JP3974068B2 - プレーナー型電磁アクチュエータ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外側及び内側可動板からなる可動部に薄膜磁石を有する構造の二次元動作をするプレーナー型電磁アクチュエータに関し、特に、この種のアクチュエータの製造を容易にし、小型化を可能にする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプレーナー型電磁アクチュエータには、揺動可能に軸支され薄膜磁石を設けた可動部に対して外部から交番磁界を作用して薄膜磁石の発生する磁界と交番磁界の相互作用により可動部を揺動させるようにしたものがある。
【0003】
この種のプレーナー型電磁アクチュエータの構成は、例えば図9に示すように、半導体基板1に外側トーションバー2で揺動可能に軸支された枠状の外側可動板3と、該外側可動板3に上記外側トーションバー2の軸方向に直交する内側トーションバー4で揺動可能に軸支された内側可動板5と、を一体的に形成し、該内側可動板5の中央部に設けた反射ミラー6を囲むようにして、枠状の薄膜磁石7を形成している。さらに、可動部の側方周囲の半導体基板1上面には、外側可動板3を駆動するための平面コイル8A,8Bと、内側可動板5を駆動するための平面コイル9A,9Bが相対する位置に形成されている。また、半導体基板1の上下面に陽極接合する上側及び下側ガラス基板10,11がそれぞれ可動部の揺動を確保するための溝10A,11Aを設けた構成である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上述のプレーナー型電磁アクチュエータは、平面コイル8A,8Bに電流を流すと該平面コイル8A,8Bに電磁界が発生し、該電磁界と上記薄膜磁石7の磁界との相互作用により外側可動板3が外側トーションバー2の回りに揺動する。また、平面コイル9A,9Bに電流を流すと該平面コイル9A,9Bに発生する電磁界と上記薄膜磁石7の磁界との相互作用により内側可動板5が内側トーションバー4の回りに揺動する。これにより、上記プレーナー型電磁アクチュエータは、可動部を二つのトーションバーの軸回りに揺動させ、反射ミラー6で光ビームを二次元走査する。
【0005】
さらに別のプレーナー型電磁アクチュエータには、例えば図10に示す構成を有するものがある(例えば、非特許文献1参照)。図10のプレーナー型電磁アクチュエータは、トーションバー12で揺動可能に軸支された反射ミラーの可動部13に薄膜磁石7を形成し、該薄膜磁石7の磁化Mの方向を上記トーションバー12の軸方向に直交する方向で可動部13の面に平行となるように着磁した構成を有している。そして、上記可動部13の法線方向に配置したコイル14により交番する外部磁界Hを発生して可動部13に対して作用させ、上記薄膜磁石7の発生する磁界と上記外部磁界Hの相互作用により可動部13を揺動させるようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特許第2722314号公報
【非特許文献1】
電気学会研究会、マイクロマシン研究会、MM-99-34,P71-74(1999)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来のプレーナー型電磁アクチュエータにおいては、例えば前者の場合は、外側及び内側可動板3,5を駆動させる平面コイル8A,8B及び9A,9Bを図8に示すように可動部の側方周囲に設置しており、小型化が困難であった。
【0008】
また、後者の場合は、可動部13の法線方向の部位にコイル14を配置しており、プレーナー型電磁アクチュエータの小型化が可能である。しかしながら、後者は、薄膜磁石7の磁化方向をトーションバー12の軸方向に直交する方向としているため、後者の構成を例えば図8のような二次元タイプのプレーナー型電磁アクチュエータに適用しようとした場合には、図11に示すように、外側及び内側可動板3,5にそれぞれ薄膜磁石7a,7bを形成し、薄膜磁石7aの磁化方向を外側トーションバー2の軸方向に直交する方向とし、薄膜磁石7bの磁化方向を内側トーションバー4の軸方向に直交する方向となるようにして、外側と内側で磁化方向を変える必要がある。したがって、薄膜磁石7a,7bをそれぞれ別工程で形成しなければならず、薄膜磁石7の製造工程が2工程となるためプレーナー型電磁アクチュエータの製造に手間と時間がかかる問題がある。
【0009】
そこで、本発明は上記問題点に着目してなされたもので、外側及び内側可動板からなる可動部に形成する薄膜磁石の製造工程を簡略化して製造を容易にし、小型化を可能にするプレーナー型電磁アクチュエータを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このために、請求項1の発明は、外側トーションバーで軸支した枠状の外側可動板と、該外側可動板に前記外側トーションバーの軸方向に直交する内側トーションバーで軸支した内側可動板とを備えた可動部に薄膜磁石を設け、前記可動部に対して該可動部の法線方向に配置した外部磁界発生手段により交番磁界を作用させ、前記薄膜磁石の磁化と外部磁界発生手段の磁界の相互作用により前記可動部を駆動する構成のプレーナー型電磁アクチュエータであって、前記薄膜磁石の磁化方向が前記外側及び内側トーションバーの各軸方向に対して非平行であると共に一方向で、且つ可動部に対して平行となるように前記薄膜磁石を形成した。
【0011】
このような構成により、外側及び内側可動板を備える可動部に磁化方向が外側及び内側トーションバーの各軸方向に対して非平行であると共に一方向で、且つ可動部に対して平行となるように形成した薄膜磁石に対して、外部磁界発生手段で可動部の法線方向に交番磁界を作用させ、上記薄膜磁石の磁化と外部磁界発生手段の磁界の相互作用により可動部を2軸回りに駆動する。これにより、薄膜磁石の製造工程を1工程で行えるようにし、二次元動作をするプレーナー型電磁アクチュエータの製造を容易にする。また、外部磁界発生手段を可動部の法線方向に配置することで、プレーナー型電磁アクチュエータを小型化できるようになる。
【0012】
本発明のプレーナー型電磁アクチュエータは、具体的には請求項2のように、前記薄膜磁石は、前記可動部の表裏面の少なくとも一方に設けるとよい。また、前記薄膜磁石は、請求項3のように前記外側及び内側可動板の少なくとも一方に設けてもよい。
【0013】
また、前記外部磁界発生手段は、請求項4のように異なる二つの周波数の交番磁界を同時に発生する構成とするとよい。具体的には、前記外部磁界発生手段は、請求項5のようにコイル型電磁石で構成するとよい。この場合、請求項6のように前記コイル型電磁石のコイルに、前記外側及び内側可動板の共振周波数の駆動電流を重畳して供給する構成とするとよい。
【0014】
請求項7の構成の場合においては、前記可動部の少なくとも内側可動板の周縁部に敷設した検出コイルと、前記可動部を間にして互いに反対磁極を対向して配置した静磁界発生手段と、前記内側可動板が静磁界中で揺動することによって前記検出コイルに発生する誘起電圧を検出する検出部と、を有し、前記誘起電圧に基づいて前記可動部の振れ角を検出する振れ角検出手段を備えた。この場合、前記振れ角検出手段は、請求項8のように前記外部磁界発生手段の交番磁界により前記検出コイルに発生する二次誘起電圧成分を前記検出部の出力から除去する構成とするとよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1に、本発明に係るプレーナー型電磁アクチュエータの第1実施形態の概略構成を斜視図で示す。なお、図8と同一の要素については、同一符号を用いて示す。
図1において、本第1実施形態のプレーナー型電磁アクチュエータは、例えば可動部に反射ミラーを設けて光ビームを二次元走査するように構成した光スキャナーであり、チップ15と、外部磁界発生手段としてのコイル型電磁石16と、を備えて構成する。
【0016】
上記チップ15は、光ビームを走査するものであり、半導体基板1に外側トーションバー2で軸支した枠状の外側可動板3、及び該外側可動板3に外側トーションバー2の軸方向に直交する内側トーションバー4で軸支した内側可動板5からなる可動部17と、例えば外側及び内側可動板3,5の裏面に設けた薄膜磁石7と、内側可動板5の表面に設けた反射ミラー6とを備えて構成している。
【0017】
上記可動部17は、外側及び内側トーションバー2,4の二つの軸回りに揺動して光ビームを二次元走査するものであり、シリコン等の半導体基板1に外側及び内側可動板3,5と、外側及び内側トーションバー2,4と、を一体的に形成している。
【0018】
また、上記薄膜磁石7は、その磁化と後述のコイル型電磁石16から発生する磁界との相互作用により上記可動部17にトーションバー軸回りの磁気トルクを発生させるものであり、外側及び内側可動板3,5に設けた薄膜磁石7a,7bの磁化Mの方向が、それぞれ可動部17に対して平行であると共に一方向で、且つ上記外側及び内側トーションバー2,4の各軸方向に非平行に形成している。例えば本第1実施形態においては、図2に示すように薄膜磁石7の磁化Mの方向は、内側トーションバー4に対して角度θ(但し、90度は除く)だけ傾けて形成している。
【0019】
さらに、上記コイル型電磁石16は、コイル18を巻いたボビン19に磁性金属芯20を挿通して構成し、コイル18に電流を印加することで磁界を発生させるようにしている。そして、可動部17の法線方向の部位に、上記磁界の方向が該法線方向となるように設けている。即ち、可動部17とコイル型電磁石16の中心軸を一致させるようにして、可動部17が必要角度まで回動した際でも接触しない程度に、チップ15に接近させてコイル型電磁石16を設置する。例えば本第1実施形態においては、チップ15とコイル型電磁石16の磁性金属芯20の間隔は0.1mmとした。
【0020】
次に、上記第1実施形態の動作を説明する。
上記コイル型電磁石16のコイル18に駆動電流を供給すると、コイル型電磁石16から磁界が発生し、可動部17に設けた薄膜磁石7に作用する。
【0021】
この場合、前述の非特許文献1には、図10に示すように、可動部13の薄膜磁石7の磁化方向をトーションバー12の軸方向に対して直角で、且つ可動部13に対して平行となるように形成し、可動部13の法線方向の部位に配置したコイル14への通電により可動部13の法線方向に外部磁界を発生した場合、薄膜磁石7の体積をV、磁化をM、外部磁界をHとすると、可動部13に作用する回転力Nは、
N=VM×H
となることが示されている。
【0022】
一方、本第1実施形態においては、薄膜磁石7の磁化Mの方向は、図2に示すように内側トーションバー4に対して角度θだけ傾いている。したがって、外側可動板3に形成した薄膜磁石7aの磁化Mの外側トーションバー2に直交する成分をMa、内側可動板5に形成した薄膜磁石7bの磁化Mの内側トーションバー4に直交する成分をMbとすると、磁化Maは、Msin(90−θ)、磁化Mbは、Msinθとなる。これにより、外側可動板3には、外側トーションバー2軸回りに回転力Naとして
Na=VMa×H
=VMcosθ×H
が発生する。また、内側可動板5には、内側トーションバー4軸回りに回転力Nbとして
Nb=VMb×H
=VMsinθ×H
が発生することになる。
【0023】
ここで、コイル18に交流電流を供給して外部磁界Hを交番磁界とすれば、外側可動板3は回転力Naにより外側トーションバー2軸回りに、また内側可動板5は回転力Nbにより内側トーションバー4軸回りに揺動する。特に、コイル18に上記外側可動板3の共振周波数f1及び内側可動板5の共振周波数f2に等しい二つの周波数の駆動電流を重畳して供給すると、コイル型電磁石16から発生する上記二つの周波数に相当する外部磁界Hにより外側及び内側可動板3,5は、それぞれ上記回転力Na,Nbを得て外側可動板3は周波数f1で、また内側可動板5は周波数f2でそれぞれ個別に共振揺動する。これにより、内側可動板5の表面に形成した反射ミラー6で光ビームを反射して二次元方向に光走査することができる。
【0024】
このように、本発明の第1実施形態によれば、二次元の光走査可能な可動部17の外側及び内側可動板3,5に設けた薄膜磁石7の磁化方向が外側及び内側トーションバー2,4の各軸方向に非平行で、且つ可動部17に対して平行となるように形成しているので、薄膜磁石7の製造工程が1回で済み、二次元光走査型のプレーナー型電磁アクチュエータの製造が容易となる。
【0025】
なお、上記薄膜磁石7は、図1に示すように可動部17の裏面に形成するものに限られず、図3(a)に示すように可動部17の表面、または同図(b)に示すように表裏面の双方に形成してもよい。ここで、薄膜磁石7を可動部17の表裏面の双方に形成した場合には、可動部17の一面に形成した場合に比べ同一の駆動電流で2倍の駆動力を得ることができる。この場合、反射ミラー6は、可動部17の表面側の薄膜磁石7の上に形成される。
【0026】
また、薄膜磁石7は、図1に示すように外側及び内側可動板3,5の双方に形成したものに限られず、図4(a)に示すように内側可動板5にのみ、または同図(b)に示すように外側可動板3にのみ形成してもよい。これらの場合、外側及び内側可動板3,5の各共振周波数に等しい周波数の駆動電流を上記コイル18に重畳して供給すると、各可動部は、各共振周波数でもってそれぞれ個別に共振揺動する。
【0027】
また、コイル型電磁石16を可動部17の法線方向の部位に設けているのでプレーナー型電磁アクチュエータの小型化を図ることができる。
【0028】
次に、本発明のプレーナー型電磁アクチュエータの第2実施形態を、図5及び図6を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一の要素については同一符号を用いて示し、ここでは、異なる部分についてのみ説明する。
【0029】
本発明の第2実施形態のプレーナー型電磁アクチュエータは、可動部17の振れ角を検出する振れ角検出手段28を備えるものである。この振れ角検出手段28は、内側可動板5の周縁部に敷設した検出コイル21と、可動部17を間にして互いに反対磁極を対向して配置した静磁界発生手段24A,24B及び25A,25B(図5参照)と、内側可動板5が静磁界中で揺動することによって検出コイル21に発生する誘起電圧を検出する検出部26(図6参照)と、を備えて構成している。なお、検出コイル21は、内側可動板5に形成するものに限られず、外側及び内側可動板3,5の双方に形成してもよい。
【0030】
上記検出コイル21は、図5に示すように引出線22により内側可動板5から内側トーションバー4、外側可動板3及び外側トーションバー2を経て半導体基板1側に引出し、半導体基板1に設けた電極23A,23Bに接続している。そして、上記検出部26は、上記電極23A,23Bを介して検出コイル21に接続し、検出コイル21に発生した誘起電圧を検出する。
【0031】
さらに、振れ角検出手段28は、図6に示すようにコイル型電磁石16から供給される交番磁界Hにより検出コイル21に発生する二次誘起電圧成分を検出部21の出力から除去する処理部27を備えている。
【0032】
上記処理部27の具体的処理動作の一例は、例えば検出部26の上記二次誘起電圧を含む出力と、コイル型電磁石16の駆動部29で駆動信号を基に作成した上記二次誘起電圧に相当する大きさの信号電圧との差分をとることにより、検出部26の出力から二次誘起電圧成分を除去する。上記二次誘起電圧は、検出コイル21と交番する外部磁界Hとが差交することにより検出コイル21に発生するものであり、その大きさは駆動電圧と関連つけて予め知ることができる。なお、上記二次誘起電圧成分の除去は、上述の方法に限られず、他の方法によって行ってもよい。
【0033】
次に、上記第2実施形態の動作を説明する。なお、可動部17の駆動は、第1実施形態と同様であるので重複説明は省略する。ここでは、主に可動部17の振れ角検出について説明する。
【0034】
コイル型電磁石16から交番する外部磁界Hが供給されると、該外部磁界Hと可動部17に設けた薄膜磁石の磁界とが相互作用して可動部17が揺動する。このとき、可動部17には、図5に示すようにその側方周囲に配置した静磁界発生手段24A〜25Bによる静磁界が作用している。したがって、上記可動部17の揺動に伴って、内側可動板5に敷設した検出コイル21が上記静磁界中を動くことになる。これにより検出コイル21には、可動部17の振れ角に応じた誘起電圧が発生する。
【0035】
一方、上記検出コイル21には、コイル型電磁石16からの交番する外部磁界Hが差交しているため、この外部磁界Hによる二次誘起電圧も発生する。したがって、検出コイル21に発生する誘起電圧は、上記静磁界発生手段による誘起電圧と上記外部磁界Hによる二次誘起電圧とが重畳したものとなる。
【0036】
検出コイル21に発生した誘起電圧は、引出線22により半導体基板1側に引出され、電極23A,23Bを介して図6に示す検出部26に伝えられる。検出部26では、上記誘起電圧は所定のレベルまで増幅されて処理部27に送られる。
【0037】
一方、コイル型電磁石16の駆動部29では、駆動信号を基に、予め求められた駆動電圧と二次誘起電圧との関係から二次誘起電圧に相当する信号が作られ、処理部27に送られる。
【0038】
そして、処理部27では、検出部26の誘起電圧とコイル型電磁石16の出力電圧との差分がとられ、上記誘起電圧から二次誘起電圧成分が除去されて静磁界による誘起電圧成分が分離して得られる。これにより、処理部27から可動部17の振れ角ψを示す信号が出力する。
【0039】
このように、本第2実施形態によれば、振れ角検出手段28を、内側可動板5に検出コイル21を敷設し、可動部17の側方周囲に静磁界発生手段24A〜25Bを配置して可動部17の揺動に伴って発生する誘起電圧を検出できる構成としているので、該誘起電圧を基に可動部17の振れ角ψを検出することができる。したがって、プレーナー型電磁アクチュエータの振れ角ψを容易に制御することができる。なお、静磁界発生手段24A〜25Bを配置する構成としているが、図7のように静磁界発生手段24′A,24′Bを配置する構成としてもよい。
【0040】
また、振れ角検出手段28に処理部27を設けて上記誘起電圧から検出コイル21に発生する二次誘起電圧成分を除去する構成としているので、静磁界中を可動部17が揺動することによって発生する誘起電圧成分を分離して検出することができる。これにより、可動部17の振れ角の検出精度を向上することができる。
【0041】
なお、振れ角検出手段28は、上記検出コイル21によるものに限られず、例えばトーションバーに形成した圧電体の変形に基づいて発生する電圧変化を検出するものであっても、またトーションバーの軸方向に平行な可動部17の対辺に対向する部位にホール素子を配置して、該ホール素子で上記薄膜磁石の磁界変化を検出するものであっても、さらに可動部17と該可動部17の法線方向の部位に互いに対向して電極を設け、該電極間の静電容量の変化を検出するものであっても、そして可動部17に光ビームを照射して、該光ビームの可動部17による走査角から検出するものであってもよい。ここで、光ビームにより可動部17の振れ角を検出する方法は、例えば、図8に示すようにコイル型電磁石16の磁性金属芯20に、その中心軸に沿って貫通孔20aを設け、可動部17の裏面にも反射ミラーを形成し、該反射ミラーに対向して設けた受発光素子30により上記反射ミラーに対して上記貫通孔20aを通して光ビームを照射し、その反射光を上記受発光素子30で受光してその光量変化で振れ角を検出することができる。
【0042】
また、外部磁界発生手段は、コイル型電磁石16に限られず、異なる二つの周波数の交番磁界を同時に発生することができるものであればいかなるものであってもよい。
【0043】
そして、本発明のプレーナー型電磁アクチュエータは、光スキャナーに限られず、外側及び内側可動板を有し、それぞれが揺動して二次元的な動作をするものであれば、いかなるものにも適用できる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のプレーナー型電磁アクチュエータによれば、外側及び内側可動板を備えて構成する可動部に薄膜磁石を磁化方向が外側及び内側トーションバーの各軸方向に非平行であると共に一方向で、且つ可動部に対して平行となるように設けているので、薄膜磁石の磁化と可動部の法線方向に配置された外部磁界発生手段による磁界との相互作用により薄膜磁石に発生する磁気トルクを利用して可動部を2軸回りに駆動することができる。また、特に磁化方向を一方向としたことにより薄膜磁石の製造工程が1工程で済み、二次元的に動作するプレーナー型電磁アクチュエータの製造が容易になる。
【0045】
また、外部磁界発生手段を可動部の法線方向の部位に設けているのでプレーナー型電磁アクチュエータの小型化を図ることができる。
【0046】
さらに、少なくとも内側可動板に検出コイルを敷設し、可動部の側方周囲に静磁界発生手段を配置して可動部の揺動に伴って発生する誘起電圧を検出するように構成した振れ角検出手段を備えているので、プレーナー型電磁アクチュエータの振れ角制御を容易にすることができる。
【0047】
そして、上記振れ角検出手段に、上記誘起電圧から検出コイルに発生する二次誘起電圧成分を除去する処理部を設けているので、静磁界中を可動部が揺動することによって発生する誘起電圧成分を分離して検出することができ、可動部の振れ角検出精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるプレーナー型電磁アクチュエータの第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】 薄膜磁石の磁化方向を示す説明図である。
【図3】 上記薄膜磁石の別の構成例を示す断面図である。
【図4】 上記薄膜磁石の更に別の構成例を示す平面図である。
【図5】 本発明によるプレーナー型電磁アクチュエータの第2実施形態を示す平面図である。
【図6】 第2実施形態の振れ角検出手段の構成を示すブロック図である。
【図7】 第2実施形態における静磁界発生手段の他の配置例を示す平面図である。
【図8】 光ビームを利用した可動部の振れ角検出手段の概略構成を示す側面図である。
【図9】 従来技術の構成を示す分解斜視図である。
【図10】 従来技術の別の構成を示す概略斜視図である。
【図11】 図10の従来技術を二次元的に動作するプレーナー型電磁アクチュエータに適用した場合の薄膜磁石の磁化方向を示す説明図である。
【符号の説明】
2…外側トーションバー
3…外側可動板
4…内側トーションバー
5…内側可動板
7…薄膜磁石
16…コイル型電磁石
17…可動部
21…検出コイル
24A〜25B…静磁界発生手段
26…検出部
27…処理部
28…振れ角検出手段

Claims (8)

  1. 外側トーションバーで軸支した枠状の外側可動板と、該外側可動板に前記外側トーションバーの軸方向に直交する内側トーションバーで軸支した内側可動板とを備えた可動部に薄膜磁石を設け、前記可動部に対して該可動部の法線方向に配置した外部磁界発生手段により交番磁界を作用させ、前記薄膜磁石の磁化と外部磁界発生手段の磁界の相互作用により前記可動部を駆動する構成のプレーナー型電磁アクチュエータであって、
    前記薄膜磁石の磁化方向が前記外側及び内側トーションバーの各軸方向に対して非平行であると共に一方向で、且つ可動部に対して平行となるように前記薄膜磁石を形成したことを特徴とするプレーナー型電磁アクチュエータ。
  2. 前記薄膜磁石は、前記可動部の表裏面の少なくとも一方に設けられたことを特徴とする請求項1に記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
  3. 前記薄膜磁石は、前記外側及び内側可動板の少なくとも一方に設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
  4. 前記外部磁界発生手段は、異なる二つの周波数の交番磁界を同時に発生する構成としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
  5. 前記外部磁界発生手段は、コイル型電磁石で構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
  6. 前記コイル型電磁石のコイルに、前記外側及び内側可動板の共振周波数の駆動電流を重畳して供給する構成としたことを特徴とする請求項5に記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
  7. 前記可動部の少なくとも内側可動板の周縁部に敷設した検出コイルと、前記可動部を間にして互いに反対磁極を対向して配置した静磁界発生手段と、前記内側可動板が静磁界中で揺動することによって前記検出コイルに発生する誘起電圧を検出する検出部と、を有し、前記誘起電圧に基づいて前記可動部の振れ角を検出する振れ角検出手段を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
  8. 前記振れ角検出手段は、前記外部磁界発生手段の交番磁界により前記検出コイルに発生する二次誘起電圧成分を前記検出部の出力から除去する構成としたことを特徴とする請求項7に記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
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