JP3986795B2 - 自動車用の乗員保護装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエアバッグモジュールを有し、このエアバッグモジュールが車両座席に一体化できかつ、特にサイドエアバッグとして機能する膨張可能なエアバッグを有する、自動車用の安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
エアバッグを車両座席に一体化することは原理的には周知である。しかしながら、構造が簡単でかつ取付が容易な一体化エアバッグモジュールを有する安全装置の提供について依然として課題を有する。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの実施形態によれば、自動車用の安全装置が提供されている。この装置は車両座席に一体化されたエアバッグモジュールを有し、該エアバッグモジュールはモジュラーユニットを有し、該モジュラーユニットはサイドエアバッグとして構成された膨張可能なエアバッグを有している。このモジュラーユニットはガス発生器とカバーとを有している。このカバーは車両座席の後壁部分を形成する構造部材を有している。
【0004】
本発明の別の実施形態によれば自動車用の座席が提供されている。この座席は座席の後壁部分を形成する構造部材と、座席と一体化できるエアバッグモジュールとを有している。エアバッグモジュールは予め製造されたモジュラーユニットを有し、該モジュラーユニットは全体を一まとめで取り扱うことができ、かつ特にサイドエアバッグとして機能する膨張可能なエアバッグとガス発生器とを有している。構造部材は同時に、モジュラーユニットのためのモジュールカバーとして設計されている。
【0005】
以上の全体的な説明及び以下の詳細な説明はいずれも単なる例示のためのものであり、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0006】
本発明の上記及びその他の特徴、側面及び利点は以下の説明、特許請求の範囲及び図面に示した実施形態から明白となるであろう。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明によればエアバッグモジュールが提供されている。このモジュールは予め製造されたモジュラーユニットを有していて、このモジュラーユニットは全体を一まとめで取り扱うことができるものであり、そして特にサイドエアバッグとして機能する膨張可能なエアバッグと、ガス発生器と、座席の後壁部分を形成する構造部材とを有している。この構造部材は同時にモジュラーユニットのためのモジュールカバーとして設計されている。
【0008】
本発明によって提供されている構造部材は車両座席の後壁部分としてもモジュラーユニットのためのモジュールカバーとしても同時に機能する。モジュラーユニットのための別個のカバー部材は従って必要がない。このため、本発明によれば、安全装置のために全体として必要な部品数が減少する。これによって安全装置の構造が簡単となる。
【0009】
また、構造部材を車両座席に取り付けたときに、取り付けられた座席の後壁部分だけでなく、同時にモジュラーユニットのカバーのためにも機能するので、安全装置の装着が容易となる。
【0010】
全体を一まとめで取り扱うことができる予め製造された或いは予め組み付けられたモジュラーユニットは、エアバッグやガス発生器や必要な保持及び連結部材のような安全装置の機能に本質的に必要な全ての部品を含むことができる。モジュラーユニットの部品は空間的に分かれたかたちに分散しあるいは配置する必要がない。従って、エアバッグモジュールはモジュラーユニットと、モジュラーユニットのカバーとして働く構造部材とによって形成できる。構造部材はモジュラーユニットの分散した部品のための固定手段として設計すること、すなわちカバーとしての機能に加えたさらなる機能を行うことは必要とされない。これによって、構造部材を特に簡単な構造とすることができる。構造部材を取り付けたときに構造部材によって果たされるカバーリングは別にして、モジュラーユニットは取付前において完全となっており十分に機能できるものである。
【0011】
本発明の好ましくかつ実用的な形態において、構造部材は膨張するエアバッグによるところの、破断開放、裂けによる開放、回転による開放、及び/もしくは回動による離隔を可能とする領域、特に所定の破断箇所を有している。
【0012】
構造部材は車両座席の後壁全体を形成できる。特に、構造部材は車両座席の背もたれカバーとして設けることができる。
【0013】
モジュールカバーは車両座席の背もたれに対してほぼ直角に延びるのが好ましい。これによって、構造部材がモジュラーユニットのカバーとして機能できるようになり、モジュラーユニットのサイドエアバッグとして機能するエアバッグは事故の際に座席の側壁領域から出てくる。
【0014】
特に、カバーは構造部材の或るセクションによって形成でき、このセクションは車両座席の側壁の少なくとも一部を形成する。この場合、車両座席の側壁及び後壁のいずれもが本発明による構造部材によって部分的に形成される。
【0015】
構造部材が、モジュラーユニットを構造部材或いは車両座席に取り付けることなく、車両座席に取り付けることができるのが好ましい。これによって、モジュラーユニットが一体化されておらず或いは空間的な理由で一体化できないような車両座席においてすらも構造部材の利用が可能となる。
【0016】
本発明のさらなる設計においては、車両座席にまだ取り付けられていない構造部材にモジュラーユニットを予め取り付けることができるようにすることが提案されている。このため、安全装置の装着がさらに簡単となる。構造部材とモジュラーユニットとはいかなる所望の場所においても互いに連結でき、そして、所定の時期に車両座席にユニットとして取り付けることができる。
【0017】
別形態として、最初はモジュラーユニットだけを車両座席に取り付け、その後に構造部材を車両座席に取り付けることで、モジュラーユニットをカバーして後壁部分を座席に装着することもできる。この場合、車両座席、モジュラーユニット及び構造部材は構造部材及びモジュラーユニットの車両座席に対する共同或いは別個の装着ができるように設計できる。
【0018】
本発明のもう一つの実施形態において、構造部材は一体の設計になっている。この構造部材は特にシェル形状を有することができる。本発明のさらに別の設計には座席の後壁部分を形成するセクションと、モジュールカバーを形成するセクションとを有し、これらのセクションが互いにほぼ直角に延びているような構造部材の提供が含まれる。
【0019】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、カバーはキャップ形状に設計されている。これに関連して、カバーは互いに対してほぼ直角に延びるカバーセクションと側壁セクションとを有しているのが好ましい。モジュラーユニットは側壁セクションに固定でき、カバーセクションは或る領域において、例えば破断開放、裂けによる開放、回転による開放、及び/もしくは回動による離隔ができて、事故の場合にエアバッグの展開が可能となるように設計できる。
【0020】
モジュラーユニットはベースプレートを有していて、このベースプレートを介して構造部材に取り付けることができるのが好ましい。ベースプレートはガス発生器及び/もしくは、特にエアバッグの環状保持部材のための支持部として設計できる。
【0021】
本発明は、座席の後壁部分を形成する構造部材を有し、また座席に一体化できかつ予め製造されたモジュラーユニットを備えたエアバッグモジュールを有しており、モジュラーユニットは全体を一まとめで取り扱うことができて、特にサイドエアバッグとして機能する膨張可能なエアバッグとガス発生器とを有しており、構造部材は同時にモジュラーユニットのためのモジュールカバーとして設計されている、自動車用の座席にも関する。
【0022】
図1を参照すると、安全装置を含んだ車両座席12は、例えば自動車の運転者用座席として利用できる。この車両座席12の背もたれは後壁28と、側壁32と、基台44上に支持された詰め物42とを有している。
【0023】
後壁28と側壁32とは一体の部分24,26からなる構造部材によって形成されている。すなわち、この構造部材は車両座席12の背もたれカバーを形成する板状の部分24と、この部分24に対してほぼ直角な部分26とを有しており、この部分26は従って車両の側壁(図示しない)に対してほぼ平行に延びていて、以下で詳細に説明するモジュラーユニットのためのモジュールカバー(カバーセクション34及び側壁セクション36)として設計されている。
【0024】
構造部材の横方向の部分26によって形成されるモジュールカバーはキャップの形状に設計されており、車両座席12の側壁32部分を形成するカバーセクション34と、このカバーセクション34に対してほぼ直角に延びる側壁或いは側壁セクション36とを有している。このカバーセクション34は比較的薄い肉厚の領域と比較的厚い肉厚の領域とを有しており、これらの領域は所定の破断箇所35によって互いから区切られている。比較的薄い肉厚の領域において、カバーセクション34と詰め物42とが互いに重なり合っている。
【0025】
サイドエアバッグ構造として機能するモジュラーユニットは、図において折り畳まれた状態で概略を示したエアバッグ14を有している。さらに、カップ状のベースプレート18とガス発生器16と環状の保持部材22とによりこぶ状のユニットが構成されている。エアバッグ14は保持部材22とベースプレート18との間において、ガス入口開口を限定するエアバッグ14領域で留められている。このモジュラーユニットはベースプレート18の半径方向外側部分を介してモジュールカバーの側壁セクション36に固定されており、それによって部分24,26からなる構造部材に連結されている。
【0026】
所定の破断箇所35は、衝突が起きた場合にガス発生器16によって膨張するエアバッグ14の展開による、カバーセクション34すなわちカバーセクション34を形成する異なる肉厚の領域の、所定の破断開放、裂けによる開放、回転による開放、或いは回動による離隔を可能としている。
【0027】
モジュラーユニットは車両座席12、特に部分24,26からなる構造部材、とは別個に予め製造して組み立てておくことができ、全体がまとまった状態で、あるいはまとまったサブアッセンブリとして貯蔵しかつ搬送できる。
【0028】
モジュラーユニットはサブアッセンブリを車両座席12にユニットとして取り付ける前に、部分24,6からなる構造部材に予め取り付けておくこともできる。
【0029】
しかしながら、部分24,26からなる構造部材を車両座席12に取り付ける前に、モジュラーユニットを車両座席12に、例えばそれを基台44に固定することによって、取り付けることもできる。
【0030】
さらに、部分24,26からなる構造部材は、モジュラーユニットを車両座席12或いは部分24,26に取り付けておく以前に、車両座席12,例えば基台44に固定できるように設計されている。部分24,26からなる構造部材は従って、モジュラーユニットを備えていない車両座席12に対しても利用することができる。
【0031】
本願の優先権の基礎となるドイツ国特許出願第100 52 942.9号の全体を参照によってここに導入する。
【0032】
本発明の開示を得れば、で他の実施形態及び変形をなし得ることを当業者は理解されるであろう。従って、本開示に基づいて本発明の範囲及び精神内において当業者によって得られるあらゆる変形には本発明のさらなる実施形態が含まれる。本発明の範囲は特許請求の範囲の記載によって規定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による安全装置を備えた車両座席の一部の水平方向断面図である。
【符号の説明】
12 車両座席
14 エアバッグ
16 ガス発生器
18 ベースプレート
22 保持部材
24,26 部分 (構造部材)
28 後壁
32 側壁
34 カバーセクション
35 破断箇所
36 側壁セクション
42 詰め物
44 基台

Claims (7)

  1. 自動車用の安全装置であって、
    車両座席に一体化されたエアバッグモジュールを有し、該エアバッグモジュールはモジュラーユニット及び構造部材を有し、
    該モジュラーユニットはサイドエアバッグとして構成された膨張可能なエアバッグとガス発生器を有し、アセンブリとして取り付けが可能であり、該構造部材は、車両座席の後壁部分の少なくとも一部を形成し、一体設計であり、また車両座席の背もたれカバーとして設けられ、
    前記構造部材の第1セクションは、車両座席の側壁部分の少なくとも一部を形成するとともに、前記モジュラーユニットのモジュールカバーとして構成され、この第1セクションと前記構造部材のうち車両座席の少なくとも後壁部分を形成する第2セクションとが互いにほぼ直角に延びる構成であり、
    前記モジュールカバーは、カバーセクションと、互いにほぼ平行に延びていて且つ前記カバーセクションに対してほぼ直角に延びる複数の側壁セクションを有する構成であり、 前記モジュールユニットはベースプレートを有し、該ベースプレートを介して前記構造部材の前記複数の側壁セクションに取り付けられるように構成されている装置。
  2. 前記ベースプレートは前記ガス発生器のための支持部として構成されている請求項1に記載の装置。
  3. 前記ベースプレートは前記エアバッグの環状保持部材のための支持部として構成されている請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記構造部材は膨張するエアバッグによって破れ開くことができる所定の破断箇所を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 自動車用の座席であって、
    構造部材により形成された後壁と、座席と一体化されたエアバッグモジュールとを有し、該エアバッグモジュールはモジュラーユニットを有し、該モジュラーユニットは膨張可能なサイドエアバッグとガス発生器とを有し、アセンブリとして取り付けが可能であり、該構造部材は、車両座席の後壁部分の少なくとも一部を形成し、一体設計であり、また車両座席の背もたれカバーとして設けられ、
    前記構造部材の第1セクションは、車両座席の側壁部分の少なくとも一部を形成するとともに、前記モジュラーユニットのモジュールカバーとして構成され、この第1セクションと前記構造部材のうち車両座席の少なくとも後壁部分を形成する第2セクションとが互いにほぼ直角に延びる構成であり、
    前記モジュールカバーは、カバーセクションと、互いにほぼ平行に延びていて且つ前記カバーセクションに対してほぼ直角に延びる複数の側壁セクションを有する構成であり、 前記モジュールユニットはベースプレートを有し、該ベースプレートを介して前記構造部材の前記複数の側壁セクションに取り付けられるように構成されている座席。
  6. 前記モジュラーユニットは、当該座席への取付に先立って前記構造部材に予め取り付けられるように構成されている請求項5に記載の座席。
  7. 前記構造部材は膨張するエアバッグによって破れ開くことができる所定の破断箇所を有する請求項5または6に記載の座席。
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