JP3976211B2 - 低抵抗膜を用いた遮水材からの漏水を検出する装置 - Google Patents

低抵抗膜を用いた遮水材からの漏水を検出する装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遮水材からの漏水の検査に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、廃棄物処分場などに設置された電気的漏水検知システムは、遮水材の電気絶縁性を利用しており、遮水材の表裏に電圧を加えておき、この状態で遮水材に破損がなければ電流は流れないが、破損すると破損部を通つて電流が流れる。この変化を抵抗の変化や電流の変化、電位の変化等として捕らえることで、破損の発生およびその位置を検知するものである。
【0003】
廃棄物には色々な物質が混ざり合っており、電気的特性も不均質である。このような廃棄物を埋立てる最終処分場内も電気的不均一な状態になるため、漏水箇所(遮水材破損箇所)を検出するために処分場内に流す測定電流、並びにこの電流によつて発生する電位分布も、処分場内の電気的不均一性の影響を受けて不均一な歪みが発生する。この状況を図9に示す。図9は電気的特性(電気的比抵抗ρ)が異なる廃棄物を埋立てた場合を示したものである。電流電極bと処分場aの外の地盤との間に電流を流すと、廃棄物eに等電位線dが生じる。電位は測定電極cで測定する。図9(A)のように廃棄物eに電気的不均一性が存在すると等電位線dの分布が乱れると共に、図9(B)のように電位勾配に凹凸ができる。この歪みは破損によつて生じる歪みと重畳されて表れるため、漏水検知を行う場合の雑音成分となり、漏水発生を検出する感度と、破損位置の測定精度に悪影響を及ぼす。なお、図10は、図9と対比するために、電気的比抵抗ρがほぼ均一な廃棄物fを埋め立てた場合が示されている。この場合、図10(A)のように電気的にほぼ均一な等電位線dが生じ、図10(B)のように電位勾配がなめらかになる。
【0004】
この問題は、廃棄物の不均一性のみならず、処分場の基盤における電気的不均一性や、埋立て途上により、最終処分場の場所によつて埋立て深さが異なる場合も電気的特性が変わるため、廃棄物の電気的不均一性と同様に漏水検知に影響する。
【0005】
また、電気絶縁性の高い廃棄物でたまたま埋立てられた範囲には、測定電流が流れないため、この範囲の遮水材が破損して漏水が発生しても、検知できなくなる問題がある。この現象は、保護土や廃棄物で覆われていない部分の遮水材についても同様で、この場合も測定電流が流れないので遮水シートの破損を検知できない。このため、竣工検査時に、保護土で覆われていない法面部の検査ができないので、電気的漏水検知システムが設置された処分場においても、竣工検査時には真空吸引法等で法面部を全面検査しなければならない問題があつた。
【0006】
更に、2重に遮水シートが敷設れた処分場では、2重遮水シートのそれぞれの破損を個々に検知するために、遮水シート間を電流が流れる状態にして、測定電極を設置する必要がある。
【0007】
このことから、これまでは遮水シート間に適度な湿り気を持たせ砂等を10cm〜30cm程敷設していた。しかし、この方法では2重遮水シート間が厚くなるため、この分だけ処分場の埋立深さが浅くなり、埋立て容量が少なくなる問題と、法面には遮水シートの上に砂等を敷設できないため(例えば、高さ:奥行き=1:2未満の極端に勾配の緩い法面以外は、遮水シート上の砂が滑って落ちてしまい施工できない)、法面部では2重の遮水シートを別々に破損検知できない問題があつた。このことから、法面部については上部遮水シート上、または下部遮水シート下に測定電極を設置して、両方の遮水シートが破損した場合にだけ、破損を検知する方法が取られていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
<イ>本発明は、遮水材からの漏水の有無を正確に検出することにある。
<ロ>本発明は、遮水材からの漏水の位置を正確に検出することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導電物質が両側に配置された電気的絶縁性を有する遮水材からの漏水を検出する装置において、遮水材の一方の側の導電物質内に敷設される第1電流電極と、遮水材の他方の側の導電物質内に敷設される第2電流電極と、導電物質内に敷設される低抵抗膜と、遮水材の近傍に敷設される複数の測定電極とを備え、低抵抗膜は膜厚が1,000mmの場合比抵抗が10-3〜103Ω・m、膜厚が100mmの場合比抵抗が10-4〜102Ω・m、膜厚が10mmの場合比抵抗が10-5〜101Ω・m、膜厚が1mmの場合比抵抗が10-6〜100Ω・m、膜厚が0.1mmの場合比抵抗が10-9〜10-1Ω・mの材料を使用し、第1電流電極と第2電流電極との間に電流を流し、測定電極により遮水材の近傍の電位を測定し、遮水材からの漏水を検出することを特徴とする、遮水材からの漏水を検出する装置、
または前記遮水材からの漏水を検出する装置において、測定電極を遮水材と低抵抗膜との間に敷設することを特徴とする、遮水材からの漏水を検出する装置、
または前記遮水材からの漏水を検出する装置において、測定電極を遮水材と接触させて設置することを特徴とする、遮水材からの漏水を検出する装置、
または前記遮水材からの漏水を検出する装置において、低抵抗膜を遮水材の両側の導電物質内に敷設することを特徴とする、遮水材からの漏水を検出する装置、
または導電物質が両側に配置された電気的絶縁性を有する遮水材からの漏水を検出する装置において、多重の遮水材で遮水層を形成し、遮水材の一方の側の導電物質内に第1電流電極を敷設し、遮水材の他方の側の導電物質内に第2電流電極を敷設し、多重の遮水材の間に低抵抗膜を敷設し、低抵抗膜は膜厚が1,000mmの場合比抵抗が10-3〜103Ω・m、膜厚が100mmの場合比抵抗が10-4〜102Ω・m、膜厚が10mmの場合比抵抗が10-5〜101Ω・m、膜厚が1mmの場合比抵抗が10-6〜100Ω・m、膜厚が0.1mmの場合比抵抗が10-9〜10-1Ω・mの材料を使用し、遮水材の近傍に複数の測定電極を敷設し、第1電流電極と第2電流電極との間に電流を流し、測定電極により遮水材の近傍の電位を測定し、遮水材からの漏水を検出することを特徴とする、遮水材からの漏水を検出する装置、
または廃棄物処分場の基盤上に敷設され、内側に廃棄物を埋める電気的絶縁性を有する遮水材からの漏水を検出する装置において、遮水材の近傍に敷設される複数の測定電極と、遮水材の内側に敷設される第1電流電極と、遮水材の外側の基盤に敷設される第2電流電極と、遮水材の内側又は外側又は両側に敷設される低抵抗膜とを備え、低抵抗膜は膜厚が1,000mmの場合比抵抗が10-3〜103Ω・m、膜厚が100mmの場合比抵抗が10-4〜102Ω・m、膜厚が10mmの場合比抵抗が10-5〜101Ω・m、膜厚が1mmの場合比抵抗が10-6〜100Ω・m、膜厚が0.1mmの場合比抵抗が10-9〜10-1Ω・mの材料を使用し、第1電流電極と第2電流電極との間に電流を流し、測定電極により遮水材の近傍の電位を測定し、遮水材からの漏水を検出することを特徴とする、遮水材からの漏水を検出する装置、
または前記遮水材からの漏水を検出する装置において、遮水材の内側に遮水材を保護する保護土を敷設し、保護土の上面に低抵抗膜を敷設することを特徴とする、遮水材からの漏水を検出する装置、
または前記遮水材からの漏水を検出する装置において、廃棄物中に低抵抗膜を敷設することを特徴とする、遮水材からの漏水を検出する装置、
または前記遮水材からの漏水を検出する装置において、遮水材の内側に浸出する水を集める集配水管を敷設し、集配水管と遮水材の間に低抵抗膜を敷設することを特徴とする、遮水材からの漏水を検出する装置、
または廃棄物処分場の基盤上に敷設され、内側に電気的絶縁性を有する廃棄物を埋める遮水材からの漏水を検出する装置において、多重の遮水材で遮水層を形成し、遮水材の内側に第1電流電極を敷設し、遮水材の外側に第2電流電極を敷設し、多重の遮水材の間に低抵抗膜を敷設し、低抵抗膜は膜厚が1,000mmの場合比抵抗が10-3〜103Ω・m、膜厚が100mmの場合比抵抗が10-4〜102Ω・m、膜厚が10mmの場合比抵抗が10-5〜101Ω・m、膜厚が1mmの場合比抵抗が10-6〜100Ω・m、膜厚が0.1mmの場合比抵抗が10-9〜10-1Ω・mの材料を使用し、遮水材の近傍に複数の測定電極を敷設し、第1電流電極と第2電流電極との間に電流を流し、測定電極により遮水材の近傍の電位を測定し、遮水材からの漏水を検出することを特徴とする、遮水材からの漏水を検出する装置、
または前記の遮水材からの漏水を検出する装置において、遮水材の面に低抵抗膜を形成することを特徴とする、遮水材からの漏水を検出する装置にある。
【0010】
【発明の実施の態様】
以下、図面を用いて本発明の実施の態様を説明する。
<イ>遮水材からの漏水を検出する装置の概要
遮水材31の漏水を検出する装置は、廃棄物処分場1や建物の屋上など漏水を防ぐ場所で使用される遮水材からの漏水を検出する装置(電気的漏水検知システム)である。この遮水材31を設置した範囲では、一様の電圧を遮水材表裏に加える必要がある。
【0011】
本発明の遮水材31の漏水を検出する装置は、廃棄物処分場1に埋立た廃棄物13の電気的不均一性や、廃棄物処分場1の構造により、電位分布に乱れが発生する影響を軽減し、漏水検知感度と漏水位置検知精度を改善するものである。
【0012】
図1は廃棄物を最終的に埋立処分する廃棄物処分場1の平面図を分かり易く示した概念図である。又、図2は図1のII−IIの断面図である。廃棄物処分場1は、基盤11の上に遮水材31を敷設し、遮水材31の内側に廃棄物13を埋設する。廃棄物処分場1の内外に低抵抗膜32を配置する。また、遮水材31の上に保護土12を配置して遮水材31を保護する。
【0013】
廃棄物処分場1の内部に内部電流電極21を配置し、外部に外部電流電極22を配置して、これらの電流電極間に電源23を接続し、電流を流して、廃棄物処分場1の基盤11、廃棄物13、保護土12や低抵抗膜32などの導電物質内に電位分布を発生させる。
【0014】
遮水材31の近傍に測定電極24を複数配置し、遮水材31の近傍の電位分布を測定する。各測定電極24の電位を測定するために例えばスキャナ27を使用し、各測定電極24の電位を電位差計26で測定する。この測定のための基準電極25は、適当な電極でよく、例えば、他の測定電極24を使用したり、電流電極21、22を使用したり、又は、特別の基準電極を設けても良い。
【0015】
低抵抗膜32は、測定範囲に平面的に敷設することにより、測定電流が一様に流れるようにし、廃棄物等の電気的不均質性による影響を軽減して、漏水箇所(遮水材破損箇所)を正確に検出できる。
【0016】
<ロ>遮水材
遮水材31は、遮水シートを例にして説明するが、これに限らず、電気絶縁性を有するものであれば良い。例えば、アスファルトを布や不織布などに含浸させたシート状の遮水材、水密性を有したアスファルト舗装、アスファルト乳剤と砂などの骨材を混合させた遮水層、合成樹脂を吹き付けた整形した遮水層などがある。
【0017】
<ハ>遮水材上に低抵抗膜を敷設した場合
遮水材31の上に低抵抗膜32を敷設した廃棄物処分場1の断面図は、例えば、図2の下側の低抵抗膜32を除いたものである。なお、この例では、遮水材31を1重の遮水シートにしてあるが、多重の遮水シート(遮水層)でも良いことは明らかである。
【0018】
この様に、遮水材31の上部に低抵抗膜32を敷設することによって、処分場1の内部の電流電極21、22から供給される電流が平面的に一様に流れるようになり、埋立て廃棄物13の電気的不均一性による影響や、浸出水集排水管14による影響等を受けずに遮水材31に発生した破損を検知することができる。
【0019】
低抵抗膜32の比抵抗は、次のような厚さとの関係の範囲であれば、効果が期待できる。低抵抗膜と比抵抗の関係は、1,000mmで10-3〜103Ω・m、100mmで10-4〜102Ω・m、10mmで10-5〜101Ω・m、1mmで10-6〜100Ω・m、0、1mmで10-9〜10-1Ω・mである。
【0020】
<ニ>遮水材下に低抵抗膜を敷設した場合
遮水材31の下に低抵抗膜32を敷設した廃棄物処分場1の断面図は、例えば、図2の上側の低抵抗膜32を除いたものである。遮水材31の下部に低抵抗膜32を敷設することによって、基盤の電気的不均一性による影響を受けずに遮水材31の破損を検知することができる。
【0021】
<ホ>遮水材上下に低抵抗膜を敷設した場合
遮水材31の上下に低抵抗膜32を敷設した廃棄物処分場1の断面図は、図2に示す。遮水材31の上下に低抵抗膜32を敷設することによつて、埋立て廃棄物13の電気的不均一性による影響や浸出水集排水管14による影響、並びに基盤11の電気的不均一性による影響を受けずに遮水材31の破損を検知することができる。
【0022】
<ヘ>多重の遮水材間に低抵抗膜を敷設した場合
多重の遮水材からなる遮水層33、例えば2重の遮水シートの遮水シート間に低抵抗膜32を敷設した廃棄物処分場1の断面図を図3に示す。遮水層33の多重の遮水材31間に複数の測定電極24と中間電流電極28を配置する。これによって、厚さの厚い砂層を遮水材間に敷設する必要がなく、薄い低抵抗膜32を遮水材間に扶むことで、2重の遮水材それぞれの破損を個々に検知できる。なお、2重の他に3重など多重の遮水材を使用することもできる。
【0023】
中間電流電極28と内部電流電極21又は外部電流電極22を切換器29で切り換えることにより、内側の遮水材からの漏水と外側の遮水材からの漏水を別々に測定することができる。
【0024】
また、従来方法ではできなかった、比較的に急勾配の法面部(1:2以上に勾配が急な法面)も遮水材間に低抵抗膜32を扶むことができるため、法面部の遮水層33も、それぞれの遮水材の破損を個々に検知できる。
【0025】
更に、図には記していないが、遮水層33の上面に低抵抗膜32を敷設することにより、埋立廃棄物13や浸出水集排水管14等による電気的不均一性の影響を受けずに遮水材破損の検知ができる。また、遮水層33の下面に低抵抗膜32を敷設することによって、基盤11の電気的不均質性の影響等を受けずに遮水材に発生した破損を検知することができる。
【0026】
<ト>保護土上又は埋立廃棄物内に低抵抗膜を敷設した場合
遮水材31の保護土12の上に低抵抗膜32を敷設することによって(図4の低抵抗膜を保護土の上に配置した場合)、処分場1内部の電流電極21、22から供給される電流が平面的に一様に流れるようになり、埋立て廃棄物の電気的不均一性による影響等を受けずに遮水材に発生した破損を検知することができる。
【0027】
又、図4のように埋立廃棄物13中に低抵抗膜32を敷設することによって、埋立て廃葉物13の電気的不均一性による影響等を軽減することができ、遮水材31に発生した破損を感度良く検知し、精度良く特定することができる。
【0028】
<チ>浸出水集排水管下に低抵抗膜を敷設した場合
浸出水集排水管14の下に低抵抗摸32を敷設した場合の実施例を図5に示す。浸出水集排水管14の下に低抵抗膜32を敷設することによつて、浸出水集排水管14による影響を受けずに遮水材31に発生した破損を検知することができる。
【0029】
<リ>遮水材表面に低抵抗膜を設置した場合
表面に低抵抗膜32が張り付いた遮水材31を図6に示す。この遮水材の施工は、予め遮水材31と低抵抗膜32が一体になった遮水材131を敷設する方法(この方法は、遮水材をつなぎ合わせる部分の低抵抗膜をつなぎ合わせる前に外しておく必要がある)、又は、通常の電気絶縁性を示す遮水材31を敷設した後に、導電性塗料のように薄く塗布して低抵抗膜32を形成する方法がある。期待できる効果は埋立て廃業物13の電気的不均一性による影響等や、浸出水集排水管14による影響等を受けずに遮水材31に発生した破損を検知することができる。また、上面と下面の両面に低抵抗膜32を形成した遮水材31を用いると基盤11の不均質性の影響も受けることなく遮水材31に発生した破損を検知できる効果が期待できる。
【0030】
更に、2重遮水材(遮水層)に用いる場合、例えば遮水層の上側に図6で示す遮水材131を用い、下側に通常の遮水材を用いることで、埋立て廃棄物13や浸出水集排水管14等による電気的不均質性の影響を受けずに遮水材に発生した破損を検知することができる。また、遮水層の下側の遮水材にも図6で示す遮水材131を用いることで、基盤11の電気的不均質性の影響等を受けずに遮水材に発生した破損を検知することができる。
【0031】
これ以外にも、廃棄物処分場1に通常敷設される遮水材は、幅lm〜2m程のシートを熱溶着等によって接合する方法で処分場の底面部や法面部に敷設されているが、漏水事故の多くはこの遮水材の接合部で起こす。低抵抗膜を形成する方法では、この膜に遮水機能を持たせることで、遮水材の接合部からの漏洩を未然に防ぐと共に、接合部の欠陥部34に水や低抵抗膜剤が入ることにより、欠陥部34に電流が流れるようになるため、速やかに接合部の欠陥を検知することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、次のような効果を得ることができる。
<イ>埋立て廃棄物の電気的不均一性の影響を受けずに、あるいはその影響を軽減して遮水材の破損の有無および破損位置を検知できる。
<ロ>廃棄物の埋立が途中で、場所によつて埋立深さが変わるような場合では、埋立深さによる電気的特性の違いが発生するが、この影響を受けずに破損の有無および破損位置を検知できる。
<ハ>処分場の基盤に電気的不均一性がある場合には、遮水材の下側に低抵抗膜を敷設することにより、基盤の電気的不均一性の影響を受けずに破損の有無および破損位置を検知できる。
<ニ>浸出水集排水管を遮水材近傍に設置する場合、浸出水集排水管は通常絶縁体でできており、またこの管に土砂が流れ込まないように、管の回りにフイルター材として電気抵抗の高いぐり石を積み上げるので、浸出水条排水管の近傍は電気抵抗の高い状態となり周囲と果なる電気的特性を示すことになる。このため、廃棄物の不均質性と同様に破損検知に影響を及ぼすことになるが、遮水材と浸出水集排水管の間に低抵抗膜を敷設することにより、この影響を避けることができる。
<ホ>遮水層の多重の遮水材間に低抵抗膜を扶むことによって、厚さの厚い砂層を遮水材間に敷設することなく多重の遮水材破損を個々に検知できる。
<ヘ>従来方法ではできなかつた、法面部についても多重の遮水材間に、低抵抗膜を挟むことによって、多重の遮水材の破損を個々に検知できる。
<ト>従来方法では、覆土や廃棄物に埋立てられていない部分は、測定電流が流れないため、破損を検知することができなかつたが、低抵抗膜を設置するとで、覆土や廃棄物に埋立てられていない部分でも遮水材の破損を検知することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】廃棄物処分場の電流電極と測定電極の敷設図
【図2】図1のII−IIの断面図
【図3】遮水層の廃棄物処分場の断面図
【図4】低抵抗膜を廃棄物中に敷設した廃棄物処分場の断面図
【図5】集配水管下に低抵抗膜を敷設した廃棄物処分場の断面図
【図6】低抵抗膜を付した遮水材の断面図
【図7】低抵抗膜を付した遮水材の接続図
【図8】低抵抗膜を付した遮水材の破損部の説明図
【図9】比抵抗が不均一な廃棄物の電位分布の説明図
【図10】比抵抗がほぼ均一な廃棄物の電位分布の説明図
【符号の説明】
1・・・廃棄物処分場
11・・基盤
12・・保護土
13・・廃棄物
14・・集排水管
21・・内部電流電極
22・・外部電流電極
23・・電源
24・・測定電極
25・・基準電極
26・・電位差計
27・・スキャナ
28・・中間電流電極
29・・切換器
31・・遮水材
32・・低抵抗膜
33・・遮水層
34・・欠陥部
131・遮水材

Claims (11)

  1. 導電物質が両側に配置された電気的絶縁性を有する遮水材からの漏水を検出する装置において、
    遮水材の一方の側の導電物質内に敷設される第1電流電極と、
    遮水材の他方の側の導電物質内に敷設される第2電流電極と、
    導電物質内に敷設される低抵抗膜と、
    遮水材の近傍に敷設される複数の測定電極とを備え、
    低抵抗膜は膜厚が1,000mmの場合比抵抗が10-3〜103Ω・m、膜厚が100mmの場合比抵抗が10-4〜102Ω・m、膜厚が10mmの場合比抵抗が10-5〜101Ω・m、膜厚が1mmの場合比抵抗が10-6〜100Ω・m、膜厚が0.1mmの場合比抵抗が10-9〜10-1Ω・mの材料を使用し、
    第1電流電極と第2電流電極との間に電流を流し、測定電極により遮水材の近傍の電位を測定し、遮水材からの漏水を検出することを特徴とする、
    遮水材からの漏水を検出する装置。
  2. 請求項1に記載の遮水材からの漏水を検出する装置において、
    測定電極を遮水材と低抵抗膜との間に敷設することを特徴とする、
    遮水材からの漏水を検出する装置。
  3. 請求項1に記載の遮水材からの漏水を検出する装置において、
    測定電極を遮水材と接触させて設置することを特徴とする、
    遮水材からの漏水を検出する装置。
  4. 請求項1に記載の遮水材からの漏水を検出する装置において、
    低抵抗膜を遮水材の両側の導電物質内に敷設することを特徴とする、
    遮水材からの漏水を検出する装置。
  5. 導電物質が両側に配置された電気的絶縁性を有する遮水材からの漏水を検出する装置において、
    多重の遮水材で遮水層を形成し、
    遮水材の一方の側の導電物質内に第1電流電極を敷設し、
    遮水材の他方の側の導電物質内に第2電流電極を敷設し、
    多重の遮水材の間に低抵抗膜を敷設し、
    低抵抗膜は膜厚が1,000mmの場合比抵抗が10-3〜103Ω・m、膜厚が100mmの場合比抵抗が10-4〜102Ω・m、膜厚が10mmの場合比抵抗が10-5〜101Ω・m、膜厚が1mmの場合比抵抗が10-6〜100Ω・m、膜厚が0.1mmの場合比抵抗が10-9〜10-1Ω・mの材料を使用し、
    遮水材の近傍に複数の測定電極を敷設し、
    第1電流電極と第2電流電極との間に電流を流し、測定電極により遮水材の近傍の電位を測定し、遮水材からの漏水を検出することを特徴とする、
    遮水材からの漏水を検出する装置。
  6. 廃棄物処分場の基盤上に敷設され、内側に廃棄物を埋める電気的絶縁性を有する遮水材からの漏水を検出する装置において、
    遮水材の近傍に敷設される複数の測定電極と、
    遮水材の内側に敷設される第1電流電極と、
    遮水材の外側の基盤に敷設される第2電流電極と、
    遮水材の内側又は外側又は両側に敷設される低抵抗膜とを備え、
    低抵抗膜は膜厚が1,000mmの場合比抵抗が10-3〜103Ω・m、膜厚が100mmの場合比抵抗が10-4〜102Ω・m、膜厚が10mmの場合比抵抗が10-5〜101Ω・m、膜厚が1mmの場合比抵抗が10-6〜100Ω・m、膜厚が0.1mmの場合比抵抗が10-9〜10-1Ω・mの材料を使用し、
    第1電流電極と第2電流電極との間に電流を流し、測定電極により遮水材の近傍の電位を測定し、遮水材からの漏水を検出することを特徴とする、
    遮水材からの漏水を検出する装置。
  7. 請求項6に記載の遮水材からの漏水を検出する装置において、
    遮水材の内側に遮水材を保護する保護土を敷設し、
    保護土の上面に低抵抗膜を敷設することを特徴とする、
    遮水材からの漏水を検出する装置。
  8. 請求項6に記載の遮水材からの漏水を検出する装置において、
    廃棄物中に低抵抗膜を敷設することを特徴とする、
    遮水材からの漏水を検出する装置。
  9. 請求項6に記載の遮水材からの漏水を検出する装置において、
    遮水材の内側に浸出する水を集める集配水管を敷設し、
    集配水管と遮水材の間に低抵抗膜を敷設することを特徴とする、
    遮水材からの漏水を検出する装置。
  10. 廃棄物処分場の基盤上に敷設され、内側に電気的絶縁性を有する廃棄物を埋める遮水材からの漏水を検出する装置において、
    多重の遮水材で遮水層を形成し、
    遮水材の内側に第1電流電極を敷設し、
    遮水材の外側に第2電流電極を敷設し、
    多重の遮水材の間に低抵抗膜を敷設し、
    低抵抗膜は膜厚が1,000mmの場合比抵抗が10-3〜103Ω・m、膜厚が100mmの場合比抵抗が10-4〜102Ω・m、膜厚が10mmの場合比抵抗が10-5〜101Ω・m、膜厚が1mmの場合比抵抗が10-6〜100Ω・m、膜厚が0.1mmの場合比抵抗が10-9〜10-1Ω・mの材料を使用し、
    遮水材の近傍に複数の測定電極を敷設し、
    第1電流電極と第2電流電極との間に電流を流し、測定電極により遮水材の近傍の電位を測定し、遮水材からの漏水を検出することを特徴とする、
    遮水材からの漏水を検出する装置。
  11. 請求項1、請求項5、請求項6又は請求項10のいずれかに記載の遮水材からの漏水を検出する装置において、
    遮水材の面に低抵抗膜を形成することを特徴とする、
    遮水材からの漏水を検出する装置。
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