JP5057719B2 - 座席構造 - Google Patents

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本発明は、航空機、列車、船舶、フォークリフト、自動車などの輸送機器用として適する座席構造に関し、特に、航空機や列車などのように、縦列に複数設置した場合の着座スペース(足入れスペース)を従来よりも広く確保できる一方で、着座時の快適性を向上させた座席構造に関する。
航空機などにおいては複数の座席を縦列方向にも相当数連設し、限られたスペース内で所定数の座席を配置している。従って、各乗客の着座スペースも所定の大きさに限定されており、特に、前席において背部(シートバック)をリクライニングさせて休息姿勢をとると、後席の着座者の足入れ(足置き)スペースが大きく制限され、快適性を損なうという問題がある。このため、航空機などにおいては、乗客の快適性を向上させるに当たって、前席との間の足入れ(足置き)スペースを含む着座スペースをより広く確保するための工夫が常に求められている。また、自動車用のシートに着席している運転者は、比較的アップライト姿勢を好む場合と、それよりもリクライニングさせた姿勢を好む場合がある。いずれの場合も、支障なく運転をするという前提があるため、シートバックを大きく倒すことはできない。そのような状態で、パーキングなどでごく短時間の休息をとろうとする場合、シートバックを大きく倒し過ぎると、深い眠りに陥る場合もあるため、運転姿勢に近い状態で閉眼し体を休めることが多い。かかる場合に、比較的アップライトさせた姿勢と、多少のリクライニングさせた姿勢のいずれの場合でも、閉眼するだけで十分なリラックス状態を得られることが望まれる。すなわち、開眼時には運転に支障を来たさないように高覚醒状態を維持できる一方、閉眼時には速やかにリラックスできるバックアングルに調整できるシートの開発が望まれている。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、通常姿勢と休息姿勢のいずれにも対応できると共に、十分にリラックスした休息姿勢をとることができ、着座時における優れた快適性を備える一方で、休息姿勢をとった場合でも、後席の足入れスペースを含む着座スペースを制限しない座席構造を提供することを課題とする。また、本発明は、比較的アップライトさせた姿勢と、多少のリクライニングさせた姿勢のいずれの場合でも、開眼時には運転に支障を来たさないように高覚醒状態を維持できる一方、閉眼時には速やかにリラックスできるバックアングルに調整できる自動車用のシートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の本発明では、休息姿勢時におけるシートリファレンスポイントが通常姿勢時におけるシートリファレンスポイントよりも前方に移動するように設けられた座席構造において
通常姿勢時におけるシートリファレンスポイントを中心としたバックアングルが10度〜14度の範囲に、座部の座面角度が12度〜15度の範囲にそれぞれ設定されていると共に、座部座面に対する背部座面の傾斜角が85度以上90度未満となるように設定された通常姿勢モードと、
休息姿勢時におけるシートリファレンスポイントを中心としたバックアングルが30度〜34度の範囲に、座部の座面角度が22度〜28度の範囲にそれぞれ設定されていると共に、座部座面に対する背部座面の傾斜角が95度以上100度未満となる休息姿勢モード
の間で座部の座面角度及び背部座面の傾斜角が調整可能に設定されていると共に、
着座者の第4腰椎を挟んだ第3腰椎対応部位付近と骨盤上部対応付近にそれぞれ位置するように設けられる2つの膨出体を有し、前記通常姿勢モードと前記休息姿勢モードとの間での着座姿勢の変化に追随して前記2つの膨出体の支持圧が変化するランバーサポートが、前記背部に設けられていることを特徴とする座席構造を提供する。
請求項2記載の本発明では、前記通常姿勢モードにおけるバックアングルが12.5度に、座部の座面角度が13度に、座部座面に対する背部座面の傾斜角が89.5度に設定されていると共に、
前記休息姿勢モードにおけるバックアングルが33度に、座部の座面角度が25度に、座部座面に対する背部座面の傾斜角が98度に設定されていることを特徴とする請求項1記載の座席構造を提供する。
なお、トーションバーと、該トーションバーにより連結されるアームと、該アームに支持される支持フレームとを備え、座部の後部に、前記アームが、前記トーションバーを支点として前後に回動可能に設けられる第1トーションバーユニットと、
トーションバーと、該トーションバーにより連結されるアームと、該アームに支持される支持フレームとを備え、座部の前部に、前記アームが、前記トーションバーを支点として前後に回動可能に設けられる第2トーションバーユニットとを有してなる座部用クッション材支持機構を備え、
前記座部に配設される座部用クッション材が、前記第1トーションバーユニットの支持フレームと、前記第2トーションバーユニットの支持フレームとに掛け渡されて設けられている構成とすることができる。
前記シートリファレンスポイント調節手段は、前記第1トーションバーユニットのトーションバーの位置を後方側と前方側との間で移動させる部材である構成とすることができる。
前記座席構造は、航空機又は列車用とすることができる。
また、第1姿勢時におけるシートリファレンスポイントが第2姿勢時におけるシートリファレンスポイントよりも前方に移動するように設けられるシートリファレンスポイント調節手段を備え、
第1姿勢時におけるシートリファレンスポイントを中心としたバックアングルが10度〜14度の範囲になる第1支持支持モードと、
第2姿勢時におけるシートリファレンスポイントを中心としたバックアングルが30度〜34度の範囲になる第2姿勢支持モードとの間で背部座面の傾斜角を調整可能に設定されており、
かつ、座部の座面角度が24度〜28度の範囲に設定されていることを特徴とする自動車用の座席構造を提供することもできる。
前記第1姿勢支持モードにおけるバックアングルが12.5度に、前記第2姿勢支持モードにおけるバックアングルが33度に設定されるようになっていると共に、前記座部の座面角度が25度に設定されている構成とすることができる。
また、トーションバーと、該トーションバーにより連結されるアームと、該アームに支持される支持フレームとを備え、座部の後部に、前記アームが、前記トーションバーを支点として前後に回動可能に設けられる第1トーションバーユニットと、
トーションバーと、該トーションバーにより連結されるアームと、該アームに支持される支持フレームとを備え、座部の前部に、前記アームが、前記トーションバーを支点として前後に回動可能に設けられる第2トーションバーユニットとを有してなる座部用クッション材支持機構を備え、
前記座部に配設される座部用クッション材が、前記第1トーションバーユニットの支持フレームと、前記第2トーションバーユニットの支持フレームとに掛け渡されて設けられている構成とすることができる。
本発明によれば、休息姿勢時におけるシートリファレンスポイントを通常姿勢時におけるシートリファレンスポイントより前方に移動するように設けられるシートリファレンスポイント調節手段を有する。このため、背部(シートバック)自体を後方に傾動させることなく、休息姿勢をとることができる。背部を後方に傾動させることがないため、後席の着座者の足入れ(足置き)スペースが制限されない。
また、シートリファレンスポイントを調節することにより、通常姿勢モードにおいては、通常姿勢時におけるシートリファレンスポイントを中心としたバックアングルが10度〜14度の範囲に、座部の座面角度が12度〜15度の範囲にそれぞれ設定されていると共に、座部座面に対する背部座面の傾斜角が85度以上90度未満となるように設定されていることが好ましく、休息姿勢モードにおいては、休息姿勢時におけるシートリファレンスポイントを中心としたバックアングルが30度〜34度の範囲に、座部の座面角度が22度〜28度の範囲にそれぞれ設定されていると共に、座部座面に対する背部座面の傾斜角が95度以上100度未満となるように設定されていることが好ましい。
通常姿勢時は、読書、食事、あるいはパソコン操作などの軽作業に適する姿勢であることが望まれるが、バックアングル、座面角度及び座部座面に対する背部座面の傾斜角を上記の範囲に設定すると、これらの軽作業を容易に行うことができる。その一方、国内便などの航空機等では、休息姿勢をとったからといって深い眠りをもたらす必要はない。なぜなら、これらにおける着座時間は、1〜2時間、長くても3時間程度であり、深い眠りをもたらすように座席設計とした場合には、降りる際にさわやかな目覚めを得ることができず、次の行動に対してスムーズな移行を確保することができない。従って、着座時間を考慮すると、スムーズな睡眠導入とさわやかな覚醒が得られる睡眠パターンを確保できる座席設計であることが望まれる。そのためには、休息姿勢時におけるバックアングル、座面角度及び座部座面に対する背部座面の傾斜角を上記の範囲に設定することが望ましく、これにより、後席着座者の足入れ(足置き)スペースを制限することがなく、腹筋と背筋とがバランスして無用な力の入っていない状態になり、腹式呼吸を行い易くなり、睡眠導入がスムーズに行われ、さわやかな覚醒が得られる。休息姿勢モードにおいては、特に、バックアングルが33度に、座部の座面角度が25度に、座部座面に対する背部座面の傾斜角が98度に設定されていることが好ましい。
一方、座部の座面角度を24〜28度の範囲、好ましくは25度に設定した本発明の自動車用の座席構造では、第1姿勢時におけるシートリファレンスポイントが第2姿勢時におけるシートリファレンスポイントよりも前方に移動するように設けられるシートリファレンスポイント調節手段を備えると共に、第1姿勢時におけるシートリファレンスポイントを中心としたバックアングルが10度〜14度の範囲に、好ましくは12.5度になる第1支持支持モードと、第2姿勢時におけるシートリファレンスポイントを中心としたバックアングルが30度〜34度の範囲に、好ましくは33度になる第2姿勢支持モードとの間で背部座面の傾斜角を調整可能に設定されている。
すなわち、この自動車用の座席構造では、座部の座面角度を上記のように大きくすることにより、バックアングルを第1姿勢支持モードに設定し、比較的アップライトな姿勢であっても、開眼時には高覚醒状態が得られ、閉眼時にはリラックス状態で得られる。同様に、バックアングルを第2姿勢支持モードに設定し、多少リクライニングさせた姿勢であっても、開眼時の高覚醒状態と、閉眼時のリラックス状態が得られる。すなわち、本発明の自動車用の座席構造は、上記の角度に調整することにより、比較的アップライトな姿勢、多少リクライニングさせた姿勢の2つの姿勢において、閉開眼するだけで、覚醒状態の維持と休息姿勢(リラックス状態)を共有できる。
以下、図面に示した実施形態に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。図1及び図2は、本発明の一の実施形態に係る座席構造10を示す図である。このうち、いずれも、通常姿勢モードの着座者の状態と休息姿勢モードの着座者の状態とを併せて示しているが、図1ではバックアングル、座面角度等の詳細を示したものであり、図2は前席及び後席に着座している着座者を併せて示したものである。
これらの図に示したように、シートリファレンスポイントは、シートリファレンスポイント調節手段により、通常姿勢時のシートリファレンスポイントAと、休息姿勢時のシートリファレンスポイントBとの間で移動可能になっている。なお、シートリファレンスポイントとは、座部の座面に沿った前後方向の仮想ラインと、背部の上下方向略中央部よりも下側に位置する下側背部座面に沿った仮想ライン(後述のラインD)との交点をいう。
側面から見た場合の背部(シートバック)の上下方向略中央部よりも上部に位置する上側背部座面に沿ったラインCの位置は、通常姿勢モードでも休息姿勢モードでも変わらない。一方、背部の上下方向略中央部よりも下側に位置する下側背部座面に沿ったラインDの位置は、通常姿勢モードと休息姿勢モードとで変化する。すなわち、ラインDは、通常姿勢モードでは、ラインCに重なるが、休息姿勢モードでは、シートリファレンスポイントBが前方へ移動する結果、ラインDは、通常姿勢モードよりも後傾することになる。
通常姿勢モードでは、通常姿勢時のシートリファレンスポイントAを中心としたバックアングルE=12.5度に設定され、座部の座面角度F=13度に設定されており、座部の座面に対する背部座面(ラインC)の傾斜角G=89.5度に設定されている。
休息姿勢モードでは、休息姿勢時のシートリファレンスポインBを中心としたバックアングルH=33度に設定され、座部の座面角度I=25度に設定されており、座部の座面に対する背部座面(ラインD)の傾斜角J=98度に設定されている。休息姿勢モードでは、シートリファレンスポイントがB位置まで前方に移動するため、バックアングルHを33度に設定しただけでは、いわゆる尻滑りが生じる。そこで、座面角度Iを25度に調整することで、座部の座面に対する背部座面(ラインD)の傾斜角Jを98度にし、尻滑りを防止する。これにより、背筋と腹筋とのバランスが図られ、リラックスした状態となりスムーズな腹式呼吸を促す。
なお、通常姿勢モード及び休息姿勢モードにおける各角度条件は、上記した設置値が最も好ましいが、通常姿勢モードでは、バックアングルE=10〜14度、座部の座面角度F=12〜15度、座部の座面に対する背部座面(ラインC)の傾斜角G=85度以上90度未満の範囲で調整できる。また、休息姿勢モードでは、バックアングルH=30〜34度、座部の座面角度I=22〜28度、座部の座面に対する背部座面(ラインD)の傾斜角J=95度以上100度未満の範囲で調整できる。
一方、背部には、図3に示したようなランバーサポート200を設けることが好ましい。このランバーサポート200は、合成樹脂製の可撓性のあるプレート材210と、該プレート部材210の一面に中央部が固定される2つの膨出体211,212を備えた構造を有している。そして、2つの膨出体211,212のうち、一方が、着座者の第4腰椎を挟んだ第3腰椎対応部位付近に位置するように設けられ、他方が、骨盤上部対応付近に位置するように設けられる。これにより、2つの膨出体211,212は、第3腰椎付近と骨盤上部付近を支持する支持点として機能する。この結果、着座姿勢が通常姿勢モードと休息姿勢モードとに変化することにより、2つの膨出体211,212の支持圧がこれに追随して変化するため、腰椎部の支持性を高く維持できる。
(試験例1)
休息姿勢モードにおける背部のバックアングルHの適正角度を検証するため、被験者を座席に着座させ、座面の座角を25度に固定し、背部の角度(バックアングルH)を重力方向に26度〜36度まで30分間に亘って2度毎に変化させ、閉眼状態で、指尖容積脈波と脳波を測定した。被験者は30歳代の健康な男性で入眠潜時は10〜15分前後である。各角度での待機時間は300秒間である。300秒間という待機時間は、肉体疲労の影響が小さく、入眠潜時の時間幅より小さく睡眠に至らないため、睡眠で生じる生体の変化の影響が小さい。また、集中力の継続が可能な時間幅であり、指尖容積脈波にて傾き時系列波形を計算し、その傾向を見るのに最小の時間幅であることによる。さらに、300秒ごとの背もたれの角度を変えることで刺激を与え、精神的負荷をリセットさせるためである。結果を図4〜図6に示す。図4は、指尖容積脈波から得られるパワー値傾きの時系列と最大リアプノフ指数傾きの時系列を示し、図5は脳波の分布率を、図6は脳波の分布率の傾き時系列をそれぞれ示す。
脳波の分布率から、本被験者は背もたれの角度が28度のとき一時的にマイクロスリープが生じたが、背もたれ角度が30〜34度の間で安定な覚醒状態を維持した。されに背もたれ角度が34度のときに、外的刺激に反応してβ波の変化がない状態で、θ波の低下とα波が増加し、α波優位の状態になった。その後、背もたれ角度が36度になったときに再度マイクロスリープが生じた。次に、指尖容器脈波から採取した傾き時系列波形の結果について述べる。パワー値の傾き時系列波形は背もたれの角度が34度まではマイクロスリープの影響で一時的な低下はあるものの、覚醒状態を維持していることを示す。但し、32〜34度の間は振幅が小さく、代謝は安定した状態でリラックスしていることが伺える。34度の後半からは背もたれの角度を動かしているにも拘わらず、睡眠状態への移行を堅持した。最大リアプノフ指数の傾き時系列波形は26〜30度の前半間では覚醒度の減退傾向を示し、30度後半から36度前半までは、マイクロスリープによる一時的な疲労回復の様子が見られる。36度後半から覚醒度の減退傾向が見られる。なお、入眠予兆現象は26〜28度と34度の中間実験時間帯に発生した。最初の入眠予兆現象は特徴的だが、後半はリラックス安定状態のためリアプノフ指数の傾き時系列波形との関係で捉える必要がある。これらの実験結果から、本被験者は30〜34度の間が代謝は低いが覚醒度は高い状態、つまりリラックスしているが集中力を高められる状態で、少しの姿勢の変化で睡眠状態へのスムーズな移行も可能な姿勢と推察される。従って、休息姿勢モードにおけるバックアングルHは30度〜34度の範囲が好ましく、さらには、32度〜33度が好ましく、最も好ましくは33度である。
(試験例2)
次に、バックアングルH=33度、座面角度I=25度、座部の座面に対する背部座面(ラインD)の傾斜角J=98度に設定した座席に上記と同じ被験者を着座させて、閉眼状態で、指尖容積脈波と脳波を60分間測定した。結果を図7に示す。図7(a)は、指尖容積脈波から得られるパワー値傾きの時系列と最大リアプノフ指数傾きの時系列を示し、図7(b)は睡眠深度の時系列変化を示し、図7(c)は脳波の分布率の時系列変化を示し、図7(d)は脈拍周波数と呼吸周波数の時系列変化を示す。
同様に、バックアングルE=12.5度、座面角度F=13度、座部の座面に対する背部座面(ラインC)の傾斜角G=89.5度に設定した座席に上記と同じ被験者を着座させて、閉眼状態で、指尖容積脈波と脳波を60分間測定した。結果を図8に示す。図8(a)は、指尖容積脈波から得られるパワー値傾きの時系列と最大リアプノフ指数傾きの時系列を示し、図8(b)は睡眠深度の時系列変化を示し、図8(c)は脳波の分布率の時系列変化を示し、図8(d)は脈拍周波数と呼吸周波数の時系列変化を示す。
比較のため、図9に、公知の航空機シートをフルリクライニング状態にして、被験者を着座させた際の測定結果を示す。
バックアングルH=33度で座面角度I=25度の場合と、バックアングルE=12.5度で座面角度F=13度の場合とを比較すると、後者の方が、中途覚醒の頻度が高いと共に、呼吸周波数及び脈拍周波数の変動幅が大きいことから、前者の方が休息姿勢として適切であることがわかる。すなわち、すみやかな睡眠とさわやかな目覚めを得られるパターンになっている。
図10は、図7〜図9のデータから求めた疲労度の推移を示すグラフであり、図11は、喚起度の推移を示すグラフである。図12はパワー値傾きの時系列周波数の分析結果を示し、図13は最大リアプノフ指数の時系列周波数の分析結果を示す。これらの結果から、本実施形態の座席構造は、疲労の蓄積が小さく、快適性に優れていることがわかる。
(試験例3)
図14に示したように、座面角度を25度に固定し、バックアングル33度の場合と12.5度の場合とで、上記被験者と同じ被験者により試験例2と同様の試験を行った。座面角度を25度に固定したのは、自動車用の座席構造として適用するためであり、座面角度を24度〜28度、好ましくは25度に固定することにより、バックアングル12.5度の第1姿勢とバックアングル33度の第2姿勢のいずれの場合でも、開閉眼のみで覚醒状態と休息状態を得られる。その結果を図15及び図16に示す。図15(a)、図16(a)は開眼状態でのデータであり、図15(b)、図16(b)は閉眼状態でのデータである。
背もたれ角12.5度において、開眼状態の脳波は、閉眼時に比べてβ波の分布率が高くα波の分布率は低い。また、睡眠深度からも覚醒状態であることが分かる。さらに、脈拍と呼吸は閉眼時より早く、不規則なゆらぎであり、外的刺激の変化に対応する高覚醒状態であることが推測される。また、後半の40分以降の睡眠第2段階への一時的な移行は、同一姿勢維持による疲労から生じた睡眠ではないかと考えられる。一方、閉館状態の脳波はθ波の分布率がやや上昇すると共に、実験開始後5分以内に睡眠第2段階を示した。その後、約30分までは睡眠段階は1〜2にあり、脈拍と呼吸は開眼状態より遅く、指尖脈波もゆらぎが小さいため、安定した睡眠状態にあることがわかる。30分以降は睡眠第2段階が中心であるが、各指標が前半に比べてゆらぎが大きいが一定であることから、脳波休んでいるが、肉体は同一姿勢による疲労に対応している。
次に、背もたれ角33度において、開眼状態はβ波の分布率が高いことから、12.5度の開眼状態と同じく高覚醒状態である。さらに、指尖容積脈波の傾き時系列の振幅が12.5度に比べて小さく、一定のゆらぎであることから、リラックス覚醒状態であるといえる。一方、閉眼状態では、指尖容積脈波の傾き時系列が実験開始から10分までの入眠予兆現象を示した後、脳波は睡眠第2段階に入るが、中途覚醒を繰り返し、脳波分布率もそれにあわせて不規則に変化している。脈拍と呼吸は開眼状態に比べて遅く安定していることから、脳は12.5度に比べて休息度は低いが、肉体はリラックス安定状態であることが分かる。この実験により、安定した2つの姿勢の時に、開眼状態では活動的な覚醒状態を維持でき、一方で閉眼状態では安定した休息姿勢になりうることがわかる。
図1は、本発明の一の実施形態に係る座席構造を示す概念図である。 図2は、上記実施形態に係る座席構造を前後に配置した状態を示す概念図である。 図3は、上記実施形態に係る座席構造に用いたランバーサポートを示す概念図である。 図4は、休息姿勢モードにおける背部のバックアングルHの適正角度を検証するために行った試験の指尖容積脈波から得られるパワー値傾きの時系列と最大リアプノフ指数傾きの時系列を示す図である。 図5は、上記試験において測定した脳波の分布率を示す図である。 図6は、図5の脳波の分布率の傾き時系列を示す図である。 図7は、バックアングルH=33度、座面角度I=25度、座部の座面に対する背部座面(ラインD)の傾斜角J=98度に設定した座席に被験者を着座させて行った試験の結果を示す図であり、図7(a)は、指尖容積脈波から得られるパワー値傾きの時系列と最大リアプノフ指数傾きの時系列を示し、図7(b)は睡眠深度の時系列変化を示し、図7(c)は脳波の分布率の時系列変化を示し、図7(d)は脈拍周波数と呼吸周波数の時系列変化を示す図である。 図8は、バックアングルE=12.5度、座面角度F=13度、座部の座面に対する背部座面(ラインC)の傾斜角G=89.5度に設定した座席に被験者を着座させて行った試験の結果を示す図であり、図8(a)は、指尖容積脈波から得られるパワー値傾きの時系列と最大リアプノフ指数傾きの時系列を示し、図8(b)は睡眠深度の時系列変化を示し、図8(c)は脳波の分布率の時系列変化を示し、図8(d)は脈拍周波数と呼吸周波数の時系列変化を示す図である。 図9は、比較試験の結果であり、公知の航空機シートをフルリクライニング状態にして、被験者を着座させた際の測定結果を示す図である。図9(a)は、指尖容積脈波から得られるパワー値傾きの時系列と最大リアプノフ指数傾きの時系列を示し、図9(b)は睡眠深度の時系列変化を示し、図9(c)は脳波の分布率の時系列変化を示し、図9(d)は脈拍周波数と呼吸周波数の時系列変化を示す図である。 図10は、図7〜図9のデータから求めた疲労度の推移を示すグラフである。 図11は、喚起度の推移を示すグラフである。 図12は、パワー値傾きの時系列周波数の分析結果を示す図である。 図13は、最大リアプノフ指数の時系列周波数の分析結果を示す図である。 図14は、座面角度を25度に固定した状態でバックアングルを変化させ第1姿勢支持モードと第2姿勢支持モードにできる座席構造を示す概念図である。 図15は、試験例3においてバックアングルを12.5度に設定した場合の指尖容積脈波から得られるパワー値傾きの時系列と最大リアプノフ指数傾きの時系列、睡眠深度の時系列変化、脳波の分布率の時系列変化、脈拍周波数と呼吸周波数の時系列変化を示す図であり、(a)は開眼状態を、(b)は閉眼状態をそれぞれ示す。 図16は、試験例3においてバックアングルを33度に設定した場合の指尖容積脈波から得られるパワー値傾きの時系列と最大リアプノフ指数傾きの時系列、睡眠深度の時系列変化、脳波の分布率の時系列変化、脈拍周波数と呼吸周波数の時系列変化を示す図であり、(a)は開眼状態を、(b)は閉眼状態をそれぞれ示す。
符号の説明
10 座席構造
200 ランバーサポート

Claims (2)

  1. 休息姿勢時におけるシートリファレンスポイントが通常姿勢時におけるシートリファレンスポイントよりも前方に移動するように設けられた座席構造において
    通常姿勢時におけるシートリファレンスポイントを中心としたバックアングルが10度〜14度の範囲に、座部の座面角度が12度〜15度の範囲にそれぞれ設定されていると共に、座部座面に対する背部座面の傾斜角が85度以上90度未満となるように設定された通常姿勢モードと、
    休息姿勢時におけるシートリファレンスポイントを中心としたバックアングルが30度〜34度の範囲に、座部の座面角度が22度〜28度の範囲にそれぞれ設定されていると共に、座部座面に対する背部座面の傾斜角が95度以上100度未満となる休息姿勢モード
    の間で座部の座面角度及び背部座面の傾斜角が調整可能に設定されていると共に、
    着座者の第4腰椎を挟んだ第3腰椎対応部位付近と骨盤上部対応付近にそれぞれ位置するように設けられる2つの膨出体を有し、前記通常姿勢モードと前記休息姿勢モードとの間での着座姿勢の変化に追随して前記2つの膨出体の支持圧が変化するランバーサポートが、前記背部に設けられていることを特徴とする座席構造
  2. 前記通常姿勢モードにおけるバックアングルが12.5度に、座部の座面角度が13度に、座部座面に対する背部座面の傾斜角が89.5度に設定されていると共に、
    前記休息姿勢モードにおけるバックアングルが33度に、座部の座面角度が25度に、座部座面に対する背部座面の傾斜角が98度に設定されていることを特徴とする請求項1記載の座席構造。
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