JP2003255259A - 揺動体装置 - Google Patents

揺動体装置

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JP2003255259A JP2002368516A JP2002368516A JP2003255259A JP 2003255259 A JP2003255259 A JP 2003255259A JP 2002368516 A JP2002368516 A JP 2002368516A JP 2002368516 A JP2002368516 A JP 2002368516A JP 2003255259 A JP2003255259 A JP 2003255259A
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直樹 齋藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型かつ軽量にでき、偏向角を大きくでき、走
査を高速にでき、消費電力を小さくできる光偏向器など
の揺動体装置、光偏向器、及び揺動体装置を用いた装置
である。 【解決手段】揺動体装置は、回転軸中心に回転可能な揺
動体1を有する。回転軸の方向と角度を成す所定方向に
着磁されて永久磁石にされた硬磁性体3が揺動体1に設け
られ、着磁方向と回転軸の方向に角度を成して制御可能
に磁束線を発生させるための平面コイルである磁気発生
手段22が設けられ、さらに磁気発生手段22により発生さ
れた磁束線を硬磁性体3の磁極付近に有効に分布させる
ために端が硬磁性体3の磁極に近接して配置された軟磁
性体21a、21bが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸回りに揺動可能
な揺動体を有する揺動体装置に関し、具体的には入射し
た光を偏向する為の揺動体を電磁力を利用して揺動する
光偏向器及びそれを用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、レーザ光等の光ビームを偏向・走
査する装置(本明細書では光偏向器と称する)は、レー
ザプリンタ、バーコードリーダ等の光学機器に用いられ
ている。これらの機器に組み込まれる光偏向器として、
従来、側面がミラー面である多角柱を回転させて、入射
した光の反射方向を変化させるポリゴンミラー、平面鏡
を電磁アクチュエータによって回転振動させるガルバノ
ミラーなどがある。
【0003】これら従来のミラー、すなわちポリゴンミ
ラーではミラーを回転させる電磁モータが必要で、また
ガルバノミラーでは機械巻きの駆動コイルと磁界発生の
ための大型ヨークが必要である。また高い出力トルクを
得るという理由から、これらの機械要素の小型化には限
度がある。また、各構成部材を組み上げる際のスペース
等から、光偏向のための装置全体のサイズの縮小には限
度がある。
【0004】ところで電磁気学上の基礎的な知見とし
て、一様な磁界の中に置かれた磁石にはトルクが発生す
ることが知られている。mを磁石の磁気モーメント(ベ
クトル)、磁界(ベクトル)をHとすると、トルクT
(ベクトル)は T=m×H (1) である。
【0005】この知見を利用した光偏向器として、走査
ミラーの駆動装置がある(例えば特許文献1参照。)。
この特許文献1における光偏向器である走査ミラーの駆
動装置を図16ないし図18に図示する。図16は同文
献の第1実施例を示す斜視図である。この光偏向器は、
コイル枠1108に巻回されたコイル1107を有する
磁気発生部1106とミラー部1101から成る。ミラ
ー部1101はガラス板1102とミラー面1103と
薄膜状の永久磁石1104を有し、装置本体(図示せず)
に対して回転軸1109回りに回転可能なよう、一対の
支持部材1105で支持される。薄膜状の永久磁石11
04は回転軸1109を挟んで異極に着磁されている。
磁気発生部1106は、ミラー部1101の永久磁石1
104側に、ミラー部1101から所定の距離を隔てて
配設されている。
【0006】コイル1107に通電することにより磁気
発生部1106からは磁界が発生し、ミラー部1101
は、上述の式(1)に応じたトルクにより回転し、光を
ミラー面1103に照射すればこれを偏向・走査するこ
とができる。
【0007】図17は同文献の第2実施例を示す。この
光偏向器では、上記コイル枠1108に巻回されたコイ
ル1107を有する磁気発生部1106が、コイル11
17及び鉄心1119を有する磁気発生部1116に置
き換わっている。その他は上記同文献の第1実施例と同
じである。
【0008】図18は同文献の第3実施例を示す。この
光偏向器は、コイル枠1128に巻回されたコイル11
27を有する磁気発生部1126とミラー部1121か
ら成る。ミラー部1121はガラス板1122とミラー
面1123と薄膜状の永久磁石1124を有し、磁気発
生部1126に対して回転軸1129回りに回転可能な
よう、一対の支持部材1125で支持される。薄膜状の
永久磁石1124は回転軸1129を挟んで異極に着磁
されている。磁気発生部1126は、支持部材1125
の一方の端部と連結されており、ミラー部1121の外
周に配置される。そして引用文献1の光偏向器は、レー
ザ光の干渉を利用して、微細な凹凸や傷を走査検出する
レーザ変位センサー等において使用されるものである。
【0009】
【特許文献1】特開平6−82711号公報(第2−4
頁、第1図、第5図、第6図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は該文献の光
偏向器であるとミラー部の偏向角を十分に広げること
や、ミラー部を高速回転運動させることや、消費電力を
低減することが困難であることに気づいた。該文献の光
偏向器において、回転速度を上げるためあるいは大きな
偏向角を得るため(ミラー部の回転角度を大きくするた
め)には、ミラー部に作用するトルクを大きくすること
が必要である。そしてトルクを大きくするためミラー位
置の磁界を大きくする必要がある。その場合、磁気発生
部をミラー部に近接させるかあるいはコイルに流す電流
を多くする必要がある。
【0011】該文献の光偏向器において、磁気発生部を
ミラー部に近接させようとすると、図16のような構成
では、コイルをミラー部の真下に近接させているためミ
ラーとコイルが接触してしまう。そのためミラーを広角
に振ることが出来ない。
【0012】しかもこの構成だと、コイルが上下方向
(ミラー面鉛直方向)においてコイルの下部側がミラー
部から遠のいてしまい磁界発生への寄与が小さい。磁界
の強さというものはミラーと周回するコイルとの距離の
2乗に反比例するため、このような構成ではトルクの発
生に不利である。このような構成で大きなトルクを得よ
うとすれば、コイルに流す電流を大きくしなければなら
ない。つまり消費電力が多くなってしまう。またコイル
を上下方向に設けるため、上下方向の小型化が困難であ
る。
【0013】また該文献の第2実施例の図17のタイプ
では、鉄芯1118を用いてコイル上端部から発生する
磁界を大きくしているタイプであるが、これでも上下方
向の小型化が実現できないしコイル下端部によるトルク
発生への寄与も小さい。また、ミラー1111に比べて
ミラーに対向する大きな鉄芯1118の面積が必要であ
る。コイル1117の上下方向の厚みを考えると、装置
が大型にもなるし、磁界を大きくするための鉄芯を用い
ることから重くもなる。
【0014】また上下方向に小型化かつ軽量化できるよ
うコイル1127をミラー1121の周囲に巻き回した
同文献の第3実施例の図18のタイプは、鉄心を用いて
いないタイプである。この構成でも上下方向に巻かれて
いるコイルの上下端は磁界への寄与が低い。したがっ
て、ミラー1121を大きく傾けるためには、大きな消
費電力が必要になってしまう。
【0015】また本発明者は、ミラーの走査速度(揺動
速度)を高めるためには駆動軸のバネを硬くする必要が
あると考えた。ただし、上述の光偏向器においてバネを
硬くしてもこの光偏向器はそもそも電力消費に改善の余
地が大きく残されていることから、バネを硬くすれば消
費電力が更に大きくなってしまうことに気づいた。
【0016】本発明は、電力消費が少なく、軸支される
揺動体に作用するトルクが大きく発生することができる
揺動体装置およびそれを有する光偏向器、そして画像表
示装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】よって本発明は、ねじり
バネと、前記ねじりバネによって軸支された揺動体と、
支持基板とを有し、前記揺動体が前記ねじりバネを中心
に揺動できる揺動体装置であって、前記揺動体の一方の
面に硬磁性体を有し、前記揺動体と離間して配置される
コイルおよび軟磁性体を有し、前記コイルと前記軟磁性
体は前記面に対する鉛直方向において異なる位置に配置
されており、前記硬磁性体は、前記軟磁性体と前記面に
対する鉛直方向における同位置あるいは前記軟磁性体の
前記コイルが配置されている側に配置されていることを
特徴とする揺動体装置を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】本実施形態に係る揺動体装置は、
回転軸中心に回転可能な揺動体を有する揺動体装置であ
る。回転軸の方向と交差する方向(具体的には90度の角
度を成す方向)に着磁されて永久磁石にされた硬磁性体
が揺動体に設けられている。また磁束線を発生させるた
めの磁気発生手段を有する。さらに磁気発生手段が発生
する磁束線を揺動体にとりつけた硬磁性体の磁極付近に
有効に分布させるため、端が硬磁性体の磁極に近接して
配置された軟磁性体を有する。軟磁性体と磁気発生手段
は、揺動体とは離間して配置されており両者は実質的に
一体に配置されている。
【0019】この構成によれば、軟磁性体により、揺動
体に対して大きなトルクを発生することができる。ま
た、可動部分(揺動体)にはトルクを生じるための電気
的配線を設けないので、揺動体が揺動しつづけても配線
の断線の可能性がなく長寿命の光偏向器等の揺動体装置
を提供できる。またこの構成だと硬磁性体の磁極は決ま
っているので、硬磁性体と軟磁性体の間に生じる異或い
は同磁極間の磁力(吸引力或いは反発力)により揺動体
を駆動することが可能である。またこの構成だと、保持
力が大きく、着磁が大きな硬磁性体を設けることによっ
て、磁気発生手段としてコイルを用いればこの構成によ
って、発生力を十分大きくすることが可能である。よっ
て本実施形態に係る揺動体装置は小型、省電力で大発生
力のアクチュエータを提供できる。
【0020】本実施形態では硬磁性体は平面状であるこ
とが好ましい。また磁気発生手段は該硬磁性膜の面とほ
ぼ平行な面に平面状に巻き回された平面状コイルである
ことが好ましい。この場合、前記平面状コイルが前記揺
動体を周回する位置に平面状に巻き回されている構成に
すれば、簡単な構成であるにもかかわらず揺動運動の振
幅を大きくできる。
【0021】また、本実施形態に係る揺動体は平板状の
揺動板である。硬磁性体は揺動板の面上全面に渡って1
つ設けられているが、これは、回転軸を挟む揺動板の両
端に異なる磁極が設けられていることを示す一例の構成
である。この構成において、揺動体を周回する位置に平
面状に上記平面状コイルを巻き回せば、簡単な構成であ
るにもかかわらず揺動運動の振幅を大きくできる。すな
わち、この場合には、硬磁性体と平面状コイルで生じる
磁気との間に生じる反発力と吸引力を利用して、揺動体
の駆動方向への偶力を発生させることができる。したが
って、同時に揺動体の両端にトルクをかけられるために
発生力が増す。また揺動方向以外の変位が生じにくい構
成とすることもできる。
【0022】もちろん本発明において硬磁性体の設け方
は、これに限らず、複数の硬磁性体を設ける設け方でも
よいし、回転軸を挟む揺動板の両端に同じ磁極が形成さ
れる設け方でもよい。あるいは回転軸を挟む揺動板の一
端のみに磁極が形成される様にしてもよく、種々の形態
を採り得る。そして、硬磁性体による磁極の形成の仕方
に応じて、平面状コイル及び軟磁性体を単数或いは複数
設けて、揺動体に好適にトルクが作用する様にしてもよ
い。
【0023】本実施形態において硬磁性体ないし膜の着
磁方向は、回転軸方向と直交する。また、軟磁性体は平
面状コイルの平面に沿って設けられた軟磁性膜である。
さらに、軟磁性膜が帯状をなし、その一端が、硬磁性体
の磁極に近接して配置されている。こうした態様は、装
置を小型かつ軽量にし、揺動運動を高速にし、消費電力
を小さくするのに資する。
【0024】本実施形態において次のいずれかの配置関
係が極めて好適である。第1には、硬磁性体ないし膜
が、軟磁性膜ないし膜の面のうち平面状コイルが配置さ
れている面側に配置されている。第2には、硬磁性体な
いし膜が、軟磁性膜ないし膜の面と略一致する平面内に
配置されている。第3には、平面状コイルの面が、硬磁
性体ないし膜と軟磁性体ないし膜の間に配置されてい
る。つまり本実施形態に係る揺動体装置では、揺動体の
面に対する鉛直方向に関して、硬磁性体と軟磁性体とが
同位置かあるいは硬磁性体が軟磁性体のコイルが配置さ
れている側に配置されていることが好適である。
【0025】これにより本実施形態に係る揺動体装置
は、トルクの発生を大きくすることが出来、揺動体をに
大きな力を与えることが出来る。また電力消費を減らす
ことが出来る。あるいは装置小型化を達成することが出
来る。
【0026】また本実施形態に係る揺動体装置は弾性支
持部と支持基板を有しており、弾性支持部は揺動体を支
持基板に連結し支持している。弾性支持部は回転軸方向
に伸びる一対のねじりバネ(トーションバー)であり揺
動体の一対の側面から揺動体を支持する。こうして、一
直線に沿って伸びた一対のねじりバネによって揺動体が
支持基板に対して弾性的に略該直線の回りに揺動自由に
支持されている形態を採り得る。そしてトルクの方向を
反転させれば揺動体を往復揺動できる。
【0027】本実施形態では軟磁性体ないし膜と平面状
コイルとが支持基板上に形成されたり、平面状コイルだ
けが支持基板上に形成されたりする。他に、軟磁性体な
いし膜と平面状コイルは、支持基板に離間して対向配置
した別の基板上に形成されてもよい。さらに、軟磁性体
ないし膜のみが、揺動体を支持する支持基板に離間して
対向配置した別の基板上に形成される形態でもよい。
【0028】またこの対向配置した基板は、揺動体に対
向する部分に窓部または凹部を有することが好ましい。
この場合、窓部または凹部の縁が、揺動体の縁に近接し
て配置されるのが良い。これにより、この対向配置した
基板が揺動体の底面と干渉する(接する)恐れが全くな
い揺動体装置が提供可能となり、例えば大きな偏向角の
光偏向器を比較的容易に実現できる。
【0029】本実施形態ではねじりバネと揺動体と支持
基板とが一体より成る。もちろん別体でもよいが一体の
方が好ましく更には同一材料であることが強度の上から
も好ましい。またこれらの構成要素は単結晶シリコンよ
りなることが好ましい。揺動体装置はマイクロマシニン
グ技術(つまりエッチング等の半導体プロセス)で作成
されるものである。
【0030】また本実施形態に係る揺動体装置は偏向子
そのものであることであってもよいし偏向子を有するも
のであってもよい。揺動体装置は光偏向器として構成さ
れる。この偏向子は、光を反射する反射面(ミラー面)
であったり、回折格子であったりする。光偏向子を反射
面とすることで作製が容易で可動部分(揺動体)の質量
の小さい光偏向器等を実現できる。また、光偏向子を回
折格子とすることで、入射光を複数のビームとして偏向
することができる。
【0031】また本実施形態に係る揺動体装置は、揺動
体アクチュエータ等として構成されたりすることもでき
る。
【0032】また本実施形態の揺動体装置は、光偏向器
として画像表示装置の構成要素として適用できる。その
場合、画像表示装置は光源(変調可能な半導体レーザな
ど)と、前記光源から出射された光を偏向する上記の光
偏向器を少なくとも1つ以上配置した光偏向器または光
偏向器群と、光偏向器または光偏向器群により偏向され
た光の少なくとも一部を投影するレンズとを有するもの
である。光源の変調と光偏向器の揺動体の動作は制御手
段で制御できる。このように本実施形態に係る揺動体装
置を画像表示装置に応用することで、非常に小型で安価
な画像表示装置が実現可能となる。
【0032】また本実施形態に係る揺動体装置を2次元
光偏向器として適用できる。具体的には、回転軸中心に
回転可能なミラー面を設けた揺動板を有する2次元光偏
向器であって、ミラー面を有する第1の揺動板と、一端
で第1の揺動板に結合されこれを回転自在に支持する第
1のねじりバネと、該第1のねじりバネの他端を支持す
る第2の揺動板と、一端で第2の揺動板に結合されこれ
を回転自在に支持する第2のねじりバネと、第2のねじ
りバネの他端を支持する支持基板からなり、第1又は第
2の可動板の少なくと1つに磁化された硬磁性膜が設け
られており、支持基板上には第1および第2の可動板を
周回する位置に平面状にコイルが巻き回されている。つ
まりこの揺動体装置において、揺動体はねじりバネを介
して揺動体とは別の外側の揺動体に接続しており、別の
外側の揺動体はねじりバネとは別のねじりバネによって
支持基板に接続しており、ねじりバネの長尺方向と別の
ねじりバネの長尺方向は交差している。
【0033】あるいはこの揺動体装置において、揺動体
はねじりバネを介して支持基板に接続しており、揺動体
とは別の内側の揺動体が別のねじりバネを介して揺動体
に接続しており、ねじりバネの長尺方向と前記別のねじ
りバネの長尺方向は交差している。この構成において、
好適には、平面状コイルの前記平面に沿って軟磁性膜
が、その端が前記硬磁性体の磁極に近接して配置されて
設けられる。光源と、この2次元光偏向器と、該光偏向
器により偏向された光の少なくとも一部を投影するレン
ズとで小型で安価な画像表示装置を構成できる。
【0034】(第1の実施の形態)以下に、光偏向器の
典型例を例にとって第1の実施の形態を説明する。実施
形態に係る光偏向器は、マイクロマシニング技術を用い
て作製され得、典型的には、ミラーと硬磁性膜とを有す
る可動板と、平面コイルと、平面コイルの平面に沿って
配置された軟磁性膜による固定コアと、前記可動板を支
持基板に対して回転可能に支持する弾性支持部を有する
ものである。
【0035】この典型例の駆動原理は、次のようにな
る。本発明の揺動体装置の駆動原理も本質的にこれと同
じである。
【0036】可動板の硬磁性膜は、揺動軸に対して直角
方向に磁化されてその端部にそれぞれS、Nの磁極を持
つ。コイルに流れる電流により、可動板に近い固定コア
(軟磁性膜)の2つの端部には、同磁極で、同様な大き
さの磁界が発生する。可動板の両磁極はこの磁界に反応
し、弾性支持部の軸回りにトルクが発生し、可動板は回
転する。ここで、コイルに流す電流を交流とするなら、
ミラーを有する可動板が一定の周期で揺動し、ミラーに
照射された光を振動・偏向させることができる。
【0037】上記の構造において、コイルを薄膜化すれ
ば、装置全体が薄型となる。しかし、立体的なコイルと
同じターン数を平面コイルで実現しようとすると、水平
方向の面積は大きな面積が必要となってしまう。このジ
レンマを解決する為に軟磁性膜による固定コアを設け
た。この軟磁性膜による固定コアを設けたことで、次の
ような利点が生じる。1つは、固定コアにより、大きな
磁界が発生するので大きな光偏向角(可動板の大きな回
転角)が実現できること、2つ目は、より少ない電流で
所定の磁界を得ることができ、消費電力の低下が実現で
きること、3つ目は、より少ないコイルのターン数で所
定の磁界を得ることができるため、小型化が実現できる
こと、である。
【0038】固定コア(軟磁性膜)の導入に関し、コイ
ルと硬磁性膜と軟磁性膜の配置関係は重要となる。一般
にコイルに近接させて軟磁性膜を設けると、軟磁性膜の
端部に磁極が発生し大きな磁界ができる。しかし、配置
によっては磁界分布の集中効率が落ちる場合があるの
で、最適な構成を必要とする。
【0039】本実施形態では、硬磁性膜による両磁極が
形成される面が、軟磁性膜が形成される面に対し、コイ
ルが形成される面側の方向に配置されている、または、
軟磁性膜が形成される面と略一致する平面内に配置され
る。これは以下の3つに配置に相当する。第1に、軟磁
性膜を形成する面と硬磁性膜による両磁極を形成する面
の間に、コイルを形成する面が配置してある、第2に、
軟磁性膜を形成する面とコイルを形成する面の間に、硬
磁性膜による両磁極を形成する面が配置してある、第3
に、前記軟磁性膜を形成する面が、硬磁性膜による両磁
極を形成する面と略同一平面内にある。
【0040】図9を用い、本発明の典型例のコイル22と
硬磁性膜3と軟磁性膜21a、21bの配置構成を説明す
る。コイルは可動板を周回しているが、ここでは断面の
みが描かれている。ここで、1は可動板、2は弾性支持
部であり、軟磁性膜21a、21bから出る磁束線の一部を
模式的に示す。詳細な磁束線図は、後述する実施例にて
シミュレーションの一例として説明される。図9(a)
は上記第1の配置であり、図9(b)は上記第2の配置
であり、図9(c)、(d)は上記第3の配置である。
【0041】図9(a)を用いて図の説明を行うと、軟
磁性膜21a、21bの端部に磁束線の密となる大きな磁界
ができ、磁束線はコイル22の配置される上方向へ向か
う。可動板1に設けた硬磁性膜22による両磁極は、軟磁
性膜21a、21bに対してコイル22側にある場合には、硬
磁性膜に直交する方向の大きな磁界を受けることにな
り、可動板1が大きな回転トルクを得る。このことは、
図9(b)における配置においても同様である。硬磁性
膜による両磁極と軟磁性膜の有効となる配置関係は、略
一致する平面内にそれぞれが配置される位置までとな
る。この一致する平面内を超えて、軟磁性膜21a、21b
の面を基準としてコイル22と反対側の位置に、硬磁性膜
による両磁極の面を配置すると、両磁極での磁界は逆に
小さくなる。このため、大きな回転トルクを得る限界と
しては図9(c)、(d)の通りとなる。
【0042】軟磁性膜21a、21bを硬磁性膜による両磁
極に近い位置に置けば両磁極に大きな力が働くが、力の
方向が可動板1の回転方向とずれると運動に寄与する成
分が少なくなる。したがって、硬磁性膜22による両磁極
を結ぶ方向と直交する磁界の成分が大きくなる図9
(a)、(b)の配置関係が、より好ましい。これによ
り、少ない消費電力で偏向角の大きな小型の光偏向器を
構成できる。
【0043】図9(a)の光偏向器を作製する場合、可
動板1と弾性支持部を支持する支持基板と、コイル22と
軟磁性膜21a、21bを形成した1つの基板とから成り得
る。図9(b)の光偏向器では、可動板1と弾性支持部
を支持する支持基板と、コイル22を形成した基板と、軟
磁性膜21a、21bを形成した基板との3つの基板が必要
である。このことより、最も好ましい配置は軟磁性膜−
コイル−硬磁性膜となる図9(a)の配置と言える。
【0044】可動板1は、片面または両面に、同方向に
着磁された硬磁性膜を有してもよい。可動板1を揺動す
る発生力を大きくするためには、硬磁性膜の少なくとも
一方は、上記の配置関係を満たす必要がある。
【0045】軟磁性膜21a、21bとコイル22は、可動板
1を支持する支持基板10上に形成することが可能であ
る。また、軟磁性膜21a、21bとコイル22が、可動板1
を支持する支持基板に対向配置した第2の基板の面に形
成されてもよい。第2の基板を用いる場合には、可動板
1に対向する部分に窓部または凹部を設けるのがよい。
基板を貫通する孔である窓部または凹部を形成すること
で、以下の2つの利点が得られる。第1は、可動板1が
ねじり回転により変位した際に第2の基板と接触しない
ためであり、第2は、可動板1が変位した際に第2の基
板との間にエアーダンピングを形成しない様にして振動
系のQ値が低下するのを防止するためである。窓部とす
る場合には、他の利点として、偏向する光を窓部を通し
て入射させることが可能になる。
【0046】可動板1の弾性支持部は単結晶シリコンか
ら成る様にもできる。単結晶シリコンは、入手の容易で
機械特性に優れた(すなわち、比較的軽量でありながら
物理的強度、耐性、寿命に優れた)材料である。この形
態のように弾性支持部を単結晶シリコンとすることで、
弾性支持部の減衰係数が小さくなるため、共振で利用し
た場合、大きなQ値を得られる。また、金属材料のよう
に繰り返し変形による疲労破壊が起きないので、長寿命
の光偏向器等が構成可能となる。
【0047】また、単結晶シリコンは、半導体回路製造
技術を用いて精度良く加工ができるため、形状再現性の
高い機械部品を形成する上で好適な材料である。反応性
ガスを用いたドライエッチングやアルカリ水溶液を用い
た異方性エッチングにより、シリコンからなる同一基板
内に弾性支持部と可動板と支持基板を一体化して形成で
き、別体となった結合部の無い構造物が形成できる。こ
のような構造物では、結合部でのエネルギー伝達効率が
減少しにくく、共振を利用する可動板においては大きな
Q値を得ることができる。
【0048】ミラー面は、偏向される光に対して反射係
数の高い材料を用いる。可視光領域ではアルミニウム、
銀等が好ましく、赤外光領域ではアルミニウム、銀、
金、銅、ロジウム等を用いることが可能である。硬磁性
膜3は、Sm−Co、Co−Cr、Co−Pt、Co−
P、Co−Ni、Ni−P等の薄膜をメッキ、スパッタ
等の手段により成膜する方法のほか、Fe−Co−Cr
系の永久磁石を接着する方法、Nd−Fe−Bに代表さ
れる希土類の永久磁石の粉末をペースト状の接着剤に混
ぜたものを塗布し、固化する方法により形成される。硬
磁性膜3は、強い磁場の中で所定方向に磁化されて永久
磁石にされる。
【0049】固定コアの軟磁性膜21a、21bは、Fe−
Ni(パーマロイ)、Fe−Si、Fe−N、Fe−Z
r−Nb、Co−Fe−B等の保持力が低くて残留磁化
が少なく、飽和磁化が大きく、損失が少ない磁性材料を
用い、メッキ、スパッタ等の手段により薄膜として形成
され得る。
【0050】このような本実施形態に係る光偏向器はレ
ーザーディスプレイを用いたビデオプロジェクタやレー
ザビームプリンタに適用することが出来る。高速且つ広
い偏向角が必要とされるこれらの製品に本実施形態の光
偏向器はその要求に答えることが出来る。
【0051】本実施形態に係る光偏向器は、VGAの解像
度(水平走査線数480本)の水平走査を光偏向器にて達
成出来る、垂直走査速度を60Hzとし、光線往復走査を利
用した場合で、走査周波数として14kHzで駆動可能であ
る。
【0052】また、本実施形態に係る光偏向器は、いわ
ゆるバルクタイプの構造にすれば、携帯機器に実装する
ことができる。小型化出来るからである。さらに、消費
電力が小さいため携帯機器は電池もしくはバッテリーに
よる駆動ができる。
【0053】
【実施例】以下に、より具体的な実施例を、図面を参照
しつつ説明する。
【0054】(実施例1)図1に本発明の実施例1による
光偏向器の分解図を示す。図2はA方向から見た図1の
B−B断面図である。本実施例の光偏向器は支持基板10
と第2基板20より成る。上部の支持基板10には、可動板
1が1軸方向に伸びた一対のねじりバネ2で支持される。
可動板1の上面にはミラー面(不図示)が設けられ、下
面には硬磁性膜3が設けられている。この硬磁性膜3はね
じりバネ2の軸方向と直角する方向に面内で磁化されて
おり、永久磁石となっている。したがって、可動板1の
ねじりバネ2のない辺にはN極またはS極の磁極が現れ
る。図2に可動板1の永久磁石2の着磁状態を示す。第2
基板20には、固定コア21a、21b、及び固定コア21a、
21bの上に絶縁膜24を介して形成された平面コイル22が
設けられている。
【0055】本実施例の光偏向器は以下に示す方法によ
り作製された。支持基板10、可動板1、ねじりバネ2は、
単結晶シリコン基板にエッチング加工を行ない、図1に
示す如く2つの開口部4、5を空けることにより形成され
る。これにより、支持基板10と可動板1とねじりバネ2は
一体化された単結晶シリコンより成り、大きなQ値の振
動系を得ることができる。上記ミラー面は、アルミニウ
ムを電子ビーム蒸着法により可動板1の表面上に成膜し
て形成する。硬磁性膜3は、Fe−Co−Crの永久磁
石の切片を可動板1の裏面上に接着して形成した。
【0056】第2基板20としては、熱酸化により形成し
た二酸化シリコン膜を有するシリコン基板を用いた。ま
ず、基板20上に、所定パターンの固定コア21a、21bと
なるFe−Ni(パーマロイ)の軟磁性膜をメッキによ
り形成する。次に、軟磁性膜21a、21b上に、絶縁体薄
膜24である二酸化シリコンを真空蒸着法の1つであるス
パッリングにより成膜する。この後、絶縁体薄膜24上に
銅をスパッタで成膜後、フォトレジストを塗布し、露
光、現像後にArガスを用いたイオンミーリングにより
パターニングし、平面コイル22を形成する。この後に、
第2基板20の裏面からドライエッチングを行ない、窓部
23を設けた。
【0057】しかる後、上部支持基板10と下部支持基板
20を所定の寸法にて結合させることにより、本実施例の
光偏向器と出来る。この動作原理は発明の実施の形態の
所で説明した通りである。この動作原理は実施例2以降
についても同じである。
【0058】図3は、シミュレーションにより、平面状
に巻き回したコイルによって生成される磁界の磁束線を
表したものである。図2と同様にミラー断面方向で見た
ものであり、図中、2本の水平の線がコイルである。磁
束線分布はコイル面の上下で対称になっていることが分
かる。図4は、このコイルの面に沿って下側に軟磁性膜
を付加した場合のシミュレーションの結果を示す。この
場合は、コイルを挟んで上下の磁束線の分布が非対称に
なることが分かる。
【0059】今、図5に示す様に、コイルの内側端面付
近に、回転軸を挟んだ可動板の両端部が来るように配置
するとすれば、Bの位置では、磁束線の接線の向き、す
なわち磁界の方向が可動板の回転の方向(図中、上下方
向)と成す角θは大きくなる。これに対し、Aの位置で
は、磁界の方向が可動板の回転方向に近い。したがっ
て、可動板の回転運動に寄与する磁界の成分が多くな
る。可動板のN極、S極での磁束がNからSの方向(図
中、左右方向)に対して直角方向に流れるように可動板
を配置すると、可動板の回転に対する効率が高くなる。
この点では、コイル面を挟んで軟磁性膜側と反対側に可
動板が位置するAの位置の方が優れている。したがっ
て、本実施例では、図2に示す様な配置関係で、硬磁性
膜3を持つ可動板1と固定コア21a、21bと平面コイル22
が設けられている。なお、図5中の磁束線は、可動板の
磁気的影響を無視して示してあるが、上の結論はそのま
ま有効である。また、図5では可動板全体が磁石である
としてある。
【0060】ここに、 可動板の厚さ t=20μm 可動板の幅 W=1.0mm (図5中、左右方向) 可動板の長さ L=1.28mm (図5の紙面垂直方
向) 可動板の磁化 M=0.65T(テスラ) 軟磁性膜の厚さ ts=20μm 軟磁性膜の幅 Ws=1.0mm 軟磁性膜の長さ Ls=1.6mm 軟磁性膜の比透磁率 μ=1000 コイルの厚さ tc=40μm コイルと軟磁性膜との隙間 gcs=5μm(軟磁性膜を下
方とする) コイルのターン数 T=50ターン コイルに流す電流 I=20mA A位置の軟磁性膜中心からの距離 DA=100μm(上
方) B位置の軟磁性膜中心からの距離 DB=100μm(下
方) 可動板端部とコイル、軟磁性膜端部の水平距離 DC=5
0μm とし、試作を行ない、実験を行なった。
【0061】実験の結果、Aの位置では、軟磁性膜があ
ると、無い場合に比べて回転角が大きくなり偏向角が広
くなった。回転角と可動板の弾性支持部のバネ定数から
トルクを算出した結果、軟磁性膜があることで約50%増
となった。これは、可動板の回転に寄与する磁界成分が
多く、回転を阻害する磁界成分が少ないためである。
【0062】一方、Bの位置では、軟磁性膜があると、
トルクは、軟磁性膜がない時の約40%に下がってしまっ
た。これは、可動板の回転の方向の磁界成分が少ないだ
けでなく、図5に示す如く回転軸から左右に遠ざかる方
向の磁界成分が大きく、これが可動板の回転を阻害する
ように作用することによる。また、AとBの間の位置に
可動板を配置した場合、図5からも分かる通り軟磁性膜
端部の磁束線が強く、Bの位置に比べて偏向角を広くと
れ、トルクが向上した。したがって、AとBの間の位置
に可動板を配置する構成も本発明の範囲に入る。
【0063】(実施例2)図6は本発明の実施例2を説明
する図である。支持基板30の下面にコイル42を設けた以
外は、実施例1と同様の配置となっている。
【0064】実施例2では、第2基板40上に軟磁性膜41
a、41bがあり、本実施例の光偏向器は支持基板30と第
2基板40より成る。上部の支持基板30には、可動板31が
一対のねじりバネ32で支持される。可動板31の上面はミ
ラー面となり、下面には硬磁性膜33が設けられている。
ねじりバネ32の一端を支持する支持基板30の下面(硬磁
性膜33が形成された側の面)には、平面コイル42が形成
されている。硬磁性膜33はねじりバネ32の軸方向と直角
する方向に面内で磁化されており、永久磁石となってい
る。したがって、可動板31のねじりバネ32のない辺には
N極またはS極の磁極が現れる。他方、上記した様に、
第2基板40には軟磁性膜の固定コア41a、41bが設けら
れている。
【0065】本実施例の平面コイル42と硬磁性膜33と軟
磁性膜41a、41bの配置は実施例1と同様であり、軟磁
性膜41a、41bがあることで、無い場合に比べて可動板
31の回転角が大きくなり偏向角が広くなっている。ま
た、軟磁性膜41a、41bを設けたことで可動板31に加わ
るトルクが大きくできる為に、ねじりバネ32のバネ定数
を大きくしても、平面コイル42への同じ電流にて、軟磁
性膜が無いものと等しい回転角を得ることが可能とな
る。ねじりバネ32のバネ定数を大きくすると、この振動
系の共振周波数が上がり、この結果、可動板31のミラー
面による高速走査が可能となる。これらのことは実施例
1と同じである。
【0066】(実施例3)図7は本発明の実施例3の光偏
向器を説明する分解図である。実施例3は、軟磁性膜61
を第2基板60の下面全面に付着させ、固定コアを1つと
したものである。
【0067】本実施例の光偏向器は支持基板50と第2基
板60より成る。上部の支持基板50には、可動板51が一対
のねじりバネ52で支持される。可動板51の下面には硬磁
性膜53が設けられている。第2基板60の上面には、平面
コイル62が形成されている。固定コア61となる軟磁性膜
は第2基板60の下面全面に形成されている。硬磁性膜53
は、ねじりバネ52の軸方向と直角する方向に面内で磁化
されており、永久磁石となっている。したがって、ここ
でも可動板51のねじりバネ52のない辺にはN極またはS
極の磁極が現れる。第2基板60には、窓部63が設けてあ
る。本実施例では、硬磁性膜53をミラー面として用いて
おり、第2基板60の窓部63側から偏向される光が入射す
ることとなる。
【0068】本実施例では、実施例1及び実施例2より
軟磁性膜61の面積が大きいため、より大きな磁界を発生
することができる。すなわち、図7の第2基板60の左右
部分の軟磁性膜61は勿論、軟磁性膜61も硬磁性膜53の磁
極の所に大きな磁界を発生する様に作用するが、上下部
分の軟磁性膜61も硬磁性膜53の磁極の上下部分の所に大
きな磁界を発生する様に作用する。また、第2基板60の
下面全面に形成される固定コア61は作製時にマスクする
必要がなく、工数を短縮できる。
【0069】(実施例4)図8は本発明の実施例4を説明
する分解図である。実施例4は、第2基板80の窓部を貫
通させずに、段差とした凹部84を形成したものである以
外は実施例1と同様の構成となっている。
【0070】本実施例の光偏向器も支持基板70と第2基
板80より成る。上部の支持基板70には、可動板71が一対
のねじりバネ72で支持される。可動板71の上面はミラー
面となり、下面には硬磁性膜73が設けられている。この
硬磁性膜73はねじりバネ72の軸方向と直角する方向に面
内で磁化されており、永久磁石となっている。したがっ
て、可動板71のねじりバネ72のない辺にはN極またはS
極の磁極が現れる。第2基板80には、固定コア81a、81
b、及び固定コア81a、81bの上に絶縁膜(不図示)を
介して形成された平面コイル82が設けられている。
【0071】上記凹部84の段差は、ミラー面を持つ可動
板71の可動域を確保する深さとしてある。実施例1と同
様の配置により作製した本実施例の光偏向器は、窓部を
凹部84とすることで剛性を上げることができた。これに
より、作製した光偏向器のハンドリングが容易となる。
また、装置裏面からの機械的な損傷を受けることがな
く、ミラー面を保護できる様になっている。
【0072】(実施例5)図10に本発明の実施例5によ
る2次元光偏向器101を示す。図10(A)は本実施例の
光偏向器の上面図、(B)はA−A線に沿う断面図、
(C)はB−B線に沿う断面図である。図11に、本発
明の光偏向器を用いた画像表示装置の基本的な構成を示
す概略図を示す。図11では、支持基板102及びそれに
支持された第1及び第2可動板105、106のみ描いてあ
る。
【0073】実施例5の構成を説明する。本実施例で
は、図10に示すように、基板である第1支持基板102
と第2支持基板103をスペーサ基板104の上下面に接合し
た構成となっている。枠状の第1支持基板102には、第
1可動板105と第2可動板106がそれぞれ一対のねじりバ
ネ107、108で弾性的に回転軸(C)、回転軸(D)の回り
でねじれ振動自在に支持されている。第1可動板105の
一方の面には光を反射する反射面109が設けられてい
る。第2可動板106の一方の面には硬磁性膜110、111が
それぞれ可動板106の両側に(図10中、第1可動板105
を挟んで上下方向の位置に)配置してある。
【0074】硬磁性膜110、111は回転軸Cに対し図10
中上下対称に配置したが、第2可動板106全面に設けら
れてもよい。硬磁性膜110、111は、第1支持基板102上
の軟磁性膜116、117に対向する図10中の左右の方向に
着磁されている。第1支持基板102上には、コイル112が
可動板105、106を周回するように巻かれており、その終
端にはパッド113、114がある。そして、コイル112の形
成された第1支持基板102上には、絶縁層115が形成され
ており、絶縁層115の上に、硬磁性膜110、111の磁極に
対向するように軟磁性膜116、117が設けられている。
【0075】第2基板103には、回転軸Cを挟んで、固定
電極118、119が第1可動板105の反射面とは反対の下面
に対応する位置に配置してある。そして、第1可動板105
の反射面とは反対の下面には、可動電極120が設けてあ
る。
【0076】次に、本実施例の光偏向器の動作原理につ
いて、図10及び図11の画像表示装置の概略図を用い
て以下に述べる。本光偏向器は2次元に光線121を走査
する光偏向器である。固定電極118、119と可動電極120
との間に電圧を印加することで、第1可動板105をねじり
バネ107にて回転軸(C)の回りでねじり回転を行う。こ
れにより、図11中の反射面109に入射する光線121をス
クリーン122上でH方向に走査することとなる。V走査
は、硬磁性膜110、111とコイル112により第2可動板106
をねじりバネ108にて回転軸(D)の回りでねじり回転さ
せることにより行う。
【0077】図10中の左右方向に着磁した硬磁性膜11
0、111に対し、コイル112に流す電流を変化させること
によりコイル112内の磁界を変化させ、第2可動板106上
の硬磁性膜110、111の磁極に回転トルクが生じ第2可動
板106がねじり回転する。これにより、図11中の反射
面109に入射する光線121がスクリーン122上でV方向に
走査される。第1可動板105は第2可動板106の中に入れ
子構造で設けられており、光線121が第1可動板105によ
るH走査をしつつV走査を行うラスター走査がスクリー
ン122上で達成される。光線121としてレーザー光を用
い、光走査のタイミングと関係した所定の強度変調を行
うことで、スクリーン122上に2次元画像が形成され
る。
【0078】画像形成する上で、60Hzのフレーム速度で
解像度SVGAを達成するには、走査領域全てを画像形成領
域とした場合、H走査側にて往復走査600本の走査線
(往路走査のみでは300本)が必要である。60Hz毎に画
像を書き換える場合、18kHzの周波数で第1可動板105を
ねじり回転することとなる。また、V走査では、第2可
動板106のねじり回転を60Hzで行うこととなる。このた
め、固定電極118、119には交互に18kHzの交流電圧を印
加し、コイル112には60Hzの交流電流を流すこととな
る。
【0079】本実施例の光偏向器の構成材料について説
明する。第1支持基板102および第2支持基板103は、そ
れぞれ熱酸化膜0.5μmを形成した(100)方位面を
有する厚さ200μmのp型シリコン基板からなる。第1
可動板105、第2可動板106、ねじりバネ107、108は、In
ductively Coupled Plasma Reactive Ion Etching(ICP
−RIE)装置によるエッチング加工により第1支持基板1
02であるシリコン基板をエッチングして貫通孔を設ける
ことで、形成される。コイル112は、第1支持基板102の
外枠部上にCuを真空蒸着した後に、フォトリソグラフ
ィプロセスによりレジストマスクを設け、イオンミーリ
ング装置によりCuをコイルパターン形状にパターニン
グし、レジストマスクを除去することにより形成され
る。
【0080】絶縁層115は、コイル112上に絶縁樹脂又は
絶縁薄膜を成膜し、フォトリソグラフィプロセスとエッ
チングにより形成する。ここでは、絶縁層115は、スピ
ン塗布法によりポリイミド膜50μmを塗布した後にパタ
ーニングして支持基板102の部分のみに形成した。20μ
mの厚さの軟磁性膜116、117及び硬磁性膜110、111は、
夫々、絶縁層115上、シリコンである第2可動板106上に
電気メッキにより形成した。軟磁性体としてはパーマロ
イ、硬磁性体としてはCo−Pを用いる。反射膜109に
はAlを用い、電子ビーム蒸着法により、第1可動板105
上に1μm厚で成膜した。スペーサ基板104は200μmの
厚さのガラス基板を用いた。固定電極118、119及び可動
電極120は、コイル形成と同様の方法により、夫々、所
定のパターンで第2支持基板103上及び第1可動板105の
裏面上に形成した。
【0081】本実施例の光偏向器では、軟磁性膜116、1
17を、第2可動板106上の硬磁性膜110、111の磁極の近
傍に所定の配置関係で設けたことで、コイル112で発生
する磁束が磁極近傍に効率良く流入し、第2可動板106
に対して大きなトルクを得ることが可能となる。
【0082】本実施例の2次元光偏向器では、V走査に
関し、周回するコイル112に電流を流すことで低電圧駆
動を実現している。また、コイルが可動板上に配置され
ておらず、コイルの電気抵抗によるコイル発熱にて可動
板を直接加熱することが無いので、可動板の周波数変動
を避けることが可能となる。
【0083】また、本実施例の2次元光偏向器では、発
生力を増すには硬磁性体の残留磁化の大きさを上げるか
又は硬磁性体薄膜の厚みを厚くすれば良い。したがっ
て、慣性モーメントが、可動板の重さ及び可動板の回転
軸からの長さに夫々1乗及び2乗で比例することから、
本実施例では、1乗できく質量を増すことのみで発生力
を大きくできて、慣性モーメントの上昇を抑えることが
できる。この様な本実施例の光偏向器は、発生力を大き
く、且つ慣性モーメントの上昇を抑えて高速走査する上
で好ましい構成となっている。
【0084】(実施例6)図12に本発明の実施例6に
よる2次元光偏向器201を示す。図12(A)は本実施例
の光偏向器の上面図、(B)はA−A線に沿う断面図、
(C)はB−B線に沿う断面図である。図13に、本実
施例の光偏向器にて光線を2次元走査する場合のコイル
212への印加電流信号を示し、縦軸は電流であり、横軸
は時間である。
【0085】本実施例の構成を説明する。図12に示す
ように、枠状の第1支持基板202には、第1可動板205と
第2可動板206それぞれが一対のねじりバネ207、208で
弾性的に回転軸(C)、回転軸(D)の回りにねじれ振動
自在に支持されている。第1可動板205の一方の面には
光を反射する反射面209が設けられている。さらに、第
1可動板205の一方の全面(反射面209の下)には硬磁性
膜210が配置してある。また、第2可動板206の一方の面
(図12(A)の上下の部分)には硬磁性膜211が配置し
てある。第1可動板205の硬磁性膜210は図12(A)中
の上下の方向に着磁されている。これに対して、第2可
動板206の硬磁性膜211は図12(A)中の左右の方向に
着磁されている。
【0086】第1支持基板202には、コイル112が可動板
205、206を周回するように巻かれており、その終端には
パッド213、214がある。第1支持基板202の上面には、
絶縁層215が形成されており、絶縁層215の上に、硬磁性
膜211に対向するように軟磁性膜216、217が設けられて
いる。これにより、コイル212に流す電流による磁界
が、第2可動板206上の硬磁性膜211は勿論、第1可動板
205上の硬磁性膜210にも働くようになっている。
【0087】本実施例の光偏向器の動作原理は、図10
及び図11の画像表示装置の概略図を用いて述べた第2
可動板106を動作するのと同様の方法により、第1及び
第2可動板205、206をねじり回転させるものである。コ
イル212に流す電流を変化させることで、コイル212内の
磁界が変化し、第1及び第2可動板205、206上の硬磁性
膜210、211の磁極に回転トルクが生じ、第1および第2
可動板が夫々回転軸(C)、(D)の回りにねじり回転す
る。図13は、コイル212へ流す駆動用の電流の一例で
ある。駆動電流は、高い周波数(fh)のサイン波を低い
周波数(fl)のサイン波に重畳させてあり、これにより
第1可動板205と第2可動板206を夫々の回転軸の回りに
ねじり回転させることができる。
【0088】この場合に、第1可動板205の共振周波数
(fr1)、第2可動板206の共振周波数(fr2)とfh、fl
との関係を以下のように設定することで、可動板205、2
06同士の変位に関するクロストークを最小限にとどめる
ことが可能となる。 fr1 ≧ fh > fr2 , fr2 ≧ fl (2) これは、fr2が機械式のハイパスフィルタとなり、高周
波数fhでは低速の第2可動板206が時間的追従できない
ことによる。上記交流の電流をコイル212に印加するこ
とで、本実施例の光偏向器により、図11に記載の画像
表示装置を構成することが可能となる。
【0089】本実施例の光偏向器では、軟磁性膜216、2
17を、第2可動板206上の硬磁性膜211の磁極の近傍に設
けたことで、コイル212で発生する磁束がこの磁極近傍
に効率良く流入し、大きなトルクを得ることが可能とな
る。第1可動板205上の硬磁性膜210の磁極の軟磁性膜21
6、217に近い部分にも同様な作用がある。
【0090】本実施例の光偏向器の構成材料について説
明する。第1支持基板202は、熱酸化膜を0.5μmの厚さ
で形成した(100)方位面を有する厚さ200μmのp
型シリコン基板からなる。第1可動板205及び第2可動
板206、ねじりバネ207、208は、ICP−RIE装置によるエ
ッチング加工により同一の第1支持基板202であるシリ
コン基板をエッチングして貫通孔を設けることで、形成
される。コイル212は、Cuを真空蒸着した後にフォト
リソグラフィプロセスによりレジストマスクを設け、イ
オンミーリング装置によりCuをコイルパターン形状に
パターニングし、レジストマスクを除去することによ
り、形成する。
【0091】絶縁層215は、コイル212上に絶縁樹脂又は
絶縁薄膜を成膜してフォトリソグラフィプロセスとエッ
チングを行なうことにより、形成する。ここでは、絶縁
層215は、スピン塗布法によりポリイミド膜を50μm塗
布し、パターニングして外枠である支持基板202の部分
のみに形成した。20μmの厚さの軟磁性膜216、217及び
硬磁性膜210、211は、夫々絶縁層215及びシリコンであ
る第1、2可動板205、206上に電気メッキにより形成す
る。軟磁性体としてはパーマロイ、硬磁性体としてはC
o−Pを用いた。反射膜209は、電子ビーム蒸着法によ
り第1可動板205の硬磁性膜210上に1μmのAl薄膜を
成膜した。
【0092】本実施例の2次元光偏向器でも、V、H走
査ともに、周回するコイル212に電流を流すことで低電
圧駆動を実現している。また、コイルが可動板上に配置
されておらず、コイルの電気抵抗によるコイル発熱にて
可動板を直接加熱することが無いので、可動板205、206
の周波数変動を避けることが可能となる。
【0093】また、本実施例の2次元光偏向器でも、発
生力を増すには硬磁性体の残留磁化の大きさを上げるか
又は硬磁性体薄膜の厚みを厚くすれば良い。したがっ
て、慣性モーメントが、可動板の重さ及び可動板の回転
軸からの長さに夫々1乗及び2乗で比例することから、
本実施例でも、1乗できく質量を増すことのみで発生力
を大きくできて、慣性モーメントの上昇を抑えることが
できる。この様な本実施例の光偏向器は、発生力を大き
く、且つ慣性モーメントの上昇を抑えて高速走査する上
で好ましい構成となっている。
【0094】(実施例7)図14は実施例7の光学機器
である画像表示装置の基本的な構成を示す概略図であ
る。
【0095】図14の画像表示装置において、偏向方向
が互いに直交するように、実施例1、2、3或いは4に
示された光偏向器を2個配置した光偏向器群301が設け
られ、これは水平・垂直方向に入射光をラスタスキャン
する光スキャナ装置として作用する。図14において、
302はレーザ光源であり、303はレンズ或いはレンズ群で
あり、304は書き込みレンズまたはレンズ群であり、305
は投影面である。レーザ光源302から出射されるレーザ
光は、光走査のタイミングと関係した所定の強度変調を
受けて、光偏向器群301により2次元的に走査される。
走査されたレーザ光は、書き込みレンズ304により投影
面305上に画像を形成する。
【0096】光偏向器群301を実施例5または6の2次
元光偏向器に置き換えても同様の画像表示装置を構成で
きる。
【0097】(実施例8)図15は、実施例8の光学機
器である画像表示装置の基本的な構成を示す図である。
図15において、401は実施例1、2、3或いは4に示さ
れた光偏向器であり、本実施例では入射光を1次元に走
査する光スキャナ装置として作用する。402はレーザ光
源である。403はレンズあるいはレンズ群であり、404は
書き込みレンズ或いはレンズ群であり、406は感光体で
ある。レーザ光源402から射出されたレーザ光は、光走
査のタイミングと関係した所定の強度変調を受けて、光
偏向器401により1次元的に走査される。走査されたレー
ザ光は、書き込みレンズ404により感光体406上へ画像を
形成する。感光体406は回転しているので、感光体406上
には2次元画像が形成される。
【0098】感光体406は図示しない帯電器により一様
に帯電されており、この上に光を入射することによりそ
の部分に静電潜像を形成する。次に、図示しない現像器
により静電潜像の画像部分にトナー像を形成し、これを
例えば用紙に転写・定着することで印字を行うことが可
能である。
【0099】光偏向器401を実施例5または6の2次元光
偏向器に置き換えても同様の画像表示装置を構成可能で
ある。この場合は、感光体は平面状であって、静止して
いればよい。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光偏向器
などの揺動体装置は、平面コイルなどの磁気発生手段と
軟磁性体ないし膜を硬磁性体ないし膜の近傍に配置する
ことで、偏向角が大きく、高速走査が可能な、消費電力
の小さな光偏向器等の揺動体装置を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す分解図である。
【図2】本発明の第1の実施例の断面図であり、可動板
に形成された永久磁石の着磁状態を示す。
【図3】シミュレーションの結果得られた、コイルによ
る磁束線の様子を表す図である。
【図4】シミュレーションの結果得られた、図3のコイ
ルの下側に軟磁性膜を形成した場合の磁束線の様子を表
す図である。
【図5】図4の中央部の拡大図であり、可動板の位置と
磁界の方向の関係を説明する図である。
【図6】本発明の第2の実施例を示す分解図である。
【図7】本発明の第3の実施例を示す分解図である。
【図8】本発明の第4の実施例を示す分解図である。
【図9】本発明のコイルと硬磁性膜と軟磁性膜の配置構
成を説明する図である。
【図10】本発明の第5の実施例である2次元光偏向器
を説明する図である。
【図11】本発明の第5の実施例の2次元光偏向器を用
いた画像表示装置を示す概念図である。
【図12】本発明の第6の実施例である2次元光偏向器
を説明する斜視図である。
【図13】本発明の第6の実施例の光偏向器にて光線を
2次元走査する場合のコイルへ印加する電流信号を説明
する図である。
【図14】本発明の第7の実施例の他の型の画像表示装
置の概念図である。
【図15】本発明の第8の実施例の他の型の画像表示装
置の概念図である。
【図16】従来例の第1実施例を示す斜視図である。
【図17】従来例の第2実施例を示す斜視図である。
【図18】従来例の第3実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1、31、51、71、105、106、205、206 可動板 2、32、52、72、107、108、207、208 ねじりバネ 3、33、53、73、110、111、210、211 硬磁性膜 4、5、34、35、54、55、74、75 開口部 10、30、50、70、102、202 支持基板 20、40、60、80、103 第2基板 21a、21b、41a、41b、61、81a、81b、116、117、21
6、217 固定コア(軟磁性膜) 22、42、62、82、112、212 平面コイル 23、43、63 窓部 84 凹部 101、201 2次元光偏向器 104 スペーサ基板 109、209 反射面 113、114、213、214 パッド 115、215 絶縁層 118、119 固定電極 120 可動電極 121 光線 122 スクリーン 301、401 光偏向器群または光偏向器 302、402 レーザ光源 303、403 レンズまたはレンズ群 304、404 書き込みレンズまたはレンズ群 305 投影面 406 感光体 1101、1111、1121 ミラー部 1102、1112、1122 ガラス板 1103、1113、1123 ミラー面 1104、1114、1124 永久磁石 1105、1115、1125 支持部材 1106、1116、1126 磁気発生部 1107、1117、1127 コイル 1108、1128 コイル枠 1109、1119、1129 回転軸 1118 鉄芯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 直樹 埼玉県秩父市大字下影森1248番地 キヤノ ン電子株式会社内 (72)発明者 川瀬 正博 埼玉県秩父市大字下影森1248番地 キヤノ ン電子株式会社内 Fターム(参考) 2C362 BA17 BA18 2H041 AA14 AB14 AC05 AZ08 2H045 AB06 AB08 AB13 AB16 AB72

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ねじりバネと、前記ねじりバネによって軸
    支された揺動体と、支持基板とを有し、前記揺動体が前
    記ねじりバネを中心に揺動できる揺動体装置であって、 前記揺動体の一方の面に硬磁性体を有し、 前記揺動体と離間して配置されるコイルおよび軟磁性体
    を有し、 前記コイルと前記軟磁性体は前記面に対する鉛直方向に
    おいて異なる位置に配置されており、 前記硬磁性体は、前記軟磁性体と前記面に対する鉛直方
    向における同位置あるいは前記軟磁性体の前記コイルが
    配置されている側に配置されていることを特徴とする揺
    動体装置。
  2. 【請求項2】前記コイルは前記面内方向に渦巻いている
    ことを特徴とする請求項1に記載の揺動体装置。
  3. 【請求項3】前記硬磁性体と前記コイルと前記軟磁性体
    は前記面に対する鉛直方向において、順次前記硬磁性
    体、前記コイル、前記軟磁性体の順に配置されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の揺動体装置。
  4. 【請求項4】前記揺動体は前記ねじりバネを介して前記
    支持基板に接続していることを特徴とする請求項1に記
    載の揺動体装置。
  5. 【請求項5】前記揺動体は前記ねじりバネを介して前記
    揺動体とは別の外側の揺動体に接続しており、前記別の
    外側の揺動体は前記ねじりバネとは別のねじりバネによ
    って前記支持基板に接続しており、前記ねじりバネの長
    尺方向と前記別のねじりバネの長尺方向は交差している
    ことを特徴とする請求項1に記載の揺動体装置。
  6. 【請求項6】前記揺動体は前記ねじりバネを介して前記
    支持基板に接続しており、前記揺動体とは別の内側の揺
    動体が前記別のねじりバネを介して前記揺動体に接続し
    ており、前記ねじりバネの長尺方向と前記別のねじりバ
    ネの長尺方向は交差していることを特徴とする請求項1
    に記載の揺動体装置。
  7. 【請求項7】前記揺動体の他方の面にミラーを有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の揺動体装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の揺動体装置を光偏向器と
    して有することを特徴とする画像表示装置。
  9. 【請求項9】前記画像形成装置は電子写真方式の画像形
    成装置である請求項8に記載の画像表示装置。
  10. 【請求項10】前記画像形成装置は投影画像表示装置で
    あることを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。
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