JP3977480B2 - 自動車用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートバックの内部に着座者の腰椎部分を支持する、いわゆるランバーサポート構造が装備された自動車用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、シートバックの内部に着座者の腰椎部分を支持する、いわゆるランバーサポート構造が装備された自動車用シートが知られている。このランバーサポート構造は、シートバックのパッド材中に着座者の腰椎部分の形状に沿うように埋設されるランバープレートを備えて形成され、シートボトムへの着座者がシートバックに背中を凭れ掛からせると、腰椎部分がこのランバープレートによって押圧される状態になり、これによって長時間の運転操作によっても疲れることが少ない姿勢が得られるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のランバーサポート構造は、ランバープレートの位置が固定されており、シートの着座者がシートバックに背中を預けると、ランバープレートが着座者の腰椎部分を常に押圧するため、シートへの着座姿勢が常に緊張した状態になり、このストレスによって逆に腰椎部分の疲労が高まることがあるという問題点を有している。
【0004】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、ランバーサポート構造を有する自動車用シートにおいて、着座姿勢の緊張状態を適宜緩和することができる自動車用シートを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の自動車用シートは、シートバックに着座者の腰椎部分を支持するランバーサポート構造が内装された自動車用シートにおいて、上記ランバーサポート構造は、着座者の腰椎部分に対応したランバープレートと、シートバック内で上記腰椎部分を支持するように前進した前方位置と上記腰椎部分を支持しないように後退した後方位置との間で上記ランバープレートに位置変更を行わせる位置変更機構とから構成され、上記位置変更機構は、前方位置にあるランバープレートを後方位置に変更操作する操作桿と、後方位置に位置設定されたランバープレートを操作桿の操作によらずに前方位置に復帰させる復帰手段とを有していることを特徴とするものである。
【0006】
この自動車用シートによれば、普段はシートへの着座者の腰椎部分がランバープレートによって支持され、これによって着座者の着座姿勢は背筋が延びた、いわゆるよい姿勢になり、確実な運転操作を行い得るようになる。
【0007】
そして、着座時間が長時間に及び、腰椎部分の緊張が持続されることによって疲労感が生じた場合、位置変更機構を操作してランバープレートを前方位置から後方位置に位置変更することにより、ランバープレートによる腰椎部分の支持が解除されるため、背中を丸めたいわゆる猫背姿勢にすることができ、これによって腰椎部分の緊張が緩和されて疲労がとれる。
【0008】
そして、位置変更機構によって後方位置に設定されたランバープレートは、操作桿を操作することなく復帰手段によって後方位置から前方位置に向けて位置変更されるため、復帰のための面倒な操作が不要になり、操作性が優れているとともに、ランバープレートによる腰椎部分の支持が行われない状態で自動車を運転するという不都合が回避される。
【0009】
本発明の請求項2記載の自動車用シートは、請求項1記載の自動車用シートにおいて、上記操作桿を操作することによって自軸心回りに回動する水平軸が設けられ、上記ランバープレートは、上記水平軸の回動によって上記前方位置と上記後方位置との間で位置変更するように構成され、上記復帰手段は、後方位置に位置したランバープレートが前方位置に向かうように上記水平軸を回転させる付勢手段と、この付勢手段の付勢力を緩衝するダンパー装置とを備えて形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
この自動車用シートによれば、操作桿の操作で後方位置に位置設定されたランバープレートは、付勢手段の付勢力による水平軸の回転によって後方位置から前方位置に向けて位置変更される。そして、ランバープレートは、後方位置に位置設定されると、付勢手段の付勢力による水平軸の回転によって前方位置に位置変更されるが、このときダンパー装置の緩衝機能が発揮され、これによってランバープレートの前方位置への位置変更は徐々に行われるため、この復帰期間中に着座者の腰椎部分の緊張がほぐされる。
【0011】
本発明の請求項3記載の自動車用シートは、請求項2記載の自動車用シートにおいて、上記水平軸と上記ダンパー装置との間に、ランバープレートが後方位置から前方位置に位置変更されるに際し水平軸とダンパー装置とを接続し、ランバープレートが前方位置から後方位置に位置変更されるに際し水平軸とダンパー装置との接続状態を解除するワンウェイクラッチが介設されていることを特徴とするものである。
【0012】
この自動車用シートによれば、前方位置にあるランバープレートを後方位置に位置変更させるに際し、ワンウェイクラッチによって操作桿の操作による水平軸の回転がダンパー装置に伝達されず、逆にランバープレートの後方位置からの前方位置への復帰のときのみ付勢手段の付勢力による水平軸の回転がダンパー装置に伝達され、ダンパー装置の緩衝機能を確保した上で操作桿の操作性が良好になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る自動車用シート1の一実施形態を示す斜視図である。なお、図1において、X−X方向を幅方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方というとともに、−Y方向を前方、+矢医方向を後方という。図1に示すように、自動車用シート1は、着座席としてのシートボトム11と、このシートボトム11の後端縁部に立設された背凭れとしてのシートバック12とからなっている。
【0014】
上記シートボトム11内は、図略のシートボトム用のフレームに支持され、このフレームにパッド材およびトリムが装着されてシートボトム11が形成されている。上記シートバック12は、金属製のパイプを折り曲げて形成された矩形状のフレーム13を有しており、このフレーム13にパッド材およびトリムが被せられてシートバック12が形成されている。上記フレーム13は、シートボトム11の図略のフレームに図略の連結部材を介して接続され、これによってシートボトム11の後部にシートバック12が立設された自動車用シート1が形成されている。
【0015】
そして、上記シートバック12のフレーム13の下部横杆13aおよび右側縦杆13bに本発明に係るランバーサポート構造2が取り付けられている。このランバーサポート構造2は、下部水平杆13aに固定された幅方向一対の蝶番部材14に取り付けられたトーションバー21と、このトーションバー21に固定されたランバープレート22と、このランバープレート22の位置を変更する位置変更機構3とからなっている。
【0016】
上記トーションバー21は、針金状のばね材の中央部を上方に突出するようにコ字状に折り曲げて形成され、この折り曲げられた部分でコ字状部21aが形成されている。このコ字状部21aの両端部から互いに反対方向に延びる部分で幅方向一対の同心軸部21bが形成されているとともに、右方の同心軸部21bの右側部は上方に折り曲げられ、この部分でレバー部21cが形成されている。
【0017】
そして、上記左右の軸部21bが上記蝶番部材14に支持されることによってコ字状部21aが軸部21b回りに回動自在に軸支されている。このようなトーションバー21のコ字状部21aの前側に横長の板状体からなるランバープレート22が固定されている。このようなランバープレート22は、シートボトム11への着座者が背中をシートバック12に凭れ掛けさせた状態で着座者の腰椎部分に対向するように取り付け位置が設定されている。
【0018】
そして、このランバープレート22は、位置変更機構3の操作でレバー部21cを軸部21b回りに回動させることによって、シートボトム11の着座者の腰椎部分を支持するように前進した前方位置と、腰椎部分を支持しないように後退した後方位置との間で位置変更し得るようになっている。
【0019】
図2は、ランバーサポート構造2の一実施形態を示す分解斜視図であり、図3は同組立て斜視図である。これらの図における方向の表記は図1の場合と同様である。これらの図に示すように、ランバーサポート構造2は、フレーム13の右側縦杆13bに設けられた位置変更機構3と、フレーム13の下部横杆13aに取り付けられたトーションバー21と、このトーションバー21に支持されたランバープレート22とを備えて構成されている。
【0020】
上記位置変更機構3は、右側縦杆13bから前方に向かって突設されたケーシング4と、このケーシング4の開口部を閉止する蓋体5と、上記ケーシング4内で上記蓋体5に対向するように固定される支持板6と、この支持板6と上記蓋体5との間に形成された歯車機構7と、この歯車機構7を動作させるために操作する操作桿8とからなっている。上記操作桿8は、図略のストッパーによって、図1に実線で示す垂直方向に延びた垂直姿勢と、同二点鎖線で示す水平方向に延びた水平姿勢との間で操作可能になっている。
【0021】
上記ケーシング4は、左方が開放した略直方体状の箱形に形成されているとともに、後方右縁部に上下方向に延びて後方に突出した接続板41を有しており、この接続板41の後方縁部を右側縦杆13bの外周面に溶接その他で固定することによりケーシング4が右側縦杆13bに取り付けられた状態になっている。
【0022】
このようなケーシング4は、底板42と、この底板42の周縁部から左方に突設された周壁43とを備えて形成されており、底板42の下部前端および下部後端に前後方向一対の第1貫通孔101が穿設されているとともに、これら第1貫通孔101の若干上部であって第1貫通孔101間を底辺とした二等偏三角形の頂点部分に第2貫通孔102が穿設されている。また、底板42の上部前端に第3貫通孔103が穿設されているとともに、底板42の上部後端に第4貫通孔104が穿設されている。
【0023】
上記蓋体5は、上記底板42に平行に対向した天井板51と、この天井板51の下端部から右方に向かって折り曲げられて形成した下部足板52と、天井板51の上端部から右方に向かって折り曲げられて形成した上部足板53とを備えて形成されている。上記下部足板52の右端部は下方に折り曲げられ、この折り曲げられた部分で下部接合片52aが形成されているとともに、上部足板53の右端部は上方に向けて折り曲げられてこの部分に上部接合片53aが形成されている。
【0024】
そして、上記下部接合片52aには、上記第1貫通孔101に対応した前後方向一対の第5貫通孔105が穿設されているとともに、一対の第5貫通孔105の中間部分には第6貫通孔106が穿設されている。また、上部接合片53aには、上記第3貫通孔103に対応した第7貫通孔107が穿設されているとともに、第4貫通孔104に対応した第8貫通孔108が穿設されている。さらに天井板51の中央部分には上記第2貫通孔102に対応した第9貫通孔109が穿設されているとともに、この第9貫通孔109の上部には、第10貫通孔110が穿設されている。
【0025】
そして、各足板52,53をケーシング4内に嵌め込んで各接合片52a,53aを底板42に面接触させ、第1貫通孔101および第5貫通孔105にボルトを通すとともに、第4貫通孔104および第8貫通孔108にボルトを通し、各ボルトをナットで締結することによって蓋体5をケーシング4に固定するようにしている。
【0026】
上記支持板6は、ケーシング4内において底板42と蓋体5との間に介設されるものである。この支持板6は、下部の渦巻きばね収納部61と、この渦巻きばね収納部61の上縁部から上方に向かって延設された歯車支持部62とからなっている。上記渦巻きばね収納部61は、上部が円弧形状に形成されこの円弧部分の縁部に左方に向かって突設された円弧堰部63が設けられている。この円弧堰部63の左端縁部から上記歯車支持部62が上方に向かって延設されている。また、渦巻きばね収納部61の下部は下細りに形成されている。
【0027】
そして、上記渦巻きばね収納部61の中央部には、円弧堰部63の曲率中止部分に上記ケーシング4の第2貫通孔102に対応した押し起こしによるブッシュ64が右方に向けて突設されている。このブッシュ64は、上記第2貫通孔102に内嵌し得る外径寸法を有している。このようなブッシュ64の先端面には第11貫通孔111が穿設されている。また、渦巻きばね収納部61の下部部には、上記蓋体5の下部接合片52aの第6貫通孔106に対応した第12貫通孔112が穿設されている。
【0028】
上記歯車支持部62は、上端部に前後方向に向かって突設された一対の側部耳片65を有しているとともに、上方に向かって突設されたL字形状の上部耳片66を有している。上記各側部耳片65には、それぞれ第13貫通孔113が穿設されているとともに、上記上部耳片66には上記蓋体5の第7貫通孔107に対応した第14貫通孔114が穿設されている。また、歯車支持部62には、前後方向の中央部の下方側に上記蓋体5の第10貫通孔110に対応した第15貫通孔115が穿設されている。
【0029】
そして、第7貫通孔107と第14貫通孔114とにボルトを通すとともに、第6貫通孔106と第12貫通孔112とにそれぞれボルトを通し、ナットで締結することによって支持板6が蓋体5に固定されるようにしている。この支持板6が取り付けられた蓋体5を、上記のようにケーシング4に固定することにより、支持板6がケーシング4の底板42と蓋体5との間に介設された状態になる。
【0030】
上記歯車機構7は上記蓋体5と支持板6との間に形成されている。この歯車機構7は、右端部が上記支持板6の第11貫通孔111に摺接状態で嵌入され、かつ、左端部が上記蓋体5の第9貫通孔109に摺接状態で嵌入される第1軸(水平軸)71と、この第1軸71に同心で固定された扇歯車72と、上記第1軸71に上部で平行に配設される第2軸73と、この第2軸73に同心で固定され、かつ、上記扇歯車72に噛合する小歯車74と、この小歯車74と同心で第2軸73に固定された大歯車75と、この大歯車75に噛合するダンパー装置(復帰手段)76とからなっている。
【0031】
上記第1軸71の右端部には角柱部71aが形成されている。この角柱部71aは、支持板6のブッシュ64がケーシング4の第2貫通孔102に嵌入された状態で第11貫通孔111を通って外部に突出するように寸法設定されている一方、上記操作桿8の基端部には上記角柱部71aに外嵌される角孔81が凹設されているとともに、この角孔81の底部から右方に向かって第16貫通孔116が貫設されている。また、角柱部71aの端面にはねじ孔が螺設されている。従って、上記角孔81を角柱部71aの外嵌した状態で所定の雄ねじを第16貫通孔116を通して上記ねじ孔に螺着締結することによって操作桿8が第1軸71に固定されるとともに、操作桿8を第1軸71の軸心回りに回動操作することによって第1軸71が自軸心回りに回動するようになっている。
【0032】
また、上記第1軸71は、扇歯車72の右方に渦巻きばね77の中心側端部を係止するための係止盤78を有している。この係止盤78は、外周面から中心に向けて凹設された蟻溝78aを有しており、この蟻溝78aに渦巻きばね77の中心側端部を嵌め込むことによって渦巻きばね77が係止盤78に係止されるとともに、外周側の端部が支持板6の第12貫通孔112に差し通されたボルトに引掛けられて固定され、これによって渦巻きばね77が渦巻きばね収納部61において第1軸71に装着された状態になるようにしている。
【0033】
そして、渦巻きばね77は、渦巻きばね収納部61において第1軸71に装着された状態で、第1軸71を自軸心回りに反時計方向に付勢するように付勢方向が設定されている。従って、図3に実線で示すように先端側が垂下した操作桿8を、上記渦巻きばね77の付勢力に抗した力で第1軸71回りに略90°時計方向に回すことにより、操作桿8は図3に二点鎖線で示すように水平姿勢になる。
【0034】
上記第2軸73は、右側部が支持板6の第15貫通孔115に嵌入されるとともに、左側部が蓋体5の第10貫通孔110に嵌入され、これによって小歯車74が扇歯車72に噛合するように第10貫通孔110および第15貫通孔115の貫設位置が設定されている。従って、扇歯車72が第1軸71回りに回動すると、これに噛合している小歯車74が第2軸73回りに回転し、これによって小歯車74と一体の大歯車75も共回りするようになっている。
【0035】
上記ダンパー装置76は、菱形の取付け板76aと、この取付け板76aの左面に固定された円筒状のダンパー部76bと、このダンパー部76bの左端面から左方に突出したダンパー軸761回りに一体回転可能なダンパー歯車76cとからなっている。上記取付け板76aには、前後方向の両端部に、上記支持板6の各第13貫通孔113に対応した一対の第17貫通孔117が穿設され、これら第17貫通孔117および上記第13貫通孔113にボルトを通してナットで締結することによりダンパー装置76が支持板6の歯車支持部62に固定されるようになっている。
【0036】
そして、ダンパー装置76が支持板6に取り付けられた状態で、ダンパー歯車76cが大歯車75に噛合するようにダンパー装置76の取り付け位置、すなわち第13貫通孔113の穿設位置が設定されている。従って、大歯車75が第2軸73回りに回転すると、これに噛合したダンパー歯車76cも回転することになる。
【0037】
上記ダンパー部76bは、内部にダンパー軸761の自軸心回りの回転方向に応じてその回転を制動するいわゆるダンパー機構を有し、このダンパー機構の作用でダンパー軸761の自軸心回りの一方向への回転を自在に許容するのに対し、他方向への回転速度を規制するように構成されている。本発明においては、ダンパー軸761の自軸心回りの時計方向への回転に対しては回転速度の規制が行われず、逆に反時計方向への回転に対しては回転速度の規制が働き、これによって大歯車75からダンパー歯車76cをダンパー軸761回りに反時計方向に回転させる力が加わった状態でダンパー歯車76cはゆっくりと回転するようになっている。
【0038】
上記蓋体5の左面部には、トーションバー21の位置設定を行うリンク機構23が設けられている。このリンク機構23は、基端部が第1軸71の左端部に固定された第1リンク腕24と、この第1リンク腕24の先端側にリンク軸241を介して前端側が連結された第2リンク腕25とを備えている。第2リンク腕25は第1リンク腕24の略2倍の長さに寸法設定されている。第1リンク腕24の基端側には角孔24aが設けられている一方、上記第1軸71の右端面には上記角孔24aに対応した角柱部71bが設けられ、角孔24aを角柱部71bに外嵌することによって第1リンク腕24と第1軸71とは第1軸71の軸心回りに共回りするようになっている。
【0039】
また、上記第1リンク腕24の先端部には第18貫通孔118が穿設されているとともに、第2リンク腕25の前端部には上記第18貫通孔118に対応した第19貫通孔119が穿設され、これら貫通孔118,119にリンク軸241を貫通させてかしめることによって第1リンク腕24と第2リンク腕25とがリンク軸241回りに相対回動可能に連結されている。
【0040】
一方、上記トーションバー21は、レバー部21cの上端が外方(右方)に向かって折り曲げられ、この折り曲げられた部分で上方軸部21dが形成されている一方、この上方軸部21dの先端部分が第2リンク腕25の後端側に穿設された第20貫通孔120に差し込まれ、これによって第2リンク腕25の運動がトーションバー21に伝達されるようになっている。
【0041】
図4および図5は、本発明の作用を説明するための説明図であり、図4は、ランバープレート22が前方位置に設定された状態、図5は、ランバープレート22が後方位置に設定された状態をそれぞれ示している。なお、図4および図5においては、紙面の左方が前方であり、右方が後方である。
【0042】
まず、ランバープレート22が前方に位置設定された状態では、渦巻きばね77の付勢力によって第1軸71が自軸心回りに反時計方向に付勢され、この付勢力によって第1リンク腕24が第1軸71回りに反時計方向の付勢力を受け、これによってレバー部21cは第2リンク腕25を介して同心軸部21b回りに反時計方向に付勢され、このレバー部21cの付勢によってランバープレート22がシートバック12の腰椎対応部分を押圧した状態、すなわち前方位置に位置設定された状態になっている。
【0043】
そしてこの状態で、リンク軸241の軸心とトーションバー21の上方軸部21dの軸心とを結ぶ直線より上部に第1軸71の軸心が位置するように位置設定されたていわゆるクリック構造が採用されている。従って、着座者がシートバック12を背中で押圧し、これによってランバープレート22に後方に向かう力が加わっても、ランバープレート22が後退することはない。
【0044】
ついで、図4に示す状態で、垂直姿勢にある操作桿8を、渦巻きばね77の付勢力に抗して第1軸71回りに時計方向に回動操作すると、第1軸71および扇歯車72は軸心回りに時計方向に回転し、この回転は扇歯車72に噛合している小歯車74によって第2軸73に逆回りで増速伝達され、これによって大歯車75が第2軸73回りに回転する。そして、この第2軸73の回転は、これに噛合しているダンパー歯車76cに時計方向でさらに増速伝達されるが、このときはダンパー装置76がダンパー機能を発揮しないため、ダンパー歯車76cは大きな抵抗を受けずに順調に回転する。
【0045】
そして、第1軸71の時計方向への回転によるリンク機構23のリンク運動によって、トーションバー21のレバー部21cは、第1リンク腕24および第2リンク腕25を介して同心軸部21b回りに時計方向に回動し、操作桿8が水平姿勢に設定された状態では、ランバープレート22は、図5に示すように、後方位置に位置した状態になる。この状態では、ランバープレート22はシートバック12から離間しているため、着座者の腰椎部分はランバープレート22からの押圧力を受けず、これによって腰椎の緊張状態をほぐすことができる。
【0046】
そして、操作桿8が水平姿勢になった後、操作桿8に加えていた手の力を抜くと、渦巻きばね77の付勢力によって、ダンパー歯車76cは、第1軸71、扇歯車72、小歯車74、および大歯車75を介してダンパー軸761回りに反時計方向に回転するが、このときはダンパー部76bのダンパー機能の作用を受け、回転速度が規制された状態になるため、第1軸71の回転速度は非常に遅いものになる。従って、第1軸71の反時計方向の遅い回転によってランバープレート22は方法位置から徐々に前方位置に移行し、所定時間の経過後に元の図4に示す状態になる。
【0047】
本発明は、以上詳述したように、垂直姿勢に姿勢設定された操作桿8を水平姿勢に操作することによって、シートバック12に当接していた前方位置にあるランバープレート22が後方位置に後退するため、これによってランバープレート22が着座者の腰椎部分を支えていた状態が解消され、腰椎の緊張状態が緩和される。従って、例えば長時間の自動車の運転による腰椎の疲れがほぐされ、疲労が回復する。
【0048】
そして、一旦水平姿勢に設定された操作桿8を放置すると、ダンパー装置76の作用によって渦巻きばね77の付勢力によるランバープレート22の前方位置への復帰が徐々に行われるため、特別な操作を行うことなく腰椎の疲れがほぐれた時点でランバープレート22は自動的に元に前方位置に復帰し、面倒な操作がいらず非常に便利である。
【0049】
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0050】
(1)上記の実施形態においては、第2軸73と小歯車74と大歯車75とは互いに一体に形成されているが、こうする代わりに第2軸73と小歯車74とのみを一体に形成し、第2軸73と大歯車75との間にワンウェイクラッチを介設し、これによって第2軸73の自軸心回りの反時計方向への回転は大歯車75には伝達されないが、時計方向への回転は伝達されるようにしてもよい。こうすることによって垂直姿勢の操作桿8を水平姿勢に姿勢変更し、これによって前方位置のランバープレート22を後方位置に位置変更させるに際し、第1軸71の自軸心回りの時計方向の回転はダンパー装置76に伝達されず、従ってその分操作桿8を軽く操作することができる。そして、一旦ランバープレート22が後方位置に位置設定されると、渦巻きばね77の付勢力による第1軸71の自軸心回りの反時計方向への回転はダンパー装置76に伝達されるため、ランバープレート22は元の前方位置に徐々に移行する。
【0051】
(2)上記の実施形態においては、第1軸71を操作桿8の操作で時計方向に回すようにしているが、操作桿8に代えて第1軸71と同心のダイヤルを設け、このダイヤルを回して第1軸71を回転させるようにしてもよい。こうすることによって目障りな操作桿8がなくなりシート1の外観が簡素で、かつデザイン的に優れたものになる。
【0052】
(3)上記の実施形態においては、第1軸71を操作桿8の操作で時計方向に回すようにしているが、こうする代わりに所定のスイッチ操作による電動モータの駆動で回すようにしてもよい。こうすることによって第1軸71を回転させる操作が容易になる。
【0053】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の自動車用シートによれば、着座者の腰椎部分を支持するランバーサポート構造は、着座者の腰椎部分に対応したランバープレートと、シートバック内で上記腰椎部分を支持するように前進した前方位置と上記腰椎部分を支持しないように後退した後方位置との間で上記ランバープレートに位置変更を行わせる位置変更機構とから構成されているため、普段はシートへの着座者の腰椎部分がランバープレートによって支持され、これによって着座者の着座姿勢は背筋が延びた、いわゆるよい姿勢になり、確実な運転操作を行い得るようにすることができるとともに、着座時間が長時間に及び、腰椎部分の緊張が持続されることによって疲労感が生じた場合、位置変更機構を操作してランバープレートを前方位置から後方位置に位置変更することにより、ランバープレートによる腰椎部分の支持が解除され、これによって背中を丸めたいわゆる猫背姿勢にすることができ、この猫背姿勢で腰椎部分の緊張を緩和することができ、腰椎部分の疲労を回復することができる。
【0054】
そして、位置変更機構は、前方位置にあるランバープレートを後方位置に変更操作する操作桿と、後方位置に位置設定されたランバープレートを操作桿の操作によらずに前方位置に復帰させる復帰手段とを有しているため、位置変更機構によって後方位置に設定されたランバープレートは、操作桿を操作することなく復帰手段によって後方位置から前方位置に向けて位置変更され、復帰のための面倒な操作が不要になるとともに、ランバープレートによる腰椎部分の支持が行われない状態で自動車を運転するという不都合を回避することができる。
【0055】
本発明の請求項2記載の自動車用シートによれば、ランバープレートを水平軸の回動によって前方位置と後方位置との間で位置変更するように構成し、後方位置に位置したランバープレートが前方位置に向かうように水平軸を回転させる付勢手段を設けるとともに、付勢手段の付勢力を緩衝するダンパー装置を設けたため、後方位置に設定されたランバープレートを、付勢手段の付勢力による水平軸の回転によって後方位置から前方位置に向けて位置変更させることができる。そして、後方位置に位置設定されたランバープレートは、前方位置に復帰するに際してダンパー装置の緩衝作用により前方位置に向けて徐々に位置変更されるため、この復帰期間中に腰椎部分の緊張をほぐすことができる。
【0056】
本発明の請求項3記載の自動車用シートによれば、水平軸と歯車機構との間に後方位置に位置設定されたランバープレートが前方位置に位置変更される際にのみ機能するワンウェイクラッチを介設したため、前方位置にあるランバープレートを後方位置に位置変更させるに際し、ワンウェイクラッチによって操作桿の操作による水平軸の回転をダンパー装置に伝達しないようし、逆に付勢手段の付勢力によるランバープレートの後方位置からの前方位置への復帰のときのみ水平軸の回転をダンパー装置に伝達することが可能であり、これによってダンパー装置のダンパー機能を確保した上で操作桿の操作性を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用シート1の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】ランバーサポート構造の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図3】図2のランバーサポート構造の組立て斜視図である。
【図4】本発明の作用を説明するための説明図であり、ランバープレートが前方位置に設定された状態を示している。
【図5】本発明の作用を説明するための説明図であり、ランバープレートが後方位置に設定された状態を示している。
【符号の説明】
1 シート 11 シートボトム
12 シートバック 13 フレーム
13a 下部横杆 13b 右側縦杆
14 蝶番部材
101〜120 第1〜第20貫通孔
2 ランバーサポート構造 21 トーションバー
22 ランバープレート 23 リンク機構
24 第1リンク腕 241 リンク軸
25 第2リンク腕 3 位置変更機構
4 ケーシング 41 接続板
42 底板 43 周壁
5 蓋体 51 天井板
52 下部足板 6 支持板
61 渦巻きばね収納部 62 歯車支持部
63 円弧堰部 64 ブッシュ
65 側部耳片 66上部耳片
7 歯車機構 71 第1軸(水平軸)
72 扇歯車 73 第2軸
74 小歯車 75 大歯車
76 ダンパー装置(復帰手段)
77 渦巻きばね 78 係止盤
8 操作桿 81 角孔
Claims (3)
- シートバックに着座者の腰椎部分を支持するランバーサポート構造が内装された自動車用シートにおいて、上記ランバーサポート構造は、着座者の腰椎部分に対応したランバープレートと、シートバック内で上記腰椎部分を支持するように前進した前方位置と上記腰椎部分を支持しないように後退した後方位置との間で上記ランバープレートに位置変更を行わせる位置変更機構とから構成され、上記位置変更機構は、前方位置にあるランバープレートを後方位置に変更操作する操作桿と、後方位置に位置設定されたランバープレートを操作桿の操作によらずに前方位置に復帰させる復帰手段とを有していることを特徴とする自動車用シート。
- 上記操作桿を操作することによって自軸心回りに回動する水平軸が設けられ、上記ランバープレートは、上記水平軸の回動によって上記前方位置と上記後方位置との間で位置変更するように構成され、上記復帰手段は、後方位置に位置したランバープレートが前方位置に向かうように上記水平軸を回転させる付勢手段と、この付勢手段の付勢力を緩衝するダンパー装置とを備えて形成されていることを特徴とする請求項1記載の自動車用シート。
- 上記水平軸と上記ダンパー装置との間に、ランバープレートが後方位置から前方位置に位置変更されるに際し水平軸とダンパー装置とを接続し、ランバープレートが前方位置から後方位置に位置変更されるに際し水平軸とダンパー装置との接続状態を解除するワンウェイクラッチが介設されていることを特徴とする請求項2記載の自動車用シート。
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-
1997
- 1997-04-09 JP JP09108297A patent/JP3977480B2/ja not_active Expired - Lifetime
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