JP4572012B2 - 遮水構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として廃棄物の最終処分場において、埋立地及び浸出水調整池(以下「貯留槽」と記す)からの廃棄物の保有水及び雨水等(以下「浸出水」と記す)の漏洩による公共の水域及び地下水の汚染を防止する遮水構造の改良に関する。尚、対象物としては廃棄物の最終処分場に限定されるものではなく、農業用溜池や修景池等の貯留構造物に適用可能である。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の遮水構造としては、例えば、地山の上に所定の透水係数以下のアスファルトコンクリートを敷設し、更にその上に、遮水シートを敷設してなるものが提案されているが、この遮水構造によれば、上下に2重の遮水層を形成しているため、遮水シートの損傷により浸出水が漏洩したとしても、当該漏洩した浸出水を更にアスファルトコンクリートによって遮水することができ、単一の遮水層からなる遮水構造に比べて、遮水性能に優れる。
【0003】
また、この遮水構造では、貯留槽の内容物(埋立廃棄物、保護層、覆土層、浸出水等)中に内部電極を設置し、かつ、地山側に外部電極を設置した遮水層の破損を検知する手段を備えているため、絶縁体である遮水シート及びアスファルトコンクリートの損傷により、絶縁が壊れて内外の電極が電気的に導通すると、破損が発生したことが検知されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、貯留槽からの浸出水の漏洩はたとえ僅かであっても許容されないという社会のニーズに照らしてみると、かかる遮水構造の問題点として、遮水シートとアスファルトコンクリート間に導電性層を設けていない点、又は導電性層を設けた場合に遮水シートとアスファルトコンクリートとの密着性が確保できない点が挙げられる。
【0005】
即ち、遮水シートとアスファルトコンクリート間に導電性層を設けない場合は、遮水層の破損を電気的に検知する手段が設けられていても、遮水シートとアスファルトコンクリートの両方が破損し、破損部に浸出水や貯留槽内容物等が入り、貯留槽内外に電流路が形成されてはじめて破損が検知できることになる。この結果、破損を検知した時には既に貯留槽から浸出水が漏洩している可能性が高い。よって、貯留槽からの浸出水の漏洩を未然に確実に防止できるものではなく、実質的に検知手段としての機能を果たしているとはいえず、そのため、2重の遮水層を形成した意義が減殺されることとなっていた。
【0006】
一方、遮水シートとアスファルトコンクリート間に導電性マット等を敷設した場合は、遮水シートとアスファルトコンクリート間の密着性が阻害されるため、遮水シートの損傷箇所から浸出した汚染水は、遮水シートとアスファルトコンクリート間に導電性マット等を敷設したことによって生じる隙間領域に容易に拡散してしまい、アスファルトコンクリートに不可避的にできる遮水上の弱点部分(施工ジョイント部や基礎地盤の沈下変形によるクラック箇所等)を通って貯留槽から外部へと漏洩する場合、或いは浸出水がアスファルトコンクリート上面の広い範囲に広がることによるアスファルトコンクリートを通過する漏水量の増加が生じていた(透水係数が零でない限り、透水量は浸出水に接している面積に比例する)。
【0007】
そこで、本発明の目的は、遮水層破損時の早期検知により貯留槽からの浸出水の漏洩を未然に防止し、これにより、公共の水域及び地下水の汚染の生じない遮水構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る遮水構造は、上部遮水層である遮水シートの下であって下部遮水層であるアスファルトコンクリートの上に、面状導電性層を前記遮水シート及び前記アスファルトコンクリートに対し密着させて設け、前記面状導電性層を遮水シート及びアスファルトコンクリート或いはそのいずれかの破損を電気的に検知するための電極として利用したことを特徴としている。
【0009】
即ち、本発明は、上部遮水層(遮水シート)と下部遮水層(アスファルトコンクリート)との間に、面状の導電性層を設け、この導電性層を電極として利用しているので、上部遮水層に破損が発生した場合、破損部に浸出水等が流入することにより、埋立地内と導電性層間に電流路が形成されることにより電流が流れ、上部遮水層の破損を検知する。更に破損位置を検知するための電極が上部遮水層上面又は下面であって下部遮水層上面に設置されている場合は同時に破損位置を特定する。
【0010】
同様にして下部遮水層に破損が発生した場合、破損部に地下水等が流入することにより、埋立地外と導電性層間に電流路が形成されることにより電流が流れ、下部遮水層の破損を検知する。更に破損位置を検知するための電極が下部遮水層下面又は上面であって上部遮水層下面に設置されている場合は同時に破損位置を特定する。このように、上下遮水層に破損が別々或いは同時に破損が生じた場合、速やかに破損発生と破損位置を検知することにより、貯留槽からの浸出水の漏水を未然に防止、ひいては公共の水域及び地下水の汚染の防止を構成するものである。
【0011】
このような技術的手段において、前記導電性層としては、遮水層の破損を検知する導電性を具備するものであれば、材料(例えば導電性を有する導電性シート類、導電性粉体を含むアスファルト系材料又は導電性粉体を含む合成樹脂系材料など)、形態(例えばシート状、層状など)が何であるかは問わない。また、前記導電性層が前記遮水シート及び前記アスファルトコンクリートに対し密着されたことによって、貯留槽からの浸出水の漏洩確率及び上部遮水層或いは下部遮水層が万一破損した場合の漏水量を更に低減できる。
【0012】
ここでいう密着といえるためには、仮に遮水シートが損傷した場合であっても、導電性層と遮水シートとの間や当該導電性層とアスファルトコンクリートとの間において浸出水の拡散が生じない程度にこれらが重ね合わされている状態でなければならない。この意味では、これらの間に隙間領域が存在してはならないが、必ずしもこれらが接着剤を介して又は分子間結合などによって一体化した状態になっていることまでは要求されない。
【0013】
この場合において、アスファルトコンクリートの弱点部分を補強しようとする観点からすれば、前記アスファルトコンクリートの上に、瀝青系材料或いは塗料系材料からなる保護層を設けることが好ましい。
【0014】
ここで、保護層とは、アスファルトコンクリートの弱点部分に係る目地や亀裂等を塞ぐことにより浸出水が貯留槽の外部に漏洩する事態を未然に防止でき、更に、施工基盤の沈下等に起因する前記目地や亀裂等の後発的変動にある程度追随できるものをいう。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1の表は、本発明の遮水構造における複数の実施の形態(同表の上欄に掲げる類別に従い同表の下欄に掲げる材料の中から任意に選択した複数の態様)を示したものであるが、本発明はこれらに限定されるものでない。
導電性層は、比抵抗値を103Ω・m以下に、更に望ましくは10-1〜101 Ω・m程度になるように形成できれば、いずれの材料を用いて構築してもよい。
【0016】
これらの実施の形態は、いずれも、遮水層の破損を検知する導電性層を具備しているだけでなく、この導電性層が上部遮水層及び下部遮水層に対し密着されている。更に瀝青系材料或いは塗料系材料からなる保護層を具備することもできる。
【0017】
ここで、同表において、導電性層の使用材料のうち、導電性シート類とは、導電性を有する材料を原料に使用して、これをシート状などの面状に成形加工したものを意味する。
一般に、導電性シート類には、原料に用いた導電性材料の材質と形状、製造方法及び加工された形状の違いなどにより各種の製品がある。
導電性層に使用する導電性シート類は、原料の導電性材料には導電性を有する各種の材料が使用できるが、炭素繊維及びこれを粉砕した粉末を用いると安価で好適である。また製造方法には、炭素繊維の原糸を積み重ねたマット状集綿体又は不織布を製造する、炭素繊維の粉末を母材(各種の合成樹脂系材料又はゴム系材料など)に練り混んでシート状に成型する、或いは、炭素繊維の原糸と炭素バインダ又は有機系バインダを用いて湿式に漉いてペーパー状に成型するなどがあるがいずれの方法であってもよい。尚、本発明の導電性層に使用する導電性シート類は、別段これらに限ることなく、前述の比抵抗値を満足するものであればいずれの導電性シート類でも使用できる。但し、導電性層として設置した場合に、遮水シート及びアスファルトコンクリートに対して密着できることが好ましい。
【0018】
導電性層を導電性シート類を用いて設置する場合は、被設置面の上にアスファルトマスチック、カットバックアスファルト、アスファルト乳剤等の必要量を塗布又は散布し、その上に導電性シート類を敷設することで被設置面に接着固定する。尚、ここでいうカットバックアスファルトとは、35〜45重量%のアスファルトを、残余の重量%のガソリンやトルエン等の溶剤で希釈したもの、を意味する。
【0019】
一方、導電性層を導電性粉体入りアスファルトマスチック又は導電性粉体入り合成樹脂系マスチックを用いて設置する場合は、施工厚さを0.2〜2.5mmの範囲から選択して、被設置面上に塗布又は吹き付けして設置する。尚、これらのマスチックに配合する導電性粉体としては、炭素繊維を細断した粉体、カーボンブラックの粉体、銀若しくは銅若しくはニッケルなどの金属の粉体のいずれかから選択すれば良い。但し別段これに限ることなく、導電性を有する粉体であればいずれでも良い。
【0020】
また、同表において、保護層を設ける場合は、使用材料を同表の保護層の瀝青系材料或いは合成樹脂系材料の欄に表示された材料から選択し、施工厚さ0.2〜2.5mmの範囲から選択して、塗布又は吹き付け施工する。
【0021】
他方、保護層を設けない場合であっても導電性層に使用する材料は、同表の導電性層の欄に表示された材料のいずれか一つを選択すれば良いが、ここで導電性粉体入りアスファルトマスチック又は導電性粉体入り合成樹脂系マスチックのいずれかを選択し、施工厚さ0.2〜2.5mmの範囲内で厚めの施工厚さを選択し、下部遮水層の上面に塗布又は吹き付け施工して導電性層を設置すれば、保護層を設けない場合であっても導電性層を厚くしたことで、保護層と同様な機能を付加することができる。
【0022】
尚、これらの実施の形態の中では、下部遮水層としてアスファルトコンクリートを、保護層として瀝青系材料のうちアスファルトマスチックを、導電性層として導電性シート類を、上部遮水層としてアスファルト系の遮水シートを、それぞれ選択した実施の形態が、施工容易であり遮水性能に優れていることが確認されている。
【0023】
ここでは、下部遮水層としてアスファルトコンクリートを、保護層として瀝青系材料のうちアスファルトマスチックを、導電性層として導電性粉体入りアスファルトマスチックを、上部遮水層としてアスファル系の遮水シートを、それぞれ選択した実施の形態について更に詳しく説明する。尚、保護層を設けない場合には、導電性層の導電性粉体入りアスファルトマスチック層を厚くすることで保護層と同様な機能を付加することができる。
【0024】
即ち、この実施の形態に係る遮水構造は、図2及び図3に示すように、保護砂Sによって被覆された上部遮水層である遮水シート1の下であって、砕石基盤K上に敷設された下部遮水層たるアスファルトコンクリート2の上に、瀝青系材料或いは塗料系材料のいずれかからなる保護層を設ける。ここでは瀝青系材料としてアスファルトマスチック3を使用した。このアスファルトマスチック3上に遮水層の破損を検知する導電性を確保した導電性層たる導電性粉体入りアスファルトマスチック4を設けてなるものである。尚、保護層は、アスファルトマスチック3の代わりに合成樹脂系材料としても良い。また、導電性層は、導電性粉体入り合成樹脂系マスチックとしても良い。
【0025】
当該導電性粉体入りアスファルトマスチック4は、遮水シート1に対して密着されていると共に、アスファルトコンクリート2に対してもアスファルトマスチック3を介して密着されている。尚、遮水シート1を被覆する手段として、保護砂Sに代えて又は保護砂Sと共に、遮光性を有する不織布その他の物を用いてもよい。或いは、透水性を小さくした粘性土を用いてもよい。
【0026】
この実施の形態において、遮水シート1としては、アスファルト系の材料からなるものを用いることとしているが、所定の遮水性能を発揮するものであれば、何の材料を用いるかは問わず、上述したように、例えばゴム系、ウレタン系、ビニール系、ポリエチレン系の材料などを用いることができる。
【0027】
但し、アスファルト系のシートを用いた場合、導電性粉体入りアスファルトマスチック4に対して熱溶着をすることが可能となり、分子間結合が生じて遮水シート1と導電性粉体入りアスファルトマスチック4とが一体化するため、上部遮水層と導電性層の密着性を相当に高めることができる利点がある。
【0028】
また、アスファルトコンクリート2としては、厚さが5cm以上、透水係数が1×10-7cm/sec以下に設定されたものを用いている。下部遮水層としての遮水性能を充分に発揮できるようにするためである。この厚さ及び透水係数は、平成10年6月17日に施行された「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係わる技術上の基準を定める命令の一部を改正する命令」で定める基準に合致したものとなっている。
【0029】
尚、砕石基盤Kの剛性、平坦性を充分に確保することとし、これにより、アスファルトコンクリート2のジョイント部等に弱点部分が可能な限りできないようにしている。しかし、不可避的に弱点部分ができる場合もあるので、この実施の形態では、保護層として、アスファルトマスチック3を設けている。
【0030】
保護層に使用するアスファルトマスチック3は、アスファルトを35〜45重量%、石粉を65〜50重量%、流動防止材(ケイ酸マグネシウム、ロックウールなど)を0〜5重量%の各々の範囲から選択した配合を用いて、アスファルトコンクリート2上に厚さ1.0mm及び2.0mmで各々塗布又は吹き付け施工したものである。即ち、このアスファルトマスチック3は、アスファルトコンクリート2に対し密着されている。尚、このアスファルトマスチック3の代わりに、アスファルト乳剤やカットバックアスファルトなどを用いることができる。更に、これら瀝青系材料でなく、合成樹脂系材料を用いることもできる。
【0031】
また、導電性層に使用する導電性粉体入りアスファルトマスチック4は、導電性を有する粉体(ここでは、炭素繊維の粉末を使用した)を10〜60重量%、石粉を50〜5重量%、アスファルトを30〜55重量%、流動防止材(ケイ酸マグネシウム、ロックウールなど)を0〜5重量%の各々の配合の範囲から選択してなるものを用いていて、保護層のアスファルトマスチック3上に厚さ1.0mm及び2.0mmで各々塗布又は吹き付け施工したものである。即ち、この導電性粉体入りアスファルトマスチック4は、遮水シート1に対して密着されているだけでなく、保護層のアスファルトマスチック3に対しても密着されている。
【0032】
尚、導電性粉体入りアスファルトマスチック4の代わりに導電性粉体入り合成樹脂系マスチックを用いる場合は、導電性を有する粉体を10〜40重量%、合成樹脂を60〜90重量%の各々の配合の範囲から選択してなるものを用いて、保護層の上に厚さ0.2〜2.5mmで塗布又は吹き付け施工すると良い。
【0033】
更にまた、この実施の形態に係る遮水構造では、電気絶縁性を有する遮水層の破損を電気的に検知する装置(図示外)、例えば、特許第2026720号「遮水構造物の漏水検知方法」、特許第2782399号「遮水構造物」、特開平4−134237「漏水検知方法」を適用することにより、遮水層の破損を速やかに検知可能となる。また、検知方法としてはこれらの方法に限らず、遮水層の電気絶縁性を利用した電気的な破損検知方法であれば同様の効果が期待できる。
【0034】
次に、この実施の形態に係る遮水構造の作用について図2及び図3を用いて説明する。
【0035】
今、絶縁体である遮水シート1に破損が発生し、浸出水等(例えば、埋立された廃棄物、保護土、雨水、保有水)が当該損傷箇所に流入し導電性層である導電性粉体入りアスファルトマスチック4の表面に到達すると、埋立地内と導電性粉体入りアスファルトマスチック4の間に電流路が形成され、導通状態となる。これによって遮水シート1の破損の存在が電気的な破損検知装置によって検知される。
【0036】
同様に、アスファルトコンクリート2が破損した場合も、この破損部に地下水等が流入し、導電性層である導電性粉体入りアスファルトマスチック4に接触すると、貯留槽外部と導電性粉体入りアスファルトマスチック4間に電流路が形成され、導通状態となり、アスファルトコンクリート2の破損の存在が、電気的な破損検知装置によって検知される。
【0037】
これにより、貯留槽から外部に漏洩する前のタイミングにおいて遮水層の破損の検知ができ、その結果、貯留槽からの浸出水の漏洩を未然に防止する措置、例えば補修や監視等をとることが可能になる。
【0038】
この後、当該上部遮水層の破損箇所を通った浸出水は、遮水シート1と導電性層である導電性粉体入りアスファルトマスチック4との密着によって平面方向に広がるべき隙間領域が存在せず、また、当該損傷箇所に係る導電性層4、及び当該損傷箇所に係らない遮水シート1によって遮水されるため、導電性層4の表面から外部へと漏洩することは殆どない。
【0039】
ここで、仮に損傷が遮水シート1だけに止まらず、導電性層4及び保護層3を含むケースを想定してみると、このケースでは、保護層3とアスファルトコンクリート2との密着によって当該汚染水とアスファルトコンクリート2との接触面積が相当に狭く限定されるため、アスファルトコンクリート2の透水係数が小さいことからこの透水層を透過して漏水する量は極めて少ないこと、更に当該接触範囲にアスファルトコンクリート2の前記弱点部分(施工ジョイント部や基礎地盤の沈下変形によるクラック箇所等)が存在する確率はかなり低いと考えられることから、当該浸出水がアスファルトコンクリート2表面から外部へと更に漏洩することは殆どないといえる。
【0040】
即ち、この実施の形態では、導電性層である導電性粉体入りアスファルトマスチック4及びアスファルトマスチック3からなる保護層を遮水シート1及びアスファルトコンクリート2に対し密着させたため、遮水シート1と導電性層4との隙間領域や、アスファルトコンクリート2と保護層3との隙間領域に浸出水が拡散するようなことがなく、浸出水が、アスファルトコンクリート2の前記弱点部分と接触する機会等が少なくなり、その結果、貯留槽からの浸出水の漏水量或いは漏水確率を低減することが可能になる。
【0041】
尚、たとえ浸出水が拡散した範囲内にアスファルトコンクリート2の前記弱点部分が存在したとしても、この実施の形態では、保護層としてのアスファルトマスチック3によって当該弱点部分に係る目地や亀裂等が塞がれていて補強されているので、当該浸出水が貯留槽の外部にまで漏洩する可能性は実際上殆どないと考えられる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る遮水構造によれば、上部遮水層である遮水シートの下であって下部遮水層であるアスファルトコンクリートの上に、遮水層の破損を電気的に検知するための導電性層を設けて、破損時の早期検知により貯留槽からの浸出水の漏洩を未然に防止することとしたので、公共の水域及び地下水の汚染の生じない遮水が可能となる。
【0043】
この場合において、前記導電性層として、前記遮水シート及び前記アスファルトコンクリートに対し密着されたものを用いれば、貯留槽からの浸出水の漏水量、或いは漏水確率を更に低減することが可能になる。
【0044】
また、前記アスファルトコンクリートの上に、瀝青系材料或いは塗料系材料からなる保護層を設けたものを用いれば、アスファルトコンクリートの弱点部分を補強することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遮水構造における複数の実施の形態を示す表である。
【図2】本発明の遮水構造における一実施の形態の概略を示す断面図である。
【図3】本発明の遮水構造における一実施の形態の詳細を示す断面図である。
【符号の説明】
1…上部遮水層(遮水シート)
2…下部遮水層(アスファルトコンクリート)
3…保護層(アスファルトマスチック)
4…導電性層(導電性粉体入りアスファルトマスチック)
K…砕石基盤
S…保護砂
Claims (2)
- 上部遮水層である遮水シートの下であって下部遮水層であるアスファルトコンクリートの上に、
面状導電性層を前記遮水シート及び前記アスファルトコンクリートに対し密着させて設け、前記面状導電性層を遮水シート及びアスファルトコンクリート或いはそのいずれかの破損を電気的に検知するための電極として利用した
ことを特徴とする、遮水構造。 - 前記アスファルトコンクリートの上に、瀝青系材料或いは合成樹脂系材料からなる保護層を設けた
ことを特徴とする、請求項1に記載の遮水構造。
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