JP4533194B2 - 布帛の結合部分、衣料、及び衣料の製造方法 - Google Patents

布帛の結合部分、衣料、及び衣料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、布帛の結合部分、衣料、又は衣料の製造方法に関する。より詳しくは、縫合による布帛の結合部分又は布地を縫合して衣料を製造する方法に係る。ここでいう衣料には、シャツ等の完成品のみならず、半製品も含まれる。
従来、衣料において、洗濯を繰り返すと縫合部位に縮みによるしわが生じやすかった。特に、ワイシャツ等において、外部から見える箇所にこのようなしわが生じると、外観を大いに損なっていた。
このような縮み及びしわが生じるのは、主として、洗濯による縫糸の縮小が布地の縮小よりも大きいことによると考えられる。
このような縮み及びしわを防止するための衣料の製造方法に関する発明がすでに知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1,2には、衣料構成要素(布地)を適宜折り返して熱接着性物質からなる結合要素とともに縫い合わせた後、加熱と加圧により熱接着性物質を溶融させることにより、衣料構成要素を強固に結合し、縫合せ部分の縮みを防止し、しわを防止する旨が開示されている。
特開平10−280216号公報 特開平7−310276号公報
しかし、これら従来技術における衣料の製造方法は、手間がかかり、製造コストが高くなりがちで、十分実用化するに至っていない。
すなわち、特開平10−280216号公報(特許文献1)記載の発明は、シャツの外ヨーク、内ヨーク、身頃間の結合に関するものであるが、その図3,図4に示されているように、第1衣類構成要素(外ヨーク)28、第2衣類構成要素(内ヨーク)30、第3衣類構成要素(身頃)32、及び結合ストリップ50の四者を重ねて端を揃え、折り畳み部分を含めれば5〜6層の布地を貫通してステッチ56又は66を入れるものであるので、位置ぎめが難しい。そのため、実際には途中段階で仮留め又は縫合の必要があり、手間がかかり、製造コストが高くなる。
また、特開平7−310276号公報(特許文献2)記載の発明では、その図3,図4に示されているように、まず第1衣料構成要素20、第2衣料構成要素22、結合要素32の三者を互いにずらして重ね、縫合するが、実際にはこれらの間の位置ぎめが難しい。また、この縫合の後で第1衣料構成要素20を折り返すのみならず、第2衣料構成要素22を折り畳んで、その折曲げ部を第2衣料構成要素22自身と結合要素32の間に挿入するが、これも作業がしにくいため、手間がかかり、製造コストが高くなる。また、同公報の図面では、第1衣料構成要素20と第2衣料構成要素22の端部を突き合わせるようになっているが、実際には、突合せ部に空隙が生じて強度が低下するか、逆に重なりが生じて美観を害することになりやすい。
本発明は、このような問題点に対し、洗濯を繰り返しても縫合部位に縮みによるしわが生じがたいのみならず、手間がかからず、結合方法が簡易でコストが低い、衣料の製造方法及び布帛の結合部分を提供することを、解決すべき課題とする。
上記の課題を解決するため、請求項1記載の本発明の布帛の結合部分は、第一の布地と、第二の布地と、第三の布地と、少なくとも一方の表面が熱接着性物質層を有する熱接着面であるシート状部材とを少なくとも備える布帛の結合部分であって、
第二の布地及び第三の布地はそれぞれ折り畳まれて本体部と折り重ね部を有し、
第一の布地乃至第三の布地の一方の表面をそれぞれ第一表面、他方の表面をそれぞれ第二表面として、
第一の布地の第一表面が第三の布地の折り重ね部の第一表面と重ね合わされ、
第一の布地の第二表面は第二の布地の折り重ね部の第二表面と重ね合わされ、
シート状部材は第三の布地の本体部の第二表面と第三の布地の折り重ね部の第二表面の間に挟持され、
第二の布地の折り重ね部及び第一の布地を縫合する縫い目が設けられ、
第三の布地の本体部、シート状部材、第三の布地の折り重ね部、及び第一の布地を縫合する縫い目が設けられ、この縫い目は第二の布地に及ばず、
第三の布地の本体部とシート状部材、及び、第三の布地の折り重ね部とシート状部材は熱接着されていることを特徴とする布帛の結合部分である。
以下、請求項1の用語等について説明する。これらの説明は、特記しないかぎり、他の請求項についても同様である。
「熱接着性物質」とは、加熱により溶融し、布地同士を接着し得る物質であり、例えば、熱溶融性樹脂である。熱溶融性樹脂としては、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ酢酸ビニル系、アクリル系等の低融点合成樹脂が使用できるが、接着性、耐久性、取扱い性や風合いのソフト化等の面から、ポリエチレン系が好ましい。熱接着性物質の融点は140℃〜160℃が適当である。
この熱接着性物質を用いる結合媒体である「シート状部材」として、布帛状のものを用いてもよいし、薄肉プラスチックシート状のものを用いてもよい。布帛の材質は、綿、ポリエステル、綿とポリエステルの混紡、ナイロン、レーヨン等から適宜選択すればよい。シート状部材の形状はテープ状が好ましい。衣料製造装置へのシート状部材の供給や、シート状部材の保持、位置合わせ等が容易になるからである。
シート状部材は、布帛又は薄肉プラスチックシートの一表面又は両表面に塗布又は含浸により熱接着性物質層が設けられたものであることが望ましい。
熱接着性物質層を両表面に設ければ結合はより強固となり、皺も生じにくいが、結合部が固くなりすぎて着用感が悪くなることがある。
一方、熱接着性物質層を一表面のみに設ける構成は、製作が簡易であり、結合部が固くなりすぎず、また、皺を防止する効果も、一般には十分である。外部から見える布地の皺を防止すれば足りるからである。
「本体部」、「折り重ね部」とは、布地等の折り重ねの状態を表すためのもので、布地の折り目を境界として、末端側の小部分を「折り重ね部」、他の部分を「本体部」という。
「第一表面」、「第二表面」とは、表面を特定するための便宜的な呼称である。第一表面側を衣服の表側として実施するのが一般には好都合であるが、逆に第一表面側を衣服の裏側として実施してもよい。
布地等を縫合する方法としては、ミシンによる錠縫い(ロックステッチ)、環縫い(チェーンステッチ)、かがり縫い等を適宜選択して用いればよく、手縫いでもよいが、ミシンによる錠縫い、単環縫い等が強度上望ましい。
熱溶融性樹脂を溶融させて熱接着を行うための加熱手段としては、アイロン、プレス機、コテ、ローラ加熱圧着機、高周波溶着機、超音波溶着機、ヒートシーラ等などの加熱圧着装置を適宜選択して用いることができる。
請求項1記載の本発明の布帛の結合部分によれば、第一の布地と第二の布地を縫合してなる第一結合体と、シート状部材を第三の布地に接着してなる第二結合体を別個に作成した後、これらを重ねて縫うことができるので、位置ぎめが容易であり、手間がかからず、低コストとなる。
また、シート状部材の熱接着性物質を溶融させることにより、第三の布地とシート状部材は、固化した熱接着性物質により強固に固定され、相対移動できないので、縫糸の縮小によって縫合部位に縮みが生じがたい。したがって、外観が良好である。特に、第三の布地の第一表面を衣料の外側として着用した際、外部から視認される縫合部位に縮みによるしわが生じがたいので、外観が良好である。その一方で、着用者の身体に接触する第二の布地及び第一の布地には熱接着性物質を用いないで済むので、着用時にゴワゴワ感がなく、着用者にとって快適である。
また、第三の布地を外側とした場合、すなわち第二の布地を身体側とした場合、着用者の身体に縫い目が接触しがたい。なぜならば、結合部分の2つの縫い目のうち、第一の布地と第二の布地を縫合する縫い目は、第二の布地の本体部によって被覆されて着用者の身体に直接接触せず、また、第三の布地とシート状部材と第一の布地とを縫合する縫い目は、着用者の身体側に露出はしているが、近傍で第二の布地が二つ折りにされているため、実際には第二の布地に妨げられ、着用者の身体と接触しがたいからである。
したがって、この点でも、着用者にとって快適である。
請求項2記載の本発明の布帛の結合部分は、第一の布地と、第二の布地と、第三の布地と、少なくとも一方の表面が熱接着性物質層を有する熱接着面であるシート状部材とを少なくとも備える布帛の結合部分であって、
第二の布地及び第三の布地はそれぞれ折り畳まれて本体部と折り重ね部を有し、
第一の布地乃至第三の布地の一方の表面をそれぞれ第一表面、他方の表面をそれぞれ第二表面として、
第一の布地の第一表面が第三の布地の折り重ね部の第一表面と重ね合わされ、
第一の布地の第二表面は第二の布地の折り重ね部の第二表面と重ね合わされ、
シート状部材は熱接着面を外側にして二つ折りされて第三の布地の本体部の第二表面と第三の布地の折り重ね部の第二表面の間に挟持され、
第二の布地の折り重ね部及び第一の布地を縫合する縫い目が設けられ、
第三の布地の本体部、シート状部材、第三の布地の折り重ね部、及び第一の布地を縫合する縫い目が設けられ、この縫い目は第二の布地に及ばず、
第三の布地の本体部とシート状部材、及び、第三の布地の折り重ね部とシート状部材は熱接着されていることを特徴とする布帛の結合部分である。
請求項2の布帛の結合部分では、シート状部材が二つ折りにされた状態で縫合部分に挿入されていること以外は、請求項1と同一である。すなわち請求項2の発明では、シート状部材は、二つ折りにされた状態で第三の布地の本体部と折り重ね部の間に挿入されている。本発明によれば、シート状部材が二重に挿入された状態で縫合されているが、シート状部材の一方の折り重ね片と他方の折り重ね片は、縫合されるまでは相対移動が許されるので、ミシンによって縫合する際に針の貫通が容易であり、針と共にこれらを貫通する糸に局部的な力が掛かりにくい。すなわち、縫合の際に糸に付加される力が小さい。そのため、縫製の際に糸に係る内部応力が小さく、糸の経時的な縮みが少なく、縫合せ部分の経時的なしわが小さいものとなる。
請求項3記載の本発明の衣料は、複数のパーツを構成する布地が縫製によって結合されて成形された衣料において、請求項1又は2記載の布帛の結合部分を有する衣料である。
請求項3記載の本発明の衣料によれば、第一の布地と第二の布地を縫合してなる第一結合体と、シート状部材を第三の布地に接着してなる第二結合体を別個に作成した後、これらを重ねて縫うことができるので、位置ぎめが容易であり、手間がかからず、低コストとなる。また、縫糸の縮小によって縫合部位に縮みが生じがたい。
請求項4記載の本発明の衣料は、第一の布地は身頃、第二の布地は内ヨーク、第三の布地は外ヨークであることを特徴とする請求項3記載の衣料である。ここで、身頃は前身頃でも後身頃でもよい。
上記したように、第三の布地をシャツの外ヨーク等の外部に表れる部位に用いた場合、外部から視認される縫合部位に縮みによるしわが生じがたい。その一方で、着用者の身体に接触する第二の布地(内ヨーク)及び第一の布地(身頃)には熱接着性物質が用いられていないので、着用時にゴワゴワ感がなく、着用者にとって快適である。
また、第三の布地をシャツの外ヨーク等の外部に表れる部位に用いた場合、すなわち第二の布地を身体側とした場合、着用者の身体に縫い目が接触しがたい。なぜならば、結合部分の2つの縫い目のうち、第一の布地と第二の布地を縫合する縫い目(地縫い)は縫い目が第二の布地の本体部によって被覆されて着用者の身体に直接接触せず、また、第三の布地とシート状部材と第一の布地とを縫合する縫い目(肩ステッチ)は、着用者の身体側に露出はしているが、近傍で第二の布地が二つ折りにされているため、この縫い目(肩ステッチ)も実際には第二の布地に妨げられ、着用者の身体と接触しがたいからである。
したがって、この点でも、着用者にとって快適である。
請求項5記載の本発明の方法は、複数の布地を接合して衣料を製造する方法であって、少なくとも一部の接合部においては、第一の布地、第二の布地、及び第三の布地を、少なくとも一方の表面が熱接着性物質層を有する熱接着面であるシート状部材を用いて結合する衣料の製造方法において、第一の布地乃至第三の布地の一方の表面をそれぞれ第一表面、他方の表面をそれぞれ第二表面として、
第一の布地と第二の布地を、互いの第二表面同士を重ね合わせて端を揃える工程と、
揃えた端から一定距離だけ離れた箇所で第一の布地及び第二の布地を縫合して第一結合体を作成する工程と、
第一結合体を、上記縫合の縫い目から折り開き、第二の布地の第一表面同士が接するように第二の布地を折り畳む工程と、
シート状部材と第三の布地を、シート状部材の熱接着面である第一表面が第三の布地の第二表面と接するように重ね合わせて端を揃え、シート状部材の第一表面を第三の布地の第二表面と接着して第二結合体を作成する工程と、
第二結合体を、シート状部材の中央付近で折って、シート状部材を内側にして折り畳み、折り重ね部及び本体部を形成する工程と、
第一結合体と第二結合体を、第一の布地の上記端近傍の第一表面と第三の布地の折り重ね部の第一表面が接するように重ねる工程と、
第三の布地の折り目近傍において、第三の布地の本体部、シート状部材、第三の布地の折り重ね部、及び第一の布地を縫合する縫い目を設ける工程と、
加熱によりシート状部材の熱接着剤層を融かして、第三の布地の第二表面とシート状部材の第一表面を接着することを特徴とする衣料の製造方法である。
ここで、第一の布地と第二の布地、又はシート状部材と第三の布地の「端を揃え」るとは、布地やシート状部材を重ねて裁断することにより端部を揃える方法と、先に裁断しておいて端部を揃える方法のいずれであってもよい。
請求項5において、請求項1〜4と同様に、この熱接着性物質を用いる結合媒体である「シート状部材」として、布帛状のものを用いてもよいし、薄肉プラスチックシート状のものを用いてもよいが、加熱時に融ける材質のものをシート状部材として用いてもよい。この場合、完成した衣料においてシート状部材は融けて布地に染み込み、シート形状をとどめていなくてもよい。
請求項5において、「シート状部材の第一表面を第三の布地の第二表面と接着して第二結合体を作成する」ことは、いわば仮づけであり、熱接着によらないで公知の糊や接着剤を用いてよい。
請求項5の方法によれば、第一の布地と第二の布地を縫合してなる第一結合体と、シート状部材を第三の布地に接着してなる第二結合体を別個に作成した後、これらを重ねて縫うので、位置ぎめが容易であり、手間がかからず、低コストとなる。
また、シート状部材の熱接着性物質を溶融させることにより、第三の布地とシート状部材は、固化した熱接着性物質により強固に固定され、相対移動できないので、縫糸の縮小によって縫合部位に縮みが生じがたい。
なお、加熱により熱接着性物質を溶融させる工程に加えて、加圧により定着させる工程を有することが好ましい。
この方法によれば、加圧により、折り目等が定着し、結合部分の厚みが減少する。また、第一の布地、第二の布地、及び折り返された第二の布地が緊密に接触し、さらに、シート状部材が圧迫されるため、溶融した熱接着性物質が各布地によく浸透する。したがって、緊密な結合が得られる。
ここで、「加圧により折り目を定着させる工程」を「加熱により熱接着性物質を溶融させる工程」と同時に実施して一工程化するのが、作業の迅速・簡易化のために好ましいが、「加熱により熱接着性物質を溶融させる工程」の後に「加圧により折り目を定着させる工程」を実施してもよい。
本発明の方法により製造された衣料又は本発明による布帛の結合部分は、結合方法が簡易で手間がかからず、低コストでありながら、縫合部位(結合部分)が強固である。また、外観がよく、風合いにすぐれている。さらに、縫合部位の耐久性が向上し、洗濯を繰り返しても縫合部位に縮みによるしわが生じがたいので、ワイシャツ等のノーアイロン化に役立つ。
以下、本発明のさらに具体的な実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1乃至図13に、本発明の一実施形態を示す。
本実施形態は、本発明をワイシャツに適用したものである。本実施形態のワイシャツ70(図12)は、前身頃71、後身頃72、袖73、襟74、ヨーク75といった所定形状に裁断されたパーツを縫製によって結合して作られたものである。
そして、ヨーク75と前身頃71又は後身頃72との合わせ部分83、84に本発明の特徴的構造が採用されている。
以下、説明を簡単にするために、第一の布地10及び第二の布地20を接合するものとして特徴的構造部分を説明する。すなわち、ヨーク75と前身頃71又は後身頃72との合わせ部分に本発明を適用する場合においては、前身頃71又は後身頃72が第一の布地10であり、ヨーク75における内ヨークが第二の布地20、外ヨークが第三の布地30に相当する。
以下、縫製工程を説明する。
第一の布地10、第二の布地20、及び第三の布地30として、綿とポリエステルの混紡によって製造した布地を用いた。
シート状部材として、布帛45の一方の表面(熱接着面41)に塗布(又は接着)により熱接着性物質の層Mを設けたテープ部材40を用いた(図13)。ここで布帛45の材質として、ポリエステルを用い、熱接着性物質としては、ポリエチレン系のものを用いた。テープ部材(シート状部材)40のうち布帛45は、加熱の後も結合部に残り、結合部を補強する役割を果たす。
なお、テープ部材は、熱接着性物質を層状に設けず、散点状に設けてもよい。
また、テープ部材は、熱接着性物質を含有する布帛であってもよい。このようなテープ部材を製造する手段としては、例えば、布帛に熱接着性物質を含浸させる、又は、軟化点の低い熱可塑性の化学繊維と綿、ポリエステル等を混紡又は交織する等が挙げられる。
まず、第一の布地10及び第二の布地20を互いの第二表面12,22同士を重ね合わせて端13,23を揃える(図1)。次に、揃えた端から一定距離だけ離れた箇所で第一の布地及び第二の布地を縫合する縫い目50(地縫い)を設ける。これによって第一結合体100が作成される(図2)。
第一結合体を、上記縫合の縫い目50から図3の矢印のように折り開き、第二の布地20の第一表面21同士が接するように第二の布地20を折り畳む(図4,5)。このとき、第二の布地20は折り目24から二つ折りされて、本体部20bと折り重ね部20aを形成し、その上に第一の布地10が載っている。
一方、熱接着面を有する細長いテープ部材(シート状部材)40と第三の布地30を、シート状部材40の熱接着面である第一表面41が第三の布地30の第一表面31と接するように重ね合わせて端33,43を揃え(図6)、シート状部材40の第一表面41を第三の布地30の第二表面32と接着する。これによって第二結合体200が作成される(図7)。次に、第二結合体200を、図7の矢印のようにシート状部材40の幅方向中央付近で折って、シート状部材を内側にして(非熱接着面(第二表面)42を内側にして)折り畳み、折り目34を形成する(図8)。これによって第三の布地30から折り重ね部30aと本体部30b、シート状部材40から折り重ね部40aと本体部40bが形成される。
なお、上記のごとく、本明細書において布地等の折り重ねの状態を表すために、折り目を境界として、末端側の小部分を「折り重ね部」、他の部分を「本体部」というが、折り重ね部関係の符号にはa、本体部関係の符号にはbを付している。
次に、第一結合体100と第二結合体200を重ね合わせる。
具体的には、第一結合体100と第二結合体200は、第一の布地10の上記端13近傍の第一表面11と第三の布地30の折り重ね部30aの第一表面31aが接するように重ね合わされる(図9,10)。
この状態で、テープ部材40は二つ折りされ、熱接着面(第一表面)41を外側にしている。なお、テープ部材40については、便宜上、第三の布地30の本体部30bと対向する部分を「本体部40b」、第三の布地30の折り重ね部30aと対向する部分を「折り重ね部40a」という。したがって、テープ部材40の熱接着面(第一表面)41は、折り重ね部第一表面41aと本体部第一表面41bからなる。
第三の布地30は、二つ折りされたテープ部材40a,40bを外から包み込むように二つ折りされており、第三の布地30の本体部30bの第二表面32bおよび折り重ね部30aの第二表面32aがテープ部材の外側の熱接着面41a,41bと接している。第三の布地30の折り重ね部30aの第一表面31aは第一の布地10の第一表面11と接し、第一の布地10の第二表面12は第二の布地20の折り重ね部20aの第二表面22aと接する。第二の布地20の折り重ね部20aの第一表面21aは、同表面と連続した本体部20bの第一表面21bと接する。第二結合体(第三の布地)の折り目34は、第一結合体(第二の布地)の折り目24よりも、第一の布地10の上記端13とは反対の端(図示せず)側へ突出している。
この状態で、第三の布地の折り目34近傍において、第三の布地30の本体部30b、二つ折りされたテープ部材40の本体部40bと折り重ね部40a、第三の布地30の折り重ね部30a、及び第一の布地10を縫合する縫い目60(前肩ステッチ)を設ける。縫い目60を設ける位置は、布地20の折り目24の近傍ではあるが、布地20には及ばない位置とする。
加熱・加圧によりテープ部材40の熱接着剤層Mを融かして、第三の布地30の本体部第二表面32bとテープ部材40の本体部第一表面41b、及び、第三の布地30の折り重ね部第二表面32aとテープ部材40の折り重ね部第一表面41aを熱接着して結合を完成する。テープ部材40の布帛45は融けない。第三の布地30とテープ部材40(布帛45)は熱接着により一体化する。テープ部材40の内側の表面(第二表面)同士42a,42bは熱接着されない。他の布地も熱接着されない。
こうして結合された第一の布地10、第二の布地20及び第三の布地30を表側から見れば、図11のように折り目34と縫い目60が見えるだけであり、シンプルな外観が得られ、風合いにすぐれている。
このような布地の結合を、図12に示すワイシャツ70のヨーク−前身頃シーム83及びヨーク−後身頃シーム84に用いたところ、外観、気心地、耐久性とも良好であった。
本発明の実施形態の衣料の製造方法において、第一の布地及び第二の布地の重ね方を模式的に示す斜視図である。 図1のA−A矢視断面図に、縫い目の位置を記入した断面図である。 本発明の実施形態の衣料の製造方法において、第一の布地と第二の布地を縫合し、第一結合体を作成したところを示す斜視図である。 本発明の実施形態の衣料の製造方法において、第一の布地を反転して拡げたところを示す斜視図である。 図4に示した形状から重合部を第二の布地側へ倒したところを示す斜視図である。 第三の布地及びシート状部材(テープ部材)の重ね方を模式的に示す斜視図である。 第三の布地とシート状部材(テープ部材)を接着し、第二結合体を作成したところを示す断面図である。 第二結合体を折り畳んだところを模式的に示す斜視図である。 第一結合体と第二結合体を重ね合わせたところを模式的に示す斜視図である。 図9のB−B矢視断面を模式的に示す断面図である。 図9を表側(第一表面側)から見たところを示す正面図である。 本発明の衣料の製造方法によって製造される衣料の斜視図である。 本発明の衣料の製造方法において使用するシート状部材(テープ部材)を模式的に示す斜視図である。
符号の説明
10 第一の布地
11 第一の布地の第一表面
12 第一の布地の第二表面
20 第二の布地
21 第二の布地の第一表面
22 第二の布地の第二表面
30 第三の布地
31 第三の布地の第一表面
32 第三の布地の第二表面
40 テープ部材(シート状部材)
41 テープ部材(シート状部材)の第一表面
42 テープ部材(シート状部材)の第二表面
50,60 縫い目
100 第一結合体
200 第二結合体

Claims (5)

  1. 第一の布地と、第二の布地と、第三の布地と、少なくとも一方の表面が熱接着性物質層を有する熱接着面であるシート状部材とを少なくとも備える布帛の結合部分であって、
    第二の布地及び第三の布地はそれぞれ折り畳まれて本体部と折り重ね部を有し、
    第一の布地乃至第三の布地の一方の表面をそれぞれ第一表面、他方の表面をそれぞれ第二表面として、
    第一の布地の第一表面が第三の布地の折り重ね部の第一表面と重ね合わされ、
    第一の布地の第二表面は第二の布地の折り重ね部の第二表面と重ね合わされ、
    シート状部材は第三の布地の本体部の第二表面と第三の布地の折り重ね部の第二表面の間に挟持され、
    第二の布地の折り重ね部及び第一の布地を縫合する縫い目が設けられ、
    第三の布地の本体部、シート状部材、第三の布地の折り重ね部、及び第一の布地を縫合する縫い目が設けられ、この縫い目は第二の布地に及ばず、
    第三の布地の本体部とシート状部材、及び、第三の布地の折り重ね部とシート状部材は熱接着されていることを特徴とする布帛の結合部分。
  2. 第一の布地と、第二の布地と、第三の布地と、少なくとも一方の表面が熱接着性物質層を有する熱接着面であるシート状部材とを少なくとも備える布帛の結合部分であって、
    第二の布地及び第三の布地はそれぞれ折り畳まれて本体部と折り重ね部を有し、
    第一の布地乃至第三の布地の一方の表面をそれぞれ第一表面、他方の表面をそれぞれ第二表面として、
    第一の布地の第一表面が第三の布地の折り重ね部の第一表面と重ね合わされ、
    第一の布地の第二表面は第二の布地の折り重ね部の第二表面と重ね合わされ、
    シート状部材は熱接着面を外側にして二つ折りされて第三の布地の本体部の第二表面と第三の布地の折り重ね部の第二表面の間に挟持され、
    第二の布地の折り重ね部及び第一の布地を縫合する縫い目が設けられ、
    第三の布地の本体部、シート状部材、第三の布地の折り重ね部、及び第一の布地を縫合する縫い目が設けられ、この縫い目は第二の布地に及ばず、
    第三の布地の本体部とシート状部材、及び、第三の布地の折り重ね部とシート状部材は熱接着されていることを特徴とする布帛の結合部分。
  3. 複数のパーツを構成する布地が縫製によって結合されて成形された衣料において、請求項1又は2記載の布帛の結合部分を有する衣料。
  4. 第一の布地は身頃、第二の布地は内ヨーク、第三の布地は外ヨークであることを特徴とする請求項3記載の衣料。
  5. 複数の布地を接合して衣料を製造する方法であって、少なくとも一部の接合部においては、第一の布地、第二の布地、及び第三の布地を、少なくとも一方の表面が熱接着性物質層を有する熱接着面であるシート状部材を用いて結合する衣料の製造方法において、第一の布地乃至第三の布地の一方の表面をそれぞれ第一表面、他方の表面をそれぞれ第二表面として、
    第一の布地と第二の布地を、互いの第二表面同士を重ね合わせて端を揃える工程と、
    揃えた端から一定距離だけ離れた箇所で第一の布地及び第二の布地を縫合して第一結合体を作成する工程と、
    第一結合体を、上記縫合の縫い目から折り開き、第二の布地の第一表面同士が接するように第二の布地を折り畳む工程と、
    シート状部材と第三の布地を、シート状部材の熱接着面である第一表面が第三の布地の第二表面と接するように重ね合わせて端を揃え、シート状部材の第一表面を第三の布地の第二表面と接着して第二結合体を作成する工程と、
    第二結合体を、シート状部材の中央付近で折って、シート状部材を内側にして折り畳み、折り重ね部及び本体部を形成する工程と、
    第一結合体と第二結合体を、第一の布地の上記端近傍の第一表面と第三の布地の折り重ね部の第一表面が接するように重ねる工程と、
    第三の布地の折り目近傍において、第三の布地の本体部、シート状部材、第三の布地の折り重ね部、及び第一の布地を縫合する縫い目を設ける工程と、
    加熱によりシート状部材の熱接着剤層を融かして、第三の布地の第二表面とシート状部材の第一表面を接着することを特徴とする衣料の製造方法。
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