JP3998572B2 - 電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造 - Google Patents
電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造に関し、特に、電気式破損部検出装置における検知電極周辺の導通状態を改善して検出精度を向上させる電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業廃棄物や一般廃棄物を埋立する廃棄物処分施設では、処分施設からの漏出汚水が地下に浸透して環境汚染を引き起こさないように、処分施設の底面を遮水構造とすることが義務付けられている。廃棄物処分施設における遮水構造では、遮水部の損傷確率を下げる方策として、通常、▲1▼下地基盤の整形、▲2▼遮水シートAの上下面に対する保護マットの施工、▲3▼保護土の施工等が行われ、それらの事例としては図7に示される各種の形態が採用されている。図7(a)は、基盤の上に遮水シートAを直接敷設するものであり、図7(b)は、基盤の上に粘性土等の低透水層Bを介在させて遮水シートAを敷設する形態のものである。又、図7(c)は、遮水シートAの間に低透水性の中間保護層Cを挟んだ二重構造にした上で、基盤の上に直接敷設するものである。特に、遮水シートと粘性土等の低透水層Bを組み合わせた遮水工事の場合には、両者を密着させるように注意している。
【0003】
以上の遮水構造では、基盤や低透水層B等が平滑に整形されていない場合や礫等を混入している場合に発生する遮水シ−トAの破損、或いは廃棄物の埋め立て作業中もしくは埋め立て完了後に発生する遮水シ−トAの破損等によって欠損箇所からの汚水が外部に漏出する恐れがあることから、これを防止するために遮水シートと基盤や低透水層B等との間に保護マットを敷設し、遮水シ−トAの破損を防止している。
【0004】
しかるに、遮水シートと粘性土との間に配置する保護マットの敷設は、遮水シートが損傷した場合に、敷設した保護マットに漏水の導通経路を形成させて逆に拡散し易くすると言う弊害を招来しており、浸出水が外部に流出する前に電気式破損部を修復できるように、遮水シートの破損を漏水の検知によって察知する技術の開発が積極的に行われて、種々の提案がなされている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−318482号公報、(第2頁、右欄、段落符号0009〜第3頁、左欄、段落符号0011の末行、図3、4)
【特許文献2】
特開2002−55017号公報、(第5頁、右欄、段落符号0033、図4)
【0006】
従来の漏水検知システム20は、基本的な形態として、図8に示すように廃棄物処分施設に敷設された遮水シート21の下面に、全域に亘る基準電極22を配置すると共に、遮水シート21の反対側には複数の検知電極群23〜26を区分された複数の区画に設置している。基準電極22と検知電極23〜26群とは、漏水検知装置27に接続されており、図では簡潔に表示しているが、検知電極23〜26群の分布された各位置において、基準電極22との間に印加されている電位値が、マトリックス状に画面表示されるように構成されている。
【0007】
以上の構成で明らかなように、遮水シート21に破損が生じていない正常な状況にあっては、全ての電位値がほぼ均一の値として表示されている。しかるに、遮水シート21の何処かに破損が発生すると、電気式破損部を通じて流出する汚染泥水が、電気式破損部に位置する検知電極群23〜26の1部と基準電極22との間を電気式的に接続して、両電極間に導通状態を形成することになる。
【0008】
以上のような検知電極と基準電極との導通は、両電極間に印加されている電位をゼロ近くに低下させると共に、同電極を中心にして近隣の検知電極においてもその電位値を低下させるものであるから、その表示状態をチェックすることによって、遮水シート21の破損位置を検知することが出来ることになる。
【0009】
しかしながら、各電極間の通電は、理論上において両電極間に印加されている電位をゼロ近くに低下させるが、実際の状況では浸透する泥水を介しての回路構成であることから、泥水の電気式伝導度が不安定であるために電流値の変化は微細なものに留まっており、漏水箇所の決定は、これを峻別するのに充分では無かった。
【0010】
この電流値の変化の峻別性能を向上するために、遮水シート上の上面に炭素粉、鉄粉等の導電性を有する粉体を含有した導電性塗料を塗布した保護マットや、アルミニウム等の導電性を有する金属性被膜を蒸着やメッキした保護マット、或いは、導電性を有する金属泊やカーボンシートを敷設して、それらの導電性材に検知電極を接触させて配置する方法が採られる。
【0011】
【特許文献3】
特許第3134047号公報、(第2頁、右欄、段落符号0006、第3頁、右欄、段落符号0016、図2、3、4)
【特許文献4】
特開2000−5717号公報、(第2頁、右欄、段落符号0007から第3頁、左欄、段落符号0010、図2)
【0012】
しかしながら、これらの塗膜、金属性被膜、金属泊やカーボンシートは比較的硬い薄板状に形成されるために、配置した検知電極とは線接触になったり、電極との間に隙間等を発生させることになり、これらを起因にして電流値の変化を峻別するのには、充分な導電環境を形成することが出来ていなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、廃棄物処分施設における電気式破損部検出装置の現況に鑑みて提案するものであり、電気式破損部検出装置の電極を導電性ゲル化物中に配置させて電極との密着状態を形成させることで電気式破損部検出装置の導通状態を良好にさせてその検出精度を向上させる電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造を提供している。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明である電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造は、廃棄物処分場の基盤上に敷設される遮水層の上および下の少なくともいずれかに、保護マットを配置し、保護土層をこれらの上に施工し、かつ電気式破損部検出装置を配置して成る電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造において、保護マットに、活性シリカコロイド溶液と活性シリカコロイド溶液の硬化材とから成る導電性ゲル化物層が生成され、電気式破損部検出装置が、導電性ゲル化物層中にその検知電極を配置して、積層されることを特徴としており、検知電極と周辺導電体との接触性を良好にして電気式破損部検出装置の検知電極間に改善された導通状態を形成させることで漏水の検出精度を向上させている。
【0015】
請求項2に記載の発明である電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1に記載の遮水構造において、検知電極を配置された導電性ゲル化物層が、保護マットの遮水層側に部分的に保持されることを特徴としており、保護マットに導電性ゲル化物による導電層を形成させることで、保護マットとしての機能を確保しながら検知電極の導電性能を確保して、上記機能に加えて、総体コストを改善している。
【0016】
請求項3に記載の発明である電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1又は2に記載の遮水構造において、検知電極を配置された導電性ゲル化物層が、遮水層の下側に積層されている保護マットの遮水層側に部分的に保持されることを特徴としており、上記機能に加えて、遮水層の下側に積層される保護マット中にも検知電極を配置している。
【0017】
請求項4に記載の発明である電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至3のいずれかに記載の遮水構造において、保護マットが離間させて複数層配置され、導電性ゲル化物層中の検知電極を、複数層の保護マットに配置して、複数の検知回路を構成することを特徴としており、上記機能に加えて、同一検知回路における検知電極間の導電性能を確保して総体的な破損検知精度を向上させている。
【0018】
請求項5に記載の発明である電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至3のいずれかに記載の遮水構造において、保護マットが遮水層の上下に配置され、導電性ゲル化物層中の検知電極を、遮水層を介して上下の保護マットに跨って配置して、離間した検知回路を構成することを特徴としており、上記機能に加えて、遮水層の破損を高精度に検出している。
【0019】
請求項6に記載の発明である電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至5のいずれかに記載の遮水構造において、導電性ゲル化物を、活性シリカコロイド溶液に対する硬化材の配合比が0.1重量%以上に構成されることを特徴としており、上記機能に加えて、導電性ゲル化物における導電層の形成を確実にして電気式破損部検出装置の電極間に良好な導通状態を形成させて遮水層の破損を高精度に検出している。
【0020】
請求項7に記載の発明である電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至6のいずれかに記載の遮水構造において、基盤上に低透水層を介在させて遮水層を敷設することを特徴としており、上記機能に加えて、遮水層と低透水層との間に導電性ゲル化物層を配置することで電気式破損部検出装置の電極間に良好な導通状態を形成させて遮水層の破損を高精度に検出している。
【0021】
請求項8に記載の発明である電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至6のいずれかに記載の遮水構造において、遮水層が上下二重に配置され、これら遮水層の間に挟んで低透水性の中間保護層が配置されることを特徴としており、上記機能に加えて、遮水層とこれら遮水層で挟んだ中間保護層との間に導電性ゲル化物層を配置することで電気式破損部検出装置の電極間に良好な導通状態を形成させて遮水層の破損を高精度に検出している。上記のいずれにあっても、保護マットは、溶液の含浸可能な可撓性部材で構成することが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明による電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造は、廃棄物処分場の基盤上に敷設される遮水層の上および下の少なくともいずれかに、保護マットを配置し、保護土層をこれらの上に施工し、かつ電気式破損部検出装置を配置して成る電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造において、保護マットに、活性シリカコロイド溶液と活性シリカコロイド溶液の硬化材とから成る導電性ゲル化物層が生成され、電気式破損部検出装置が、導電性ゲル化物層中にその検知電極を配置して、積層されることを特徴としており、これによって、検知電極と周辺導電体との接触性を良好にして電気式破損部検出装置の検知電極間に改善された導通状態を形成させることで漏水の検出精度を向上させている。以下に、本発明による電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明による電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造に関する実施の形態を示す断面図であって、基盤1の上に遮水シート3を敷設し、遮水シート3の上には溶液の含浸可能な可撓性部材である不織布から構成される導電性保護マット2を配置しており、この導電性保護マット2には、電気式破損部検出装置の検知電極7(上層の電極群7−1、下層の電極群7−2)を配置している。さらに、導電性保護マット2の上面には、廃棄物4から遮水シート3を保護するために保護土5を施工しており、遮水構造における損傷確率を低減させると共に、以下に詳説するように遮水シート3の電気式破損部を迅速に検出できるように構成している。
【0024】
しかして、本実施の形態では、電気式破損部検出装置の検知電極7を配置した導電性保護マット2を遮水シート3の上に配置した後に、不織布に対して活性シリカコロイド溶液と活性シリカコロイド溶液の硬化材とを適宜に含浸させており、活性シリカコロイド溶液と硬化材との反応によって生成された導電性ゲル化物層6を不織布中の適宜の位置に保持している。
【0025】
又、本発明による電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の他の遮水構造は、検知電極を配置された導電性ゲル化物層が、保護マットの遮水層側に部分的に保持されることを特徴としており、保護マットに導電性ゲル化物による導電層を形成させることで、保護マットとしての機能を確保しながら検知電極の導電性能を確保して、上記機能に加えて、総体コストを改善している。以下に、本発明による廃棄物処分場の他の遮水構造の実施形態を図面に基づいて詳細に説明するが、上記実施の形態と同様の部位については同一の符号で表現している。
【0026】
図2は、本実施の形態を示す他の遮水構造の断面図である。
基盤1の上には、その下面に不織布から構成される導電性保護マット2を配置して遮水シート3が敷設されており、この導電性保護マット2には、電気式破損部検出装置の検知電極7を配置している。そして、遮水シート3の上面には従来と同様に保護マット▲2▼を配置すると共に、廃棄物4から遮水シート3を保護する保護土5を施工している。
【0027】
本発明の遮水構造でも、遮水シート3の下面に不織布から構成されている導電性保護マット2を配置して、基盤が平滑に整形されていない場合や礫等を混入している場合に遮水シ−トの破損が発生しないように対処しており、保護マットの不織布には、活性シリカコロイド溶液と活性シリカコロイド溶液の硬化材とを適宜に含浸させて、活性シリカコロイド溶液と硬化材との反応による導電性ゲル化物層6を形成している。
【0028】
従って、本発明の遮水構造では、遮水シートが破損した場合に電気式破損部検出装置の検知電極7と導電性ゲル化物層6とで、破損個所の検出を高精度にしているが、後述するように導電性ゲル化物層6に遮水機能を付加させる場合には、破損個所から漏洩してくる浸出水の浸透を拡大させずに留め置くことによって導電性を顕示させて、破損個所の検出を更に高精度にさせることができる。
【0029】
ところで、本発明に用いる活性シリカコロイド溶液は、水ガラスのアルカリをイオン交換法によって除去したコロイダルシリカと水とで構成されており、これに配合する活性シリカコロイド溶液の硬化材としては、中性塩を主成分にしている。そして、本発明に適合する中性塩としては、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アルミニウム等を挙げることができる。
【0030】
しかして、シリカのコロイド粒は、通常の溶液状態でその表面にマイナスの荷電層を形成して、コロイド粒同士が互いに反発し合うことで液化を保っているが、活性シリカコロイド溶液の硬化材として作用する中性塩は、シリカコロイド粒の表面荷電層を破壊するものであり、シリカコロイド粒の表面を露わにすることでその重合反応性を高くすることで、増粘・ゲル化に至らしめてゲル化物を形成している。
【0031】
又、本ゲル化物は、増粘・ゲル化することによって長期に亘る良導電性を発揮しているが、その導電性は、活性シリカコロイド溶液に対する硬化材の比等を調整することで任意に設定できるものである。
【0032】
本実施の形態では、活性シリカコロイド溶液としてASFシリカー4(旭電化工業(株)製、商品名)を用いると共に、硬化材としてASFアクターNS(旭電化工業(株)製、商品名)もしくはASFアクターM(旭電化工業(株)製、商品名)を用いることによって所望の導電性ゲル化物を生成しているが、これによって得られる導電性ゲル化物は、図3に示す電気式伝導度のように、得られるゲル化物の活性シリカコロイド溶液に対する硬化材の配合比もしくはpHを変えることで、その電気式伝導度を調整可能にしている。
【0033】
又、本ゲル化物における透水係数(cm/s)は、活性シリカコロイド溶液におけるシリカ濃度の調整によって所望の値に設定できるものである。
即ち、廃棄物処分場における原地盤の透水係数(cm/s)は、一般的に1.E−04のレベルにあることから、遮水構造に求められる透水係数(cm/s)は、1.E−06以下にする必要があるが、本実施の形態では、シリカ濃度を2%以上に配合することで、遮水構造に求められている透水係数(cm/s)である1.E−06以下に対応させており、必要な場合には、シリカ濃度を4.5%に配合することでその透水係数(cm/s)を1.E−07にすることも容易である。
【0034】
従って、本実施の形態における導電性保護マット2は、遮水シート3側の全面に導電性のゲル化物層6を形成すると同時に、遮水機能も付加することも可能であり、この場合の導電性保護マット2は、単に遮水シート3の保護を図るだけでなく、廃棄物4からの浸出水が遮水シート3に浸透してくるのをゲル化物層6で阻止することもできるものであり、遮水シート3の表面に加えられる水圧を低減して遮水シート3の破損をさらに防止することもできる。
【0035】
しかして、本実施の形態におけるゲル化物は、図3(a)に示す電気式伝導度図のように、活性シリカコロイド溶液であるASFシリカー4に対する硬化材のASFアクターNSの配合量を、0.1重量%以上にすることで、電気式伝導度を5(mS/cm)以上に設定している。
【0036】
従って、本実施の形態では、ゲル化物における導電層の電気式伝導度を所望の数値にすることを可能にしており、電気式破損部検出装置の電極間に求められている導電層の電気式伝導度を確立することで、電気式破損部の検出に良好な導通状態を確保している。
【0037】
又、ゲル化物における導電層の電気式伝導度は、上記硬化材ASFアクターNSの配合量のみによって変化するものでなく、この他にも、図3(b)に示すように、ASFアクターMの配合によるpHの調整によっても制御することが可能であり、pH9.3〜9.6の各例においてそれぞれに調整しながらpH2以下に設定することによって、電気式伝導度を5(mS/cm)以上にも調整できるものである。
【0038】
以上のことから、本実施の形態におけるゲル化物の場合は、導電性ゲル化物層の電気式伝導度を所望の数値にすると同時に、検知電極7と導電性ゲル化物層6との接触状態を密にすることで、電気式破損部検出装置の電極間に求められている導電層の電気式伝導度を確立して電気式破損部の検出を良好にできるものである。
【0039】
尚、本実施の形態における電気式破損部検出装置の検知電極7は、図1に示すように所定の間隔に配置されている上層の電極群7−1と、この上層の電極群7−1と直交する方向に所定の間隔で格子状に配置された下層の電極群7−2から構成されると共に、上層の電極群7−1と下層の電極群7−2との相互間には、導電性ゲル化物層6を介在させながら微細な間隙を形成している。
【0040】
上層の電極群7−1と下層の電極群7−2との相関関係は、適用する電気式破損部検出装置の検知方式によって異なってくるものである。
【0041】
例えば、上層の電極群7−1と下層の電極群7−2とが、遮水シート3の下側に配置されているが図示されていない基準電極との間に異なる検知回路を形成する検知方式の場合では、遮水シート3が破損した場合に、電極群7−1、電極群7−2から構成される各検知回路が共通して導通状態を形成することになる交差点の位置を以て遮水シート3の破損位置を特定している。
【0042】
これに対して、上層の電極群7−1と下層の電極群7−2とが図示のように遮水シートの片側だけに検知電極を配置する検知方式の場合には、電極群7−1と下層の電極群7−2とが直交することなく、互いに平行に配置されながら端部において直列に接続されているので電極群7−1と電極群7−2の間に導電性ゲル化物層6を通じて微細な電流が導通することになるが、電気式破損部検出装置側には短絡状態が形成されたとは、認知されない程度の値に留まっている。
【0043】
しかして、遮水シート3が破損した場合には、廃棄物からの漏水が導電性保護マット2を浸透しながら電気式破損部を通じて流出することで、導電性の水分が導電性ゲル化物層6の電気式伝導度をさらに増大させることになって、上層の電極群7−1と下層の電極群7−2との間に介在されている導電性ゲル化物層6を通じて導通していた電流は、短絡電流として認知可能な値まで上昇することになる。
【0044】
そして、これらの電流導通は、廃棄物からの漏水が電気式破損部のみならず周辺の電極間にも浸透して行くことで、周辺電極の電流値にも上昇状態を形成させることになる。
【0045】
何れの方式においても、検知電極7が接続されている電気式破損部検出装置側では、検知電極が示す検出電流値の上昇状態が、図4に示すように破損していない部位と峻別できる判定状態を表示することになる。
【0046】
即ち、図4(a)は、遮水シート3に破損が発生していない場合の電気式破損部検出装置における表示例である。左側の表示は、電気式破損部検出装置の検知電極7において上層の電極群7−1と下層の電極群7−2との間に形成される各交差点での測定結果の電流値を示す一覧表であり、右側の表示は、各層間の電極群の極性を変換して比較したり、時間をおいての測定電流値と比較しながら、それぞれの間における差を以って表示した破損判定の変化状態である。
【0047】
本実施の形態では、遮水シート3に破損が発生していないことから、電流の判定結果は、図示のように全ての測定位置において変化値を発生させていないために、これを示す証である1を以って表示している。
【0048】
しかるに、図4(b)は遮水シート3に破損が発生している場合であることから、電気式破損部検出装置における表示例は、図4(a)と異なる表示になっている。
【0049】
即ち、左側の表示は、電気式破損部検出装置の検知電極7において上層の電極群7−1と下層の電極群7−2との間に形成される各交差点での測定結果であり、枠で囲んだ範囲ではその測定結果が、図4(a)で示した測定結果の数値と異なっている。
【0050】
従って、右側に示している破損判定の表示は、枠取りした4の数値を中心にして周辺の交差点における数値も増加して2を表示しており、その外側における数値1と明らかな差を以って4を強調的に示していることで、4の数値を示している交差点が電気式破損部位であることを顕示している。
【0051】
以上のように、本実施の形態では、電気式破損部検出装置の検知電極7を遮水シート3の片側に配置されている導電性保護マット2の導電性ゲル化物層6中に設置することで、電気式破損部における表示を導電性ゲル化物層6における導電性を活用しながら顕示的な数値にしており、これによって、電気式破損部検出装置は、遮水シート3の電気式破損部位における電流差の表示を顕著に表示することを可能にしており、結果的に電気式破損部確認の判定を容易にしている。
【0052】
尚、本実施の形態における電気式破損部検出装置の検知電極7は、遮水シートの片側のみに配置しているが、遮水シートの破断を検出する電気式破損部検出装置の検知電極7の配置に関しては、この他にも、遮水シート3に対する導電性保護マット2の導電性ゲル化物層6と電気式破損部検出装置の検知電極7との関連を満たすことで、従来の全形態に適用できるものである。
【0053】
次ぎに、本発明による遮水構造の他の実施形態を図5、6に基づいて説明する。
図5は、保護マットに保持させた検知電極を遮水シートの両側に配置している実施の形態である。
【0054】
本実施の形態では、基盤1の上に遮水シート3を敷設し、この上に電気式破損部検出装置の検知電極7−1を配置してその周辺に導電性ゲル化物層6を形成した導電性保護マット2を配置すると共に、導電性保護マット2の上に廃棄物4から遮水シート3を保護するための保護土5を施工する構成は、図1に示した上記実施の形態と同様である。
【0055】
しかして、本実施の形態では、基盤1と遮水シート3との間にも図示のように不織布から成る導電性保護マット12を配置して、電気式破損部検出装置の検知電極7−2を導電性保護マット12に形成された導電性ゲル化物層6の中に配置する点で異なっている。
【0056】
従って、本実施の形態では、基盤1の上に敷設される遮水シート3が、導電性ゲル化物層を形成された不織布から成る導電性保護マット12に馴染んで保護されると共に、導電層の電気式伝導度を所望の数値にして電気式破損部の検出を良好にしている点で上記実施の形態と異にしている。
【0057】
即ち、本実施の形態では、基盤1と遮水シート3との間に導電性保護マット12を配置することで、基盤が平滑に整形されていない場合や礫等が混入している場合でも遮水シート3の損傷を阻止して遮水構造における損傷確率を低減させると共に、検知電極7−2を導電性保護マット12中に配置させるものであり、電気式破損部検出装置側で遮水シート3の電気式破損部位における電流値の表示を顕著に表示させて電気式破損部の確認をしている。
【0058】
同時に、本実施の形態における導電性ゲル化物層6は、活性シリカコロイド溶液に対する硬化材の配合量を0.1重量%以上にすることで、所定の電気式伝導度に設定しているものであるから、電極群7−1、7−2は、その周辺を所望の導通状態に形成されている。
【0059】
従って、遮水シート3が破損していない正常状態では、導電性保護マット2、遮水性導電性保護マット12に跨って配備された電気式破損部検出装置の検知電極7−1、7−2間に電流の導通は無いが、遮水シート3に破損が発生した場合には、廃棄物からの漏出水が遮水シート3の電気式破損部を流れ出るので、導電性保護マット2と遮水性導電性保護マット12との導電性ゲル化物層6が漏出水によって電気式的に接続されることになって、電気式破損部検出装置の上層の電極群7−1と下層の電極群7−2との間に電流の導通を形成することになる。
【0060】
従って、このような状態に至った場合には、上記図3で説明したように、各検知電極が接続されている電気式破損部検出装置では、遮水シート3の電気式破損部位における電流値の表示を顕著に表示することを可能にしているので、結果的に電気式破損部確認の判定をさらに容易にしている。
【0061】
尚、導電性ゲル化物6が、図2の実施の形態と同様に不透水性能を付加された場合には、破損個所から漏洩してくる浸出水の浸透を拡大させずに留め置くことで導電性を顕示させることを可能にしており、破損個所の検出を更に高精度にさせることができる。
【0062】
図6は、本発明による遮水構造を従来の各種施工形態に適用させた他の実施の形態である。
【0063】
図6(a)は、基盤の上に低透水層を介在させて遮水シートを敷設する施工形態に適用させた実施の形態である。
【0064】
本実施の形態での遮水構造11は、基盤1の上に透水係数1.E−06以下の粘性土13を介在させて遮水シート3を敷設しているものであり、粘性土13と遮水シート3との間には、導電性保護マット12を配置すると共に、遮水シート3の上面には、上記実施の形態と同様に導電性保護マット2を配置して、保護土5を施工している。
【0065】
本実施の形態では、導電性保護マット12と導電性保護マット2との不織布に、電気式破損部検出装置の電極群7−1、7−2を分離した状態で配置しながら、その間に遮水シート3を配置していることで、遮水シート3が破損していない正常状態では、導電性保護マット2と導電性保護マット12に配備された電気式破損部検出装置の検知電極7−1、7−2間に電流の導通は無い。
【0066】
しかるに、遮水シート3に破損が発生した場合には、遮水シート3の電気式破損部を流れ出す漏出水を通じて、電気式破損部検出装置の上層の電極群7−1と下層の電極群7−2との間に電流の導通を形成することになるので、電気式破損部検出装置の検知電極が接続されている上記実施の形態と同様に、遮水シート3の電気式破損部位における電流値を顕著に表示することが可能になっており、結果的に電気式破損部確認の判定を容易にしている。
【0067】
図6(b)は、基盤の上に低透水層を介在させて遮水シートを敷設する遮水構造に本発明を適用させた他の実施の形態である。
【0068】
本実施の形態での遮水構造15は、基盤1の上に透水係数1.E−07以下の水密アスファルトコンクリート16を介在させて遮水シート3を敷設しているものであり、水密アスファルトコンクリート16と遮水シート3との間には、導電性保護マット12を配置すると共に、遮水シート3の上面には、上記実施の形態と同様に導電性保護マット2を配置して、保護土5を施工している。
【0069】
本実施の形態では、保護マット12と導電性保護マット2との不織布に上記実施の形態と同様に、電気式破損部検出装置の電極群7−1、7−2を分離しながらその間に遮水シート3を配置することで、遮水シート3が破損していない正常状態では、導電性保護マット2と導電性保護マット12に配備された検知電極7−1、7−2間に電流の導通は無い。
【0070】
しかるに、遮水シート3に破損が発生した場合には、遮水シート3の電気式破損部を流れ出る漏水が、電気式破損部検出装置の上層の電極群7−1と下層の電極群7−2との間に電流の導通を形成することになり、電気式破損部検出装置の検知電極7−1、7−2が接続されている上記実施の形態と同様に、遮水シート3の電気式破損部位における電流値を顕著に表示することで、結果的に電気式破損部確認の判定を容易にしている。
【0071】
尚、上記の両実施形態の場合においては、図2で示した実施の形態と同様に不透水性能を付加すると、破損個所から漏洩してくる浸出水の浸透を拡大させずに留め置くことで導電性を顕示させることを可能にすると同時に、保護マットにも遮水性能を分担させられることで、破損個所の検出を更に高精度にさせることが可能になると共に、介在させている粘性土13や水密アスファルトコンクリート16等の低透水層に求められる厚さを低減できるので、コストの低減にもつながるものである。
【0072】
図6(c)は、遮水シートを間に中間保護層を挟んだ二重構造にした上で、基盤の上に直接敷設する施工形態に適用させた他の実施の形態である。
【0073】
本実施の形態では、上下面に電気式破損部検出装置の検知電極7を配置して導電性ゲル化物層6を形成した不織布から成る導電性保護マット2と導電性保護マット12を配置した遮水シート17を基盤1の上に敷設し、この上に低透水性の中間保護層18を配置しながら、さらに同様の遮水シート17を敷設することで中間保護層18を間に挟んだ遮水シート17の二重構造体19を形成することで遮水構造を構成している。
【0074】
又、二つの遮水シート17で構成されている二重構造体19の上には、廃棄物4から遮水シート17の二重構造体19を保護するために保護土5を施工している。
【0075】
本実施の形態で、保護土5側に配置される遮水シート17の導電性保護マット2、12は、不織布から構成されることで遮水シート3側に導電性ゲル化物層を形成しており、導電性保護マット2、12の不織布に上記実施の形態と同様に、電気式破損部検出装置の両電極群7−1、7−2を分離しながら、その間に遮水シート3を配置するように構成することで、遮水シート3が破損していない正常状態では、導電性保護マット2と12に配備された電気式破損部検出装置の検知電極間に電流の導通は無い。
【0076】
しかるに、保護土5側の遮水シート17に破損が発生した場合には、漏出水が遮水シート3の破損部を流れ出ることで、電気式破損部検出装置の電極群7−1と下層の電極群7−2との間に電流の導通を形成することになり、上記実施の形態と同様に遮水シート3の電気式破損部位における電流値を顕著に表示することを可能にして、結果的に電気式破損部確認の判定を容易にしている。
【0077】
尚、上記実施の形態では、保護土5側の遮水シート17のみに電気式破損部検出装置の検知電極7を配備して置き、この遮水シート17の破損を以て二重構造体19の破損と判定してきたが、中間保護層18の両側に配置されている両遮水シート17のそれぞれに電気式破損部検出装置の検知電極7を配備して置くことも可能である。
【0078】
この場合には、保護土5側の遮水シート17が破損した場合に最初の警報を発信するが、中間保護層18の基盤側に配置されている遮水シート17側から継続して破損警報が発信されてこない場合には、電気式破損部の修復対策に余裕を持って対処することが可能になる。しかるに、保護土5側の遮水シート17から発信される警報に連続して、中間保護層18の基盤側に配置される遮水シート17側からの破損警報が発信される場合には、早急な修復対策を講じる必要が発生するものであり、本形態の場合には、以上のような機能を活用することで多様な処置の採用を可能にするものである。
【0079】
以上の実施の形態で詳細に説明したように、本発明による電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造は、上述の構成によって、保護マットに形成された導電性ゲル化物層によって電気式破損部検出装置の電極間に改善された導通状態を形成させることを可能にしており、漏水の検出精度を向上させている。
【0080】
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、活性シリカコロイド溶液やその硬化物の具体的な内容、電気式破損部検出装置の電極の具体的な構成もしくは適用する施工法等については、本発明の上記の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然である。
【0081】
【発明の効果】
請求項1に記載の電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造は、廃棄物処分場の基盤上に敷設される遮水層の上および下の少なくともいずれかに、保護マットを配置し、保護土層をこれらの上に施工し、かつ電気式破損部検出装置を配置して成る電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造において、保護マットに、活性シリカコロイド溶液と活性シリカコロイド溶液の硬化材とから成る導電性ゲル化物層が生成され、電気式破損部検出装置が、導電性ゲル化物層中にその検知電極を配置して、積層されることを特徴としているので、検知電極と周辺導電体との接触性を良好にして電気式破損部検出装置の検知電極間に改善された導通状態を形成させることで漏水の検出精度を向上できる効果を発揮している。
【0082】
請求項2に記載の電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1に記載の遮水構造において、検知電極を配置された導電性ゲル化物層が、保護マットの遮水層側に部分的に保持されることを特徴としているので、保護マットに導電性ゲル化物による導電層を形成させることで、保護マットとしての機能を確保しながら検知電極の導電性能を確保して、上記効果に加えて、総体コストを改善できる効果を発揮している。
【0083】
請求項3に記載の電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1又は2に記載の遮水構造において、検知電極を配置された導電性ゲル化物層が、遮水層の下側に積層されている保護マットの遮水層側に部分的に保持されることを特徴としているので、上記効果に加えて、遮水層の下側に積層される保護マット中にも検知電極を配置できる効果を発揮している。
【0084】
請求項4に記載の電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至3のいずれかに記載の遮水構造において、保護マットが離間させて複数層配置され、導電性ゲル化物層中の検知電極を、複数層の保護マットに配置して、複数の検知回路を構成することを特徴としているので、上記効果に加えて、同一検知回路における検知電極間の導電性能を確保して破損検知の総体的な精度を向上できる効果を発揮している。
【0085】
請求項5に記載の電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至3のいずれかに記載の遮水構造において、保護マットが遮水層の上下に配置され、導電性ゲル化物層中の検知電極を、遮水層を介して上下の保護マットに跨って配置して、離間した検知回路を構成することを特徴としているので、上記効果に加えて、遮水層の破損を高精度に検出できる効果を発揮している。
【0086】
請求項6に記載の電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至5のいずれかに記載の遮水構造において、導電性ゲル化物を、活性シリカコロイド溶液に対する硬化材の配合比が0.1重量%以上に構成されることを特徴としているので、上記効果に加えて、導電性ゲル化物における導電層の形成を確実にして電気式破損部検出装置の電極間に良好な導通状態を形成させて遮水層の破損を高精度に検出できる効果を発揮している。
【0087】
請求項7に記載の電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至6のいずれかに記載の遮水構造において、基盤上に低透水層を介在させて遮水層を敷設することを特徴としているので、上記効果に加えて、遮水層と低透水層との間に導電性ゲル化物層を配置することで電気式破損部検出装置の電極間に良好な導通状態を形成させて遮水層の破損を高精度に検出できる効果を発揮している。
【0088】
請求項8に記載の電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至6のいずれかに記載の遮水構造において、遮水層が上下二重に配置され、これら遮水層の間に挟んで低透水性の中間保護層が配置されることを特徴としているので、上記効果に加えて、遮水層とこれら遮水層で挟んだ中間保護層との間に導電性ゲル化物層を配置することで電気式破損部検出装置の電極間に良好な導通状態を形成させて遮水層の破損を高精度に検出できる効果を発揮している。
【図面の簡単な説明】
【 図1】本発明による電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造に関する実施の形態を示す断面図
【 図2】本発明による電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の他の遮水構造に関する実施の形態を示す断面図
【 図3】本発明の遮水構造に用いるゲル化物の電気式伝導度の変化図
【 図4】本発明による電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造における電気式破損部の検出状態図
【 図5】本発明による電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造に関する他の実施の形態を示す断面図
【 図6】本発明による電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造に関する他の実施の形態を示す断面図
【 図7】従来の廃棄物処分場の遮水構造を示す断面図
【 図8】従来の廃棄物処分場における電気式破損部検出例図
【符号の説明】
1 基盤、 2、12 導電性保護マット、 3 遮水シート、 4 廃棄物、
5 保護土、 6 導電性ゲル化物層、
7 電気式破損部検出装置の検知電極、 7−1 上層の電極群、
7−2 下層の電極群、 11、15 遮水構造、 13 粘性土、
16 水密アスファルトコンクリート、 17 遮水シート、
18 中間保護層、 19 二重構造体、
A 遮水シート、 B 低透水層、 C 中間保護層、
▲1▼下地基地の整形、 ▲2▼ 遮水シートAの上下面への保護マットの施工、
▲3▼ 保護土の施工、
20 漏水検知システム、 21 遮水シート、 22 基準電極、
23〜26 検知電極群、 27 漏水検知装置、
Claims (9)
- 廃棄物処分場の基盤上に敷設される遮水層の上および下の少なくともいずれかに、保護マットを配置し、保護土層をこれらの上に施工し、かつ電気式破損部検出装置を配置して成る電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造において、保護マットに、活性シリカコロイド溶液と活性シリカコロイド溶液の硬化材とから成る導電性ゲル化物層が生成され、電気式破損部検出装置が、導電性ゲル化物層中にその検知電極を配置して、積層されることを特徴とする電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造。
- 検知電極を配置された導電性ゲル化物層が、保護マットの遮水層側に部分的に保持されることを特徴とする請求項1に記載の電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造。
- 検知電極を配置された導電性ゲル化物層が、遮水層の下側に積層されている保護マットの遮水層側に部分的に保持されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造。
- 保護マットが離間させて複数層配置され、導電性ゲル化物層中の検知電極が、複数層の保護マットに配置されて、複数の検知回路を構成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造。
- 保護マットが遮水層の上下に配置され、導電性ゲル化物層中の検知電極が、遮水層を介して上下の保護マットに跨って配置されて、離間した検知回路を構成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造。
- 導電性ゲル化物が、活性シリカコロイド溶液に対する活性シリカコロイド溶液の硬化材の配合比を0.1重量%以上に構成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造。
- 基盤上に低透水層を介在させて遮水層を敷設することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造。
- 遮水層が上下二重に配置され、これら遮水層の間に挟んで低透水性の中間保護層が配置されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造。
- 保護マットが、溶液の含浸可能な可撓性部材で構成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造。
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