JP3971295B2 - 誘導加熱装置および熱間圧延設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加熱材の板幅方向および長手方向の双方における温度分布の不均一を効果的に全幅、全長に渡って温度補償するようにした誘導加熱装置および熱間圧延設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱間圧延設備において、加熱炉により所定の目標温度に加熱された後に抽出された被加熱材は粗圧延機により粗圧延され、さらに仕上圧延機により仕上圧延されて所定厚の熱延鋼板として製造される。
【0003】
粗圧延機から仕上圧延機へ搬送されている間、被加熱材の温度は放熱により低下する。その温度低下は、圧延材の先端部よりも後端部(長手方向)に行くに連れて著しい。
【0004】
また、圧延対象となる被加熱材は、加熱炉内において搬送スキッドにより搬送される。このスキッド自身は熱保護されており、被加熱材の搬送スキッドとの接触部分は非接触部分に比べて温度が低下する。これに起因して、被加熱材にはいわゆるスキッドマークが形成され、製品板厚の不均一の要因ともなる。
【0005】
また、被加熱材の両エッジ部も搬送途中の放熱により温度低下し、かつ中央部は圧延時のロール冷却水等により不均一な温度分布を形成する。
【0006】
図26は、仕上圧延機入側温度と圧延材の長手方向位置との関係を示す温度特性を示している。図示のように、圧延材は先端よりも後端の方が温度が低くなっている。また、いわゆるスキッドマークが形成されているのが分かる。
【0007】
図27は、仕上圧延機入側温度と圧延材の板幅方向位置との関係を示す温度特性を示している。図示のように、板幅方向の温度は、両端が低い。また中央部の温度が低いこぶ状の分布を示している場合もある。
【0008】
このように、搬送途中の圧延材(被加熱材)では、長手方向の温度分布、および板幅方向の温度分布が均一ではなく、圧延すると被加熱材の温度不均一による材質及び板厚の不均一が発生する等、品質に影響を与えるという問題がある。また、被加熱材が所定の温度よりも低くなると材料品質が所望の特性を得られなくなる場合もある。
【0009】
そこで、前記不具合を解消するために、熱間圧延設備には、圧延の途中で圧延材(被加熱材)を所望の温度に再加熱して温度分布の不均一を補償する誘導加熱装置を備える場合が多い。
【0010】
この誘導加熱装置の加熱方式としては、ソレノイドコイル加熱方式(以下、ソレノイド式)とトランスバース加熱方式(以下、トランスバース式)とが知られている。
【0011】
ソレノイド式は、図28に示すように、巻回状に形成したソレノイドコイル(誘導加熱コイル)101に被加熱材103を通過させることにより、ソレノイドコイル101内に発生させた交番磁界の作用で被加熱材103を加熱するものである。このとき、交番磁界の方向はソレノイドコイル101並びに被加熱材103の長手方向に一致している。ソレノイド式は、特に被加熱材103を全体的に昇温させるのに有効である。
【0012】
一方、トランスバース式は、図29に示すように、誘導加熱コイル105を被加熱材103の上下に配置させ、誘導加熱コイル105内に発生させた交番磁束を被加熱材103の厚み方向に貫通させ、その磁界の作用で被加熱材を加熱するものである。このとき、交番磁束の方向は被加熱材103の厚みを貫通する方向である。トランスバース式は、特に被加熱材103を部分的に昇温させるのに有効である。
【0013】
圧延設備に誘導加熱装置を備えた先行例としては、例えば、ソレノイド式加熱装置を用いたものや実開平6−508号公報に記載された装置が知られている。この公報記載の例では、圧延材の板幅方向の両端部を加熱する両端部加熱コイル装置を複数備えた圧延材両端部加熱装置と、圧延材の板幅方向全体を加熱する圧延材板幅方向全体加熱装置とを備えた熱間圧延ラインの例が開示されている。
【0014】
【特許文献】
実開平6−508号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ソレノイド式加熱装置を用いた従来例では、図26に示すような長手方向の温度分布の不均一を補償することはできるものの、図27に示すような板幅方向の温度分布の不均一に対しては、図中破線で示すように、板幅方向全体に渡って昇温させるのみで、板中央部の温度低下部分を昇温して均一な温度分布にすることはできない。また、トランスバース式加熱装置を用いた従来例では、単に被加熱材を部分的(特に両端部分)に昇温させるのみであり、板幅方向に対して均一に昇温させることはできない。
【0016】
また、前記公報記載の従来例では、長手方向の温度補償と、板端部の温度補償は可能であるが、板幅方向全体に渡る均一な温度補償は出来ないという問題がある。
【0017】
本発明は上記事情に鑑み、被加熱材の長手方向および板幅方向の双方に渡る温度分布の不均一を効果的に解消することができる誘導加熱装置および熱間圧延設備を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、請求項1では、搬送される被加熱材の板幅方向の所定部分を重複して誘導加熱することで板幅方向に対する温度分布の不均一を補償する板幅方向における大きさが異なる複数台のトランスバース式加熱装置と、前記搬送される被加熱材を誘導加熱して長手方向に対する温度分布の不均一を補償するソレノイド式加熱装置とを備えたことを特徴としている。
【0020】
請求項2では、請求項1に記載の誘導加熱装置において、前記複数台のトランスバース式加熱装置を前記被加熱材の板幅方向に移動させる移動機構を備えたことを特徴としている。
【0021】
請求項3では、請求項1又は2に記載の誘導加熱装置において、搬送される被加熱材の上流側に前記ソレノイド式加熱装置を、下流側に前記複数台のトランスバース式加熱装置をそれぞれ配置したことを特徴としている。
【0022】
請求項4では、請求項1又は2に記載の誘導加熱装置において、搬送される被加熱材の上流側に前記複数台のトランスバース式加熱装置を、下流側に前記ソレノイド式加熱装置をそれぞれ配置したことを特徴としている。
【0024】
請求項5では、熱間圧延設備において、請求項1乃至4のいずれかに記載の誘導加熱装置を粗圧延機の入側または出側のいずれか一方に配置したことを特徴としている。
【0025】
請求項6では、請求項5に記載の熱間圧延設備において、前記誘導加熱装置を粗圧延機の出側で、かつ仕上圧延機の入側に設けたことを特徴としている。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る誘導加熱装置が適用された熱間圧延設備の第1実施形態を模式的に示す構成図である。
【0027】
同図に示すように、この熱間圧延設備1は、粗圧延機3と仕上圧延機5とを備えている。粗圧延機3と仕上圧延機5との間には、誘導加熱装置7が設けられ、粗圧延機3の入側で所定の温度に加熱された被加熱材9は、粗圧延機3で粗圧延された後、更に仕上圧延機5の入側で仕上圧延に適した温度に加熱されて温度分布が均一に補償された後、仕上圧延機5で圧延されるようになっている。なお、本発明に係る誘導加熱装置は、粗圧延機3の入側または出側における被加熱材9の加熱装置として適用可能であるが、本実施の形態では、粗圧延機3の出側で、かつ仕上圧延機5の入側に配置させるものとして説明する。
【0028】
本実施の形態において、誘導加熱装置7は、搬送される被加熱材9を誘導加熱して板幅方向に対する温度分布の不均一を補償する2台のトランスバース式加熱装置71,73と、搬送される被加熱材9を誘導加熱して長手方向に対する温度分布の不均一を補償するソレノイド式加熱装置75とを備えている。また、図2(A)に示すように、2台のトランスバース式加熱装置の幅選定は、所定の幅方向温度分布を得るために、互いに異なるコイル幅となっている。例えば、被加熱材9の先端方向(最下流側)に位置する1台目の加熱装置71(図2(A)では▲1▼とも記載)は、幅狭材の板幅にほぼ近いコイル幅を有する一方、2台目の加熱装置73(図2(A)では▲2▼とも記載)は幅狭材の板幅よりも広いコイル幅を有している。また、最上流側に位置するソレノイド式加熱装置75のコイル幅は板幅全体に渡って被加熱材9を加熱するため、幅広材の板幅よりも広いコイル幅(幅広コイル)を有している。
【0029】
次に、第1実施形態の作用を図2、図3を参照して説明する。図2、図3は、図1に示す誘導加熱装置を使用した場合の昇温イメージ(同図(A)をトランスバース式加熱装置のみを用いた場合の昇温イメージ(同図(B))と比較して示すものであり、図2は幅の狭い板材(幅狭材)の場合、図3は幅の広い板材(幅広材)の場合をそれぞれ示している。
【0030】
図2(B)に示すように、トランスバース式加熱装置を3台設けた比較例では、1台目、2台目、3台目と板幅方向全体に渡って均一に昇温がされていく。この場合、板両端部は過加熱となってしまう。一方、図2(A)に示すように、トランスバース式加熱装置71,73とソレノイド式加熱装置75とを配置して場合の昇温イメージは、全幅に渡って均一な昇温が可能である。なお、図2に示す幅狭材の場合に板両端部に温度の高い部分が発生する現象は加熱装置の加熱原理に依存するものである。
【0031】
また、図3に示す幅広材の場合には、(B)に示すように、トランスバース式加熱装置のみを使用した場合では、板端部が過加熱してしまう傾向があるのに対して、トランスバース式加熱装置71,73とソレノイド式加熱装置75とを組み合わせた誘導加熱装置の場合には、(A)に示すように、コイル幅の狭い1台目のトランスバース式加熱装置71により板幅中央部のみを加熱し、2台目のトランスバース式加熱装置73により両端部を除く板幅部分を加熱し、ソレノイド式加熱装置75により板幅方向全体に渡っての均一な昇温を図ることができる。その結果、図27に示したような中央部の温度が低下した場合にあっても、トランスバース式加熱装置71,73により昇温して板端部の過加熱が少ない板幅方向の均一な温度分布を補償することができる。
【0032】
このように、この実施形態によれば、図2(A)に示したように、トランスバース式加熱装置のみを使用した場合に比べて幅狭材における端部の過加熱を抑えることが可能となる。
【0033】
また、幅広材においては、図4に示すように、板幅方向の温度分布において、板中央部の温度低下箇所があってもトランスバース式加熱装置71,73により図5に示すように、板中央部を集中的に加熱することによって効果的な昇温が可能となり、板幅方向の温度分布を均一化することができる。その結果、全ての昇温をソレノイド式加熱装置75で行う場合には、全幅を昇温しなければならないのに比較して使用電力の低減が可能となる。
【0034】
さらに、この実施形態では、ソレノイド式加熱装置75による昇温も併用しているので、長手方向の昇温も可能であり、図26に示したような被加熱材の先端と後端の温度分布の不均一の解消、およびスキッドマークの修復も可能となる。
【0035】
図6は本発明に係る誘導加熱装置が適用された熱間圧延設備の第2実施形態を模式的に示す構成図である。
【0036】
図示のように、この実施形態の熱間圧延設備1では、粗圧延機3と仕上圧延機5との間に誘導加熱装置7として1台のトランスバース式加熱装置77と、この加熱装置77を板幅方向に移動させる移動機構79とが設けられている。
【0037】
トランスバース式加熱装置77は、前述したトランスバース式加熱装置71,73と同様の機能を備えているが、そのコイル幅は、トランスバース式加熱装置71(図2(A)では▲1▼)と同様、幅狭材の板幅にほぼ近いもの、または、幅狭材の板幅よりも狭いものであっても良い。
【0038】
図7は、トランスバース式加熱装置77とこれに組み込まれた移動機構79とを示している。トランスバース式加熱装置77は、被加熱材9の上面、端面、下面を囲むように形成された本体部81と、この本体部の開口部に設けられた一対の加熱コイル82,83を備えている。また、移動機構79は、モータ84と、このモータ84によって駆動される駆動車輪85と、従動車輪86と、これら車輪85,86を案内してトランスバース式加熱装置77を板幅方向に移動自在にするレール87とを備えている。
【0039】
従って、この移動機構79を使用して、圧延ライン上を搬送されてきた被加熱材9の加熱したい部分に加熱装置77の加熱コイル82,83を移動させて被加熱材9を加熱することにより、所望の箇所の昇温が可能となる。しかも、1台のトランスバース式加熱装置77で板幅方向の全ての昇温が可能となり、装置構成を小型化することが可能となる。
【0040】
図8は1台のトランスバース式加熱装置77とこれを移動させる移動機構79から構成される誘導加熱装置7を用いた場合の昇温特性を示している。
【0041】
図8(A)に示すように、昇温前の被加熱材9の中央部には、温度が低下した部分が存在する。その場合には、同図(B)に示すように、移動機構79を使用してトランスバース式加熱装置77を移動させ、被加熱材9の中央部の温度低下部分に加熱コイルを位置させて加熱する。その結果、温度低下部分が昇温して板幅方向全体が均一な温度分布となる。
【0042】
なお、移動機構としては、他に図9に示すように、枠体90の天井桁にトランスバース式加熱装置77を吊り下げるとともに、本体部91の上方に設けられた駆動車輪95をモータ駆動して,従動車輪96とともに固定レール97上を移動させるようにしても良い。このように構成することにより、図7に示した移動機構と同様の効果を得ることができるとともに、床部分にレール等を配設できない熱間圧延設備にあっても移動機構79を配備することが可能となる。また、モータ駆動に代えて油圧シリンダ等を使用するようにしても良い。
【0043】
図10は本発明に係る誘導加熱装置が適用された熱間圧延設備の第3実施形態を模式的に示す構成図である。
【0044】
この第3実施形態の誘導加熱装置が第2実施形態の誘導加熱装置と異なる点は、移動機構79を有するトランスバース式加熱装置77に加えてソレノイド式加熱装置75を並設するように構成したことである。トランスバース式加熱装置77,移動機構79,およびソレノイド式加熱装置75の構成は前述した各実施形態で説明したものと同様である。
【0045】
この実施形態では、1台のトランスバース式加熱装置77を移動機構79を使用して板幅方向における低温部分のみの加熱昇温を実行するとともに、ソレノイド式加熱装置75により、板幅方向全体に渡る長手方向の加熱昇温を実行するようにしている。このため、第1実施形態、第2実施形態と同様の効果を奏するとともに、第1実施形態の熱間圧延設備に比較して装置構成をコンパクトにすることができる。
【0046】
なお、上述した各実施形態における誘導加熱装置7を構成するトランスバース式加熱装置およびソレノイド式加熱装置の台数は図示したものに限定されるものではない。同様に、第2、第3の実施形態では、移動機構79を備えたトランスバース式加熱装置77を1台のみ設置するようにしたが、移動機構を備えたトランスバース式加熱装置を複数台設置するようにしても良い。これにより、複数台の加熱装置を同時に移動させて加熱することにより、板幅の広狭に制約されることなく、より高速でかつ精度の良い温度補償が可能となる。
【0047】
次に、移動機構を用いてトランスバース式加熱装置を移動させる本発明の他の実施形態を説明する。
【0048】
この実施形態では、図11に示すように、移動機構(図示せず)により幅方向に移動自在に配置された2台のトランスバース式加熱装置71,73と、その上流側に固定配置された1台のソレノイド式加熱装置75とを使用し、2台のトランスバース式加熱装置71,73の幅方向の位置を任意に移動させてその昇温分布を調べたものである。
【0049】
図12に示すように、板幅1800mmの被加熱材9を加熱する場合、各トランスバース式加熱装置71,73は、単機では450mmから1350mmまでの各昇温位置間で中心位置(900mm)をピークとして半円弧状に温度が上昇し下降する単機基本昇温分布特性を持っている。
【0050】
図13(A)に示すように、上述のような特性の2台のトランスバース式加熱装置71,73を板幅方向の同位置に移動させて加熱すると、トータル昇温量は、図13(B)に示すように、各昇温位置において図12に示した単機基本昇温分布のそれぞれ2倍となっている。図13(B)をグラフ化すると図14のような特性曲線となる。
【0051】
また、図15(A)に示すように、2台のトランスバース式加熱装置71,73を板幅方向の中心位置(900mm)から左右に150mmずつシフトして加熱すると、そのトータル昇温量は、図15(B)、図16に示すような分布特性となる。
【0052】
さらに、図17(A)に示すように、2台のトランスバース式加熱装置71,73を板幅方向の中心位置(900mm)から左右に350mmずつシフトして加熱すると、そのトータル昇温量は、図17(B)、図18に示すような分布特性となる。
【0053】
このように、2台のトランスバース式加熱装置71,73を板幅方向の中心位置(900mm)から左右に適宜の移動量だけシフトして加熱することにより、所望の昇温特性を得ることが可能となる。
【0054】
図19乃至図25は、本発明のさらに他の実施形態を示している。
【0055】
この実施形態は、トランスバース式加熱装置71,73とソレノイド式加熱装置75の配置を様々に替えた場合の温度分布を比較したものである。例えば、図19に示す例では、ソレノイド式加熱装置75を最上流に設置するとともに、幅広のトランスバース式加熱装置73、幅狭のトランスバース式加熱装置71の順に配置させたものである。また、図20に示す例では、幅広のトランスバース式加熱装置73を最上流に設置し、次いで幅狭のトランスバース式加熱装置71、ソレノイド式加熱装置75の順に配置されてものである。
【0056】
また、被加熱材の温度分布を測定するために、図21に示すように、被加熱材9のセンター表面位置(バーセンター表面位置、図では▲1▼)、被加熱材9のセンター中心位置(バーセンター中心位置、図では▲2▼)、端部(バーエッジ)から25mmの表面位置(図では▲3▼)、端部(バーエッジ)から25mmの中心位置(図では▲4▼)の4カ所を測定ポイントとした。
【0057】
図22は、900mm幅の被加熱材9に対して、図19に示した配置構成の加熱装置で加熱した場合の各測定ポイント▲1▼〜▲4▼での温度分布を示している。横軸は時間(秒)、縦軸は温度(℃)である。図23は、同じく1800mm幅の被加熱材9に対して、図20に示した配置構成の加熱装置で加熱した場合の各測定ポイント▲1▼〜▲4▼での温度分布を示している。また、図24は、1800mm幅の被加熱材9に対して、図20に示した配置構成の加熱装置で加熱した場合の各測定ポイント▲1▼〜▲4▼での温度分布を示している。さらに図25は、1800mm幅の被加熱材9に対して、図20に示した配置構成の加熱装置で加熱した場合の各測定ポイント▲1▼〜▲4▼での温度分布を示している。
【0058】
各温度分布特性図から理解できるように、図19に示すようなソレノイド式加熱装置75を最上流に設置した場合には、あらかじめ表層部の温度を効率良く昇温させた後に、後段のトランスバース式加熱装置73,71により内部の温度を効率良く昇温させることができる。このような昇温は、加熱装置の出側位置におおいて被加熱材の断面温度を均一化させる場合に適していると言える。
【0059】
一方、図20に示すようなソレノイド式加熱装置75を最下流位置に設置した場合には、前段のトランスバース式加熱装置71,73により表面部の温度を効率良く昇温させることができる。このような昇温は、加熱装置の出側位置にて被加熱材の表面温度をより一層上昇させるのに適していると言える。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、長手方向および板幅方向の双方に渡る温度分布の不均一を効果的に補償することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る誘導加熱装置が適用された熱間圧延設備の第1実施形態を模式的に示す構成図である。
【図2】図1に示す誘導加熱装置を使用した場合の幅狭材における昇温イメージ(同図(A)をトランスバース式加熱装置のみを用いた場合の昇温イメージ(同図(B))と比較して示す説明図である。
【図3】図1に示す誘導加熱装置を使用した場合の幅広材における昇温イメージ(同図(A)をトランスバース式加熱装置のみを用いた場合の昇温イメージ(同図(B))と比較して示す説明図である。
【図4】被加熱材における板幅方向の温度分布を示す説明図である。
【図5】トランスバース式加熱装置の昇温分布を示す説明図である。
【図6】本発明に係る誘導加熱装置が適用された熱間圧延設備の第2実施形態を模式的に示す構成図である。
【図7】本発明で使用される移動機構の一例を示す構成図である。
【図8】図6に示す第2実施形態の作用を説明するための温度特性図である。
【図9】本発明で使用される移動機構の他の例を示す構成図である。
【図10】本発明に係る誘導加熱装置が適用された熱間圧延設備の第3実施形態を模式的に示す構成図である。
【図11】2台のトランスバース式加熱装置を移動させる場合の配置構成を示す説明図である。
【図12】単機基本温度分布を示す説明図である。
【図13】2台のトランスバース式加熱装置を板幅方向の同位置に移動させて加熱した場合の温度分布を示す説明図である。
【図14】図13に示す温度分布をグラフ化して示す説明図である。
【図15】2台のトランスバース式加熱装置を板幅方向の中心位置(900mm)から左右に150mmずつシフトして加熱した場合の温度分布を示す説明図である。
【図16】図15に示す温度分布をグラフ化して示す説明図である。
【図17】2台のトランスバース式加熱装置を板幅方向の中心位置(900mm)から左右に350mmずつシフトして加熱した場合の温度分布を示す説明図である。
【図18】図17に示す温度分布をグラフ化して示す説明図である。
【図19】2台のトランスバース式加熱装置よりも上流側にソレノイド式加熱装置を配置した状態を示す説明図である。
【図20】2台のトランスバース式加熱装置よりも下流側にソレノイド式加熱装置を配置した状態を示す説明図である。
【図21】被加熱材の温度測定ポイントを示す説明図である。
【図22】900mm幅の被加熱材に対して、2台のトランスバース式加熱装置よりも上流側にソレノイド式加熱装置を配置して各加熱装置で加熱した場合の各測定ポイント▲1▼〜▲4▼での温度分布をグラフ化して示す説明図である。
【図23】900mm幅の被加熱材に対して、2台のトランスバース式加熱装置よりも下流側にソレノイド式加熱装置を配置して各加熱装置で加熱した場合の各測定ポイント▲1▼〜▲4▼での温度分布をグラフ化して示す説明図である。
【図24】1800mm幅の被加熱材に対して、2台のトランスバース式加熱装置よりも上流側にソレノイド式加熱装置を配置して各加熱装置で加熱した場合の各測定ポイント▲1▼〜▲4▼での温度分布をグラフ化して示す説明図である。
【図25】1800mm幅の被加熱材に対して、2台のトランスバース式加熱装置よりも下流側にソレノイド式加熱装置を配置して各加熱装置で加熱した場合の各測定ポイント▲1▼〜▲4▼での温度分布をグラフ化して示す説明図である。
【図26】仕上圧延機入側温度と圧延材の長手方向位置との関係を示す温度特性の説明図である。
【図27】仕上圧延機入側温度と圧延材の板幅方向位置との関係を示す温度特性の説明図である。
【図28】ソレノイド式加熱装置の動作原理を示す説明図である。
【図29】トランスバース式加熱装置の動作原理を示す説明図である。
【符号の説明】
1 熱間圧延設備
3 粗圧延機
5 仕上圧延機
7 誘導加熱装置
9 被加熱材
71,73,77 トランスバース式加熱装置
75 ソレノイド式加熱装置
79 移動機構
84 モータ
Claims (6)
- 搬送される被加熱材の板幅方向の所定部分を重複して誘導加熱することで板幅方向に対する温度分布の不均一を補償する板幅方向における大きさが異なる複数台のトランスバース式加熱装置と、
前記搬送される被加熱材を誘導加熱して長手方向に対する温度分布の不均一を補償するソレノイド式加熱装置と、
を備えたことを特徴とする誘導加熱装置。 - 請求項1に記載の誘導加熱装置において、
前記複数台のトランスバース式加熱装置を前記被加熱材の板幅方向に移動させる移動機構を備えたことを特徴とする誘導加熱装置。 - 請求項1又は2に記載の誘導加熱装置において、
搬送される被加熱材の上流側に前記ソレノイド式加熱装置を、下流側に前記複数台のトランスバース式加熱装置をそれぞれ配置したことを特徴とする誘導加熱装置。 - 請求項1又は2に記載の誘導加熱装置において、
搬送される被加熱材の上流側に前記複数台のトランスバース式加熱装置を、下流側に前記ソレノイド式加熱装置をそれぞれ配置したことを特徴とする誘導加熱装置。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の誘導加熱装置を粗圧延機の入側または出側のいずれか一方に配置したことを特徴とする熱間圧延設備。
- 請求項5に記載の熱間圧延設備において、
前記誘導加熱装置を粗圧延機の出側で、かつ仕上圧延機の入側に設けたことを特徴とする熱間圧延設備。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002370498A JP3971295B2 (ja) | 2002-01-31 | 2002-12-20 | 誘導加熱装置および熱間圧延設備 |
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