JP5374357B2 - 射出成形機のエジェクタ制御装置 - Google Patents

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本発明は、金型内から成形品を落下させるための射出成形機のエジェクタ装置の制御装置に関する。
一般に、射出成形による成形品を金型より排出するには、射出成形機のエジェクタ装置をエジェクタ用サーボモータにより駆動し、金型内のエジェクタピン又はエジェクタコアを前進/後退移動させて成形品を突き出して排出する。ここで、エジェクタ用サーボモータによって駆動されるエジェクタピン又はエジェクタコアが前進/後退する移動範囲は、エジェクタ装置や金型の機構部品により制限される。そのため、エジェクタピン又はエジェクタコアが前進/後退する位置は、正確に設定する必要があり、誤った位置を設定すると、エジェクタ装置や金型が破損する。また、エジェクタが前進/後退する位置が最適でない場合、不必要なエジェクタ動作を行なうことになり、自動運転時の成形サイクル時間が延び、生産効率が悪化する問題がある。
通常、金型にはエジェクタピンの破損を防止するための機構部品として、エジェクタピンと一体となって動作するリターンピンが設けられている。リターンピンは成形品を突き出すエジェクタピンに比べ太く、機械的強度もある。また、リターンピンはエジェクタピンが完全に後退した状態において可動側金型の表面から突き出ないような構造がとられている。
なお、金型にリターンピンを設けることでエジェクタピンの破損を防止する仕組みは、誤ってエジェクタピンが可動側金型より突き出た状態で金型が閉じた場合、エジェクタピンより先にリターンピンが固定側金型に接触することで、エジェクタピンと固定側金型との直接の衝突を回避し、エジェクタピンが破損することを防止できる場合がある。しかしながら、リターンピンが固定側金型に接触することにより、エジェクタピンを含めてエジェクタ装置や金型が破損に至る場合があった。
従来、射出成形機が駆動するエジェクタ装置の後退端位置の設定方法は、金型を開いた状態で、手動操作によりエジェクタ装置や金型が損傷しないような低速度かつ低トルクでエジェクタ用サーボモータを駆動し、リターンピン又はエジェクタコア等の金型構成部品の位置を目視確認しながら、リターンピン又はエジェクタコア等の金型構成部品が可動側金型の表面より突き出ない状態でエジェクタ用サーボモータの駆動を停止し、この停止した位置を表示装置から読み取り、エジェクタ後退端位置として制御装置に手動設定していた。そのため、オペレータが操作方法を間違えたり、エジェクタ後退端位置を誤設定すると、エジェクタ装置や金型を破損させたりする場合があった。
なお、エジェクタ後退端位置の設定が不正確な場合、エジェクタ装置や金型を破損するに至らなくても、成形サイクル時間が延び、生産効率を悪化させる原因となる。また、自動運転中には、エジェクタ後退端位置を目視確認して変更することは困難なため、運転中にエジェクタ装置や金型の構成部品が緩んだりガタが生じたりしても、射出成形サイクル運転を停止することなくエジェクタ後退端位置を再調整することはできなかった。
射出成形機のエジェクタ装置について、例えば、特許文献1〜特許文献6に開示される技術がある。
特許文献1に開示される技術では、エジェクタ装置のエジェクタロッドに検出器を追加することで、エジェクタロッドがエジェクタプレートに接触する位置を検出してエジェクタ後退端位置を設定することができる。同様に、エジェクタロッド以外の場所に近接スイッチ等の検出器を追加することで、エジェクタ装置や金型の構成部品が接触する位置を検出してエジェクタ後退端位置を設定する手段もある。
特許文献2や特許文献3に開示される技術では、エジェクタ装置を駆動するモータの位置や負荷よりモータの回転有無を計測し、エジェクタプレート(金型内突出板)が金型内面に到達したエジェクタ前進端位置を検出できる。
特許文献4に開示される技術では、金型を設置/非設定の2成形サイクル分の電流を計測して比較することでエジェクタ突出開始位置を検出できる。
特許文献5に開示される技術では、成形品のエジェクト動作時以外は、モータの励磁を切ることで、リターンピンが固定側金型に衝突した衝撃を緩和し、エジェクタ装置や金型の損傷を緩和することができる。
特許文献6に開示される技術では、自動運転中にエジェクタ装置の構成部品が固定側金型に衝突した後、次回のエジェクト動作よりエジェクタ速度を減速することで、エジェクタ装置の構成部品が固定側金型に衝突する衝撃を緩和することができる。
特開平3−207626号公報 特開平5−286001号公報 特開2001−191370公報 特開2004−50474公報 特開平8−20052号公報 特開平9−254222号公報
特許文献1に開示される技術では、検出器の追加が必要となるため、エジェクタ装置が複雑になり、またエジェクタ装置がコストアップする問題があった。さらに、リターンピンが可動側金型の表面から突き出ないような最適な位置を自動的に検出することはできなかった。
特許文献2や特許文献3に開示される技術では、エジェクタ前進端位置においては、リターンピンは可動側金型より突き出た状態となっており、リターンピンの先端が可動側金型に収まった状態であるべきエジェクタ後退端位置は検出できなかった。
特許文献4に開示される技術では、1回だけのサイクルではエジェクタ後退位置を検出できないことと、リターンピンが可動側金型の表面から突き出ないような最適な位置を自動的に検出することができないこと、自動運転中にエジェクタ後退端位置を再調整することができない問題があった。また、特許文献5や特許文献6に開示される技術の手段では、リターンピンが固定側金型に衝突することを回避することはできず、エジェクタ後退端位置を訂正することはできなかった。
そこで本発明の目的は、射出成形機において、金型内から成形品を排出するエジェクタ装置に関し、型閉じ工程において、エジェクタ用サーボモータと金型開閉用サーボモータの両者の相互作用によってエジェクタの位置が変化することに着目し、最適なエジェクタ後退端位置を自動的に検出し、検出した位置を制御装置に自動的に反映することができる射出成形機のエジェクタ装置の制御装置を提供することである。
本願の請求項1に係る発明は、成形品を金型より排出するエジェクタ装置を備えた射出成形機のエジェクタ制御装置において、金型開閉用サーボモータで金型を閉じる手段と、可動プラテンが所定の位置に到達したらエジェクタ用サーボモータのトルク制限値を変更する手段と、型閉じ後にエジェクタ位置を検出する手段と、前記検出したエジェクタ位置を記憶することを特徴とする射出成形機のエジェクタ制御装置である。
請求項2に係る発明は、前記記憶したエジェクタ位置を前記エジェクタ装置のエジェクタ後退端位置として前記エジェクタ用サーボモータを制御することを特徴とする請求項1に記載の射出成形機のエジェクタ制御装置である。
請求項3に係る発明は、前記記憶したエジェクタ位置に予めパラメータとして設定された距離を減じた位置を前記エジェクタ装置のエジェクタ後退端位置として前記エジェクタ用サーボモータを制御することを特徴とする請求項1または2のいずれか一つに記載の射出成形機のエジェクタ制御装置である。
請求項4に係る発明は、前記記憶したエジェクタ位置を表示装置に表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の射出成形機のエジェクタ制御装置である。
請求項5に係る発明は、前記エジェクタ後退端位置を表示装置に表示することを特徴とする請求項2または3のいずれか一つに記載の射出成形機のエジェクタ制御装置である。
請求項6に係る発明は、前記エジェクタ装置のエジェクタ位置が前記ジェクタ後退端位置を超えると異常検出信号を出力することを特徴とする請求項2または3のいずれか一つに記載の射出成形機のエジェクタ制御装置である。
本発明により、エジェクタ装置や金型の破損を回避できるので、金型交換後の調整時だけでなく、自動運転時においても、最適なエジェクタ後退端位置を自動的に検出し、検出した位置を制御装置に自動的に反映し、最適なエジェクタ後退端位置を自動的に調整し、無駄のない成形サイクル時間にて良好な運転状態を維持する射出成形機のエジェクタ装置の制御装置を提供できる。
本発明に係るエジェクタ装置のシステム構成を説明する図である。 本発明に係るエジェクタ後退端位置を求める動作シーケンスを説明する図である。 エジェクタのトルクと可動プラテンの位置または時間との関係を説明する図である。 可動側金型と固定側金型が密着した場合の隙間を説明する図である。 表示装置の操作画面の一例を説明する図である。 エジェクタ後退端位置の検出を行う処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。 エジェクタ後退端位置の設定異常を検出する処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。 表示装置にアラームメッセージを表示する一例を説明する図である。 可動側金型内にバネを有する金型の一例を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明に係るエジェクタ装置のシステム構成を説明する図である。射出成形機10は、射出成形機本体30と射出成形機本体30を制御する制御装置50とから構成される。
射出成形機本体30は、機台45上にリアプラテン33、可動プラテン37、および固定プラテン43を立設して備えている。リアプラテン33と固定プラテン43とは複数本のタイバ(図示せず)によって連結されている。また、可動プラテン37は複数本の前記タイバに摺動自在に配置されている。
リアプラテン33には、可動プラテン37を固定プラテン43に向かって前進・後退させ金型の開閉と型締を行う金型開閉機構44が取り付けられている。金型開閉機構44は、金型開閉用サーボモータ32の回転力を伝達するための機構であり、ベルト44a、プーリ44b、ボールネジ44c、およびトグル機構44dなどから構成される。金型開閉用サーボモータ32は自身の回転位置を検出する第1の位置検出器31を備えている。
金型開閉用サーボモータ32を後述して説明する制御装置50からの指令により駆動し、ベルト44aなどを介してプーリ44bを回転させ、ボールネジ44cに螺合するナットを備えたトグル機構44dを伸ばしたり縮めたりして可動プラテン37を固定プラテン43方向に前進・後退させる。可動プラテン37を前進させることによって型閉じ・型締めを行ない、可動プラテン37を後退させることによって型開きを行う。
射出成形用の金型は、可動プラテン37に装着される可動側金型40と固定プラテン43に装着される固定側金型42とからなる。型閉じの際、可動側金型40の一側面は固定側金型42に当接し、これによって可動側金型40と固定側金型42とによりキャビティが形成される。可動側金型40と固定側金型42とで形成されるキャビティ内に図示しない射出部から溶融樹脂を該キャビティ内に射出し成形品46を生産する。
次に、エジェクタ装置を説明する。エジェクタ装置は、エジェクタ用サーボモータ35、エジェクタ駆動機構36、エジェクタロッド38、エジェクタプレート39、エジェクタピン41、およびリターンピン48などから構成される。可動プラテン37には貫通孔が形成されており、この貫通孔にはエジェクタロッド38が挿入されている。エジェクタロッド38の可動側金型40の側の端部には、エジェクタプレート39が連結されている。エジェクタプレート39のエジェクタロッド38が連結されている面と反対側の面に、成形品46を可動側金型40から落下させる1本以上のエジェクタピン41が取り付けられている。
エジェクタロッド38には図示しないボールネジが連結されており、該ボールネジは可動プラテン37に回転自在で軸方向に移動不能に固定されているナット(図示せず)に螺合し、該ボールネジにはプーリ36bが取り付けられている。型開きの際には型開完了位置近傍で、制御装置50からの指令によりエジェクタ用サーボモータ35を駆動し、エジェクタ駆動機構36を介してエジェクタ用サーボモータ35の回転がエジェクタロッド38の前進動作に変換される。そして、エジェクタロッド38が可動プラテン37に取り付けられた可動側金型40内のエジェクタプレート39を押圧し、エジェクタピン41を可動側金型40から突き出し、成形品46を落下させる。
制御装置50は、射出成形機10全体を制御する装置であり、プロセッサ55、RAM61,ROM62などのメモリ、入出力回路58、表示装置/MDI60等で構成され、それらは相互にバス54で接続されている。サーボインタフェース53には、第1の位置検出器31および第2の位置検出器34からそれぞれのモータの位置検出信号がフィードバックされる。サーボインタフェース53にはサーボアンプ51,52に設けられた図示しない電流検出器から各サーボモータ32,35に流れる電流を検出した、検出駆動電流信号がフィードバックされている。
プロセッサ55は、RAM61、ROM62、あるいは成形データ保存用メモリ56に格納されたデータやプログラムに従って射出成形機10全体を制御する。プロセッサ55は、
サーボインタフェース53を介して取得した金型開閉用サーボモータ32の第1の位置検出器31やエジェクタ用サーボモータ35の第2の位置検出器34からの位置フィードバック信号や検出駆動電流信号に基づいて金型開閉用サーボモータ32の位置および速度、エジェクタ用サーボモータ35の位置、速度、およびトルクを制御する制御手段である。成形データ保存用メモリ56は、射出成形作業に関する成形条件と各種設定値、パラメータなどを記憶しており、エジェクタロッド38の突き出し目標位置、エジェクタ後退端位置PosEjectBackなどが記憶される。
表示回路57は各種表示内容を表示装置/MDI60の表示装置に表示する制御回路である。表示装置/MDI60は手動入力により各種データを制御装置50内のメモリに入力することができる。また、警告灯59は入出力回路58を介して射出成形機10にエジェクタ位置など何らかの異常が発生した場合に点灯する。
図2は、本発明に係るエジェクタ後退端位置を求める動作シーケンスを説明する図であ
る。図2(a)は型閉の開始の時の状態、図2(b)はリターンピン48が金型に接触した状態、図2(c)は型閉じの終了状態を説明する図である。なお、図2に示されるリターンピン48の位置は、金型交換の終了後などの段取り作業の中で行われるエジェクタ後退端位置PosEjectBackを求める状態の場合である。あるいは、自動サイクル運転中にエジェクタ後退端位置PosEjectBackに異常が発生した状態の場合である。
図2(a)に示されるように、可動側金型40と固定側金型42とが開いた状態でリターンピン48が可動側金型40の表面より突き出た状態のまま、金型開閉用サーボモータ32を駆動して可動側金型40と固定側金型42とを閉じる。次に、可動プラテン37が所定の位置(エジェクタのトルクを切り換える可動プラテン位置PosPlaten)に到達したらエジェクタ用サーボモータ35のトルク制限値Tlimitをエジェクタ装置(エジェクタ用サーボモータ35、エジェクタロッド38,エジェクタプレート39,エジェクタピン41,およびリターンピン48など)や金型(可動側金型40,固定側金型42)が破損しない程度の低トルクTlowに自動的に切り換え(図3のグラフ参照)、リターンピン48にかかる力を緩める。
なお、エジェクタ用サーボモータ35のトルク制限値Tlimitは、金型交換後の調整時や自動運転時等の射出成形機の運転モード毎に異なるトルク制限値Tlimitを設けて使い分けても良い。
また、エジェクタ用サーボモータ35のトルク制限値Tlimitを切り換える可動プラテン37の位置(エジェクタ用サーボモータ35のトルクを切り換える位置である可動プラテン位置PosPlaten)は、予めパラメータとして成形データ保存用メモリ56に設定されている値を使用しても良いし(図5参照)、(数1)式のようにリターンピン48が固定側金型42表面に接触する前の距離を計算により求めた値 PosPlaten を使用しても良い。
PosPlaten = PosTouch −EjectStroke −α (数1)
PosPlaten :エジェクタのトルクを切り換える可動プラテン位置
PosTouch :金型が閉じた状態の可動プラテン位置
EjectStroke : リターンピン48の最大ストローク
α : マージン
続いて、このエジェクタ用サーボモータ35のトルク制限値Tlimitを低トルクTlowに切り換えた状態のまま、金型開閉用サーボモータ32を駆動して可動プラテン37を前進させ可動側金型40を閉じ続けると、図2(b)に示されるようにリターンピン48が固定側金型42表面に接触する。しかし、エジェクタ用サーボモータ35のトルク制限値Tlimitを低トルクTlowに変更してあるので、リターンピン48にかかる力は緩んでおり、リターンピン48と固定側金型42が接触した際の衝撃は小さく、エジェクタ装置や金型を破損することはない。
さらに、金型開閉用サーボモータ32を駆動し可動プラテン37を前進させ続け可動側金型40を閉じ続けると、エジェクタ用サーボモータ35の駆動によって生じるリターンピン48を押す力(換言すれば、エジェクタ用サーボモータ35がエジェクタ位置を保持する力)Feは、金型開閉用サーボモータ32が可動側金型40を閉じることによって生じる固定側金型42が押し返す力より小さいので、図2(c)に示されるようにリターンピン48は固定側金型42によって可動側金型40内に押し戻され、リターンピン48は可動側金型40の表面近辺の可動側金型40内に収まった位置で停止する。
リターンピン48が可動側金型40の表面近辺の可動側金型40内に収まった位置で停止した状態では、リターンピン48には、金型(可動側金型40,固定側金型42)が破損しない程度の低トルクTlowが働いているので、リターンピン48は可動側金型40内の表面近辺の停止位置を保持する。このリターンピン48が停止したエジェクタ位置PosEjectをエジェクタ用サーボモータ35の第2の位置検出器34を用いて計測し、計測したエジェクタ位置PosEjectを成形データ保存用メモリ56に設定し記憶しておく。
射出成形機を手動運転または自動運転する際には、前記記憶したエジェクタ位置PosEjectをエジェクタ後退端位置PosEjectBackとして、エジェクタ装置を制御することができる。
図3は、エジェクタのトルクと可動プラテンの位置または時間との関係を説明する図である。図3(a)は、型閉じの開始位置からの可動プラテン位置、または型閉じの開始からの経過時間に対するエジェクタ用サーボモータのトルクである。
エジェクタ用サーボモータ35が発生するトルクの制限値は、型閉じの開始から可動プラテン37が所定の位置に到達するまでトルク制限値Tlimitに維持される。そして、可動プラテン37が所定の位置に到達したら低トルク値Tlowに切り換えられる。そして、所定の位置から型閉じの終了までトルク制限値Tlimitより低いトルクの低トルク値Tlowに維持される。型閉じが終了するとエジェクタ用サーボモータ35が発生するトルクは元のトルク制限値Tlimitに上げられる。一方、リターンピン48を駆動するエジェクタ用サーボモータ35の実トルクTrは、リターンピン48が固定側金型42に接触すると上昇する。
図3(b)は、エジェクタの位置と可動プラテン位置または時間との関係を説明する図である。図中の破線部に示されるように、リターンピン48が固定側金型42に接触する前にエジェクタ用サーボモータ35のトルク制限値Tlimitを緩めたことにより、リターンピン48は固定側金型42によって可動側金型40の表面位置まで押し戻される。
エジェクタ用サーボモータ35によるリターンピン48が押し戻されないようにする低トルク値Tlowの抗力と、金型開閉用サーボモータ32が型閉じすることによって生じる固定側金型42がリターンピン48を押し戻す力とが、可動側金型40の表面の位置で釣り合い、リターンピン48の位置が保持される。この位置を最適なエジェクタ後退端位置PosEjectBackとする。
図4は、リターンピン48が無い金型にてエジェクタ後退端位置PosEjectBackを求める場合について説明する図であり、動作シーケンスを表す前記の図2(c)の状態に相当する。このような金型では、リターンピン48の代替手段としてエジェクタピン41を用いて、同様の手法を適用し、エジェクタ位置PosEjectやエジェクタ後退位置PosEjectBackを求めることができる。
なお、図4に示されるように、可動側金型40と固定側金型42とが密着した状態において、可動側金型40と固定側金型42の間にキャビティ空間47等の隙間がある。リターンピン48が無い金型では、エジェクタピン41が可動側金型40の表面から前記隙間へ突き出た状態で停止する。
この金型の隙間は、スケールを用いて隙間の距離を測定したり、金型図面を参照したりすることで測定できるので、この隙間の距離を予めパラメータとして成形データ保存用メモリ56に設定しておくことができる。射出成形機を手動運転または自動運転する際には、成形データ保存用メモリ56に設定したエジェクタ位置PosEjectBackに前記パラメータを減じた位置を(数2)式に示されるようにエジェクタ後退端位置PosEjectBackとして、エジェクタ装置を制御しても良い。
PosEjectBack = PosEject −CavitySize (数2)
PosEjectBack :エジェクタ後退端位置
PosEject :成形データ保存用メモリに記憶したエジェクタ位置
CavitySize :キャビティ空間等の隙間のサイズ
さらに、図5に示されるように、前記記憶されたエジェクタ位置またはエジェクタ後退端位置PosEjectBackを表示装置/MDI60に表示することもできる。図5は、表示装置の操作画面の一例を説明する図である。符号300は、エジェクタ後退端位置の表示を表す。符号302は、エジェクタ用サーボモータのトルクを切り換える可動プラテン位置の表示を表す。符号304は、エジェクタ後退速度の表示を表す。符号306は、エジェクタ前進速度を表す。符号308は、エジェクタ前進端位置を表す。符号310は、エジェクタ後退端位置(検出値)を表す。
射出成形機のオペレータは、表示装置に表示されたエジェクタ位置またはエジェクタ後退端位置を目視確認した後、エジェクタ装置またはエジェクタ後退端位置PosEjectBackを入力装置を用いて成形データ保存用メモリ56に手動で設定し、射出成形機を手動運転または自動運転することができる。
また、エジェクタピン41やリターンピン48の代わりに、エジェクタ用サーボモータ35を駆動することで可動側金型40の表面から突き出て固定側金型42と当接するエジェクタコア等の金型構成部品を持った金型の場合にも同様の手法を適用できる。
さらに、図9のように、可動側金型40内にバネを有し、バネ49の復元力によってエジェクタプレート39を可動プラテン37の方向に押し戻すことで、エジェクタプレート39とエジェクタロッド38との接触を保つ構造を有する金型であっても同様の手法を適用できる。
また、射出成形機の自動運転中においては、型閉じ開始時にエジェクタピン41又はリターンピン48等の金型構成部品が可動側金型40内に収まっている場合であっても、運転中にエジェクタ装置や金型の構成部品の組付けガタや緩み等が発生し、エジェクタピン41又はリターンピン48等の金型構成部品が可動側金型40の表面より突き出る場合がある。このように、自動運転中では、型閉じ中にエジェクタピン41又はリターンピン48等の金型構成部品が可動側金型40より突き出たことを検出した場合のみ、本発明の手段で検出したエジェクタ後退端位置PosEjectBackを用いてエジェクタ装置を制御するようにしても良い。
次に、図6により、エジェクタ後退端位置の検出を行う処理のアルゴリズムを示すフローチャートを説明する。以下、各ステップに従って説明する。
●[ステップSA100]エジェクタのトルク制限値Tlimitを通常のトルク値Tstdに設定する。
●[ステップSA101]型閉じ開始。
●[ステップSA102]現在の可動プラテン位置データを取得しCPとする。
●[ステップSA103]現在の可動プラテン位置データを表すCPはエジェクタ用サーボモータのトルク値を切り換える可動プラテン位置データを表すPosPlaten以上であるか否か判断し、CPがPosPlaten以上である場合にはステップSA104へ移行し、以上でない場合にはステップSA102に戻る。つまり、可動プラテンがエジェクタ用サーボモータのトルクを切り換える位置に達するのを監視する。
●[ステップSA104]エジェクタ用サーボモータのトルク制限値Tlimitを、金型を破損しない低トルク値Tlowとする。
●[ステップSA105]現在の可動プラテン位置データを取得しCPとする。
●[ステップSA106]現在の可動プラテン位置CPは型閉じ終了時の可動プラテン位置CPend以上であるか否か判断し、CPがCPend以上である場合には、ステップSA107へ移行し、以上でない場合にはステップSA105へ移行する。
●[ステップSA107]検出したエジェクタ位置PosEjectをエジェクタ後退端位置PosEjectBackとする。
●[ステップSA108]エジェクタのトルク制限値Tlimitを通常のトルク値Tstdに戻し、処理を終了する。
なお、ステップSA107において、エジェクタ後退端位置PosEjectBackをパラメータで補正してもよい。エジェクタ後退端位置PosEjectBack=検出したエジェクタ位置PosEject―パラメータ値。パラメータ値としては例えばキャビティ空間などの隙間のサイズを指定することができる。
次に、図7により、エジェクタ後退端位置の設定異常を検出する処理のアルゴリズムを示すフローチャートを説明する。以下、各ステップに従って説明する。
●[ステップSB100]型閉じ開始。
●[ステップSB101]現在のエジェクタ位置データを取得しPosEjectとする。
●[ステッSB102]現在のエジェクタ位置PosEjectはエジェクタ後退端位置PosEjectBackより小さいか否か判断し、小さい場合にはステップSB103へ移行し、小さくない場合にはステップSB104へ移行する。
●[ステップSB103]異常検出信号を出力し、アラームメッセージを表示装置に表示する。
●[ステップSB104]型閉じ終了か否か判断し、終了の場合は今回の処理を終了し、型閉じ終了でないならステップSB101へ戻り、処理を継続する。
また、運転中にエジェクタ位置が前記記憶されたエジェクタ後退端位置を超えた場合は、異常検出信号を入出力回路経由で出力して警告灯を点灯すること、さらに、表示装置にアラームメッセージを表示することができる。図8は、表示装置にアラームメッセージを表示する一例を説明する図である。表示装置/MDI60の表示画面には、符号312は、ALM123が表示される例である。
上述したように、本発明により、オペレータが手動操作を行ないながら目視でエジェクタ位置を調整することなく、自動的に最適なエジェクタ後退端位置を検出し、検出したエジェクタ後退端位置を用いてエジェクタ装置を制御したり、検出したエジェクタ後退端位置を表示装置に表示したり、アラーム警告動作を行なうことができるエジェクタ装置の制御装置を提供することができる。
また、最適なエジェクタ後退端位置を自動的に検出し制御装置に設定することにより、オペレータの作業負担を軽減し、オペレータがエジェクタ後退端位置を誤設定することによって生じるエジェクタ装置や金型の破損を防止することができる。
また、エジェクタ装置や金型の破損を回避できるので、金型交換後の調整時だけでなく、通常の射出成形を行なう自動運転時にも適用可能である。そのため、自動運転中において、エジェクタ装置や金型の構成部品の組付けガタや緩み等が生じ、エジェクタ後退端位置が変動しても、エジェクタ装置や金型を破損することなく、常に最適なエジェクタ後退端位置を用いてエジェクタ装置を制御することができる。
また、最適なエジェクタ後退端位置を使用して自動運転を行なうので、成形サイクル時間を長くするような無駄なエジェクタの前進/後進動作を排除することができ、良好な生産効率を維持することができる。
10 射出成形機
30 射出成形機本体
31 第1の位置検出器
32 金型開閉用サーボモータ
33 リアプラテン
34 第2の位置検出器
35 エジェクタ用サーボモータ
36 エジェクタ駆動機構
36a ベルト
36b プーリ
37 可動プラテン
38 エジェクタロッド
39 エジェクタプレート
40 可動側金型
41 エジェクタピン
42 固定側金型
43 固定プラテン
44 金型開閉機構
44a ベルト
44b プーリ
44c ボールネジ
44d トグル機構
45 機台
46 成形品
47 キャビティ空間
48 リターンピン
49 バネ
50 制御装置
51 第1のサーボアンプ
52 第2のサーボアンプ
53 サーボインタフェース
54 バス
55 プロセッサ
56 成形データ保存用メモリ
57 表示回路
58 入出力回路
59 警告灯
60 表示装置/MDI
61 RAM
62 ROM
Tlimit エジェクタ用サーボモータのトルク制限値
Tstd 通常のトルク値
Tlow 金型を破損しない低トルク
Tr 実トルク
PosEject エジェクタ位置
PosEjectBack エジェクタ後退端位置
PosPlaten エジェクタ用サーボモータのトルクを切り換える可動プラテン位置
CP 現在の可動プラテン位置
CPend 型閉じ終了時の可動プラテン位置

Claims (6)

  1. 成形品を金型より排出するエジェクタ装置を備えた射出成形機のエジェクタ制御装置において、金型開閉用サーボモータで金型を閉じる手段と、可動プラテンが所定の位置に到達したらエジェクタ用サーボモータのトルク制限値を変更する手段と、型閉じ後にエジェクタ位置を検出する手段と、前記検出したエジェクタ位置を記憶することを特徴とする射出成形機のエジェクタ制御装置。
  2. 前記記憶したエジェクタ位置を前記エジェクタ装置のエジェクタ後退端位置として前記エジェクタ用サーボモータを制御することを特徴とする請求項1に記載の射出成形機のエジェクタ制御装置。
  3. 前記記憶したエジェクタ位置に予めパラメータとして設定された距離を減じた位置を前記エジェクタ装置のエジェクタ後退端位置として前記エジェクタ用サーボモータを制御することを特徴とする請求項1または2のいずれか一つに記載の射出成形機のエジェクタ制御装置。
  4. 前記記憶したエジェクタ位置を表示装置に表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の射出成形機のエジェクタ制御装置。
  5. 前記エジェクタ後退端位置を表示装置に表示することを特徴とする請求項2または3のいずれか一つに記載の射出成形機のエジェクタ制御装置。
  6. 前記エジェクタ装置のエジェクタ位置が前記ジェクタ後退端位置を超えると異常検出信号を出力することを特徴とする請求項2または3のいずれか一つに記載の射出成形機のエジェクタ制御装置。
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