JP6849843B2 - 連続熱処理設備の制御方法 - Google Patents

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Description

この発明は、金属部材を連続的に熱処理する連続熱処理設備の制御方法に関する。
電磁誘導加熱は、誘導電流によって金属部材を自己発熱させるため、急速な昇温とリアルタイムでの温度調節とを可能にする。電磁誘導加熱は、ソレノイド式およびトランスバース式に大別される。ソレノイド式は、金属部材の周囲にソレノイド状に巻回した加熱コイルを配置し、加熱コイルに交番電流を流して、金属部材の表面に誘導電流を発生させることにより、金属部材を加熱する。トランスバース式は、金属部材を挟むように金属部材の厚み方向に一対の加熱コイルを離間して対向配置して、加熱コイルから発生した交番磁界が金属部材の厚み方向に貫通するようにしたものである。
特許文献1は、圧延時のロール冷却水などに起因する幅方向における温度不均一性に対して温度補償を行うトランスバース式誘導加熱部と、長手方向における温度不均一性に対して温度補償を行うソレノイド式誘導加熱部とを有する加熱装置を開示する。
特許文献2は、連続焼鈍設備の予熱帯に配設されるトランスバース式およびソレノイド式の各誘導加熱部によって、予熱温度(薄鋼板のキュリー温度Tc未満)よりも200℃以上低い温度に、および、予熱温度に、それぞれ、薄鋼板を予熱することを開示する。そして、特許文献2は、予熱帯の下流側において、加熱帯および均熱帯を設けることを開示する。
特開2003−290812号公報 特開2016−98420号公報
ソレノイド式は、金属部材の幅方向の温度均一性が優れているが、金属部材の温度が上昇して金属部材のキュリー温度に近づくと、金属部材の比透磁率が大きく低下するので、誘導電流の浸透深さが深くなる。その結果、厚みが薄い金属部材では、金属部材のおもて面を流れる誘導電流と裏面を流れる誘導電流とが相互に打ち消し合うようになり、加熱効率が大幅に低下する。これに対して、トランスバース式では、金属部材の厚みの影響を受けにくいが、誘導電流が金属部材の幅方向の端部に集中することによって端部が過加熱されるため、金属部材の幅方向の温度均一性がソレノイド式よりも劣る。
特許文献1では、トランスバース式誘導加熱部およびソレノイド式誘導加熱部によって、温度不均一性に対して温度補償を行おうとしているが、厚みが薄い金属部材に対して十分な温度均一性が得られているとは言い難い。
特許文献2は、ソレノイド式誘導加熱部によってキュリー温度近傍まで薄鋼板を急速加熱することを開示するだけであり、幅方向の温度均一性を、連続焼鈍設備においてトータルで良好にするための制御を開示するものではない。
そこで、この発明の課題は、金属部材の搬送方向に直交する幅方向における温度均一性をトータルで良好にできる連続熱処理設備の制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の一態様に係る連続熱処理設備の制御方法は、
金属部材の搬送方向に沿って順に連続的に配設される、第1加熱部、第2加熱部および第3加熱部と、
前記第1加熱部、前記第2加熱部および前記第3加熱部のそれぞれに出力される第1出力電力、第2出力電力および第3出力電力をそれぞれ制御する制御部と、
前記第1加熱部における第1電圧および第1電流を測定する第1測定部とを備え、
前記第1加熱部、前記第2加熱部および前記第3加熱部が、それぞれ、ソレノイド式誘導加熱部、トランスバース式誘導加熱部および抵抗加熱部である連続熱処理設備において、
前記制御部は、前記第1測定部によって測定された前記第1電圧および前記第1電流に基づいて並列共振回路における等価インピーダンスを算出し、算出された前記等価インピーダンスが閾値よりも大きくなったとき、前記第1出力電力が減少するように前記第1出力電力を制御することを特徴とする。
この発明によれば、第1加熱部すなわちソレノイド式誘導加熱部の並列共振回路における等価インピーダンスが閾値よりも大きくなったとき、第1出力電力を減少させている。言い換えると、第1加熱部によって加熱される金属部材の温度が金属部材のキュリー温度になる手前において、第1出力電力を減少させている。これにより、金属部材の温度が金属部材のキュリー温度よりも低い状態で、搬送方向に直交する幅方向における温度均一性が優れているソレノイド式誘導加熱部による加熱が維持されるので、幅方向における温度均一性をトータルで良好にできる。
一実施形態に係る連続熱処理設備を模式的に説明する斜視図である。 図1に示した連続熱処理設備のブロック図である。 連続熱処理設備における最適設定値を決めるときのフローチャートである。 連続熱処理設備を運転するときのフローチャートである。 連続熱処理設備を運転するときの変形例に係るフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、この発明に係る連続熱処理設備1の制御方法の実施の形態を説明する。
〔実施形態〕
図1から図4を参照しながら、一実施形態に係る連続熱処理設備1の制御方法を説明する。図1は、一実施形態に係る連続熱処理設備1を模式的に説明する斜視図である。図2は、図1に示した連続熱処理設備1のブロック図である。図3は、連続熱処理設備1における最適設定値を決めるときのフローチャートである。図4は、連続熱処理設備1を運転するときのフローチャートである。
〔連続熱処理設備の全体構成〕
図1に示すように、連続熱処理設備1は、金属部材3の搬送方向Fに沿って、上流側から下流側に向けて順に連続的に配設された、第1加熱部10と、第2加熱部20と、第3加熱部30とを備える。連続熱処理設備1は、搬送ローラー(図示しない)を介して、金属部材3を搬送方向Fに搬送しながら連続的な熱処理(例えば、連続焼鈍処理)を行う。ワークとしての金属部材3は、例えば、厚みが薄い金属片(例えば、鋼片)や、金属片を圧延させて得られた長尺状の金属ストリップである。金属部材3の厚みは、例えば0.1mm〜5mmである。
第1加熱部10の搬送方向Fの下流側(第1加熱部10の出側)には、第1温度センサ16が配設されている。第1温度センサ16は、金属部材3の幅方向Wにおける中央部の出側温度すなわち第1出側温度をスポット的に測定する放射温度計である。第2加熱部20の搬送方向Fの下流側(第2加熱部20の出側)には、第2温度センサ26が配設されている。第2温度センサ26は、搬送方向Fに直交する幅方向Wにおける金属部材3の出側温度すなわち第2出側温度をスキャンしながら測定する。第2温度センサ26は、例えばスキャニングパイロメーターである。第3加熱部30の搬送方向Fの下流側(第3加熱部30の出側)には、第3温度センサ36が配設されている。第3温度センサ36は、搬送方向Fに直交する幅方向Wにおける金属部材3の出側温度すなわち第3出側温度をスキャンしながら測定する。第3温度センサ36は、例えばスキャニングパイロメーターである。
図2に示すように、連続熱処理設備1は、第1加熱部10と、第2加熱部20と、第3加熱部30と、第1温度センサ16と、第2温度センサ26と、第3温度センサ36と、制御部5とを備える。
第1加熱部10は、ソレノイド式誘導加熱部であり、第1加熱コイル12と、第1電源13と、第1出力電力制御部14と、第1測定部18とを備える。第1加熱コイル12は、金属部材3の周囲を巻回するコイルである。第1電源13は、高周波の交流の第1出力電力を第1加熱コイル12に出力する。第1出力電力制御部14は、第1電源13によって第1加熱コイル12に出力される第1出力電力を制御する。第1加熱コイル12によって金属部材3の長手方向断面を貫通するように発生した交番磁界によって、金属部材3のおもて面、裏面および側面に誘導電流が発生する。そして、誘導電流と金属部材3の電気抵抗とに基づくジュール熱によって、金属部材3が加熱される。第1測定部18は、第1加熱コイル12に出力される第1出力電力の第1電圧および第1電流を測定する。制御部5は、測定された第1電圧および第1電流の各測定値を取得して、記憶部7が各測定値を記憶するように制御する。
第2加熱部20は、トランスバース式誘導加熱部であり、第2加熱コイル22と、第2電源23と、第2出力電力制御部24とを備える。第2加熱コイル22は、金属部材3を挟むように金属部材3の厚み方向に離間して対向配置された一対の加熱コイルである。第2電源23は、高周波の交流の第2出力電力を第2加熱コイル22に出力する。第2出力電力制御部24は、第2電源23によって第2加熱コイル22に出力される第2出力電力を制御する。第2加熱コイル22から発生した交番磁界は、金属部材3の厚み方向に貫通する。この交番磁界によって誘導電流が金属部材3の表面に発生して、誘導電流と金属部材3の電気抵抗とに基づくジュール熱によって、金属部材3が加熱される。
第3加熱部30は、抵抗加熱部であり、加熱ヒータ32と、第3電源33と、第3出力電力制御部34とを備える。加熱ヒータ32は、抵抗発熱体である。第3電源33は、交流の第3出力電力を加熱ヒータ32に出力する。第3出力電力制御部34は、第3電源33によって加熱ヒータ32に出力される第3出力電力を制御する。第3加熱部30では、加熱ヒータ32に通電することで発生した熱エネルギーを金属部材3に伝達する間接抵抗加熱によって、金属部材3が加熱される。
制御部5は、連続熱処理設備1の各加熱部を制御し、詳細には、第1加熱部10、第2加熱部20および第3加熱部30のそれぞれを制御する。制御部5は、例えばコンピュータであり、演算部(CPU:中央演算装置)6と、記憶部(ROMやRAMなどのメモリ)7とを含む。
記憶部7は、例えば次のような記憶動作を行う。すなわち、記憶部7は、第1加熱部10、第2加熱部20および第3加熱部30のそれぞれにおける熱処理を実行するための各種プログラムを記憶する。記憶部7は、熱処理対象物である各種の金属部材3に関するデータ(例えば、キュリー温度や含熱量や比抵抗や幅や厚みや熱処理条件)や、第1加熱部10の第1定格出力電力、第2加熱部20の第2定格出力電力および第3加熱部30の第3定格出力電力を記憶する。記憶部7は、第1温度センサ16、第2温度センサ26および第3温度センサ36のそれぞれによって測定された温度データ(第1出側温度、第2出側温度および第3出側温度)を記憶する。記憶部7は、第1加熱部10における昇温幅(第1出側温度−第1入側温度)から、第1加熱部10の幅方向Wにおける第1温度ムラを算出するための第1算出式を記憶する。記憶部7は、第2加熱部20における昇温幅(第2出側温度−第2入側温度)から、第2加熱部20の幅方向Wにおける第2温度ムラを算出するための第2算出式を記憶する。記憶部7は、金属部材3の熱処理条件、第3定格出力電力、算出された誘導加熱による累積温度ムラなどに基づいて、第3加熱部30から搬出される金属部材3の幅方向における最終温度ムラ(以下、第3温度ムラという)の大きさTを算出するための第3算出式を記憶する。
演算部6は、例えば次のような演算動作を行う。すなわち、演算部6は、第1加熱部10に出力される第1出力電力、第2加熱部20に出力される第2出力電力および第3加熱部30に出力される第3出力電力をそれぞれ算出する。演算部6は、金属部材3のキュリー温度および熱処理条件に基づいて、第3温度ムラの大きさTが、許容値よりも小さくなる最適設定値を算出する。最適設定値は、具体的には、第1出側温度、第2出側温度、第1出力電力、第2出力電力および第3出力電力に関するものである。演算部6は、第1測定部18によって測定される第1電圧および第1電流に基づいて、等価インピーダンスを算出する。演算部6は、金属部材3の材質と、金属部材3の搬送方向Fに直交する幅方向Wにおける幅寸法とに基づいて、閾値を算出する。これにより、閾値が、金属部材3の材質および幅寸法に応じて最適化される。
第1加熱部10としてのソレノイド式誘導加熱部は、金属部材3の幅方向Wにおける温度均一性が優れているが、金属部材3の厚みが薄い場合、金属部材3の温度がそのキュリー温度に近づくと、加熱効率が大幅に低下するという問題を有する。すなわち、誘導電流の浸透深さは、金属部材3の固有抵抗の平方根に比例し、金属部材3の比透磁率の平方根に反比例するという関係にある。金属部材3の温度が上昇して金属部材3のキュリー温度に近づくと、金属部材3の比透磁率が大きく低下するので、誘導電流の浸透深さが深くなる。その結果、金属部材3の厚みが薄い場合、金属部材3のおもて面を流れる誘導電流と裏面を流れる誘導電流とが相互に打ち消し合うようになり、加熱効率が大幅に低下する。
第2加熱部20としてのトランスバース式誘導加熱部は、金属部材3の厚みが薄くなっても加熱効率が低下しないが、誘導電流が金属部材3の幅方向Wの端部に集中して端部が過加熱されるため、幅方向Wにおける温度均一性がソレノイド式よりも劣るという問題を有する。
第3加熱部30としての抵抗加熱部は、金属部材3の幅方向Wにおける温度均一性が優れているとともに、金属部材3の厚みが薄くなっても加熱効率が低下しないが、急激な昇降温動作が困難である。
このように、ソレノイド式誘導加熱部10、トランスバース式誘導加熱部20および抵抗加熱部30には、一長一短がある中で、金属部材3の幅方向Wにおける温度均一性をトータルで良好にするための制御を、図3および図4を参照しながら説明する。
〔連続熱処理設備の制御方法〕
図3は、連続熱処理設備1における最適設定値を決めるときのフローチャートである。図4は、連続熱処理設備1を運転するときのフローチャートである。
図3において、連続熱処理設備1を運転することに先だって、或る材質の金属部材3を連続熱処理設備1で熱処理するための最適設定値を決めるためのステップが開始する(ステップS1)。ステップS2では、制御部5は、記憶部7に記憶されている金属部材3のキュリー温度に基づいて、第1加熱部10の第1出側温度を何℃にするべきかを算出する。ステップS3では、制御部5は、記憶部7に記憶されている金属部材3の幅や厚みと熱処理条件(含熱量差を含む)とに基づいて、第1加熱部10に出力されるべき第1出力電力を算出する。ステップS4では、制御部5は、記憶部7に記憶されている熱処理条件と第3加熱部30の第3定格出力電力とに基づいて、第2加熱部20の第2出側温度(言い換えると、第3加熱部30に搬入される金属部材3の温度に近似した温度)を算出する。
ステップS5では、制御部5は、記憶部7に記憶されている金属部材3の幅や厚みと熱処理条件(含熱量差を含む)とに基づいて、第2加熱部20に出力されるべき第2出力電力を算出する。ステップS6では、制御部5は、記憶部7に記憶されている第1算出式と第2算出式とから、それぞれ、第1加熱部10の第1温度ムラと第2加熱部20の第2温度ムラとを算出する。そして、制御部5は、算出された第1温度ムラおよび第2温度ムラの二乗和平方根を算出して、算出された二乗和平方根の値を誘導加熱による累積温度ムラとして、記憶部7が記憶するように制御する。
ステップS7では、制御部5は、記憶部7に記憶されている金属部材3の幅や厚みと熱処理条件(含熱量差を含む)とに基づいて、第3加熱部30に出力されるべき第3出力電力を算出し、また、同じく記憶部7に記憶されている第3算出式から、第3温度ムラの大きさTを算出する。
ステップS8では、制御部5は、第3温度ムラの大きさTが許容値よりも小さいか否かを判断する。
ステップS8において第3温度ムラの大きさTが許容値以上である場合、ステップS9に進み、制御部5は、第3加熱部30の第3出力電力が、上限にすなわち第3定格出力電力に達しているか否かを判断する。ステップS9において第3加熱部30の第3出力電力が上限に達していない場合、制御部5は、第3加熱部30の第3出力電力が高くなるように設定する(ステップS10)。そして、ステップS4に戻って、制御部5は、第3加熱部30に搬入される金属部材3の温度を算出する。
ステップS9において第3加熱部30の第3出力電力が上限に達している場合、ステップS13に進み、制御部5は、第1加熱部10の第1出側温度が限界温度になっているか否かを判断する。ステップS13において第1加熱部10の第1出側温度が限界温度になっている場合、制御部5は、設定エラーを報知して設定フローを終了する(ステップS16)。なお、限界温度は、金属部材3の比透磁率が1になるキュリー温度よりも低い温度であって、加熱効率が大幅に低下するときの温度である。
ステップS13において第1加熱部10の第1出側温度が限界温度になっていない場合、制御部5は、第1加熱部10の第1出側温度が高くなるように設定するとともに、第1加熱部10の第1出側温度を用いて上記段落番号[0029]に準じて第1出力電力を算出する(ステップS14)。ステップS15では、制御部5は、第1加熱部10の第1出力電力が、上限にすなわち第1定格出力電力に達するか否かを判断する。
ステップS15において第1加熱部10の第1出力電力が上限に達していない場合、ステップS3に戻って、制御部5は、第1加熱部10の出力電力を算出する。ステップS15において第1加熱部10の第1出力電力が上限に達している場合、ステップS16に進み、制御部5は、設定エラーを報知して設定フローを終了する。
ステップS8において第3温度ムラの大きさTが許容値よりも小さい場合、制御部5は、算出された第1出側温度および第2出側温度と、第1出力電力、第2出力電力および第3出力電力との各最適設定値を記憶部7に保存する(ステップS11)。すなわち、制御部5は、第3温度ムラの大きさTが許容値よりも小さくなるように、金属部材3のキュリー温度および熱処理条件に基づいて、第1出側温度、第2出側温度、第1出力電力、第2出力電力および第3出力電力に関する各最適設定値を予め算出して、各最適設定値を記憶部7に保存する。これにより、連続熱処理設備1を運転するときの初期値として、予め算出された最適設定値を用いることにより、第3温度ムラの大きさTを許容値よりも小さくできるようになる。
そして、ステップS12では、連続熱処理設備1における最適設定値を決めるフローが終了する。
図4は、第1加熱コイル12および図示しないコンデンサが、並列共振回路を構成する場合のフローチャートを示している。
図4において、連続熱処理設備1を運転するためのステップが開始する(ステップS21)。ステップS22では、制御部5は、記憶部7に記憶されている各最適設定値(すなわち、第1加熱部10に対する第1出側温度および第1出力電力、第2加熱部20に対する第2出側温度および第2出力電力、第3加熱部30に対する第3出力電力)と、第3加熱部30の目標出側温度とを設定する。ステップS23では、制御部5は、第1測定部18を介して、第1加熱コイル12に出力される第1電圧および第1電流の各測定値を取得する。ステップS24では、制御部5は、ステップS23で測定された第1電圧および第1電流の各測定値に基づいて、等価インピーダンスを算出する。
ステップS25では、制御部5は、算出された等価インピーダンスが閾値よりも大きいか否かを判断する。ステップS24において算出された等価インピーダンスが閾値よりも大きい場合、制御部5は、第1加熱部10の第1出側温度が低くなるように設定する(ステップS26)。ステップS27では、制御部5は、ステップS26で設定された第1加熱部10での第1出側温度に基づいて、第1加熱部10の第1出力電力および第2加熱部20の第2出力電力をそれぞれ算出する。したがって、ステップS26およびステップ27では、算出された等価インピーダンスが閾値よりも大きい場合、制御部5は、第1加熱部10の第1出力電力が減少するように第1出力電力を制御する。そして、ステップS23に戻って、制御部5は、第1測定部18を介して、第1加熱コイル12に出力される第1電圧および第1電流の各測定値を取得する。
ステップS25において算出された等価インピーダンスが閾値以下である場合、制御部5は、第3温度センサ36を介して、第3加熱部30から搬出される金属部材3の幅方向における最終温度ムラすなわち第3温度ムラの大きさTを測定する(ステップS28)。ステップS29では、制御部5は、第3温度ムラの大きさTが、許容値よりも小さいか否かを判断する。
ステップS29において第3温度ムラの大きさTが許容値よりも小さい場合、ステップS23に戻って、制御部5は、第1測定部18を介して、第1加熱コイル12に出力される第1電圧および第1電流の各測定値を取得する。
ステップS29において第3温度ムラの大きさTが許容値以上である場合、ステップS30に進み、制御部5は、第3加熱部30の第3出力電力が、上限にすなわち第3定格出力電力に達しているか否かを判断する。ステップS30において第3加熱部30の第3出力電力が上限に達していない場合、制御部5は、第3加熱部30の第3出力電力が高くなるように設定する(ステップS31)。これにより、温度均一性が優れている第3加熱部30すなわち抵抗加熱部の分担割合が大きくなるので、幅方向Wにおける温度均一性が向上する。
ステップS32では、制御部5は、第3加熱部30に搬入される金属部材3の温度を算出する。ステップS34では、制御部5は、ステップS32で算出された第2加熱部20での第2出側温度(すなわち、第3加熱部30に搬入される金属部材3の温度に近似している)に基づいて、第1加熱部10の第1出力電力および第2加熱部20の第2出力電力をそれぞれ算出する。そして、ステップS23に戻って、制御部5は、第1測定部18を介して、第1加熱コイル12に出力される第1電圧および第1電流の各測定値を取得する。
ステップS30において第3加熱部30の第3出力電力が上限に達している場合、ステップS35に進み、制御部5は、第1加熱部10の第1出側温度が限界温度になっているか否かを判断する。ステップS35において第1加熱部10の第1出側温度が限界温度になっている場合、制御部5は、搬送速度を遅くすることを報知する(ステップS37)。そして、ステップS34に戻って、制御部5は、第1加熱部10の第1出力電力および第2加熱部20の第2出力電力をそれぞれ算出する。
ステップS35において第1加熱部10の第1出側温度が限界温度になっていない場合、制御部5は、第1加熱部10の第1出側温度が高くなるように設定する(ステップS36)。これにより、幅方向Wの温度均一性が優れている第1加熱部10すなわちソレノイド式誘導加熱部の分担割合が大きくなるので、幅方向Wにおける温度均一性が向上する。そして、ステップS34に戻って、制御部5は、第1加熱部10の第1出力電力および第2加熱部20の第2出力電力をそれぞれ算出する。
計算エラーのような何らかの異常が発生した場合を除き、図4のフローチャートに従って、連続熱処理設備1の運転が連続的に行われる。
〔変形例〕
図5を参照しながら、変形例に係る連続熱処理設備1の制御方法を説明する。図5は、連続熱処理設備1を運転するときの変形例に係るフローチャートである。
図5は、第1加熱コイル12および図示しないコンデンサが、直列共振回路を構成する場合のフローチャートを示している。
図5において、連続熱処理設備1を運転するためのステップが開始する(ステップS41)。ステップS42では、制御部5は、記憶部7に記憶されている各最適設定値(すなわち、第1加熱部10に対する第1出側温度および第1出力電力、第2加熱部20に対する第2出側温度および第2出力電力、第3加熱部30に対する第3出力電力)と、第3加熱部30の目標出側温度とを設定する。ステップS43では、制御部5は、第1測定部18を介して、第1加熱コイル12に出力される第1電圧および第1電流の各測定値を取得する。ステップS44では、制御部5は、ステップS43で測定された第1電圧および第1電流の各測定値に基づいて、等価インピーダンスを算出する。
ステップS45では、制御部5は、算出された等価インピーダンスが閾値よりも小さいか否かを判断する。ステップS44において算出された等価インピーダンスが閾値よりも小さい場合、制御部5は、第1加熱部10の第1出側温度が低くなるように設定する(ステップS46)。ステップS47では、制御部5は、ステップS46で設定された第1加熱部10での第1出側温度に基づいて、第1加熱部10の第1出力電力および第2加熱部20の第2出力電力をそれぞれ算出する。したがって、ステップS46およびステップ47では、算出された等価インピーダンスが閾値よりも大きい場合、制御部5は、第1加熱部10の第1出力電力が減少するように第1出力電力を制御する。そして、ステップS43に戻って、制御部5は、第1測定部18を介して、第1加熱コイル12に出力される第1電圧および第1電流の各測定値を取得する。
ステップS45において算出された等価インピーダンスが閾値以上である場合、制御部5は、第3温度センサ36を介して、第3加熱部30から搬出される金属部材3の幅方向における最終温度ムラすなわち第3温度ムラの大きさTを測定する(ステップS48)。ステップS49では、制御部5は、第3温度ムラの大きさTが許容値よりも小さいか否かを判断する。
ステップS49において第3温度ムラの大きさTが許容値よりも小さい場合、ステップS43に戻って、制御部5は、第1測定部18を介して、第1加熱コイル12に出力される第1電圧および第1電流の各測定値を取得する。
ステップS49において第3温度ムラの大きさTが許容値以上である場合、ステップS50に進み、制御部5は、第3加熱部30の第3出力電力が、上限にすなわち第3定格出力電力に達しているか否かを判断する。ステップS50において第3加熱部30の第3出力電力が上限に達していない場合、制御部5は、第3加熱部30の第3出力電力が高くなるように設定する(ステップS51)。これにより、温度均一性が優れている第3加熱部30すなわち抵抗加熱部の分担割合が大きくなるので、幅方向Wにおける温度均一性が向上する。
ステップS52では、制御部5は、第3加熱部30に搬入される金属部材3の温度を算出する。ステップS54では、制御部5は、ステップS52で算出された第2加熱部20での第2出側温度(すなわち、第3加熱部30に搬入される金属部材3の温度に近似している)に基づいて、第1加熱部10の第1出力電力および第2加熱部20の第2出力電力をそれぞれ算出する。そして、ステップS43に戻って、制御部5は、第1測定部18を介して、第1加熱コイル12に出力される第1電圧および第1電流の各測定値を取得する。
ステップS50において第3加熱部30の第3出力電力が上限に達している場合、ステップS55に進み、制御部5は、第1加熱部10の第1出側温度が限界温度になっているか否かを判断する。ステップS55において第1加熱部10の第1出側温度が限界温度になっている場合、制御部5は、搬送速度を遅くすることを報知する(ステップS57)。そして、ステップS54に戻って、制御部5は、第1加熱部10の第1出力電力および第2加熱部20の第2出力電力をそれぞれ算出する。
ステップS55において第1加熱部10の第1出側温度が限界温度になっていない場合、制御部5は、第1加熱部10の第1出側温度が高くなるように設定する(ステップS56)。これにより、幅方向Wの温度均一性が優れている第1加熱部10すなわちソレノイド式誘導加熱部の分担割合が大きくなるので、幅方向Wにおける温度均一性が向上する。そして、ステップS54に戻って、制御部5は、第1加熱部10の第1出力電力および第2加熱部20の第2出力電力をそれぞれ算出する。
計算エラーのような何らかの異常が発生した場合を除き、図5のフローチャートに従って、連続熱処理設備1の運転が連続的に行われる。
この発明の具体的な実施の形態や数値について説明したが、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
第1加熱部10は、必ずしも単一の加熱ゾーンから構成されている必要は無く、複数の加熱ゾーンに分割して複数の加熱ゾーンが搬送方向Fに直列に配設される構成にすることもできる。第2加熱部20および第3加熱部30のそれぞれも、第1加熱部10と同様に、複数の加熱ゾーンが搬送方向Fに直列に配設される構成にすることもできる。
この発明および実施形態をまとめると、次のようになる。
この発明の一態様に係る連続熱処理設備1の制御方法は、
金属部材3の搬送方向Fに沿って順に連続的に配設される、第1加熱部10、第2加熱部20および第3加熱部30と、
前記第1加熱部10、前記第2加熱部20および前記第3加熱部30のそれぞれに出力される第1出力電力、第2出力電力および第3出力電力をそれぞれ制御する制御部5と、
前記第1加熱部10における第1電圧および第1電流を測定する第1測定部18とを備え、
前記第1加熱部10、前記第2加熱部20および前記第3加熱部30が、それぞれ、ソレノイド式誘導加熱部、トランスバース式誘導加熱部および抵抗加熱部である連続熱処理設備1において、
前記制御部5は、前記第1測定部18によって測定された前記第1電圧および前記第1電流に基づいて並列共振回路における等価インピーダンスを算出し、算出された前記等価インピーダンスが閾値よりも大きくなったとき、前記第1出力電力が減少するように前記第1出力電力を制御することを特徴とする。
上記制御方法によれば、第1加熱部10すなわちソレノイド式誘導加熱部の並列共振回路における等価インピーダンスが閾値よりも大きくなったとき、第1出力電力を減少させている。言い換えると、第1加熱部10によって加熱される金属部材3の温度が金属部材3のキュリー温度になる手前において、第1出力電力を減少させている。これにより、金属部材3の温度が金属部材3のキュリー温度よりも低い状態で、搬送方向Fに直交する幅方向Wの温度均一性が優れているソレノイド式誘導加熱部による加熱が維持されるので、幅方向Wにおける温度均一性をトータルで良好にできる。なお、金属部材3の温度がキュリー温度付近に達すると加熱効率が大幅に低下するので、等価インピーダンスの閾値は、キュリー温度に達する手前の値が選ばれる。
この発明の別の局面に係る連続熱処理設備1の制御方法は、
金属部材3の搬送方向Fに沿って順に連続的に配設される、第1加熱部10、第2加熱部20および第3加熱部30と、
前記第1加熱部10、前記第2加熱部20および前記第3加熱部30のそれぞれに出力される第1出力電力、第2出力電力および第3出力電力をそれぞれ制御する制御部5と、
前記第1加熱部10における第1電圧および第1電流を測定する第1測定部18とを備え、
前記第1加熱部10、前記第2加熱部20および前記第3加熱部30が、それぞれ、ソレノイド式誘導加熱部、トランスバース式誘導加熱部および抵抗加熱部である連続熱処理設備1において、
前記制御部5は、前記第1測定部18によって測定された前記第1電圧および前記第1電流に基づいて直列共振回路における等価インピーダンスを算出し、算出された前記等価インピーダンスが閾値よりも小さくなったとき、前記第1出力電力が減少するように前記第1出力電力を制御することを特徴とする。
上記制御方法によれば、第1加熱部10すなわちソレノイド式誘導加熱部の直列共振回路における等価インピーダンスが閾値よりも小さくなったとき、第1出力電力を減少させている。言い換えると、第1加熱部10によって加熱される金属部材3の温度が金属部材3のキュリー温度になる手前において、第1出力電力を減少させている。これにより、金属部材3の温度が金属部材3のキュリー温度よりも低い状態で、搬送方向Fに直交する幅方向Wの温度均一性が優れているソレノイド式誘導加熱部による加熱が維持されるので、幅方向Wにおける温度均一性をトータルで良好にできる。
また、一実施形態の連続熱処理設備1の制御方法では、
前記閾値は、前記金属部材3の材質と、前記金属部材3の搬送方向Fに直交する幅方向Wにおける幅寸法とに基づいて算出される。
上記実施形態によれば、閾値が、金属部材3の材質および幅寸法に応じて最適化される。
また、一実施形態の連続熱処理設備1の制御方法では、
前記第3加熱部30から搬出される前記金属部材3の、前記搬送方向Fに直交する幅方向Wにおける第3温度ムラを測定する第3温度センサ36を備え、
前記制御部5は、前記第3温度ムラの大きさTが許容値以上であるか否かを判断し、前記第3温度ムラの前記大きさTが前記許容値以上であるとき、前記第3出力電力が増加するように前記第3出力電力を制御する。
上記実施形態によれば、温度均一性が優れている第3加熱部30すなわち抵抗加熱部の分担割合が大きくなるので、幅方向Wにおける温度均一性が向上する。
また、一実施形態の連続熱処理設備1の制御方法では、
前記制御部5は、前記第3出力電力が、前記第3加熱部30の第3定格出力電力になっているか否かを判断し、前記第3出力電力が前記第3定格出力電力になっているとき、前記第1加熱部10の出側温度が高くなるように前記第1出力電力を制御する。
上記実施形態によれば、幅方向Wの温度均一性が優れている第1加熱部10すなわちソレノイド式誘導加熱部の分担割合が大きくなるので、幅方向Wにおける温度均一性が向上する。
この発明のさらに別の局面に係る連続熱処理設備1の制御方法は、
金属部材3の搬送方向Fに沿って順に連続的に配設される、第1加熱部10、第2加熱部20および第3加熱部30と、
前記第1加熱部10、前記第2加熱部20および前記第3加熱部30のそれぞれに出力される第1出力電力、第2出力電力および第3出力電力をそれぞれ制御する制御部5と、
前記第3加熱部30から搬出される前記金属部材3の、前記搬送方向Fに直交する幅方向Wにおける第3温度ムラを測定する第3温度センサ36とを備え、
前記第1加熱部10、前記第2加熱部20および前記第3加熱部30が、それぞれ、ソレノイド式誘導加熱部、トランスバース式誘導加熱部および抵抗加熱部である連続熱処理設備1において、
前記制御部5は、前記第3温度ムラの大きさTが許容値よりも小さくなるように、前記金属部材3のキュリー温度および熱処理条件に基づいて、前記第1加熱部10の第1出側温度、前記第2加熱部20の第2出側温度、前記第1出力電力、前記第2出力電力および前記第3出力電力に関する最適設定値を予め算出することを特徴とする。
上記制御方法によれば、連続熱処理設備1を運転するときの初期値として、予め算出された最適設定値を用いることにより、第3加熱部30から搬出される金属部材3の第3温度ムラの大きさTを許容値よりも小さくできるようになる。
1…連続熱処理設備
3…金属部材
5…制御部
6…演算部
7…記憶部
10…第1加熱部(ソレノイド式誘導加熱部)
12…第1加熱コイル
13…第1電源
14…第1出力電力制御部
16…第1温度センサ
18…第1測定部
20…第2加熱部(トランスバース式誘導加熱部)
22…第2加熱コイル
23…第2電源
24…第2出力電力制御部
26…第2温度センサ
30…第3加熱部(抵抗加熱部)
32…加熱ヒータ
33…第3電源
34…第3出力電力制御部
36…第3温度センサ
F…搬送方向
T…第3温度ムラ(第3加熱部から搬出される金属部材の幅方向における最終温度ムラ)の大きさ
W…幅方向

Claims (5)

  1. 金属部材の搬送方向に沿って順に連続的に配設される、第1加熱部、第2加熱部および第3加熱部と、
    前記第1加熱部、前記第2加熱部および前記第3加熱部のそれぞれに出力される第1出力電力、第2出力電力および第3出力電力をそれぞれ制御する制御部と、
    前記第1加熱部における第1電圧および第1電流を測定する第1測定部とを備え、
    前記第1加熱部、前記第2加熱部および前記第3加熱部が、それぞれ、ソレノイド式誘導加熱部、トランスバース式誘導加熱部および抵抗加熱部である連続熱処理設備において、
    前記制御部は、前記第1測定部によって測定された前記第1電圧および前記第1電流に基づいて、前記ソレノイド式誘導加熱部の第1加熱コイルおよびコンデンサが並列配置された並列共振回路における等価インピーダンスを算出し、算出された前記等価インピーダンスが閾値よりも大きくなったとき、前記第1出力電力が減少するように前記第1出力電力を制御し、
    前記金属部材は、前記金属部材の温度が前記金属部材のキュリー温度に近づくと前記金属部材の比透磁率が低下して誘導電流の浸透深さが深くなることによって前記金属部材のおもて面を流れる誘導電流と前記金属部材の裏面を流れる誘導電流とが相互に打ち消し合うような厚みを有し、
    前記閾値は、前記金属部材の前記キュリー温度よりも低く、加熱効率が大幅に低下する限界温度における前記等価インピーダンスの値である、連続熱処理設備の制御方法。
  2. 金属部材の搬送方向に沿って順に連続的に配設される、第1加熱部、第2加熱部および第3加熱部と、
    前記第1加熱部、前記第2加熱部および前記第3加熱部のそれぞれに出力される第1出力電力、第2出力電力および第3出力電力をそれぞれ制御する制御部と、
    前記第1加熱部における第1電圧および第1電流を測定する第1測定部とを備え、
    前記第1加熱部、前記第2加熱部および前記第3加熱部が、それぞれ、ソレノイド式誘導加熱部、トランスバース式誘導加熱部および抵抗加熱部である連続熱処理設備において、
    前記制御部は、前記第1測定部によって測定された前記第1電圧および前記第1電流に基づいて、前記ソレノイド式誘導加熱部の第1加熱コイルおよびコンデンサが直列配置された直列共振回路における等価インピーダンスを算出し、算出された前記等価インピーダンスが閾値よりも小さくなったとき、前記第1出力電力が減少するように前記第1出力電力を制御し、
    前記金属部材は、前記金属部材の温度が前記金属部材のキュリー温度に近づくと前記金属部材の比透磁率が低下して誘導電流の浸透深さが深くなることによって前記金属部材のおもて面を流れる誘導電流と前記金属部材の裏面を流れる誘導電流とが相互に打ち消し合うような厚みを有し、
    前記閾値は、前記金属部材の前記キュリー温度よりも低く、加熱効率が大幅に低下する限界温度における前記等価インピーダンスの値である、連続熱処理設備の制御方法。
  3. 前記閾値は、前記金属部材の材質と、前記金属部材の搬送方向に直交する幅方向における幅寸法とに基づいて算出される、請求項1または請求項2に記載の制御方法。
  4. 前記第3加熱部から搬出される前記金属部材の、前記搬送方向に直交する幅方向における第3温度ムラを測定する温度センサを備え、
    前記制御部は、前記第3温度ムラの大きさが許容値以上であるか否かを判断し、前記第3温度ムラの前記大きさが前記許容値以上であるとき、前記第3出力電力が増加するように前記第3出力電力を制御する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の制御方法。
  5. 前記制御部は、前記第3出力電力が、前記第3加熱部の第3定格出力電力になっているか否かを判断し、前記第3出力電力が前記第3定格出力電力になっているとき、前記第1加熱部の出側温度が高くなるように前記第1出力電力を制御する、請求項4に記載の制御方法。
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