厚さが変化した場合、型締時に所定の型締力が得られるように、型厚調整が行われる。型厚調整では、例えば可動金型820が固定金型810にタッチする型タッチの時点でトグル機構150のリンク角度θが所定の角度になるように、固定プラテン110とトグルサポート130との間隔Lを調整する。
型締装置100は、固定プラテン110とトグルサポート130との間隔Lを調整することで、型厚調整を行う型厚調整機構180を有する。型厚調整機構180は、例えば、タイバー140の後端部に形成されるねじ軸181と、トグルサポート130に回転自在に且つ進退不能に保持されるねじナット182と、ねじ軸181に螺合するねじナット182を回転させる型厚調整モータ183とを有する。
ねじ軸181およびねじナット182は、タイバー140ごとに設けられる。型厚調整モータ183の回転駆動力は、回転駆動力伝達部185を介して複数のねじナット182に伝達されてよい。複数のねじナット182を同期して回転できる。尚、回転駆動力伝達部185の伝達経路を変更することで、複数のねじナット182を個別に回転することも可能である。
回転駆動力伝達部185は、例えば歯車などで構成される。この場合、各ねじナット182の外周に受動歯車が形成され、型厚調整モータ183の出力軸には駆動歯車が取付けられ、複数の受動歯車および駆動歯車と噛み合う中間歯車がトグルサポート130の中央部に回転自在に保持される。尚、回転駆動力伝達部185は、歯車の代わりに、ベルトやプーリなどで構成されてもよい。
型厚調整機構180の動作は、制御装置700によって制御される。制御装置700は、型厚調整モータ183を駆動して、ねじナット182を回転させる。その結果、ねじナット182を回転自在に且つ進退不能に保持するトグルサポート130のタイバー140に対する位置が調整され、固定プラテン110とトグルサポート130との間隔Lが調整される。尚、複数の型厚調整機構が組合わせて用いられてもよい。
間隔Lは、型厚調整モータエンコーダ184を用いて検出する。型厚調整モータエンコーダ184は、型厚調整モータ183の回転量や回転方向を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。型厚調整モータエンコーダ184の検出結果は、トグルサポート130の位置や間隔Lの監視や制御に用いられる。尚、トグルサポート130の位置を検出するトグルサポート位置検出器、および間隔Lを検出する間隔検出器は、型厚調整モータエンコーダ184に限定されず、一般的なものを使用できる。
尚、本実施形態の型締装置100は、型開閉方向が水平方向である横型であるが、型開閉方向が上下方向である竪型でもよい。
尚、本実施形態の型締装置100は、駆動源として、型締モータ160を有するが、型締モータ160の代わりに、油圧シリンダを有してもよい。また、型締装置100は、型開閉用にリニアモータを有し、型締用に電磁石を有してもよい。
(エジェクタ装置)
エジェクタ装置200の説明では、型締装置100の説明と同様に、型閉時の可動プラテン120の移動方向(例えばX軸正方向)を前方とし、型開時の可動プラテン120の移動方向(例えばX軸負方向)を後方として説明する。
エジェクタ装置200は、可動プラテン120に取り付けられ、可動プラテン120と共に進退する。エジェクタ装置200は、金型装置800から成形品を突き出すエジェクタロッド210と、エジェクタロッド210をX軸方向に移動させる駆動機構220とを有する。
エジェクタロッド210は、可動プラテン120の貫通穴に進退自在に配置される。エジェクタロッド210の前端部は、可動金型820の内部に進退自在に配置される可動部材830と接触する。エジェクタロッド210の前端部は、可動部材830と連結されていても、連結されていなくてもよい。
駆動機構220は、例えば、エジェクタモータと、エジェクタモータの回転運動をエジェクタロッド210の直線運動に変換する運動変換機構とを有する。運動変換機構は、ねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを含む。ねじ軸と、ねじナットとの間には、ボールまたはローラが介在してよい。
エジェクタ装置200は、制御装置700による制御下で、突き出し工程を行う。突き出し工程では、エジェクタロッド210を設定移動速度で待機位置から突き出し位置まで前進させることにより、可動部材830を前進させ、成形品を突き出す。その後、エジェクタモータを駆動してエジェクタロッド210を設定移動速度で後退させ、可動部材830を元の待機位置まで後退させる。
エジェクタロッド210の位置や移動速度は、例えばエジェクタモータエンコーダを用いて検出する。エジェクタモータエンコーダは、エジェクタモータの回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。尚、エジェクタロッド210の位置を検出するエジェクタロッド位置検出器、およびエジェクタロッド210の移動速度を検出するエジェクタロッド移動速度検出器は、エジェクタモータエンコーダに限定されず、一般的なものを使用できる。
(射出装置)
射出装置300の説明では、型締装置100の説明やエジェクタ装置200の説明とは異なり、充填時のスクリュ330の移動方向(例えばX軸負方向)を前方とし、計量時のスクリュ330の移動方向(例えばX軸正方向)を後方として説明する。
射出装置300はスライドベース301に設置され、スライドベース301は射出装置フレーム920に対し進退自在に配置される。射出装置300は、金型装置800に対し進退自在に配置される。射出装置300は、金型装置800にタッチし、金型装置800内のキャビティ空間801に成形材料を充填する。射出装置300は、例えば、シリンダ310、ノズル320、スクリュ330、計量モータ340、射出モータ350、圧力検出器360などを有する。
シリンダ310は、供給口311から内部に供給された成形材料を加熱する。成形材料は、例えば樹脂などを含む。成形材料は、例えばペレット状に形成され、固体の状態で供給口311に供給される。供給口311はシリンダ310の後部に形成される。シリンダ310の後部の外周には、水冷シリンダなどの冷却器312が設けられる。冷却器312よりも前方において、シリンダ310の外周には、バンドヒータなどの加熱器313と温度検出器314とが設けられる。
シリンダ310は、シリンダ310の軸方向(例えばX軸方向)に複数のゾーンに区分される。複数のゾーンのそれぞれに加熱器313と温度検出器314とが設けられる。複数のゾーンのそれぞれに設定温度が設定され、温度検出器314の検出温度が設定温度になるように、制御装置700が加熱器313を制御する。
ノズル320は、シリンダ310の前端部に設けられ、金型装置800に対し押し付けられる。ノズル320の外周には、加熱器313と温度検出器314とが設けられる。ノズル320の検出温度が設定温度になるように、制御装置700が加熱器313を制御する。
スクリュ330は、シリンダ310内に回転自在に且つ進退自在に配置される。スクリュ330を回転させると、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って成形材料が前方に送られる。成形材料は、前方に送られながら、シリンダ310からの熱によって徐々に溶融される。液状の成形材料がスクリュ330の前方に送られシリンダ310の前部に蓄積されるにつれ、スクリュ330が後退させられる。その後、スクリュ330を前進させると、スクリュ330前方に蓄積された液状の成形材料がノズル320から射出され、金型装置800内に充填される。
スクリュ330の前部には、スクリュ330を前方に押すときにスクリュ330の前方から後方に向かう成形材料の逆流を防止する逆流防止弁として、逆流防止リング331が進退自在に取付けられる。
逆流防止リング331は、スクリュ330を前進させるときに、スクリュ330前方の成形材料の圧力によって後方に押され、成形材料の流路を塞ぐ閉塞位置(図2参照)までスクリュ330に対し相対的に後退する。これにより、スクリュ330前方に蓄積された成形材料が後方に逆流するのを防止する。
一方、逆流防止リング331は、スクリュ330を回転させるときに、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って前方に送られる成形材料の圧力によって前方に押され、成形材料の流路を開放する開放位置(図1参照)までスクリュ330に対し相対的に前進する。これにより、スクリュ330の前方に成形材料が送られる。
逆流防止リング331は、スクリュ330と共に回転する共回りタイプと、スクリュ330と共に回転しない非共回りタイプのいずれでもよい。
尚、射出装置300は、スクリュ330に対し逆流防止リング331を開放位置と閉塞位置との間で進退させる駆動源を有していてもよい。
計量モータ340は、スクリュ330を回転させる。スクリュ330を回転させる駆動源は、計量モータ340には限定されず、例えば油圧ポンプなどでもよい。
射出モータ350は、スクリュ330を進退させる。射出モータ350とスクリュ330との間には、射出モータ350の回転運動をスクリュ330の直線運動に変換する運動変換機構などが設けられる。運動変換機構は、例えばねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを有する。ねじ軸とねじナットの間には、ボールやローラなどが設けられてよい。スクリュ330を進退させる駆動源は、射出モータ350には限定されず、例えば油圧シリンダなどでもよい。
圧力検出器360は、射出モータ350とスクリュ330との間で伝達される圧力を検出する。圧力検出器360は、射出モータ350とスクリュ330との間の圧力の伝達経路に設けられ、圧力検出器360に作用する圧力を検出する。
圧力検出器360は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。圧力検出器360の検出結果は、スクリュ330が成形材料から受ける圧力、スクリュ330に対する背圧、スクリュ330から成形材料に作用する圧力などの制御や監視に用いられる。
射出装置300は、制御装置700による制御下で、計量工程、充填工程および保圧工程などを行う。充填工程と保圧工程とをまとめて射出工程とも呼ぶ。
計量工程では、計量モータ340を駆動してスクリュ330を設定回転速度で回転させ、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って成形材料を前方に送る。これに伴い、成形材料が徐々に溶融される。液状の成形材料がスクリュ330の前方に送られシリンダ310の前部に蓄積されるにつれ、スクリュ330が後退させられる。スクリュ330の回転速度は、例えば計量モータエンコーダ341を用いて検出する。計量モータエンコーダ341は、計量モータ340の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。尚、スクリュ330の回転速度を検出するスクリュ回転速度検出器は、計量モータエンコーダ341に限定されず、一般的なものを使用できる。
計量工程では、スクリュ330の急激な後退を制限すべく、射出モータ350を駆動してスクリュ330に対して設定背圧を加えてよい。スクリュ330に対する背圧は、例えば圧力検出器360を用いて検出する。圧力検出器360は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。スクリュ330が計量完了位置まで後退し、スクリュ330の前方に所定量の成形材料が蓄積されると、計量工程が完了する。
計量工程におけるスクリュ330の位置および回転速度は、一連の設定条件として、まとめて設定される。例えば、計量開始位置、回転速度切換位置および計量完了位置が設定される。これらの位置は、前側から後方に向けてこの順で並び、回転速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、回転速度が設定される。回転速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。回転速度切換位置は、設定されなくてもよい。また、区間毎に背圧が設定される。
充填工程では、射出モータ350を駆動してスクリュ330を設定移動速度で前進させ、スクリュ330の前方に蓄積された液状の成形材料を金型装置800内のキャビティ空間801に充填させる。スクリュ330の位置や移動速度は、例えば射出モータエンコーダ351を用いて検出する。射出モータエンコーダ351は、射出モータ350の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。スクリュ330の位置が設定位置に達すると、充填工程から保圧工程への切換(所謂、V/P切換)が行われる。V/P切換が行われる位置をV/P切換位置とも呼ぶ。スクリュ330の設定移動速度は、スクリュ330の位置や時間などに応じて変更されてもよい。
充填工程におけるスクリュ330の位置および移動速度は、一連の設定条件として、まとめて設定される。例えば、充填開始位置(「射出開始位置」とも呼ぶ。)、移動速度切換位置およびV/P切換位置が設定される。これらの位置は、後側から前方に向けてこの順で並び、移動速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、移動速度が設定される。移動速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。移動速度切換位置は、設定されなくてもよい。
スクリュ330の移動速度が設定される区間毎に、スクリュ330の圧力の上限値が設定される。スクリュ330の圧力は、圧力検出器360によって検出される。圧力検出器360の検出値が設定圧力以下である場合、スクリュ330は設定移動速度で前進される。一方、圧力検出器360の検出値が設定圧力を超える場合、金型保護を目的として、圧力検出器360の検出値が設定圧力以下となるように、スクリュ330は設定移動速度よりも遅い移動速度で前進される。
尚、充填工程においてスクリュ330の位置がV/P切換位置に達した後、V/P切換位置にスクリュ330を一時停止させ、その後にV/P切換が行われてもよい。V/P切換の直前において、スクリュ330の停止の代わりに、スクリュ330の微速前進または微速後退が行われてもよい。また、スクリュ330の位置を検出するスクリュ位置検出器、およびスクリュ330の移動速度を検出するスクリュ移動速度検出器は、射出モータエンコーダ351に限定されず、一般的なものを使用できる。
保圧工程では、射出モータ350を駆動してスクリュ330を前方に押し、スクリュ330の前端部における成形材料の圧力(以下、「保持圧力」とも呼ぶ。)を設定圧に保ち、シリンダ310内に残る成形材料を金型装置800に向けて押す。金型装置800内での冷却収縮による不足分の成形材料を補充できる。保持圧力は、例えば圧力検出器360を用いて検出する。圧力検出器360は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。保持圧力の設定値は、保圧工程の開始からの経過時間などに応じて変更されてもよい。保圧工程における保持圧力および保持圧力を保持する保持時間は、それぞれ複数設定されてよく、一連の設定条件として、まとめて設定されてよい。
保圧工程では金型装置800内のキャビティ空間801の成形材料が徐々に冷却され、保圧工程完了時にはキャビティ空間801の入口が固化した成形材料で塞がれる。この状態はゲートシールと呼ばれ、キャビティ空間801からの成形材料の逆流が防止される。保圧工程後、冷却工程が開始される。冷却工程では、キャビティ空間801内の成形材料の固化が行われる。成形サイクル時間の短縮を目的として、冷却工程中に計量工程が行われてよい。
尚、本実施形態の射出装置300は、インライン・スクリュ方式であるが、プリプラ方式などでもよい。プリプラ方式の射出装置は、可塑化シリンダ内で溶融された成形材料を射出シリンダに供給し、射出シリンダから金型装置内に成形材料を射出する。可塑化シリンダ内には、スクリュが回転自在に且つ進退不能に配置され、またはスクリュが回転自在に且つ進退自在に配置される。一方、射出シリンダ内には、プランジャが進退自在に配置される。
また、本実施形態の射出装置300は、シリンダ310の軸方向が水平方向である横型であるが、シリンダ310の軸方向が上下方向である竪型であってもよい。竪型の射出装置300と組み合わされる型締装置は、竪型でも横型でもよい。同様に、横型の射出装置300と組み合わされる型締装置は、横型でも竪型でもよい。
(移動装置)
移動装置400の説明では、射出装置300の説明と同様に、充填時のスクリュ330の移動方向(例えばX軸負方向)を前方とし、計量時のスクリュ330の移動方向(例えばX軸正方向)を後方として説明する。
移動装置400は、金型装置800に対し射出装置300を進退させる。また、移動装置400は、金型装置800に対しノズル320を押し付け、ノズルタッチ圧力を生じさせる。移動装置400は、液圧ポンプ410、駆動源としてのモータ420、液圧アクチュエータとしての液圧シリンダ430などを含む。
液圧ポンプ410は、第1ポート411と、第2ポート412とを有する。液圧ポンプ410は、両方向回転可能なポンプであり、モータ420の回転方向を切換えることにより、第1ポート411および第2ポート412のいずれか一方から作動液(例えば油)を吸入し他方から吐出して液圧を発生させる。尚、液圧ポンプ410はタンクから作動液を吸引して第1ポート411および第2ポート412のいずれか一方から作動液を吐出することもできる。
モータ420は、液圧ポンプ410を作動させる。モータ420は、制御装置700からの制御信号に応じた回転方向および回転トルクで液圧ポンプ410を駆動する。モータ420は、電動モータであってよく、電動サーボモータであってよい。
液圧シリンダ430は、シリンダ本体431、ピストン432、およびピストンロッド433を有する。シリンダ本体431は、射出装置300に対して固定される。ピストン432は、シリンダ本体431の内部を、第1室としての前室435と、第2室としての後室436とに区画する。ピストンロッド433は、固定プラテン110に対して固定される。
液圧シリンダ430の前室435は、第1流路401を介して、液圧ポンプ410の第1ポート411と接続される。第1ポート411から吐出された作動液が第1流路401を介して前室435に供給されることで、射出装置300が前方に押される。射出装置300が前進され、ノズル320が固定金型810に押し付けられる。前室435は、液圧ポンプ410から供給される作動液の圧力によってノズル320のノズルタッチ圧力を生じさせる圧力室として機能する。
一方、液圧シリンダ430の後室436は、第2流路402を介して液圧ポンプ410の第2ポート412と接続される。第2ポート412から吐出された作動液が第2流路402を介して液圧シリンダ430の後室436に供給されることで、射出装置300が後方に押される。射出装置300が後退され、ノズル320が固定金型810から離間される。
尚、本実施形態では移動装置400は液圧シリンダ430を含むが、本発明はこれに限定されない。例えば、液圧シリンダ430の代わりに、電動モータと、その電動モータの回転運動を射出装置300の直線運動に変換する運動変換機構とが用いられてもよい。
(制御装置)
制御装置700は、例えばコンピュータで構成され、図1〜図2に示すようにCPU(Central Processing Unit)701と、メモリなどの記憶媒体702と、入力インターフェース703と、出力インターフェース704とを有する。制御装置700は、記憶媒体702に記憶されたプログラムをCPU701に実行させることにより、各種の制御を行う。また、制御装置700は、入力インターフェース703で外部からの信号を受信し、出力インターフェース704で外部に信号を送信する。
制御装置700は、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程、および突き出し工程などを繰り返し行うことにより、成形品を繰り返し製造する。成形品を得るための一連の動作、例えば計量工程の開始から次の計量工程の開始までの動作を「ショット」または「成形サイクル」とも呼ぶ。また、1回のショットに要する時間を「成形サイクル時間」または「サイクル時間」とも呼ぶ。
一回の成形サイクルは、例えば、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程、および突き出し工程をこの順で有する。ここでの順番は、各工程の開始の順番である。充填工程、保圧工程、および冷却工程は、型締工程の間に行われる。型締工程の開始は充填工程の開始と一致してもよい。脱圧工程の終了は型開工程の開始と一致する。
尚、成形サイクル時間の短縮を目的として、同時に複数の工程を行ってもよい。例えば、計量工程は、前回の成形サイクルの冷却工程中に行われてもよく、型締工程の間に行われてよい。この場合、型閉工程が成形サイクルの最初に行われることとしてもよい。また、充填工程は、型閉工程中に開始されてもよい。また、突き出し工程は、型開工程中に開始されてもよい。ノズル320の流路を開閉する開閉弁が設けられる場合、型開工程は、計量工程中に開始されてもよい。計量工程中に型開工程が開始されても、開閉弁がノズル320の流路を閉じていれば、ノズル320から成形材料が漏れないからである。
尚、一回の成形サイクルは、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程、および突き出し工程以外の工程を有してもよい。
例えば、保圧工程の完了後、計量工程の開始前に、スクリュ330を予め設定された計量開始位置まで後退させる計量前サックバック工程が行われてもよい。計量工程の開始前にスクリュ330の前方に蓄積された成形材料の圧力を低減でき、計量工程の開始時のスクリュ330の急激な後退を防止できる。
また、計量工程の完了後、充填工程の開始前に、スクリュ330を予め設定された充填開始位置(「射出開始位置」とも呼ぶ。)まで後退させる計量後サックバック工程が行われてもよい。充填工程の開始前にスクリュ330の前方に蓄積された成形材料の圧力を低減でき、充填工程の開始前のノズル320からの成形材料の漏出を防止できる。
制御装置700は、操作装置750や表示装置760と接続されている。操作装置750は、ユーザによる入力操作を受け付け、入力操作に応じた信号を制御装置700に出力する。表示装置760は、制御装置700による制御下で、操作装置750における入力操作に応じた表示画面を表示する。
表示画面は、射出成形機10の設定などに用いられる。表示画面は、複数用意され、切換えて表示されたり、重ねて表示されたりする。ユーザは、表示装置760で表示される表示画面を見ながら、操作装置750を操作することにより射出成形機10の設定(設定値の入力を含む)などを行う。
操作装置750および表示装置760は、例えばタッチパネルで構成され、一体化されてよい。尚、本実施形態の操作装置750および表示装置760は、一体化されているが、独立に設けられてもよい。また、操作装置750は、複数設けられてもよい。操作装置750および表示装置760は、型締装置100(より詳細には固定プラテン110)のY軸方向負側に配置される。Y軸方向負側を操作側と呼び、Y軸方向正側を反操作側と呼ぶ。
(射出工程の制御)
図3は、一実施形態に係る射出工程を制御する制御装置を示すブロック図である。射出工程は、スクリュ330の移動によってシリンダ310の内部から金型装置800の内部に成形材料を射出する工程である。射出工程において、スクリュ330は、基本的に前進するが、一時的に停止または後退してもよい。
制御装置700は、射出工程におけるスクリュ330の位置を設定する位置設定部711と、スクリュ位置の設定値Xsとスクリュ位置の検出値Xdとの偏差(Xs−Xd)を算出する減算器712とを有する。また、制御装置700は、スクリュ位置の偏差(Xs−Xd)に基づき、スクリュ330の移動速度を設定する移動速度設定部713を有する。
位置設定部711は、例えば図6に示す表示画面780で入力された射出開始位置Xs1とV/P切換位置Xs2と移動速度Vs1とに基づき、射出工程におけるスクリュ330の位置を設定する。スクリュ330の位置は、例えば、スクリュ330の前進限位置からの距離で表される。尚、上述の如く、射出開始位置Xs1とV/P切換位置Xs2との間に移動速度切換位置が設定されてもよい。
ここで、V/P切換とは、スクリュ位置の偏差(Xs−Xd)に基づきスクリュ移動速度を設定するフィードバック制御から、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づきスクリュ移動速度を設定するフィードバック制御への切換のことである。
減算器712は、位置設定部711によって設定されるスクリュ位置の設定値Xsと、射出モータエンコーダ351によって検出されるスクリュ位置の検出値Xdとの偏差(Xs−Xd)を算出する。尚、上述の如く、スクリュ位置検出器は、射出モータエンコーダ351に限定されず、一般的なものを使用できる。
移動速度設定部713は、減算器712の算出したスクリュ位置の偏差(Xs−Xd)に基づき、スクリュ330の移動速度を設定する。スクリュ330の移動速度の設定値Vsは、スクリュ位置の偏差(Xs−Xd)がゼロになるように算出され、例えばPI演算またはPID演算などにより算出される。
制御装置700は、射出工程における成形材料である樹脂の圧力を設定する圧力設定部721と、樹脂圧力の設定値Psと樹脂圧力の検出値Pdとの偏差(Ps−Pd)を算出する減算器722とを有する。また、制御装置700は、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づき、スクリュ330の移動速度を設定する移動速度設定部723を有する。
圧力設定部721は、例えば図4に示す表示画面770または図6に示す表示画面780で入力された樹脂圧力Ps1、Ps2と、樹脂圧力Ps1、Ps2を保持する保持時間Ts1、Ts2とに従って、樹脂圧力の設定値Psを設定する。
減算器722は、圧力設定部721によって設定される樹脂圧力の設定値Psと、圧力検出器360によって検出される樹脂圧力の検出値Pdとの偏差(Ps−Pd)を算出する。圧力検出器360は、スクリュ330を介して射出モータ350から樹脂に作用する圧力を検出する。圧力検出器360は、スクリュ330と射出モータ350との圧力の伝達経路の途中に配置される。従来から使用されている圧力検出器360を利用するので、射出成形機10の構造変更が不要である。また、射出成形機10の製造コストの増加を防止できる。
尚、本実施形態の圧力検出器360はスクリュ330と射出モータ350との圧力の伝達経路の途中に配置されるが、本発明はこれに限定されない。樹脂圧力の検出値Pdを検出する圧力検出器360は、スクリュ330を介して射出モータ350から樹脂に作用する圧力を検出するものであればよい。例えば、圧力検出器360として、型内圧検出器またはノズル圧検出器などが使用可能である。型内圧検出器は、金型装置800に設置され、金型装置800の内部の樹脂の圧力を検出する。また、ノズル圧検出器は、ノズル320に設置され、ノズル320の内部の樹脂の圧力を検出する。複数の圧力検出器が組合わせて用いられてもよく、圧力検出器毎に設定値Psが設定されてもよい。
移動速度設定部723は、減算器722の算出した樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づき、スクリュ330の移動速度を設定する。スクリュ330の移動速度の設定値Vsは、樹脂圧の偏差(Ps−Pd)がゼロになるように算出され、例えばPI演算またはPID演算などにより算出される。
制御装置700は、スクリュ移動速度の設定値Vsとスクリュ移動速度の検出値Vdとの偏差(Vs−Vd)を算出する減算器731を有する。減算器731に入力される設定値Vsは、切換部732によって切換えられる。切換部732は、減算器731に入力される設定値Vsを、スクリュ位置の偏差(Xs−Xd)に基づくものと、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づくものとに切換える。切換の条件については後述する。一方、減算器731に入力される検出値Vdは、射出モータエンコーダ351によって検出される。切換部732は、スイッチなどで構成される。上述の如く、スクリュ移動速度検出器は、射出モータエンコーダ351に限定されず、一般的なものを使用できる。
制御装置700は、スクリュ移動速度の偏差(Vs−Vd)に基づき、射出モータ350の電流を設定する電流設定部733を有する。射出モータ350の電流の設定値Isは、スクリュ移動速度の偏差(Vs−Vd)がゼロになるように算出され、例えばPI演算またはPID演算などにより算出される。
電流設定部733は、スクリュ移動速度の偏差(Vs−Vd)がゼロになるように、PI演算またはPID演算などによってドライバ部734の出力波を作成する。電流設定部733は、ドライバ部734の出力波と搬送波とを比較することにより、PWM(Pulse Width Modulation)信号を作成する。
制御装置700は、電流設定部733によって設定される電流の設定値Isに従って、射出モータ350に電流を供給するドライバ部734を有する。ドライバ部734は、直流電力を交流電力に変換するインバータなどで構成される。インバータは、例えば2つのスイッチング素子で構成されるレグを複数有する。各スイッチング素子に対し逆並列にダイオードが接続される。ダイオードは、各スイッチング素子に内蔵されてもよい。インバータは、電流設定部733からのPWM信号に従ってスイッチングし、交流電力を射出モータ350に供給する。尚、ドライバ部734の制御方式は、PWMには限定されない。
ところで、制御装置700は、自動運転開始ボタンが押されたことを検出すると、成形サイクルを自動で繰り返す自動運転を開始する。先ず、制御装置700は、1回目のショットの計量工程を実施する。具体的には、制御装置700は、計量モータ340を駆動してスクリュ330を設定回転速度で回転させ、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って樹脂を前方に送る。これに伴い、樹脂が徐々に溶融される。溶融樹脂がスクリュ330の前方に送られシリンダ310の前部に蓄積されるにつれ、スクリュ330が後退させられる。制御装置700は、スクリュ330の急激な後退を制限すべく、射出モータ350を駆動してスクリュ330に対して設定背圧を加える。
1回目のショットの計量工程では、スクリュ330の背圧によって溶融樹脂がノズル320から漏れる。漏れた樹脂が金型装置800の内部に充填されることを防止すべく、1回目のショットの計量工程は、ノズル320が金型装置800から離間した状態で行われる。
一方、2回目以降のショットの計量工程は、ノズル320が金型装置800に押し付けられた状態で行われる。2回目以降のショットの計量工程は、前回の成形サイクルの冷却工程中に行われ、金型装置800の内部で固化した樹脂がノズル320の吐出口を塞いだ状態で行われる。それゆえ、2回目以降のショットの計量工程では、溶融樹脂がノズル320から漏れない。
1回目のショットの計量工程では、上述の如く、2回目以降のショットの計量工程とは異なり、ノズル320から溶融樹脂が漏れる。それゆえ、1回目のショットの計量工程では、2回目以降のショットの計量工程に比べて、計量される溶融樹脂の密度が低くなる。計量される溶融樹脂とは、シリンダ310の内部においてスクリュ330の前方に蓄積される樹脂のことである。
また、2回目以降の計量工程において、計量される溶融樹脂の密度がショット間でばらつくことがある。シリンダ310の内部には、樹脂ペレットが供給される。樹脂ペレットの供給は、自動運転の開始から始まり、安定化するまで時間を要する。樹脂ペレットの供給が安定化するまで、計量される溶融樹脂の密度がショット間でばらつく。
自動運転の初期において、計量が不安定な時間帯が存在する。計量が不安定とは、計量される溶融樹脂の密度がショット間でばらつくことである。
シリンダ310の内部から金型装置800の内部に射出される溶融樹脂の質量は、例えば、スクリュ330の前進量と、計量される溶融樹脂の密度とで決まる。スクリュ330の前進量が同じ場合、計量される溶融樹脂の密度が小さいほど、得られる成形品の質量が小さくなる。
制御装置700がスクリュ位置の偏差(Xs−Xd)に基づきスクリュ移動速度を設定するフィードバック制御を実施する場合、制御量はスクリュ位置、つまりスクリュ330の前進量である。スクリュ330の前進量の制御では、計量が不安定な場合に、得られる成形品の質量が不安定になり、成形不良が生じる。
そこで、制御装置700は、計量が不安定な場合に成形不良を低減すべく、射出工程の開始から、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づきスクリュ移動速度を設定するフィードバック制御を実施する。制御量は、樹脂圧力である。切換部732は、射出工程の開始から、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づくスクリュ移動速度の設定値Vsを、減算器731に入力する。
金型装置800の内部の空間の体積は一定であるので、金型装置800の内部に充填された溶融樹脂の質量が多くなるほど、樹脂圧力が高くなる。それゆえ、樹脂圧力と、金型装置800の内部に充填される溶融樹脂の質量とは、1対1で対応する。つまり、金型装置800の内部に充填される溶融樹脂の質量は、樹脂圧力で決まる。従って、樹脂圧力を制御すれば、計量が不安定な場合に、得られる成形品の質量を安定化でき、成形不良を低減できる。
制御装置700は、射出工程の開始から、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づきスクリュ移動速度を設定するフィードバック制御を実施する。制御装置700は、射出工程の開始から、スクリュ移動速度の設定値Vsの大きさに上限値Vs0(図3参照)を設ける。つまり、制御装置700は、射出工程の開始から、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づくスクリュ移動速度の設定値Vsの大きさを、上限値Vs0以下に制限する。射出工程の開始から所定時間の間は、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)が大きいので、スクリュ330が急激に移動しないように制御装置700(より詳細には移動速度設定部723)が上限値Vs0を設ける。上限値Vs0は、スクリュ330などの保護を目的として、設定される。スクリュ330の急激な移動を抑制できるので、スクリュ330、シリンダ310および金型装置800などを保護できる。
制御装置700は、射出工程の開始から射出工程の終了まで、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づきスクリュ移動速度を設定するフィードバック制御を実施する。計量が不安定な場合でも、成形不良を低減するためである。射出工程の終了後に、冷却工程が行われる。冷却工程中に次回のショットの計量工程が行われる。計量工程は射出工程の終了後に行われる。射出工程および冷却工程は、型締工程の間に行われる。
図4は、計量が不安定な時の射出工程の制御に用いる設定値が入力される表示画面の一例を示す図である。図4に示す表示画面770は、図6に示す表示画面780と共通の入力欄を有する。
表示画面770は、射出開始位置の設定値が入力される入力欄771と、V/P切換位置の設定値が入力される入力欄772とを有する。入力欄771と入力欄772とには、例えば、同じ設定値Xs1が入力される。この場合、制御装置700は、射出工程の開始から、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づきスクリュ移動速度を設定するフィードバック制御を実施することができる。充填工程および保圧工程を行う従来の制御の設定画面で、射出工程の開始から、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づきスクリュ移動速度を設定するフィードバック制御の設定を行うことができる。
表示画面770は、射出開始位置からV/P切換位置までのスクリュ移動速度の設定値Vs1が入力される入力欄773を有する。射出開始位置とV/P切換位置とは同じ位置であるので、入力欄773に対する設定値Vs1の入力は不要である。入力欄773は、画面の共通化を目的として、設けられる。
表示画面770は、樹脂圧力の設定値Psが入力される入力欄775と、入力欄775に入力された設定値Psを保持する保持時間Tsが入力される入力欄776との組合せを複数組(例えば2組)有する。制御装置700は、射出工程の開始の時刻t0から樹脂圧力の設定値Ps1を保持時間Ts1の間保持し、続いて、樹脂圧力の設定値Ps2を保持時間Ts2の間保持する。
2段目の樹脂圧力の設定値Ps2は、図5に示すように1段目の樹脂圧力の設定値Ps1よりも小さくてもよいし、1段目の樹脂圧力の設定値Ps1よりも大きくてもよい。また、制御装置700は、射出工程の開始の時刻t0に樹脂圧力の設定値をゼロからPs1に不連続的に変化させるが、上記時刻t0から時間をかけて、樹脂圧力の設定値をゼロからPs1まで連続的に変化させてもよい。同様に、制御装置700は、保持時間Ts1の経過した時刻t2に樹脂圧力の設定値をPs1からPs2に不連続的に変化させるが、上記時刻t2から時間をかけて、樹脂圧力の設定値をPs1からPs2に連続的に変化させてもよい。
図5は、図4に示す設定値に従って射出工程を制御したときの樹脂圧力の検出値Pdの時間変化の一例を示すグラフである。図5において、実線は計量が安定化した時の射出工程における樹脂圧力の検出値Pdを示す。また、図5において、一点鎖線は計量される溶融樹脂の密度が大きい場合の射出工程における樹脂圧力の検出値Pdを示し、二点鎖線は計量される溶融樹脂の密度が小さい場合の射出工程における樹脂圧力の検出値Pdを示す。
図5に一点鎖線および二点鎖線で示すように、計量される溶融樹脂の密度が低いほど、樹脂圧力の検出値Pdが設定値Ps1に達するまでの時間が長い。樹脂を圧縮すべく、スクリュ330の移動量(前進量)が長いからである。
計量が不安定である場合、樹脂圧力の検出値Pdは、時間差はあるものの、設定値Ps1に達し、設定値Ps1で維持される。樹脂圧力が同じになるので、金型装置800の内部に充填される溶融樹脂の質量も同じになる。金型装置800の内部の空間の体積は一定であるから、金型装置800の内部に充填される溶融樹脂の質量と樹脂圧力とは、1対1で対応する。
制御装置700は、図5に示すように、射出工程において、射出工程の開始の時刻t0における樹脂圧力の設定値Ps1に、樹脂圧力の検出値Pdを維持する。射出工程において樹脂圧力の検出値Pdが同じ設定値Ps1に到達するので、計量が不安定な場合に、得られる成形品の質量を安定化でき、成形不良を低減できる。射出工程において樹脂圧力の検出値Pdが同じ設定値Ps1に到達するように、保持時間Ts1が設定される。
尚、本実施形態では樹脂圧力の検出値Pdが設定値Ps1に到達するように保持時間Ts1が設定されるが、本発明はこれに限定されない。保持時間Ts1の間に、樹脂圧力の検出値Pdが設定値Ps1に到達しなくてもよい。射出工程の開始から、制御量として、スクリュ位置の代わりに、樹脂圧力が用いられれば、成形不良を比較的低減できる。樹脂圧力と、金型装置800の内部に充填される溶融樹脂の質量とは、1対1で対応するからである。
以上説明したように、制御装置700は、射出工程の開始から、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づきスクリュ移動速度を設定するフィードバック制御を実施する。制御量は、樹脂圧力である。樹脂圧力と、金型装置800の内部に充填される溶融樹脂の質量とは、1対1で対応する。従って、樹脂圧力を制御すれば、計量が不安定な場合に、得られる成形品の質量を安定化でき、成形不良を低減できる。また、成形不良を低減できる効果に加えて、下記(1)の効果および下記(2)の効果も得られる。
(1)図4に示す表示画面770と図6に示す表示画面780とを比較すれば明らかなように、射出成形機10のユーザの手間を軽減できる。例えば、V/P切換位置の設定値としては、射出開始位置の設定値と同じものを用いればよいので、条件出しの手間を削減できる。また、射出開始位置からV/P切換位置までのスクリュ移動速度を設定せずに済むので、条件出しの手間を削減できる。さらに、品質の良い成形品を得るべく、調整の必要な物理量を1つ(例えば移動速度)減らすことができるので、その他の物理量(例えば樹脂圧力)の条件出しが容易になる。
尚、射出開始位置は、スクリュ330のクッション位置がスクリュ330の前進限位置よりも後方になるように設定される。クッション位置とは、射出工程においてスクリュ330の最も前進した位置である。射出開始位置は、安全性の観点から最適位置よりも後方に配置してよい。それゆえ、射出開始位置の設定は、V/P切換位置の設定に比べて、要求される精度が緩やかである。その後、制御装置700は、K(Kは1以上の自然数)回目のショットのクッション位置に基づき、L(LはKよりも大きい自然数)回目のショットの射出開始位置を補正してよい。制御装置700は、射出工程の後にシリンダ310内に残留する樹脂量を低減すべく、クッション位置が前進限位置に近づくように、射出開始位置を前方にシフトする。溶融樹脂のシリンダ310内に滞留する平均時間を短縮できので、溶融樹脂の熱劣化を抑制できる。
(2)制御量のオーバーシュートまたは制御量のアンダーシュートを抑制できる。制御装置700は、射出工程の途中で、制御量をスクリュ位置から樹脂圧力に切換えないからである。射出工程の開始から樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づきスクリュ移動速度を設定するフィードバック制御を実施するので、スクリュ移動速度の設定値が不連続になることを抑制でき、制御量のオーバーシュートまたは制御量のアンダーシュートを抑制できる。
ところで、自動運転の開始から、時間が経過すると、計量される溶融樹脂の密度が安定化する。計量される溶融樹脂の密度が安定化すれば、スクリュ330の前進量で、シリンダ310の内部から金型装置800の内部に射出される溶融樹脂の質量が決まる。従って、計量される溶融樹脂の密度が安定化すれば、スクリュ330の前進量を制御することで、シリンダ310の内部から金型装置800の内部に射出される溶融樹脂の質量を制御でき、得られる成形品の質量を制御できる。
そこで、制御装置700は、予め設定された条件が成立すると、射出工程の開始から、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づきスクリュ移動速度を設定するフィードバック制御に代えて、スクリュ位置の偏差(Xs−Xd)に基づきスクリュ移動速度を設定するフィードバック制御を実施してよい。制御量が樹脂圧力ではなくスクリュ位置であるので、スクリュ位置の異常およびスクリュ移動速度の異常を抑制できる。制御量が樹脂圧力である場合、例えばシリンダ310の内部への樹脂ペレットの供給不足などが生じてしまったときに、スクリュの過剰な前進およびスクリュの急激な前進などの不具合が生じうる。本実施形態によれば、予め設定された条件が成立すると、制御量が樹脂圧力からスクリュ位置に切換わるので、スクリュ位置の異常やスクリュ移動速度の異常を抑制できる。
上記予め設定された条件は、例えば、下記(A)〜(C)の少なくとも1つである。下記(A)〜(C)の少なくとも1つが成立すれば、計量される溶融樹脂の密度が安定化したと判断できる。計量される溶融樹脂の密度が安定化した否かの判断には、下記(A)〜(C)の複数が任意の組合わせで用いられてもよい。
(A)成形サイクルを繰り返し実施する自動運転の開始からのショット数Sが閾値Sを超える。閾値Sは、成形品の種類に応じて設定され、予め記憶媒体702に記憶される。樹脂ペレットの供給は、自動運転の開始から始まり、安定化するまで時間を要する。ショット数Sが閾値Sを超えると、樹脂ペレットの供給が安定化し、計量される溶融樹脂の密度が安定化する。
(B)射出工程の開始から射出工程の開始の時刻t0における樹脂圧力の設定値Ps1に樹脂圧力の検出値Pdが達するまでの経過時間の、ばらつきの大きさΔT(図5参照)が閾値ΔTよりも小さくなる。ばらつきの大きさΔTは、例えば連続する予め定められた回数のショットについて算出される。閾値ΔTは、成形品の種類に応じて設定され、予め記憶媒体702に記憶される。
計量される溶融樹脂の密度が安定化すると、スクリュ330の前進量で、シリンダ310の内部から金型装置800の内部に射出される溶融樹脂の質量が決まる。また、金型装置800の内部の空間の体積は一定であるので、金型装置800の内部に充填された溶融樹脂の質量が多くなるほど、樹脂圧力が高くなる。つまり、金型装置800の内部に充填される溶融樹脂の質量は、樹脂圧力で決まる。従って、計量される溶融樹脂の密度が安定化すると、ばらつきの大きさΔT(図5参照)が閾値ΔTよりも小さくなる。
(C)射出工程の開始の時刻t0における樹脂圧力の設定値Ps1に樹脂圧力の検出値Pdが達する時点でのスクリュ位置の、ばらつきの大きさΔXが、閾値ΔXよりも小さくなる。ばらつきの大きさΔTは、例えば連続する予め定められた回数のショットについて算出される。閾値ΔXは、成形品の種類に応じて設定され、予め記憶媒体702に記憶される。
計量される溶融樹脂の密度が安定化すると、スクリュ330の前進量で、シリンダ310の内部から金型装置800の内部に射出される溶融樹脂の質量が決まる。また、金型装置800の内部の空間の体積は一定であるので、金型装置800の内部に充填された溶融樹脂の質量が多くなるほど、樹脂圧力が高くなる。つまり、金型装置800の内部に充填される溶融樹脂の質量は、樹脂圧力で決まる。従って、計量される溶融樹脂の密度が安定化すると、ばらつきの大きさΔXが閾値ΔXよりも小さくなる。ばらつきの大きさΔXと、ばらつきの大きさΔTとは、相関関係を有する。
図6は、計量が不安定な時の射出工程の制御に用いる設定値が入力される表示画面の一例を示す図である。図6に示す表示画面780は、図4に示す表示画面770と共通の入力欄を有する。
表示画面780は、射出開始位置の設定値Xs1が入力される入力欄781と、V/P切換位置の設定値Xs2が入力される入力欄782とを有する。入力欄781と入力欄782とには、異なる設定値Xs1、Xs2が入力される。この場合、制御装置700は、射出工程の開始から、スクリュ位置の偏差(Xs−Xd)に基づきスクリュ移動速度を設定するフィードバック制御を実施する。また、制御装置700は、スクリュ位置がV/P切換位置Xsに到達すると、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づきスクリュ移動速度を設定するフィードバック制御を実施する。
制御装置700は、図6に示す入力欄782に入力するV/P切換位置の設定値Xs2として、図5に示す時刻t1でのスクリュ位置を使用してもよい。図5では、射出工程の開始から、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づきスクリュ速度を設定する制御を実施する。図5に示す時刻t1は、計量が安定化した時の、射出工程の開始の時刻t0における樹脂圧力の設定値Ps1に樹脂圧力の検出値Pdが達する時刻である。制御装置700がV/P切換位置を設定するので、ユーザがV/P切換位置を設定する手間を削減できる。また、射出工程の開始から、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づくフィードバック制御を実施する場合と同様の樹脂圧力の波形を得ることができる。
表示画面780は、射出開始位置からV/P切換位置までのスクリュ移動速度の設定値Vs1が入力される入力欄783を有する。尚、射出開始位置とV/P切換位置との間には、本実施形態では移動速度切換位置が設定されないが、移動速度切換位置が設定されてもよい。後者の場合、区間毎に移動速度が設定され、区間毎に入力欄783が設けられる。
制御装置700は、図6に示す入力欄783に入力するスクリュ移動速度の設定値Vs1として、図5に示す時刻t0から時刻t1までのスクリュ移動速度の平均値を用いてもよい。図5では、射出工程の開始から、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づきスクリュ速度を設定する制御を実施する。図5に示す時刻t0は、射出工程の開始の時刻である。図5に示す時刻t1は、計量が安定化した時の、射出工程の開始の時刻t0における樹脂圧力の設定値Ps1に樹脂圧力の検出値Pdが達する時刻である。制御装置700がスクリュ移動速度を設定するので、ユーザがスクリュ移動速度を設定する手間を削減できる。また、射出工程の開始から、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づきスクリュ移動速度を設定する場合と同様の樹脂圧力の波形を得ることができる。
表示画面780は、樹脂圧力の設定値Psが入力される入力欄785と、入力欄785に入力された設定値Psを保持する保持時間Tsが入力される入力欄786との組合せを複数組(例えば2組)有する。制御装置700は、射出工程の開始の時刻t0から樹脂圧力の設定値Ps1を保持時間Ts1の間保持し、続いて、樹脂圧力の設定値Ps2を保持時間Ts2の間保持する。
制御装置700は、図6に示す入力欄785に入力する保持時間Ts1として、図5に示す時刻t1から時刻t2までの経過時間を使用してもよい。図5では、射出工程の開始から、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づきスクリュ速度を設定する制御を実施する。図5に示す時刻t1は、計量が安定化した時の、射出工程の開始の時刻t0における樹脂圧力の設定値Ps1に樹脂圧力の検出値Pdが達する時刻である。図5に示す時刻t2は、樹脂圧力の設定値をPs1からPs2に切換える時刻である。制御装置700が保持時間Ts1を設定するので、ユーザが保持時間Ts1を設定する手間を削減できる。また、射出工程の開始から、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づきスクリュ移動速度を設定する場合と同様の樹脂圧力の波形を得ることができる。
2段目の樹脂圧力の設定値Ps2は、図7に示すように1段目の樹脂圧力の設定値Ps1よりも小さくてもよいし、1段目の樹脂圧力の設定値Ps1よりも大きくてもよい。また、制御装置700は、射出工程の開始の時刻t0に樹脂圧力の設定値をゼロからPs1に不連続的に変化させるが、上記時刻t0から時間をかけて、樹脂圧力の設定値をゼロからPs1まで連続的に変化させてもよい。同様に、制御装置700は、保持時間Ts1の経過した時刻t2に樹脂圧力の設定値をPs1からPs2に不連続的に変化させるが、上記時刻t2から時間をかけて、樹脂圧力の設定値をPs1からPs2に連続的に変化させてもよい。
図7は、図6に示す設定値に従って射出工程を制御したときの樹脂圧力の検出値Pdの時間変化の一例を示すグラフである。図4に示す実線を比較すれば明らかなように、射出工程の開始から、樹脂圧力の偏差(Ps−Pd)に基づきスクリュ移動速度を設定する同様の樹脂圧力の波形を得ることができる。
(変形例等)
以上、射出成形機の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、および組合わせが可能である。それらについても当然に本発明の技術的範囲に属する。
シリンダ310の内部に移動自在に配置される射出部材は、スクリュ330には限定されず、例えばプランジャなどでもよい。また、射出部材を移動させる駆動源は、射出モータ350には限定されず、例えば油圧シリンダなどでもよい。
10 射出成形機
310 シリンダ
330 スクリュ(射出部材)
350 射出モータ(駆動源)
351 射出モータエンコーダ(位置検出器)
360 圧力検出器
700 制御装置

Claims (6)

  1. 成形材料が内部に供給されるシリンダと、
    前記シリンダの内部に移動自在に配置され、前記シリンダ内の成形材料を金型装置に射出する射出部材と、
    前記射出部材が前記成形材料に作用する圧力を検出する圧力検出器と、
    前記射出部材の移動を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記射出部材により前記シリンダ内の前記成形材料を金型装置に射出する射出工程を制御し、
    前記射出工程の開始から、前記成形材料に作用する圧力の検出値と、前記成形材料に作用する圧力の設定値との偏差に基づいて、前記射出部材の移動速度を設定するフィードバック制御を実施する、射出成形機。
  2. 前記制御装置は、前記射出工程の開始から、前記成形材料に作用する圧力の偏差に基づき前記射出部材の移動速度を設定するフィードバック制御を実施すると共に、前記射出部材の移動速度の設定値の大きさに上限を設定する、請求項1に記載の射出成形機。
  3. 前記制御装置は、前記射出工程において、前記射出工程の開始の時刻における前記成形材料に作用する圧力の設定値に、前記成形材料に作用する圧力の検出値を維持する、請求項1または2に記載の射出成形機。
  4. 前記射出部材の位置を検出する位置検出器を備え、
    前記制御装置は、予め設定された条件が成立すると、前記射出工程の開始から、前記成形材料に作用する圧力の偏差に基づき前記射出部材の移動速度を設定するフィードバック制御に代えて、前記射出部材の位置の偏差に基づき前記射出部材の移動速度を設定するフィードバック制御を実施する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の射出成形機。
  5. 前記予め設定された条件は、
    前記射出工程を含む成形サイクルを繰り返し実施する自動運転の開始からのショット数が閾値を超えること、
    前記射出工程の開始から前記射出工程の開始の時刻における前記成形材料に作用する圧力の設定値に前記成形材料に作用する圧力の検出値が達するまでの経過時間の、ばらつきの大きさが閾値よりも小さくなること、
    および、前記射出工程の開始の時刻における前記成形材料に作用する圧力の設定値に前記成形材料に作用する圧力の検出値が達する時点での前記射出部材の位置の、ばらつきの大きさが閾値よりも小さくなること、
    の少なくとも1つである、請求項4に記載の射出成形機。
  6. 前記圧力検出器は、前記射出部材と前記射出部材を移動させる駆動源との圧力の伝達経路の途中に配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の射出成形機。
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