JP3848249B2 - 揺動体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸回りに揺動可能な揺動体を有する揺動体装置に関し、具体的には入射した光を偏向する為の揺動体を電磁力を利用して揺動する光偏向器及びそれを用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、レーザ光等の光ビームを偏向・走査する装置(本明細書では光偏向器と称する)は、レーザプリンタ、バーコードリーダ等の光学機器に用いられている。これらの機器に組み込まれる光偏向器として、従来、側面がミラー面である多角柱を回転させて、入射した光の反射方向を変化させるポリゴンミラー、平面鏡を電磁アクチュエータによって回転振動させるガルバノミラーなどがある。
【0003】
これら従来のミラー、すなわちポリゴンミラーではミラーを回転させる電磁モータが必要で、またガルバノミラーでは機械巻きの駆動コイルと磁界発生のための大型ヨークが必要である。また高い出力トルクを得るという理由から、これらの機械要素の小型化には限度がある。また、各構成部材を組み上げる際のスペース等から、光偏向のための装置全体のサイズの縮小には限度がある。
【0004】
ところで電磁気学上の基礎的な知見として、一様な磁界の中に置かれた磁石にはトルクが発生することが知られている。mを磁石の磁気モーメント(ベクトル)、磁界(ベクトル)をHとすると、トルクT(ベクトル)は
T=m×H (1)
である。
【0005】
この知見を利用した光偏向器として、走査ミラーの駆動装置がある(例えば特許文献1参照。)。この特許文献1における光偏向器である走査ミラーの駆動装置を図16ないし図18に図示する。図16は同文献の第1実施例を示す斜視図である。この光偏向器は、コイル枠1108に巻回されたコイル1107を有する磁気発生部1106とミラー部1101から成る。ミラー部1101はガラス板1102とミラー面1103と薄膜状の永久磁石1104を有し、装置本体(図示せず)に対して回転軸1109回りに回転可能なよう、一対の支持部材1105で支持される。薄膜状の永久磁石1104は回転軸1109を挟んで異極に着磁されている。磁気発生部1106は、ミラー部1101の永久磁石1104側に、ミラー部1101から所定の距離を隔てて配設されている。
【0006】
コイル1107に通電することにより磁気発生部1106からは磁界が発生し、ミラー部1101は、上述の式(1)に応じたトルクにより回転し、光をミラー面1103に照射すればこれを偏向・走査することができる。
【0007】
図17は同文献の第2実施例を示す。この光偏向器では、上記コイル枠1108に巻回されたコイル1107を有する磁気発生部1106が、コイル1117及び鉄心1119を有する磁気発生部1116に置き換わっている。その他は上記同文献の第1実施例と同じである。
【0008】
図18は同文献の第3実施例を示す。この光偏向器は、コイル枠1128に巻回されたコイル1127を有する磁気発生部1126とミラー部1121から成る。ミラー部1121はガラス板1122とミラー面1123と薄膜状の永久磁石1124を有し、磁気発生部1126に対して回転軸1129回りに回転可能なよう、一対の支持部材1125で支持される。薄膜状の永久磁石1124は回転軸1129を挟んで異極に着磁されている。磁気発生部1126は、支持部材1125の一方の端部と連結されており、ミラー部1121の外周に配置される。そして引用文献1の光偏向器は、レーザ光の干渉を利用して、微細な凹凸や傷を走査検出するレーザ変位センサー等において使用されるものである。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−82711号公報(第2−4頁、第1図、第5図、第6図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は該文献の光偏向器であるとミラー部の偏向角を十分に広げることや、ミラー部を高速回転運動させることや、消費電力を低減することが困難であることに気づいた。該文献の光偏向器において、回転速度を上げるためあるいは大きな偏向角を得るため(ミラー部の回転角度を大きくするため)には、ミラー部に作用するトルクを大きくすることが必要である。そしてトルクを大きくするためミラー位置の磁界を大きくする必要がある。その場合、磁気発生部をミラー部に近接させるかあるいはコイルに流す電流を多くする必要がある。
【0011】
該文献の光偏向器において、磁気発生部をミラー部に近接させようとすると、図16のような構成では、コイルをミラー部の真下に近接させているためミラーとコイルが接触してしまう。そのためミラーを広角に振ることが出来ない。
【0012】
しかもこの構成だと、コイルが上下方向(ミラー面鉛直方向)においてコイルの下部側がミラー部から遠のいてしまい磁界発生への寄与が小さい。磁界の強さというものはミラーと周回するコイルとの距離の2乗に反比例するため、このような構成ではトルクの発生に不利である。このような構成で大きなトルクを得ようとすれば、コイルに流す電流を大きくしなければならない。つまり消費電力が多くなってしまう。またコイルを上下方向に設けるため、上下方向の小型化が困難である。
【0013】
また該文献の第2実施例の図17のタイプでは、鉄芯1118を用いてコイル上端部から発生する磁界を大きくしているタイプであるが、これでも上下方向の小型化が実現できないしコイル下端部によるトルク発生への寄与も小さい。また、ミラー1111に比べてミラーに対向する大きな鉄芯1118の面積が必要である。コイル1117の上下方向の厚みを考えると、装置が大型にもなるし、磁界を大きくするための鉄芯を用いることから重くもなる。
【0014】
また上下方向に小型化かつ軽量化できるようコイル1127をミラー1121の周囲に巻き回した同文献の第3実施例の図18のタイプは、鉄心を用いていないタイプである。この構成でも上下方向に巻かれているコイルの上下端は磁界への寄与が低い。したがって、ミラー1121を大きく傾けるためには、大きな消費電力が必要になってしまう。
【0015】
また本発明者は、ミラーの走査速度(揺動速度)を高めるためには駆動軸のバネを硬くする必要があると考えた。ただし、上述の光偏向器においてバネを硬くしてもこの光偏向器はそもそも電力消費に改善の余地が大きく残されていることから、バネを硬くすれば消費電力が更に大きくなってしまうことに気づいた。
【0016】
本発明は、電力消費が少なく、軸支される揺動体に作用するトルクが大きく発生することができる揺動体装置およびそれを有する光偏向器、そして画像表示装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
よって本発明は、ねじりバネと、前記ねじりバネによって軸支された揺動体と、支持基板とを有し、前記揺動体が前記ねじりバネを中心に揺動できる揺動体装置であって、
前記揺動体の一方の面に当該面と平行で且つ前記揺動体の回転軸と交差する方向に着磁された硬磁性体を有し、
前記揺動体と離間して配置されるコイルおよび軟磁性体を有し、
前記コイルと前記軟磁性体は前記面に対する鉛直方向において異なる位置に配置されており、
前記硬磁性体は、前記軟磁性体と前記面に対する鉛直方向における同位置あるいは前記軟磁性体の前記コイルが配置されている側に配置されており、
前記軟磁性体は、前記揺動体の回転軸を含み且つ前記面を鉛直方向に切断する平面の両側に配置されており、
前記コイルは、電流を流すことにより、前記一方の側に配置されている前記軟磁性体の前記揺動体側の端部における磁極と、前記他方の側に配置されている前記軟磁性体の前記揺動体側の端部における磁極とが同極となる磁界を発生させるコイルであることを特徴とする揺動体装置を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本実施形態に係る揺動体装置は、回転軸中心に回転可能な揺動体を有する揺動体装置である。回転軸の方向と交差する方向(具体的には90度の角度を成す方向)に着磁されて永久磁石にされた硬磁性体が揺動体に設けられている。また磁束線を発生させるための磁気発生手段を有する。さらに磁気発生手段が発生する磁束線を揺動体にとりつけた硬磁性体の磁極付近に有効に分布させるため、端が硬磁性体の磁極に近接して配置された軟磁性体を有する。軟磁性体と磁気発生手段は、揺動体とは離間して配置されており両者は実質的に一体に配置されている。
【0019】
この構成によれば、軟磁性体により、揺動体に対して大きなトルクを発生することができる。また、可動部分(揺動体)にはトルクを生じるための電気的配線を設けないので、揺動体が揺動しつづけても配線の断線の可能性がなく長寿命の光偏向器等の揺動体装置を提供できる。またこの構成だと硬磁性体の磁極は決まっているので、硬磁性体と軟磁性体の間に生じる異或いは同磁極間の磁力(吸引力或いは反発力)により揺動体を駆動することが可能である。またこの構成だと、保持力が大きく、着磁が大きな硬磁性体を設けることによって、磁気発生手段としてコイルを用いればこの構成によって、発生力を十分大きくすることが可能である。よって本実施形態に係る揺動体装置は小型、省電力で大発生力のアクチュエータを提供できる。
【0020】
本実施形態では硬磁性体は平面状であることが好ましい。また磁気発生手段は該硬磁性膜の面とほぼ平行な面に平面状に巻き回された平面状コイルであることが好ましい。この場合、前記平面状コイルが前記揺動体を周回する位置に平面状に巻き回されている構成にすれば、簡単な構成であるにもかかわらず揺動運動の振幅を大きくできる。
【0021】
また、本実施形態に係る揺動体は平板状の揺動板である。硬磁性体は揺動板の面上全面に渡って1つ設けられているが、これは、回転軸を挟む揺動板の両端に異なる磁極が設けられていることを示す一例の構成である。この構成において、揺動体を周回する位置に平面状に上記平面状コイルを巻き回せば、簡単な構成であるにもかかわらず揺動運動の振幅を大きくできる。すなわち、この場合には、硬磁性体と平面状コイルで生じる磁気との間に生じる反発力と吸引力を利用して、揺動体の駆動方向への偶力を発生させることができる。したがって、同時に揺動体の両端にトルクをかけられるために発生力が増す。また揺動方向以外の変位が生じにくい構成とすることもできる。
【0022】
もちろん本発明において硬磁性体の設け方は、これに限らず、複数の硬磁性体を設ける設け方でもよいし、回転軸を挟む揺動板の両端に同じ磁極が形成される設け方でもよい。あるいは回転軸を挟む揺動板の一端のみに磁極が形成される様にしてもよく、種々の形態を採り得る。そして、硬磁性体による磁極の形成の仕方に応じて、平面状コイル及び軟磁性体を単数或いは複数設けて、揺動体に好適にトルクが作用する様にしてもよい。
【0023】
本実施形態において硬磁性体ないし膜の着磁方向は、回転軸方向と直交する。また、軟磁性体は平面状コイルの平面に沿って設けられた軟磁性膜である。さらに、軟磁性膜が帯状をなし、その一端が、硬磁性体の磁極に近接して配置されている。こうした態様は、装置を小型かつ軽量にし、揺動運動を高速にし、消費電力を小さくするのに資する。
【0024】
本実施形態において次のいずれかの配置関係が極めて好適である。第1には、硬磁性体ないし膜が、軟磁性膜ないし膜の面のうち平面状コイルが配置されている面側に配置されている。第2には、硬磁性体ないし膜が、軟磁性膜ないし膜の面と略一致する平面内に配置されている。第3には、平面状コイルの面が、硬磁性体ないし膜と軟磁性体ないし膜の間に配置されている。つまり本実施形態に係る揺動体装置では、揺動体の面に対する鉛直方向に関して、硬磁性体と軟磁性体とが同位置かあるいは硬磁性体が軟磁性体のコイルが配置されている側に配置されていることが好適である。
【0025】
これにより本実施形態に係る揺動体装置は、トルクの発生を大きくすることが出来、揺動体をに大きな力を与えることが出来る。また電力消費を減らすことが出来る。あるいは装置小型化を達成することが出来る。
【0026】
また本実施形態に係る揺動体装置は弾性支持部と支持基板を有しており、弾性支持部は揺動体を支持基板に連結し支持している。弾性支持部は回転軸方向に伸びる一対のねじりバネ(トーションバー)であり揺動体の一対の側面から揺動体を支持する。こうして、一直線に沿って伸びた一対のねじりバネによって揺動体が支持基板に対して弾性的に略該直線の回りに揺動自由に支持されている形態を採り得る。そしてトルクの方向を反転させれば揺動体を往復揺動できる。
【0027】
本実施形態では軟磁性体ないし膜と平面状コイルとが支持基板上に形成されたり、平面状コイルだけが支持基板上に形成されたりする。他に、軟磁性体ないし膜と平面状コイルは、支持基板に離間して対向配置した別の基板上に形成されてもよい。さらに、軟磁性体ないし膜のみが、揺動体を支持する支持基板に離間して対向配置した別の基板上に形成される形態でもよい。
【0028】
またこの対向配置した基板は、揺動体に対向する部分に窓部または凹部を有することが好ましい。この場合、窓部または凹部の縁が、揺動体の縁に近接して配置されるのが良い。これにより、この対向配置した基板が揺動体の底面と干渉する(接する)恐れが全くない揺動体装置が提供可能となり、例えば大きな偏向角の光偏向器を比較的容易に実現できる。
【0029】
本実施形態ではねじりバネと揺動体と支持基板とが一体より成る。もちろん別体でもよいが一体の方が好ましく更には同一材料であることが強度の上からも好ましい。またこれらの構成要素は単結晶シリコンよりなることが好ましい。揺動体装置はマイクロマシニング技術(つまりエッチング等の半導体プロセス)で作成されるものである。
【0030】
また本実施形態に係る揺動体装置は偏向子そのものであることであってもよいし偏向子を有するものであってもよい。揺動体装置は光偏向器として構成される。この偏向子は、光を反射する反射面(ミラー面)であったり、回折格子であったりする。光偏向子を反射面とすることで作製が容易で可動部分(揺動体)の質量の小さい光偏向器等を実現できる。また、光偏向子を回折格子とすることで、入射光を複数のビームとして偏向することができる。
【0031】
また本実施形態に係る揺動体装置は、揺動体アクチュエータ等として構成されたりすることもできる。
【0032】
また本実施形態の揺動体装置は、光偏向器として画像表示装置の構成要素として適用できる。その場合、画像表示装置は光源(変調可能な半導体レーザなど)と、前記光源から出射された光を偏向する上記の光偏向器を少なくとも1つ以上配置した光偏向器または光偏向器群と、光偏向器または光偏向器群により偏向された光の少なくとも一部を投影するレンズとを有するものである。光源の変調と光偏向器の揺動体の動作は制御手段で制御できる。このように本実施形態に係る揺動体装置を画像表示装置に応用することで、非常に小型で安価な画像表示装置が実現可能となる。
【0032】
また本実施形態に係る揺動体装置を2次元光偏向器として適用できる。具体的には、回転軸中心に回転可能なミラー面を設けた揺動板を有する2次元光偏向器であって、ミラー面を有する第1の揺動板と、一端で第1の揺動板に結合されこれを回転自在に支持する第1のねじりバネと、該第1のねじりバネの他端を支持する第2の揺動板と、一端で第2の揺動板に結合されこれを回転自在に支持する第2のねじりバネと、第2のねじりバネの他端を支持する支持基板からなり、第1又は第2の可動板の少なくと1つに磁化された硬磁性膜が設けられており、支持基板上には第1および第2の可動板を周回する位置に平面状にコイルが巻き回されている。つまりこの揺動体装置において、揺動体はねじりバネを介して揺動体とは別の外側の揺動体に接続しており、別の外側の揺動体はねじりバネとは別のねじりバネによって支持基板に接続しており、ねじりバネの長尺方向と別のねじりバネの長尺方向は交差している。
【0033】
あるいはこの揺動体装置において、揺動体はねじりバネを介して支持基板に接続しており、揺動体とは別の内側の揺動体が別のねじりバネを介して揺動体に接続しており、ねじりバネの長尺方向と前記別のねじりバネの長尺方向は交差している。この構成において、好適には、平面状コイルの前記平面に沿って軟磁性膜が、その端が前記硬磁性体の磁極に近接して配置されて設けられる。光源と、この2次元光偏向器と、該光偏向器により偏向された光の少なくとも一部を投影するレンズとで小型で安価な画像表示装置を構成できる。
【0034】
(第1の実施の形態)
以下に、光偏向器の典型例を例にとって第1の実施の形態を説明する。実施形態に係る光偏向器は、マイクロマシニング技術を用いて作製され得、典型的には、ミラーと硬磁性膜とを有する可動板と、平面コイルと、平面コイルの平面に沿って配置された軟磁性膜による固定コアと、前記可動板を支持基板に対して回転可能に支持する弾性支持部を有するものである。
【0035】
この典型例の駆動原理は、次のようになる。本発明の揺動体装置の駆動原理も本質的にこれと同じである。
【0036】
可動板の硬磁性膜は、揺動軸に対して直角方向に磁化されてその端部にそれぞれS、Nの磁極を持つ。コイルに流れる電流により、可動板に近い固定コア(軟磁性膜)の2つの端部には、同磁極で、同様な大きさの磁界が発生する。可動板の両磁極はこの磁界に反応し、弾性支持部の軸回りにトルクが発生し、可動板は回転する。ここで、コイルに流す電流を交流とするなら、ミラーを有する可動板が一定の周期で揺動し、ミラーに照射された光を振動・偏向させることができる。
【0037】
上記の構造において、コイルを薄膜化すれば、装置全体が薄型となる。しかし、立体的なコイルと同じターン数を平面コイルで実現しようとすると、水平方向の面積は大きな面積が必要となってしまう。このジレンマを解決する為に軟磁性膜による固定コアを設けた。この軟磁性膜による固定コアを設けたことで、次のような利点が生じる。1つは、固定コアにより、大きな磁界が発生するので大きな光偏向角(可動板の大きな回転角)が実現できること、2つ目は、より少ない電流で所定の磁界を得ることができ、消費電力の低下が実現できること、3つ目は、より少ないコイルのターン数で所定の磁界を得ることができるため、小型化が実現できること、である。
【0038】
固定コア(軟磁性膜)の導入に関し、コイルと硬磁性膜と軟磁性膜の配置関係は重要となる。一般にコイルに近接させて軟磁性膜を設けると、軟磁性膜の端部に磁極が発生し大きな磁界ができる。しかし、配置によっては磁界分布の集中効率が落ちる場合があるので、最適な構成を必要とする。
【0039】
本実施形態では、硬磁性膜による両磁極が形成される面が、軟磁性膜が形成される面に対し、コイルが形成される面側の方向に配置されている、または、軟磁性膜が形成される面と略一致する平面内に配置される。これは以下の3つに配置に相当する。第1に、軟磁性膜を形成する面と硬磁性膜による両磁極を形成する面の間に、コイルを形成する面が配置してある、第2に、軟磁性膜を形成する面とコイルを形成する面の間に、硬磁性膜による両磁極を形成する面が配置してある、第3に、前記軟磁性膜を形成する面が、硬磁性膜による両磁極を形成する面と略同一平面内にある。
【0040】
図9を用い、本発明の典型例のコイル22と硬磁性膜3と軟磁性膜21a、21bの配置構成を説明する。コイルは可動板を周回しているが、ここでは断面のみが描かれている。ここで、1は可動板、2は弾性支持部であり、軟磁性膜21a、21bから出る磁束線の一部を模式的に示す。詳細な磁束線図は、後述する実施例にてシミュレーションの一例として説明される。図9(a)は上記第1の配置であり、図9(b)は上記第2の配置であり、図9(c)、(d)は上記第3の配置である。
【0041】
図9(a)を用いて図の説明を行うと、軟磁性膜21a、21bの端部に磁束線の密となる大きな磁界ができ、磁束線はコイル22の配置される上方向へ向かう。可動板1に設けた硬磁性膜22による両磁極は、軟磁性膜21a、21bに対してコイル22側にある場合には、硬磁性膜に直交する方向の大きな磁界を受けることになり、可動板1が大きな回転トルクを得る。このことは、図9(b)における配置においても同様である。硬磁性膜による両磁極と軟磁性膜の有効となる配置関係は、略一致する平面内にそれぞれが配置される位置までとなる。この一致する平面内を超えて、軟磁性膜21a、21bの面を基準としてコイル22と反対側の位置に、硬磁性膜による両磁極の面を配置すると、両磁極での磁界は逆に小さくなる。このため、大きな回転トルクを得る限界としては図9(c)、(d)の通りとなる。
【0042】
軟磁性膜21a、21bを硬磁性膜による両磁極に近い位置に置けば両磁極に大きな力が働くが、力の方向が可動板1の回転方向とずれると運動に寄与する成分が少なくなる。したがって、硬磁性膜22による両磁極を結ぶ方向と直交する磁界の成分が大きくなる図9(a)、(b)の配置関係が、より好ましい。これにより、少ない消費電力で偏向角の大きな小型の光偏向器を構成できる。
【0043】
図9(a)の光偏向器を作製する場合、可動板1と弾性支持部を支持する支持基板と、コイル22と軟磁性膜21a、21bを形成した1つの基板とから成り得る。図9(b)の光偏向器では、可動板1と弾性支持部を支持する支持基板と、コイル22を形成した基板と、軟磁性膜21a、21bを形成した基板との3つの基板が必要である。このことより、最も好ましい配置は軟磁性膜−コイル−硬磁性膜となる図9(a)の配置と言える。
【0044】
可動板1は、片面または両面に、同方向に着磁された硬磁性膜を有してもよい。可動板1を揺動する発生力を大きくするためには、硬磁性膜の少なくとも一方は、上記の配置関係を満たす必要がある。
【0045】
軟磁性膜21a、21bとコイル22は、可動板1を支持する支持基板10上に形成することが可能である。また、軟磁性膜21a、21bとコイル22が、可動板1を支持する支持基板に対向配置した第2の基板の面に形成されてもよい。第2の基板を用いる場合には、可動板1に対向する部分に窓部または凹部を設けるのがよい。基板を貫通する孔である窓部または凹部を形成することで、以下の2つの利点が得られる。第1は、可動板1がねじり回転により変位した際に第2の基板と接触しないためであり、第2は、可動板1が変位した際に第2の基板との間にエアーダンピングを形成しない様にして振動系のQ値が低下するのを防止するためである。窓部とする場合には、他の利点として、偏向する光を窓部を通して入射させることが可能になる。
【0046】
可動板1の弾性支持部は単結晶シリコンから成る様にもできる。単結晶シリコンは、入手の容易で機械特性に優れた(すなわち、比較的軽量でありながら物理的強度、耐性、寿命に優れた)材料である。この形態のように弾性支持部を単結晶シリコンとすることで、弾性支持部の減衰係数が小さくなるため、共振で利用した場合、大きなQ値を得られる。また、金属材料のように繰り返し変形による疲労破壊が起きないので、長寿命の光偏向器等が構成可能となる。
【0047】
また、単結晶シリコンは、半導体回路製造技術を用いて精度良く加工ができるため、形状再現性の高い機械部品を形成する上で好適な材料である。反応性ガスを用いたドライエッチングやアルカリ水溶液を用いた異方性エッチングにより、シリコンからなる同一基板内に弾性支持部と可動板と支持基板を一体化して形成でき、別体となった結合部の無い構造物が形成できる。このような構造物では、結合部でのエネルギー伝達効率が減少しにくく、共振を利用する可動板においては大きなQ値を得ることができる。
【0048】
ミラー面は、偏向される光に対して反射係数の高い材料を用いる。可視光領域ではアルミニウム、銀等が好ましく、赤外光領域ではアルミニウム、銀、金、銅、ロジウム等を用いることが可能である。硬磁性膜3は、Sm−Co、Co−Cr、Co−Pt、Co−P、Co−Ni、Ni−P等の薄膜をメッキ、スパッタ等の手段により成膜する方法のほか、Fe−Co−Cr系の永久磁石を接着する方法、Nd−Fe−Bに代表される希土類の永久磁石の粉末をペースト状の接着剤に混ぜたものを塗布し、固化する方法により形成される。硬磁性膜3は、強い磁場の中で所定方向に磁化されて永久磁石にされる。
【0049】
固定コアの軟磁性膜21a、21bは、Fe−Ni(パーマロイ)、Fe−Si、Fe−N、Fe−Zr−Nb、Co−Fe−B等の保持力が低くて残留磁化が少なく、飽和磁化が大きく、損失が少ない磁性材料を用い、メッキ、スパッタ等の手段により薄膜として形成され得る。
【0050】
このような本実施形態に係る光偏向器はレーザーディスプレイを用いたビデオプロジェクタやレーザビームプリンタに適用することが出来る。高速且つ広い偏向角が必要とされるこれらの製品に本実施形態の光偏向器はその要求に答えることが出来る。
【0051】
本実施形態に係る光偏向器は、VGAの解像度(水平走査線数480本)の水平走査を光偏向器にて達成出来る、垂直走査速度を60Hzとし、光線往復走査を利用した場合で、走査周波数として14kHzで駆動可能である。
【0052】
また、本実施形態に係る光偏向器は、いわゆるバルクタイプの構造にすれば、携帯機器に実装することができる。小型化出来るからである。さらに、消費電力が小さいため携帯機器は電池もしくはバッテリーによる駆動ができる。
【0053】
【実施例】
以下に、より具体的な実施例を、図面を参照しつつ説明する。
【0054】
(実施例1)
図1に本発明の実施例1による光偏向器の分解図を示す。図2はA方向から見た図1のB−B断面図である。本実施例の光偏向器は支持基板10と第2基板20より成る。上部の支持基板10には、可動板1が1軸方向に伸びた一対のねじりバネ2で支持される。可動板1の上面にはミラー面(不図示)が設けられ、下面には硬磁性膜3が設けられている。この硬磁性膜3はねじりバネ2の軸方向と直角する方向に面内で磁化されており、永久磁石となっている。したがって、可動板1のねじりバネ2のない辺にはN極またはS極の磁極が現れる。図2に可動板1の永久磁石2の着磁状態を示す。第2基板20には、固定コア21a、21b、及び固定コア21a、21bの上に絶縁膜24を介して形成された平面コイル22が設けられている。
【0055】
本実施例の光偏向器は以下に示す方法により作製された。
支持基板10、可動板1、ねじりバネ2は、単結晶シリコン基板にエッチング加工を行ない、図1に示す如く2つの開口部4、5を空けることにより形成される。これにより、支持基板10と可動板1とねじりバネ2は一体化された単結晶シリコンより成り、大きなQ値の振動系を得ることができる。上記ミラー面は、アルミニウムを電子ビーム蒸着法により可動板1の表面上に成膜して形成する。硬磁性膜3は、Fe−Co−Crの永久磁石の切片を可動板1の裏面上に接着して形成した。
【0056】
第2基板20としては、熱酸化により形成した二酸化シリコン膜を有するシリコン基板を用いた。まず、基板20上に、所定パターンの固定コア21a、21bとなるFe−Ni(パーマロイ)の軟磁性膜をメッキにより形成する。次に、軟磁性膜21a、21b上に、絶縁体薄膜24である二酸化シリコンを真空蒸着法の1つであるスパッリングにより成膜する。この後、絶縁体薄膜24上に銅をスパッタで成膜後、フォトレジストを塗布し、露光、現像後にArガスを用いたイオンミーリングによりパターニングし、平面コイル22を形成する。この後に、第2基板20の裏面からドライエッチングを行ない、窓部23を設けた。
【0057】
しかる後、上部支持基板10と下部支持基板20を所定の寸法にて結合させることにより、本実施例の光偏向器と出来る。この動作原理は発明の実施の形態の所で説明した通りである。この動作原理は実施例2以降についても同じである。
【0058】
図3は、シミュレーションにより、平面状に巻き回したコイルによって生成される磁界の磁束線を表したものである。図2と同様にミラー断面方向で見たものであり、図中、2本の水平の線がコイルである。磁束線分布はコイル面の上下で対称になっていることが分かる。図4は、このコイルの面に沿って下側に軟磁性膜を付加した場合のシミュレーションの結果を示す。この場合は、コイルを挟んで上下の磁束線の分布が非対称になることが分かる。
【0059】
今、図5に示す様に、コイルの内側端面付近に、回転軸を挟んだ可動板の両端部が来るように配置するとすれば、Bの位置では、磁束線の接線の向き、すなわち磁界の方向が可動板の回転の方向(図中、上下方向)と成す角θは大きくなる。これに対し、Aの位置では、磁界の方向が可動板の回転方向に近い。したがって、可動板の回転運動に寄与する磁界の成分が多くなる。可動板のN極、S極での磁束がNからSの方向(図中、左右方向)に対して直角方向に流れるように可動板を配置すると、可動板の回転に対する効率が高くなる。この点では、コイル面を挟んで軟磁性膜側と反対側に可動板が位置するAの位置の方が優れている。したがって、本実施例では、図2に示す様な配置関係で、硬磁性膜3を持つ可動板1と固定コア21a、21bと平面コイル22が設けられている。なお、図5中の磁束線は、可動板の磁気的影響を無視して示してあるが、上の結論はそのまま有効である。また、図5では可動板全体が磁石であるとしてある。
【0060】
ここに、
可動板の厚さ t=20μm
可動板の幅 W=1.0mm (図5中、左右方向)
可動板の長さ L=1.28mm (図5の紙面垂直方向)
可動板の磁化 M=0.65T(テスラ)
軟磁性膜の厚さ ts=20μm
軟磁性膜の幅 Ws=1.0mm
軟磁性膜の長さ Ls=1.6mm
軟磁性膜の比透磁率 μ=1000
コイルの厚さ tc=40μm
コイルと軟磁性膜との隙間 gcs=5μm(軟磁性膜を下方とする)
コイルのターン数 T=50ターン
コイルに流す電流 I=20mA
A位置の軟磁性膜中心からの距離 DA=100μm(上方)
B位置の軟磁性膜中心からの距離 DB=100μm(下方)
可動板端部とコイル、軟磁性膜端部の水平距離 DC=50μm
とし、試作を行ない、実験を行なった。
【0061】
実験の結果、Aの位置では、軟磁性膜があると、無い場合に比べて回転角が大きくなり偏向角が広くなった。回転角と可動板の弾性支持部のバネ定数からトルクを算出した結果、軟磁性膜があることで約50%増となった。これは、可動板の回転に寄与する磁界成分が多く、回転を阻害する磁界成分が少ないためである。
【0062】
一方、Bの位置では、軟磁性膜があると、トルクは、軟磁性膜がない時の約40%に下がってしまった。これは、可動板の回転の方向の磁界成分が少ないだけでなく、図5に示す如く回転軸から左右に遠ざかる方向の磁界成分が大きく、これが可動板の回転を阻害するように作用することによる。また、AとBの間の位置に可動板を配置した場合、図5からも分かる通り軟磁性膜端部の磁束線が強く、Bの位置に比べて偏向角を広くとれ、トルクが向上した。したがって、AとBの間の位置に可動板を配置する構成も本発明の範囲に入る。
【0063】
(実施例2)
図6は本発明の実施例2を説明する図である。支持基板30の下面にコイル42を設けた以外は、実施例1と同様の配置となっている。
【0064】
実施例2では、第2基板40上に軟磁性膜41a、41bがあり、本実施例の光偏向器は支持基板30と第2基板40より成る。上部の支持基板30には、可動板31が一対のねじりバネ32で支持される。可動板31の上面はミラー面となり、下面には硬磁性膜33が設けられている。ねじりバネ32の一端を支持する支持基板30の下面(硬磁性膜33が形成された側の面)には、平面コイル42が形成されている。硬磁性膜33はねじりバネ32の軸方向と直角する方向に面内で磁化されており、永久磁石となっている。したがって、可動板31のねじりバネ32のない辺にはN極またはS極の磁極が現れる。他方、上記した様に、第2基板40には軟磁性膜の固定コア41a、41bが設けられている。
【0065】
本実施例の平面コイル42と硬磁性膜33と軟磁性膜41a、41bの配置は実施例1と同様であり、軟磁性膜41a、41bがあることで、無い場合に比べて可動板31の回転角が大きくなり偏向角が広くなっている。また、軟磁性膜41a、41bを設けたことで可動板31に加わるトルクが大きくできる為に、ねじりバネ32のバネ定数を大きくしても、平面コイル42への同じ電流にて、軟磁性膜が無いものと等しい回転角を得ることが可能となる。ねじりバネ32のバネ定数を大きくすると、この振動系の共振周波数が上がり、この結果、可動板31のミラー面による高速走査が可能となる。これらのことは実施例1と同じである。
【0066】
(実施例3)
図7は本発明の実施例3の光偏向器を説明する分解図である。実施例3は、軟磁性膜61を第2基板60の下面全面に付着させ、固定コアを1つとしたものである。
【0067】
本実施例の光偏向器は支持基板50と第2基板60より成る。上部の支持基板50には、可動板51が一対のねじりバネ52で支持される。可動板51の下面には硬磁性膜53が設けられている。第2基板60の上面には、平面コイル62が形成されている。固定コア61となる軟磁性膜は第2基板60の下面全面に形成されている。硬磁性膜53は、ねじりバネ52の軸方向と直角する方向に面内で磁化されており、永久磁石となっている。したがって、ここでも可動板51のねじりバネ52のない辺にはN極またはS極の磁極が現れる。第2基板60には、窓部63が設けてある。本実施例では、硬磁性膜53をミラー面として用いており、第2基板60の窓部63側から偏向される光が入射することとなる。
【0068】
本実施例では、実施例1及び実施例2より軟磁性膜61の面積が大きいため、より大きな磁界を発生することができる。すなわち、図7の第2基板60の左右部分の軟磁性膜61は勿論、軟磁性膜61も硬磁性膜53の磁極の所に大きな磁界を発生する様に作用するが、上下部分の軟磁性膜61も硬磁性膜53の磁極の上下部分の所に大きな磁界を発生する様に作用する。また、第2基板60の下面全面に形成される固定コア61は作製時にマスクする必要がなく、工数を短縮できる。
【0069】
(実施例4)
図8は本発明の実施例4を説明する分解図である。実施例4は、第2基板80の窓部を貫通させずに、段差とした凹部84を形成したものである以外は実施例1と同様の構成となっている。
【0070】
本実施例の光偏向器も支持基板70と第2基板80より成る。上部の支持基板70には、可動板71が一対のねじりバネ72で支持される。可動板71の上面はミラー面となり、下面には硬磁性膜73が設けられている。この硬磁性膜73はねじりバネ72の軸方向と直角する方向に面内で磁化されており、永久磁石となっている。したがって、可動板71のねじりバネ72のない辺にはN極またはS極の磁極が現れる。第2基板80には、固定コア81a、81b、及び固定コア81a、81bの上に絶縁膜(不図示)を介して形成された平面コイル82が設けられている。
【0071】
上記凹部84の段差は、ミラー面を持つ可動板71の可動域を確保する深さとしてある。実施例1と同様の配置により作製した本実施例の光偏向器は、窓部を凹部84とすることで剛性を上げることができた。これにより、作製した光偏向器のハンドリングが容易となる。また、装置裏面からの機械的な損傷を受けることがなく、ミラー面を保護できる様になっている。
【0072】
(実施例5)
図10に本発明の実施例5による2次元光偏向器101を示す。図10(A)は本実施例の光偏向器の上面図、(B)はA−A線に沿う断面図、(C)はB−B線に沿う断面図である。図11に、本発明の光偏向器を用いた画像表示装置の基本的な構成を示す概略図を示す。図11では、支持基板102及びそれに支持された第1及び第2可動板105、106のみ描いてある。
【0073】
実施例5の構成を説明する。本実施例では、図10に示すように、基板である第1支持基板102と第2支持基板103をスペーサ基板104の上下面に接合した構成となっている。枠状の第1支持基板102には、第1可動板105と第2可動板106がそれぞれ一対のねじりバネ107、108で弾性的に回転軸(C)、回転軸(D)の回りでねじれ振動自在に支持されている。第1可動板105の一方の面には光を反射する反射面109が設けられている。第2可動板106の一方の面には硬磁性膜110、111がそれぞれ可動板106の両側に(図10中、第1可動板105を挟んで上下方向の位置に)配置してある。
【0074】
硬磁性膜110、111は回転軸Cに対し図10中上下対称に配置したが、第2可動板106全面に設けられてもよい。硬磁性膜110、111は、第1支持基板102上の軟磁性膜116、117に対向する図10中の左右の方向に着磁されている。第1支持基板102上には、コイル112が可動板105、106を周回するように巻かれており、その終端にはパッド113、114がある。そして、コイル112の形成された第1支持基板102上には、絶縁層115が形成されており、絶縁層115の上に、硬磁性膜110、111の磁極に対向するように軟磁性膜116、117が設けられている。
【0075】
第2基板103には、回転軸Cを挟んで、固定電極118、119が第1可動板105の反射面とは反対の下面に対応する位置に配置してある。そして、第1可動板105の反射面とは反対の下面には、可動電極120が設けてある。
【0076】
次に、本実施例の光偏向器の動作原理について、図10及び図11の画像表示装置の概略図を用いて以下に述べる。本光偏向器は2次元に光線121を走査する光偏向器である。固定電極118、119と可動電極120との間に電圧を印加することで、第1可動板105をねじりバネ107にて回転軸(C)の回りでねじり回転を行う。これにより、図11中の反射面109に入射する光線121をスクリーン122上でH方向に走査することとなる。V走査は、硬磁性膜110、111とコイル112により第2可動板106をねじりバネ108にて回転軸(D)の回りでねじり回転させることにより行う。
【0077】
図10中の左右方向に着磁した硬磁性膜110、111に対し、コイル112に流す電流を変化させることによりコイル112内の磁界を変化させ、第2可動板106上の硬磁性膜110、111の磁極に回転トルクが生じ第2可動板106がねじり回転する。これにより、図11中の反射面109に入射する光線121がスクリーン122上でV方向に走査される。第1可動板105は第2可動板106の中に入れ子構造で設けられており、光線121が第1可動板105によるH走査をしつつV走査を行うラスター走査がスクリーン122上で達成される。光線121としてレーザー光を用い、光走査のタイミングと関係した所定の強度変調を行うことで、スクリーン122上に2次元画像が形成される。
【0078】
画像形成する上で、60Hzのフレーム速度で解像度SVGAを達成するには、走査領域全てを画像形成領域とした場合、H走査側にて往復走査600本の走査線(往路走査のみでは300本)が必要である。60Hz毎に画像を書き換える場合、18kHzの周波数で第1可動板105をねじり回転することとなる。また、V走査では、第2可動板106のねじり回転を60Hzで行うこととなる。このため、固定電極118、119には交互に18kHzの交流電圧を印加し、コイル112には60Hzの交流電流を流すこととなる。
【0079】
本実施例の光偏向器の構成材料について説明する。第1支持基板102および第2支持基板103は、それぞれ熱酸化膜0.5μmを形成した(100)方位面を有する厚さ200μmのp型シリコン基板からなる。第1可動板105、第2可動板106、ねじりバネ107、108は、Inductively Coupled Plasma Reactive Ion Etching(ICP−RIE)装置によるエッチング加工により第1支持基板102であるシリコン基板をエッチングして貫通孔を設けることで、形成される。コイル112は、第1支持基板102の外枠部上にCuを真空蒸着した後に、フォトリソグラフィプロセスによりレジストマスクを設け、イオンミーリング装置によりCuをコイルパターン形状にパターニングし、レジストマスクを除去することにより形成される。
【0080】
絶縁層115は、コイル112上に絶縁樹脂又は絶縁薄膜を成膜し、フォトリソグラフィプロセスとエッチングにより形成する。ここでは、絶縁層115は、スピン塗布法によりポリイミド膜50μmを塗布した後にパターニングして支持基板102の部分のみに形成した。20μmの厚さの軟磁性膜116、117及び硬磁性膜110、111は、夫々、絶縁層115上、シリコンである第2可動板106上に電気メッキにより形成した。軟磁性体としてはパーマロイ、硬磁性体としてはCo−Pを用いる。反射膜109にはAlを用い、電子ビーム蒸着法により、第1可動板105上に1μm厚で成膜した。スペーサ基板104は200μmの厚さのガラス基板を用いた。固定電極118、119及び可動電極120は、コイル形成と同様の方法により、夫々、所定のパターンで第2支持基板103上及び第1可動板105の裏面上に形成した。
【0081】
本実施例の光偏向器では、軟磁性膜116、117を、第2可動板106上の硬磁性膜110、111の磁極の近傍に所定の配置関係で設けたことで、コイル112で発生する磁束が磁極近傍に効率良く流入し、第2可動板106に対して大きなトルクを得ることが可能となる。
【0082】
本実施例の2次元光偏向器では、V走査に関し、周回するコイル112に電流を流すことで低電圧駆動を実現している。また、コイルが可動板上に配置されておらず、コイルの電気抵抗によるコイル発熱にて可動板を直接加熱することが無いので、可動板の周波数変動を避けることが可能となる。
【0083】
また、本実施例の2次元光偏向器では、発生力を増すには硬磁性体の残留磁化の大きさを上げるか又は硬磁性体薄膜の厚みを厚くすれば良い。したがって、慣性モーメントが、可動板の重さ及び可動板の回転軸からの長さに夫々1乗及び2乗で比例することから、本実施例では、1乗できく質量を増すことのみで発生力を大きくできて、慣性モーメントの上昇を抑えることができる。この様な本実施例の光偏向器は、発生力を大きく、且つ慣性モーメントの上昇を抑えて高速走査する上で好ましい構成となっている。
【0084】
(実施例6)
図12に本発明の実施例6による2次元光偏向器201を示す。図12(A)は本実施例の光偏向器の上面図、(B)はA−A線に沿う断面図、(C)はB−B線に沿う断面図である。図13に、本実施例の光偏向器にて光線を2次元走査する場合のコイル212への印加電流信号を示し、縦軸は電流であり、横軸は時間である。
【0085】
本実施例の構成を説明する。図12に示すように、枠状の第1支持基板202には、第1可動板205と第2可動板206それぞれが一対のねじりバネ207、208で弾性的に回転軸(C)、回転軸(D)の回りにねじれ振動自在に支持されている。第1可動板205の一方の面には光を反射する反射面209が設けられている。さらに、第1可動板205の一方の全面(反射面209の下)には硬磁性膜210が配置してある。また、第2可動板206の一方の面(図12(A)の上下の部分)には硬磁性膜211が配置してある。第1可動板205の硬磁性膜210は図12(A)中の上下の方向に着磁されている。これに対して、第2可動板206の硬磁性膜211は図12(A)中の左右の方向に着磁されている。
【0086】
第1支持基板202には、コイル112が可動板205、206を周回するように巻かれており、その終端にはパッド213、214がある。第1支持基板202の上面には、絶縁層215が形成されており、絶縁層215の上に、硬磁性膜211に対向するように軟磁性膜216、217が設けられている。これにより、コイル212に流す電流による磁界が、第2可動板206上の硬磁性膜211は勿論、第1可動板205上の硬磁性膜210にも働くようになっている。
【0087】
本実施例の光偏向器の動作原理は、図10及び図11の画像表示装置の概略図を用いて述べた第2可動板106を動作するのと同様の方法により、第1及び第2可動板205、206をねじり回転させるものである。コイル212に流す電流を変化させることで、コイル212内の磁界が変化し、第1及び第2可動板205、206上の硬磁性膜210、211の磁極に回転トルクが生じ、第1および第2可動板が夫々回転軸(C)、(D)の回りにねじり回転する。図13は、コイル212へ流す駆動用の電流の一例である。駆動電流は、高い周波数(fh)のサイン波を低い周波数(fl)のサイン波に重畳させてあり、これにより第1可動板205と第2可動板206を夫々の回転軸の回りにねじり回転させることができる。
【0088】
この場合に、第1可動板205の共振周波数(fr1)、第2可動板206の共振周波数(fr2)とfh、flとの関係を以下のように設定することで、可動板205、206同士の変位に関するクロストークを最小限にとどめることが可能となる。
fr1 ≧ fh > fr2 , fr2 ≧ fl (2)
これは、fr2が機械式のハイパスフィルタとなり、高周波数fhでは低速の第2可動板206が時間的追従できないことによる。上記交流の電流をコイル212に印加することで、本実施例の光偏向器により、図11に記載の画像表示装置を構成することが可能となる。
【0089】
本実施例の光偏向器では、軟磁性膜216、217を、第2可動板206上の硬磁性膜211の磁極の近傍に設けたことで、コイル212で発生する磁束がこの磁極近傍に効率良く流入し、大きなトルクを得ることが可能となる。第1可動板205上の硬磁性膜210の磁極の軟磁性膜216、217に近い部分にも同様な作用がある。
【0090】
本実施例の光偏向器の構成材料について説明する。第1支持基板202は、熱酸化膜を0.5μmの厚さで形成した(100)方位面を有する厚さ200μmのp型シリコン基板からなる。第1可動板205及び第2可動板206、ねじりバネ207、208は、ICP−RIE装置によるエッチング加工により同一の第1支持基板202であるシリコン基板をエッチングして貫通孔を設けることで、形成される。コイル212は、Cuを真空蒸着した後にフォトリソグラフィプロセスによりレジストマスクを設け、イオンミーリング装置によりCuをコイルパターン形状にパターニングし、レジストマスクを除去することにより、形成する。
【0091】
絶縁層215は、コイル212上に絶縁樹脂又は絶縁薄膜を成膜してフォトリソグラフィプロセスとエッチングを行なうことにより、形成する。ここでは、絶縁層215は、スピン塗布法によりポリイミド膜を50μm塗布し、パターニングして外枠である支持基板202の部分のみに形成した。20μmの厚さの軟磁性膜216、217及び硬磁性膜210、211は、夫々絶縁層215及びシリコンである第1、2可動板205、206上に電気メッキにより形成する。軟磁性体としてはパーマロイ、硬磁性体としてはCo−Pを用いた。反射膜209は、電子ビーム蒸着法により第1可動板205の硬磁性膜210上に1μmのAl薄膜を成膜した。
【0092】
本実施例の2次元光偏向器でも、V、H走査ともに、周回するコイル212に電流を流すことで低電圧駆動を実現している。また、コイルが可動板上に配置されておらず、コイルの電気抵抗によるコイル発熱にて可動板を直接加熱することが無いので、可動板205、206の周波数変動を避けることが可能となる。
【0093】
また、本実施例の2次元光偏向器でも、発生力を増すには硬磁性体の残留磁化の大きさを上げるか又は硬磁性体薄膜の厚みを厚くすれば良い。したがって、慣性モーメントが、可動板の重さ及び可動板の回転軸からの長さに夫々1乗及び2乗で比例することから、本実施例でも、1乗できく質量を増すことのみで発生力を大きくできて、慣性モーメントの上昇を抑えることができる。この様な本実施例の光偏向器は、発生力を大きく、且つ慣性モーメントの上昇を抑えて高速走査する上で好ましい構成となっている。
【0094】
(実施例7)
図14は実施例7の光学機器である画像表示装置の基本的な構成を示す概略図である。
【0095】
図14の画像表示装置において、偏向方向が互いに直交するように、実施例1、2、3或いは4に示された光偏向器を2個配置した光偏向器群301が設けられ、これは水平・垂直方向に入射光をラスタスキャンする光スキャナ装置として作用する。図14において、302はレーザ光源であり、303はレンズ或いはレンズ群であり、304は書き込みレンズまたはレンズ群であり、305は投影面である。レーザ光源302から出射されるレーザ光は、光走査のタイミングと関係した所定の強度変調を受けて、光偏向器群301により2次元的に走査される。走査されたレーザ光は、書き込みレンズ304により投影面305上に画像を形成する。
【0096】
光偏向器群301を実施例5または6の2次元光偏向器に置き換えても同様の画像表示装置を構成できる。
【0097】
(実施例8)
図15は、実施例8の光学機器である画像表示装置の基本的な構成を示す図である。図15において、401は実施例1、2、3或いは4に示された光偏向器であり、本実施例では入射光を1次元に走査する光スキャナ装置として作用する。402はレーザ光源である。403はレンズあるいはレンズ群であり、404は書き込みレンズ或いはレンズ群であり、406は感光体である。レーザ光源402から射出されたレーザ光は、光走査のタイミングと関係した所定の強度変調を受けて、光偏向器401により1次元的に走査される。走査されたレーザ光は、書き込みレンズ404により感光体406上へ画像を形成する。感光体406は回転しているので、感光体406上には2次元画像が形成される。
【0098】
感光体406は図示しない帯電器により一様に帯電されており、この上に光を入射することによりその部分に静電潜像を形成する。次に、図示しない現像器により静電潜像の画像部分にトナー像を形成し、これを例えば用紙に転写・定着することで印字を行うことが可能である。
【0099】
光偏向器401を実施例5または6の2次元光偏向器に置き換えても同様の画像表示装置を構成可能である。この場合は、感光体は平面状であって、静止していればよい。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光偏向器などの揺動体装置は、平面コイルなどの磁気発生手段と軟磁性体ないし膜を硬磁性体ないし膜の近傍に配置することで、偏向角が大きく、高速走査が可能な、消費電力の小さな光偏向器等の揺動体装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す分解図である。
【図2】本発明の第1の実施例の断面図であり、可動板に形成された永久磁石の着磁状態を示す。
【図3】シミュレーションの結果得られた、コイルによる磁束線の様子を表す図である。
【図4】シミュレーションの結果得られた、図3のコイルの下側に軟磁性膜を形成した場合の磁束線の様子を表す図である。
【図5】図4の中央部の拡大図であり、可動板の位置と磁界の方向の関係を説明する図である。
【図6】本発明の第2の実施例を示す分解図である。
【図7】本発明の第3の実施例を示す分解図である。
【図8】本発明の第4の実施例を示す分解図である。
【図9】本発明のコイルと硬磁性膜と軟磁性膜の配置構成を説明する図である。
【図10】本発明の第5の実施例である2次元光偏向器を説明する図である。
【図11】本発明の第5の実施例の2次元光偏向器を用いた画像表示装置を示す概念図である。
【図12】本発明の第6の実施例である2次元光偏向器を説明する斜視図である。
【図13】本発明の第6の実施例の光偏向器にて光線を2次元走査する場合のコイルへ印加する電流信号を説明する図である。
【図14】本発明の第7の実施例の他の型の画像表示装置の概念図である。
【図15】本発明の第8の実施例の他の型の画像表示装置の概念図である。
【図16】従来例の第1実施例を示す斜視図である。
【図17】従来例の第2実施例を示す斜視図である。
【図18】従来例の第3実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1、31、51、71、105、106、205、206 可動板
2、32、52、72、107、108、207、208 ねじりバネ
3、33、53、73、110、111、210、211 硬磁性膜
4、5、34、35、54、55、74、75 開口部
10、30、50、70、102、202 支持基板
20、40、60、80、103 第2基板
21a、21b、41a、41b、61、81a、81b、116、117、216、217 固定コア(軟磁性膜)
22、42、62、82、112、212 平面コイル
23、43、63 窓部
84 凹部
101、201 2次元光偏向器
104 スペーサ基板
109、209 反射面
113、114、213、214 パッド
115、215 絶縁層
118、119 固定電極
120 可動電極
121 光線
122 スクリーン
301、401 光偏向器群または光偏向器
302、402 レーザ光源
303、403 レンズまたはレンズ群
304、404 書き込みレンズまたはレンズ群
305 投影面
406 感光体
1101、1111、1121 ミラー部
1102、1112、1122 ガラス板
1103、1113、1123 ミラー面
1104、1114、1124 永久磁石
1105、1115、1125 支持部材
1106、1116、1126 磁気発生部
1107、1117、1127 コイル
1108、1128 コイル枠
1109、1119、1129 回転軸
1118 鉄芯

Claims (9)

  1. ねじりバネと、前記ねじりバネによって軸支された揺動体と、支持基板とを有し、前記揺動体が前記ねじりバネを中心に揺動できる揺動体装置であって、
    前記揺動体の一方の面に当該面と平行で且つ前記揺動体の回転軸と交差する方向に着磁された硬磁性体を有し、
    前記揺動体と離間して配置されるコイルおよび軟磁性体を有し、
    前記コイルと前記軟磁性体は前記面に対する鉛直方向において異なる位置に配置されており、
    前記硬磁性体は、前記軟磁性体と前記面に対する鉛直方向における同位置あるいは前記軟磁性体の前記コイルが配置されている側に配置されており、
    前記軟磁性体は、前記揺動体の回転軸を含み且つ前記面を鉛直方向に切断する平面の両側に配置されており、
    前記コイルは、電流を流すことにより、前記一方の側に配置されている前記軟磁性体の前記揺動体側の端部における磁極と、前記他方の側に配置されている前記軟磁性体の前記揺動体側の端部における磁極とが同極となる磁界を発生させるコイルであることを特徴とする揺動体装置。
  2. 前記コイルは前記面内方向に渦巻いていることを特徴とする請求項1に記載の揺動体装置。
  3. 前記硬磁性体と前記コイルと前記軟磁性体は前記面に対する鉛直方向において、順次前記硬磁性体、前記コイル、前記軟磁性体の順に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の揺動体装置。
  4. 前記揺動体は前記ねじりバネを介して前記支持基板に接続していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の揺動体装置。
  5. 前記揺動体は前記ねじりバネを介して前記揺動体とは別の外側の揺動体に接続しており、前記別の外側の揺動体は前記ねじりバネとは別のねじりバネによって前記支持基板に接続しており、前記ねじりバネの長尺方向と前記別のねじりバネの長尺方向は交差していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の揺動体装置。
  6. 前記揺動体は前記ねじりバネを介して前記支持基板に接続しており、前記揺動体とは別の内側の揺動体が前記ねじりバネとは別のねじりバネを介して前記揺動体に接続しており、前記ねじりバネの長尺方向と前記別のねじりバネの長尺方向は交差していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の揺動体装置。
  7. 前記揺動体の他方の面にミラーを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の揺動体装置。
  8. 光源と、前記光源から出射された光を偏向する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の揺動体装置を配置した光偏向器とを具備し、
    前記偏向された光を感光体上へ照射し画像形成することを特徴とする電子写真方式の画像形成装置。
  9. 光源と、前記光源から出射された光を偏向する請求項 1 乃至7のいずれか 1 項に記載の揺動体装置を配置した光偏向器とを具備し、
    前記偏向された光を画像表示体上に投影することを特徴とする画像表示装置。
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