JP3595984B2 - 電動射出成形機における加熱筒内の残圧除去方法及び残圧除去装置 - Google Patents

電動射出成形機における加熱筒内の残圧除去方法及び残圧除去装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動射出成形機において、溶融樹脂の計量完了後に加熱筒内に発生する残圧を除去する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、射出成形機では、溶融樹脂を金型へ射出するに先立ち、射出スクリュを回転駆動装置により回転させると共に射出駆動装置により軸方向の前進側に加圧しながら、加熱筒内に導入した樹脂材料を可塑化して加熱筒の先端部の樹脂溜まり部に所定量の溶融樹脂を計量し、この溶融樹脂の計量完了時には、前記射出スクリュを射出駆動装置により軸方向に強制的に所定量後退移動させるサックバック動作を行い、加熱筒内の溶融樹脂の残圧を除去して射出ノズルからの樹脂漏れを防止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、電動射出成形機では、前記射出スクリュを軸方向に移動させる射出駆動装置としての電動サーボモータは、前記サックバック動作の完了後においても、励磁電流を供給し続けてそのサックバック完了位置を保持させているため、溶融樹脂の熱膨張等により加熱筒内に残圧が発生すると、射出ノズルから樹脂漏れが生じる。樹脂漏れが生じると成形に悪影響が及ぶので、これを防ぐため、前記射出スクリュの後退移動量を大きくしてサックバック量を多くすると、樹脂漏れは起こらないが、射出ノズルからエアーが溶融樹脂内に巻き込まれるおそれがある。このため、電動射出成形機においては、射出ノズルからの樹脂漏れやエアーの巻き込みを起こさないサックバック量の設定が難しい問題があった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、サックバック量の設定が容易に行え、溶融樹脂の計量完了時に射出ノズルから樹脂が漏れ出るのを確実に防止できる電動射出成形機における加熱筒内の残圧除去方法及び残圧除去装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、以下の点を特徴としている。
すなわち、請求項1に係る電動射出成形機における残圧除去方法は、加熱筒内に周方向に回転自在にかつ軸方向に移動自在に挿入された射出スクリュを、スクリュ回転用電動機により回転させると共に、射出用電動機により軸方向の前進側に加圧しながら、加熱筒内に導入された樹脂材料を可塑化して加熱筒の先端部に溶融樹脂を計量するようにした電動射出成形機において、
前記溶融樹脂の計量完了後に、前記射出用電動機を駆動する励磁電流をゼロにして前記射出スクリュの加圧を解放する圧抜き動作を行うことを特徴とする。
【0006】
上記残圧除去方法においては、スクリュ回転用電動機による射出スクリュの回転と射出用電動機による射出スクリュの軸方向への加圧で樹脂材料が可塑化されて加熱筒の先端部の樹脂溜まり部に溶融樹脂が計量される。射出スクリュがその軸方向の計量完了位置に後退された後に、必要に応じてサックバック動作が行われてから、射出用電動機を駆動する励磁電流がゼロにされ、射出スクリュをその軸方向の前進側に加圧していた駆動力が解放されて、射出スクリュが軸方向に自由となるので、加熱筒内の溶融樹脂の樹脂圧の圧抜き動作が行われて、その残圧が除去されるため、加熱筒の射出ノズルからの樹脂漏れが確実に防止される。
【0007】
請求項2に係る電動射出成形機における残圧除去方法は、請求項1に記載の方法において、圧抜き動作を、射出用電動機を励磁電流により駆動して射出スクリュを強制的に後退移動させるサックバック動作をした後に行うことを特徴とする。
この方法では、サックバック動作によって加熱筒内の樹脂圧が低下された後に、射出スクリュを軸方向に自由にする圧抜き動作を行うので、一層確実に加熱筒内の残圧除去が行える。
【0008】
請求項3に係る電動射出成形機における残圧除去方法は、請求項1または2に記載の方法において、圧抜き動作を行って所定時間経過後に、前記加熱筒内の樹脂圧を監視してその樹脂圧に応じて、前記射出用電動機を駆動する励磁電流により射出スクリュを後退させるサックバック動作を行い、前記樹脂圧が設定値になるように制御することを特徴とする。
この方法では、射出スクリュの軸方向への移動を自由にして加熱筒内の溶融樹脂の圧抜きが行われてから、さらに樹脂圧が監視されながら、該樹脂圧が所定値になるように制御されるので、射出ノズルからの樹脂漏れや溶融樹脂内へのエアーの巻き込みが確実に防止され、これにより、サックバック位置を厳格に設定しなくても済み、その設定が容易に行える。
【0009】
請求項4に係る電動射出成形機における残圧除去装置は、制御装置で作動される供給用サーボアンプと射出用サーボアンプによってスクリュ回転用電動機と射出用電動機をそれぞれ駆動して、加熱筒内に周方向に回転自在にかつ軸方向に移動自在に挿入されている射出スクリュを回転させると共に軸方向の前進側に加圧しながら、加熱筒内に導入された樹脂材料を可塑化して、加熱筒の先端部に溶融樹脂を計量するようにした電動射出成形機において、
前記制御装置は、射出スクリュの樹脂の計量完了位置を設定する計量位置設定器と、樹脂の計量完了後における射出スクリュのサックバック動作完了位置を設定するサックバック位置設定器と、射出スクリュの軸方向の移動位置が前記計量位置設定器に設定された計量完了位置に達したときに一致信号を出力する第1位置比較器と、射出スクリュの軸方向の移動位置が前記サックバック動作完了位置に達したきに一致信号を出力する第2位置比較器と、前記第1比較器から出力される信号で前記供給用電動機の回転を停止させる指令を前記供給用サーボアンプに送ると共に、前記第1、第2位置比較器の一方から出力される一致信号にもとづき、前記射出用電動機に供給する励磁電流をゼロにする指令をサーボアンプに送る制御器とを具備していることを特徴とする。
【0010】
この装置では、射出スクリュが計量完了位置またはサックバック完了位置に到達したときに、単に射出スクリュを駆動する射出用電動機に射出用サーボアンプから供給する励磁電流をゼロにするだけで、射出スクリュの軸方向への移動が自由にされて加熱筒内の樹脂圧の残圧が的確に除去され、射出ノズルからの樹脂漏れが確実に防止される。
【0011】
請求項5に係る電動射出成形機における残圧除去装置は、請求項4に記載の装置において、制御装置は、加熱筒内の樹脂圧を設定する圧力設定器と、加熱筒内の樹脂圧の圧抜き確認時間を設定する時間設定器と、前記第1、第2位置比較器の一方から出力される一致信号にもとづいて計時を開始する時間比較器とを備え、該時間比較器により前記時間設定器に設定された圧抜き確認時間の計時が終了したときに、前記制御器が、前記圧力比較器からの信号にもとづいて前記加熱筒内の樹脂圧が圧力設定器に設定された樹脂圧より高いと判断した場合に、前記射出用サーボアンプに指令して射出用電動機に励磁電流を供給することにより射出スクリュを強制的に後退させるサックバック動作が行われ樹脂圧が設定圧力に制御されるように構成されていることを特徴とする。
この装置では、射出スクリュの軸方向への移動が自由にされて加熱筒内の樹脂圧の残圧が除去された後の樹脂圧を監視して、樹脂圧が再び上昇することがないように一定に維持され、射出ノズルからの樹脂漏れが一層確実に防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電動射出成形機における残圧除去装置の一実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1において、1は電動射出成形機における射出装置Aの加熱筒であり、先端に射出ノズル2が取り付けられている。加熱筒1内には射出スクリュ3が周方向に回転自在にかつ軸方向に移動自在に挿入されている。前記射出スクリュ3は、その後端部側に固定されたプーリー4がスクリュ回転用電動サーボモータ(スクリュ回転用電動機)5の出力軸に固定されたプーリー6にタイミングベルト7を介して連結され、スクリュ回転用電動サーボモータ5の作動で周方向に回転するようになっている。
また、前記射出スクリュ3は、その後端部がロードセル(荷重検出器)8を介してプッシャープレート9に周方向に回転自在に支持されている。
【0013】
前記プッシャープレート9に固定されたボールナット10には、射出スクリュの軸方向に平行に延長されたボールねじ軸11が螺合されており、該ボールねじ軸11の後端部に固定したプーリー12が射出用電動サーボモータ(射出用電動機)13の出力軸に固定したプーリー14にタイミングベルト15によって連結され、前記射出用電動サーボモータ13が作動すると、前記ボールねじ軸11が回転され、ボールナット10を介して前記プッシャープレート9が射出スクリュ3の軸方向に往復移動するようになっている。前記ボールナット10ボールねじ軸11で直線移動機構D1が構成され、前記プーリー12とプーリー14とタイミングベルト15とによって伝動機構D2が構成されている。
なお、前記スクリュ回転用電動サーボモータ5にはインクレメントエンコーダ(回転速度検出器)5aが、また、射出用電動サーボモータ13にはアブソリュートエンコーダ(スクリュ位置検出器)13aがそれぞれ設けられている。
【0014】
また、図1において16は、前記スクリュ回転用電動サーボモータ5に励磁電流i1を供給してそれを作動させる供給用サーボアンプであり、前記インクレメントエンコーダ5aで検出される回転速度信号f1にもとづいて、スクリュ回転用電動サーボモータ5の回転速度をフィードバック制御するようになっている。また、17は前記射出用電動サーボモータ13に励磁電流i2を供給してそれを作動させる射出用サーボアンプであり、前記アブソリュートエンコーダ13aで検出されるスクリュ位置信号f2と、前記ロードセル8で検出される荷重信号f3にもとづいて、射出用電動サーボモータ13の回転量(回転位置)をフィードバック制御するようになっている。
【0015】
前記射出装置Aは、従来周知のもので、溶融樹脂の計量時には、前記射出用電動サーボモータ13により射出スクリュ3を軸方向の前進側に加圧した状態で、スクリュ回転用電動サーボモータ5により射出スクリュ3を回転して、加熱筒1内に導入した樹脂材料を可塑化して加熱筒1の先端側の樹脂溜まり部に溶融樹脂を計量し、その計量完了時に前記射出スクリュをその計量完了位置から所定のサックバック完了位置まで強制的に後退させるサックバック動作を行わせることができるようになっている。
【0016】
また、図1においてBは、電動射出成形機の射出装置Aの動作を制御する制御装置であり、演算制御器(制御器)19、第1位置比較器20、第2位置比較器21、圧力比較器22、時間比較器23を備えたシーケンサ18が設けられている。該シーケンサ18には、前記供給用サーボアンプ16と射出用サーボアンプ17とが電気的に接続されていると共に、計量完了位置を設定する計量位置設定器24,サックバック完了位置を設定するサックバック位置設定器25、圧抜き圧を設定する圧力設定器26、圧抜き確認時間を設定する時間設定器27、圧抜き速度を設定する速度設定器28、圧抜き動作の態様を切り換え選択する選択スイッチ29が電気的に接続されている。
【0017】
前記第1、第2位置比較器20,21は、前記射出用電動サーボモータ13のアブソリュートエンコーダ13aで検出されたスクリュ位置信号f2を、それぞれ、計量位置設定器24に設定された計量完了位置の設定値e1と、サックバック位置設定器25に設定されたサックバック完了位置の設定値e2と比較し、それらが一致したときに前記演算制御器19に計量完了信号g1とサックバック完了信号g2を入力するようになっている。また、前記圧力比較器22は、前記ロードセル8で検出された荷重にもとづく樹脂圧信号f3を圧力設定器26に設定された圧抜き圧pと比較して、それら比較結果にもとづく信号p1を前記演算制御器19に入力するようになっている。
【0018】
前記選択スイッチ29は、計量完了時にサックバック動作(圧抜き動作)を行う(a位置)か否(b位置)かを選択するサックバック使用スイッチ29aと、計量完了時もしくはサックバック動作完了時に射出用電動サーボモータ13の駆動力をゼロ(励磁電流をゼロ、すなわち、サーボOFFの状態)にして射出スクリュ3を自由にする圧抜き動作を行う(a位置)か否(b位置)かを選択する第1圧抜き動作スイッチ29bと、計量完了時もしくは圧抜き動作完了時にロードセンサ8で検出される荷重を監視しながら、射出用電動サーボモータ13の駆動力(励磁電流の供給)により射出スクリュ3を後退させるサックバック圧抜き動作(圧抜き動作)を行う(a位置)か否(b位置)かを選択する第2圧抜き動作スイッチ29cとを備えている。
【0019】
前記サックバック動作スイッチ29aがa位置に切換えられサックバック動作が選択されている場合には、演算制御器19は、第1位置比較器20から計量完了信号g1が入力されると、サックバック指令信号c1を射出用サーボアンプ17に送り、これにより、射出用サーボアンプ17から供給される励磁電流によりが射出用電動サーボモータ13が駆動されて射出スクリュ3が所定のサックバック完了位置まで後退されるようになっている。
【0020】
また、第1圧抜き動作スイッチ29bがa位置に切換えられ圧抜き動作が選択されている場合には、前記演算制御器19は、前記サックバック動作スイッチ29aの切換位置a,bに応じて、第1位置比較器20または第2位置比較器21のいずれか一方の一致信号g1(g2)を受けて、前記射出用サーボアンプ17にサーボOFFの指令信号c2を送り、これにより、射出用電動サーボモータ13へ供給される励磁電流がゼロになって、射出スクリュの軸方向への移動が自由状態となるようになっている。
【0021】
さらに、前記第2圧抜き動作スイッチ29cがa位置に切換えられサックバック圧抜き動作が選択されている場合には、前記演算制御器19は、前記サックバック動作スイッチ29aの切換位置a,bに応じて、第1位置比較器20または第2位置比較器21のいずれか一方の一致信号g1(g2)を受けて、計量完了位置またはサックバック完了位置での射出スクリュ3に作用する荷重(ロードセンサ8で検出する圧力)の降下状況を確認するための圧抜き確認時間の計測を前記時間比較器23に指令する。
【0022】
この指令信号t1で時間比較器23が圧抜き時間の計測を開始し、その計測時間が前記時間設定器27に設定された圧抜き確認時間tに一致したときに、演算制御器19に圧抜き確認時間の終了信号t2を送り、この終了信号t2を受けて演算制御器19が、前記圧力比較器22からの比較結果の信号p1にもとづき、ロードセンサ8による樹脂圧信号f3が圧力設定器26に設定された圧抜き圧pより大きいと判断したときには、射出用サーボアンプ17にサーボOFF指令信号c2が出されていた場合はそれを解除して、代わりにサックバック圧抜き指令信号c3を送り、これにより、射出用電動サーボモータ13が励磁されて逆転して射出スクリュ3を、樹脂圧が圧抜き圧pになるまで後退させることにより、サックバック圧抜き動作が行われるように構成されている。
【0023】
その際の射出スクリュ3の後退速度(圧抜き速度)は、アブソリュートエンコーダ13aの位置信号f2が射出用サーボアンプ17で速度に換算されて、前記速度設定器28に設定された圧抜き速度vと比較され、射出用電動サーボモータ13に供給される励磁電流がフィードバック制御されて設定の圧抜き速度に保持されるようになっている。
【0024】
次に、前記のように構成された電動射出成形機における加熱筒内の残圧除去装置の作用と共に、残圧除去方法について、図2をも参照して説明する。
成形作業の開始に先立ち、前記選択スイッチ29のサックバック動作スイッチ29a、第1圧抜き選択スイッチ29b、第2圧抜きスイッチ29cを、それぞれ、a位置またはb位置に切り換えることにより、樹脂の計量工程において計量完了時にサックバック動作を行うか否か、サーボOFFによる圧抜き動作を行うか否か、圧力制御によるサックバック圧抜き動作を行うか否かを選択をしておく。その後に、前記制御装置Bのシーケンサ18を動作させて射出装置Aを作動させる。
【0025】
シーケンサ18を動作させると、該シーケンサ18から前記供給用サーボアンプ16に供給指令信号c4が入力され、スクリュ回転用電動サーボモータ5が励磁電流i1を供給されて回転する。これにより、射出スクリュ3が回転して加熱筒1内導入された樹脂材料が可塑化され、溶融樹脂が加熱筒1の先端部の樹脂溜まり部に送られて計量される。この間に、射出スクリュ3は、射出用サーボアンプ17からの励磁電流i2で回転制御される射出用電動サーボモータ13によって伝動機構D2と直線移動機構D1とを介してプッシャープレート6が押圧されることにより、軸方向の前進側に加圧されながら後退移動される。射出スクリュ3が計量位置設定器24に設定された計量完了位置に達したか否かを、アブソリュートエンコーダ13aからの位置信号f2にもとづき第1位置比較器20で監視され(ステップS1)、達しないときは射出スクリュ3の回転が継続されて加熱筒1の樹脂溜まり部に溶融樹脂の供給と射出スクリュ3の後退移動が行われる(ステップS2)。
【0026】
射出スクリュ3が計量完了位置に達すると、前記選択スイッチ29において、サックバック動作スイッチ29aがa位置に切換られてサックバック動作が選択されているか否かを演算制御器19で判断され(ステップS3)、サックバック動作が選択されている場合には、射出スクリュ3の位置がサックバック位置設定器25に設定されたサックバック完了位置に達したかを、アブソリュートエンコーダ13aからの位置信号f2にもとづき第2位置比較器21で監視され(ステップS4)、達していないときはサックバック動作が継続され(ステップS5)、達した場合およびステップS3でサックバック動作が選択されていなかった場合は、前記選択スイッチ29において、第1圧抜き動作スイッチ29bがa位置に切換えられて圧抜き動作が選択されているか否かを演算制御器19で判断される(ステップS6)。
【0027】
上記で圧抜き動作が選択されている場合には、演算制御器19から射出用サーボアンプ17にサーボOFF指令信号c2が送られ、これにより、射出用電動サーボモータ13に供給される励磁電流がゼロにされ(ステップS7)、射出用電動サーボモータ13には回転トルクは発生しないので、射出スクリュ3に対する前進方向の押圧が解除される。これにより、射出スクリュ3は加熱筒1内の溶融樹脂の圧力により自由に後退し、その樹脂圧が低下されるため、加熱筒1内の樹脂圧の残圧により射出ノズル2から樹脂が漏れ出るのが防止される。この間、樹脂圧で後退する射出スクリュの位置は射出用電動サーボモータ13のアブソリュートエンコーダ13aによって検出されており、その検出位置はその後の射出スクリュ3の動作位置の制御に使用される。
【0028】
上記で圧抜き動作が選択されなかった場合または圧抜き動作が選択されて後それが終了した場合には、前記選択スイッチ29において、第2圧抜き動作スイッチ29cがa位置に切換られてサックバック圧抜き動作が選択されているか否かを演算制御器19で判断され(ステップS8)、b位置が選択されてサックバック圧抜き動作を行なわない場合には、計量工程における計量動作が完了されて充填工程に移る。第2圧抜き動作スイッチ29cがa位置に切り換えられて圧抜き動作を行う場合には、前記演算制御器19が、前記サックバック動作スイッチ29aの切換位置a,bに応じて、第1位置比較器20または第2位置比較器21のいずれか一方の一致信号g1(g2)を受けて、圧抜き確認時間の計測を前記時間比較器23に指令する(ステップS9)。
【0029】
この指令信号t1で時間比較器23が計時を開始して前記時間設定器27に設定された圧抜き確認時間tの計測を完了したとき(ステップS10)、ロードセンサ8で検出される加熱筒1内の樹脂圧f3が圧力比較器22で圧力設定器26に設定された圧抜き圧pと比較され(ステップS11)、樹脂圧f3が設定の圧抜き圧より大きい場合には、それまでに射出用サーボアンプ17に出されていたサーボOFF指令c2を解除して(ステップS12)、代わりにサックバック圧抜き指令信号c3が射出用サーボアンプ17に出され、これにより、射出用電動サーボモータ13が励磁されて逆転し、射出スクリュ3を、樹脂圧f3が圧抜き圧pになるまで後退させるサックバック圧抜き動作が行われる(ステップS13)。
【0030】
これにより、加熱筒1内の溶融樹脂の残圧が一定圧に調節されるので、射出ノズルからの樹脂漏れが確実に防止される。このため、引き続いて行われる射出ノズル2の金型に対するノズルタッチが支障なく良好に行われ、円滑に樹脂の充填工程に移行される。
なお、サックバック圧抜き動作が行われている間の射出スクリュ3の後退速度は、射出用サーボアンプ17がアブソリュートエンコーダ13aの検出値から換算した速度を、速度設定器28に設定された圧抜き速度設定値vと比較して、射出用電動サーボモータ13を駆動することにより、所定値に制御される。
【0031】
前記構成の電動射出成形機における加熱筒内の残圧除去装置およびその装置を使用した残圧除去方法によれば、樹脂の計量工程において、加熱筒1内に溶融樹脂の計量が完了したときに、または、樹脂計量の完了後におけるサックバック動作が完了した後に、射出スクリュ3を軸方向に前後進移動させる射出用電動サーボモータ13を駆動する励磁電流をゼロにして、射出スクリュ3の軸方向への移動を自由にすることにより圧抜き動作を行うようにすると共に、樹脂の圧抜き圧の変化の状態を監視した圧力制御により樹脂圧を一定に維持するようにしたので、計量を完了した溶融樹脂による加熱筒1内の残圧を容易に除去することができて、樹脂材料の種類に関わりなく、射出ノズル2からの樹脂漏れを確実に防止することができる。特に、射出ノズルが細長いと、加熱筒との断面積の差が大きくなる
ので、射出スクリュのサックバック動作の完了位置を単に位置制御のみで行った場合には、射出ノズルへのエアーの吸い込みや射出ノズルの先端からの樹脂漏れを起こし易いが、前記実施の形態の装置、方法によれば、そのような問題は一切生じることはない。
【0032】
なお、前記実施の形態においては、前記選択スイッチ29によって圧抜き動作の態様を複数に選択して行うようにしたので、予め、選択スイッチ29を切換え選択することにより、使用する樹脂材料等によって異なる溶融樹脂の樹脂圧の変動特性等に対応して圧抜き動作の態様を選択することができ、加熱筒1内の溶融樹脂の残圧を適切に除去して樹脂漏れを防止することができるが、これに代えて、選択スイッチ29を設けることなく、特定の圧抜き動作の態様を固定して設けてもよい。
【0033】
なお、前記実施の形態においては、加熱筒1内の樹脂圧を射出スクリュ3とこれを押圧するプッシャープレート9との間に設けたロードセンサ8によって間接的に得るようにしたが、これに代えて、加熱筒1の樹脂溜まり部に設けた圧力センサで直接に測定して得るようにしてもよい。
また、射出スクリュ3の軸方向の移動位置を射出用電動サーボモータ13に設けたアブソリュートエンコーダ13aで間接的に検出し、その検出値にもとづき計量完了位置、サックバック完了位置を得ているが、射出スクリュ3の移動位置は、これに限らず、プッシャープレート9や射出スクリュ3と一緒に移動する部材に適宜位置センサを取り付けて直接的に検出するようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下の優れた効果を奏する。
請求項1に係る電動射出成形機における加熱筒内の残圧除去方法によれば、加熱筒の先端部の樹脂溜まり部に溶融樹脂が計量された後に、射出用電動機を駆動する励磁電流がゼロにされ、射出スクリュをその軸方向の前進側に加圧していた駆動力が解放されて射出スクリュが軸方向に自由となるので、加熱筒内の溶融樹脂の樹脂圧の圧抜き動作を円滑に行うことができて、その残圧を確実に除去できるため、加熱筒の射出ノズルからの樹脂漏れを確実に防止することができる。
【0035】
請求項2に係る電動射出成形機における加熱筒内の残圧除去方法によれば、サックバック動作によって加熱筒内の樹脂圧が低下された後に、射出スクリュを軸方向に自由にする圧抜き動作を行うので、一層確実に加熱筒内の残圧除去を行うことができる。
【0036】
請求項3に係る電動射出成形機における加熱筒内の残圧除去方法によれば、射出スクリュの軸方向への移動を自由にして加熱筒内の溶融樹脂の圧抜きを行ってから、さらに樹脂圧を監視しながら、該樹脂圧が所定値になるように制御するので、射出ノズルからの樹脂漏れや溶融樹脂内へのエアーの巻き込みを確実に防止することができ、これにより、サックバック位置を厳格に設定しなくても済み、その設定を簡単に行うことができる。
【0037】
請求項4に係る電動射出成形機における加熱筒内の残圧除去装置によれば、射出スクリュが計量完了位置またはサックバック完了位置に到達したときに、単に射出スクリュを駆動する射出用電動機に射出用サーボアンプから供給する励磁電流をゼロにするだけの簡単な構成で、射出スクリュの軸方向への移動を自由にして加熱筒内の樹脂圧の残圧を的確に除去することができ、射出ノズルからの樹脂漏れを確実に防止することができる。
【0038】
請求項5に係る電動射出成形機における加熱筒内の残圧除去装置によれば、射出スクリュの軸方向への移動を自由にして加熱筒内の樹脂圧の残圧を除去した後の樹脂圧を監視して、樹脂圧が再び上昇することがないように一定に維持する小ことができ、射出ノズルからの樹脂漏れを一層確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動射出成形機における加熱筒内の残圧除去装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】同じく作用を説明するフロー図である。
【符号の説明】
1 加熱筒
2 射出ノズル
3 射出スクリュ
5 スクリュ回転用電動サーボモータ(スクリュ回転用電動機)
8 ロードセンサ(荷重検出器)
9 プッシャープレート
10 ボールナット
11 ボールねじ軸
13 射出用電動サーボモータ(射出用電動機)
13a アブソリュートエンコーダ(スクリュ位置検出器)
16 供給用サーボアンプ 17 射出用サーボアンプ
18 シーケンサ 19 演算制御器(制御器)
20 第1位置比較器 21 第2位置比較器
22 圧力比較器 23 時間比較器
24 計量位置設定器 25 サックバック位置設定器
26 圧力設定器 27 時間設定器
29 選択スイッチ B 制御装置

Claims (5)

  1. 加熱筒内に周方向に回転自在にかつ軸方向に移動自在に挿入された射出スクリュを、スクリュ回転用電動機により回転させると共に、射出用電動機により軸方向の前進側に加圧しながら、加熱筒内に導入された樹脂材料を可塑化して加熱筒の先端部に溶融樹脂を計量するようにした電動射出成形機において、
    前記溶融樹脂の計量完了後に、前記射出用電動機を駆動する励磁電流をゼロにして前記射出スクリュの加圧を解放する圧抜き動作を行うことを特徴とする電動射出成形機における加熱筒内の残圧除去方法。
  2. 前記圧抜き動作を、前記射出用電動機を励磁電流により駆動して射出スクリュを強制的に後退移動させるサックバック動作をした後に行うことを特徴とする請求項1に記載の電動射出成形機における加熱筒内の残圧除去方法。
  3. 前記圧抜き動作を行って所定時間経過後に、前記加熱筒内の樹脂圧を監視してその樹脂圧に応じて、前記射出用電動機を駆動する励磁電流により射出スクリュを後退させるサックバック動作を行い、前記樹脂圧が設定値にになるように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の電動射出成形機における加熱筒内の残圧除去方法。
  4. 制御装置で作動される供給用サーボアンプと射出用サーボアンプによってスクリュ回転用電動機と射出用電動機をそれぞれ駆動して、加熱筒内に周方向に回転自在にかつ軸方向に移動自在に挿入されている射出スクリュを回転させると共に軸方向の前進側に加圧しながら、加熱筒内に導入された樹脂材料を可塑化して、加熱筒の先端部に溶融樹脂を計量するようにした電動射出成形機において、
    前記制御装置は、射出スクリュの樹脂の計量完了位置を設定する計量位置設定器と、樹脂の計量完了後における射出スクリュのサックバック動作完了位置を設定するサックバック位置設定器と、射出スクリュの軸方向の移動位置が前記計量位置設定器に設定された計量完了位置に達したときに一致信号を出力する第1位置比較器と、射出スクリュの軸方向の移動位置が前記サックバック動作完了位置に達したきに一致信号を出力する第2位置比較器と、前記第1比較器から出力される信号で前記供給用電動機の回転を停止させる指令を前記供給用サーボアンプに送ると共に、前記第1、第2位置比較器の一方から出力される一致信号にもとづき、前記射出用電動機を駆動する励磁電流をゼロにする指令をサーボアンプに送る制御器とを具備していることを特徴とする電動射出成形機における加熱筒内の残圧除去装置。
  5. 前記制御装置は、加熱筒内の樹脂圧を設定する圧力設定器と、加熱筒内の樹脂圧の圧抜き確認時間を設定する時間設定器と、前記第1、第2位置比較器の一方から出力される一致信号にもとづいて計時を開始する時間比較器とを備え、該時間比較器により前記時間設定器に設定された圧抜き確認時間の計時が終了したときに、前記制御器が、前記圧力比較器からの信号にもとづいて前記加熱筒内の樹脂圧が圧力設定器に設定された樹脂圧より高いと判断した場合に、前記射出用サーボアンプに指令して射出用電動機に励磁電流を供給することにより射出スクリュを強制的に後退させるサックバック動作が行われて樹脂圧が設定圧力に制御されるように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の電動射出成形機における加熱筒内の残圧除去装置。
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