JP2002055017A - 漏水検知システムおよび漏水検知方法 - Google Patents

漏水検知システムおよび漏水検知方法

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JP2002055017A
JP2002055017A JP2000242423A JP2000242423A JP2002055017A JP 2002055017 A JP2002055017 A JP 2002055017A JP 2000242423 A JP2000242423 A JP 2000242423A JP 2000242423 A JP2000242423 A JP 2000242423A JP 2002055017 A JP2002055017 A JP 2002055017A
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sheet
water leakage
ground
electrode
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Yoshinori Azuma
美徳 東
Keiichi Miyazaki
啓一 宮崎
Kozo Hagitani
宏三 萩谷
Hiroaki Hiraoka
博明 平岡
Susumu Mizuno
晋 水野
Tsutomu Tanaka
田中  勉
Yukio Sakai
幸雄 酒井
Shigeru Miki
茂 三木
Koji Shino
幸次 篠
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CI Kasei Co Ltd
Nishimatsu Construction Co Ltd
Kiso Jiban Consultants Co Ltd
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CI Kasei Co Ltd
Nishimatsu Construction Co Ltd
Kiso Jiban Consultants Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 漏水位置を精度良く決定することを可能とす
る漏水検知システムおよび漏水検知方法を提供する。 【解決手段】 地盤1の凹所と該凹所に沿った地盤1上
に敷設され遮水構造の設けられた遮水部2とを備える遮
水構造物の漏水を検知するための漏水検知システムであ
って、遮水部2に敷設され、複数の区画に区分された二
重遮水シート5と、複数の区画それぞれの内部に設置さ
れたシート内基準電極9と、前記地盤に設置される複数
の下部検知電極7と、凹所に設置される上部検知電極8
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遮水構造物におけ
る漏水検知に関し、より詳細には一般廃棄物処分場や、
産業廃棄物処分場といった凹所に堆積された廃棄物によ
って汚染された水の、地中または周辺環境への浸出を検
知するための漏水検知システムおよび漏水検知方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】地面に大きな凹所が設けられ、この凹所
に一般廃棄物や産業廃棄物が投棄される廃棄物処分場に
おいては、廃棄物中に浸透した雨水が廃棄物により汚染
されて生じた汚水が地中に浸出して、地下水や周辺環境
を著しく汚染することを防止するべく、凹所の底面や法
面に種々の遮水構造が施工されている。
【0003】この遮水構造としては、例えば遮水シート
を底面および法面に設けるものや、底面および法面に粘
性土層を設けるもの、底面および法面を遮水性のあるコ
ンクリートで構築するものが知られている。特に管理型
産業廃棄物処分場や、一般廃棄物処分場においては、二
重遮水シートを用いたり、遮水シートと粘性土層または
遮水シートとアスファルトコンクリートの併用により、
遮水性をより確実にすることが行われている。
【0004】ところで上述した廃棄物処分場では、遮水
構造が施されているものの汚水が地中に浸出して環境を
汚染しないように、万一の場合に備えて絶えず漏水して
いないかについて調査・監視が行われている。このよう
な廃棄物処分場等における漏水検知方法としては従来で
は、例えば水質分析法や真空吸引法、または電気的検知
方法等が知られている。
【0005】上述した方法のうち水質検査方法は、例え
ば廃棄物処分場の湧水や地下水を遮水構造下部に設けた
地下水集水管により集めて、地下水ピット内に流入さ
せ、この地下水ピット内の地下水の水質をサンプリング
して調査することにより遮水シートの損傷による漏水を
検知する方法である。この方法は、従来の廃棄物処分場
等の構造を大きく変更することなく適用できること、サ
ンプリング調査により漏水の成分を特定できるという利
点を有している。
【0006】また、上述した真空吸引法は、二重遮水シ
ートの間を袋状に区画し、その袋状となった各ブロック
毎にブロック内部を真空吸引して真空圧の変化を測定す
ることによって遮水シートの破損の有無を検知する方法
である。この方法は、破損した場所をブロック単位で特
定できるという利点を有している。
【0007】また、上述した電気的検知方法には、遮水
シートの破損により生じた電位分布のひずみから、遮水
シート破損の有無とその位置を検知する電位法や、遮水
シートの破損により生じた電流の流れやすさからシート
の破損の有無と位置とを検知する電流法、電位、比抵抗
分布を測定し、所定の演算により算出した垂直方向の電
流からシートの破損の有無と位置を検知する電位・比抵
抗法がある。
【0008】このような従来用いられている電気的検知
方法のうち、電位法を用いた漏水検知方法を図8に示
す。図8に示す従来の電位法は、遮水シート100の電
気絶縁性を利用したものであり、遮水シート100の上
下、すなわち埋立地の内と外にそれぞれ電極101、1
02を設置し、遮水シート100の上側面に、電位測定
電極103と、その基準電極104とが設置される。遮
水シート100に損傷が生じた場合には、電極101と
電極102の間に損傷部105を通じて電流が流れ、電
気回路が形成される。この際に電位測定電極103と基
準電極104との間の電位とを測定することにより遮水
シート面上の電位分布を求め、その電位分布の形状から
損傷部105の位置が特定されるようにされている。電
位測定電極103と基準電極104とは、遮水シート1
00の下面に設置することも可能であり、上述した原理
にしたがって、電位測定電極103および基準電極10
4の電位を測定することで、損傷部105の位置を特定
するようにされている。
【0009】しかしながら、上述したような従来の電位
法を用いた電気式検知方法は、漏水の検知および漏水箇
所の特定も可能であるが、遮水シートの損傷部の位置を
特定する精度が、電位測定時の電気的雑音や電位測定電
極を設置した周辺地盤の比抵抗値の変化に影響されると
いう問題点があった。例えば、電位測定電極が、遮水シ
ートの上面、すなわち、埋立地の内側に設置されている
場合には、埋立の進行や埋立層内部の水位が変化するこ
とにより電位分布の形状が変化し、遮水シートの損傷部
の位置を特定する精度が影響を受けることになる。ま
た、電位測定電極が、遮水シートの下側面、すなわち、
埋立地の外側に設置されている場合には凹所に廃棄物処
分場を構築することにより、地下水位等の環境が変化
し、これにより電位分布の形状が変化してしまう場合が
ある。
【0010】さらに電気的検知方法としては、電流を用
いる方法も知られている。例えば、特開平9−2902
28号公報および特開平10−300622号公報に
は、電流法を用いる漏水検知装置または漏水検知システ
ムが開示されている。特開平9−290228号公報で
は、内部に多数の対となった電圧印加用導電線と電流検
知用導電線とが設置された遮水性と電気絶縁性とを有す
る遮水シートを用いる漏水検知装置が開示されている。
特開平9−290228号公報に開示された漏水検知装
置は、上述した電流検知用導線を有する遮水シートを用
いることにより漏水により生じた漏洩電流を遮水シート
内部で検知することが可能とされている。
【0011】しかしながら、特開平9−290228号
公報に開示の漏水検知装置では、遮水シート内部に複雑
に入組んだ複数の導電線を設置せねばならず、かえって
遮水シートの強度が低下して漏水を生じさせやすくなっ
たり、漏水により生じた汚水が遮水シート内部に充満し
て漏水位置の特定が困難になる場合があること等、遮水
性および漏水位置の検知性に関して未だ充分とはいい難
い。
【0012】また、特開平10−300622号公報に
は、地盤の凹所に敷設された遮水シートの地盤側に単位
長さあたりの抵抗が既知の抵抗線を設置し、遮水シート
を挟んで対向する側に定電流電源を設置して、遮水シー
トから漏水が生じた場合に、定電流電源から遮水シート
の破損箇所を通じて一定の電流を流すことにより、破損
箇所から電圧計までの抵抗線の長さに応じた電圧降下を
用いて漏水を検知すると共に漏水位置を検知する漏水検
知システムが開示されている。
【0013】この漏水検知システムによれば、漏水検知
と、漏水位置の検知は可能であるものの、遮水シートに
隣接して抵抗線等を設置するため、遮水シートの遮水性
を維持すべく、遮水シートに隣接して複数のフェルト層
に抵抗線等を挟み込んで挟持させるといった施工を必要
とし、遮水工に要するコストが高いという問題がある。
さらに漏水箇所の検知は、漏水箇所から電位計に接続さ
れる端子までの間に一定の電流が、一定の距離だけ流れ
ることによる電圧降下を用いているため、漏水の初期段
階において汚水が漏水箇所に局在化している場合には、
精度良く漏水箇所の検知を行うことができるものの、汚
水が上述したフェルト層に浸潤して行くにつれ、漏水箇
所の特定が困難になるという問題点がある。
【0014】また、従来の電位・比抵抗法では、電位測
定電極周辺の比抵抗の変化をとらえることができるの
で、電位分布の形状の変化により遮水シートの損傷箇所
の特定に影響を与えることはないが、比抵抗の測定と解
析とに時間と技術を要し、さらには損傷箇所の特定も種
々の要因に左右されやすいという問題点もある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述の問題点に鑑み、
本発明は廃棄物処分場において廃棄物によって汚染され
た汚水の漏れを速やかに検知し、地盤や廃棄物の比抵抗
分布の影響を受けづらく、さらにはシート内基準電極
と、下部検知電極という2系統の検知電極を用いること
により、漏水箇所を精度良く決定することを可能とする
漏水検知システムおよび漏水検知方法を提供することを
目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、本
発明の漏水検知システムおよび漏水検知方法を提供する
ことにより達成される。
【0017】すなわち、本発明の請求項1の発明によれ
ば、地盤の凹所と該凹所に沿った該地盤上に敷設され遮
水構造が設けられた遮水部とを備える遮水構造物の漏水
を検知するための漏水検知システムであって、前記遮水
部に敷設され、複数の区画に区分された二重遮水シート
と、前記複数の区画それぞれの内部に設置されたシート
内基準電極と、前記地盤に設置される複数の下部検知電
極と、前記凹所に設置される少なくとも1つの上部検知
電極とを備える漏水検知システムが提供される。
【0018】本発明の請求項2の発明によれば、前記複
数のシート内基準電極の電流により前記二重遮水シート
の破損および破損箇所を検知し、前記下部検知電極の
流値により前記地盤への漏水を検知することを特徴とす
る漏水検知システムが提供される。
【0019】本発明の請求項3の発明によれば、前記漏
水検知システムは、さらに前記二重遮水シートの区画そ
れぞれに集水管が連結されていることを特徴とする、漏
水検知システムが提供される。
【0020】本発明の請求項4の発明によれば、地盤の
凹所と該凹所に沿った該地盤上に敷設され遮水構造が設
けられた遮水部とを備える遮水構造物の漏水を検知する
ための漏水検知方法であって、該遮水構造物は、前記遮
水部に敷設され、複数の区画に区分された二重遮水シー
トと、前記複数の区画それぞれの内部に設置されたシー
ト内基準電極と、前記地盤に設置される複数の下部検知
電極と、前記凹所に設置される少なくとも1つの上部検
知電極と、前記二重遮水シートの区画それぞれに連結さ
れた集水管とを備えており、前記複数のシート内基準電
極より電流を流し、前記下部検知電極および前記上部検
知電極の電流値により前記二重遮水シートの破損および
破損箇所を検知する段階を含む漏水検知方法が提供され
る。
【0021】さらに本発明の請求項5の発明によれば、
前記下部検知電極の電流値により前記地盤への漏水およ
び漏水位置を検知する段階を含む漏水検知方法が提供さ
れる。
【0022】また、本発明の請求項6の発明によれば、
さらに、前記二重遮水シートに破損が生じた場合には、
前記集水管を用いて固化剤を注入して補修を行う段階を
含む、漏水検知方法が提供される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面をもって本発明の漏水
検知装システムおよび漏水検知方法を詳細に説明する。
図1は、本発明の漏水検知システムが適用される廃棄物
処分場の概略的な断面を示した図である。本発明が適用
される廃棄物処分場は、地盤1の凹所と、この凹所に沿
って地盤1上に設置された遮水部2とから構成されてい
る。地盤1の凹所は、地表から基礎地盤に向かって掘込
んで人工的に形成されていても良く、また、山間部等の
沢や谷間を用いる場合にはその地形を用いることもでき
る。このような凹所内には、廃棄物3が投棄され、雨水
等により発生する汚水が遮水部2により浸出しないよう
にされている。
【0024】この遮水部2は、図1では、廃棄物3に隣
接する砂層または覆土4と、この砂層または覆土4に隣
接する二重遮水シート5と、二重遮水シート5の下側に
設けられた保護土6とにより構成されている。二重遮水
シート5は、合成ゴムまたはプラスチック製のシート、
具体的にはメタロセン系触媒で製造された線状低密度ポ
リエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MD
PE)、或いはチグラー・ナッタ系触媒で製造された線
状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチ
レン(MDPE)などのオレフィン系樹脂等から形成さ
れる遮水シートを挙げることができ、その厚さ材質等
は、必要な遮水性・耐久性が得られるものであればいか
なるものでも用いることができる。また、本発明に用い
る二重遮水シート5は、複数の袋状ブロックから形成さ
れており、二重遮水シート5の内側が複数の区画に区切
られていて、区画ごとにシート内基準電極が設置できる
構成とされている。
【0025】この区画は、適切な寸法で、凹所の漏水が
発生しうる部分全体に設置されていて、凹所全体にわた
り区画が割り当てられている。このような区画を有する
二重遮水シート5は、これまで知られたいかなる方法に
よっても製造することができ、例えば袋状のブロックの
それぞれの端部を、互いに溶融接着する方法によって形
成することができるし、また適切な耐水性のある接着剤
を用いて互いに袋状のブロックを接着することによって
も製造することができる。さらに、ブロックの大きさの
小シートを互いに溶着または接着して製造することもで
きる。また、本発明においては、上側遮水シート5a
と、下側遮水シート5bとを、別々に形成し、現場にお
いて上側シート5aと、下側シート5bとを互いに接合
して、二重遮水シート5を形成することもできる。さら
に、上述した二重遮水シート5以外にも、遮水性を高め
るために別の遮水シートを併用することもできる。
【0026】上述した保護土6は、施設する遮水シート
の保護に加えて低透水性構造とすることも可能であり、
この低透水性構造を、土質材料からなる土質遮水層ある
いはアスファルトからなる遮水層とされており、具体的
には、粘性土、アスファルト、コンクリートといった透
水性の低い材料が用いられ、これらを適宜組み合わせて
用いることも可能である。
【0027】図2は、本発明の漏水検知システムにおけ
る電極設置を示した図である。本発明の漏水検知システ
ムは、遮水部2に沿って地盤1に設置された複数の下部
検知電極7と、凹所に設置された上部検知電極8と、二
重遮水シート5の内側に設置される複数のシート内基準
電極9とを備えている。本発明において用いる下部検知
電極7とは、遮水部2の面積および下部検知電極7の設
置される間隔に対して充分小さく形成されて、下部検知
電極7が充分な精度で漏水位置検知を行うことができる
寸法および形状とされた電極をいう。このような下部検
知電極7は、鉄、銅、鉛、ステンレススチールといった
種々の材料から形成することができ、凹所内に設置され
ることがないので、特に耐腐食性の材料から形成される
必要はない。また、この下部検知電極7には、地盤1に
対する保持性を向上させ遮水工の施工性を向上させるた
め、地盤側に向いた突起が設けられていても良い。
【0028】本発明における上部検知電極8とは、凹所
内に設置される電極のことをいい、廃棄物3に隣接して
いて漏水による電流を流すことができれば、どのような
位置に設置されていても良い。さらに、上部シートの破
損位置も特定する必要のある場合には、電極7のように
複数個の上部検知電極を設置することも可能である。ま
た、本発明におけるシート内基準電極9とは、二重遮水
シート5の内部に形成された区画内にそれぞれ設置さ
れ、上側遮水シート部材5aが破損した場合に汚水に晒
される電極である。本発明においては、二重遮水シート
5を複数の区画に区切ることにより、二重遮水シート5
が破損した場合にでも汚水を破損箇所に局在化させるこ
とを可能とすると共に、このように局在化した汚水が効
率的にシート内基準電極9の電流を変化させるため、き
わめて高感度の測定を行うことを可能とする。
【0029】これらの各電極は、図2に示された電源P
および電流計Aといった手段が接続されたラインにより
接続されていて、必要に応じて図示しない電極切換え手
段により回路を構成するようにされている。
【0030】図2に示される本発明の漏水検知システム
には、さらに二重遮水シート5の区画ごとに集水管10
が連結されていて、二重遮水シート5の上側遮水シート
部材5aの破損にともなって、例えば区画11に漏れ出
した汚水が、さらに地盤1側に直接漏れ出す可能性を低
減させている。集水管10は、漏れ出した汚水を排水す
ることを可能とすると共に、二重遮水シート5の損傷の
程度の目安を与えることを可能としている。図2には、
区画11にそれぞれ配設されている集水管10のうち、
一部だけが示されている。
【0031】この集水管10の他端は、図示しない浸出
水調整槽に連結されている。この浸出水調整槽には、さ
らに浸出水処理設備が付属していて、汚水の処理を可能
とし、また汚水の水質分析を可能とするようにされてい
てもよい。さらに、上述した集水管10には、図示しな
い集水ポンプが設けられていて、各集水管10を通して
漏れ出した汚水を強制的に排水するようにすることもで
きる。また、この集水管10から固化剤を強制的に注入
することにより、二重遮水シートの破損をブロック単位
で補修することもできる。
【0032】図3は、本発明の漏水検知システムにおい
て、漏水が発生した場合に上部検知電極8と、シート内
基準電極9との間に流れる電流Iを示した図である。
図3には、上側遮水シート部材5aのみが損傷して、区
画11に汚水が流れ込んだ状態に対応したものである。
この状態においては、上部検知電極8と、シート内基準
電極9aの間に電流が流れ、シート内基準電極9aを通
して流れる電流が変化するが、他のシート内基準電極
9は漏水していないために電流が流れず、電流は変化
しない。このため図示しない電極切換え手段を用いて上
部検知電極8と、各シート内基準電極9の間において回
路を順次構成させて、各シート内基準電極9の電流
測定することにより、漏水を生じている区画11に設置
されたシート内基準電極9aの電流値だけが特異的に変
化するのを観測することが可能となり、漏水位置を正確
に判定することができる。また、この場合には、汚水は
地盤1側には漏れ出していないため下部検知電極7と上
部検知電極8との間、または下部検知電極7とシート内
基準電極9の間には電流は流れていない。
【0033】図4は、本発明の漏水検知システムにおい
てさらに下側遮水シート部材5bにも損傷が発生して、
地盤1側に汚水が漏れ出したところを示した図である。
このような状況が発生すると、上部検知電極8と、シー
ト内基準電極9との間に電流Iが流れる他、シート内
基準電極9と下部検知電極7との間にも汚水が存在する
ことにより電流が流れる。このような場合には、図4に
示すように、上部検知電極8と下部検知電極7との間に
形成された回路により地盤1側へと流れる電流値を測定
することもできるし、またシート内基準電極9と下部検
知電極7との間に形成された回路を用いて地盤側1へと
流れる電流を測定することもできる。どのようにして
地盤1側へと電流が流れる電流を測定する回路を用い
るにせよ、本発明においては、まず上部検知電極8と、
シート内基準電極9との間に漏水による回路が形成さ
れ、さらにこのシート内基準電極9近傍における下部検
知電極7の電流値が互いに相関して変化することになる
ため、より一層漏水箇所の決定を精度よく行うことが可
能となる。
【0034】図5は、本発明の漏水検知方法の第1の実
施例を示したフローチャートである。本発明の第1の実
施例の漏水検知方法は、ステップ501から開始し、ま
ず、ステップ502において上部検知電極8と、各シー
ト内基準電極9の間の電流値を測定する。上側遮水シー
ト部材5aから漏水が発生していない場合には、各シー
ト内基準電極9の電流値には、ほとんど変化がない。し
かしながら、上側遮水シート部材5aが破損して汚水が
特定の区画へと漏れ出すと、漏水が発生している特定の
区画に設置されたシート内基準電極9と、上部検知電極
8との間において電流が流れて、その結果特定のシート
内基準電極9の電流値が変動することになる。このため
ステップ503において、特定のシート内基準電極9の
電流値が所定のしきい値より大きく変化しているかどう
かを判断する。この判断により特定のシート内基準電極
9の電流値が所定のしきい値よりも大きく変化していれ
ば(No)、当該シート内基準電極9において漏水が発
生しているものと判断される。なお、上述した所定のし
きい値は、漏水のない平常時におけるシート内基準電極
9の電流値の環境変動に基づいて定められる値とするこ
ともできるし、また、予め実験により所定量の漏水を生
じさせた場合の電流値変化に基づいて決定することがで
きる。
【0035】ステップ503の判断において、特定のシ
ート内基準電極9の電流値がしきい値以上に変化してい
ない場合(Yes)には、漏水は生じていないので、本
発明の漏水検査方法は終了する。
【0036】しかしながら、特定のシート内基準電極9
の電流値がしきい値以上に変化している場合には、その
シート内基準電極9が設置されている区画11に漏水が
生じていることが判断される。この漏水箇所は、複数の
区画ごとに判断されるので区画単位で確実に漏水を検知
することができる。このように漏水が検知された場合に
は、さらにステップ504において、シート内基準電極
9と下部検知電極7との間の電流値を測定する。このと
き二重遮水シート5の下側遮水シート部材5bにも破損
が及んでいる場合には、地盤1側へと汚水が漏れだして
いるので、シート内基準電極9と下部検知電極7との間
において回路が形成され、下部検知電極7の電流値も局
所的に変動する。ついで、ステップ505において、施
工者や、関係各部署に連絡を行い、さらに、漏水量によ
っては区画に連結された集水管10に連結された集水
ンプといった手段を起動して排水を行わせることもでき
る。
【0037】したがって、本発明の第1の実施例におけ
る漏水検知方法によれば、地盤1の地下水位等の変動に
より生じる下部検知電極7の電流値変動によらず、シー
ト内基準電極9と、下部検知電極7とを用いて精度よく
漏水の具合および漏水の箇所を特定できることになる。
また、このようにして得られた漏水の規模に応じて、施
工者または関係部署に対して適切な指示を行うことも可
能となる。
【0038】図6には、本発明の漏水検知方法の第2の
実施例を示す。本発明の第2の実施例においては、図5
に示した第1の実施例と、ステップ603までは同一で
あるが、ステップ604において、上部検知電極8と、
下部検知電極7との間の電流値を測定することにより、
地盤1側への漏水を検知する点で、図5に示した実施例
とは異なる。図6に示した本発明の漏水検知方法によれ
ば、漏水により漏水箇所のシート内基準電極9が短絡な
どして測定を行うことができなくなってしまった場合に
も、電極を上部検知電極につなぎ変えることによって上
述したように漏水が生じている箇所にあるシート内基準
電極9近傍の地盤1側における電流値の測定を可能とす
ることができる。
【0039】図7は、本発明の漏水検知システムの第2
の実施例を示した図である。図7に示した本発明の第2
の実施例の漏水検知システムにおいては、上部検知電極
8が複数用いられていて、シート内基準電極9と、複数
の上部検知電極8との間の電流値によって破損個所を特
定することが可能とされている。
【0040】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、集水
管からの水量を測定することにより物理的に破損箇所
の大きさが推定でき、かつ電気的手法により損傷位置を
検知することを可能とする漏水検知システムおよび漏水
検知方法を提供することができる。また、本発明によれ
ば、二重遮水シートと電気的方法の併用により損傷箇所
の確認を二重に行うことができ、この結果検知精度が高
い漏水検知システムおよび漏水検知方法を提供すること
ができる。さらに、本発明によれば、二重遮水シートの
損傷により、汚水の漏洩がどの程度進んでいるかを判断
することができる漏水検知システムおよび漏水検知方法
が提供できる。
【0041】さらに、本発明によれば、下側遮水シート
部材の敷設を完了した段階で、下側遮水シート部材の品
質管理を行うことが可能な漏水検知システムおよび漏水
検知方法を提供することができる。また、電気的方法お
よび二重遮水シートの併用により精度高く損傷箇所を特
定できるため、埋め立て容量が浅い場合には、掘削によ
り容易に補修を行うことができ、さらには管理棟といっ
た廃棄物処分場に隣接した場所における漏水確認の容易
な、漏水検知システムおよび漏水検知方法を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される廃棄物処分場の断面を示し
た図。
【図2】本発明の漏水検知システムを示した図。
【図3】本発明の漏水検知システムにおいて漏水が発生
した場合の電流を示した図。
【図4】本発明の漏水検知システムにおいて漏水が発生
した場合の電流を示した図。
【図5】本発明の漏水検知方法の第一の実施例のフロー
チャート。
【図6】本発明の漏水検知方法の第二の実施例のフロー
チャート。
【図7】本発明の漏水検知システムの第2の実施例を示
した図。
【図8】従来の電位法を用いた漏水検知システムを示し
た図。
【符号の説明】
1…地盤 2…遮水部 3…廃棄物 4…砂層または覆土 5…遮水シート 6…保護土 7…下部検知電極 8…上部検知電極 9…シート内基準電極 10…集水管 11…区画 I…電流 P…電源 A…電流計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 美徳 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松建 設株式会社内 (72)発明者 宮崎 啓一 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松建 設株式会社内 (72)発明者 萩谷 宏三 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松建 設株式会社内 (72)発明者 平岡 博明 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松建 設株式会社内 (72)発明者 水野 晋 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松建 設株式会社内 (72)発明者 田中 勉 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松建 設株式会社内 (72)発明者 酒井 幸雄 東京都千代田区九段北1丁目11番5号 基 礎地盤コンサルタンツ株式会社内 (72)発明者 三木 茂 東京都千代田区九段北1丁目11番5号 基 礎地盤コンサルタンツ株式会社内 (72)発明者 篠 幸次 東京都中央区京橋1丁目18番1号 シーア イ化成株式会社内 Fターム(参考) 2G067 AA02 AA19 BB11 CC02 DD22 DD23 4D004 AA46 BB05 BB06 DA01 DA04 DA09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤の凹所と該凹所に沿った該地盤上に
    敷設され遮水構造が設けられた遮水部とを備える遮水構
    造物の漏水を検知するための漏水検知システムであっ
    て、 前記遮水部に敷設され、複数の区画に区分された二重遮
    水シートと、 前記複数の区画それぞれの内部に設置されたシート内基
    準電極と、 前記地盤に設置される複数の下部検知電極と、 前記凹所に設置される少なくとも1つの上部検知電極と
    を備える漏水検知システム。
  2. 【請求項2】 前記複数のシート内基準電極の電流によ
    り前記二重遮水シートの破損および破損箇所を検知し、
    前記下部検知電極の電流値により前記地盤への漏水を検
    知することを特徴とする請求項1に記載の漏水検知シス
    テム。
  3. 【請求項3】 前記漏水検知システムは、さらに前記二
    重遮水シートの区画それぞれに集水管が連結されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の漏水検知シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 地盤の凹所と該凹所に沿った該地盤上に
    敷設され遮水構造が設けられた遮水部とを備える遮水構
    造物の漏水を検知するための漏水検知方法であって、該
    遮水構造物は、前記遮水部に敷設され、複数の区画に区
    分された二重遮水シートと、前記複数の区画それぞれの
    内部に設置されたシート内基準電極と、前記地盤に設置
    される複数の下部検知電極と、前記凹所に設置される少
    なくとも1つの上部検知電極と、前記二重遮水シートの
    区画それぞれに連結された集水管とを備えており、前記
    複数のシート内基準電極より電流を流し、前記下部検知
    電極および前記上部検知電極の電流値により前記二重遮
    水シートの破損および破損箇所を検知する段階を含む漏
    水検知方法。
  5. 【請求項5】 さらに前記下部検知電極の電流値により
    前記地盤への漏水および漏水位置を検知する段階を含む
    請求項4に記載の漏水検知方法。
  6. 【請求項6】 さらに、前記二重遮水シートに破損が生
    じた場合には、前記集水管を用いて固化剤を注入して補
    修を行う段階を含む、請求項4または5のいずれか1つ
    に記載の漏水検知方法。
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