JP2007225427A - 停電検出回路及び無停電電源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】交流電源電圧の瞬時値を複素ベクトルの実軸成分とし、この実軸成分から複素ベクトルの虚軸成分を検出するヒルベルト変換器12と、前記実軸成分及び虚軸成分を直交二相座標系から交流電源電圧に同期して回転する回転座標系の各成分に変換するd−q変換器14と、この変換器14から出力される回転座標系の各成分を用いて停電検出用交流電圧成分を生成するための二乗演算器16,17、加算器18等と、前記停電検出用交流電圧成分が停電判定レベルを超えた時に停電検出信号aを出力するコンパレータ19と、を備える。
【選択図】図1
Description
この無停電電源装置では、商用電源電圧を全波整流した電源電圧信号と、商用電源電圧と同一周期であってその一周期ごとのゼロクロス点を起点として順次読み出される絶対値化された基準信号との比較結果に基づいて瞬時停電等の電源電圧の異常を検出し、リレーを切り替えてバッテリ及びインバータにより負荷に給電するように構成されている。
また、商用電源の交流電力をコンバータにより直流電力に変換して負荷に供給する電力変換装置において、特許文献1に記載されているような停電検出方法を採る場合、停電検出の遅れによって電源電圧が不確定なままコンバータの運転が継続されることにより、高調波を発生して電源系統側に悪影響を与える等の問題を生じていた。
前記実軸成分及び虚軸成分を直交二相座標系から交流電源電圧に同期して回転する回転座標系の各成分に変換する座標変換手段と、
この座標変換手段から出力される回転座標系の各成分を用いて停電検出用交流電圧成分を生成する手段と、
この手段から出力された前記停電検出用交流電圧成分が停電判定レベルを超えた時に交流電源の停電検出信号を出力する比較手段と、を備えたものである。
請求項1に記載した停電検出回路が交流電源の停電を検出した際に、前記停電検出信号を用いて交流スイッチをオフにし、かつ、電力変換器の運転を開始するものである。
交流電源の健全時には、前記交流スイッチを介して前記負荷に給電しながら前記電力変換器としてのインバータによりバッテリを充電し、交流電源の停電時には、前記停電検出信号により前記交流スイッチをオフにすると共に前記バッテリの直流電力を前記インバータにより交流電力に変換して前記負荷に供給するものである。
従って、例えば商用電源の交流電圧をコンバータにより直流電圧に変換する電力変換装置においては、停電検出時に直ちにコンバータの運転を停止することができ、停電検出の遅れに起因して電源電圧が不確定な状態でコンバータの運転が継続されることによる高調波の発生や電源系統への悪影響を解消することが可能である。
また、本発明の無停電電源装置によれば、上記停電検出回路によって交流電源の停電を検出した際に、直ちに交流スイッチをオフにしてバックアップ用の電力変換器による運転に切り替えることにより、停電発生時にも負荷に安定した電圧を継続的に供給することができる。
図1は、この実施形態に係る瞬時停電検出回路の構成を示すブロック図である。図1において、11は商用電源等の単相交流電圧の瞬時値(複素ベクトルeの実軸成分er)を後述するように所定位相だけ遅延させる遅延回路、12は同じく単相交流電圧の瞬時値から複素ベクトルeの虚軸成分eiを検出するヒルベルト変換器、13は互いに90°位相が異なる二つの正弦波sinθ,cosθ(ここでθ=ωt)を生成する正弦波発生器、14は前記er,ei及び正弦波sinθ,cosθが入力され、後述するようにα−β座標(直交二相座標)系から単相交流電圧に同期して回転するd−q座標(回転座標)系への変換(d−q変換)を行ってd軸成分ed、q軸成分eqを出力するd−q変換器、15は基準値(=1)とd軸成分edとの差を求める加算器,16は加算器15の出力を二乗する二乗演算器、17はq軸成分eqを二乗する二乗演算器、18は二乗演算器16,17の出力を加算する加算器、19は加算器18の出力である停電検出用交流電圧成分を停電判定レベルと比較して前者が後者より大きい場合に停電検出信号aを出力するコンパレータである。
まず、単相交流電圧の瞬時値erを、片側フーリエ係数列で表された複素ベクトル(複素数列)eの実軸成分として、数式1のように定義する。
従って、複素ベクトルeは、その実部である単相交流電圧の瞬時値erによって一義的に規定されることになり、数式4のように表される。
すなわち、単相交流電圧の瞬時値erから、有効電圧成分としてのd軸成分ed及び無効電圧成分としてのq軸成分eqを検出することができ、edをd軸停電判定レベルと比較してこの停電判定レベルより小さいか、eqをq軸停電判定レベルと比較してこの停電判定レベルより大きいかの何れかが成立した場合に、単相交流電圧の停電と判定することができる。なお、上記のように停電判定レベルを二つ(コンパレータを二つ)設けずに、図1に示すごとく二乗演算器16,17の出力を加算して得た停電検出用交流電圧成分をコンパレータ19により単一の停電判定レベルと比較するようにすれば、停電判定を行うための回路構成も簡単になる。
ここで、上記公報にも記載されているように、ヒルベルト変換器から出力される虚軸成分は、FIRフィルタの次数に応じた群遅延により遅れて発生するので、虚部に対する実部の位相(両者の直交関係)が保たれなくなる。このため、実軸成分についても虚軸成分の遅延分に応じて遅延させる必要があるので、図1の遅延回路11はその目的で設けられている。
このようにして、上記停電検出用交流電圧成分が停電判定レベルより大きくなった時に商用電源等の単相交流電圧の停電を検出し、停電検出信号aを出力するものである。
従って、例えば商用電源の交流電圧をコンバータにより直流電圧に変換する電力変換装置においては、商用電源の停電検出時に直ちにコンバータの運転を停止することにより、停電検出の遅れに起因して電源電圧が不確定な状態でコンバータの運転が継続されることによる高調波の発生や商用電源への悪影響を防止することが可能である。
図2において、10は図1のように構成された停電検出回路であり、この停電検出回路10から出力される前記停電検出信号aは変換器制御回路10Aに入力されている。
また、前述した停電検出回路10の動作により商用電源21の停電を検出すると、停電検出信号aが変換器制御回路10Aに送られ、この制御回路10Aでは、制御信号bを出力して交流スイッチ22をオフさせると共に、制御信号cを出力してインバータ26を逆変換動作させ、バッテリ24の直流電力を交流電力に変換して負荷23に供給する。
10A:変換器制御回路
11:遅延回路
12:ヒルベルト変換器
13:正弦波発生器
14:d−q変換器
15,18:加算器
16,17:二乗演算器
19:コンパレータ
21:商用電源
22:交流スイッチ
23:負荷
24:バッテリ
25,29:コンタクタ
26:インバータ(電力変換器)
27:リアクトル
28:コンデンサ
Claims (3)
- 交流電源電圧の瞬時値を複素ベクトルの実軸成分とし、この実軸成分から複素ベクトルの虚軸成分を検出するヒルベルト変換手段と、
前記実軸成分及び虚軸成分を直交二相座標系から交流電源電圧に同期して回転する回転座標系の各成分に変換する座標変換手段と、
この座標変換手段から出力される回転座標系の各成分を用いて停電検出用交流電圧成分を生成する手段と、
この手段から出力された前記停電検出用交流電圧成分が停電判定レベルを超えた時に交流電源の停電検出信号を出力する比較手段と、
を備えたことを特徴とする停電検出回路。 - 交流電源の健全時には交流電源から交流スイッチを介して負荷に給電し、交流電源の停電時には交流スイッチをオフにすると共に電力変換器を運転して前記負荷に給電するようにした無停電電源装置において、
請求項1に記載した停電検出回路が交流電源の停電を検出した際に、前記停電検出信号を用いて交流スイッチをオフにし、かつ、電力変換器の運転を開始することを特徴とする無停電電源装置。 - 請求項2に記載した無停電電源装置において、
交流電源の健全時には、前記交流スイッチを介して前記負荷に給電しながら前記電力変換器としてのインバータによりバッテリを充電し、交流電源の停電時には、前記停電検出信号により前記交流スイッチをオフにすると共に前記バッテリの直流電力を前記インバータにより交流電力に変換して前記負荷に供給することを特徴とする無停電電源装置。
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