JP3983031B2 - 半導体電力変換装置の制御回路 - Google Patents

半導体電力変換装置の制御回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、交流電源系統または交流電動機に接続されて交流電力を授受する半導体電力変換装置の制御回路に関し、詳しくは、交流電源系統等との間で授受される有効電力、無効電力の制御諸量(電流、電圧等)を複素ベクトルとして検出し、これらを回転座標系で制御するようにした制御回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
交流電源系統または交流電動機に接続されたインバータ等の半導体電力変換装置では、有効電力や無効電力を制御するための電流、電圧等の制御諸量をd−q座標(回転座標)上で演算することにより、高速かつ高精度な交流電力の制御が可能である。
これらの制御諸量をd−q座標上で演算するためには、電圧や電流を複素ベクトルとして取り扱う必要がある。
【0003】
三相平衡回路では、三相−二相変換により電圧、電流の複素ベクトルを容易に検出することができるが、単相回路や三相不平衡回路では複素ベクトルの検出が容易ではないため、これらの回路における交流電力の制御では、電流や電圧をd−q座標ではなく静止座標上で演算するのが一般的であった。
このため、結果として制御偏差が生じることもあり、交流電力を高速かつ高精度に制御できないという問題があった。
【0004】
また、交流電源系統との同期運転が必要な半導体電力変換装置において、同期運転に必要な信号(同期信号)は交流電源周波数の半サイクルごとにしか得られないため、即座に交流電源系統と同期させて運転することができないという問題もあった。
【0005】
そこで本発明は、伝送回路において広く知られているヒルベルト変換を用いて交流電圧及び交流電流の瞬時値の複素ベクトルをそれぞれ検出し、交流電源系統や交流電動機との間で授受される有効電力及び無効電力の制御に必要な電流、電圧を回転座標上で演算可能として単相回路や多相交流回路における交流電力を高速かつ高精度に制御可能とした半導体電力変換装置の制御回路を提供しようとするものである。
また、本発明は、ヒルベルト変換によって得られる交流電源電圧の複素ベクトルの瞬時位相角を同期運転に必要な基準信号とすることで、交流電源系統との速やかな同期運転を可能にした半導体電力変換装置の制御回路を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1項記載の発明は、交流電源系統または交流電動機に接続されて交流電力を授受する半導体電力変換装置の制御回路であって、交流電力を制御するために電流または電圧の制御系を有する制御回路において、電流または電圧を回転座標系で制御するために複素化する手段として、ヒルベルト変換手段を備えたものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、交流電源系統または交流電動機の実在の瞬時電流及び瞬時電圧を実軸成分として検出する手段と、前記実軸成分に直交する成分としてヒルベルト変換手段により演算された虚軸成分と前記実軸成分とを用いて、複素座標上を回転する電流及び電圧の複素ベクトルを検出し、これらの複素ベクトルを回転座標系の各軸成分に変換する手段と、を備えたものである。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、瞬時電圧の実軸成分及び虚軸成分を用いて電圧基本波成分の瞬時位相角を演算する手段と、前記瞬時位相角を用いて瞬時電流の実軸成分及び虚軸成分を回転座標系の各軸成分に変換する手段と、これらの回転座標系の各軸成分がそれぞれの指令値に一致するように積分動作する調節手段と、この調節手段から出力される瞬時電圧指令値の回転座標系の各軸成分を、前記瞬時位相角を用いて瞬時電圧指令値の実軸成分及び虚軸成分に変換する手段と、瞬時電圧指令値の実軸成分を出力電圧指令値として半導体電力変換装置に与える手段と、を備えたものである。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、瞬時電流指令値の回転座標系の各軸成分を、前記瞬時位相角を用いて瞬時電流指令値の実軸成分及び虚軸成分に変換する手段と、瞬時電流の実軸成分がその指令値に一致するように比例動作する調節手段と、この調節手段の出力を前記出力電圧指令値に加算する手段と、を備えたものである。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項3または4記載の発明において、瞬時電流の回転座標系の各軸成分を分離して制御することにより、瞬時有効電力及び瞬時無効電力を制御するものである。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、瞬時電流の回転座標系の各軸基本波成分を分離して制御することにより、基本波瞬時有効電力及び基本波瞬時無効電力を制御するものである。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項3〜6の何れか1項に記載した発明において、交流電源系統に同期して運転される半導体電力変換装置を、電源電圧の瞬時位相角を基準信号として同期運転するものである。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7の何れか1項に記載した発明において、半導体電力変換装置が単相電源系統に連系される単相インバータであることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
まず、図1は、単相電源系統に単相インバータが連系している場合のように、二つの交流電源が存在する電源回路の概念的な等価回路であり、eIrは例えばインバータ出力電圧瞬時値、eSrは系統電圧(電源電圧)瞬時値、iSrは連系電流瞬時値、Rは系統の抵抗、Lは連系リアクタンスである。いま、数式1〜3のように、上記eSr,iSr,eIrを片側フーリエ係数列で表された複素ベクトル(複素数列)e,i,eの実軸成分として表現する。
【0015】
【数1】
Figure 0003983031
【0016】
【数2】
Figure 0003983031
【0017】
【数3】
Figure 0003983031
【0018】
ここで、複素ベクトルe,i,eは歪み波で表されると仮定し、それぞれ数式4〜6で定義する。なお、数式4〜6において、ESn,ISn,EInは振幅、δ,θ,φは位相、nは次数、ωtは電源電圧の基本波成分の位相角であり、振幅ESn,ISn,EIn、位相δ,θ,φ、位相角ωtは瞬時値(時間関数)とする。また、簡略化のため、δ=0とする。
【0019】
【数4】
Figure 0003983031
【0020】
【数5】
Figure 0003983031
【0021】
【数6】
Figure 0003983031
【0022】
更に、複素ベクトルe,i,eの虚軸成分として、数式7〜9の如くeSi,iSi,eIiを定義する。
【0023】
【数7】
Figure 0003983031
【0024】
【数8】
Figure 0003983031
【0025】
【数9】
Figure 0003983031
【0026】
因果数列で表される複素ベクトルe,i,eは、解析関数(正則関数)であってその実部と虚部とは互いに90°の位相差を持ち、実部が与えられれば対応する複素ベクトルが一義的に規定される性質を持つ。
従って、複素ベクトルe,i,eは、その実部である電圧、電流の瞬時値eSr,iSr,eIrによって一義的に規定される。例えば、複素ベクトルeを例にとると、数式10となる。
【0027】
【数10】
Figure 0003983031
【0028】
ここで、H[ ]はヒルベルト変換器であり、正負すべての周波数成分を90°遅らせるフィルタであって、その伝達関数は数式11によって表される。
【0029】
【数11】
Figure 0003983031
【0030】
上述のように、ヒルベルト変換を用いれば、複素座標上を回転するe等の複素ベクトルの瞬時値が一義的に規定されるので、図2の瞬時複素ベクトル図に示すように複素平面の実軸をα軸、虚軸をβ軸と定義することで、三相交流回路で広く用いられるα−β座標(直交二相座標)からd−q座標(回転座標)への変換(d−q変換)を単相交流、三相交流を問わず実現することが可能となる。
【0031】
ここで、電源電圧eSrの基本波成分(サフィックス1で表す)eSr1を図2に示すごとくd軸方向にとり、これと同期して基本波角周波数ωで回転するd−q座標系において、複素ベクトルである電流iのd−q座標成分iSd,iSqは数式12によって表される。なお、数式12における行列[C]は、数式13の通りである。
【0032】
【数12】
Figure 0003983031
【0033】
【数13】
Figure 0003983031
【0034】
また、数式12,13におけるωtは、前述のように電源電圧eSrの基本波成分eSr1の瞬時位相角であり、数式14によって検出可能である。
【0035】
【数14】
Figure 0003983031
【0036】
数式12から、電流iの基本波成分iS1のd−q座標成分iSd1,iSq1は、数式15に示す直流量になる。
【0037】
【数15】
Figure 0003983031
【0038】
同様にして、電源電圧eのd−q座標成分eSd,eSqは数式16によって表されるから、電源電圧eSrの基本波成分eSr1のd−q座標成分は数式17のようになる。
【0039】
【数16】
Figure 0003983031
【0040】
【数17】
Figure 0003983031
【0041】
ここで、電源電圧eSrにおける基本波瞬時電力Sは数式18によって表される。なお、数式18におけるpは基本波有効電力瞬時値、qは基本波無効電力瞬時値である。
【0042】
【数18】
Figure 0003983031
【0043】
数式18の基本波瞬時電力Sは、数式19に示すように三角法の公式等を用いて書き換えることができ、その最終行の右辺第1項はp、第2項はqとなる。
【0044】
【数19】
Figure 0003983031
【0045】
上記数式19と前記数式15,17とから、p,qはそれぞれ数式20,21により表される。
【0046】
【数20】
Figure 0003983031
【0047】
【数21】
Figure 0003983031
【0048】
なお、θは基本波力率角(eSrとiSrとのなす角)であり、数式22によって表される。
【0049】
【数22】
Figure 0003983031
【0050】
数式20〜22におけるiSd1,iSq1は、それぞれ基本波有効電力に対応する基本波瞬時有効電流成分、基本波無効電力に対応する基本波瞬時無効電流成分であり、これらの直流量を操作することにより、p,q,θを直接かつ瞬時に制御することが可能である。
また、本発明は、実施形態のような単相交流回路だけでなく、三相交流回路にも適用可能であり、その場合には、各相間電圧及び各相間を流れる電流の実軸成分、虚軸成分を検出して有効電力、無効電力を制御するようにすれば良い。特に、三相四線回路も三相三線回路と同様に電流、電圧を複素ベクトルに変換して制御することができる。
【0051】
なお、iSd1,iSq1を操作するためには、iSd1,iSq1それぞれに比例した電圧成分vId,vIqを操作する。この結果、インバータの出力電圧ベクトルeは、vId,vIqを複素平面に座標変換することによって求められる。
この関係を数式で表すと数式23,24のようになる。
【0052】
【数23】
Figure 0003983031
【0053】
【数24】
Figure 0003983031
【0054】
このように電圧、電流を複素化し、複素ベクトルを回転座標系の各軸成分に変換して制御することにより、p,q,θを任意に制御することができる。
【0055】
次に、図3は、本実施形態が適用される単相系統連系インバータのd−q座標における制御ブロック図である。この構成は、P(比例)コントローラ及びI(積分)コントローラの特徴に着目して、制御系の置かれる座標系を適切に選んで後述するヒルベルト変換器の欠点を改善したものである。
【0056】
図3において、INVは単相電源系統に連系された単相インバータであり、電源電圧eSrは、基本波成分を抽出するためのバンドパスフィルタ11を介して遅延回路12及びヒルベルト変換器13に入力されている。また、連系電流iSrは遅延回路14及びヒルベルト変換器15に入力されている。
【0057】
ここで、ヒルベルト変換器13,15の構成の一例を説明する。
ヒルベルト変換器は、FIR(Finite Impulse Response)フィルタで構成するのが一般的である。そこで、数式11に示した伝達関数を離散化すると、数式25,26のようになる。
【0058】
【数25】
Figure 0003983031
【0059】
【数26】
Figure 0003983031
【0060】
数式26において、実際にはFIRフィルタの次数nは有限になるので、カイザー窓などの窓関数法やRemezアルゴリズムなどの等リプル近似法により、数式26を近似する必要がある。この結果、ヒルベルト変換器の標準的な回路構成は図4に示すとおりとなる。
図4において、ヒルベルト変換器の出力すなわち虚軸成分は、ヒルベルト変換器の群遅延だけ遅れて発生する。このままでは虚部と実部との位相が合わないので、実軸成分についても群遅延分だけ遅らせる必要がある。このことは、得られる複素ベクトルは真値に対して群遅延分だけ遅れることを意味している。
【0061】
ヒルベルト変換器を構成するFIRフィルタの次数nを大きくして変換帯域を広くすると、ヒルベルト変換器の周波数特性におけるリプルを小さくすることができるが、その反面、上述した群遅延が大きくなり、複素ベクトルの検出が遅れる。逆に、FIRフィルタの次数nを小さくすると群遅延が小さくなる反面、周波数特性におけるリプルが大きくなり、それだけ得られる虚軸成分が不正確となる。
このため、FIRフィルタの次数nは、上記の群遅延及びリプルの大小を考慮して決定する必要がある。
【0062】
再び図3に戻って、ヒルベルト変換器13から出力された虚軸成分eSi1と遅延回路12から出力された実軸成分eSr1とから、数式14によりeSr1の瞬時位相角ωtが算出される。なお、ヒルベルト変換器13は帯域を基本波成分のみに限定しているので、他の周波数において正確に変換できなくても、基本波成分のみ正確に変換できればよい。但し、群遅延によるベクトル検出の遅れはできるだけ小さくする必要があるため、図4に示した如く、次数を11段程度と低くして基本波成分が正しく変換されるように虚軸成分のゲインKで調整することとした。
また、図3において、虚軸成分eSi1と遅延回路12から出力された実軸成分eSr1とからeSd1/2が算出され、基本波瞬時有効電力指令値|p |及び基本波瞬時無効電力指令値|q |との除算により連系電流iSrのd−q軸成分の各指令値iSd ,iSq が演算される。
【0063】
一方、遅延回路14を介した連系電流の実軸成分iSr及び虚軸成分iSiは数式12の演算によってd−q軸成分iSd,iSqに変換され、これらのd−q軸成分iSd,iSqと前記各指令値iSd ,iSq との偏差がI(積分)コントローラ18,19に入力される。
【0064】
前述したように、変換帯域を広くして理想的なヒルベルト変換を実現するためにはヒルベルト変換器の群遅延が大きくなり、その結果、電流制御系に大きな無駄時間が生じて制御性能が著しく悪化する。
電流制御の目的は、有効電流及び無効電流を個別に定常偏差なく制御することにある。そこで本実施形態では、基本波有効電力に対応する基本波瞬時有効電流成分iSd1、基本波無効電力に対応する基本波瞬時無効電流成分iSq1を個別に制御するべく、所定の周波数特性を持ち、直流でゲインが無限大のIコントローラ18,19を用いてd−q座標での制御を行い、iSd,iSqの直流成分であるiSd1,iSq1の制御偏差をなくすように考慮している。
【0065】
また、連系電流のd−q軸成分iSd,iSqは数式13の逆行列[C]−1により実軸成分指令値iSr 及び虚軸成分指令値iSi に変換され、実軸成分指令値iSr とその検出値iSrとの偏差がPコントローラ20に入力される。このPコントローラ20は、周波数特性を持たず高周波でもゲイン低下がなく、複素座標(固定座標)上で連系電流の瞬時値を制御し、電流歪みを除去するように動作する。
【0066】
更に、前記Iコントローラ18,19の出力である単相インバータINVの出力電圧のd−q軸成分指令値eId ,eIq は、数式13の逆行列[C]−1により実軸成分指令値eIr ,eIi に変換される。
そして、実軸成分指令値eIr とPコントローラ20の出力である△eIr とが加算されて単相インバータINVの出力電圧指令値が生成される。
このように、本実施形態ではいわゆるP,I分離制御を行うものであるが、このP,I分離制御は見かけ上、PI制御と等価になり、ヒルベルト変換器の変換帯域はIコントローラ18,19による積分帯域に限定されるので、FIRフィルタの次数は比較的少なくて済み、群遅延によるベクトル検出の遅れを抑制することができる。
【0067】
更に、図示するように追従するべき系統の電源電圧の基本波成分をBPF11により抽出し、この基本波成分をヒルベルト変換器13により複素化することにより、数式14によって瞬時に被追従波形の位相角を検出することができるため、インバータ等の半導体電力変換装置の瞬時の同期制御が可能となる。
【0068】
なお、本発明は、交流電源系統に連系される半導体電力変換装置ばかりでなく、例えば順逆変換可能な半導体電力変換装置を交流電動機に接続して交流電動機を発電機動作させるようなシステムにも適用可能である。
【0069】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、交流電流、交流電圧からヒルベルト変換により複素平面上を回転する複素ベクトルを検出し、その実軸成分及び虚軸成分を回転座標系の各軸成分に変換して制御するようにしたため、単相、多相を問わず、交流電源系統や交流電動機と半導体電力変換装置との間で授受される有効電力、無効電力を高速かつ高精度に制御することができる。
また、同期するべき交流電源系統の被追従波形の位相角を瞬時に検出し、これを基準信号として同期引き込みを行うことができるから、半導体電力変換装置を速やかに同期運転させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】二つの交流電源が存在する電源回路の概念的な等価回路図である。
【図2】α−β座標とd−q座標上の瞬時複素ベクトルを示す図である。
【図3】単相系統連系インバータのd−q座標における制御ブロック図である。
【図4】図3におけるヒルベルト変換器の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
INV 単相インバータ
11 バンドバスフィルタ(BPF)
12,14 遅延回路
13,15 ヒルベルト変換器
16,17 除算器
18,19 Iコントローラ
20 Pコントローラ

Claims (8)

  1. 交流電源系統または交流電動機に接続されて交流電力を授受する半導体電力変換装置の制御回路であって、交流電力を制御するために電流または電圧の制御系を有する制御回路において、
    電流または電圧を回転座標系で制御するために複素化する手段として、ヒルベルト変換手段を備えたことを特徴とする半導体電力変換装置の制御回路。
  2. 請求項1記載の半導体電力変換装置の制御回路において、
    交流電源系統または交流電動機の実在の瞬時電流及び瞬時電圧を実軸成分として検出する手段と、
    前記実軸成分に直交する成分としてヒルベルト変換手段により演算された虚軸成分と前記実軸成分とを用いて、複素座標上を回転する電流及び電圧の複素ベクトルを検出し、これらの複素ベクトルを回転座標系の各軸成分に変換する手段と、
    を備えたことを特徴とする半導体電力変換装置の制御回路。
  3. 請求項2記載の半導体電力変換装置の制御回路において、
    瞬時電圧の実軸成分及び虚軸成分を用いて電圧基本波成分の瞬時位相角を演算する手段と、
    前記瞬時位相角を用いて瞬時電流の実軸成分及び虚軸成分を回転座標系の各軸成分に変換する手段と、
    これらの回転座標系の各軸成分がそれぞれの指令値に一致するように積分動作する調節手段と、
    この調節手段から出力される瞬時電圧指令値の回転座標系の各軸成分を、前記瞬時位相角を用いて瞬時電圧指令値の実軸成分及び虚軸成分に変換する手段と、
    瞬時電圧指令値の実軸成分を出力電圧指令値として半導体電力変換装置に与える手段と、
    を備えたことを特徴とする半導体電力変換装置の制御回路。
  4. 請求項3記載の半導体電力変換装置の制御回路において、
    瞬時電流指令値の回転座標系の各軸成分を、前記瞬時位相角を用いて瞬時電流指令値の実軸成分及び虚軸成分に変換する手段と、
    瞬時電流の実軸成分がその指令値に一致するように比例動作する調節手段と、
    この調節手段の出力を前記出力電圧指令値に加算する手段と、
    を備えたことを特徴とする半導体電力変換装置の制御回路。
  5. 請求項3または4記載の半導体電力変換装置の制御回路において、
    瞬時電流の回転座標系の各軸成分を分離して制御することにより、瞬時有効電力及び瞬時無効電力を制御することを特徴とする半導体電力変換装置の制御回路。
  6. 請求項5記載の半導体電力変換装置の制御回路において、
    瞬時電流の回転座標系の各軸基本波成分を分離して制御することにより、基本波瞬時有効電力及び基本波瞬時無効電力を制御することを特徴とする半導体電力変換装置の制御回路。
  7. 請求項3〜6の何れか1項に記載した半導体電力変換装置の制御回路において、
    交流電源系統に同期して運転される半導体電力変換装置を、電源電圧の瞬時位相角を基準信号として同期運転することを特徴とする半導体電力変換装置の制御回路。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載した半導体電力変換装置の制御回路において、
    半導体電力変換装置が単相電源系統に連系される単相インバータであることを特徴とする半導体電力変換装置の制御回路。
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