JP3971548B2 - 生地の止着方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、衣服を構成する生地を折り返した部分を止着し、美麗な衣服を構成するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
衣服を作製するに当たって、デザイン形状に応じた仕上げには様々な手法が利用されており、複数の生地部品を種々に組合せて接合する際には、部品同士が一体となった外観を生み出すための工夫が凝らされている。一方、従前は耐洗濯性を付与する処理を施していた毛織物からなる衣服、特にポリエステルなどの合成繊維の含有率が35%以下の衣服に対して、通常の家庭用洗濯機で洗濯可能な、所謂、ウオッシャブルな特性が注目されている。このような特性を満足する衣服に対しては、より高度な縫製技術が要望されている。
【0003】
その一例として、図1は、前身頃相当の部品である生地11aと後ろ身頃相当の部品である生地11bとを接合縫製した状態を概略断面により示す図であり、図中、縫い糸は破線により示してある。まず、各々の生地部品には、裁断された生地の各々の端部が解れないように折り返して縫製することにより、夫々、縫い代部13a、13bが形成される。次いで、生地11aと生地11bとを重ねて縫製し、接合部15が形成される。
【0004】
ところが、このような縫製工程のみでは、接合部15を介して衣服の裏側に延在し、しかも上記縫い代部13aを含む折返し部17a、若しくは縫い代部13bを含む折返し部17bが、接合部15から衣服の裏側に向かって立ち上がってしまい、衣服の表側から見た接合部15近傍では、生地同士を突き合わせた部分にくぼみを生じ、外観を損なってしまう。このため、接合部15に折目付け加工を行うことで上記くぼみを低減する工夫が凝らされていた。係る折目付け加工として、例えばモノエタノールアミンサルファイトなどの還元剤を噴霧した上でスチームプレスを行うシロセット加工が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のシロセット加工に用いられる還元剤の多くは金属に対する腐蝕性をもつ場合があることから、加工装置自体或いは装置が設置される周囲環境に関する防錆に配慮する必要があり、また、当該薬剤自体が蛋白質変性剤であることから気密機構を備えた高価な加工装置を必要とする場合もある。しかも、還元剤噴霧後のスチームプレス作業には長時間を要することから、安価な衣服を提供することが難しいなどという問題点が有った。このため、例えば前述の生地11aと折返し部17aとの間に熱可塑性ポリアミド樹脂などからなる接着テープを挟み込んで熱接着することで生地と折返し部とを止着し、折返し部の折り目を固定することによって「くぼみ」を低減するなどの工夫も提案されている。しかし、このような接着テープを使用する場合、耐洗濯性に乏しく、かつ、通常、幅1〜2cm程度の折返し部と、この幅に見合う接着テープとの位置合わせを行うという煩雑な工程を要するため、実用に供することが難しかった。
【0006】
本出願に係る発明者は、上述した従来技術の背景に鑑み、毛織物等の折目加工を施すことなく、簡便な縫製工程によって、外観に優れ、しかも安価で良質な衣服を実現することが可能な技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的の達成を図るため、本発明に係る生地の止着方法によれば、生地の端部に解れ防止のため折り返して縫製した縫い代部を形成し、少なくとも、この縫い代部を含む折返し部を設け、この折返し部を上述した生地に接着固定する生地の止着方法であって、上述した縫い代部の一方の生地表面側に露出する縫糸を、異なる融点を持つ2種以上の樹脂で構成される熱接着性の糸からなる熱融着糸とし、かつ他方の生地表面側に露出する縫糸を熱接着性を持たないものとして、この熱融着糸と上述の生地とを熱接着することを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。図2は図1と同様に示す説明図であり、既に説明した構成成分と同一の機能を有するものについては同一の符号を付して有る。まず、本方法発明の好適な態様として、生地の端部に解れ防止のための縫い代部19a、19bの夫々を形成する際に、この縫い代部の一方の生地表面側に露出する縫糸21を熱融着糸とし、かつ他方の生地表面側に露出する縫糸23として熱接着性を持たないものを用いて縫製する。次いで、従来と同様に、生地11aと生地11bとを重ね合わせて縫製し、接合部15を設けることによって、生地11a、11bの各々から延在する折返し部25a、25bが形成される。然る後、熱融着糸を構成する接着樹脂成分に応じた接着温度でアイロン掛けを行い、縫い代部19a、19bを夫々含む折返し部25a、25bと生地11a、11bとが、縫糸21の生地表面に露出した部分で各々熱接着される。
【0009】
この様な縫製工程を経て得られる構造では、接着テープを用いた場合と同様に、折り返し部25a並びに25bの夫々が生地11a及び11bの一部に接着固定され、接合部15の近傍に折り目の安定性に富んだ生地部分を創出することができ、延いては前述した「くぼみ」を解消することが期待できる。
【0010】
上述した縫製工程において、縫い代部19a、19bの一方の生地表面側に露出する縫糸21のみ、即ち、ミシン掛けに際しての上糸若しくは下糸のみを熱融着糸で構成する。係る構成を採用することによって、他方の生地表面側に露出する縫糸23は熱接着性を持たないことから、アイロン掛けに際して作業性を損なうことなく、一方の生地表面側のみに熱接着性を持たせることができる。この際に用いられる熱融着糸は、異なる融点を持つ2種以上の樹脂で構成される熱接着性の糸であれば市販されているものを種々選択して用いることができる。
【0011】
本発明の好適形態として、前身頃と後ろ身頃とを例示し、その断面構成を示す図2を参照して説明した。しかしながら、本発明の方法は、異なる2枚の生地を接合部によって縫製し、この接合部から延在する2つの折返し部の双方に適用した場合にのみ限定されるものではなく、一方の折返し部にのみ熱融着糸を適用することもできる。さらに、以上の説明においては、縫い代部を構成するに当たって直線状のステッチを例示した。しかしながら、係る態様に代えて、生地の端部に熱融着糸を用いたオーバーロックを施し、係る端部を折り返して縫い代部とすることもできる。
【0012】
【発明の効果】
上述のように、本出願に係る生地の止着方法の構成によれば、生地の端部に解れ防止のため折り返して縫製した縫い代部を形成し、少なくとも、この縫い代部を含む折返し部を設け、この折返し部を上述の生地に接着固定する生地の止着方法であって、上述した縫い代部の一方の生地表面側に露出する縫糸を、異なる融点を持つ2種以上の樹脂で構成される熱接着性の糸からなる熱融着糸とし、かつ他方の生地表面側に露出する縫糸を熱接着性を持たないものとして、この熱融着糸と上述した生地とを熱接着することを特徴としている。
【0013】
この様な構成を採用することによって、高価な設備を要する毛織物等の折目加工を施すことなく、外観に優れ、しかも安価で良質な衣服を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術を説明するため、生地の概略的断面により示す説明図、
【図2】 本発明の好適形態を説明するため、生地の概略的断面により示す説明図である。
【符号の説明】
11a,11b:生地、 13a,13b,19a,19b:縫い代部、
15:接合部、 17a,17b,25a,25b:折返し部、
21:縫糸(熱融着糸)、 23:縫糸。
Claims (2)
- 生地の端部に解れ防止のため折り返して縫製した縫い代部を形成し、少なくとも該縫い代部を含む折返し部を設け、該折返し部を前記生地に接着固定する生地の止着方法であって、前記縫い代部の一方の生地表面側に露出する縫糸を、異なる融点を持つ2種以上の樹脂で構成される熱接着性の糸からなる熱融着糸とし、かつ他方の生地表面側に露出する縫糸を熱接着性を持たないものとして、該熱融着糸と前記生地とを熱接着することを特徴とする生地の止着方法。
- 前記折返し部が、異なる2枚の生地の接合部から延在することを特徴とする請求項1記載の生地の止着方法。
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