JP4269802B2 - 射出成形機におけるスクリュ回転制御方法 - Google Patents

射出成形機におけるスクリュ回転制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機の加熱筒内に回転自在に挿入され、該加熱筒内に導入される樹脂を溶融、混練するスクリュの回転を制御する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
射出成形機においては、加熱筒内に挿入されたスクリュを回転させて該加熱筒内に導入された樹脂を溶融、混練して、溶融樹脂を加熱筒の樹脂溜まり部に計量して、この計量した溶融樹脂をスクリュを前進させ金型の成形キャビティに射出して成形し、成形作業の終了後に、前記スクリュの回転と前後進移動とを繰り返して、加熱筒内に残った溶融樹脂を加熱筒外へ排出するパージ作業を行う。
このパージ作業において、加熱筒内の溶融樹脂が無くなり、溶融樹脂による潤滑効果が期待できない状態になってから、前記スクリュが高速で回転すると、加熱筒の内壁とスクリュとの金属接触が生じ、加熱筒とスクリュの双方が損傷することがある。この損傷を防ぐために、従来は、作業者が加熱筒からの溶融樹脂の排出状況を見て加熱筒内の溶融樹脂の残存状態を判断し、溶融樹脂が加熱筒内に殆ど無いことが予想されるときは、前記スクリュの回転速度の設定値を下げる変更もしくはスクリュ回転の停止を行っているが、作業者の判断には個人差があり、前記損傷の発生を確実に防止することができない問題がある。
また、前記加熱筒内に溶融樹脂を計量する場合にも、樹脂の材料切れが生じて加熱筒内に樹脂が導入されなくなった際に、加熱筒とスクリュとが金属接触を起こして損傷することがある。この場合、従来は、計量作動中に、スクリュが設定位置まで後退する時間が設定時間以上となること等により、樹脂の材料切れを判断してスクリュの回転を停止する方法があったが、スクリュが回転を停止するまでに樹脂が加熱筒内に無いまま高速回転する状態が発生するために、やはり、前記加熱筒とスクリュの損傷の問題を効果的に解決することができなかった。
【0003】
そこで、パージ作業時に、スクリュの回転負荷力の低下して一定時間経過後に、加熱筒内に溶融樹脂が少なくなったことを判断して、スクリュの回転を低回転に切り換える方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、樹脂の計量工程中に、スクリュの後退時間と後退位置との関係の実測波形を理論波形と比較して、その誤差が所定以上生じた場合、樹脂の材料切れが発生したとして警報を発生させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、樹脂の計量工程の開始時に、スクリュの回転が設定回転速度の予め定めた一定比率の回転速度に達するまでは、緩やかな加速度で回転させ、以後はその加速度より大きい加速度で前記設定回転速度に至るまで回転させるようにして、スクリュの回転開始に際し、そのヘッド部に加わる大きな負荷により、該ヘッド部が折損するのを防止する方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−202708号公報
【特許文献2】
特開平11−90971号公報
【特許文献3】
特開平2000−6207号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1の提案の方法では、スクリュの回転力が瞬間的に変動する場合には、スクリュの回転を低回転に切り換えるタイミングが正しく定まらず、また、第2の提案の方法では、スクリュの遅い後退動作にもとづいて警報が発生されるので、その警報の出されるタイミングが遅れ、それぞれ、加熱筒内の溶融樹脂の減少、樹脂の材料切れの状態を適時に検出することができないおそれがある。また、上記第3の提案の方法では、スクリュのヘッド部に加わる負荷に関係なく、常に、計量開始時の一定時間はスクリュが緩やかに回転され、スクリュの回転の立ち上がり時間が長くかかると共に、樹脂の材料切れの状態で加熱筒内でスクリュが高速回転することによる加熱筒とスクリュの損傷の問題を解決することはできない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、加熱筒内のスクリュによる樹脂の異常供給状態を適切に検出して、加熱筒およびスクリュの損傷を確実に防止し、樹脂の計量動作やパージ動作を円滑、迅速に行うことができる射出成形機におけるスクリュ回転制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、以下の点を特徴としている。
すなわち、請求項1に係る射出成形機におけるスクリュ回転制御方法は、加熱筒内から溶融樹脂を外部へ排出するパージ動作の開始時に、前記加熱筒内に挿入されたスクリュを回転させて溶融樹脂を前記加熱筒の基端部側から先端部側の樹脂溜まり部内に送る供給動作を行うに際し、前記スクリュの所定回転速度による回転中における回転トルクを監視し、該回転トルクの所定時間毎における平均トルク値が基準トルク値以上になったときに、前記スクリュの回転を前記所定回転速度より大きい回転速度による回転に変えて続行させることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態に係る射出成形機におけるスクリュ回転制御装置について図1、図2を参照して説明する。図1において、1は射出成形機である。該射出成形機1は、型締装置2で型締めされた金型Kの成形キャビティに溶融樹脂を充填する射出装置3を備えている。前記射出装置3は、スライドベース4に固定されたフロントプレート5と、これにガイドロッド6で連結されると共にスライドベース4に固定されたリヤプレート7と、前記フロントプレート5に固定された加熱筒8と、該加熱筒8の内部に軸方向に進退自在にかつ周方向に回転自在に挿入された射出スクリュ(スクリュ)9と、フロントプレート5とリヤプレート12との間で前記ガイドロッド6に支持されると共に、前記射出スクリュ9の基端部を回転自在に支持しているプッシャプレート10と、前記リヤプレート7に回転自在に支持されたねじ軸11を前記プッシャプレート10に固定されたナット12に螺合してなるねじ機構13と、前記リヤプレート7に固定され、伝動機構14を介して前記ねじ軸11を回転させて前記射出スクリュ9を軸方向に進退移動させるスクリュ前後進用電動サーボモータ(射出モータ)15と、前記プッシャプレート10に固定され、伝動機構16を介して前記射出スクリュ9を回転させる回転駆動手段としてのスクリュ回転用電動サーボモータ(スクリュ回転モータ)17と、前記射出モータ15を作動させて射出スクリュ9の前後進移動を制御するスクリュ前後進制御装置18aおよび前記スクリュ回転モータ17を作動させて射出スクリュ9の回転を制御するスクリュ回転制御装置18bからなるスクリュ制御装置18と備えている。
【0012】
そして、前記スクリュ回転モータ17を回転させることにより、加熱筒8の基端部側に設けたホッパ8aから加熱筒8内に導入される樹脂材料が溶融、混練されて、加熱筒8の先端部側の樹脂溜まり部8bに溶融樹脂が供給されて計量され、また、射出モータ15を回転させることにより、前記ねじ機構13を介してプッシャプレート10が移動され、前記樹脂溜まり部8bに計量される溶融樹脂に対し後退移動する射出スクリュ9を介して背圧が付加され、また、計量された溶融樹脂が射出スクリュ9の前進移動によって加熱筒8の射出ノズル8cから金型Kの成形キャビティに射出されるようになっている。
なお、前記射出モータ15にはエンコーダ(スクリュ位置検出手段)15aが設けられ、また、前記スクリュ回転モータ17にはエンコーダ(スクリュ回転速度検出手段)17aが設けられ、さらに、プッシャープレート10には射出スクリュ9に作用する押圧力(荷重)を検出するロードセル10aが設けられている。
【0013】
前記スクリュ制御装置18は、前記射出成形機1の全体の動作を制御するコントローラ19と、各種操作スイッチ20aを備え前記コントローラ19に各種の指示項目を入力する機械操作パネル20と、コントローラ19から出力される各種データの表示や各種の設定数値を入力する表示器21と、サーボアンプ22a(図2参照)を有し、前記コントローラ19からの動作指令にもとづいて動作して前記射出モータ15を作動させると共に、前記エンコーダ15aで検出されるスクリュ位置信号pと前記ロードセル10aで検出される荷重信号kとを前記コントローラ19に供給する射出軸用制御駆動装置22と、サーボアンプ23a(図2参照)を有し、前記コントローラ19からの動作指令にもとづいて動作して前記スクリュ回転モータ17を作動させると共に、前記エンコーダ17aで検出されるスクリュ回転速度信号fを前記コントローラ19に供給するスクリュ軸用制御駆動装置23とを備えている。前記コントローラ19、機械操作パネル20、表示器21および前記射出軸用制御駆動装置22がスクリュ前後進制御装置18aを構成し、コントローラ19、機械操作パネル20、表示器21および前記スクリュ回転用制御駆動装置23がスクリュ回転制御装置18bを構成している。
【0014】
前記射出軸用制御駆動装置22とスクリュ軸用制御駆動装置23の各サーボアンプ22a,23aは、図2に示すように、それぞれ同様の構成を有し、外部から供給されるAC電源24と、該AC電源24の電力を周波数変換して前記射出モータ15、スクリュ回転モータ17に供給するAC/ACコンバータ25と、前記各エンコーダ15a,17aから出力される回転信号にもとづいて前記AC/ACコンバータ25の周波数制御を行う中央処理装置(CPU)26と、前記射出モータ15、スクリュ回転モータ17の負荷電流i1,i2を検出するカレントトランス(電流検出器)27と、該カレントトランス27で検出された電流をデジタル変換して前記中央処理装置26に送るA/D変換器28とを備えている。前記カレントトランス27で検出された負荷電流i1,i2は、それらの定格電流に対する比率%(負荷率)を前記中央処理装置26で演算され、この負荷率で表された値が前記射出モータ15で前後進される射出スクリュ9の軸方向の押圧力として、また、スクリュ回転モータ17で回転される射出スクリュ9の回転トルクとして、前記各エンコーダ15a,17aによる検出信号p,fと共に前記コントローラ19の制御手段19dに送られるようになっている。
【0015】
なお、前記射出軸駆動制御装置22は、前記エンコーダ15aで検出されるスクリュ位置信号pとロードセル10aで検出される荷重信号kにもとづいて、射出サーボモータ15の回転量(回転位置)と回転力(駆動トルク)、すなわち、射出スクリュ9の前後進位置、射出速度および射出圧、背圧をフィードバック制御するようになっている。また、前記スクリュ軸用駆動制御装置23は、前記エンコーダ17aで検出されるスクリュ回転速度信号fにもとづいて、前記スクリュ回転モータ17の回転速度、すなわち射出スクリュ9の回転速度をフィードバック制御するようになっている。
前記表示器21は、タッチパネル付き表示器からなり、前記射出スクリュ9の前後進の移動速度を設定する移動速度設定器21aと、射出スクリュ9に作用する射出圧、背圧を設定する圧力設定器21bと、射出スクリュ9の移動速度の変速位置や溶融樹脂の計量完了位置等を設定するスクリュ位置設定器21c、前記射出スクリュ9の回転速度を設定する回転速度設定器21d、射出スクリュ9に作用する回転トルクの基準値(基準トルク値)を設定するトルク設定器21eおよびその他の設定器を備えている。
【0016】
前記コントローラ19は、前記射出成形機1の全体の動作を制御するシーケンスプログラムや前記表示器21における前記各設定器21a,21b,21c,21d,21eで設定された設定値等(射出成形機1の成形条件)を記憶するメモリ19aと、時計機能(計時手段)19bを有し、前記スクリュ回転モータ17の負荷電流iにもとづいて前記中央処理装置26が求めた回転トルクから、所定時間毎における射出スクリュ9の回転トルクの平均値(平均トルク値)を演算すると共に、前記メモリ19aに記憶されている設定値や前記ロードセル10a、各エンコーダ15a,17aの検出値にもとづいて、所要の演算処理等を行って射出成形機1を動作させるための種々の制御データを作成する演算手段19cと、該演算手段19cで求めた前記回転トルクの平均トルク値を、前記トルク設定器21eで設定した基準トルク値と比較し、その比較結果に応じて前記射出スクリュ9の回転動作を変更させる変更動作指令を作成し、該変更動作指令と前記演算手段19cで作成された制御データを前記スクリュ軸制御駆動装置23に出力すると共に、前記制御データを前記射出軸制御駆動装置22に出力し、また、前記表示器21に所要の表示項目を出力する制御手段19dとを備えている。
【0017】
なお、前記制御手段19dからスクリュ軸制御駆動装置23に出力される変更動作指令には、前記比較手段による比較結果が、射出スクリュ9の回転トルクの前記平均トルク値が前記基準トルク値(所定量)以上になった場合に、前記表示器21の回転速度設定器21dに予め設定された所定回転速度(第1の設定回転速度)をそれより大きい回転速度(第2の設定回転速度)に変更して射出スクリュ9の回転を続行させる指令と、前記平均トルク値が前記基準トルク値以下になった場合に、前記回転速度設定器21dに予め設定された第1の回転速度で回転していた射出スクリュ9を停止させる指令とがある。
【0018】
次に、前記構成の射出成形機1による一実施の形態に係るスクリュ回転制御方法について、図3をも参照して説明する。
前記射出成形機1による成形作業を開始するに先立ち、先ず、前記表示器21の回転速度設定器21dに、所定回転速度(第1の回転速度)の設定値と該設定値より大きい回転速度(第2の回転速度)の設定値とを設定、入力すると共に、前記トルク設定器21eに、射出スクリュ9の回転動作の変更を行うべき回転トルクの基準トルク値を設定、入力する。さらに、前記表示器21の移動速度設定器21a、圧力設定器21b、スクリュ位置設定器21cにそれぞれ所定の数値を設定、入力する。これらの設定、入力された数値は前記コントローラ19の制御手段19dを介して前記メモリ19aに記憶されると共に、選択された所要のものが表示器21に表示される。その後に、前記機械操作パネル20の操作スイッチ20aを操作して射出成形機1による成形動作を開始させる。
【0019】
前記成形動作が開始されると、前記スクリュ制御装置18のコントローラ19のメモリに19aに記憶されているシーケンスプログラムに従って成形動作が実行され、前記コントローラ19の指令により前記射出軸用制御駆動装置22とスクリュ軸用制御駆動装置23を介して前記射出モータ15の回転とスクリュ回転モータ17の回転が開始され(ステップS1)、伝動機構14、16を介してねじ軸11が回転されると共に、射出スクリュ9が回転速度設定器21dで設定された第1の回転速度で回転される(ステップS2)。前記射出スクリュ9の回転によってホッパ8aから加熱筒8内に導入された樹脂材料が溶融、混練されて、加熱筒8の樹脂溜まり部8bに供給される供給動作が行われる。このとき、樹脂溜まり部8bに供給される溶融樹脂の樹脂で押圧されて後退される射出スクリュ9に、前記ねじ軸11の回転でねじ機構13を介して移動されるプッシャープレート10によって押圧力を加えることにより、前記樹脂溜まり部8b内の溶融樹脂に前記圧力設定器21bで設定された所定の背圧が付加される。前記射出スクリュ9が樹脂溜まり部8bの溶融樹脂に所定の背圧を付加し状態で回転しながら後退し、スクリュ位置設定器21cで設定された計量完了位置に到達して溶融樹脂の計量が完了すると、射出スクリュ9の回転が停止され、所定のタイミングの後に前記射出モータ15の回転によりねじ機構13、プッシャープレート10を介して射出スクリュ9が前進されて、樹脂溜まり部8b内に計量された溶融樹脂が射出ノズル8cを通して金型Kの成形キャビティに射出、充填される。
【0020】
前記射出スクリュ9が前記表示器21の回転速度設定器21dに設定された第1の回転速度で回転されて、溶融樹脂を加熱筒8の樹脂溜まり部8bに供給しているときは、前記スクリュ軸用制御駆動装置23のサーボアンプ23aのカレントトランス27で検出されたスクリュ回転モータ17の負荷電流i2の負荷率が、中央処理装置26で演算されて射出スクリュ9の回転トルクとしてコントローラ19に入力されているので、前記制御手段19dの演算手段19cが、時計機能19bで予め定めた所定時間毎における前記回転トルクの平均トルク値を演算して制御手段19dに送る。該制御手段19dは、前記平均トルク値を前記トルク設定器21eに設定された前記基準トルク値と比較(監視)し(ステップS3)、その比較結果において、前記平均トルク値が前記基準トルク値に到達していないと判断したきは、前記回転速度設定器21dに設定された前記第1の回転速度の設定値によるスクリュ回転を継続させる変更動作指令を前記スクリュ軸用制御駆動装置23に出力し、また、前記平均トルク値が前記基準値以上になったと判断したきは、前記回転速度設定器21dに予め設定された第2の回転速度の設定値によるスクリュ回転に変更させる変更動作指令を前記スクリュ軸用制御駆動装置23に出力する。これにより、スクリュ回転制御駆動装置23が前記変更動作指令にもとづいて前記スクリュ回転モータ17を回転させるので、前記射出スクリュ9は、その平均トルク値が前記基準トルク値に到達するまでは、前記第1の回転速度で回転を継続し、平均トルク値が基準トルク値以上になると、前記第1の回転速度より大きな第2の回転速度に変更された(ステップS4)後、第2の回転速度による回転を続行させて、溶融樹脂を加熱筒8の樹脂溜まり部8bへ供給する供給動作を行う(ステップS5)。
【0021】
したがって、前記供給動作時のスクリュ回転制御方法を、前記加熱筒8の射出ノズル8aを前記金型Kから離した状態で、前記射出スクリュ9の回転による供給動作と射出スクリュ9の前後進動作を繰り返して行うことにより、加熱筒8内の溶融樹脂を外部へ排出するパージ作業における供給動作の開始時(スクリュ回転開始時)に適用する場合には、基準トルク値を、加熱筒8内に溶融樹脂が無くなって射出スクリュ9の所要回転トルクが小さく、加熱筒8と射出スクリュ9とが金属接触を発生するおそれがある状態時の回転トルクを実験等によって得られたデータにもとづいて予め定め、前記トルク設定器21eに入力、設定しておく。この場合には、射出スクリュ9の回転トルクを前記制御手段19dが監視することにより、その平均トルク値が前記基準トルク値に到達しないときは、加熱筒8内に溶融樹脂が少ないと見なされて、射出スクリュ9は通常のパージ動作時の設定回転速度より小さい第1の回転速度で回転して、加熱筒8の内壁と射出スクリュ9との金属接触による損傷を避け、また、回転トルクが基準トルク値以上になっているときは、加熱筒8内に溶融樹脂が十分あると見なされて、射出スクリュ9は前記第1の設定回転速度より大きい第2の回転速度(通常のパージ動作時の設定回転速度)で回転して、溶融樹脂の樹脂溜まり部8bへの供給動作を継続し、速やかにパージ作業を行わせることができる。
【0022】
次に、前記構成の射出成形機1による他の実施の形態に係るスクリュ回転制御方法について、図4を参照して説明する。
前記射出成形機1による計量工程を行う場合には、予め、前記表示器21の回転速度設定器21dに、射出スクリュ9の通常の計量時回転速度(第1の回転速度)を設定、入力すると共に、前記トルク設定器21eに、射出スクリュ9の回転動作の変更を行うべき回転トルクの基準トルク値として、前記一実施の形態に係るスクリュ回転制御方法におけると同様に、前記加熱筒8内に溶融樹脂が無くなって射出スクリュ9の所要回転トルクが小さく、加熱筒8と射出スクリュ9とが金属接触を発生するおそれがある状態時の回転トルク値を設定、入力する。その他、表示器21の移動速度設定器21a、圧力設定器21b、スクリュ位置設定器21cにそれぞれ所定の数値を設定、入力することは前記と同様である。
【0023】
そして、前記機械操作パネル20の操作スイッチ20aが操作されて射出スクリュ9の回転が開始されて成形作業における計量工程が開始される(ステップS6)と、射出スクリュ9が通常の計量時回転速度で回転して、前記と同様にして前記加熱筒8の樹脂溜まり部8bに溶融樹脂を供給し、該溶融樹脂は射出スクリュ9を介して背圧が付加されながら加熱筒8内に計量される(ステップS7)。前記射出スクリュ8の回転中は、前記と同様にして射出スクリュ9の回転トルクが前記コントローラ19の制御手段19dで監視されており、該回転トルクの所定時間毎における平均トルク値が前記基準トルク値以下になったか否かが判断され(ステップS8)、前記平均トルク値が基準トルク値以下になったときは、加熱筒8内に溶融樹脂が無くなって、加熱筒8の内壁と射出スクリュ9が金属接触を起こす状態にあるとして、直ちに射出スクリュ9の回転が停止される(ステップS10)。また、前記平均トルク値が基準トルク値を上まわっているときは、射出スクリュ9は通常の計量時回転速度で回転を継続して溶融樹脂を前記樹脂溜まり部8bに供給し、射出スクリュ9が表示器21の位置設定器21cに設定した計量完了位置に後退して溶融樹脂の加熱筒8内への計量が完了したときに(ステップS9)、正常に溶融樹脂の計量が行われたものとして前記ステップS10に進んで射出スクリュ9の回転が停止される。
この計量時に、樹脂材料がホッパ8a内に無くなったり、ホッパ8aに詰まったりして加熱筒8内に樹脂材料が供給されなくなって、加熱筒8内に材料切れの状態が生じた場合、その状態を射出スクリュ9の回転トルクが正常の計量時回転トルクより低下したことにより判断して、射出スクリュ9の回転を停止させるので、加熱筒8と射出スクリュ9とが金属接触を起こした状態で射出スクリュ9が回転を続けることがなく、それらの損傷を未然に防止することができる。
【0024】
前記のように、実施の形態に係る射出成形機におけるスクリュ回転制御方法によれば、加熱筒8内に挿入された射出スクリュ9を回転させて溶融樹脂を前記加熱筒8の基端部側から先端部側の樹脂溜まり部8b内に送る供給動作を行うに際し、前記射出スクリュ9の第1の回転速度による回転中における回転トルクを監視し、該回転トルクの所定時間毎における平均トルク値が基準トルク値以上になったときに、前記射出スクリュ9の回転を前記第1の回転速度より大きい回転速度による回転に変えて続行させ、または前記回転トルクの所定時間毎における平均トルク値が基準トルク値以下になったときに、前記射出スクリュ9の回転を停止させるようにしたので、樹脂の計量工程における計量開始時、パージ作業におけるスクリュ回転開始時、または計量中における射出スクリュ9の回転トルクの平均トルク値を基準トルク値と比較することにより、加熱筒8内の射出スクリュ9が、パージすべき排出樹脂の無い状態で高速回転したり、または樹脂の材料切れ状態で回転するような異常状態、すなわち、樹脂材料が無くてそれによる潤滑効果が期待できない加熱筒8内で射出スクリュ9が回転するような異常状態を容易に判別することができて、前記異常状態では無理に射出スクリュ9が高速回転するのを避けて、加熱筒8と射出スクリュ9とが金属接触して損傷するのを未然に、確実に防止することができる。
【0025】
したがって、射出スクリュ9の損傷部分への樹脂の付着、滞留を防ぎ、樹脂の炭化、黒点の発生といった成形不良につながる問題を解消することができる。しかも、前記異常状態が生じない時は射出スクリュ9の回転を速やかに上昇させて通常の計量動作(供給動作)を迅速に行うことができる。また、射出スクリュ9の所要回転トルクは、制御手段19dで所定時間毎における回転トルクの平均トルク値として求められるので、瞬間的に変動する回転トルクの影響が排除されて、前記射出スクリュ9の所要回転トルクが正確に検出でき、前記異常状態の判別を正しく行うことができる。
【0026】
また、前記実施の形態に係る射出成形機におけるスクリュ回転制御装置18bによれば、前記加熱筒8内の射出スクリュ9の回転中における回転トルクをスクリュ回転モータ17の負荷電流i2にもとづいて検出するカレントトランス27,中央処理装置26等からなるトルク検出手段と、該トルク検出手段によって検出された前記射出スクリュ9の所定回転速度における回転トルクの所定時間毎の平均トルク値を求める演算手段19cと、該演算手段19cによって求めた前記平均トルク値とトルク設定器21eに予め設定された基準トルク値とを比較して、その比較結果に応じて、射出スクリュ9の回転を所定回転速度より大きい回転速度に変えて続行させる動作および射出スクリュ9の回転を停止させる動作のうちのいずれか一方の動作を行わせるように前記スクリュ回転モータ17を制御する制御手段19dとを備えた構成としたので、前記各実施の形態に係るスクリュ回転制御方法を容易に実施することができて、それらの方法における前記効果を確実に奏させることができる。
【0027】
なお、前記実施の形態は、本発明の射出成形方法をインラインスクリュ式射出成形機において実施する場合の例であるが、本発明は、これに限らず、充填用加熱筒(加熱筒)内に充填プランジャが前後進自在に挿入された充填装置と、可塑化加熱筒(加熱筒)内に可塑化スクリュ(スクリュ)を回転自在に挿入された可塑化装置とを備え、可塑化装置の可塑化スクリュを回転させて樹脂材料を溶融、混練して溶融樹脂を充填用加熱筒の先端の樹脂溜まり部に供給し、該充填用加熱筒内に溶融樹脂を計量し、該計量した溶融樹脂を充填プランジャの前進により金型内へ充填するようにしたプリプラ式射出成形機において実施するようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下の優れた効果を奏する。
請求項1に係る射出成形機におけるスクリュ回転制御方法によれば、加熱筒内から溶融樹脂を外部へ排出するパージ動作の開始時におけるスクリュの回転動作に際し、スクリュの所定回転速度による回転中における回転トルクを監視し、該回転トルクの所定時間毎における平均トルク値が基準トルク値以上になったときに、前記スクリュの回転を前記所定回転速度より大きい回転速度による回転に変えて続行させるようにしたので、瞬間的に変動する回転トルクの影響を排除してスクリュの所要回転トルクを正確に検出でき、これにより、樹脂材料が無くてそれによる潤滑効果が期待できない加熱筒内でスクリュが回転するような異常状態を容易に正しく判別することができ、そして、前記異常状態では無理にスクリュが高速回転するのを避け、加熱筒とスクリュとが金属接触して損傷するのを未然に、効果的に防止することができる。しかも、前記異常状態が生じない時には、スクリュの回転を速やかに上昇させて通常の供給動作を迅速に行うことができる。
また、加熱筒内から溶融樹脂を外部へ排出するパージ動作の開始時におけるスクリュの回転動作であるので、加熱筒内に溶融樹脂が少ないときは、スクリュが通常のパージ動作時より小さい回転速度で回転して、加熱筒の内壁とスクリュとの金属接触による損傷を避け、また、加熱筒内に溶融樹脂が十分あるときは、スクリュが通常のパージ動作時の回転速度で回転して、溶融樹脂の樹脂溜まり部への供給動作を継続し、速やかにパージ作業を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る射出成形機におけるスクリュ回転制御装置を示す系統図である。
【図2】 同じくサーボアンプを示す系統図である。
【図3】 本発明の一実施の形態に係る射出成形機におけるスクリュ回転制御方法を説明するフロー図である。
【図4】 本発明の他の実施の形態に係る射出成形機におけるスクリュ回転制御を説明するフロー図である。
【符号の説明】
1 射出成形機
8 加熱筒
8b 樹脂溜まり部
9 射出スクリュ(スクリュ)
15 スクリュ前後進用電動サーボモータ(射出モータ)
15a エンコーダ(スクリュ位置検出手段)
17 スクリュ回転用電動サーボモータ(スクリュ回転モータ)
17a エンコーダ(回転速度検出手段)
18 スクリュ制御装置
18b スクリュ回転制御装置
19 コントローラ
19b 時計機能(計時手段)
19c 演算手段
19d 制御手段
21 表示器
21d 回転速度設定器
21e トルク設定器
22 射出軸用制御駆動装置
22a,23a サーボアンプ
23 スクリュ軸制御駆動装置
27 カレントトランス(電流検出手段)
K 金型

Claims (1)

  1. 加熱筒内から溶融樹脂を外部へ排出するパージ動作の開始時に、前記加熱筒内に挿入されたスクリュを回転させて溶融樹脂を前記加熱筒の基端部側から先端部側の樹脂溜まり部内に送る供給動作を行うに際し、
    前記スクリュの所定回転速度による回転中における回転トルクを監視し、該回転トルクの所定時間毎における平均トルク値が基準トルク値以上になったときに、前記スクリュの回転を前記所定回転速度より大きい回転速度による回転に変えて続行させることを特徴とする射出成形機におけるスクリュ回転制御方法。
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