JP3986217B2 - 中低層建物の制振構造及びその施工方法 - Google Patents

中低層建物の制振構造及びその施工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中低層建物の交通振動等に対する制振構造及びその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
住宅やオフィス等の中低層建物においては、例えば、中低層建物の周囲を走行する車両や中低層建物の周囲で行われる建設工事による連続する微小振動や住宅内の歩行による連続する微小振動等の周波数が2〜5Hz程度と比較的周期が短く、建物に作用する力が弱い微小振動(以下、「交通振動」という)がしばしば問題になる。
【0003】
即ち、高層ビル等の高層建物では、その建物自体の固有振動数が0.3〜2Hz程度で設計されるため、交通振動の周波数(2〜5Hz程度)帯域と重なることがなく共振することがないが、住宅やオフィス等の中低層建物では、その建物自体の固有振動数が3〜4Hz程度で設計されるため、交通振動の周波数(2〜5Hz程度)帯域と重なって共振することがある。
【0004】
交通振動による中低層建物の振動を抑制する手段としては、該中低層建物の鉄骨躯体に方杖を固定して該中低層建物の剛性を上げることにより該中低層建物の固有振動数を、その交通振動の周波数よりも上げて交通振動の周波数(2〜5Hz程度)帯域からずらし、共振現象を回避することが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来例では、中低層建物の鉄骨躯体の中で方杖を固定した部位に大きな剛性が付与されるため地震等により交通振動よりも大きな力(例えば、震度3を超える地震で力が数百kgf程度以上)が中低層建物に作用した時、方杖に過大な力がかかり、中低層建物の挙動に悪影響を与える虞がある。
【0006】
特に大規模の地震に対しては中低層建物の破壊につながりかねないため、方杖の設置位置を予め中低層建物の構造計算に組み込んで検討する必要があった。
【0007】
一方、特開平9-268802号公報に開示されたように、地震に対する制振装置としてブレース等の躯体の一部に摩擦ダンパーを設ける従来例は多い。しかし、これ等の技術はいずれも一定以上の地震の力が加わった時、高抵抗、即ち、摩擦係数が大である状態で滑りが生じ、振動エネルギーを吸収するためのものであるが、その滑り状態にあっても依然として躯体の一部としての機能を発揮する所謂ダンパーである。
【0008】
即ち、これ等の技術を住宅やオフィス等の中低層建物に適用した場合、確かに交通振動のような微小振動に対しては剛性が高められ、中低層建物の固有振動数は高くなり、制振作用を発揮するが、地震等が発生した場合、ダンパーである以上、建物に片寄った配置をすると中低層建物に悪影響を与える虞がある。
【0009】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、中低層建物の鉄骨躯体に設けられる方杖が面接合部を有することで、交通振動による中低層建物の微小振動では方杖にかかる力が小さいため面接合部が剛接として機能し、中低層建物の剛性を上げて制振作用を発揮し、地震等による交通振動よりも大きな力が中低層建物に作用した時、方杖の面接合部が可動状態となって方杖の周辺部分に過大な力がかかることがない中低層建物の制振構造及びその施工方法を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係る中低層建物の制振構造は、中低層建物の壁が片寄って配置された鉄骨躯体に開口部上部の角隅部に、該中低層建物の剛性を上げるための方杖を柱と梁に掛け渡して設け該方杖は交通振動範囲の力が作用したとき剛接を維持し、且つ前記交通振動範囲の力以上の力が作用したとき可動状態となり耐力を負担しないように、所定の摩擦係数が設定された面接合部を有することを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、中低層建物の鉄骨躯体に設けられる方杖が面接合部を有することで、交通振動による中低層建物の微小振動による小さな力では方杖にかかる力が小さいため面接合部が剛接として機能し、中低層建物の剛性を上げて制振作用を発揮し、地震等による交通振動よりも大きな力が中低層建物に作用した時、方杖の面接合部が可動状態となって方杖の周辺部分に過大な力がかかることがない。
【0012】
また、方杖の面接合部が可動状態では動摩擦係数が極めて低くなるように設定されているため該方杖は前述した従来例のダンパーのように力を吸収しつつ制振する躯体の一部として存在するのではなく、面接合部の可動作用により鉄骨躯体から方杖があたかも取り外された状態に遷移するため少なくとも方杖の周辺部分では地震振動に追従し易く、更には地震振動が収束した後は、再び元の状態に復帰する。
【0013】
また、本発明に係る中低層建物の制振構造の施工方法は、予め前記方杖を用意し、該方杖を中低層建物の鉄骨躯体に固定することを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、方杖が有する面接合部の可動し始める摩擦力を工場等で予め設定しておくことで、現場での作業性が向上される。
【0015】
【発明の実施の形態】
図により本発明に係る中低層建物の制振構造及びその施工方法の一実施形態を具体的に説明する。図1は本発明に係る中低層建物の制振構造を装備した中低層建物の鉄骨躯体の構成を示す斜視図、図2は本発明に係る中低層建物の制振構造の第1実施形態を装備した中低層建物の鉄骨躯体の一階部分の構成を示す正面図、図3は本発明に係る中低層建物の制振構造の第1実施形態に使用される方杖の連結部材となるガセットプレートの構成を示す正面説明図、図4は第1実施形態において方杖の連結部材となるガセットプレートと方杖部材となる溝型鋼とを面接合部により接合した状態を示す断面説明図、図5は第1実施形態において方杖の連結部材となるガセットプレートと方杖部材となる溝型鋼とを面接合部により接合する様子を示す断面説明図、図6は第1実施形態において方杖の面接合部に介在させた可動スペーサの構成を示す図、図7は揺れにより中低層建物の鉄骨躯体に作用する応力分布を示す図である。
【0016】
先ず、図1〜図7を用いて本発明に係る中低層建物の制振構造及びその施工方法の第1実施形態について説明する。図1及び図2において、1,2は住宅やオフィス等の中低層建物の鉄骨躯体を構成する柱及び梁であり、本実施形態では柱1が角パイプにより構成され、梁2がH形鋼により構成されている。
【0017】
図1及び図2に示すように1階の柱1と梁2とが接合される角隅部には中低層建物の剛性を上げるための方杖Aが固定されている。方杖Aは図3〜図5に示すように連結部材となる断面T字形状で且つ側面が台形状の2つのガセットプレート3と、方杖部材となる2つの溝形鋼4を背中合わせにして接合されて構成されている。
【0018】
ガセットプレート3は柱1或いは梁2に当接して接合されるフランジ3aと溝形鋼4に接合される板部3bとが直交して溶接により接合されており、該フランジ3aと板部3bとの間には補強板3cが溶接されている。
【0019】
柱1側及び梁2側に夫々固定されるガセットプレート3は、一対の溝形鋼4を背中合わせにした状態でボルト止めにより接続されるが、梁2側のガセットプレート3と溝形鋼4との間には図4に示すように、可動スペーサ5を介在させて固定されている。
【0020】
また、梁2側に固定されるガセットプレート3の板部3bの両表面で溝形鋼4が接合される部位には面接合部を構成する可動処理部3dが所定の面積で形成されており、該可動処理部3dの略中央部には方杖Aが配置される方向に沿った長穴3eが形成されている。
【0021】
可動処理部3dは板部3bの両表面に可動処理材等により固体潤滑処理されて所定の摩擦係数を有して構成されたものであり、長穴3eに沿って移動する可動スペーサ5の図3の破線で示す可動範囲6を含む所定の面積を有して形成されている。
【0022】
ガセットプレート3のフランジ3aには、ボルト穴3fが形成されており、該ボルト穴3fに図2に示すようにボルトを挿入して柱1及び梁2にボルト止めすることでガセットプレート3を柱1及び梁2に固定し、これにより方杖Aを柱1及び梁2に掛け渡して固定することが出来るようになっている。
【0023】
可動スペーサ5は図6に示すように、中央部にボルト穴5aを有する円盤状で構成されており、その片側表面に可動処理材等により固体潤滑処理されて所定の摩擦係数を有する可動処理部5bが形成されている。
【0024】
方杖Aは、その両端部に取り付けられたガセットプレート3を中低層建物の鉄骨躯体となる柱1及び梁2に対してボルト止めすることにより固定されるため、中低層建物の施工時に単独の部品として取り扱うことが出来、予め工場等で量産することが出来るものである。
【0025】
方杖Aを組み立てる際には、図5に示すように、例えば、M12の高力ボルト7を一方の溝形鋼4の溝側(図5の左側)から該溝形鋼4に形成されたボルト穴4aに挿通し、次に一方の可動スペーサ5の固体潤滑処理しない側から該可動スペーサ5のボルト穴5aに挿通し、次にガセットプレート3の板部3bに形成された長穴3eに挿通し、次に他方の可動スペーサ5の固体潤滑処理した側から該可動スペーサ5のボルト穴5aに挿通し、次に他方の溝形鋼4の溝側と反対側(背面側)から該溝形鋼4に形成されたボルト穴4aに挿通した後、平ワッシャ8を介してナット9及び緩み止めのロックナット10を順次高力ボルト7に螺合して所定の締め付けトルクで締着して固定する。
【0026】
ここで、交通振動等の連続する微小振動により揺れる中低層建物の振動の加速度が0.5〜3cm/secであった場合、図1及び図2に示す中低層建物の1階上部角隅部に設けられる方杖A近傍における鉄骨躯体の変位は最大0.1mm程度となる。そして、方杖Aの剛性を3t/cm程度とすると、上記揺れにより方杖Aにかかる軸力は30kgfとなる。
【0027】
また、交通振動範囲の力よりも大きな力が作用する震度3程度の地震の振動により揺れる中低層建物の振動の加速度が50cm/secであった場合、図1及び図2に示す中低層建物の1階上部角隅部に設けられる方杖A近傍における鉄骨躯体の変位は最大1.5mm程度となる。そして、方杖Aの剛性を同じく3t/cm程度とすると、上記揺れにより方杖Aにかかる軸力は600kgfとなる。
【0028】
そこで、方杖Aの面接合部となるガセットプレート3の板部3bの両表面の可動処理部3dと、可動スペーサ5の片側表面の可動処理部5bとに固体潤滑処理を行うと共に、トルクレンチ等により高力ボルト7の締め付けトルクを105kgf・cm程度に規定してガセットプレート3の板部3bの可動処理部3dと可動スペーサ5の可動処理部5bとの耐力を100kgf程度に設定し、方杖Aの面接合部において該方杖Aが可動状態に遷移する可動摩擦力を500kgf程度に設定している。
【0029】
これにより、方杖Aが可動状態に遷移する可動摩擦力500kgfは、交通振動等の微小振動時に方杖Aにかかる軸力30kgfよりも大きく、地震時に方杖Aにかかる軸力600kgfよりも小さいため、交通振動等の微小振動に対しては方杖Aの面接合部における摩擦力により剛接を維持して耐力を負担し、地震等で交通振動範囲の力以上の力が作用した時には方杖Aの面接合部で可動状態に遷移して耐力を負担しないため中低層建物構造としては柔構造となり該中低層建物構造に悪影響を与えない。
【0030】
そして、工場等で予め方杖Aの面接合部となるガセットプレート3の板部3bと可動スペーサ5との間で所定の可動摩擦力を発揮するように設定して組み立てられた方杖Aを中低層建物の建築現場に搬入し、方杖Aの両端部に取り付けられたガセットプレート3を中低層建物の鉄骨躯体となる柱1及び梁2に掛け渡してボルト止めすることにより固定する。
【0031】
図7は揺れにより中低層建物の鉄骨躯体に作用する応力分布を示す図である。図7に示すように、中低層建物の1階の鉄骨躯体に作用する応力が最大であり、2階、3階に上がるにつれて各階の鉄骨躯体に作用する応力が徐々に小さくなっている。また、各階では鉄骨躯体の上方(柱1の上方)に向かって応力が大きくなっている。
【0032】
従って、本実施形態のように、中低層建物の大きな開口である1階の鉄骨躯体となる柱1の上部と1階の天井部の梁2とに掛け渡して方杖Aを固定することで、最大の応力が作用する中低層建物の1階の鉄骨躯体の剛性を上げて交通振動による中低層建物の微小振動に対してより効果的な制振作用を発揮することが出来るものである。
【0033】
尚、方杖Aは中低層建物の1階の鉄骨躯体に取り付けるのが最も効果的であるが、2階、3階等の鉄骨躯体にも同様に方杖Aを固定すれば更に制振効果が向上出来る。
【0034】
特に、中低層建物の1階に自動車を駐車するスペース等を設ける場合には、図1及び図2に示すように中低層建物の1階の開口部11の上部の角隅部に柱1と梁2に掛け渡して方杖Aを固定することで中低層建物の剛性を上げる一方で開口部11の出入りのスペースを確保して自動車等の出入りを容易にすることが出来、中低層建物空間の有効利用が出来る。
【0035】
上記構成によれば、中低層建物の鉄骨躯体に設けられる方杖Aが所定の可動摩擦力を発揮し得るように設定された面接合部を有することで、交通振動による中低層建物の微小振動に対しては方杖Aにより中低層建物の剛性を上げて制振作用を発揮する。
【0036】
また、地震等により交通振動よりも大きな力が中低層建物に作用した時、方杖Aの面接合部となるガセットプレート3の板部3bに形成された可動処理部3dと可動スペーサ5の可動処理部5bとの間で可動状態となり中低層建物の変位に応じて高力ボルト7がガセットプレート3の板部3bに形成された長穴3eに沿って移動し、方杖Aの周辺部分に過大な力がかかることがない。
【0037】
また、中低層建物の揺れが収束すると、高力ボルト7は長穴3eの略中央部位置に復帰し、方杖Aの面接合部となるガセットプレート3の板部3bに形成された可動処理部3dと可動スペーサ5の可動処理部5bとの間の可動摩擦力が維持されて再現性が確保される。
【0038】
前記実施形態では可動スペーサ5を円盤状で構成したが、可動スペーサ5の形状は円盤状以外の方形状や三角形状、長円形状、楕円形状等種々の形状で構成することでも良く、該可動スペーサ5の移動領域に応じてガセットプレート3の板部3bに可動処理部3dを形成すれば良い。
【0039】
また、方杖Aを構成する方杖部材としては、溝形鋼4の代わりにH形鋼、I形鋼、山形鋼、T形鋼、平鋼、角パイプ等を適宜採用することでも良い。
【0040】
また、工場等で予め方杖Aの面接合部となるガセットプレート3の板部3bと可動スペーサ5との間で所定の可動摩擦力を発揮するように設定して組み立てられた方杖Aを中低層建物の建築現場に搬入し、方杖Aの両端部に取り付けられたガセットプレート3を中低層建物の鉄骨躯体となる柱1及び梁2に掛け渡してボルト止めすることにより固定する施工方法によれば、現場で方杖Aの面接合部の可動摩擦力を設定する必要がないので施工性が良く、施工期間を短縮することが出来る。
【0041】
尚、必要に応じて現場で方杖Aの面接合部の可動摩擦力を適宜設定することでも良いし、方杖A自体を現場で組み付けた後、中低層建物の鉄骨躯体に固定することでも良い。
【0042】
また、前記実施形態では梁2側のガセットプレート3に長穴3e及び可動処理部3dを形成し、溝形鋼4との間に可動スペーサ5を介在させて方杖Aの面接合部を構成した場合について説明したが、柱1側のガセットプレート3に長穴3e及び可動処理部3dを形成し、溝形鋼4との間に可動スペーサ5を介在させて方杖Aの面接合部を構成しても良い。
【0043】
次に図8を用いて本発明に係る中低層建物の制振構造の第2実施形態について説明する。図8は本発明に係る中低層建物の制振構造の第2実施形態の構成を示す組み付け説明図である。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】
本実施形態では、図8に示すように、梁2の下フランジ2aに対して溶接等により固定されたガセットプレート3が設けてあり、該ガセットプレート3の板部3bの両表面で少なくとも方杖Aを構成する方杖部材となる溝形鋼4が接合される部位には面接合部を構成する可動処理部3dが所定の面積で形成されている。また、可動処理部3dの略中央部には方杖Aが配置される方向に沿った長穴3eが形成されている。
【0045】
可動処理部3dはガセットプレート3の板部3bの両表面に可動処理材等により固体潤滑処理して所定の摩擦係数を有して構成されたものであり、長穴3eに沿って移動する溝形鋼4の可動範囲を含む所定の面積を有して形成されている。
【0046】
一対の溝形鋼4の溝側と反対側(背面側)の表面には、ガセットプレート3の板部3bに形成された長穴3eに沿って移動する溝形鋼4の可動範囲を含む所定の面積を有して可動処理材等により固体潤滑処理して所定の摩擦係数を有する可動処理部4bが形成されている。
【0047】
前記第1実施形態では可動スペーサ5をガセットプレート3の板部3bと溝形鋼4との間に介在させて構成したが、本実施形態では可動スペーサ5を省略して梁2に設けられたガセットプレート3の板部3bの可動処理部3dと溝形鋼4の可動処理部4bとを直接当接させて前記第1実施形態と同様に高力ボルト7を溝形鋼4のボルト穴4a及びガセットプレート3の板部3bの長穴3eに挿入し、平ワッシャ8を介してナット9及びロックナット10を該高力ボルト7に螺合して所定の締め付けトルクで締着して固定する。
【0048】
そして、前記第1実施形態と同様に交通振動による中低層建物の微小振動に対しては方杖Aにより中低層建物の剛性を上げて制振作用を発揮し、地震等により交通振動よりも大きな力が中低層建物に作用した時、方杖Aの面接合部となる溝形鋼4に形成された可動処理部4bとガセットプレート3の板部3bに形成された可動処理部3dとの間で可動状態となり中低層建物の変位に応じて高力ボルト7がガセットプレート3の板部3bに形成された長穴3eに沿って移動し、方杖Aの周辺部分に過大な力がかかることがない。
【0049】
また、中低層建物の揺れが収束すると、高力ボルト7は長穴3eの略中央部位置に復帰し、方杖Aの面接合部となる溝形鋼4に形成された可動処理部4bとガセットプレート3の板部3bに形成された可動処理部3dとの間の可動摩擦力が維持されて再現性が確保される。
【0050】
他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来るものである。
【0051】
次に図9を用いて本発明に係る中低層建物の制振構造の第3実施形態について説明する。図9は本発明に係る中低層建物の制振構造の第3実施形態の構成を示す組み付け説明図である。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
本実施形態では、図9に示すように、梁2の下フランジ2aに対してボルト止めにより固定されるガセットプレート3の板部3bの両表面で少なくとも方杖Aを構成する方杖部材となるT形鋼21が接合される部位には面接合部を構成する可動処理部3dが所定の面積で形成されている。また、可動処理部3dの略中央部には方杖Aが配置される方向に沿って並設された2つの長穴3eが形成されている。
【0053】
可動処理部3dはガセットプレート3の板部3bの両表面に可動処理材等により固体潤滑処理をして所定の摩擦係数を有して構成されたものであり、並設された2つの長穴3eに沿って移動するT形鋼21の可動範囲を含む所定の面積を有して形成されている。
【0054】
T形鋼21のウェブ21a側と反対側(背面側)のフランジ21bの表面には、ガセットプレート3の板部3bに形成された長穴3eに沿って移動するT形鋼21の可動範囲を含む所定の面積を有して可動処理材等により固体潤滑処理して所定の摩擦係数を有する可動処理部21cが形成されている。
【0055】
そして、前記第2実施形態と同様に前記第1実施形態で使用した可動スペーサ5を省略して梁2に固定されるガセットプレート3の板部3bの可動処理部3dとT形鋼21の可動処理部21cとを直接当接させて前記第1実施形態と同様に高力ボルト7をT形鋼21のフランジ21bに形成されたボルト穴21d及びガセットプレート3の板部3bに形成された長穴3eに挿入し、平ワッシャ8を介してナット9及びロックナット10を該高力ボルト7に螺合して所定の締め付けトルクで締着して固定した後、ガセットプレート3のフランジ3aを梁2の下フランジ2aに当接させてボルト止めして固定する。
【0056】
そして、前記第1実施形態と同様に交通振動による中低層建物の微小振動に対しては方杖Aにより中低層建物の剛性を上げて制振作用を発揮し、地震等により交通振動よりも大きな力が中低層建物に作用した時、方杖Aの面接合部となるT形鋼21に形成された可動処理部21cとガセットプレート3の板部3bに形成された可動処理部3dとの間で可動状態となり中低層建物の変位に応じて高力ボルト7がガセットプレート3の板部3bに形成された長穴3eに沿って移動し、方杖Aの周辺部分に過大な力がかかることがない。
【0057】
また、中低層建物の揺れが収束すると、高力ボルト7は長穴3eの略中央部位置に復帰し、方杖Aの面接合部となるT形鋼21に形成された可動処理部21cとガセットプレート3の板部3bに形成された可動処理部3dとの間の可動摩擦力が維持されて再現性が確保される。
【0058】
他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来るものである。
【0059】
次に図10を用いて本発明に係る中低層建物の制振構造の第4実施形態について説明する。図10は本発明に係る中低層建物の制振構造の第4実施形態の構成を示す組み付け説明図である。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0060】
前記各実施形態では、連結部材となるガセットプレート3の板部3bの両側に方杖部材となる一対の溝形鋼4或いは一対のT形鋼21を背中合わせに挟み込んだ状態で構成した方杖Aの一例であるが、本実施形態では、図10に示すように、梁2に対してボルト止めにより固定される連結部材となる一対の断面L字形のブラケット31を背中合わせにした間に方杖部材となる1枚の平鋼32を介在させて挟み込んだ状態で構成した方杖Aの一例である。
【0061】
ブラケット31の板部31bの平鋼32側の表面で少なくとも方杖Aを構成する方杖部材となる平鋼32が接合される部位には可動処理部31cが所定の面積で形成されている。可動処理部31cはブラケット31の板部31bの表面に可動処理材等により固体潤滑処理して所定の摩擦係数を有して構成されたものであり、平鋼32に方杖Aが配置される方向に沿って形成された長穴32aに沿って移動する該平鋼32の可動範囲を含む所定の面積を有して形成されている。
【0062】
また、方杖Aの面接合部を構成する平鋼32の両表面には、該平鋼32の長穴32aに沿って移動する平鋼32の可動範囲を含む所定の面積を有して可動処理材等により固体潤滑処理して所定の摩擦係数を有する可動処理部32bが形成されている。
【0063】
そして、前記各実施形態と同様に前記第1実施形態で使用した可動スペーサ5を省略してブラケット31の板部31bに形成された可動処理部31cと、平鋼32の両表面に形成された可動処理部32bとを直接当接させて前記第1実施形態と同様に高力ボルト7をブラケット31の板部31bに形成されたボルト穴31d及び平鋼32に形成された長穴32aに挿入し、平ワッシャ8を介してナット9及びロックナット10を該高力ボルト7に螺合して所定の締め付けトルクで締着して固定した後、梁2の下フランジ2aに対してブラケット31のフランジ31aを当接してボルト止めにより固定する。
【0064】
そして、前記第1実施形態と同様に交通振動による中低層建物の微小振動に対しては方杖Aにより中低層建物の剛性を上げて制振作用を発揮し、地震等により交通振動よりも大きな力が中低層建物に作用した時、方杖Aの面接合部となる平鋼32に形成された可動処理部32bとブラケット31の板部31bに形成された可動処理部31cとの間で可動状態となり中低層建物の変位に応じて平鋼32が該平鋼32に形成された長穴32aに沿って高力ボルト7と係合しつつ移動し、方杖Aの周辺部分に過大な力がかかることがない。
【0065】
また、中低層建物の揺れが収束すると、平鋼32が元の位置に復帰し、方杖Aの面接合部となる平鋼32に形成された可動処理部32bとブラケット31の板部31bに形成された可動処理部31cとの間の可動摩擦力が維持されて再現性が確保される。
【0066】
他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来るものである。
【0067】
次に図11を用いて本発明に係る中低層建物の制振構造の第5実施形態について説明する。図11は本発明に係る中低層建物の制振構造の第5実施形態の構成を示す組み付け説明図である。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0068】
前記各実施形態では、ガセットプレート3やブラケット31等の連結部材と、溝形鋼4やT形鋼21或いは平鋼32等の方杖部材との接合部に面接合部を設けて構成したものであるが、本実施形態では、図11に示すように、H形鋼からなる梁2の下フランジ2aに梁2の長手方向に沿って2つの長穴2bが並設して形成され、該長穴2bを含んだ下フランジ2aの下表面で少なくとも方杖Aを構成する方杖部材となる溝形鋼4の端部に形成された接合部4cが接合される部位には可動処理部2cが所定の面積で形成されている。
【0069】
可動処理部2cは梁2の下フランジ2aの下表面に可動処理材等により固体潤滑処理して所定の摩擦係数を有して構成されたものであり、梁2の下フランジ2aに形成された長穴2bに沿って移動する溝形鋼4の接合部4cの可動範囲を含む所定の面積を有して形成されている。
【0070】
また、方杖Aの面接合部を構成する溝形鋼4の接合部4cの上表面には全面に亘って可動処理材等により固体潤滑処理して所定の摩擦係数を有する可動処理部4bが形成されている。
【0071】
そして、前記各実施形態と同様に前記第1実施形態で使用した可動スペーサ5を省略して梁2の下フランジ2aの下表面に形成された可動処理部2cと溝形鋼4の接合部4cの上表面に形成された可動処理部4bとを直接当接させて前記第1実施形態と同様に高力ボルト7を梁2の下フランジ2aに形成された長穴2b及び溝形鋼4の接合部4cに形成されたボルト穴4aに挿入し、平ワッシャ8を介してナット9及びロックナット10を高力ボルト7に螺合して所定の締め付けトルクで締着して固定する。
【0072】
そして、前記第1実施形態と同様に交通振動による中低層建物の微小振動に対しては方杖Aにより中低層建物の剛性を上げて制振作用を発揮し、地震等により交通振動よりも大きな力が中低層建物に作用した時、方杖Aの面接合部となる溝形鋼4の接合部4cに形成された可動処理部4bと梁2の下フランジ2aの下表面に形成された可動処理部2cとの間で可動状態となり中低層建物の変位に応じて溝形鋼4が梁2の下フランジ2aに形成された長穴2bに沿って高力ボルト7と共に移動し、方杖Aの周辺部分に過大な力がかかることがない。
【0073】
また、中低層建物の揺れが収束すると、溝形鋼4が元の位置に復帰し、方杖Aの面接合部となる溝形鋼4の接合部4cの上表面に形成された可動処理部4bと梁2の下フランジ2aの下表面に形成された可動処理部2cとの間の可動摩擦力が維持されて再現性が確保される。
【0074】
他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来るものである。
【0075】
次に図12及び図13を用いて本発明に係る中低層建物の制振構造の第6実施形態について説明する。図12は本発明に係る中低層建物の制振構造の第6実施形態を装備した中低層建物の鉄骨躯体の一階部分の構成を示す正面図、図13は本発明に係る中低層建物の制振構造の第6実施形態の構成を示す組み付け説明図である。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0076】
前記第1〜第4実施形態では、ガセットプレート3やブラケット31等の連結部材と、溝形鋼4やT形鋼21或いは平鋼32等の方杖部材との接合部に面接合部を設けて構成し、前記第5実施形態では、梁2の下フランジ2aと、溝形鋼4等の方杖部材との接合部に面接合部を設けて構成したものであったが、本実施形態では、図12に示すように、方杖部材となる溝形鋼4が2分割され、該溝形鋼4同士の接合部に面接合部を設けて構成したものである。
【0077】
図12に示すように、柱1及び梁2にボルト止め等により固定される連結部材となるガセットプレート3に2分割された方杖部材となる溝形鋼4の一端部がボルト止め等により固定され、該溝形鋼4の他端部が接合部材41により接合されている。
【0078】
図13に示すように、接合部材41の一端部は背中合わせに配置された一対の溝形鋼4により挟まれた状態でボルト止め等により固定され、該接合部材41の他端部に方杖Aの配置方向に沿って長穴41aが形成されている。
【0079】
接合部材41の長穴41aを含んだ両表面で少なくとも方杖Aを構成する方杖部材となる他方の溝形鋼4が接合される部位には方杖Aの面接合部を構成する可動処理部41bが所定の面積で形成されている。
【0080】
可動処理部41bは接合部材41の両表面に可動処理材等により固体潤滑処理して所定の摩擦係数を有して構成されたものであり、一端が一方の溝形鋼4に固定された接合部材41の他端部に形成された長穴41aに沿って移動する他方の溝形鋼4の可動範囲を含む所定の面積を有して形成されている。
【0081】
また、接合部材41の長穴41a側に接合される側の一対の溝形鋼4の溝側と反対側(背面側)の表面には、可動処理材等により固体潤滑処理して所定の摩擦係数を有する可動処理部4bが該溝形鋼4が接合部材41に形成された長穴41aに沿って移動する可動範囲を含む所定の面積を有して形成されている。
【0082】
そして、前記各実施形態と同様に前記第1実施形態で使用した可動スペーサ5を省略して接合部材41の両表面に形成された可動処理部41bと、溝形鋼4の背面に形成された可動処理部4bとを直接当接させて前記第1実施形態と同様に高力ボルト7を溝形鋼4に形成されたボルト穴4a及び接合部材41に形成された長穴41aに挿入し、平ワッシャ8を介してナット9及びロックナット10を該高力ボルト7に螺合して所定の締め付けトルクで締着して固定した後、ガセットプレート3のフランジ3aを梁2の下フランジ2aに当接させてボルト止めにより固定する。
【0083】
そして、前記第1実施形態と同様に交通振動による中低層建物の微小振動に対しては方杖Aにより中低層建物の剛性を上げて制振作用を発揮し、地震等により交通振動よりも大きな力が中低層建物に作用した時、方杖Aの面接合部となる溝形鋼4の背面に形成された可動処理部4bと接合部材41の両表面に形成された可動処理部41bとの間で可動状態となり中低層建物の変位に応じて溝形鋼4が接合部材41に形成された長穴41aに沿って高力ボルト7と共に移動し、方杖Aの周辺部分に過大な力がかかることがない。
【0084】
また、中低層建物の揺れが収束すると、溝形鋼4が元の位置に復帰し、方杖Aの面接合部となる溝形鋼4に形成された可動処理部4bと接合部材41に形成された可動処理部41bとの間の可動摩擦力が維持されて再現性が確保される。
【0085】
他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来るものである。
【0086】
次に図14を用いて本発明に係る中低層建物の制振構造を採用した場合と、採用しない場合、及び従来例のような建物躯体の一部としての機能を発揮するダンパーを方杖に装備した制振構造を採用した場合の比較例について説明する。
【0087】
図14(a)〜(d)は駐車スペース等の大きな開口を持った中低層建物の1階平面説明図であり、図14(a)は鉄骨躯体に方杖を固定しない中低層建物で交通振動範囲の力が作用した場合の揺れの一例を示す図、図14(b)は鉄骨躯体に面接合部を有する方杖を固定した中低層建物で交通振動範囲の力が作用した場合の揺れの一例を示す図、図14(c)は鉄骨躯体に建物躯体の一部としての機能を発揮するダンパーを有する方杖を固定した中低層建物で交通振動範囲の力よりも大きい力が作用した場合の揺れの一例を示す図、図14(d)は鉄骨躯体に面接合部を有する方杖を固定した中低層建物で交通振動範囲の力よりも大きい力が作用した場合の揺れの一例を示す図である。
【0088】
図14(a)〜(d)において、中低層建物の鉄骨躯体となる柱1の間には壁12が配置されている。11は駐車スペース等の大きな開口を持った開口部であり、13は、その開口部11に中低層建物の内部から出入りするためのドアである。
【0089】
図14(a)では、柱1と図示しない梁との間に方杖を固定しない構造において交通振動範囲の力が作用した場合、開口部11を設けるために壁12が片寄って配置されている。壁12等の2次部材は微振動の力の小さな時には建物剛性に寄与するため剛性のバランスが悪く、特に開口部11側(図14(a)の下側)で変位の大きな揺れ14aが発生する。
【0090】
一方、図14(b)に示すように、上述した本発明に係る中低層建物の制振構造を装備した場合、開口部11の前方(図14(b)の下側)に仮に壁12を配置した時の剛性に見合う剛性を発揮する方杖Aを柱1と図示しない梁との間に固定することで、その中低層建物の剛性が上がり、交通振動範囲の力が作用した場合でも鉄骨躯体等のねじれが抑制されて小さな揺れ14bに抑制される。
【0091】
図14(c)では、柱1と図示しない梁との間に建物躯体の一部としての機能を発揮するダンパーを有する方杖Bを固定した中低層建物で地震等で交通振動範囲の力よりも大きい力が作用した場合、方杖Bは制振作用を発揮すると同時に構造部材としての機能をも発揮して地震力を負担する。
【0092】
方杖Bが強い力を負担する一方で、壁12は構造部材ではないので地震のような大きな力は負担出来ず、一部破壊する等して、そのため方杖Bと反対側(図14(c)の上側)の揺れ14cの変位が大きくなり、中低層建物に大きなねじれを発生させる。
【0093】
一方、図14(d)に示すように、上述した本発明に係る中低層建物の制振構造を装備した場合、交通振動範囲の力よりも大きい力が中低層建物に作用した時、面接合部が可動状態に遷移して地震による力を逃がし、その中低層建物は予め設定された構造計算通りの挙動を示すため小さな揺れ14dに抑制され、建物に大きなねじれは発生しない。
【0094】
【発明の効果】
本発明は、上述の如き構成と作用とを有するので、中低層建物の鉄骨躯体に設けられる方杖が面接合部を有することで、交通振動による中低層建物の微小振動に対しては方杖により中低層建物の剛性を上げて制振作用を発揮し、地震等により交通振動よりも大きな力が中低層建物に作用した時、方杖の面接合部で可動状態となり方杖の周辺部分に過大な力がかかることがなく、中低層建物としては柔構造となる。
【0095】
また、本発明に係る中低層建物の制振構造の施工方法によれば、方杖が有する面接合部が可動状態に遷移する摩擦力を工場等で予め設定しておくことで、現場での作業性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る中低層建物の制振構造を装備した中低層建物の鉄骨躯体の構成を示す斜視図である。
【図2】 本発明に係る中低層建物の制振構造の第1実施形態を装備した中低層建物の鉄骨躯体の一階部分の構成を示す正面図である。
【図3】 本発明に係る中低層建物の制振構造の第1実施形態に使用される方杖の連結部材となるガセットプレートの構成を示す正面説明図である。
【図4】 第1実施形態において方杖の連結部材となるガセットプレートと方杖部材となる溝型鋼とを面接合部により接合した状態を示す断面説明図である。
【図5】 第1実施形態において方杖の連結部材となるガセットプレートと方杖部材となる溝型鋼とを面接合部により接合する様子を示す断面説明図である。
【図6】 第1実施形態において方杖の面接合部に介在させた可動スペーサの構成を示す図である。
【図7】 揺れにより中低層建物の鉄骨躯体に作用する応力分布を示す図である。
【図8】 本発明に係る中低層建物の制振構造の第2実施形態の構成を示す組み付け説明図である。
【図9】 本発明に係る中低層建物の制振構造の第3実施形態の構成を示す組み付け説明図である。
【図10】 本発明に係る中低層建物の制振構造の第4実施形態の構成を示す組み付け説明図である。
【図11】 本発明に係る中低層建物の制振構造の第5実施形態の構成を示す組み付け説明図である。
【図12】 本発明に係る中低層建物の制振構造の第6実施形態を装備した中低層建物の鉄骨躯体の一階部分の構成を示す正面図である。
【図13】 本発明に係る中低層建物の制振構造の第6実施形態の構成を示す組み付け説明図である。
【図14】 (a)〜(d)は駐車スペース等の大きな開口を持った中低層建物の1階平面説明図であり、(a)は鉄骨躯体に方杖を固定しない中低層建物で交通振動範囲の力が作用した場合の揺れの一例を示す図、(b)は鉄骨躯体に面接合部を有する方杖を固定した中低層建物で交通振動範囲の力が作用した場合の揺れの一例を示す図、(c)は鉄骨躯体に建物躯体の一部としての機能を発揮するダンパーを有する方杖を固定した中低層建物で交通振動範囲の力よりも大きい力が作用した場合の揺れの一例を示す図、(d)は鉄骨躯体に面接合部を有する方杖を固定した中低層建物で交通振動範囲の力よりも大きい力が作用した場合の揺れの一例を示す図である。
【符号の説明】
A,B…方杖
1…柱
2…梁
2a…下フランジ
2b…長穴
2c…可動処理部
3…ガセットプレート
3a…フランジ
3b…板部
3c…補強板
3d…可動処理部
3e…長穴
3f…ボルト穴
4…溝形鋼
4a…ボルト穴
4b…可動処理部
4c…接合部
5…可動スペーサ
5a…ボルト穴
5b…可動処理部
6…可動範囲
7…高力ボルト
8…平ワッシャ
9…ナット
10…ロックナット
11…開口部
12…壁
13…ドア
14a〜14d…揺れ
21…T形鋼
21a…ウェブ
21b…フランジ
21c…可動処理部
21d…ボルト穴
31…ブラケット
31a…フランジ
31b…板部
31c…可動処理部
31d…ボルト穴
32…平鋼
32a…長穴
32b…可動処理部
41…接合部材
41a…長穴
41b…可動処理部

Claims (2)

  1. 中低層建物の壁が片寄って配置された鉄骨躯体に開口部上部の角隅部に、該中低層建物の剛性を上げるための方杖を柱と梁に掛け渡して設け該方杖は交通振動範囲の力が作用したとき剛接を維持し、且つ前記交通振動範囲の力以上の力が作用したとき可動状態となり耐力を負担しないように、所定の摩擦係数が設定された面接合部を有することを特徴とする中低層建物の制振構造。
  2. 請求項1に記載の方杖を予め用意し、該方杖を中低層建物の鉄骨躯体に固定することを特徴とする中低層建物の制振構造の施工方法。
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