JP4114139B2 - 射出成形機の計量方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機の射出装置における加熱筒内の先端部に溶融樹脂を供給して計量する計量方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、射出成形機で金型にノズルタッチをせずに計量を行う場合は、射出スクリュを最低に設定した背圧を付加した状態で回転させ、加熱筒の基端部に導入される樹脂材料を可塑化して加熱筒の先端部の樹脂溜まり部に溶融樹脂を供給し、この溶融樹脂の樹脂圧で後退する射出スクリュが後退端の計量完了位置に達すると、前記射出スクリュの回転を停止し、必要に応じて前記計量完了位置から更に所定距離だけ後退して樹脂溜まり部の樹脂圧を低下させるサックバックを自動的に行っている。
しかし、このように、金型にノズルタッチをせずに計量を行う射出成形機における計量方法では、超低粘度樹脂の場合には、機械に定められた最低の設定背圧でも、開放されている射出ノズルの開口部から溶融樹脂が流出する所謂鼻たれ現象が生じるために、前記射出スクリュを計量完了位置まで後退させて計量を完了させることができない不都合が起こる。また、高粘度樹脂の場合には、加熱筒を加熱するヒータの温度設定を低くすると、前記最低の設定背圧では、樹脂材料と加熱筒との摩擦が大きく、樹脂材料が可塑化しない状態で射出スクリュが計量完了位置まで後退してしまい、計量動作が正常に行えないという不具合が発生する問題がある。
【0003】
そこで、常に、正常な計量動作を確保し、樹脂材料の可塑化不足による成形不良の発生を防止するため、予め、計量時における射出スクリュの後退速度に対する上、下限値を設定すると共に、計量中に射出スクリュの後退速度を検出し、該後退速度が前記上、下限値を外れた際に、射出スクリュの回転を設定時間だけ停止させ、その後射出スクリュを再開転させ、あるいは、予め、計量時間に対する上、下限値を設定すると共に、計量時に計量時間を検出し、該計量時間が前記上、下限値を外れた際に、射出スクリュの回転を設定時間だけ停止させ、その後射出スクリュを再回転させることにより目標の計量位置まで後退させて計量を終了させる計量方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−24468号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記提案の計量方法では、成形の中断を起こさせないことを前提にしており、所定条件の計量動作を繰り返すことによって樹脂材料の可塑化が進み、溶融樹脂の樹脂圧で射出スクリュが計量完了位置に後退して計量が正常に終了する場合に適用し得るものであるが、金型に射出ノズルをノズルタッチをさせずに、超低粘度樹脂や高粘度樹脂を計量する場合に、射出ノズルを計量完了位置まで後退移動させることができない異常な状態が生じた際、その異常状態を検出して、それに対応して適切に計量動作の継続を行わせることができない問題点がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、金型に射出ノズルをノズルタッチさせないで計量を行う場合、超低粘度樹脂や高粘度樹脂であっても、溶融樹脂の鼻たれ現象を防止して溶融樹脂の計量を確実に行わせ、適切に計量動作の継続を行わせることができるようにした射出成形機の計量方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、以下の点を特徴としている。
すなわち、請求項1に係る射出成形機の計量方法は、加熱筒の射出ノズルを金型に接触させない状態で、可塑化スクリュを回転させて樹脂材料を可塑化して前記加熱筒の樹脂溜まり部内に溶融樹脂を供給し、該溶融樹脂に所定設定値の背圧を付加しながら加熱筒内を後退する射出部材の後退位置にもとづいて前記樹脂溜まり部内の溶融樹脂を計量する射出成形機の計量方法において、予め、射出成形機の可塑化能力にもとづいて定めた可塑化スクリュの設定回転速度に対応する射出部材の標準後退速度を設定しておき、前記可塑化スクリュを所定の設定回転速度で回転させて計量する時に、前記射出部材の後退速度を検出して、その検出値が前記可塑化スクリュの所定の設定回転速度に対応する標準後退速度を下まわった場合に、前記射出部材を強制的に計量完了位置に後退させた後に、前記射出部材の背圧を監視しながら可塑化スクリュを回転させ、該背圧が前記設定値になったときに計量動作を停止させることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る射出成形機の計量方法を実施する計量装置について図1を参照して説明する。図1において、1は電動式射出成形機(射出成形機)Aにおける計量装置である。前記計量装置1は、加熱筒2と、該加熱筒2の内部に軸方向に移動自在にかつ周方向に回転自在に挿入された射出スクリュ(可塑化スクリュ、射出部材)3と、可動台4に固定されており、前記射出スクリュ3の基端部と連結されて該射出スクリュ3を回転させるスクリュ回転用電動サーボモータ(スクリュ回転モータ)5と、前記可動台4に設けたナット6にねじ軸7を螺合させてなるねじ機構8の該ねじ軸7に連結されて可動台4を図1で左右に移動させ、前記射出スクリュ3を軸方向に前後進移動させるスクリュ前後進用電動サーボモータ(射出駆動手段)9と、前記スクリュ回転用電動サーボモータ5と前記スクリュ前後進用電動サーボモータ9を作動させる制御装置10とを備えている。
【0012】
そして、前記計量装置1は、電動射出成形機Aの固定盤11に固定した固定金型K1と可動盤12に固定した可動金型K2とが当接されて型締めされ状態の金型Kに、前記加熱筒2の先端の射出ノズル2aが接触しない(ノズルタッチをしない)状態で、前記スクリュ回転用電動サーボモータ5を回転させることにより、前記加熱筒2の基端部側のホッパ2bから加熱筒2内に導入される樹脂材料が可塑化され、溶融樹脂が加熱筒2の先端部の樹脂溜まり部2c内に供給される。その際、スクリュ前後進用電動サーボモータ9を回転させることにより、前記ねじ機構8を介して可動台4が移動され、前記樹脂溜まり部2c内に供給される溶融樹脂に対し後退移動する射出スクリュ3を介して背圧が付加され、該射出スクリュ3がその後退端の計量完了位置に到達して樹脂溜まり部2c内への溶融樹脂の計量が完了されるようになっている。
【0013】
なお、前記スクリュ回転用電動サーボモータ5にはインクレメントエンコーダ(回転速度検出手段)5aが設けられ、また、前記スクリュ前後進用電動サーボモータ9にはアブソリュートエンコーダ(位置検出手段)9aが設けられ、さらに、射出スクリュ3の基端部とスクリュ回転用電動サーボモータ5との連結部または前記可動台4に対する前記ナット6の装着部等には、射出スクリュ14に作用する押圧力(荷重)を前記計量される溶融樹脂の背圧として検出する圧力センサー(圧力検出手段)13が設けられている。前記圧力センサー13は、前記樹脂溜まり部2c内の溶融樹脂を直接に検出するものであってもよい。
【0014】
また、前記制御装置10は、前記計量装置1を含む電動射出成形機Aの全体の動作を制御するコントローラ(動作制御手段)14と、各種の指示項目や設定数値を入力し、入力された設定値に基づいて所要の演算処理等を行い、かつ各種データを表示する入力処理手段15と、サーボアンプを有し、前記コントローラ14からの動作指令にもとづいて動作して前記スクリュ回転用電動サーボモータ5を作動させると共に、前記インクレメントエンコーダ5aで検出されるスクリュ回転速度信号(可塑化スクリュ回転速度信号)fを前記コントローラ14に供給するスクリュ回転制御駆動装置16と、サーボアンプを有し、前記コントローラ14からの動作指令にもとづいて動作して前記スクリュ前後進用電動サーボモータ9を作動させると共に、前記アブソリュートエンコーダ9aで検出されるスクリュ位置信号(射出部材位置信号)pと前記圧力センサー11で検出される圧力信号kとを前記コントローラ14に供給するスクリュ前後進制御駆動装置17とを備えている。
【0015】
なお、前記スクリュ回転制御駆動装置16は、前記インクレメントエンコーダ5aで検出されるスクリュ回転速度信号fにもとづいて、前記スクリュ回転用電動サーボモータ5の回転速度、すなわち射出スクリュ3の回転速度をフィードバック制御するようになっている。また、前記スクリュ前後進制御駆動装置17は、前記アブソリュートエンコーダ9aで検出されるスクリュ位置信号pと圧力センサー13で検出される圧力信号kにもとづいて、スクリュ前後進用電動サーボモータ9の回転量(回転位置)と回転力(駆動トルク)、すなわち、射出スクリュ3の前後進位置、前後進速度および射出圧、背圧をフィードバック制御するようになっている。
【0016】
前記入力処理手段15は、前記電動射出成形機Aを操作するための各種操作スイッチと、前記射出スクリュ3の前後進の移動速度を設定する速度設定器と、射出スクリュ3に作用する射出圧、背圧を設定する圧力設定器と、射出スクリュ3の前後進移動速度の切換位置、溶融樹脂の計量完了時における後退端位置(計量完了位置)等を設定する位置設定器と、前記射出スクリュ3の回転速度を設定する回転速度設定器と、射出スクリュ3の背圧を変更する回転の上限値を設定する背圧変更回数設定器と、機械の要目や成形に使用する樹脂材料の特性値を入力する要目設定器と、各種データを表示し、計量装置1の異常動作を機械のオペレータに警報、警告メッセージ等によって知らせる警告を発生する表示器と、前記要目設定器で入力された機械の各種要目に関する指示データと前記回転速度設定器に設定された計量時の射出スクリュ3の回転速度設定値とから、計量時の射出スクリュ3の標準後退速度等を演算する演算部とを備えている。
【0017】
前記コントローラ14は、前記電動射出成形機Aの全体の動作を制御するシーケンスプログラム、前記入力処理手段13において前記各設定器で設定された各種設定値(電動射出成形機Aの成形条件)や前記演算部での演算によって得られた標準後退速度等を記憶するメモリと、該メモリに記憶されている設定値や前記インクレメントエンコーダ5a、アブソリュートエンコーダ9aおよび圧力センサー13の検出値にもとづいて、所要の演算、比較処理等を行って電動射出成形機1を動作させるための種々の制御データを作成し、該制御データを前記スクリュ回転制御駆動装置16とスクリュ前後進御駆動装置17に出力すると共に、前記入力処理手段15の表示器に所要の表示項目を出力する動作制御手段とを備えている。
【0018】
次に、前記構成の電動射出成形機Aにおける計量装置1の作用と共に、該計量装置1による溶融樹脂の計量方法について、図2、図3をも参照して説明する。前記電動射出成形機Aによる成形作業を開始するに先立ち、使用する電動射出成形機Aの最大可塑化能力Chmax(kg/h)、計量時の射出スクリュ3の最高回転数Rmax(min−1)、射出スクリュ3の直径D(cm)、成形に使用する樹脂材料の密度ρ(kg/l)等を前記入力処理手段15の要目設定器に入力すると共に、計量時の射出スクリュ3の設定回転速度Rsv(min−1)を前記入力処理手段15の回転速度設定器に入力すると共に、前記入力処理手段15の位置設定器、圧力設定器および背圧変更回数設定器に、それぞれ、射出スクリュ3の計量完了位置、計量時の背圧および該背圧の設定値の上限変更回数を入力設定し、その他の設定器にも所要のデータを入力設定する(ステップS1)。前記最大可塑化能力Chmaxは、実験または前記加熱筒2、射出スクリュ3等に関する設計数値にもとづいて計算により求めることができる。
【0019】
そして、前記入力処理手段15においては、前記要目設定器に入力された各要目Chmax、Rmax、D、ρのもとづいて、演算部で次の演算式によって射出スクリュ3の計量時における設定回転速度に対応する標準後退速度Vrが計算されると共に、他の各設定器に入力された設定値にもとづいて、コントローラ14において使用する比較データが作成され(ステップS2)、それらの標準後退速度Vrと比較データが前記コントローラ14のメモリに記憶されると共に、各設定器で設定された設定値のうちで所要のものが選択されて入力処理手段15の表示器に表示される。
【0020】
【数1】
Figure 0004114139
【0021】
なお、前記入力処理手段15の表示器には、計量装置1の計量動作時に、前記インクレメントエンコーダ5a、アブソリュートエンコーダ9aおよび圧力センサー13によって検出されたスクリュ回転速度信号f、スクリュ位置信号pおよび圧力信号kにもとづいて、前記射出スクリュ3の回転速度、前後進移動速度と前後進移動位置、および背圧の各現在値等が表示される(ステップS3)。
【0022】
前記入力処理手段15における設定作業が終了すると、入力処理手段15の操作スイッチを操作して電動射出成形機Aの計量装置1による成形動作を開始させる。前記成形動作が開始されると、前記制御装置10のコントローラ14のメモリに記憶されているシーケンスプログラムに従って成形動作が実行され、コントローラ14の指令によりスクリュ回転制御駆動装置16とスクリュ前後進制御駆動装置17を介して前記スクリュ回転用電動サーボモータ5とスクリュ前後進用電動サーボモータ9がそれぞれ回転されて、射出スクリュ3とねじ軸7がそれぞれ回転される。前記射出スクリュ3の回転によってホッパ2bから加熱筒2内に導入された樹脂材料が可塑化して溶融され、加熱筒2の樹脂溜まり部2c内に供給されて計量される計量動作が開始される(ステップS4)。このとき、該樹脂溜まり部2c内に供給される溶融樹脂の樹脂で押圧されて後退される射出スクリュ3に、前記ねじ軸17の回転でねじ機構22によって移動される可動台4と前記スクリュ回転用電動サーボモータ5とを介して押圧力を加えることにより、前記樹脂溜まり部2c内の溶融樹脂に前記入力処理手段14の圧力設定器で設定された所定の背圧が付加される。
【0023】
前記計量動作中は、射出スクリュ3の後退移動位置が前記アブソリュートエンコーダ9aで検出され、そのスクリュ位置信号pがスクリュ前後進制御駆動装置17を経て前記コントローラ14に送られ、該コントローラ14において前記入力処理手段15で設定された計量完了位置に前記射出スクリュ3が到達したか否かが比較、判断され(ステップS5)、射出スクリュ3が計量完了位置に到達した場合は、所定設定値の背圧で加熱筒2の樹脂溜まり部2c内に溶融樹脂が正常に計量されたものとして、スクリュ回転制御駆動装置16とスクリュ前後進制御駆動装置17からの指令信号i1,i2で前記スクリュ回転用電動サーボモータ5とスクリュ前後進用電動サーボモータ9が停止されることにより、射出スクリュ3の回転と後退移動が停止して計量動作が停止される(ステップS6)。
【0024】
前記ステップS5において、前記射出スクリュ3が設定された計量完了位置に到達しない場合は、前記アブソリュートエンコーダ9aからのスクリュ位置信号pにもとづいてスクリュ前後進制御駆動装置17で演算した射出スクリュ3の後退速度の現在値が、コントローラ14において前記入力処理手段15で演算してコントローラ14のメモリに記憶されている標準後退速度Vrの設定値と比較され(ステップS7)、その比較結果において、前記後退速度の現在値が標準後退速度Vrの設定値より著しく上まわったと判断された場合(ステップS8)は、前記入力処理手段15の表示器に可塑化エラーの警報を発生させ、または警告メッセージを表示する(ステップS9)と共に、計量動作が停止される(ステップS6)。この場合は、樹脂材料が高粘度樹脂であって、射出スクリュ3の設定背圧や加熱筒2の設定温度では、樹脂と加熱筒2の内壁との摩擦が大きい等の要因により、十分に樹脂の可塑化が進まないか可塑化が行われない状態で射出スクリュ3が早く後退し、計量動作が異常に行われたものと判断することができる。そこで、警告メッセージには、オペレータが独自の経験から定めた適正な計量条件を設定することや加熱筒2の設定加熱温度を上げることを求める案内を含めることができる。
【0025】
前記ステップS7における比較結果において、前記射出スクリュ3の後退速度の現在値が標準後退速度Vrの設定値より著しく下まわっていると判断された場合(ステップS10)は、前記コントローラ14が、前記入力処理手段15の圧力設定器で設定した背圧設定値を、前記圧力センサー13で検出される背圧の現在値に僅少な圧力値を加算または減算して得た圧力値に置き換えて設定背圧値を下げる変更を行い(ステップS11)、その背圧設定値の変更回数が前記入力処理手段14の背圧変更回数設定器で設定した設定変更回数に到達したか否かが判断され(ステップS12)、変更回数が設定変更回数に到達しないときは、変更された背圧設定値で射出スクリュ3の回転が継続され、前記ステップS5に戻ってステップS5からステップS12までの動作が繰り返される。
【0026】
そして、前記ステップS12において背圧設定値の変更回数が設定変更回数に到達したときは、ステップS6に移って計量動作が停止される。その際、入力処理手段15の表示器にステップS9におけると同様に警告メッセージを発生させてもよい。この場合は、樹脂材料が低粘度樹脂であって、繰り返し背圧設定値を下げる変更を行っても、溶融樹脂が射出ノズル2aから外部へ漏れ出てしまい、射出スクリュ3が計量完了位置に到達しないで溶融樹脂の計量ができない異常な状態が生じていると判断される。また、前記ステップS12で、設定変更回数に到達しない場合、背圧設定値を変更したことにより、その変更した背圧設定値による計量動作を行った結果、ステップS5で射出スクリュ3が設定された計量完了位置に到達したときは、計量が正常に行われたものとしてステップS6に進んで計量動作が停止される。
さらに、前記ステップS7における比較結果において、前記射出スクリュ3の後退速度の現在値が標準後退速度Vrの設定値と略等しいと判断された場合(ステップS13)は、前記ステップS5に戻って射出スクリュ3の後退位置が入力処理手段15の位置設定器で設定された計量完了位置に到達したことを確認された後に、ステップS6に進んで溶融樹脂の計量が前記入力処理手段14で設定した背圧設定値で正常に行われたものとして計量動作が停止される。
【0027】
前記ステップS7における比較結果において、前記射出スクリュ3の後退速度の現在値が標準後退速度Vrの設定値より著しく下まわっていると判断された場合(ステップS10)は、図3に示すように、前記計量方法とは別の計量方法を行うことができる。
すなわち、前記後退速度の現在値が標準後退速度Vrの設定値より著しく下まわっていると判断されると、コントローラ14が射出スクリュ3を前記標準後退速度を、例えば、その1/2の速度に設定して前記スクリュ前後進制御駆動装置17を動作させることにより、前記入力処理手段14で設定した背圧設定値に関係なく、射出スクリュ3が強制的に後退され(ステップS14)、射出スクリュ3が計量完了位置に到達したときに(ステップS15)、前記射出スクリュ3が設定された回転速度で回転が開始される(ステップS16)。その射出スクリュ3の回転中は、前記圧力センサー13からの圧力信号kにより背圧の実測値がコントローラ14で監視されており、該背圧の実測値が、前記入力処理手段15の圧力設定器で設定した背圧設定値に到達するまで射出スクリュ3が回転されて、到達したことが確認されると(ステップS17)、溶融樹脂の計量が正常に行われたものとして計量動作が停止される(ステップS6)。
【0028】
前記実施の形態に係る射出成形機の計量方法によれば、射出スクリュ3を金型に接触させない状態で計量を行う計量方法において、予め、電動射出成形機Aの可塑化能力にもとづいて定めた射出スクリュ3の設定回転速度に対応する標準後退速度Vrを設定しておき、前記射出スクリュ3を所定の設定回転速度Rsvで回転させて計量する時に、射出スクリュ3の後退速度をアブソリュートエンコーダ9aで検出して、その検出値が前記射出スクリュ3の所定の設定回転速度Rsvに対応する標準後退速度Vrを上まわった場合に、入力処理手段15の表示器に警告メッセージを発生させると共に計量動作を停止させるようにしたので、樹脂材料が高粘度樹脂であって、射出スクリュ3の設定背圧や加熱筒2の設定温度では、樹脂と加熱筒2の内壁との摩擦が大きい等の要因により、十分に樹脂の可塑化が進まないか可塑化が行われない状態が生じた場合には、その異常状態をいち早く的確に知ることができて事後の対応処理を適切に行うことができると共に、異常状態で計量動作が無理に継続して機械に故障が発生するのを確実に防止することができる。
【0029】
また、前記射出スクリュ3を所定の設定回転速度Rsvで回転させて計量する時に、射出スクリュ3の後退速度の検出値が前記射出スクリュ3の所定の設定回転速度Rsvに対応する標準後退速度Vrを下まわった場合に、前記射出スクリュ3の背圧の設定値を自動的に変更すると共に、その変更回数が予め設定した回数になったとき、計量動作を停止させるようにしたので、溶融樹脂が射出ノズル2aから外部へ漏れ出てしまう恐れがある低粘度樹脂の場合であっても、適時に射出スクリュ3の背圧設定値を変更することによって、その後退移動を促進させ、射出スクリュ3をその計量完了位置に到達させて溶融樹脂の計量を確実に行わせることができる。また、射出スクリュ3の背圧設定値を繰り返し変更しても、計量が確実に行われない異常状態のときは、不要に計量動作が継続するのを確実に防止することができる。
さらに、前記射出スクリュ3を所定の設定回転速度Rsvで回転させて計量する時に、射出スクリュ3の後退速度の検出値が前記射出スクリュ3の所定の設定回転速度Rsvに対応する標準後退速度Vrを下まわった場合に、前記射出スクリュ3を強制的に計量完了位置に後退させた後に、前記射出スクリュ3の背圧を監視しながら射出スクリュ3を回転させ、該背圧が前記設定値になったときに計量動作を停止させるようにすると、加熱筒2の樹脂溜まり部2c内の圧力が減圧され、樹脂溜まり部2c内の溶融樹脂が射出スクリュ3のスクリュヘッド側への流動が促進され、超低粘度樹脂であっても、射出ノズル2aからの鼻たれ現象を効果的に防止しながら確実に溶融樹脂の計量を行うことができる。
【0030】
なお、前記実施の形態は、前記加熱筒2内に挿入した射出スクリュ3を、スクリュ回転用電動サーボモータ5で回転させると共に、スクリュ前後進用電動サーボモータ9の回転をねじ軸7にナット6を螺合させたねじ機構8を介して直線運動に変換して前後進移動させ、射出スクリュ3の回転速度、背圧、移動速度、移動位置を、それぞれ、スクリュ回転用電動サーボモータ5のインクレメントエンコーダ5a、圧力センサー13、スクリュ前後進用サーボモータ19のアブソリュートエンコーダ9aで検出して射出スクリュ3の動作を制御するようにした電動式射出成形機Aにおいて本発明に係る計量方法を実施する場合の例であるが、本発明は、これに限らず、前記射出スクリュ3を油圧モータで回転させると共に油圧シリンダで前後進させ、それらを作動させる油圧回路の流量、圧力を調節し、射出スクリュの移動位置を位置センサで直接検出することにより、射出スクリュ3の動作を制御するようにした油圧式射出成形機において実施することもできる。
【0031】
また、前記実施の形態は、本発明の計量方法を、加熱筒内に可塑化スクリュと射出部材を兼ねた射出スクリュを回転自在にかつ軸方向に前後浸自在に収納した形式のインラインスクリュ式射出成形機において実施する場合の例であるが、本発明は、これに限らず、充填シリンダ内に充填プランジャ(射出部材)が前後進自在に挿入された充填装置と、可塑化加熱筒内に可塑化スクリュを回転自在に挿入された可塑化装置とを備え、可塑化装置の可塑化スクリュを回転させて樹脂材料を可塑化して溶融樹脂を充填シリンダの先端の樹脂溜まり部に供給し、該充填シリンダ内に溶融樹脂を計量し、該計量した溶融樹脂を充填プランジャの前進により金型内へ充填するようにしたプリプラ式射出成形機において実施するようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下の優れた効果を奏する。
請求項1に係る射出成形機の計量方法によれば、予め、射出成形機の可塑化能力にもとづいて定めた可塑化スクリュの設定回転速度に対応する射出部材の標準後退速度を設定しておき、前記可塑化スクリュを所定の設定回転速度で回転させて計量する時に、前記射出部材の後退速度を検出して、その検出値が前記可塑化スクリュの所定の設定回転速度に対応する標準後退速度を下まわった場合に、前記射出部材を強制的に計量完了位置に後退させた後に、前記射出部材の背圧を監視しながら可塑化スクリュを回転させ、該背圧が前記設定値になったときに計量動作を停止させるので、加熱筒の樹脂溜まり部内の圧力が減圧され、樹脂溜まり部内の溶融樹脂が射出部材のヘッド側への流動が促進され、超低粘度樹脂であっても、射出ノズルからの鼻たれ現象を効果的に防止しながら確実に溶融樹脂の計量を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る射出成形機の計量方法を実施する計量装置を示す系統図である。
【図2】 同じく作用を説明するフロー図である。
【図3】 同じく作用の他の部分を説明するフロー図である。
【符号の説明】
1 計量装置
2 加熱筒
3 射出スクリュ(射出部材、可塑化スクリュ)
5 スクリュ回転用電動サーボモータ(スクリュ回転モータ)
5a インクレメントエンコーダ(回転速度検出手段)
9 スクリュ前後進用電動サーボモータ(射出駆動手段)
9a アブソリュートエンコーダ(位置検出手段)
10 制御装置
13 圧力センサー(圧力検出手段)
14 コントローラ
15 入力処理手段
16 スクリュ回転制御駆動装置(スクリュ軸制御駆動装置)
17 スクリュ前後進駆動制御駆動装置(射出軸制御駆動装置)
A 電動射出成形機(射出成形機)
K 金型

Claims (1)

  1. 加熱筒の射出ノズルを金型に接触させない状態で、可塑化スクリュを回転させて樹脂材料を可塑化して前記加熱筒の樹脂溜まり部内に溶融樹脂を供給し、該溶融樹脂に所定設定値の背圧を付加しながら加熱筒内を後退する射出部材の後退位置にもとづいて前記樹脂溜まり部内の溶融樹脂を計量する射出成形機の計量方法において、
    予め、射出成形機の可塑化能力にもとづいて定めた可塑化スクリュの設定回転速度に対応する射出部材の標準後退速度を設定しておき、前記可塑化スクリュを所定の設定回転速度で回転させて計量する時に、前記射出部材の後退速度を検出して、その検出値が前記可塑化スクリュの所定の設定回転速度に対応する標準後退速度を下まわった場合に、前記射出部材を強制的に計量完了位置に後退させた後に、前記射出部材の背圧を監視しながら可塑化スクリュを回転させ、該背圧が前記設定値になったときに計量動作を停止させることを特徴とする射出成形機の計量方法。
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