JP4964737B2 - 金属材の誘導加熱方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、移動する金属板や金属ストリップ等の金属材を被加熱材として、電磁誘導により連続的に誘導加熱する技術に関する。特に、被加熱材の部位によらず一定の温度になるように誘導加熱するのに好適な金属材の誘導加熱方法及び装置に関する。
誘導加熱は、励磁電流を電磁コイルに通電し、電磁コイルから発生する交番磁束を被加熱材に印加して被加熱材内に誘導電流を発生させ、当該誘導電流と被加熱材の固有抵抗により発生するジュール熱で被加熱材を加熱するものであり、被加熱材に非接触でクリーンな加熱方法として、鉄鋼業を始め、広く産業界で使用されている。
しかし、電磁コイルから発生する交番磁束の周波数fは、(1)式に示すように被加熱材に流れる誘導電流の被加熱材表面からの深さ(浸透深さ:δ)を決定することから、被加熱材の厚みや幅等の形状、及び電磁気的物性値に応じて、交番磁束の周波数fの適正な値を決定する必要がある。特に、鋼板は通常強磁性体で1よりもかなり大きな比透磁率μr(例えば10〜1000)を有し、浸透深さδは周波数の変化に大きく依存する。
δ∝{ρ/(μr・f)}1/2 ・・・(1)
ここで、ρ:被加熱材の固有抵抗、μr:被加熱材の比透磁率、f:交番磁束の周波数である。
ところで、誘導加熱用の電磁コイルを加熱電源で励磁するとき、コンデンサ(容量C)を電磁コイルと並列に配置して結線した共振回路を構成し、(2)式で表される共振周波数(f)付近の周波数で通電することが多い(例えば特許文献1及び2を参照のこと)。
f=1/{2π(L・C)1/2} ・・・(2)
ここで、Lは、電磁コイルの巻き数や寸法等の形状、被加熱材の電磁気的物性値、及び電磁コイルと被加熱材の配置によって決まる電磁コイル系のインダクタンスである。
また、上記の共振回路をエネルギー効率良く励磁するために、共振回路と加熱用電源の間に力率改善用のインピーダンス整合器を設置することがある(例えば特許文献1、2、及び3を参照のこと)。
特開2006−75859号公報 特開平11−167980号公報 特開平11−290931号公報
ところで、製造ラインにおいて、電磁コイルを用いた誘導加熱装置内を、鋼板等の金属板や金属ストリップの被加熱材を移動させながら、被加熱材の先端、中間部、後端部を順次加熱するとき、加熱部位を所望の一定温度にすることが均一な品質を得るために必要であることがある。
しかしながら、被加熱材の先端、中間部、後端部それぞれの誘導加熱時の電磁コイルのインダクタンスLは、被加熱材の形状や材質の変動によって大きく変化する。また、被加熱材の形状の差異によって誘導電流の流れ方が変化する結果、発熱量も大きく変化する。
従来は、特許文献3に開示されているように、被加熱材の厚み、幅、鋼種等の特性や形状に対して予め適切な周波数を決定して固定する方式で誘導加熱を行うことが多かった。この方式では、被加熱材の温度を調節するために励磁電圧を制御する必要があり、また上記したように、電磁コイルのインダクタンスが変化するために加熱電源と電磁コイルのインピーダンスマッチングが取りにくいという問題があった。
また、特許文献2には、複数の中間接点をもつ整合変圧器を用いて、数kHz〜100kHzの範囲で離散的に周波数を可変とする誘導加熱装置の技術が開示されている。しかしながら、離散的な周波数であるために、高精度に温度調節をするのが難しいことがあった。
また、上記の共振回路構成を用いるときには、各周波数fに対して(2)式で示されるように、整合コンデンサ(C)を可変する必要がある。しかしながら加熱中に整合コンデンサの調整は非常に難しく、被加熱材を連続的に誘導加熱する際、被加熱材の厚さや幅等の形状、及び物性値の変化に対応して励磁周波数を変化させるのが難しいという問題があった。
上記の従来技術の問題に鑑みて、本発明の目的は、金属材を連続的又は断続的に誘導加熱する際に、金属材の加熱部位の形状や位置にかかわらず、高精度に温度を制御することが可能な金属材の誘導加熱方法及び装置を提供することである。
本発明は、金属材の加熱途中においても周波数を連続的又は断続的に可変とする金属材の誘導加熱方法及び装置を提供するものである。
本願第1の発明である金属材の誘導加熱方法は、移動する金属材の幅方向両端部にそれぞれ配設された複数の電磁コイルを、複数の電磁コイル対毎に用意された複数の磁気エネルギー回生タイプの交流電源によって励磁して、当該金属材の先端部が電磁コイル対の間に進入したときに誘導加熱を開始し、金属材の尾端部が電磁コイル対の間から退出したときに誘導加熱を終了させることで当該金属材の長手方向の温度を均一に加熱する方法であって、誘導加熱後の金属材の目標温度を予め設定するステップと、目標温度を基にして各交流電源の周波数を予め設定するステップと、電磁コイル対よりも金属材の移動方向の上流側で金属材の幅方向両端部の温度分布を測定するステップと、幅方向両端部の温度分布測定の結果に基づいて、幅方向両端部のそれぞれについて、目標温度に対する温度差を検出するステップと、幅方向両端部のうち温度差を有する部分である有温度差部分を目標温度まで加熱するのに必要な周波数である目標周波数を、有温度差部分の昇温量と、電磁コイル対に対する金属材の位置とに基づいて算出するステップと、有温度差部分が加熱される際に、有温度差部分に対応する交流電源の周波数を、予め設定された周波数から目標周波数に変更するステップと、有温度差部分の加熱が終了した際に、有温度差部分に対応する交流電源の周波数を予め設定された値に戻すステップと、を含むことを特徴とする。
ここで、電磁コイル対に対する金属材の先端部または尾端部の位置により決まる電磁コイル対のインダクタンスに基づいて、目標周波数を算出し、金属材の先端部または尾端部が電磁コイル対の間を通過中に、電磁コイル対に対する金属材の先端部または尾端部の位置に応じて目標周波数を可変するようにしてもよい。
また、金属材の先端部を150Hz〜300Hzの目標周波数を用いて加熱し、金属材の進行に伴い、目標周波数を300Hz〜1kHzの範囲で調整することで金属材を加熱し、金属材の尾端部を150Hz〜300Hzの目標周波数を用いて加熱するようにしてもよい。
本発明の金属材の誘導加熱方法及び装置により、金属材を連続的又は断続的に誘導加熱する際に、金属材の加熱部位の形状や位置にかかわらず、高精度に温度を制御することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
被加熱材として鋼板を誘導加熱するとき、下記の(1)式で示すように、交番磁束の周波数fを変えることによって被加熱材に流れる誘導電流の被加熱材表面からの深さ(浸透深さ:δ)が変わり、被加熱材中に発生する熱量を変化させることができる。所望の発熱量について、通電電力及び浸透深さδを設定して、(1)式で決定される周波数の励磁電流を電磁コイルに通電すればよい。本発明はこの点に着目して、鋼板中の発熱量を高精度に制御する技術である。
δ∝{ρ/(μr・f)}1/2 ・・・(1)
ここで、ρ:被加熱材の固有抵抗、μr:被加熱材の比透磁率、f:交番磁束の周波数である。
以下では、本発明の誘導加熱装置及び方法の実施の形態について、移動する被加熱材を鋼板とする例を用いて詳細に説明する。なお、各図において同一のものを指し示す符号は、理解を容易にするために同一とした。
<第1の実施の形態>
図1(c)に、本発明の誘導加熱装置及び方法の第1の実施の形態として、鋼板のエッジ部の誘導加熱装置の概略図を示す。
鉄鋼製造プロセスにおいて、誘導加熱前の鋼板の幅方向温度分布の一例の概要を図1(a)に示す。鋼板の幅方向両端部は中央部に比べて側面からの放熱により温度降下をきたす。一方、移動する鋼板に対して固定した温度測定装置で測定した、誘導加熱前の長手方向温度分布の一例を図1(b)に示す。鋼板の先端部から長手方向にかけて放熱による温度降下(サーマルランダウン)をきたす。このような温度分布を有する鋼板を圧延機(図示せず)にて圧延すると、鋼板の幅方向、及び長手方向の温度差に起因して通板を阻害する歪みなどの要因が発生し、製造トラブルの原因となることがある。
そこで、本実施の形態の誘導加熱装置は、鋼板の幅方向の温度が均一になるように加熱するために用いられる。図1(c)に示すように本誘導加熱装置は、鋼板9の両端部それぞれの上部と下部に、鋼板面に対向するように配置したエッジ誘導加熱用電磁コイル2−1及び2−2、並びに2−1’及び2−2’と、これら電磁コイルそれぞれを励磁するための、周波数が連続的に可変な周波数可変電源装置1及び1’と、上記電磁コイルの工程上流側に設置した鋼板9の幅方向の温度分布を測定する幅方向温度測定装置3と、当該幅方向温度測定装置3から出力される温度分布信号に基づいて、鋼板の幅方向の温度が均一になるように周波数可変電源装置1及び1’を制御する誘導加熱制御装置4で構成される。ここで、周波数可変電源装置1、1’は、周波数可変電源部の一例であり、幅方向温度測定装置3は、温度測定部の一例であり、誘導加熱制御装置4は、誘導加熱制御部の一例である。
ここで、幅方向温度測定装置3としては、例えば放射測温方式で鋼板面上の1次元若しくは2次元の温度分布を測定する市販の温度測定装置を用いることが可能である。(温度測定工程)
この誘導加熱制御装置4は、幅方向温度測定装置3からの温度分布測定値及び予め設定された加熱後の温度から昇温量を導出するエッジ昇温量算出部10と、当該エッジ昇温量算出部10からの信号に基づいて電磁コイル2−1、2−2、2−1’、2−2’を励磁する周波数を算出する周波数決定部11及び11’で構成される。(周波数決定工程)
また、周波数決定部11及び11’によって、周波数だけではなく電磁コイル2−1、2−2、2−1’、2−2’に印加する電圧も制御してもよい。
誘導加熱制御装置4の内部の周波数決定部11及び11’には、予め図1(d)に示すような周波数と昇温量パターンを、実験的に又は伝熱計算によるシミュレーションで求めて格納しておき、必要昇温量に対して連続的に周波数を決定する。また、周波数決定部11及び11’に伝熱モデルシミュレーション機能を組み込んで、エッジ昇温量算出部10からの入力信号に基づいて必要な発熱量を得るための周波数を決定するようにしても良い。または、複数の鋼板の加熱処理において、当初は昇温量とそれに対応する周波数の関係式を仮に設定しておいて、鋼板の加熱された結果の温度分布を別途モニターして学習しながら、所望の温度になるように当該関係式を修正するようにしても良い。
図4は、本実施の形態における周波数可変電源装置1、1’の一例であり、周波数可変電源装置1、1’は、特開2004−260991号公報(特許文献4)に開示されているような「磁気エネルギーを回生させる交流電源装置」を用いることができる。すなわち、スイッチング素子S1、S3がオンすると、コンデンサCが充電されていないときは、電流は並列に導通する。次にスイッチング素子S1、S3をオフするとスイッチング素子S2、S4と並列のダイオードを通して電流が流れ、コンデンサCを充電することになり、電流は急速に減少し、負荷のインダクタンスLに蓄えられていたすべての磁気エネルギーがコンデンサCに吸収され電流はゼロとなる。次にスイッチング素子S2、S4をオンすると、コンデンサは放電して電流は急速に立上がり、負荷の磁気エネルギーとなる。ここで、スイッチング素子の導通タイミングを調整する誘導加熱制御装置4により、負荷に流れる電流の周波数を可変とすることができる。このとき、電磁コイルへ通電する電力の力率を大きくすることが可能であって、インバーター方式の電源よりも高効率でエネルギー節約の観点から望ましい。(励磁工程)
<第2の実施の形態>
図2(a)は、鋼板9の長手方向最先端部を誘導加熱する時の従来の加熱開始時前後の鋼板9と誘導加熱コイル5−1の相対位置の模式図である。従来では、鋼板9が、鋼板面の幅方向中央部に対向して配置された誘導加熱コイル5−1の下部を通過する場合に、鋼板のインピーダンスは、誘導加熱コイル5−1に進入時、誘導加熱コイル5−1の下部を通過時において急激に変動することから、周波数を固定した従来の誘導加熱装置では、加熱装置の発振が困難、または電源トリップ等により誘導加熱が困難であった。これに対して、特許文献1に開示されているように、鋼板の長手方向に誘導加熱コイルを複数台配置して、各々別電源として加熱周波数を変更させた方式が考えられるが、誘導加熱コイルの下部を通過する鋼板を加熱する場合には、鋼板が通過している当該誘導加熱コイルの周波数を変更する必要が有り、適用は不可能である。また、特許文献2には、複数の中間接点を持つ整合変圧器を用いて離散的に周波数を可変とする誘導加熱技術が開示されているが、誘導加熱装置としての設備構成が増加することにより高価となること、及び周波数の変更が離散的であり、高精度な誘導加熱を行うには適さない。
図2(b)に、本発明の誘導加熱装置及び方法の第2の実施の形態として、鋼板の長手方向を均一な温度に加熱する誘導加熱装置の概略図を示す。
本実施の形態の誘導加熱装置は、鋼板の長手方向、特に最先端部及び最尾端部の鋼板の長手方向温度が均一になるように加熱するために用いられる。本誘導加熱装置は、鋼板9の幅方向中央部の上部と下部に、鋼板面に対向するように配置した鋼板長手方向誘導加熱用電磁コイル5−1及び5−2と、これら電磁コイルをそれぞれ励磁するための、周波数が連続的に可変な周波数可変電源装置7と、上記電磁コイルの工程上流側に鋼板9の幅方向中央部の上側又は下側のいずれかに、鋼板9に対向して配設した、鋼板9の長手方向の鋼板表面温度の分布を測定する長手方向温度測定装置(図示しない)と、当該長手方向温度測定装置から出力される温度分布信号に基づいて、鋼板の長手方向の温度が均一になるように周波数可変電源装置7を制御する誘導加熱制御装置6で構成される。ここで、周波数可変電源装置7は、周波数可変電源部の一例であり、長手方向温度測定装置は、温度測定部の一例であり、誘導加熱制御装置6は、誘導加熱制御部の一例である。
ここで、長手方向温度測定装置としては、上記の幅方向温度測定装置と同様の温度測定装置を用いることができる。ただし、幅方向を長手方向に変える必要があることは当然である。(温度測定工程)
この誘導加熱制御装置6は、長手方向温度測定装置からの温度分布測定値と、予め設定されている温度との差異から昇温量を導出する長手方向昇温量算出部20と、当該長手方向昇温量算出部20からの信号に基づいて励磁する周波数を算出する周波数決定部21で構成される。(周波数決定工程)
また、鋼板9の鋼種、及び厚みや幅等の形状、並びに鋼板長手方向誘導加熱用電磁コイル5−1及び5−2と鋼板9との間のギャップ等の情報により、予め誘導加熱用電磁コイル下の鋼板のインダクタンス演算部22にてインダクタンスを演算し、下記の(2)式より周波数fを決定しても良い。
すなわち、誘導加熱用電磁コイル5−1、5−2を加熱電源で励磁するとき、コンデンサ(容量C)を誘導加熱用電磁コイル5−1、5−2と並列に配置して結線した共振回路を構成し、(2)式で表される共振周波数(f)付近の周波数で通電する。
f=1/{2π(L・C)1/2} ・・・(2)
ここで、Lは、誘導加熱用電磁コイル5−1、5−2の巻き数や寸法等の形状、鋼板9の電磁気的物性値、及び誘導加熱用電磁コイル5−1、5−2と鋼板9の配置によって決まる電磁コイル系のインダクタンスである。
誘導加熱制御装置6の内部の周波数決定部21には、予め図2(C)に示すような周波数と昇温量パターンを、実験的に又は伝熱計算によるシミュレーションで求めて格納しておき、必要昇温量に対して連続的に周波数を決定する。また、周波数決定部21に伝熱モデルシミュレーション機能を組み込んで、長手方向昇温量算出部20からの入力信号に基づいて必要な発熱量を得るための周波数を決定するようにしても良い。
周波数可変電源装置7は、図4を用いて第1の実施の形態で上述した周波数可変電源装置1、1’と同様の電源を用いれば良い。
鋼板の最尾端部についても、最先端部と同様に、誘導加熱コイル5−1の下部を鋼板が通過中に、鋼板のインダクタンス変動量を誘導加熱制御装置6で演算して周波数を決定し、周波数可変装置7により周波数を段階的に可変することで、鋼板の長手方向最尾端部まで誘導加熱が可能となる。
なお、励磁工程は第1の実施の形態と全く同様にする。
<第3の実施の形態>
図3に、本発明の誘導加熱装置及び方法の第3の実施の形態として、鋼板の長手方向かつ全幅に渡って均一な温度制御を可能とする誘導加熱装置の概略図を示す。
図3(a)は、前記第2の実施の形態で説明した鋼板9の長手方向全長にわたって温度を均一に制御可能とする誘導加熱装置の概略図である。図3(b)は、加熱周波数をパラメータとした鋼板の幅方向温度分布の一例である。図1(b)に示す、鋼板の長手方向温度降下(サーマルダウン)は、図3(a)の鋼板長手方向誘導加熱用電磁コイル5−1及び5−2の工程上流側に設置した鋼板9の幅方向の温度分布を測定する幅方向温度測定装置3により計測される。計測した温度降下代に対して、図3(b)に示す必要昇温量を満足する加熱周波数を求め、周波数可変電源装置7に出力する。
図3(c)は、前記第1の実施の形態で説明した鋼板9の幅方向にわたって温度を均一に制御可能とする誘導加熱装置の概略図である。
図3(a)と図3(c)を組合せて実施することにより、図3(e)、(f)に示すように、鋼板の長手方向かつ全幅に渡って均一な温度制御を可能とする誘導加熱が実現できる。
<第4の実施の形態>
図8は、第1の実施の形態で説明した図4に示す周波数可変電源装置の電源を電流源とした場合の1例であり、「磁気エネルギーを回生させる交流電源装置」を用いる他の実施の形態である。すなわち、交流電源をリアクトル30を介してダイオード整流装置40により整流して、周波数可変電源装置7に直流電圧を印加する。周波数可変電源装置7を構成するスイッチング素子S2、S4がオフすると、電流は加熱用電磁コイルを紙面の下から上に流れ、S1とS3のダイオードを通してコンデンサCを充電する。コンデンサCが充電を完了すると電流は0となる。次にコンデンサCが充電を完了するまでにスイッチング素子S1、S3をオン(S2、S4はオフ)しておくと、コンデンサCに充電されたエネルギーはS1、S3を通して放電し、加熱用電磁コイルを紙面の上から下に電流が流れだす。コンデンサCが放電を完了するとコンデンサ電圧は0となり、S2、S4のダイオードが逆電圧ではなくなることから導通して、S4からS1とS3からS2の二つのパスを通して、電流が加熱用電磁コイルを紙面の上から下に増加して流れる。この期間は、電流は加熱用電磁コイルと周波数可変電源装置7の間を還流しているので、加熱用電磁コイル、及び被加熱材である鋼板のインピーダンスから決まる時定数によって電流は減衰する。その後は同様にして、S1とS3をオフし、S2とS4をオンするとS2、S4を通じてコンデンサCを充放電し、電流は加熱用電磁コイルを紙面の下から上に流れるようになる。このように、スイッチング素子S1・S3、及びS2・S4の各々のゲートのオン・オフタイミングを調整することで、加熱用電磁コイルには周波数が異なる電流を流すことが可能となり、周波数可変型の誘導加熱が実現できる。即ち、スイッチング素子の導通タイミングを調整する制御装置4または制御装置6により、負荷に流れる電流の周波数を可変とすることができる。一方、加熱用電磁コイルの電流は、被加熱材である鋼板のサイズ(幅、厚み)や鋼種に応じて予め出力電流設定装置50で設定しておき、加熱用電磁コイルに流れる電流値をフィードバックして加熱用電磁コイルに流れる電流が一定となるようにサイリスタ電力調整装置60の電圧を制御すれば良い。
図5から図7を用いて、有限要素法を用いた伝熱計算による、1200mm幅×50mm厚の鋼板の誘導加熱シミュレーション結果を示す。図5は、周波数を500Hz、750Hz、1KHzに変更した場合の鋼板幅方向端部の昇温分布を示す。周波数を可変制御することによって、鋼板の幅方向端部(図では550mmから600mm)の昇温量が制御できることが示されている。
図6は、周波数を150Hz、300Hz、1KHzに変更した場合の鋼板幅方向中央部の昇温分布を示す。鋼板幅方向端部と同様に、周波数を可変制御することによって、鋼板の幅方向中央部の昇温量が制御できることが示されている。
図7(a)は、鋼板の長手方向尾端部で周波数を300Hz〜150Hz、若しくは1kHz〜150Hzに可変制御することにより、最尾端部まで均一に加熱できることを示している。即ち、図7(b)に示すように、周波数が300Hzと通電なし、若しくは1kHzと通電なしというコイル通電の有無の切替しか行うことができない従来の周波数固定制御方式であれば、鋼板の最尾端部近傍では、加熱コイル下の鋼板の特性が時間とともに変動(インダクタンスと抵抗が変動)することから、加熱周波数が変動し誘導加熱が不可能であり鋼板温度が低下することになる。鋼板の長手方向先端部でも、図7(a)と同様の効果が得られる。即ち、最先端部では150Hzで加熱し、鋼板の進行(加熱コイル下への浸入)に伴って周波数を300Hz、若しくは1KHzまで可変制御することで最先端部から誘導加熱が可能となる。
図7(a)と図5、図6の組合せによって、鋼板の長手方向・全幅にわたって均一な温度分布を得る鋼板の誘導加熱が実現できる。
以上説明したように、本発明の金属材の誘導加熱方法及び装置により、被加熱材を連続的又は断続的に誘導加熱する際に、被加熱材の加熱部位の形状や位置にかかわらず、高精度に温度を制御することができる。
すなわち、被加熱材の温度分布を測定し、それに基づいて、周波数を連続的又は断続的に変化・制御して被加熱材を加熱するため、被加熱材の厚みや幅等の形状、及び物性値を考慮して加熱することができるので、被加熱材を所望の温度に制御することができる。そして、鋼板等の全長・全幅に渡る均一な温度制御を可能とする誘導加熱方法が提供できることから、製品歩留りの向上や圧延時の通板性改善による生産性向上のためのツールとして応用可能である。更には、被加熱材の厚み、幅、鋼種に依存しない誘導加熱方法が提供できることから鋼板の温度分布最適化による品質の造り込みが可能となり、鉄鋼製品等の高機能化に大きく寄与する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
第1の実施の形態の、エッジ加熱用の誘導加熱装置の概略図である。 第2の実施の形態の、鋼板の長手方向最先端部の誘導加熱装置の概略図である。 第3の実施の形態の、鋼板の長手方向かつ全幅にわたって均一な温度制御を可能とする誘導加熱装置の概略図である。 周波数可変装置の一例である。 鋼板のエッジ誘導加熱のシミュレーション結果の一例である。 鋼板の幅方向誘導加熱のシミュレーション結果の一例である。 (a)本発明における鋼板の長手方向最先端部、及び最尾端部の誘導加熱シミュレーション結果の一例である。(b)従来の周波数固定方式における鋼板の長手方向最先端部、及び最尾端部の誘導加熱シミュレーション結果の一例である。 電源を電流源としたときの周波数可変装置の一例である。
符号の説明
1、1’・・・エッジ誘導加熱の周波数可変電源装置、
2−1、2−1’、2−2、2−2’・・・エッジ誘導加熱用電磁コイル、
3・・・鋼板の幅方向温度測定装置
4・・・エッジ加熱用の誘導加熱制御装置
5−1、5−2・・・長手方向誘導加熱用電磁コイル
6・・・長手方向加熱用の誘導加熱制御装置
7・・・長手方向誘導加熱の周波数可変電源装置
9・・・被加熱材(鋼板)
10・・・エッジ昇温量算出部
11、11’・・・エッジ加熱用周波数決定部
20・・・長手方向昇温量算出部
21・・・長手方向加熱用周波数決定部
22・・・鋼板のインダクタンス演算部
30・・・交流リアクトル
40・・・ダイオード整流器
50・・・出力電流設定装置
60・・・サイリスタ電力調整装置

Claims (3)

  1. 移動する金属材の幅方向両端部にそれぞれ配設された複数の電磁コイルを、前記複数の電磁コイル対毎に用意された複数の磁気エネルギー回生タイプの交流電源によって励磁して、当該金属材の先端部が前記電磁コイル対の間に進入したときに誘導加熱を開始し、前記金属材の尾端部が前記電磁コイル対の間から退出したときに誘導加熱を終了させることで当該金属材の長手方向の温度を均一に加熱する方法であって、
    誘導加熱後の前記金属材の目標温度を予め設定するステップと、
    前記目標温度を基にして前記各交流電源の周波数を予め設定するステップと、
    前記電磁コイル対よりも前記金属材の移動方向の上流側で前記金属材の幅方向両端部の温度分布を測定するステップと、
    前記幅方向両端部の温度分布測定の結果に基づいて、前記幅方向両端部のそれぞれについて、前記目標温度に対する温度差を検出するステップと、
    前記幅方向両端部のうち前記温度差を有する部分である有温度差部分を前記目標温度まで加熱するのに必要な周波数である目標周波数を、前記有温度差部分の昇温量と、前記電磁コイル対に対する前記金属材の位置とに基づいて算出するステップと、
    前記有温度差部分が加熱される際に、前記有温度差部分に対応する交流電源の周波数を、前記予め設定された周波数から前記目標周波数に変更するステップと、
    前記有温度差部分の加熱が終了した際に、前記有温度差部分に対応する交流電源の周波数を前記予め設定された値に戻すステップと、を含むことを特徴とする、金属材の誘導加熱方法。
  2. 前記電磁コイル対に対する前記金属材の先端部または尾端部の位置により決まる前記電磁コイル対のインダクタンスに基づいて、前記目標周波数を算出し、
    前記金属材の先端部または尾端部が前記電磁コイル対の間を通過中に、前記電磁コイル対に対する前記金属材の先端部または尾端部の位置に応じて前記目標周波数を可変することを特徴とする、請求項1記載の金属材の誘導加熱方法。
  3. 前記金属材の先端部を150Hz〜300Hzの前記目標周波数を用いて加熱し、前記金属材の進行に伴い、前記目標周波数を300Hz〜1kHzの範囲で調整することで前記金属材を加熱し、前記金属材の尾端部を150Hz〜300Hzの前記目標周波数を用いて加熱することを特徴とする、請求項1または2に記載の金属材の誘導加熱方法。
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