JP3998571B2 - 破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造とその施工法 - Google Patents

破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造とその施工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物処分場の破損部を検出できる遮水構造とその施工法に関し、特に、保護マット及び遮水層の施工コストを低減すると共に、遮水シートが破損しても漏洩する浸出の浸透水を拡大させずに遮水性能を向上させることで電極との導通状態を改善して検出精度を向上させる破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造とその施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業廃棄物や一般廃棄物を埋立する廃棄物処分施設では、処分施設からの漏出汚水が地下に浸透して環境汚染を引き起こさないように、処分施設の底面を遮水構造とすることが義務付けられている。廃棄物処分施設における遮水構造では、遮水部の損傷確率を下げる方策として、通常、▲1▼下地基盤の整形、▲2▼遮水シートAの上下面に対する保護マットの施工、▲3▼保護土の施工等が行われ、それらの事例としては図7に示される各種の形態が採用されている。図9(a)は、基盤の上に遮水シートAを直接敷設するものであり、図9(b)は、基盤の上に粘性土等の低透水層Bを介在させて遮水シートAを敷設する形態のものである。又、図9(c)は、遮水シートAの間に低透水性の中間保護層Cを挟んだ二重構造にした上で、基盤の上に直接敷設するものである。特に、遮水シートと粘性土等の低透水層Bを組み合わせた遮水工事の場合には、両者を密着させるように注意している。
【0003】
以上の遮水構造では、基盤や低透水層B等が平滑に整形されていない場合や礫等を混入している場合に発生する遮水シ−トAの破損、或いは廃棄物の埋め立て作業中もしくは埋め立て完了後に発生する遮水シ−トAの破損等によって欠損箇所からの汚水が外部に漏出する恐れがあることから、これを防止するために遮水シートと基盤や低透水層B等との間に保護マットを敷設し、遮水シ−トAの破損を防止している。
【0004】
しかるに、遮水シートと粘性土との間に配置する保護マットの敷設は、遮水シートが損傷した場合に、敷設した保護マットに漏水の導通経路を形成させて逆に拡散し易くすると言う弊害を招来しており、一方では、遮水シートの修復が、破損部周辺に薬液を注入する間接的な修復や、廃棄物を掘削して破損部を直接的に修復するものであることから、仮に、精度的にも有効な検知方法を適用してシートの破損部を早期に検知しても、廃棄物からの浸出水が廃棄物処分施設の外部に流出した後に修復を完了させるものであった。
【0005】
そこで、浸出水が外部に流出する前に破損部を修復できるように、遮水シートの破損を早期に検知して修復する技術の開発も積極的に行われ、検知方法に関する種々の提案によって破損位置の検知精度も向上する状況に至っている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−318482号公報、(第2頁、右欄、段落符号0009〜第3頁、左欄、段落符号0011の末行、図3、4)
【特許文献2】
特開2002−55017号公報、(第5頁、右欄、段落符号0033、図4)
【0007】
従来の漏水検知システム20は、基本的な形態として、図10に示すように廃棄物処分施設に敷設された遮水シート21の下面に、全域に亘る基準電極22を配置すると共に、遮水シート21の反対側には複数の検知電極群23〜26を区分された複数の区画に設置している。基準電極22と検知電極23〜26群とは、電気式破損部検出装置27に接続されており、図では簡潔に表示しているが、検知電極23〜26群の分布された各位置において、基準電極22との間に印加されている電位値が、マトリックス状に画面表示されるように構成されている。
【0008】
以上の構成で明らかなように、遮水シート21に破損が生じていない正常な状況にあっては、全ての電位値がほぼ均一の値として表示されている。しかるに、遮水シート21の何処かに破損が発生すると、破損部を通じて流出する汚染泥水が、破損部に位置する検知電極23〜26群の1部と基準電極22との間を電気式的に接続して、両電極間に導通状態を形成することになる。
【0009】
以上のような検知電極と基準電極との導通は、両電極間に印加されている電位をゼロ近くに低下させると共に、同電極を中心にして近隣の検知電極においてもその電位値を低下させるものであるから、その表示状態をチェックすることによって遮水シート21の破損位置を検知することが出来ることになる。
【0010】
しかしながら、各電極間の通電は、理論上において両電極間に印加されている電位をゼロ近くに低下させるが、実際の状況では浸透する泥水を介しての回路構成であることから、泥水の電気伝導度が不安定であるために電流値の変化は微細なものに留まっており、漏水箇所の決定は、これを峻別するのに充分で無かった。
【0011】
この電流値の変化の峻別性能を向上するために、遮水シート上の上面に炭素粉、鉄粉等の導電性を有する粉体を含有した導電性塗料を塗布した保護マットや、アルミニウム等の導電性を有する金属性被膜を蒸着やメッキした保護マット、或いは、導電性を有する金属泊やカーボンシートを敷設して、それらの導電性材に検知電極を接触させて配置する方法が採られる。
【0012】
【特許文献3】
特許第3134047号公報、(第2頁、右欄、段落符号0006、第3頁、右欄、段落符号0016、図2、3、4)
【特許文献4】
特開2000−5717号公報、(第2頁、右欄、段落符号0007から第3頁、左欄、段落符号0010、図2)
【0013】
しかしながら、これらの塗膜、金属性被膜、金属泊やカーボンシートは比較的硬い薄板状に形成されるために、配置した検知電極とは線接触を形成したり、電極との間に隙間等を発生させることになり、これらを起因にして電流値の変化を峻別するのには、充分な導電環境を形成することが出来ていなかった。
【0014】
以上のように、現状における遮水シートの破損防止と破損部の検出とは、廃棄物からの浸出水が敷設した保護マットを導通経路にすることで逆に拡散し易くなって、結果的に浸出水が廃棄物処分施設の外部に流出した後に修復することになっていると同時に、破損部検知も精度面で困難であることから、廃棄物処分施設周辺の環境汚染を完全に防止できる対策は、未だに確立されていないのが実情であった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の実情に鑑みてその改善のために提案するものであり、保護マットに導電性不透水層を構成することで保護マットと遮水層の施工コストを低減すると共に、遮水シートが破損しても浸出水を拡大漏洩せずに外部流出しないようにして遮水性能を向上させながら電気式破損部検出装置の検知電極における周辺の導通環境を改善して検出精度を向上させる廃棄物処分場の破損部を検出できる遮水構造とその施工法を提供している。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明である破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造は、廃棄物処分場の基盤上に遮水層、保護マット及び保護土層を順次に積層して電気式破損部検出装置を備えた破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造において、遮水層上に配置される保護マットを、溶液の含浸可能な可撓性部材と可撓性部材中に保持されるシリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液および活性シリカコロイド溶液の硬化材から成る導電性不透水ゲル化物層と、導電性不透水ゲル化物層中に配置した電気式破損部検出装置の検知電極とで構成することを特徴としており、保護マットに導電性能と遮水性能を付与することで保護土と遮水層とに二重の遮水性能を確立して、遮水構造の損傷確率を下げながらコストを低減させると共に改善された導通状態を形成させて漏水の検出精度を向上させている。また、シリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液を用いることで、遮水構造に求められている透水係数(cm/s)である1.E−06以下に対応させることができる。
【0017】
請求項2に記載の発明である破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造は、廃棄物処分場の基盤上に遮水層、保護マット及び保護土層を順次に積層して電気式破損部検出装置を備えた破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造において、遮水層を構成している遮水シートの下に配置される導電性遮水保護マットが、溶液の含浸可能な可撓性部材と可撓性部材中に保持されるシリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液および活性シリカコロイド溶液の硬化材から成る導電性不透水ゲル化物層と、導電性不透水ゲル化物層中に配置した電気式破損部検出装置の検知電極とで構成されることを特徴としており、保護マットに導電性能と遮水性能を付与することで遮水層に二重の遮水性能を確立させて基盤と遮水シートとの遮水性能を向上させて遮水層の施工コストを低減させると共に、遮水シートが破損しても導電性遮水保護マットによって漏洩する浸出水の浸透を拡大させずに改善された導通状態を形成させて漏水の検出精度を向上させている。また、シリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液を用いることで、遮水構造に求められている透水係数(cm/s)である1.E−06以下に対応させることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明である破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造は、請求項2に記載の遮水構造において、保護マットを、溶液の含浸可能な可撓性部材と可撓性部材中に保持される活性シリカコロイド溶液および活性シリカコロイド溶液の硬化材から成る導電性不透水ゲル化物層と、導電性不透水ゲル化物層中に配置した電気式破損部検出装置の検知電極とで構成することを特徴としており、上記機能に加えて、保護マットにも導電性能と遮水性能を付与することで遮水層に三重の遮水性能を確立させて遮水層の施工コストを低減させると共に、電気式破損部検出装置の検知電極を遮水シートの両側に配置させて遮水シートが破損した際に検知電極間の電流値を顕示させることで検出精度を向上させている。この場合、活性シリカコロイド溶液が、シリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液で構成されることで、遮水構造に求められている透水係数(cm/s)である1.E−06以下に対応させることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明である破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至3のいずれかに記載の遮水構造において、遮水層を、遮水シートと遮水シートと基盤間に敷設される低透水層とで構成することを特徴としており、上記機能に加えて、遮水が破損しても漏洩する浸出水の浸透を拡大させずに遮水層の遮水性能を向上させて低透水層の施工コストを低減させると共に、改善された導通状態を形成させて漏水の検出精度を向上させている。
【0020】
請求項5に記載の発明である破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至3のいずれかに記載の遮水構造において、遮水層を、上下二重の遮水シート層と遮水シート層の間に配置された中間保護層で構成することを特徴としており、上記機能に加えて、遮水シートが破損しても漏洩する浸出水の浸透を拡大させずに遮水層の遮水性能を向上させて遮水層の施工コストを低減させると共に、改善された導通状態を形成させて漏水の検出精度を向上させている。
【0021】
請求項6に記載の発明である破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1に記載の遮水構造において、遮水層を、上下二重の遮水シート層と遮水シート層の間に配置された中間保護層及び遮水シート層の上下に配置される導電性遮水保護マットとで構成し、導電性遮水保護マットを、溶液の含浸可能な可撓性部材と可撓性部材中に保持される活性シリカコロイド溶液および活性シリカコロイド溶液の硬化材から成る導電性不透水ゲル化物層と、導電性不透水ゲル化物層中に配置した電気式破損部検出装置の検知電極とで構成することを特徴としており、上記機能に加えて、遮水層に三重以上の遮水性能を確立させて遮水層の施工コストを低減させると共に、導電性不透水ゲル化物層中に配置した検知電極を各遮水シート層の上下に配置させて、遮水シートが破損しても漏洩する浸出水の浸透を拡大させずに改善された導通状態を形成させて漏水の検出精度を向上させている。この場合、活性シリカコロイド溶液が、シリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液で構成されることで、遮水構造に求められている透水係数(cm/s)である1.E−06以下に対応させることができる。
【0022】
請求項8に記載の発明である破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至7のいずれかに記載の遮水構造において、導電性不透水ゲル化物を、シリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液に対する硬化材の配合比を0.1重量%以上にして構成することを特徴としており、上記機能に加えて、優れた遮水性能と導電性能とを確立させている導電性不透水ゲル化物層の生成を確実にしている。
【0023】
本発明による破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造の施工法は、請求項1乃至8のいずれかに記載の破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造の施工法であって、廃棄物処分場の基盤上に遮水層、保護マット及び保護土層を順次に積層して電気式破損部検出装置を備えた遮水構造の保護マットもしくは遮水層を構成している導電性遮水保護マットとして、電気式破損部検出装置の検知電極を配置した溶液の含浸可能な可撓性部材を配置し、次いで可撓性部材にシリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液を散布し、しかる後に活性シリカコロイド溶液に対する配合比を0.1重量%以上として活性シリカコロイド溶液の硬化材を散布することで可撓性部材中に導電性不透水ゲル化物層を生成して、可撓性部材は、導電性不透水ゲル化物層を所定の位置に保持するものであり、電気式破損部検出装置の検知電極を配置した保護マットもしくは導電性遮水保護マットの優れた遮水性能と導電性能とを確立させている導電性不透水ゲル化物層の生成を容易にして施工コストの低減と施工効率の向上を図っている。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明による破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造は、基本的に、廃棄物処分場の基盤上に遮水層、保護マット及び保護土層を順次に積層して電気式破損部検出装置を備えた破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造において、遮水層上に配置される保護マットを、溶液の含浸可能な可撓性部材と可撓性部材中に保持されるシリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液および活性シリカコロイド溶液の硬化材から成る導電性不透水ゲル化物層と、導電性不透水ゲル化物層中に配置した電気式破損部検出装置の検知電極とで構成しており、これによって、保護マットに導電性能と遮水性能を付与することで保護土と遮水層とに二重の遮水性能を確立して、遮水構造の損傷確率を下げながらコストを低減させると共に、改善された導通状態を形成させて漏水の検出精度を向上させている。また、シリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液を用いることで、遮水構造に求められている透水係数(cm/s)である1.E−06以下に対応させることができる。以下に、本発明による破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造に関する実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明による電気式破損部検出装置を備えた廃棄物処分場の遮水構造に関する実施の形態を示す断面図であって、基盤1の上に遮水シート3を敷設し、遮水シート3の上には溶液の含浸可能な可撓性部材である不織布から構成される導電性遮水保護マット2を配置しており、この導電性遮水保護マット2には、電気式破損部検出装置の検知電極7(上層の電極群7−1、下層の電極群7−2)を配置している。さらに、導電性遮水保護マット2の上面には、廃棄物4から遮水シート3を保護するために保護土5を施工しており、遮水構造における損傷確率を低減させると共に、以下に詳説するように遮水シート3の破損部を迅速に検出できるように構成している。
【0026】
しかして、本実施の形態では、電気式破損部検出装置の検知電極7を配置した導電性遮水保護マット2を遮水シート3の上に配置した後に、不織布に対して活性シリカコロイド溶液と活性シリカコロイド溶液の硬化材とを適宜に含浸させており、活性シリカコロイド溶液と硬化材との反応によって生成された導電性不透水ゲル化物層6を不織布中の適宜の位置に保持している。
【0027】
即ち、本発明の破損部を検出できる遮水構造では、遮水シート3の上に電気式破損部検出装置の検知電極7を配置した不織布を配置した後に、不織布に対してシリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液と活性シリカコロイド溶液に対してその配合比を0.1重量%以上に構成している硬化材とを適宜に含浸させており、活性シリカコロイド溶液と硬化材との反応によって上記の機能を満たすことのできる導電性機能と不透水機能とを備える導電性不透水ゲル化物層6を不織布中に生成させている。
【0028】
又、本発明による破損部を検出できる廃棄物処分場の他の遮水構造は、遮水層を構成している遮水シートの下に配置される導電性遮水保護マットが、溶液の含浸可能な可撓性部材と可撓性部材中に保持されるシリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液および活性シリカコロイド溶液の硬化材から成る導電性不透水ゲル化物層と、導電性不透水ゲル化物層中に配置した電気式破損部検出装置の検知電極とで構成されることを特徴としており、これによって、保護マットに導電性能と遮水性能を付与することで遮水層に二重の遮水性能を確立させて基盤と遮水シートとの遮水性能を向上させて遮水層の施工コストを低減させると共に、遮水シートが破損しても導電性遮水保護マットによって漏洩する浸出水の浸透を拡大させずに改善された導通状態を形成させて漏水の検出精度を向上させている。また、シリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液を用いることで、遮水構造に求められている透水係数(cm/s)である1.E−06以下に対応させることができる。以下に、本発明による廃棄物処分場の他の遮水構造に関する実施形態を図面に基づいて詳細に説明するが、上記実施の形態と同様の部位については同一の符号で表現している。
【0029】
図2は、本実施の形態を示す他の遮水構造の断面図である。
基盤1の上には、その下面に不織布から構成される導電性遮水保護マット2を配置して遮水シート3が敷設されており、この導電性遮水保護マット2には、電気式破損部検出装置の検知電極7(上層の電極群7−1、下層の電極群7−2)を配置している。そして、遮水シート3の上面には従来と同様に保護マット▲2▼を配置すると共に、廃棄物4から遮水シート3を保護する保護土5を施工している。
【0030】
本発明の遮水構造でも、遮水シート3の下面に不織布から構成されている導電性遮水保護マット2を配置して、基盤が平滑に整形されていない場合や礫等を混入している場合に遮水シ−トの破損が発生しないように対処しており、保護マットの不織布には、活性シリカコロイド溶液と活性シリカコロイド溶液の硬化材とを適宜に含浸させて、活性シリカコロイド溶液と硬化材との反応による導電性不透水ゲル化物層6を形成している。
【0031】
ところで、本発明に用いる活性シリカコロイド溶液は、水ガラスのアルカリをイオン交換法によって除去したコロイダルシリカと水とで構成されており、これに配合する活性シリカコロイド溶液の硬化材としては、中性塩を主成分にしている。そして、本発明に適合する中性塩としては、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アルミニウム等を挙げることができる。
【0032】
しかして、シリカのコロイド粒は、通常の溶液状態でその表面にマイナスの荷電層を形成して、コロイド粒同士が互いに反発し合うことで液化を保っているが、活性シリカコロイド溶液の硬化材として作用する中性塩は、シリカコロイド粒の表面荷電層を破壊するものであり、シリカコロイド粒の表面を露わにすることでその重合反応性を高くすることで、増粘・ゲル化に至らしめて導電性不透水ゲル化物層を形成している。
【0033】
本ゲル化物層は、増粘・ゲル化することによって長期に亘る不透水機能と良導電性とを発揮しているが、その不透水性は、コロイド溶液中に含まれるシリカ粒子の濃度に従って変化するものである。
【0034】
本実施の形態では、活性シリカコロイド溶液としてASFシリカー4(旭電化工業(株)製、商品名)を用いると共に、硬化材としてASFアクターM(旭電化工業(株)製、商品名)を用いることで所望の導電性不透水ゲル化物層を生成しているが、これによって得られる導電性不透水ゲル化物層は、図3に示す不透水係数のように、活性シリカコロイド溶液におけるシリカ濃度(%)によって不透水特性が調整可能である。
【0035】
廃棄物処分場における原地盤の透水係数(cm/s)は、一般的に1.E−04のレベルにあることから、遮水構造に求められる透水係数(cm/s)は、1.E−06以下にする必要がある。
【0036】
しかるに、本実施の形態では、図示のように、遮水構造に求められている透水係数(cm/s)である1.E−06以下にするためには、シリカ濃度を2%以上に配合することで対応可能であり、必要な場合には、シリカ濃度を4.5%に配合することでその透水係数(cm/s)を1.E−07にすることも容易である。
【0037】
従って、本実施の形態における導電性遮水保護マット2は、遮水シート3側の全面に導電性不透水ゲル化物層6を形成して遮水機能も付加されていることから、遮水シート3は、保護土5と導電性遮水保護マット2とによって廃棄物4からの荷重が低減されることで損壊を防止されることに加えて、廃棄物4からの浸出水が浸透してくるのを、導電性遮水保護マット2に形成されている導電性不透水ゲル化物層6で阻止することによって表面に加えられる水圧を低減しており、これによって亀裂が発生しないように保護されることで、遮水構造の損傷確率を低減させている。
【0038】
このことから、本実施の形態では、遮水シート3の上面における保護形態が大幅に改善されていることで、保護土5の敷設層厚は、保護マットの透水係数(cm/s)を勘案して、従来のように50cm以上に設定せずに敷設構造を確保できる程度の層厚を確保するだけで充分である。
【0039】
又、導電性遮水保護マット2の導電性は、活性シリカコロイド溶液に対する硬化材の配合比を調整することで任意に設定できるものである。
【0040】
即ち、上述した本実施の形態の導電性不透水ゲル化物層6は、活性シリカコロイド溶液としてASFシリカー4(旭電化工業(株)製、商品名)を用いると共に、硬化材としてASFアクターNS(旭電化工業(株)製、商品名)もしくはASFアクターM(旭電化工業(株)製、商品名)を用いているが、これによって得られる導電性不透水ゲル化物層6は、図4に示す電気伝導度のように、得られるゲル化物層の活性シリカコロイド溶液に対する硬化材の配合比もしくはpHを変えることで、その電気伝導度を調整可能にしている。
【0041】
本実施の形態における導電性不透水ゲル化物層6は、図4(a)に示す電気伝導度図のように、活性シリカコロイド溶液であるASFシリカー4に対する硬化材のASFアクターNSの配合量を、0.1重量%以上にすることで、電気伝導度を5(mS/cm)以上に設定している。
【0042】
従って、本実施の形態では、導電性不透水ゲル化物層6における電気伝導度を所望の数値にすることを可能にしており、電極間に求められている電気伝導度を確立することで、破損部の検出に良好な導通状態を確保している。
【0043】
又、導電性不透水ゲル化物層6における電気伝導度は、上記硬化材ASFアクターNSの配合量のみによって変化するものでなく、この他にも、図4(b)に示すように、ASFアクターMの配合によるpHの調整によっても制御することが可能であり、pH9.3〜9.6の各例においてそれぞれに調整しながらpH2以下に設定することによって、電気伝導度を5(mS/cm)以上にも調整できるものである。
【0044】
しかして、本実施の形態における導電性不透水ゲル化物層6の場合も、導電層の電気伝導度を所望の数値にすることを可能にすることで、電極間に求められている電気伝導度を確立して、以下のような構成によって破損部の検出を良好にできるものである。
【0045】
本実施の形態における電極7は、図1で説明したように所定の間隔に配置されている上層の電極群7−1と、この上層の電極群7−1と直交する方向に所定の間隔で格子状に配置された下層の電極群7−2から構成されると共に、上層の電極群7−1と下層の電極群7−2との相互間には、導電性不透水ゲル化物層6を介在させながら微細な間隙を形成している。
【0046】
これによって、電気式破損部検出装置に接続された電極7にあっては、通常状態において、上層の電極群7−1と下層の電極群7−2との間に所定の電気伝導度を備えている導電性不透水ゲル化物層6を通じて、所定の電流が導通している。
【0047】
そして、遮水シート3が破損していない通常の場合には、この程度の導通電流では、後述するように電気式破損部検出装置が警報を発することのないように設定されているが、遮水シート3が破損した場合には、破損部からの漏水が保護マット2に浸透して行くことで、導電性の水分が導電性不透水ゲル化物層6の電気伝導度をさらに増大させることになる。このことから、上層の電極群7−1と下層の電極群7−2との間には、介在されている導電性不透水ゲル化物層6を通じて導通していた電流を上昇させることになるが、導通電流の状態は、同時に破損部からの漏水が浸透して行く周辺の電極間にも電流値の差を形成しながら発生することになる。
【0048】
従って、電極7が接続されている電気式破損部検出装置には、図5に示すように破損していない部位と峻別できる判定状態を表示することが出来る。
【0049】
即ち、遮水シート3に破損が発生していない場合は、電気式破損部検出装置において、図5(a)のように表示されることになる。図における左側の表示は、電極7において示される一覧表であり、上層の電極群7−1と下層の電極群7−2との間に形成される各交差点において測定された電流値の結果である。そして、右側の表示は、各層間の電極群の極性を変換して比較したり、時間をおいての測定電流値を比較することで、それぞれの間における差を以って表示した破損判定の変化状態である。
【0050】
図5(a)では、遮水シート3に破損が発生していないことから、電流の判定結果は、図示のように全ての測定位置において変化値を発生させていないために、これを示す証である1を以って表示している。
【0051】
しかるに、図5(b)は遮水シート3に破損が発生している場合であり、電気式破損部検出装置における表示例は、図5(a)と異なる表示になっている。
即ち、左側の表示は、電極7において上層の電極群7−1と下層の電極群7−2との間に形成される各交差点での測定結果であり、枠で囲んだ範囲ではその測定結果が、図5(a)で示した測定結果の数値と異なっている。
【0052】
従って、右側に示している破損判定の表示は、枠取りした4の数値を中心にして周辺の交差点における数値も増加して2を表示しながら、その外側における数値1と明らかな差を以って4を強調的に示しており、4の数値を示している交差点が破損部位であることを顕示している。
【0053】
以上のように、本実施の形態では、電極7を遮水シート3の片側に配置されている導電性遮水保護マット2の導電性不透水ゲル化物層6中に設置することで、破損部における表示を導電性不透水ゲル化物層6における導電性を活用しながら顕示的な数値にしており、これによって、電気式破損部検出装置は、遮水シート3の破損部位における電流差の表示を顕著に表示することを可能にしており、結果的に破損部確認の判定を容易にしている。
【0054】
尚、本実施の形態における電極7は、遮水シートの片側のみに配置しているが、遮水シートの破断を検出するための電極7の配置に関しては、この他にも、遮水シート3に対する保護マット2の導電性不透水ゲル化物層6と電極7との関連を満たすことで、従来の全形態に適用できるものである。
【0055】
次ぎに、本発明による破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造における他の実施形態を図6、7に基づいて説明する。
【0056】
図6は、破損部からの漏水が拡大することを阻止して外部への浸透を防止する実施の形態である。
本実施の形態で示す図6では、基盤1の上に遮水シート3を敷設し、この上に電極7を配置して導電性不透水ゲル化物層6を形成した導電性遮水保護マット2を配置して、導電性遮水保護マット2の上に廃棄物4から遮水シート3を保護するための保護土5を施工する構成は、上記実施の形態と同様である。
【0057】
しかして、本実施の形態では、基盤1と遮水シート3との間には図示のように不織布から成る導電性遮水保護マット12を配置すると共に、電気式破損部検出装置に接続された電極7−1を遮水シート3の上に配置している導電性遮水保護マット2に配置し、同じく電気式破損部検出装置に接続された電極7−2を導電性遮水保護マット12に形成された導電性不透水ゲル化物層6の中に配置する点で異なっており、同時に、導電性遮水保護マット12に形成される導電性不透水ゲル化物層6のシリカ濃度を2%以上に配合することで、遮水構造に求められている透水係数(cm/s)である1.E−06以下に対応させている。
【0058】
従って、本実施の形態では、基盤1の上に敷設される遮水シート3が、導電性不透水ゲル化物層6を形成された不織布から成る導電性遮水保護マット12に馴染むことで保護されると共に、導電性不透水ゲル化物層6に遮水構造を形成させて遮水シート3の破損部から流れ出る漏出水を拡大流通させずに滞留させることができるので、導電層の電気伝導度を所望の数値にして破損部の検出を良好にできる点で上記実施の形態と異なっている。
【0059】
即ち、本実施の形態では、基盤1と遮水シート3との間に導電性遮水保護マット12を配置することで、基盤が平滑に整形されていない場合や礫等が混入している場合でも、遮水シート3の損傷を阻止して遮水構造における損傷確率を低減させると共に、これに加えて、遮水シート3が破損した場合には、廃棄物からの漏水が遮水シート3の破損部を通過して、導電性遮水保護マット2と導電性遮水保護マット12中を流下しながら導電性不透水ゲル化物層6中に浸透することで、電極7に導通している電流を上昇させることを可能にしているので、電気式破損部検出装置は、遮水シート3の破損部位における電流差の表示を顕著に表示することによって破損部の確認を更に確実容易にしている。
【0060】
そして、本実施の形態における電極7は、上層の電極群7−1と下層の電極群7−2とを分離して、遮水シート3の両側に配置した導電性遮水保護マット2と導電性遮水保護マット12のそれぞれに個別に配置するものであるから、遮水シート3の上側に配置されている導電性遮水保護マット2に形成される導電性不透水ゲル化物層6の中には、上層の電極群7−1を装備して、遮水シート3の下側に配置されている導電性遮水保護マット12に形成される導電性不透水ゲル化物層6の中に下層の電極群7−2を装備している。
【0061】
しかして、本実施の形態における導電性不透水ゲル化物層6は、活性シリカコロイド溶液に対する硬化材の配合量を0.1重量%以上にすることで、所定の電気伝導度に設定しているものであるから、両電極群7−1、7−2は、その周辺を所望の導通状態に形成している。
【0062】
従って、遮水シート3が破損していない正常状態では、導電性遮水保護マット2、導電性遮水保護マット12に跨って配備された電極7に電流の導通は無いが、遮水シート3に破損が発生した場合には、廃棄物からの漏出水が遮水シート3の破損部を流れ出るので、導電性遮水保護マット2と導電性遮水保護マット12の導電性不透水ゲル化物層6とが漏出水によって電気的に接続されることになって、電極7の上層の電極群7−1と下層の電極群7−2との間に電流の導通を形成することになる。
【0063】
このような状態に至った場合には、上記図5で説明したように、電極7が接続されている電気式破損部検出装置では、遮水シート3の破損部位における電流差の表示を顕著に表示することを可能にしているので、結果的に破損部確認の判定が更に容易になる。
【0064】
図7は、本発明の破損部を検出できる遮水構造を従来の各種施工形態に適用させた他の実施の形態である。
【0065】
図7(a)は、基盤の上に低透水層を介在させて遮水シートを敷設する施工形態に適用させた実施の形態である。
本実施の形態での遮水構造11は、基盤1の上に透水係数1.E−06以下の粘性土13を介在させて遮水シート3を敷設しているものであり、粘性土13と遮水シート3との間には、導電性遮水保護マット12を配置すると共に、遮水シート3の上面には、上記実施の形態と同様に導電性遮水保護マット2を配置して、保護土5を施工している。
【0066】
本実施の形態では、導電性遮水保護マット12と導電性遮水保護マット2との不織布に、電極7の両電極群7−1、7−2を分離して、その間に遮水シート3を配置していることから、遮水シート3が破損していない正常状態では、導電性遮水保護マット2と導電性遮水保護マット12に分離して配備された電極7に電流の導通は無い。
【0067】
しかるに、遮水シート3に破損が発生した場合には、遮水シート3の破損部を流れ出ながら拡大流通を阻止されて滞留している漏出水を通じて、電極7の上層の電極群7−1と下層の電極群7−2との間に電流の導通を形成されることになり、電極7が接続されている上記実施の形態と同様の電気式破損部検出装置では、遮水シート3の破損部位における電流差の表示を顕著に表示することを可能にすることで、結果的に破損部確認の判定を容易にしている。
【0068】
さらに、本実施の形態では、導電性遮水保護マット12の不織布に透水係数(cm/s)1.E−06もしくは1.E−07以下の導電性不透水ゲル化物層6が形成されているので、上記粘性土13の敷設層の厚さは、導電性遮水保護マット12が保有している導電性不透水ゲル化物層6が形成する遮水層を勘案すると、従来の50cm以上に対して大幅に低減させることを可能にしており、50〜5cmの層厚であっても所定の遮水特性を確保できるものである。
【0069】
従って、上述した遮水シート3の上面における保護形態のように、保護土5の敷設層厚も、導電性遮水保護マットの透水係数(cm/s)を勘案して、従来のように50cm以上に設定せずに敷設構造を確保できる程度に確保すると同時に、粘性土の敷設層厚を、透水係数(cm/s)を勘案することで従来の50cm以上にすることなく、大幅に低減した5cm程度に設定することも可能にしており、施工時におけるコストの低減と工期の短縮も改善しているものである。
【0070】
図7(b)は、基盤の上に低透水層を介在させて遮水シートを敷設する施工形態に適用させた他の実施の形態である。
本実施の形態での遮水構造15は、基盤1の上に透水係数1.E−07以下の水密アスファルトコンクリート16を介在させて遮水シート3を敷設しているものであり、水密アスファルトコンクリート16と遮水シート3との間には、導電性遮水保護マット12を配置すると共に、遮水シート3の上面には、上記実施の形態と同様に導電性遮水保護マット2を配置して、保護土5を施工している。
【0071】
本実施の形態では、導電性遮水保護マット12と導電性遮水保護マット2との不織布に上記実施の形態と同様に、電極7の両電極群7−1、7−2を分離しながら、その間に遮水シート3を配置するようの構成することで、遮水シート3が破損していない正常状態では、導電性遮水保護マット2と、導電性遮水保護マット12に配備された電極7に電流の導通は無い。
【0072】
しかるに、遮水シート3に破損が発生した場合には、遮水シート3の破損部を流れ出ながら拡大流通を阻止されて滞留している漏出水を通じて、電極7の上層の電極群7−1と下層の電極群7−2との間に電流の導通を形成することになり、電極7が接続されている上記実施の形態と同様の電気式破損部検出装置では、遮水シート3の破損部位における電流差の表示を顕著に表示することを可能にすることで、結果的に破損部確認の判定を容易にしている。
【0073】
さらに、本実施の形態でも、導電性遮水保護マット12の不織布に形成する導電性不透水ゲル化物層6は、透水係数(cm/s)1.E−06もしくは1.E−07以下にしていることで、上記水密アスファルトコンクリート16の敷設層の厚さは、導電性遮水保護マット12が保有している導電性不透水ゲル化物層6による遮水層を勘案すると、5cm以下で構造体を形成できる程度にしても所定の遮水特性を充分に確保できるものである。
【0074】
従って、上述した実施の形態と同様に保護土を敷設構造が確保される程度の構造にすると同時に、水密アスファルトコンクリートの敷設層厚を、透水係数(cm/s)を勘案することで大幅に低減して構造体を形成できる程度に設定することを可能にし、施工時におけるコストの低減と工期の短縮を改善している。
【0075】
図7(c)は、遮水シートを間に中間保護層を挟んだ二重構造にした上で、基盤の上に直接敷設する施工形態に適用させた他の実施の形態である。
本実施の形態では、上下面に電極7を配置して導電性不透水ゲル化物層6を形成した不織布から成る導電性遮水保護マット2と導電性遮水遮水性保護マット12を配置した遮水シート17を基盤1の上に敷設し、この上に低透水性の中間保護層18を配置しながら、さらに同様の遮水シート17を敷設することで中間保護層18を間に挟んだ遮水シート17の二重構造体19を形成して遮水構造を構成している。
【0076】
又、二つの遮水シート17で構成されている二重構造体19の上には、廃棄物4から遮水シート17の二重構造体19を保護するために保護土5を施工している。
【0077】
本実施の形態で、保護土5側に配置される遮水シート17の導電性遮水保護マット2と導電性遮水保護マット12は、不織布から構成されることで遮水シート3側に導電性不透水ゲル化物層を形成しており、導電性遮水保護マット2と導電性遮水遮水性保護マット12の不織布に上記実施の形態と同様に、電極7の両電極群7−1、7−2を分離し、その間に遮水シート3を配置するように構成することで、遮水シート3が破損していない正常状態では、導電性遮水保護マット2と導電性遮水保護マット12に配備された電極7に電流の導通は無い。
【0078】
しかるに、保護土5側の遮水シート17に破損が発生した場合には、漏出水が遮水シート3の破損部を流れ出ながら拡大流通を阻止されながら滞留していることで、電極7の上層の電極群7−1と下層の電極群7−2との間に電流の導通を形成することになり、電極7が接続されている電気式破損部検出装置では、上記実施の形態と同様に遮水シート3の破損部位における電流差の表示を顕著に表示することを可能にして、結果的に破損部確認の判定を容易にしている。
【0079】
さらに、本実施の形態では、遮水シート17の上下面に配置された導電性遮水保護マット2と導電性遮水保護マット12に透水係数(cm/s)1.E−06もしくは1.E−07以下の導電性不透水ゲル化物層を形成することで、上述したように従来の保護マットと異なって有効な遮水層を追加的に形成しているものであるから、充分な遮水特性を確保できるものであり、上述した実施の形態と同様に保護土を敷設構造が確保できる程度にすると同時に、保護マットが保有している透水係数(cm/s)を勘案することで、遮水シートや中間保護層の材質や構造厚を見直すことを可能にしており、施工時におけるコストの低減と工期の短縮を大幅に改善しているものである。
【0080】
尚、上記実施の形態では、保護土5側の遮水シート17のみに電極7を配備して置き、この遮水シート17の破損を以て二重構造体19の破損と判定してきたが、中間保護層18の両側に配置されている両遮水シート17のそれぞれに電極7を配備して置くことも可能である。
【0081】
この場合には、保護土5側の遮水シート17が破損した場合に最初の警報を発信するが、中間保護層18の基盤側に配置されている遮水シート17側から継続して破損警報が発信されてこない場合には、破損部の修復対策に余裕を持って対処することが可能になる。しかるに、保護土5側の遮水シート17から発信される警報に連続して、中間保護層18の基盤側に配置される遮水シート17側からの破損警報が発信される場合には、早急な修復対策を講じる必要が発生するものであり、本形態の場合には、以上のような機能を活用することで多様な処置の採用を可能にするものである。
【0082】
次ぎに、本発明による破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造の施工法について説明する。本発明の施工法は、廃棄物処分場の基盤上に遮水層、保護マット及び保護土層を順次に積層して電気式破損部検出装置を備えた遮水構造の保護マットもしくは遮水層を構成している導電性遮水保護マットとして、電気式破損部検出装置の検知電極を配置した溶液の含浸可能な可撓性部材を配置し、次いで可撓性部材にシリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液を散布し、しかる後に活性シリカコロイド溶液に対する配合比を0.1重量%以上として活性シリカコロイド溶液の硬化材を散布することで可撓性部材中に導電性不透水ゲル化物層を生成して、可撓性部材は、導電性不透水ゲル化物層を所定の位置に保持することを特徴としている。
【0083】
以下に、本発明による施工法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図8は、本発明による遮水構造の施工法に関する実施の形態を示しており、不織布から成る導電性遮水保護マットに電極を配備させながら導電性不透水ゲル化物層を形成させるための工程図である。
【0084】
図8(a)では、廃棄物処分場における下地基地の整形を行った後の基盤1に敷設された遮水シート3の上に、電極7を配備させた不織布8を敷設しており、従来工法と同様に基盤1と遮水シートとの馴染みを良くしている。
【0085】
しかるに、本実施の形態では、これに次いで図8(b)のように不織布8の表面から活性シリカコロイド溶液9を散布しているが、散布する活性シリカコロイド溶液9は、所定の不透水性を確保するために活性シリカコロイド溶液に対するシリカ濃度を2%以上に配合調整されたASFシリカー4(旭電化工業(株)製、商品名)を用いている。
【0086】
又、本実施の形態では、これに継続させて図8(c)のように不織布8の表面から活性シリカコロイド溶液9の硬化材10を散布している。本実施の形態に用いる硬化材としては、ASFアクターM(旭電化工業(株)製、商品名)を用いており、活性シリカコロイド溶液9と硬化材10との反応によって活性シリカコロイド溶液9を増粘・ゲル化するものである。
【0087】
これによって生成される導電性不透水ゲル化物層6は、増粘・ゲル化することによって長期に亘る不透水機能と良導電性とを発揮するように形成されるが、ASFシリカー4(旭電化工業(株)製、商品名)とASFアクターNS(旭電化工業(株)製、商品名)もしくはASFアクターM(旭電化工業(株)製、商品名)を用いることで、活性シリカコロイド溶液に対する硬化材の配合比を0.1重量%以上にしたり、ゲル化物層のpHを2以下に構成することで、所定の不透水性に加えて電気伝導度を調整可能にしている。
【0088】
即ち、本導電性不透水ゲル化物層における透水係数(cm/s)は、活性シリカコロイド溶液におけるシリカ濃度の調整によって所望の値に設定されているものであり、活性シリカコロイド溶液に対するシリカ濃度を2%以上に配合することで、遮水構造に求められている透水係数(cm/s)である1.E−06以下に対応させており、必要な場合には、シリカ濃度を4.5%に配合することでその透水係数(cm/s)を1.E−07にすることも容易である。
【0089】
そして、図8(d)は、遮水シート3の上に不織布に導電性不透水ゲル化物層6を生成させて成る導電性遮水保護マットを形成することで、本発明による遮水構造の施工を完了させた基本的な形態を示しているが、導電性遮水保護マットに生成させる導電性不透水ゲル化物層6は、シリカコロイド粒の表面電荷層が硬化物によって破壊されることやシリカ溶液はpH6以下に成ると高伝導度を示すことを利用することで、硬化物の配合量の調整や硬化物によるpHの調整によって、そのゲルタイムを広範囲に亘って設定することが可能である。
【0090】
従って、導電性不透水ゲル化物層6を不織布7の如何なる位置に設置させるかは、活性シリカコロイド溶液8の浸透深さや硬化材9によるゲルタイムの調整によって任意に制御できるものである。
【0091】
このような調整は、導電性遮水保護マット2に形成させる導電性不透水ゲル化物層6の位置と厚さとを変化させて、例えば、遮水シート側に沿わせて薄く形成させることで漏出水の拡大を阻止しながら基盤1との馴染みを目的にするか、遮水シート側に沿わせるよりも厚く形成させることで拡大する漏出水の全てを一括遮水することを指向させるかを選択することで、導電性遮水保護マットの保護特性と遮水特性とを適宜に設定できるものである。
【0092】
以上の実施の形態で詳細に説明したように、本発明による破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造とその施工法は、上述したように構成されているので、導電性遮水保護マットに形成された導電性不透水ゲル化物層によって、破損部からの漏水が拡大することを阻止して外部へ浸透するのを防止すると同時に、電極間に改善された導通状態を形成させて漏水の検出精度を向上させるものであり、これによって、浸出水が外部に流出する前に破損部を修復することを可能にしている。
【0093】
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造とその施工法は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、活性シリカコロイド溶液やその硬化物の具体的な内容、電極の具体的な構成もしくは適用する施工法等については、本発明の上記の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然である。
【0094】
【発明の効果】
請求項1に記載の破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造は、廃棄物処分場の基盤上に遮水層、保護マット及び保護土層を順次に積層して電気式破損部検出装置を備えた破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造において、遮水層上に配置される保護マットを、溶液の含浸可能な可撓性部材と可撓性部材中に保持されるシリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液および活性シリカコロイド溶液の硬化材から成る導電性不透水ゲル化物層と、導電性不透水ゲル化物層中に配置した電気式破損部検出装置の検知電極とで構成することを特徴としているので、保護マットに導電性能と遮水性能を付与することで保護土と遮水層とに二重の遮水性能を確立して、遮水構造の損傷確率を下げながらコストを低減させると共に改善された導通状態を形成させて漏水の検出精度を向上させることができる効果を発揮している。また、シリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液を用いることで、遮水構造に求められている透水係数(cm/s)である1.E−06以下に対応させることができる。
【0095】
請求項2に記載の破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造は、廃棄物処分場の基盤上に遮水層、保護マット及び保護土層を順次に積層して電気式破損部検出装置を備えた破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造において、遮水層を構成している遮水シートの下に配置される導電性遮水保護マットが、溶液の含浸可能な可撓性部材と可撓性部材中に保持されるシリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液および活性シリカコロイド溶液の硬化材から成る導電性不透水ゲル化物層と、導電性不透水ゲル化物層中に配置した電気式破損部検出装置の検知電極とで構成されることを特徴としているので、保護マットに導電性能と遮水性能を付与することで遮水層に二重の遮水性能を確立させて基盤と遮水シートとの遮水性能を向上させて遮水層の施工コストを低減させると共に、遮水シートが破損しても導電性遮水保護マットによって漏洩する浸出水の浸透を拡大させずに改善された導通状態を形成させて漏水の検出精度を向上させることができる効果を発揮している。また、シリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液を用いることで、遮水構造に求められている透水係数(cm/s)である1.E−06以下に対応させることができる。
【0096】
請求項3に記載の破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造は、請求項2に記載の遮水構造において、保護マットを、溶液の含浸可能な可撓性部材と可撓性部材中に保持される活性シリカコロイド溶液および活性シリカコロイド溶液の硬化材から成る導電性不透水ゲル化物層と、導電性不透水ゲル化物層中に配置した電気式破損部検出装置の検知電極とで構成することを特徴としているので、上記効果に加えて、保護マットにも導電性能と遮水性能を付与することで遮水層に三重の遮水性能を確立させて遮水層の施工コストを低減させると共に、電気式破損部検出装置の検知電極を遮水シートの両側に配置させて遮水シートが破損した際に検知電極間の電流値を顕示させることで検出精度を向上させることができる効果を発揮している。この場合、活性シリカコロイド溶液が、シリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液で構成されることで、遮水構造に求められている透水係数(cm/s)である1.E−06以下に対応させることができる。
【0097】
請求項4に記載の破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至3のいずれかに記載の遮水構造において、遮水層を、遮水シートと遮水シートと基盤間に敷設される低透水層とで構成することを特徴としているので、上記効果に加えて、遮水シートが破損しても漏洩する浸出水の浸透を拡大させずに遮水層の遮水性能を向上させて低透水層の施工コストを低減させると共に、改善された導通状態を形成させて漏水の検出精度を向上させることができる効果を発揮している。
【0098】
請求項5に記載の破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至3のいずれかに記載の遮水構造において、遮水層を、上下二重の遮水シート層と遮水シート層の間に配置された中間保護層で構成することを特徴としているので、上記効果に加えて、遮水シートが破損しても漏洩する浸出水の浸透を拡大させずに遮水層の遮水性能を向上させて遮水層の施工コストを低減させると共に、改善された導通状態を形成させて漏水の検出精度を向上させることができる効果を発揮している。
【0099】
請求項6に記載の破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1に記載の遮水構造において、遮水層を、上下二重の遮水シート層と遮水シート層の間に配置された中間保護層及び遮水シート層の上下に配置される導電性遮水保護マットとで構成し、導電性遮水保護マットを、溶液の含浸可能な可撓性部材と可撓性部材中に保持される活性シリカコロイド溶液および活性シリカコロイド溶液の硬化材から成る導電性不透水ゲル化物層と、導電性不透水ゲル化物層中に配置した電気式破損部検出装置の検知電極とで構成することを特徴としているので、上記効果に加えて、遮水層に三重以上の遮水性能を確立させて遮水層の施工コストを低減させると共に、導電性不透水ゲル化物層中に配置した検知電極を各遮水シート層の上下に配置させて、遮水シートが破損しても漏洩する浸出水の浸透を拡大させずに改善された導通状態を形成させて漏水の検出精度を向上させることができる効果を発揮している。この場合、活性シリカコロイド溶液が、シリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液で構成されることで、遮水構造に求められている透水係数(cm/s)である1.E−06以下に対応させることができる。
【0100】
請求項8に記載の破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至7のいずれかに記載の遮水構造において、導電性不透水ゲル化物を、シリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液に対する硬化材の配合比を0.1重量%以上にして構成することを特徴としているので、上記効果に加えて、優れた遮水性能と導電性能とを確立させている導電性不透水ゲル化物層の生成を確実にさせることができる効果を発揮している。
【0101】
本発明による破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造の施工法は、請求項1乃至8のいずれかに記載の破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造の施工法であって、廃棄物処分場の基盤上に遮水層、保護マット及び保護土層を順次に積層して電気式破損部検出装置を備えた遮水構造の保護マットもしくは遮水層を構成している導電性遮水保護マットとして、電気式破損部検出装置の検知電極を配置した溶液の含浸可能な可撓性部材を配置し、次いで可撓性部材にシリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液を散布し、しかる後に活性シリカコロイド溶液に対する配合比を0.1重量%以上として活性シリカコロイド溶液の硬化材を散布することで可撓性部材中に導電性不透水ゲル化物層を生成して、可撓性部材は、導電性不透水ゲル化物層を所定の位置に保持するものであり、電気式破損部検出装置の検知電極を配置した保護マットもしくは導電性遮水保護マットの優れた遮水性能と導電性能とを確立させている導電性不透水ゲル化物層の生成を容易にして施工コストの低減と施工効率の向上を図ることができる効果を発揮している。
【図面の簡単な説明】
【 図1】本発明による破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造に関する実施の形態を示す断面図
【 図2】本発明による破損部を検出できる廃棄物処分場の他の遮水構造に関する実施の形態を示す断面図
【 図3】本発明に用いるゲル化物層のシリカ濃度と透水係数の関連図
【 図4】本発明に用いるゲル化物層の電気伝導度の変化図
【 図5】本発明の破損部を検出する遮水構造における破損部の検出状態図
【 図6】本発明による廃棄物処分場の破損部を検出する遮水構造の他の実施形態を示す断面図
【 図7】本発明による廃棄物処分場の破損部を検出する遮水構造の他の実施形態を示す断面図
【 図8】本発明による破損部を検出する遮水構造の施工法の工程を示す断面図
【 図9】従来の廃棄物処分場の遮水構造を示す断面図
【 図10】従来の廃棄物処分場における破損部検出例図
【符号の説明】
1 基盤、 2、12 導電性遮水保護マット、 3 遮水シート、
4 廃棄物、 5 保護土、 6 導電性不統帥ゲル化物層、
7 電極、 7−1 上層の電極群、 7−2 下層の電極群、 8 不織布、
9 活性シリカコロイド溶液、 10 硬化材、 11、15 遮水構造、
13 粘性土、 16 水密アスファルトコンクリート、 17 遮水シート、
18 中間保護層、 19 二重構造体、 20 漏水検知システム、
21 遮水シート、 22 基準電極、 23〜26 検知電極群、
27 電気式破損部検出装置、
A 遮水シート、 B 低透水層、 C 中間保護層、
▲1▼下地基地の整形、 ▲2▼ 遮水シートAの上下面への保護マットの施工、
▲3▼ 保護土の施工、

Claims (10)

  1. 廃棄物処分場の基盤上に遮水層、保護マット及び保護土層を順次に積層して電気式破損部検出装置を備えた破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造において、遮水層上に配置される保護マットが、溶液の含浸可能な可撓性部材と該可撓性部材中に保持されるシリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液および活性シリカコロイド溶液の硬化材から成る導電性不透水ゲル化物層と、該導電性不透水ゲル化物層中に配置した電気式破損部検出装置の検知電極とで構成されることを特徴とする破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造。
  2. 廃棄物処分場の基盤上に遮水層、保護マット及び保護土層を順次に積層して電気式破損部検出装置を備えた破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造において、遮水層を構成している遮水シートの下に配置される導電性遮水保護マットが、溶液の含浸可能な可撓性部材と該可撓性部材中に保持されるシリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液および活性シリカコロイド溶液の硬化材から成る導電性不透水ゲル化物層と、該導電性不透水ゲル化物層中に配置した電気式破損部検出装置の検知電極とで構成されることを特徴とする破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造。
  3. 保護マットが、溶液の含浸可能な可撓性部材と該可撓性部材中に保持される活性シリカコロイド溶液および活性シリカコロイド溶液の硬化材から成る導電性不透水ゲル化物層と、該導電性不透水ゲル化物層中に配置した電気式破損部検出装置の検知電極とで構成されることを特徴とする請求項2に記載の破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造。
  4. 遮水層が、遮水シートと該遮水シートと基盤間に敷設される低透水層とで構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造。
  5. 遮水層が、上下二重の遮水シート層と該遮水シート層の間に配置された中間保護層で構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造。
  6. 遮水層が、上下二重の遮水シート層と該遮水シート層の間に配置された中間保護層及び該遮水シート層の上下に配置される導電性遮水保護マットとで構成され、該導電性遮水保護マットが、溶液の含浸可能な可撓性部材と可撓性部材中に保持される活性シリカコロイド溶液および活性シリカコロイド溶液の硬化材から成る導電性不透水ゲル化物層と、導電性不透水ゲル化物層中に配置した電気式破損部検出装置の検知電極とで構成されることを特徴とする請求項1に記載の破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造。
  7. 活性シリカコロイド溶液が、シリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液で構成されることを特徴とする請求項3または6に記載の破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造。
  8. 導電性不透水ゲル化物が、シリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液に対する硬化材の配合比を0.1重量%以上にして構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造の施工法であって、廃棄物処分場の基盤上に遮水層、保護マット及び保護土層を順次に積層して電気式破損部検出装置を備えた遮水構造の保護マットもしくは遮水層を構成している導電性遮水保護マットとして、電気式破損部検出装置の検知電極を配置した溶液の含浸可能な可撓性部材を配置し、次いで該可撓性部材にシリカ濃度2%以上の活性シリカコロイド溶液を散布し、しかる後に活性シリカコロイド溶液に対する配合比を0.1重量%以上として活性シリカコロイド溶液の硬化材を散布することで該可撓性部材中に導電性不透水ゲル化物層を生成させることを特徴とする破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造の施工法。
  10. 可撓性部材が、導電性不透水ゲル化物層を所定の位置に保持することを特徴とする請求項9に記載の破損部を検出できる廃棄物処分場の遮水構造の施工法。
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