JP4005229B2 - 半導体素子製造用化学気相蒸着装置及びその洗浄方法 - Google Patents

半導体素子製造用化学気相蒸着装置及びその洗浄方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
半導体素子製造用化学気相蒸着装置及びその洗浄方法並びに工程チャンバーの洗浄工程レシピ最適化方法に係り、より詳しくは半導体ウェーハに対する所定の工程を実行した後に工程チャンバー内およびガス供給ラインを洗浄する半導体素子製造用化学気相蒸着装置及びその洗浄方法並びに工程チャンバーの洗浄工程レシピ最適化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体製造工程は、所定の条件を備えた工程チャンバー内で行われ、特に、低圧化学気相蒸着工程中には半導体ウェーハのみではなく、工程チャンバーのチューブ内壁とロードロックチャンバーとの間でウェーハを運搬及び貯蔵するボートにも膜が形成される。このような膜は、ウェーハをローディング/アンローディングする過程でストレスを受けてパーティクルを発生させる要因になるとともに、これは工程実行中ウェーハのディフェクト要因になる。
【0003】
このようなディフェクト要因を減少するためには、一定の時間内で工程チューブ内を反復してピーエム(Preventive Maintenance:PM)するようになる。しかし、ピーエムは、生産を中止して設備を運休する間に実行するため、この運休する時間に半導体装置の生産性を低下させる要因として作用する。図8は、このような従来の半導体製造用化学気相蒸着装置の工程チューブを洗浄する工程の過程を概略的に示したフローチャートである。
【0004】
図8に示すように、従来の半導体製造用化学気相蒸着装置の工程チューブを洗浄する工程(ピーエム)は、まず、半導体ウェーハに対する所定の工程を行った後、システム(工程チャンバー)を冷却させる。工程チャンバーが十分に冷却されると、工程チャンバーのチューブ等を順に分解して除去し、この除去したチューブを湿式エッチング(洗浄)する。この湿式エッチングは、工程チューブ内のポリシリコン膜やシリコンナイトライド膜を除去するために通常弗化水素(HF)系統の化学薬品を使用する。次に、膜を除去したチューブを再び工程チャンバー内に組立てた後、真空ポンプを稼動して真空テストを実施する。真空テストを実施すると、工程チャンバー内で実際に工程を実行できる条件を備えているかの有無を判断する工程保証(Process Recertification)を実施する。
【0005】
しかし、このような従来の半導体製造用化学気相蒸着装置の工程チューブを洗浄するピーエム方法では、その費用及び労働力の消耗が大きいだけではなく所要時間も24時間以上かかってしまう問題点があった。
【0006】
このような問題点を解決するために、湿式エッチングを行う代わりに種々の方法として、NF3 、CF4 ガスを利用したプラズマエッチングによる洗浄方法、熱的ストレスによってチャンバー内に形成された膜を除去する熱的ショック技術(Thermal shock Technology)を使用した洗浄方法、及びClF3 、BrF5 ガスを使用して乾式エッチングを行う洗浄方法などにより洗浄を実行することもあった。
【0007】
このように、従来の半導体製造用化学気相蒸着装置は、チューブを分解して湿式エッチング、プラズマエッチング、ClF3 、BrF5 ガスによる乾式エッチングなどの種々の洗浄方法により洗浄して再び組み立てて真空テスト、工程保証を実行することでチューブを洗浄していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の半導体製造用化学気相蒸着装置では、前述した従来技術を使用してもなおチューブの分解及び組立て工程を必要とするため、その処理費用及び労働力の消耗が大きいだけではなく所要時間も相当かかるという問題点があった。
本発明はこのような課題を解決し、洗浄ガス供給ライン、サンプリングマニフォルド及びガス分析器を備えてインシチュで工程チャンバー内を洗浄することができる半導体素子製造用化学気相蒸着装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、本発明の半導体素子製造用化学気相蒸着装置により半導体ウェーハに対する所定の工程及びウェーハのアンローディング後、インシチュで洗浄工程が実行できる半導体素子製造用化学気相蒸着装置の洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明のまた更なる他の目的は、半導体素子製造用化学気相蒸着装置の半導体素子製造用工程チャンバーの洗浄工程レシピ最適化方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために、半導体素子製造のための蒸着工程を実行する工程チャンバーと、この工程チャンバーに工程ガスを供給するための複数個の工程ガス供給ラインと、工程チャンバーから工程実行後の廃ガスをポンピング手段によって除去する廃ガス排気ラインと、工程チャンバーに洗浄ガスを供給するための洗浄ガス供給ラインと、工程チャンバーに接続されて当該工程チャンバーの圧力以下に調節してこの工程チャンバー内のガスを差圧を利用してサンプリングするサンプリングマニフォルドと、このサンプリングマニフォルドからのサンプリングガスを分析するガス分析器とを備え、工程チャンバー(10)は、密閉された外側チューブ内に上側が開放された内側チューブを備えた低圧化学気相蒸着チャンバーであり、サンプリングマニフォルドが外側チューブに配管接続されるとともに、当該サンプリングマニフォルドは、外側チューブとの接続部から順次的に、パージガスを供給するための第1エアーバルブ及び第2エアーバルブと、サンプリング用ポンプを接続して内圧調整するための第1アイソレーションバルブ、第2アイソレーションバルブ、及び第3アイソレーションバルブと、ガス分析器に接続する後端のゲートバルブとが設置され、この第1エアーバルブ及び第2エアーバルブを介してパージガス供給ラインがさらに設置される。
ここで、望ましくは、工程チャンバーは密閉された外側のチューブ内に上側が開放された内側のチューブを備えた低圧化学気相蒸着チャンバーであり、洗浄ガスはClFガスであるとともに、洗浄ガス供給ラインは内側チューブに配管接続することが好ましい。
また、サンプリングマニフォルドには、差圧を利用したサンプリングを行わない場合、パージガスを供給して工程チャンバー内の圧力と同一に維持するための臨界オリフィスが設置されることが好ましい。
また、サンプリングマニフォルドのパージガス供給ラインはパージガス供給源から第1及び第2エアーバルブにそれぞれ接続されて中間部にそれぞれ第3及び第4エアーバルブを備え、サンプリングマニフォルドの第1アイソレーションバルブと第2アイソレーションバルブとの間にはCMゲージ及びサンプリング用ポンプ設置されてサンプリングマニフォルドの一次圧力を調整できるようにすることが好ましい。
また、廃ガス排気ラインのポンピング手段にはこのポンピング手段を経由した廃ガスを洗浄するためのスクラバーがさらに設置されているとともにサンプリングポンプを経由したガスも同時にスクラバーを経由して排出されるように形成することが好ましい。
また、ガス分析器は質量分析器、ターボポンプ及びベーキング用ポンプを内蔵したRGA−QMSであり、ガス分析器を経由したガスがスクラバーを経由して排出されるようにして環境汚染を防止することが好ましい。
【0010】
一方、本発明による半導体素子製造用化学気相蒸着装置の洗浄方法は、工程チャンバー、工程チャンバーに工程ガスを供給するための複数個の工程ガス供給ライン、工程チャンバーから工程実行後の廃ガスを除去する廃ガス排気ライン、工程チャンバーに洗浄ガスを供給するための洗浄ガス供給ライン、工程チャンバーに接続されたサンプリングマニフォルド、及びサンプリングマニフォルドからのサンプリングガスを分析するガス分析器を備える半導体素子製造用化学気相蒸着装置の洗浄方法において、サンプリングマニフォルドから工程チャンバー内のガスのサンプリングを開始する工程と、ガス分析器の最初基本値を一定の水準以下に低く保持するためにガスをベーキングしながらアウトガシングする工程と、各工程でガス供給ラインのパーティクルの汚染評価を実施する工程と、工程チャンバー内に収容された半導体ウェーハに対して所定の工程を実行する工程と、工程が完了した後にウェーハをアンローディングした後に工程チャンバー内の廃ガスを排気する工程と、工程チャンバーに洗浄ガスをインシチュで供給しながら工程チャンバー内を洗浄する工程とを備え、サンプリングを行わない場合には、サンプリングマニフォルドとガス分析器とにパージガスを利用して継続的にパージガスを供給してガス分析器の精密度を向上させる。
ここで、工程ガス供給ラインの汚染評価を実行する工程は窒素ガス各工程ガス供給ラインに順次的に流して分析することでリキッジの有無を更に確認するとともに、半導体ウェーハに対する所定の工程はシリコンを含有した膜を形成する工程であり、工程チャンバー内を洗浄する工程では工程チャンバー内に付着した膜をエッチングするため内部の圧力と温度とを一定に維持しながら窒素ガス及び洗浄ガスとしてClFガスを一定に供給して実行することで洗浄工程の終点を容易に検出することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明による半導体素子製造用化学気相蒸着装置及びその洗浄方法並びに工程チャンバーの洗浄工程レシピ最適化方法の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明による半導体素子製造用化学気相蒸着装置の実施の形態を示した構成図である。
【0013】
図1に示すように、本発明による半導体素子製造用化学気相蒸着装置は、二重チューブ、即ち外側チューブ14と内側チューブ16とにより形成された工程チャンバー10を備えている。この工程チャンバー10では、蒸着工程またはプラズマ工程、拡散工程、化学気相蒸着工程等多様な工程が行われる。この工程チャンバー10の下段には、ロードロックチャンバー12が設置されており、工程を実行する際にウェーハを収容するボート18を設けて工程チャンバー10とロードロックチャンバー12との間のエレベータ20によって上下駆動するように構成されている。
【0014】
また、内側チューブ16の下段には、工程実行のための工程ガスを供給するガス供給管22が接続されている。このガス供給管22は、SiH4 供給源24、PH3 供給源26、N2 供給源28、ClF3 供給源30がそれぞれエアーバルブ32、34、36、38、40を介在して接続されている。ここで、ClF3 供給源30は、後述する洗浄ガス供給源である。このようにガス供給管22は、それぞれの工程ガスまたは洗浄ガスなどのガスを選択的に供給できるように配管している。
【0015】
また、工程チャンバー10内で工程を実行した後の廃ガスは、排気ポンプ44により排気管42を通じてスクラバー46を経由し、このスクラバー46で洗浄した後に排気される。
【0016】
また、工程チャンバー10内で発生されるガスの変化メカニズムを測定するために外側チューブ14には、サンプリングポート48を設置し、このサンプリングポート48には柔軟性のある接続部52を介在してサンプリングマニフォルド50を接続している。サンプリングマニフォルド50のサンプリング管54は、ステンレス材質で形成されており、直径が3/8インチの管を使用し、エレクトロポリシング処理を施したものを使用する。サンプリング管54には、一側端から順次的に第1エアーバルブ62、第2エアーバルブ66、第1アイソレーションバルブ68、第2アイソレーションバルブ70、第3アイソレーションバルブ72及びゲートバルブ74が形成されている。この第1及び第2アイソレーションバルブ68、70には、それぞれ100ミクロンのオリフィス(図示せず)が形成されている。また、第3アイソレーションバルブ72には、250ミクロンのオリフィスが形成されている。
【0017】
一方、サンプリングマニフォルド50では、サンプリングをしない間にも常にパージガスを供給するN2 供給源56が設置され、このN2 供給源56から分岐点58を経由して一つは第1エアーバルブ62に接続し、他の一つを第2エアーバルブ66に接続している。また、第1アイソレーションバルブ68と第2アイソレーションバルブ70との間には、CMゲイジ76が設置され、この間に延在したサンプリング管54は分岐されてサンプリング用ポンプ90を経由してスクラバー46に接続されている。
【0018】
また、ゲートバルブ74が形成されたサンプリング管54の後端には、ガス分析器80が接続されている。このガス分析器80は、常用化されたRGA−QMS(Residual Gas Analyzer−Quadrupole Mass Spectrometer)を使用しており、これには質量分析器84を接続し、ターボポンプ86とベーキング用ポンプ88とを介してスクラバー46に配管接続されている。また、質量分析器84には、イオンゲージ82が設置されている。
【0019】
ここで前述したClF3 供給源30から供給されるClF3 ガスは、ポリシリコン、シリコンナイトライド、シリコングラス、タングスタンシリサイドなどの洗浄に使用される洗浄ガスであり、プラズマ状態ではない低温状態でも洗浄工程を実行でき、化学的選択性が良くプラズマが到達できない部分までエッチングが可能であるとともに、ウェーハ表面上にパーティクルの発生が少ないという長所がある。また、ClF3 ガスは、一般的に不活性ガスであるPN2 で20±5体積%に希釈して使用される。このClF3 ガスは、工程チャンバー内の膜質を均一にエッチングするために工程チャンバーの圧力を好ましくは低くする方が望ましい。しかし反面、エッチング速度を増加させるためには、エッチングガスの比率が高いほどエッチング速度が増加する。
【0020】
また、ClF3 ガスを導入する前に工程チャンバー10は、ClF3 ガスのボイリングポイントより高く事前に過熱することが好ましく、満足できるエッチング速度を得るためには400℃より高くすることが望ましい。また、ClF3 ガスは、反応性が非常に強いガスであり、エッチング速度があまりにも速いとチューブ自体がエッチングされてチューブの厚さが薄くなり装置の寿命を短縮するとともに、ガス分散システム(Gas Distribution System:GDS)内の微量の水分によって濃縮が行われて真空システムの損傷を起こす可能性がある。このため工程チャンバー10内では、パージサイクルや洗浄時間の調節がとても重要である。また、ClF3 供給源30に接続されるClF3 ガスの供給配管は、ClF3 ガスの性質によってニッケル、モネル(Monel)、ハステルロイ(Hastelloy)、316Lステンレススチール及びポリマー等の材質を使用する。
【0021】
一方、ガス分析器80に使用されるRGA−QMSは、常用化されたもので、工程チャンバー内に使用中または残留中いずれかのガスをサンプリングして70eVの電位差に加速された電子に衝突させイオン化させる。その後、RGA−QMSは、4重極質量分析器(Quadrupole Mass Spectrometer)を利用して直流と交流とを一定に維持させながら電圧の大きさによって所定の質量対電荷比を有するイオンのみを通過させることで質量スペクトルを得る。この際、RGA−QMSは、分裂によって得られるイオン等の組成でガス状のメカニズムを確認することができる。
また、RGA−QMSは、移動可能であるシステムに設けられ、スパッタリング工程で一般的に使用されるオーアイエス(Open Ion Source:OIS)とは違って、イオンソースが差等真空下にあるシーアイエス(Closed Ion Source:CIS)からなりバルクガスだけではなく工程ガスまでも分析が可能である。
【0022】
一方、サンプリングマニフォルド50内には、臨界オリフィス(100/250ミクロン)を使用して工程チャンバーの圧力以下にサンプリング圧力を一定に調節している。図2は、このような図1に示した半導体素子製造用化学気相蒸着装置のRGA−QMSにより工程評価及び洗浄工程の過程を概略的に示したフローチャートである。
【0023】
図2に示すように、半導体素子製造用化学気相蒸着装置による工程評価は、まず、RGA−QMSの適用評価から実行される。即ち、サンプリングマニフォルド50にガス分析器80を接続した第1エアーバルブ62と第3エアーバルブ60とをクローズさせて、第2エアーバルブ66と第4エアーバルブ64とをオープンさせてRGA−QMSにN2 ガスを常時ファジさせる。次に、第4エアーバルブ64をクローズさせて第1エアーバルブ62をオープンさせて工程チャンバー10内のガスをサンプリングする工程を開始する。この際、サンプリングは、CMゲージ76で測定した圧力を基準にして必要時に応じてサンプリングポンプ90を稼動して工程チャンバー10とサンプリング管54との内部圧力を調節して差圧によりガスを抽出する。
【0024】
適用評価が実行されると、RGA−QMSベーキング評価を実行する。即ち、RGA−QMSのチャンバー(図示せず)内に4重極質量分析器を設置した後、基本値(background)を落とすためにベーキング(baking)を実施する。RGA−QMSは、分析器自体の汚染に敏感である設備なので全ての評価時毎にそのバックグラウンドスペクトルを評価し、水分、酸素成分の汚染水準を評価する。この際、水準が多少高い場合には、RGA−QMSチャンバー自体を250℃水準にベーキングするとともに、サンプリングマニフォルドを150℃水準にベーキングして汚染を最小化して汚染水準を管理する。即ち、ベーキングを実施すると、各分子性不純物(H2 O、H2 、O2 、Ar、CO2 等)のインテンシティ(intensity:強度)に対する部分圧の大きさ(Amplitude:PPM)をモニターリングして、ベーキングを通じて不純物のアウトガシング(outgasing:排ガス)を加速化させてRGA−QMSの最初バックグラウンドの水準を低くする。
【0025】
ベーキング評価が実行されると、ガスラインの汚染評価を実施する。即ち、各工程ガス(SiH4 、PH3 、N2 )の供給ラインの汚染評価のためにN2 ガス500SCCMを各ガスの供給ラインに順次的に流して工程チャンバー内のガスをサンプリングして分析した後、各ガス供給ラインのエアーリキッジ(ガス漏れ)の有無を確認するようになる。
【0026】
ガスラインの汚染評価後には、半導体ウェーハに対する所定の工程を進行させて継続的にサンプリングして工程進行事項を評価する。図3は、本発明による半導体素子製造用化学気相蒸着装置のストリッジポリシリコン形成工程に対するRGA−QMS評価結果のトランドを示すグラフである。
【0027】
図3に示すように、例えば、DRAM工程のストリッジポリシリコン蒸着工程では、蒸着工程だけではなく蒸着工程前後の重要工程であるプリパージ(prepurge)、及びアフターパージ(after purge)工程でもRGA−QMSのサンプリングマニフォルド50に形成された臨界オリフィスを使用して工程チャンバー圧力を、例えば、0.9Torr以下に維持し、それ以上に加圧されたガスは臨界オリフィスを介してサンプリングすることで、ストリッジポリシリコン形成工程の全体工程を評価することが可能となる。
【0028】
半導体ウェーハに対する所定の工程が完了された後、ウェーハを収容したボードを工程チャンバーからアンローディングした後に工程チャンバー内の廃ガスを排気する。その後、図2に示したように、ClF3 ガスをインシチュ(in−situ)に工程チャンバー内に供給して洗浄工程及び評価工程を実行する。即ち、ストリッジポリシリコン層を48,000Åの厚さに蒸着させる場合、ガスの流量をN2 ガス2800SCCM、ClF3 ガス700SCCMの流量で一定に維持しながら工程チャンバー内に付着した膜をエッチング(除去)する。
【0029】
そして、洗浄工程及び評価工程が実行されると、洗浄工程レシピの最適化を実行する。即ち、洗浄工程を行いながら洗浄工程のEPD(End Point Detection:終点検出)を決定するために前述したClF3 供給源30から供給される洗浄ガスの流量を排気ポンプ44により一定に維持(例えば、N2 ガス2800SCCM、ClF3 ガス700SCCM)しながら工程チャンバーの圧力と温度とを変更することで洗浄工程を反復して評価する。
また、EPDを決定するための評価は、ストリッジポリシリコン形成工程の評価のように、サンプリングマニフォルド50の臨界オリフィスを使用して工程チャンバーの圧力範囲(例えば、0.9〜1Torr)に維持して臨界オリフィスを介してガスをサンプリングすることで、全体洗浄工程に渡って評価する。図4は、本発明による半導体素子製造用化学気相蒸着装置のストリッジポリシリコン蒸着工程後にインシチュで実行したClF3 ガスの洗浄工程をRGA−QMS評価した結果のトランドを示すグラフである。
【0030】
図4に示すように、全体洗浄工程は、大きく3工程に分けることができる。即ち、第1工程は、洗浄前の真空工程及びパージ工程に該当し、図4に示した0スキャンから50スキャンまでのスキャン時間に該当する。第2工程は、本格的なエッチング工程が行われる過程で、図4に示した50スキャンから約280スキャンまでのスキャン時間に相当する。また、第3工程は、エッチング工程が完了された後、真空工程及びパージ工程に該当する工程で、図4に示した280スキャン以後のスキャン時間に相当する。
【0031】
図4に示したグラフで分かるように、洗浄工程のEPDは、矢印で表示したように約280スキャンに該当する時点である。このEPD時点は、洗浄ガスであるClF3 ガスが導入されることによって、F、Clラディカルが生成し、工程チャンバーの内壁に付着したシリコンが含有する膜をエッチングする工程開始時である。ここでポリシリコン膜をエッチングするエチャント(エッチング液)であるHF+ (20amu)、F+ (19amu)は、実際には、第2工程のエッチングが進行される間にSi+ と激烈に反応して生成物であるSiF3 + (85amu)、SiF+ (47amu)を生成する。即ち、エチャントHF+ (20amu)と、生成物であるSiF3 + (85amu)とのアンプリチュード(Amplitude:PPMの大きさ)が同一になる図4に示した矢印の交差する280スキャン時点がEPDになる。
また、更なるストリッジポリシリコン蒸着工程を実行すると、再び、工程チャンバーの圧力または温度及びClF3 ガスの流量を変更しながら各場合に対してEPDを決定することで洗浄工程の各工程の工程時間を短縮及び最適化することが可能であるとともに、最適の圧力、温度及び流量を確保することができる。
【0032】
この最適化された洗浄工程の結果を図5〜図7を参照して詳細に説明する。図5は、本発明による半導体素子製造用化学気相蒸着装置の洗浄工程で工程チャンバー内の圧力によるエッチング速度の関係を示すグラフである。また、図6は、本発明による半導体素子製造用化学気相蒸着装置の工程チャンバー内の温度によるエッチング速度の関係を示すグラフである。また、図7は、本発明による半導体素子製造用化学気相蒸着装置の工程チャンバー内のClF3 の流量によるエッチング速度の関係を示すグラフである。
【0033】
図5〜図7に示すように、洗浄工程の前後で工程チャンバー内のパーティクルをモニターリングして洗浄の効果を判断することができ、また洗浄工程の前後には工程チャンバー内のFe、Ce、Ni、Zn、Ti、S、Cl、F、NH4 等の金属性/イオン性不純物をTXRF(Total X−ray Reflection Fluorescnce)/HPIC(High Performance Ion Chromatography)により測定して洗浄工程の効果を判断することができる。
【0034】
このように本発明の半導体素子製造用化学気相蒸着装置によると、サンプリングマニフォルド及びガス分析器を設けているため、半導体ウェーハに対する所定の工程間だけではなく、インシチュでClF3 ガスを使用して工程チャンバー内の洗浄工程時にもメカニズムを正確にモニターリングすることができ、これにより洗浄工程レシピを最適化して工程の単純化及び生産性を向上させることができる。
【0035】
以上、本発明によってなされた半導体素子製造用化学気相蒸着装置の実施の形態を詳細に説明したが、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、ガス供給管22に、SiH4 供給源24、PH3 供給源26、N2 供給源28、ClF3 供給源30をそれぞれ接続した実施の形態を説明したが、このガスの配列に限定されるものではない。
【0036】
【発明の効果】
従って、本発明の半導体素子製造用化学気相蒸着装置によると、工程チューブを分解することなくインシチュで工程チャンバーを洗浄可能であるため、設備の寿命延長及び洗浄時間の短縮でき、生産性を向上する効果がある。
また、本発明の半導体素子製造用化学気相蒸着装置によると、インシチュで洗浄工程レシピを最適化できるため、工程時間の短縮と設備の寿命延長とを実現できる効果がある。
また、本発明の半導体素子製造用化学気相蒸着装置によると、半導体ウェーハに対する工程進行を継続的にモニターリングして評価するため、工程の不良を防止して生産性向上に寄与するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体素子製造用化学気相蒸着装置の実施の形態を示した構成図。
【図2】図1に示した半導体素子製造用化学気相蒸着装置のRGA−QMSにより工程評価及び洗浄工程の過程を概略的に示したフローチャート。
【図3】本発明による半導体素子製造用化学気相蒸着装置のストリッジポリシリコン形成工程に対するRGA−QMS評価結果のトランドを示すグラフ。
【図4】本発明による半導体素子製造用化学気相蒸着装置のストリッジポリシリコン蒸着工程後にインシチュで実行したClF3 ガスの洗浄工程をRGA−QMS評価した結果のトランドを示すグラフ。
【図5】本発明による半導体素子製造用化学気相蒸着装置の洗浄工程で工程チャンバー内の圧力によるエッチング速度の関係を示すグラフ。
【図6】本発明による半導体素子製造用化学気相蒸着装置の工程チャンバー内の温度によるエッチング速度の関係を示すグラフ。
【図7】本発明による半導体素子製造用化学気相蒸着装置の工程チャンバー内のClF3 の流量によるエッチング速度の関係を示すグラフ。
【図8】 従来の半導体化学気相蒸着装置の工程チューブ洗浄工程の過程を概略的に示した図面である。
【符号の説明】
10 工程チャンバー
12 ロードロックチャンバー
14 外側チューブ
16 内側チューブ
18 ボート
20 エレベータ
22 ガス供給管
24 SiH4 供給源
26 PH3 供給源
28 N2 供給源
30 CIF3 供給源
32、34、36、38、40 エアーバルブ
42 廃ガス排気管
44 排気ポンプ
46 スクラバー
48 サンプリングポート
50 サンプリングマニフォルド
52 接続部
54 サンプリング管
56 N2 供給源
60、62、64、66 エアーバルブ
68、70、72 アイソレーションバルブ
74 ゲートバルブ
76 CMゲージ
78 圧力調節用排気管
80 ガス分析器
82 イオンゲージ
84 質量分析器
86 ターボポンプ
88 ベーキング用ポンプ
90 サンプリング用ポンプ

Claims (19)

  1. 半導体素子製造のための蒸着工程を実行する工程チャンバー(10)と、
    前記工程チャンバー(10)に工程ガスを供給するための複数個の工程ガス供給ライン(34、36、38;22)と、
    前記工程チャンバー(10)から工程実行後の廃ガスをポンピング手段によって除去する廃ガス排気ライン(42)と、
    前記工程チャンバー(10)に洗浄ガスを供給するための洗浄ガス供給ライン(40;22)と、
    前記工程チャンバー(10)に接続されて当該工程チャンバー(10)の圧力以下に調節し、この工程チャンバー(10)内のガスを差圧を利用してサンプリングするサンプリングマニフォルド(50)と、
    前記サンプリングマニフォルド(50)からのサンプリングガスを分析するガス分析器(80)とを備え
    前記工程チャンバー(10)は、密閉された外側チューブ(14)内に上側が開放された内側チューブ(16)を備えた低圧化学気相蒸着チャンバーであり、前記サンプリングマニフォルド(50)が前記外側チューブ(14)に配管接続されるとともに、当該サンプリングマニフォルド(50)は、前記外側チューブ(14)との接続部(48)から順次的に、前記パージガスを供給するための第1エアーバルブ(62)及び第2エアーバルブ(66)と、サンプリング用ポンプ(90)を接続して内圧調整するための第1アイソレーションバルブ(68)、第2アイソレーションバルブ(70)、及び第3アイソレーションバルブ(72)と、前記ガス分析器(80)に接続する後端のゲートバルブ(74)とが設置され、前記第1エアーバルブ(62)及び第2エアーバルブ(66)を介してパージガス供給ラインがさらに設置されていることを特徴とする半導体素子製造用化学気相蒸着装置。
  2. 前記工程チャンバー(10)は密閉された外側のチューブ(14)内に上側が開放された内側のチューブ(16)を備えた低圧化学気相蒸着チャンバーであり、前記洗浄ガスはClFガスであるとともに、前記洗浄ガス供給ライン(40;22)は前記内側チューブ(16)に配管接続されることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子製造用化学気相蒸着装置。
  3. 前記サンプリングマニフォルド(50)には、前記差圧を利用したサンプリングを行わない場合、パージガスを供給して前記工程チャンバー(10)内の圧力と同一に維持するための臨界オリフィスが設置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子製造用化学気相蒸着装置。
  4. 前記サンプリングマニフォルド(50)のパージガス供給ラインは、パージガス供給源(56)から前記第1及び第2エアーバルブ(62、66)にそれぞれ接続され、中間部にそれぞれ第3及び第4エアーバルブ(60、64)を備えていることを特徴とする請求項に記載の半導体素子製造用化学気相蒸着装置。
  5. 前記サンプリングマニフォルド(50)の第1アイソレーションバルブ(68)と第2アイソレーションバルブ(70)との間には、CM(Capacitance Manometer)ゲージ(76)及び前記サンプリング用ポンプ(90)が設置されていることを特徴とする請求項に記載の半導体素子製造用化学気相蒸着装置。
  6. 前記サンプリングマニフォルド(50)の第1アイソレーションバルブ(68)、第2アイソレーションバルブ(70)及び第3アイソレーションバルブ(72)のオリフィスは、それぞれ100ミクロン、100ミクロン及び250ミクロンに形成されていることを特徴とする請求項に記載の半導体素子製造用化学気相蒸着装置。
  7. 前記廃ガス排気ライン(42)のポンピング手段(44)には、このポンピング手段(44)を経由した廃ガスを洗浄するためのスクラバー(46)がさらに設置されているとともに、前記サンプリングポンプ(90)を経由したガスも同時に前記スクラバー(46)を経由して排出されるようにすることを特徴とする請求項に記載の半導体素子製造用化学気相蒸着装置。
  8. 前記ガス分析器(80)は、質量分析器(84)、ターボポンプ(86)及びベーキング用ポンプ(88)を内蔵したRGA−QMS(Residual Gas Analyzer−Quadrupole Mass Spectrometer:四重極質量分析型の残留ガス分析計)であることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子製造用化学気相蒸着装置。
  9. 前記廃ガス排気ライン(42)のポンピング手段(44)には、このポンピング手段(44)を経由した廃ガスを洗浄するためのスクラバー(46)がさらに設置されているとともに、前記ベーキングポンプ(88)を経由したガスも同時に前記スクラバー(46)を経由して排出されるようにすることを特徴とする請求項に記載の半導体素子製造用化学気相蒸着装置。
  10. 前記サンプリングマニフォルド(50)は、エレクトロポリシング(electropolishing:電界研磨)処理されたステンレススチール材質の配管を使用することを特徴とする請求項1に記載の半導体素子製造用化学気相蒸着装置。
  11. 工程チャンバー(10)、前記工程チャンバー(10)に工程ガスを供給するための複数個の工程ガス供給ライン(34、36、38;22)、前記工程チャンバー(10)から工程実行後の廃ガスを除去する廃ガス排気ライン(42)、前記工程チャンバーに洗浄ガスを供給するための洗浄ガス供給ライン(40;22)、前記工程チャンバー(10)に接続されたサンプリングマニフォルド(50)、及び前記サンプリングマニフォルド(50)からのサンプリングガスを分析するガス分析器(80)を備える半導体素子製造用化学気相蒸着装置の洗浄方法において、
    前記サンプリングマニフォルド(50)から前記工程チャンバー(10)内のガスのサンプリングを開始する工程と、
    前記ガス分析器(80)の最初基本値を一定の水準以下に低く保持するために前記ガスをベーキングしながらアウトガシング(outgassing:排ガス)する工程と、
    前記各工程でガス供給ライン(34、36,38;22)パーティクルの汚染評価を実施する工程と、
    前記工程チャンバー(10)内に収容された半導体ウェーハに対して所定の工程を実行する工程と、
    前記工程が完了した後に前記ウェーハをアンローディングした後、前記工程チャンバー(10)内の廃ガスを排気する工程と、
    前記工程チャンバー(10)に洗浄ガスをインシチュ(in−situ)で供給しながら工程チャンバー(10)内を洗浄する工程とを備え
    前記サンプリングを行わない場合には、前記サンプリングマニフォルド(50)とガス分析器(80)とにパージガスを利用して継続的にパージガスを供給することを特徴とする半導体素子製造用化学気相蒸着装置の洗浄方法。
  12. 前記洗浄ガスは、ClFガスであり、前記ガス分析器(80)は質量分析器(84)を内蔵したRGA−QMS(四重極質量分析型の残留ガス分析計)であることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子製造用化学気相蒸着装置の洗浄方法。
  13. 前記サンプリングマニフォルド(50)には、臨界オリフィスを設置して、前記サンプリングを行わない場合に前記パージガスを供給し、前記工程チャンバー内(10)の圧力と同一に維持できるようにすることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子製造用化学気相蒸着装置の洗浄方法。
  14. 前記サンプリングマニフォルド(50)には、前記ガス分析器(80)に接続する配管(54)の中間部に別途の配管ライン(78)を有してサンプリング用ポンプ(90)を設置してサンプリングガスの圧力を調節することを特徴とする請求項1に記載の半導体素子製造用化学気相蒸着装置の洗浄方法。
  15. 前記工程ガス供給ライン(34、36、38;22)の汚染評価を実行する工程は、窒素ガスを前記各工程ガス供給ライン(34、36、38;22) 次的に流して分析することで、リキッジ(leakage:漏れ)の有無を更に確認することを特徴とする請求項1に記載の半導体素子製造用化学気相蒸着装置の洗浄方法。
  16. 前記半導体ウェーハに対する所定の工程は、シリコンを含有した膜を形成する工程であることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子製造用化学気相蒸着装置の洗浄方法。
  17. 前記工程チャンバー内(10)を洗浄する工程では、工程チャンバー(10)に付着した膜をエッチングするため内部の圧力と温度とを一定に維持しながら窒素ガス及び洗浄ガスとしてClFガスを一定に供給して実行することを特徴とする請求項1に記載の半導体素子製造用化学気相蒸着装置の洗浄方法。
  18. 前記工程チャンバー(10)内を洗浄する工程前後では、工程チャンバー(10)内のパーティクルを測定する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子製造用化学気相蒸着装置の洗浄方法。
  19. 前記工程チャンバー(10)内を洗浄する工程前後では、工程チャンバー(10)内の金属性/イオン性不純物を測定する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子製造用化学気相蒸着装置の洗浄方法。
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