JP4003262B2 - 自己粘着性包装用フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非塩素系樹脂からなる自己粘着性包装用フィルムに関し、詳しくは塩素系樹脂を用いることなく、改善された自己粘着性、耐熱性、電子レンジ適性、「のこ刃」カット性、および適度な柔軟性を有する自己粘着性包装用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の自己粘着性包装用フィルムは、食品を密封するために、一般家庭、飲食店、ホテル等において多用されており、冷蔵庫中に保存する場合の水分の散逸防止、電子レンジ中で加熱する場合の水分の散逸防止、保存中の風味ないし臭気の放散防止、他の臭気付着防止、及び塵埃の付着防止等の効果を発揮する。
特に、近年における電子レンジの普及に伴い、この用途での需要が大幅に増加している。即ち、自己粘着性包装用フィルムは、電子レンジ中で水分が蒸発し風味を損なうことを防止するため、食品を入れた陶磁器やガラス製の容器等を密封包装するのに用いられている。
【0003】
かかる用途に用いられる包装用フィルムは、上記容器との密着あるいは該フィルム同志の粘着性を有することの他、電子レンジ中で熱収縮が小さく、かつ穴あき、熱溶融や白化現象を起こさない性質(以下、「電子レンジ適性」という)を有することが要求される。
【0004】
従来の自己粘着性包装用フィルムは、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、またはポリ塩化ビニルを主原料とするものが知られている。
しかしながら、ポリ塩化ビニリデンによるフィルムは、加熱時の収縮が大きいという不都合があり、価格的に他の二者に比べると高価である。また、ポリエチレンによるフィルムは、食肉やてんぷら等の油物に接着し且つ高熱となった場合フィルムに穴あきが生じるという欠点があり、さらに、ポリ塩化ビニルによるフィルムは、沸騰熱湯に接触すると白化現象を起こす問題がある。
従って、これら従来の自己粘着性包装用フィルムは、いずれも電子レンジ適性として十分とは言い難いのが現状である。
【0005】
一方、こういった自己粘着性包装用フィルムは、例えば紙管等の芯材に巻装された幅20〜45cm、厚さ8〜15μmのフィルムを、紙箱等のケースに収納して使用され、このケースに取付けられた「のこ刃」と呼ばれる切断刃に当ててフィルムを引き取って適宜の長さに切断される。
上記「のこ刃」は、一般に0.2mm厚程度の鉄板あるいはボール紙をのこぎり型に打ち抜いただけの簡単な刃が使用されており、またこの「のこ刃」を支えるケースについても、350〜700g/m2程度のコートボール紙製の紙箱が使われており、剛性は極めて低い。
【0006】
自己粘着性包装用フィルムは、このような簡単な切断機構によっても、容易に切断されることが要請されるのであるが、ポリ塩化ビニリデンによるフィルムは、切断の際フィルムの一部に裂け目ができると、この裂け目が広がって、「のこ刃」に沿って切断されることなく斜めに切れてしまう。また、ポリ塩化ビニルまたはポリエチレンを主原料とするフィルムは、切断時フィルムの伸びが大きく、切れ味が悪い。
【0007】
さらに、ポリ塩化ビニリデンやポリ塩化ビニルを主原料とするフィルムは、適度な柔軟性を有しており、好適に用いられているが、これらのフィルムは塩素を多量に含んでいるため、焼却時に有害なガスを発生したり、あるいは、多量に含まれる可塑剤の有害性などが問題となっており、環境適性が十分といえない。
【0008】
このため、非塩素系樹脂を原料とする自己粘着性包装用フィルムの開発が試みられており、例えば、特開平6−238848号公報には、ポリカーボーネート樹脂フィルム層の片面または両面に、エチレンとプロピレンと炭素数が4〜8のα-オレフィンとの3元共重合体フィルム層を積層したフィルムが提案されている。また、特開平6−122182号公報には、ポリアミド樹脂層の両面にポリオレフィン系樹脂層を配置してなり、該ポリアミド樹脂層とポリオレフィン系樹脂層との間の接着層が酸変性ポリオレフィンとポリアミド樹脂を溶融混合した変性樹脂組成物からなる包装用フィルムが提案されている。
しかし、塩素系樹脂を用いることなく粘着性、耐熱性、電子レンジ適性、「のこ刃」カット性のいずれも満足し、且つ適度な柔軟性を有する自己粘着性包装用フィルムは未だ得られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、塩素系樹脂を用いることなく粘着性、耐熱性、電子レンジ適性、「のこ刃」カット性に優れ、且つ適度な柔軟性を有する安価な自己粘着性包装用フィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑み、非塩素系樹脂からなる自己粘着性包装用フィルムについて鋭意研究した結果、未延伸多層フィルムであって、かつ、次の(a)〜(h)の物性を満足する非塩素系樹脂フィルムが本発明の目的を見出し、本発明を完成させた。
【0011】
すなわち、本発明は、第一工程でエチレンに由来する繰り返し単位の含有量が1.5〜6.0重量%のプロピレン−エチレン共重合体部分(A成分)を全重合量(A成分と下記B成分の合計)の40〜85重量%生成し、ついで第二工程でエチレンに由来する繰り返し単位の含有量が7〜17重量%のプロピレン−エチレン共重合体部分(B成分)を全重合量(A成分とB成分の合計)の15〜60重量%生成して得られるブロック共重合体であって、かつB成分の極限粘度( [ η ] B)が2〜5dl/g、B成分の極限粘度( [ η ] B)とA成分の極限粘度( [ η ] A)との比( [ η ] B/ [ η ] A)が0.5〜1.8のプロピレン系ブロック共重合体からなる層(X)を少なくとも一層有する、非塩素系樹脂からなる未延伸多層フィルムであって、かつ、下記の(a)〜(h)の物性を満足する多層フィルムからなることを特徴とする自己粘着性包装用フィルムである。
(a) MD方向の引張破断伸びが10〜150%
(b) TD方向の引張破断伸びとMD方向の引張破断伸びとの比(TD/MD)が0.5〜3
(c) MD方向の引張破断強度が150〜800kg/cm2
(d) MD方向の引張破断強度とTD方向の引張破断強度との比(MD/TD)が0.5〜2
(e) MD方向とTD方向の引張弾性率がそれぞれ2000〜8000kg/cm2
(f) 粘着力が3〜20g/10cm
(g) 耐熱温度が140℃以上
(h) MD方向とTD方向の加熱収縮率がそれぞれ10%以下
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる樹脂としては、環境適性の観点から塩素を含まない樹脂(非塩素系樹脂)であることが必要であり、例えば、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、ポリブテン、スチレン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂及びこれらのリサイクル樹脂等が挙げられる。非塩素系樹脂からフィルムを製造するにあたっては、非塩素系樹脂の組み合わせによる多層構成のフィルムとする。
多層構成フィルムの基本的な設計手法は以下の通りである。
すなわち、自己粘着性包装用フィルムに要求される性能のうち、「ノコ刃」カット性を発現させるためには、MD方向の引張破断伸びが小さい(引張破断伸び:10〜150%)必要があり、これを満たすためには多層フィルムを構成する各樹脂層のうちの少なくとも一層が、引張破断伸びの小さい性質を有することが必要である。このような特性を有する樹脂としては、例えばスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
一方、自己粘着性包装用フィルムに要求される性能のうち、自己粘着性を発現させるためには、多層フィルムの表面層を柔軟な樹脂層とする必要がある。柔軟な樹脂層の樹脂としては、例えばエチレン系樹脂、プロピレン系樹脂等が挙げられる。なお、前記の「ノコ刃」カット性を発現させるために用いる樹脂層は、引張弾性率が比較的高い。従って、多層フィルムとして適度な柔軟性( MD方向とTD方向の引張弾性率がそれぞれ2000〜8000kg/cm2)を発現させる観点からも、この表面層には柔軟な樹脂を用いる必要がある。
さらに、耐熱性を発現させる観点から、多層フィルムの各樹脂層のうちの少なくも一層は耐熱性に優れた樹脂で構成される必要がある。このような特性を有する樹脂としては、例えばポリカーボネート系樹脂、ポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂、プロピレン系樹脂等が挙げられる。
多層フィルムの各樹脂層には、2種類以上の非塩素系樹脂をブレンドして用いる層を設けてもよい。
本発明は、このような基本的な設計手法により非塩素系樹脂を適宜選択し、さらにこれらの非塩素系樹脂からなる層を適宜組合せて多層フィルムとすることができる。
なお、塩素を含む樹脂としては、例えばポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等が挙げられる。
【0013】
本発明で用いるエチレン系樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−デセン−1共重合体などのエチレン−α−オレフィン共重合体、さらには、エチレンと、共役ジエンや非共役ジエンのような不飽和化合物あるいはアクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等の共重合成分とのエチレン系共重合体が挙げられる。これらのエチレン系樹脂は酸変性されたもの、例えば、α、β−不飽和カルボン酸、脂環族カルボン酸、またはこれらの誘導体でグラフト変性された重合体であってもよい。
【0014】
本発明で用いるプロピレン系樹脂は、主としてプロピレンの重合体であり、その種類に特に制限はない。プロピレンホモポリマーはもちろん、エチレン、ブテン、ヘキセン等のα−オレフィンの1種あるいは2種以上との共重合体を含むものであってもよく、共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。
【0015】
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、(a) MD方向(フィルムの引取方向)の引張破断伸びが10〜150%、好ましくは15〜100%、より好ましくは20〜50%である。MD方向の引張破断伸びが10%未満では甲殻類など突起を有する食品を包装した際に穴あきが生じるため好ましくなく、一方150%を超えると、ノコ刃カット性が不良となるため好ましくない。 MD方向の引張破断伸びは、JIS K6781に規定された方法に従って測定される。
【0016】
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、(b) TD方向の引張破断伸びとMD方向の引張破断伸びとの比(TD/MD)が0.5〜3、好ましくは0.8〜2.5である。引張破断伸びの比(TD/MD)が0.5未満または3を超える範囲では、食品や容器を包装する際の作業性が低下するため好ましくない。上記比は、JIS K6781に規定された方法に従って測定される、TD方向の引張破断伸びの値とMD方向の引張破断伸びの値の計算値である。
【0017】
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、(c) MD方向の引張破断強度が150〜800kg/cm2、好ましくは200〜600kg/cm2である。MD方向の引張破断強度が150kg/cm2未満ではフィルムの強度が不足となり、食品や容器を包装する際に不意にフィルムが破断する恐れがあるため好ましくない。MD方向の引張破断強度が800kg/cm2を超えると、ノコ刃によるカットの際の抵抗が大きくなり作業性が悪化するばかりでなく、フィルムを納めている箱が変形する恐れがあるため好ましくない。MD方向の引張破断強度は、 JIS K6781に規定された方法に従って測定される。
【0018】
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、(d) MD方向の引張破断強度とTD方向の引張破断強度との比(MD/TD)が0.5〜2、好ましくは0.8〜1.3である。引張破断強度の比(MD/TD)が0.5未満または2を超える範囲では、食品や容器を包装する際の作業性が低下するため好ましくない。上記比は、JIS K6781に規定された方法に従って測定される、MD方向の引張破断強度の値とTD方向の引張破断強度の値の計算値である。
【0019】
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、(e) MD方向とTD方向の引張弾性率がそれぞれ2000〜8000kg/cm2、好ましくは3000〜5000kg/cm2である。引張弾性率が2000kg/cm2未満であるとフィルムが柔らか過ぎて取り扱い困難となるため好ましくなく、8000kg/cm2を超えると、フィルムが硬すぎて食品や容器への密着性が悪化するため好ましくない。MD方向、TD方向の引張弾性率は、ASTM D882に規定された方法に従って測定される。
【0020】
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、(f) 粘着力が3〜20g/10cm、好ましくは5〜15g/10cmである。粘着力が3g/10cm未満であると、食品や容器を包装する際の密着性が悪化するため好ましくなく、20g/10cmを超えると、フィルム巻からの繰出しが困難となるため好ましくない。粘着力は、後記の方法により測定される。
【0021】
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、(g) 耐熱温度が140℃以上、好ましくは150℃以上、より好ましくは160℃以上である。耐熱温度が140℃未満であると、食品を包装して電子レンジ調理を行った際、フィルムに穴あきが生じるため好ましくない。耐熱温度は、東京都条例1072号「ラップフィルムの品質表示」に従い測定される。
【0022】
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、(h) MD方向とTD方向の加熱収縮率がそれぞれ10%以下、好ましくは5%以下である。加熱収縮率が10%を超えると、食品や容器を包装して電子レンジ調理を行った際、フィルムが収縮して裂けたり、フィルムに穴あきが生じたり、あるいは容器が変形したりするため好ましくない。加熱収縮率は、後記の方法により測定される。
【0023】
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、ポリカーボネート系樹脂からなる層を少なくとも一層有する、非塩素系樹脂からなる未延伸多層フィルムであって、かつ上記(a)〜(h)の物性を満足する多層フィルムであってもよい。ポリカーボネート系樹脂からなる層(Y)を少なくとも一層有する自己粘着性包装用フィルムとしては、例えば、プロピレン系樹脂と水添スチレン−ブタジエンゴムを含有する樹脂組成物からなる層(T)、およびポリカーボネート系樹脂からなる層(Y)を、(T)/(Y)/(T)=2:1:2の構成の2種3層フィルムとしたものが挙げられる。該フィルムは前記の諸性能に加えて保香性がさらに向上したフィルムである。
上記ポリカーボネート系樹脂は、特に限定されるものではない。ポリカーボネート系樹脂は、芳香族ジヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲンと反応させることによって製造される。また、芳香族ジヒドロキシ化合物または、これと少量のポリヒドロキシ化合物を炭酸ジエステルでエステル交換反応しても製造される。必要により、分岐剤としての三官能化合物、分子量調節剤も反応に供される。このポリカーボネート系樹脂は、分岐していても、分岐していなくてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネートである。
【0024】
芳香族ジヒドロキシ化合物の例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールAと略記する)、テトラメチルビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−イソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等であり、特にビスフェノールAが好ましい。
【0025】
また、分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプチン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4, 6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン、3,2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等で例示されるポリヒドロキシ化合物、および3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール〔=イサチン(ビスフェノールA)〕、5−クロロイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロモイサチン等を前記ジヒドロキシ化合物の一部、例えば、0.1〜2モル%をポリヒドロキシ化合物で置換する。
【0026】
さらに、分子量を調節するのに適した一価芳香族ヒドロキシ化合物は、m−およびp−メチルフェノール、m−およびp−プロピルフェノール、p−ブロモフェノール、p−第3級−ブチルフェノールおよびp−長鎖アルキル置換フェノール等である。好適な芳香族ポリカーボネート樹脂としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系化合物、特に好ましくはビスフェノールAを主原料とするポリカーボネートである、2種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物を併用して得られるポリカーボネート共重合体、3価のフェノール系化合物を少量併用して得られる分岐化ポリカーボネートも好適例として挙げることができる(特開昭63−30524号公報、特開昭56−55328号公報、特公昭55−414号公報、特公昭60−25049号公報、特公平3−49930号公報)。芳香族ポリカーボネート樹脂は2種以上の混合物として用いてよい。
【0027】
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、スチレン系樹脂からなる層(Z)を少なくとも一層有する、非塩素系樹脂からなる未延伸多層フィルムであって、かつ上記(a)〜(h)の物性を満足する多層フィルムであってもよい。スチレン系樹脂からなる層を少なくとも一層有する自己粘着性包装用フィルムとしては、例えば、プロピレン系樹脂と水添スチレン−ブタジエンゴムを含有する樹脂組成物からなる層(T)、およびスチレン系樹脂からなる層(Z)を、(T)/(Z)/(T)=2:1:2の構成の2種3層フィルムとしたものが挙げられる。該フィルムはカット性が非常に好ましいフィルムである。
【0028】
本発明で用いるスチレン系樹脂としては、例えばポリマー成分としてスチレン系共重合体を含み、該スチレン系共重合体を構成する単量体であるスチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレンなどのα−置換アルキルスチレン、p−メチルスチレンなどの核置換アルキルスチレンなどが挙げられる。
また、本発明で用いるスチレン系樹脂は、スチレン系化合物と共に、スチレン系化合物と共重合可能な化合物、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸メチルなどのエステル誘導体などのビニルモノマー、更には無水マレイン酸、マレイミド、核置換マレイミドなどを併用してもよい。
【0029】
スチレン系樹脂の具体例としては、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂(AS)、メタクリル酸−スチレン共重合体樹脂(MS)などが挙げられる。
【0030】
また、本発明で用いるスチレン系樹脂としては、いわゆるゴム変性スチレン系樹脂でもよい。ゴム変性スチレン系樹脂を用いることにより、衝撃強度により優れたフィルムを得ることができる。
ゴム変性スチレン系樹脂は、例えば、ゴム状重合体の存在下で、スチレン系単量体及びスチレン系化合物と共重合可能な化合物を塊状重合することで製造できる。ゴム変性スチレン系樹脂に用いられるゴム状重合体としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体類、エチレン−プロピレン−非共役ジエンの三元共重合体類が好ましい。ポリブタジエンとしては、シス含有率の高いハイシスポリブタジエン及びシス含有量の低いローシスポリブタジエンのいずれも使用できる。
本発明で用いるゴム変性スチレン系樹脂にかかるゴム状重合体の含有量はスチレン系単量体100重量部に対し、30重量部以下が好ましい。
本発明で用いるゴム変性スチレン系樹脂の分散ゴム粒子の粒子径は、0.1〜5μmが好ましい。
【0031】
スチレン系樹脂の分子量には特に制限はないが、200℃、荷重5kgfにおけるメルトフローレート(MFR)が0.5〜20g/10分であるものが好ましい。ここで、MFRの値はJIS K7210に準拠して測定した値である。
該スチレン系樹脂は、公知の懸濁重合、塊状重合法などにより製造することができる。
該スチレン系樹脂には、必要に応じて、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などのエラストマーなどを含ませてもよく、更に本発明の効果を損なわない範囲内において、ミネラルオイルなどの可塑剤を含ませてもよい。
【0032】
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、ポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂からなる層(W)を少なくとも一層有する、非塩素系樹脂からなる未延伸多層フィルムであって、かつ上記(a)〜(h)の物性を満足する多層フィルムであってもよい。ポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂からなる層を少なくとも一層有する自己粘着性包装用フィルムとしては、例えば、プロピレン系樹脂と水添スチレン−ブタジエンゴムを含有する樹脂組成物からなる層(T)、およびポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂からなる層(W)を、(T)/(W)/(T)=2:1:2の構成の2種3層フィルムとしたものが挙げられる。該フィルムは耐熱性が非常に好ましいフィルムである。
【0033】
上記ポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば密度が0.830〜0.840g/cm3の4−メチルペンテン−1の単独重合体、4−メチルペンテン−1 80モル%以上と、他のα−オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、ヘプテン−1等)との共重合体が挙げられる。
これらの中でも、融点が200〜242℃、ビカット軟化点(ASTM D−1525)が140〜175℃、メルトフローレート(ASTM D−1238;260℃、5kg荷重)が2〜180g/10分、引張破断伸び(ASTM D−638;23℃、引張速度5mm/分)が100%以下、好ましくは15〜85%、より好ましくは15〜30%のものが耐熱性、「のこ刃」カット性の面から好ましい。かかるポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂は三井石油化学工業(株)よりTPXの商品名で、RT18、DX820、DX845、MX004、MX320XBのグレード名で入手できる。
【0034】
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、リサイクル樹脂を含む層(V)を少なくとも一層有する、非塩素系樹脂からなる未延伸多層フィルムであって、かつ上記(a)〜(h)の物性を満足する多層フィルムであってもよい。リサイクル樹脂を含む層(V)は、例えば前記ポリカーボネート系樹脂からなる層(Y)、スチレン系樹脂からなる層(Z)、ポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂からなる層(W)またはプロピレン系樹脂と水添スチレン−ブタジエンゴムを含有する樹脂組成物からなる層(T)と多層フィルムを構成することもできる。
リサイクル樹脂としては、本発明のフィルムを、例えばTダイ法やインフレーション法等の方法によって製造する過程において生じるトリミングロス、あるいは本発明のフィルムを製造後、適当な幅に切断するスリット工程や小さな巻に巻き替える小巻化工程において生じるロスなどを用いることができる。また、本発明の自己粘着性包装用フィルム以外のフィルムや成形品等からも、非塩素系樹脂で構成されるものであれば、リサイクル樹脂として適用可能である。
リサイクル樹脂層(V)は、リサイクル樹脂100重量%で構成してもよく、また、リサイクル樹脂と前記の非塩素系樹脂をブレンドして用いてもよい。
【0035】
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、下記のプロピレン系ブロック共重合体からなる層(X)を少なくとも一層有する、非塩素系樹脂からなる未延伸多層フィルムであって、かつ上記(a)〜(h)の物性を満足する多層フィルムである。該フィルムは柔軟性に富み、非常に好ましいフィルムである。
【0036】
本発明で用いるプロピレンブロック共重合体は、第一工程でエチレンに由来する繰り返し単位の含有量(以下、「エチレン含有量」と称する)が、1.5〜6.0重量%のプロピレン−エチレン共重合体部分(A成分)を全重合量(A成分と下記B成分の合計)の40〜85重量%生成し、次いで第二工程でエチレン含有量が7〜17重量%のプロピレン−エチレン共重合体部分(B成分)を全重合量(A成分とB成分の合計)の15〜60重量%生成して得られるブロック共重合体であって、かつB成分の極限粘度([η]B)が2〜5dl/g、B成分の極限粘度([η]B)とA成分の極限粘度([η]A)との比([η]B/[η]A)が0.5〜1.8のプロピレン系ブロック共重合体である。
なお、本発明に係るプロピレン系ブロック共重合体とは、第一工程でのプロピレン−エチレン共重合体部分と、第二工程でのエチレン含有量の異なるプロピレン−エチレン共重合体部分とを逐次重合して得られた共重合体であって、共重合体末端と別の共重合体末端が結合で繋がった典型的なブロック共重合体ではなく、一種のブレンド系の共重合体を意味する。
【0037】
第一工程で重合されるプロピレン−エチレン共重合体部分(A成分)のエチレン含有量が1.5重量%を下回る場合は柔軟性が低下し、6.0重量%を超える場合は耐熱性が低下するため好ましくない。特に、エチレン含有量が2.5〜4.5重量%であると柔軟性と耐熱性とのバランスの観点からより好ましい。
【0038】
第二工程で重合されるプロピレン−エチレン共重合体部分(B成分)のエチレン含有量が7重量%を下回る場合は耐冷性が低下し、17重量%を超える場合は透明性が低下するため好ましくない。特に、エチレン含有量が8〜12重量%であると耐冷性と透明性とのバランスの観点からより好ましい。
【0039】
エチレン含有量は、高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の616ページに記載されている方法により13C−NMR法で測定される。
A成分のエチレン含有量(EA)は、第一工程の重合終了後に共重合体をサンプリングして分析される。
B成分のエチレン含有量(EB)は、第二工程の重合終了後にブロック共重合体をサンプリングし、ブロック共重合体のエチレン含有量(EAB)を分析し、さらにA成分の割合(PA)、B成分の割合(PB)から次式より求めるものとする。
EA×PA/100+EB×PB/100=EAB
EB=(EAB−EA×PA/100)×100/PB
【0040】
第一工程で重合されるプロピレン−エチレン共重合体部分(A成分)と第二工程で重合されるプロピレン−エチレン共重合体部分(B成分)の割合は、A成分が40〜85重量%、好ましくは55〜83重量%、B成分が60〜15重量%、好ましくは45〜17重量%である。
【0041】
B成分が15重量%未満であると耐冷性が不足し、60重量%を越えると耐熱性が悪化するため好ましくない。特に、B成分の割合が17〜27重量%であることが成形性の観点からより好ましい。
【0042】
B成分が特に17〜27重量%の範囲のプロピレン−エチレン共重合体部分を得るために、重合段階でB成分が17〜27重量%であるプロピレン−エチレン共重合体部分を作ることも可能であるが、重合によりB成分の割合が27〜60重量%のプロピレン−エチレン共重合体部分を作製し、溶融混練時にA成分のみを追加投入してB成分の割合を調整することも可能である。
【0043】
本発明で用いるプロピレン系ブロック共重合体のB成分の極限粘度([η]B)が2〜5dl/g、B成分の極限粘度([η]B)とA成分の極限粘度([η]A)との比([η]B/[η]A)が0.5〜1.8であることが透明性の観点から必要である。[η]Bが2dl/gを下回る場合は低分子量成分が増加し好ましくなく、5dl/gを超える場合はプロピレン−エチレンブロック共重合体の流動性が低下し、加工性が低下するため好ましくない。特に、プロピレン−エチレン共重合体のB成分の極限粘度([η]B)が2.5〜4.5dl/gであると低分子量成分の抑制と加工性とのバランスの点からより好ましい。
【0044】
[η]B/[η]A比が1.8を超える、または0.5を下回る場合はA成分とB成分との相溶性が低下し、透明性が低下するため好ましくない。特に、[η]B/[η]A比が0.8〜1.5であることが透明性の観点からより好ましい。
【0045】
極限粘度は、ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測定される。
A成分の極限粘度([η]A)は、第一工程の重合終了後に共重合体をサンプリングして分析される。
B成分の極限粘度([η]B)は、第二工程の重合終了後にブロック共重合体をサンプリングし、ブロック共重合体の極限粘度([η]AB)を分析し、さらにA成分の割合(PA)、B成分の割合(PB)から次式より求めるものとする。
[η]A×PA/100+[η]B×PB/100=[η]AB
[η]B=([η]AB−[η]A×PA/100)×100/PB
【0046】
本発明で用いるプロピレン系ブロック共重合体中の20℃キシレン可溶分の重量平均分子量26000以下の成分の含有量が6重量%以下であることがn−ヘキサンなどでの抽出量を抑制する点から好ましい。特に、食品包装用材料として供する観点から、全重合体中の20℃キシレン可溶分の重量平均分子量26000以下の成分の含有量が3.5重量%以下であることがより好ましい。
【0047】
本発明で用いるプロピレン系ブロック共重合体は透明性、耐冷性の観点からB成分のエチレン含有量(EB)とA成分のエチレン含有量(EA)との差(EB−EA)が3〜15重量%の範囲であることが好ましく、透明性と耐冷性とのバランスの観点から(EB−EA)が5〜10重量%が特に好ましい。
【0048】
本発明で用いるプロピレン系ブロック共重合体は、例えばチーグラーナッタ型触媒の存在下に、同一の重合槽中にてA成分を生成した後、引き続いてB成分を生成する回分式重合法、または少なくとも2槽からなる重合槽を使用したA成分とB成分を連続的に重合する連続式重合法などで製造が可能である。
【0049】
具体的には、例えば、
(a)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物の共存下、一般式Ti(OR1n4-n(式中、R1は炭素数が1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン電子、nは0<n≦4の数字を表わす。)で表わされるチタン化合物および/またはエーテル化合物を、有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物を、エステル化合物及びエーテル化合物と四塩化チタンとの混合物で処理して得られる三価のチタン化合物含有固体触媒成分、
(b)有機アルミニウム化合物
(c)Si−OR2結合(R2は炭素数が1〜20の炭化水素基である。)を有するケイ素化合物よりなる触媒系、または
(a)一般式Ti(OR1n4-n(式中、R1は炭素数が1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン原子、nは0<n≦4の数字を表わす。)で表わされるチタン化合物を、一般式AlR2 m3-m(式中、R2は炭素数が1〜20の炭化水素基、Yはハロゲン原子、mは1≦m≦3の数字を表わす。)で表わされる有機アルミニウム化合物で還元して得られる炭化水素溶媒に不溶のハイドロカルビルオキシ基を含有する固体生成物を、エチレンで予備重合処理したのち、炭化水素溶媒中エーテル化合物及び四塩化チタンの存在下に80〜100℃の温度でスラリー状態で処理して得られるハイドロカルビルオキシ基含有固体触媒成分、
(b)有機アルミニウム化合物よりなる触媒系
などの少なくともチタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分とするチーグラー・ナッタ型触媒の存在下に、(b)成分中のAl原子/(a)成分中のTi原子のモル比を1〜2000、好ましくは5〜1500、(c)成分/(b)成分中のAl原子のモル比を0.02〜500、好ましくは0.05〜50となるように使用し、重合温度20〜150℃、好ましくは50〜95℃、重合圧力は大気圧〜40kg/cm2G、好ましくは2〜40kg/cm2Gの条件下に、第一工程でプロピレンとエチレンおよび分子量調節のために水素を供給してプロピレン−エチレン共重合体部分(A成分)を生成した後、引き続いて第二工程でプロピレンとエチレンと水素を供給してプロピレン−エチレン共重合体部分(B成分)を生成することによって製造できる。
【0050】
本発明で用いるプロピレン系ブロック共重合体は、有機過酸化物の存在下、不存在下に公知の方法で、例えばメルトフローレートで代表される流動性を変化させることが可能である。また、上記プロピレン系ブロック共重合体は、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、造核剤、粘着剤などを含ませることもできる。
【0051】
本発明は、プロピレン系ブロック共重合体からなる層に他の樹脂をブレンドして使用することもできる。ブレンドする樹脂としては、例えば、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体などが挙げられ、これらの樹脂を、該プロピレン系ブロック共重合体に5〜50重量%ブレンドして用いることが可能である。
【0052】
本発明で用いるプロピレン系ブロック共重合体からフィルムを製造するにあたり、必要に応じて一般に用いられる添加剤を含有せしめても良い。例えば、酸化防止剤、安定剤、帯電防止剤、粘着剤、防曇剤等を含有せしめることは任意である。
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、プロピレン系ブロック共重合体からなる層(X)と前記のポリカーボネート系樹脂からなる層(Y)から構成される多層フィルムであって、かつ上記(a)〜(h)の物性を満足する未延伸多層フィルムでもよい。
また、本発明の自己粘着性包装用フィルムは、プロピレン系ブロック共重合体からなる層(X)と前記のポリカーボネート系樹脂からなる層(Y)を(X)/(Y)/(X)の順に構成されてなる多層フィルムであって、上記(a)〜(h)の物性を満足する未延伸多層フィルムでもよい。該フィルムは適度な柔軟性を維持しつつ、カット性、耐熱性および保香性がさらに向上したフィルムである。
また、本発明の自己粘着性包装用フィルムは、プロピレン系ブロック共重合体からなる層(X)と前記のスチレン系樹脂からなる層(Z)を(X)/(Z)/(X)の順に構成されてなる多層フィルムであって、上記(a)〜(h)の物性を満足する未延伸多層フィルムでもよい。該フィルムは適度な柔軟性を維持しつつ、カット性がさらに向上したフィルムである。
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、プロピレン系ブロック共重合体からなる層(X)と前記のポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂からなる層(W)を(X)/(W)/(X)の順に構成されてなる多層フィルムであって、上記(a)〜(h)の物性を満足する未延伸多層フィルムでもよい。該フィルムは適度な柔軟性を維持しつつ、耐熱性がさらに向上したフィルムである。
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、プロピレン系ブロック共重合体からなる層(X)と、前記のリサイクル樹脂を含む層(V)とから構成される多層フィルムであって、上記(a)〜(h)の物性を満足する未延伸多層フィルムでもよい。該フィルムは製造コストの抑制に有利なフィルムである。
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、前記のプロピレン系ブロック共重合体95〜50重量%と、最高融解ピーク温度(Tm)が150℃以上であるプロピレン系樹脂5〜50重量%とを含有するプロピレン系樹脂組成物からなる層(U)を少なくとも一層有する多層フィルムであって、上記(a)〜(h)の物性を満足する未延伸多層フィルムでもよい。該フィルムは電子レンジ適性が特に好ましいフィルムである。
【0053】
該プロピレン系樹脂としては、最高融解ピーク温度(Tm)が150℃以上であれば特に限定されるものではなく、プロピレンホモポリマーはもちろん、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1等のα−オレフィンの1種あるいは2種以上との共重合体を含むものであってもよく、該共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。
【0054】
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、前記プロピレン系樹脂組成物からなる層(U)と前記のポリカーボネート系樹脂からなる層(Y)を(U)/(Y)/(U)の順に構成されてなる多層フィルムであって、上記(a)〜(h)の物性を満足する未延伸多層フィルムでもよい。該フィルムは適度な柔軟性を維持しつつ、カット性、保香性および電子レンジ適性がさらに向上したフィルムである。
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、前記プロピレン系樹脂組成物からなる層(U)と前記のスチレン系樹脂からなる層(Z)を(U)/(Z)/(U)の順に構成されてなる多層フィルムであって、上記(a)〜(h)の物性を満足する未延伸多層フィルムでもよい。該フィルムは適度な柔軟性を維持しつつ、カット性および電子レンジ適性がさらに向上したフィルムである。
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、前記プロピレン系樹脂組成物からなる層(U)と前記のポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂からなる層(W)を(U)/(W)/(U)の順に構成されてなる多層フィルムであって、上記(a)〜(h)の物性を満足する未延伸多層フィルムでもよい。該フィルムは適度な柔軟性を維持しつつ、耐熱性および電子レンジ適性がさらに向上したフィルムである。
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、前記プロピレン系樹脂組成物からなる層(U)と、前記のリサイクル樹脂を含む層(V)とから構成される多層フィルムであって、上記(a)〜(h)の物性を満足する未延伸多層フィルムでもよい。該フィルムは製造コストの抑制に有利なフィルムである。
【0055】
本発明の自己粘着性包装用フィルムは、例えばTダイ法、インフレーション法等の公知の方法で多層フィルムを製造することができる。多層フィルムを製膜する方法としては、例えば単層フィルムを製膜した後貼合する方法、あるいは2種3層などの共押出タイプのTダイフィルム成形機や共押出タイプのインフレーションフィルム成形機を用いる方法などが挙げられる。
非塩素系樹脂からフィルムを製造するにあたり、必要に応じて一般に用いられる添加剤を含有せしめても良い。例えば、酸化防止剤、安定剤、帯電防止剤、粘着剤、防曇剤、界面活性剤等を含有せしめることは任意である。
【0056】
次に本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これら実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例および比較例における物性値の測定方法を説明する。
(1)引張破断伸びおよび引張破断強度
JIS K6781に規定された方法に従った。
(2)ヤング率
ASTM D882に規定された方法に従った。この値が小さいほど柔軟性に富むことを示す。MD/TDを測定した。
但し、試験片形状:20mm×120mmの短冊型
チャック間距離:50mm
引張速度:5mm/分
(3)粘着性
幅10cm、長さ15cmのフィルム試料片を10cm×10cmのガラス板に密着させ、23℃、50%RHの雰囲気下で500gの荷重を30分間かけた後、フィルム長手方向の一端を治具に固定し、ガラス板に垂直な方向に200mm/分の速度で引き上げる。この際、引き上げに要する力を測定し粘着力g/10cmとした。
(4)耐熱温度(耐熱性)
東京都条例1072号「ラップフィルムの品質表示」に従い、幅3cm、長さ14cmの短冊状のフィルム試料片の上下2.5cmを治具ではさみ、試片下部に10gの重りを下げる。この状態で1時間経過後もフィルムが切れない最高雰囲気温度を10℃刻みで表示した。
【0057】
(5)加熱収縮率
140℃の温度に維持したシリコンオイルバス中に、MD、TD方向それぞれ9cmの長さになるよう正方形に切り出したフィルム試片を5秒間浸し、バスから取り出した後のフィルムの寸法xをMD、TDそれぞれ測定した。得られた寸法x(cm)を次式に代入し、加熱収縮率sをMD、TD方向のそれぞれについて算出した。
s=(1−x/9)×100〔%〕
(6)「のこ刃」カット性
フィルムを芯管に巻き、「のこ刃」つきケース(0.2mm厚のこぎり型打ち抜き鉄板型「のこ刃」を、500g/m2のコートボール紙製ケースに貼り付けたもの)に収納し、「のこ刃」によるカット性を評価した。評価の基準は次の通りである。
「良」 :「のこ刃」にあてて軽く引張るだけでなめらかに切れる。
「不良」:カット可能であるもののフィルムが伸びやすく、こつを必要とする。または、フィルムが伸びてカットできない。
(7)電子レンジ適性
幅10cm、長さ15cmのフィルム試料片で、からあげ(鶏肉、冷凍品)を包み込み、これを出力500Wの電子レンジで90秒間加熱した後、フィルムの状態を評価した。評価の基準は次の通りである。
◎:穴あき、融着ともにみられない。
○:穴あきはみられない。一部にフィルム同志の融着がみられるが実用上問題ない程度である。
×:フィルムが溶けて穴あきが生じる。
(8)A成分、B成分の割合 (重量%)
A成分およびB成分の重合時の物質収支から、A成分の割合(PA)、B成分の割合(PB)を求めた。
【0058】
(9)極限粘度([η])
ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測定を行った。
A成分、B成分の極限粘度([η]A、[η]B)
第一工程のA成分の重合終了後に測定した極限粘度[η]Aと、第二工程の重合終了後に測定した極限粘度[η]AB、およびA成分の割合(PA)、B成分の割合(PB)から、次式によりB成分の極限粘度[η]Bを求めることとした。
[η]B=([η]AB−[η]A×PA/100)×100/PB
(10)エチレン含有量
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の616ページに記載されている方法により、13C−NMR法で測定を行った。
A成分、B成分のエチレン含有量(EA、EB)
第一工程のA成分の重合終了後に測定したエチレン含有量(EA)と、第二工程の重合終了後に測定したエチレン含有量(EAB)、およびA成分の割合(PA)、B成分の割合(PB)から、次式によりB成分のエチレン含有量EBを求めることとした。
EB=(EAB−EA×PA/100)×100/PB
(11)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に従い、条件−14の方法で測定した。
(12)最高融解ピーク温度(Tm)
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC)を用いて、予め試料10mgを窒素雰囲気下で220℃で5分間溶融した後、5℃/分の降温速度で40℃まで降温する。その後、5℃/分で昇温させて、得られた融解吸熱カーブの最大ピークのピーク温度を最高融解ピーク温度(Tm)とした。
なお、本測定器を用いて5℃/分の昇温速度で測定したインジウム(In)の融点は、156.6℃であった。
【0059】
実施例1
[固体触媒の合成]
撹拌機付きの200LSUS製反応容器を窒素で置換した後、ヘキサン80L、テトラブトキシチタン6.55モル、フタル酸ジイソブチル2.8モル、およびテトラエトキシシラン98.9モルを投入し均一溶液とした。次に、濃度2.1モル/Lのブチルマグネシウムクロリドのジイソブチルエーテル溶液51Lを、反応容器内の温度を5℃に保ちながら5時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後20℃でさらに1時間撹拌した後20℃で固液分離し、トルエン70Lで3回洗浄を繰り返した。次いで、スラリー濃度が0.2Kg/Lになるようにトルエンを加えた後、フタル酸ジイソブチル47.6モルを加え、95℃で30分間反応を行なった。反応後固液分離し、トルエンで2回洗浄を行なった。次いで、フタル酸ジイソブチル3.13モル、ブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン274モルを加え、105℃で3時間反応を行なった。反応終了後同温度で固液分離した後、同温度でトルエン90Lで2回洗浄を行なった。次いで、スラリー濃度を0.4kg/Lに調整した後、ブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、105℃で1時間反応を行なった。反応終了後、同温度で固液分離し同温度でトルエン90Lで3回洗浄を行なった後、さらにヘキサン70Lで3回洗浄した後減圧乾燥して固体触媒成分11.4kgを得た。固体触媒成分はチタン原子1.8重量%、マグネシウム原子20.1重量%、フタル酸エステル8.4重量%、エトキシ基0.3重量、ブトキシ基0.2重量%を含有し、微粉のない良好な粒子性状を有していた。
[ポリマーの製造]
<固体触媒成分の予備活性化>
内容積3LのSUS製、撹拌機付きオートクレーブに充分に脱水、脱気処理したn−ヘキサン1.5L、トリエチルアルミニウム37.5ミリモル、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン37.5ミリモルと上記固体触媒成分15gを添加し、槽内温度を30℃以下に保ちながらプロピレン15gを約30分かけて連続的に供給して予備活性化を行なった後、得られた固体触媒スラリーを内容積150Lの撹拌機付きSUS製オートクレーブに移送し、液状ブタン100Lを加えて保存した。
【0060】
<重合>
SUS製の内容積1m3の撹拌機付き流動床反応器を2槽連結し、第一槽目で前段部(A成分)のプロピレンとエチレンの共重合を、第二槽目で後段部(B成分)のプロピレンとエチレンの共重合を連続的に実施した。
(1)第一槽目(A成分部)
内容積1m3の撹拌機付き流動床反応器において、重合温度70℃、重合圧力18kg/cm2G、気相部の水素濃度0.2vol%、気相部エチレン濃度2.4vol%を保持するようにプロピレン、エチレンおよび水素を供給しながら、トリエチルアルミニウム75ミリモル/h、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン7.5ミリモル/hおよび予備活性化した固体触媒成分0.29g/hを連続的に供給し、流動床のポリマーホールド量45kgでプロピレンとエチレンの共重合を行い9.6kg/hのポリマーが得られた。得られたポリマーは失活することなく第二槽目に連続的に移送した。また、ポリマーの一部をサンプリングして分析した結果、エチレン含有量は3.7重量%、テトラリン135℃での極限粘度([η]A)は2.80dl/gであった。
(1)第二槽目(B成分部)
内容積1m3の撹拌機付き流動床反応器において、重合温度80℃、重合圧力12kg/cm2G、気相部の水素濃度0.2vol%、気相部エチレン濃度9.0vol%を保持するようにプロピレン、エチレンおよび水素を供給しながら、流動床のポリマーホールド量を80kgで、第一槽目より移送された触媒含有ポリマーでのエチレンとプロピレンとの共重合を連続的に継続することにより18.1kg/hの白色の流動性の良いポリマーが得られた。得られたポリマーのエチレン含有量は8.8重量%、テトラリン135℃での極限粘度([η]B)は2.89dl/gであった。
以上の結果から、第一槽目と第二槽目の重合比は53/47であり、A成分と最終ポリマーの分析値より求めたB成分部のエチレン含有量は14.6重量%、テトラリン135℃での極限粘度([η]B)は3.0dl/gであった。
したがって、[η]B/[η]Aは、1.1であった。
得られたポリマーをパーオキサイド存在下で加熱分解し、MFRが2.6g/10分になる様に調整しプロピレン系ブロック共重合体を得た。
得られたプロピレン系ブロック共重合体における20℃キシレン可溶分の重量平均分子量26000以下の含有量は1.4重量%であった。
【0061】
得られたプロピレン系ブロック共重合体からなる層(X)を表面層に、ポリカーボネート樹脂(住友ダウ(株)製カリバー200−13)からなる層(Y)を中間層に配した二種三層構成(X)/(Y)/(X)のフィルムをモダンマシナリー社製三種三層共押出Tダイフィルム成形機にて製膜した。具体的にはプロピレン系ブロック共重合体をφ40mm、L/Dが32の押出機2台で280℃にて溶融混練し、フィードブロックを経て両表面層に導き、ポリカーボネート樹脂をφ50mm、L/Dが32の押出機で280℃にて溶融混練しフィードブロックを経て中間層に導き、これらを280℃に温調したTダイ(600mm幅)より押し出して20℃のチルロールで引き取ることによって冷却固化し、総厚み12μmのフィルムを得た。この際、層の厚み比を(X)/(Y)/(X)=2/1/2とし、また、ライン速度は50m/分とした。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0062】
実施例2
実施例1において、両表面層にプロピレン系ブロック共重合体とホモポリプロピレン(住友化学工業(株)製 FS2011D、最高融解ピーク温度(Tm):158℃)とを6対4の重量比率でブレンドしたものを用いた以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
【0065】
実施例
実施例1において、中間層にポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂(三井石油化学(株)製TPX−MX021)を適用し、層の厚み比を1/2/1とした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
【0066】
比較例1
実施例1において、両表面層にプロピレン−エチレン−ブテン−1ランダム共重合体(住友化学工業(株)製ノ−ブレンFL6632)を用いた以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
【0068】
比較例
実施例1において両表面層に低密度ポリエチレン(住友化学工業(株)製 スミカセンCE3506)を、また、中間層にはホモポリプロピレン(住友化学工業(株)製ノ−ブレンWF949C)を用いた以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
【0069】
比較例
実施例1において、両表面層及び中間層ともに低密度ポリエチレン(住友化学工業(株)製 スミカセンCE3506)を用いた以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
【0070】
【表1】
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実 施 例
1 2
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
引張破断伸び(%) MD 100 100 140
同上 (%) TD 210 200 250
引張破断伸び比 TD/MD 2.10 2.00 1.79
引張破断強度(kg/cm2) MD 440 490 300
同上 (kg/cm2) TD 310 350 280
引張破断強度比 MD/TD 1.42 1.40 1.07
引張弾性率(kg/cm2) MD 5900 6500 4600
同上 (kg/cm2) TD 5800 6300 4400
粘着力(g/10cm) 6.0 5.3 6.5
耐熱温度(℃) 140 140 180
加熱収縮率(%) MD 3 3 2
同上 (%) TD 1 1 1
ノコ刃カット性 良 良 良
電子レンジ適性 ○ ◎ ◎
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0071】
【表2】
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
比 較 例

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
引張破断伸び(%) MD 100 300 230
同上 (%) TD 200 370 240
引張破断伸び比 TD/MD 2.00 1.23 1.04
引張破断強度(kg/cm2) MD 480 160 180
同上 (kg/cm2) TD 330 110 100
引張破断強度比 MD/TD 1.45 1.45 1.80
引張弾性率(kg/cm2) MD 7600 4400 2000
同上 (kg/cm2) TD 7400 4600 2000
粘着力(g/10cm) 0.5 4.5 9.3
耐熱温度(℃) 140 150 110
加熱収縮率(%) MD 3 3 不可
同上 (%) TD 1 2 不可
ノコ刃カット性 良 不良 不良
電子レンジ適性 ○ ○ ×
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0072】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、粘着性、耐熱性、電子レンジ適性、「のこ刃」カット性に優れ、かつ適度な柔軟性を有する安価な自己粘着性包装用フィルムが提供できる。
また、本発明の自己粘着性包装用フィルムは、非塩素系樹脂によって構成されており、ポリ塩化ビニリデンやポリ塩化ビニルを主原料とするフィルムに比べ環境適性が極めて高いものである。
さらに、本発明の自己粘着性包装用フィルムは、家庭用ラップフィルム、業務用ラップフィルムなどの包装用フィルムとして有用である。

Claims (7)

  1. 第一工程でエチレンに由来する繰り返し単位の含有量が1.5〜6.0重量%のプロピレン−エチレン共重合体部分(A成分)を全重合量(A成分と下記B成分の合計)の40〜85重量%生成し、ついで第二工程でエチレンに由来する繰り返し単位の含有量が7〜17重量%のプロピレン−エチレン共重合体部分(B成分)を全重合量(A成分とB成分の合計)の15〜60重量%生成して得られるブロック共重合体であって、かつB成分の極限粘度( [ η ] B)が2〜5dl/g、B成分の極限粘度( [ η ] B)とA成分の極限粘度( [ η ] A)との比( [ η ] B/ [ η ] A)が0.5〜1.8のプロピレン系ブロック共重合体からなる層(X)を少なくとも一層有する、非塩素系樹脂からなる未延伸多層フィルムであって、かつ、下記の(a)〜(h)の物性を満足する多層フィルムからなることを特徴とする自己粘着性包装用フィルム。
    (a) MD方向の引張破断伸びが10〜150%
    (b) TD方向の引張破断伸びとMD方向の引張破断伸びとの比(TD/MD)が0.5〜3
    (c) MD方向の引張破断強度が150〜800kg/cm2
    (d) MD方向の引張破断強度とTD方向の引張破断強度との比(MD/TD)が0.5〜2
    (e) MD方向とTD方向の引張弾性率がそれぞれ2000〜8000kg/cm2
    (f) 粘着力が3〜20g/10cm
    (g) 耐熱温度が140℃以上
    (h) MD方向とTD方向の加熱収縮率がそれぞれ10%以下
  2. プロピレン系ブロック共重合体が、チーグラー・ナッタ型触媒の存在下に重合して得られる共重合体である請求項記載の自己粘着性包装用フィルム。
  3. 多層フィルムがプロピレン系ブロック共重合体からなる層(X)とポリカーボネート系樹脂からなる層(Y)とから構成されてなる請求項記載の自己粘着性包装用フィルム。
  4. 多層フィルムがプロピレン系ブロック共重合体からなる層(X)とポリカーボネート系樹脂からなる層(Y)を(X)/(Y)/(X)の順に構成されてなる請求項記載の自己粘着性包装用フィルム。
  5. 多層フィルムがプロピレン系ブロック共重合体からなる層(X)とスチレン系樹脂からなる層(Z)を(X)/(Z)/(X)の順に構成されてなる請求項記載の自己粘着性包装用フィルム。
  6. 多層フィルムがプロピレン系ブロック共重合体からなる層(X)とポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂からなる層(W)を(X)/(W)/(X)の順に構成されてなる請求項記載の自己粘着性包装用フィルム。
  7. 多層フィルムがプロピレン系ブロック共重合体からなる層(X)と、リサイクル樹脂を含む層(V)とから構成される請求項記載の自己粘着性包装用フィルム。
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