JP6164181B2 - 誘導加熱装置および誘導加熱方法 - Google Patents

誘導加熱装置および誘導加熱方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属板の幅方向両側のエッジ部を誘導加熱する誘導加熱装置および誘導加熱方法に関するものである。
従来から、熱延鋼板等の圧延製品の製造ラインにおいて、仕上圧延機等の熱間圧延設備または冷間圧延設備(以下、これらを総称して鋼板圧延設備と適宜いう)の入側には、鋼板の幅方向両側のエッジ部を誘導加熱するエッジヒータが設置されている。一般に、鋼板は、鋼板圧延設備の入側に向かって搬送される過程において、継続的に温度低下する。特に、鋼板の幅方向端部であるエッジ部の温度は、同鋼板の幅方向(以下、板幅方向という)の中央部に比べて低い温度に低下する。この温度低下の傾向は、鋼板の板幅方向における両側のエッジ部の双方にみられる。このように板幅方向の中央部とエッジ部との間に温度差が生じた状態の鋼板は、鋼板圧延設備による圧延中にエッジ部の割れ(以下、耳割れという)等の不具合を生じ易い。なお、耳割れは、その程度が大きい場合、鋼板の破断を招来する可能性がある。
鋼板圧延設備の入側に設置されたエッジヒータは、上述した耳割れ等の不具合を防止するために、鋼板の両側のエッジ部を加熱して昇温する。このようなエッジヒータとして、例えば、トランスバース式誘導加熱装置(以下、誘導加熱装置と略す)が用いられる。一般に、誘導加熱装置は、鋼板の厚さ方向(以下、板厚方向という)に両側のエッジ部を各々非接触に挟む一対のインダクタを備えている。誘導加熱装置は、一対のインダクタを各々形成する各コアに巻回した各コイルへ交番電流を供給し、これにより、鋼板の両側のエッジ部を板厚方向に貫通する交番磁界を発生させる。このように発生した交番磁界の磁束は、これら両側のエッジ部に渦電流を誘導し、誘導した渦電流に由来するジュール熱によって、これら両側のエッジ部が加熱(誘導加熱)される。
このように誘導加熱装置が鋼板の両側のエッジ部を誘導加熱する際、一対のインダクタは、インダクタとエッジ部とのラップ長をその目標値に一致させるべく、鋼板の板幅方向に位置調整される。ここでいうラップ長は、鋼板のエッジ部と、このエッジ部を板厚方向の両側(具体的には上側および下側)から非接触に挟むインダクタとの重なり合う長さである。一対のインダクタと鋼板の両側のエッジ部との各ラップ長は、上記のように一対のインダクタを板幅方向に位置調整することにより、定常に制御される。また、鋼板の板厚方向については、一対のインダクタの各鉄心間距離が、鋼板の両側のエッジ部間で同じになるように制御される。ここでいう鉄心間距離は、誘導加熱装置のインダクタのコアが板厚方向に鋼板のエッジ部を非接触に挟む間隙の距離である。誘導加熱装置は、上述したラップ長および鉄心間距離を一定にしつつ、鋼板の両側のエッジ部を誘導加熱することにより、これら両側のエッジ部を均等に昇温している。
なお、上述した鋼板のエッジ部の誘導加熱に関する従来技術として、例えば、搬送中である鋼板の両側のエッジ部を一対のインダクタによって誘導加熱する際、鋼板の搬送経路中心からのずれに応じ、この一対のインダクタを一体として板幅方向に移動し、あるいは、これら両側のエッジ部の温度差に応じ、この一対のインダクタのうちの一方のインダクタのみを板幅方向に移動するものがある(特許文献1参照)。また、鋼板の両側のエッジ部を誘導加熱処理中である一対のインダクタの各コイルに流れるインダクタ電流と出力電圧とに基づくインダクタ毎の各インピーダンス値が所定値となるように、この一対のインダクタの板幅方向の位置をリアルタイムで制御するものがある(特許文献2参照)。さらには、鋼板のエッジ部を誘導加熱するインダクタの測定電力量に基づく鉄心間距離と、予め設定したインダクタの電力目標値に基づく最適の鉄心間距離との偏差を、ギャップ偏差として算出し、このギャップ偏差が零になるようにインダクタの鉄心間距離を調整するものがある(特許文献3参照)。
特開2002−307106号公報 特開2011−65818号公報 特許第4800391号公報
ところで、上述した鋼板に例示されるように両側のエッジ部を誘導加熱される加熱対象の金属板(以下、被加熱板と適宜いう)において、多くの場合、誘導加熱前である両側のエッジ部の各温度は均一になっておらず、これら両側のエッジ部間に温度偏差が生じている。このため、上述したように被加熱板の両側のエッジ部を均等に昇温する従来の誘導加熱技術では、誘導加熱前に生じていた両側のエッジ部間の温度偏差が、誘導加熱後のこれら両側のエッジ部に引き継がれてしまう。故に、両側のエッジ部の各温度が均一となるように被加熱板を誘導加熱することは困難である。
なお、上述した特許文献1に記載の従来技術では、被加熱板における両側のエッジ部の温度差に応じて、一対のインダクタのうちの一方のインダクタを板幅方向に単独移動させている。しかしながら、この板幅方向に対するインダクタの移動は、応答が遅い故に、搬送経路に沿った被加熱板の連続的な搬送に伴うエッジ部間の温度偏差の変化に対応しきれない場合が多い。さらに、被加熱板が誘導加熱装置の入側に向かって搬送される際、この被加熱板に蛇行が生じる虞がある。このような被加熱板の蛇行に応じ一対のインダクタを連動して板幅方向に移動させる動作と、同被加熱板に生じる両側のエッジ部間の温度偏差に応じ単一のインダクタを板幅方向に単独移動させる動作とを円滑に行うことは困難である。故に、両側のエッジ部の各温度が均一となるように搬送中の被加熱板を誘導加熱することができない場合が多い。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、被加熱板の両側のエッジ部を、これらの各温度が均一となるように誘導加熱することができる誘導加熱装置および誘導加熱方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる誘導加熱装置は、加熱対象の金属板の幅方向における両側のエッジ部の各温度を測定する温度測定部と、前記金属板の厚さ方向に前記両側のエッジ部を各々非接触に挟む一対のインダクタと、前記一対のインダクタが前記両側のエッジ部を各々非接触に挟む各間隙の距離を変更する距離変更部と、前記一対のインダクタを各々形成する各コアに巻回した各コイルへ交番電流を供給する電源部と、を有し、前記両側のエッジ部を誘導加熱するエッジ加熱部と、前記温度測定部によって測定された前記両側のエッジ部の各温度と前記両側のエッジ部の目標温度とをもとに、前記両側のエッジ部のうちの第1のエッジ部を前記目標温度に昇温するに必要な第1の昇温量と、第2のエッジ部を前記目標温度に昇温するに必要な第2の昇温量とを設定し、前記温度測定部によって測定された前記第1のエッジ部の温度が前記第2のエッジ部に比べ高い場合、前記第1の昇温量と前記第2の昇温量との差に応じて、前記一対のインダクタのうち、前記第1のエッジ部を誘導加熱する第1のインダクタにおける前記間隙の距離を、前記第2のエッジ部を誘導加熱する第2のインダクタに比べ長くするように前記距離変更部を制御し、且つ、前記第2の昇温量に応じて、前記電源部による前記各コイルへの交番電流の供給量を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる誘導加熱装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記第2のインダクタにおける前記間隙の距離を基準距離とし、前記第1のインダクタにおける前記間隙の距離を、前記温度測定部によって測定された前記第1のエッジ部の温度と前記第2のエッジ部の温度との温度差分、前記基準距離に比べ長くするように前記距離変更部を制御することを特徴とする。
また、本発明にかかる誘導加熱装置は、上記の発明において、順次搬送される前記金属板の幅方向の搬送ずれ量と前記金属板の板幅とを測定する板幅測定部をさらに備え、前記エッジ加熱部は、前記金属板の幅方向に前記一対のインダクタの各々を移動させるインダクタ移動部を有し、前記制御部は、前記板幅測定部によって測定された前記金属板の搬送ずれ量と板幅とをもとに、前記両側のエッジ部と前記一対のインダクタとが各々重なり合う長さであるラップ長が該ラップ長の目標値と一致する各目標位置へ前記一対のインダクタの各々を移動させるように前記インダクタ移動部を制御することを特徴とする。
また、本発明にかかる誘導加熱方法は、加熱対象の金属板の幅方向における両側のエッジ部の各温度を測定する温度測定ステップと、前記温度測定ステップによって測定した前記両側のエッジ部の各温度と前記両側のエッジ部の目標温度とをもとに、前記両側のエッジ部のうちの第1のエッジ部を前記目標温度に昇温するに必要な第1の昇温量と、第2のエッジ部を前記目標温度に昇温するに必要な第2の昇温量とを設定する昇温量設定ステップと、前記温度測定ステップによって測定した前記第1のエッジ部の温度が前記第2のエッジ部に比べ高い場合、前記金属板の厚さ方向に前記両側のエッジ部を各々非接触に挟む一対のインダクタのうちの前記第1のエッジ部に対応する第1のインダクタが前記第1のエッジ部を非接触に挟む間隙の距離を、前記第1の昇温量と前記第2の昇温量との差に応じて、前記一対のインダクタのうちの前記第2のエッジ部に対応する第2のインダクタに比べ長く制御する距離制御ステップと、前記温度測定ステップによって測定した温度が前記第1のエッジ部に比べ低い前記第2のエッジ部の前記第2の昇温量に応じて、前記一対のインダクタの各コアに巻回した各コイルへ供給する交番電流の供給量を制御し、前記一対のインダクタによって前記両側のエッジ部を誘導加熱する誘導加熱ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる誘導加熱方法は、上記の発明において、前記距離制御ステップは、前記第2のインダクタが前記第2のエッジ部を非接触に挟む間隙の距離を基準距離とし、前記第1のインダクタにおける前記間隙の距離を、前記温度測定ステップによって測定した前記第1のエッジ部の温度と前記第2のエッジ部の温度との温度差分、前記基準距離に比べ長く制御することを特徴とする。
また、本発明にかかる誘導加熱方法は、上記の発明において、順次搬送される前記金属板の幅方向の搬送ずれ量と前記金属板の板幅とを測定する板幅測定ステップと、前記板幅測定ステップ部によって測定した前記金属板の搬送ずれ量と板幅とをもとに、前記両側のエッジ部と前記一対のインダクタとが各々重なり合う長さであるラップ長が該ラップ長の目標値と一致する各目標位置へ、前記一対のインダクタの各々を前記金属板の幅方向に移動させるインダクタ位置制御ステップと、をさらに含むことを特徴とする。
本発明によれば、被加熱板の両側のエッジ部を、これらの各温度が均一となるように誘導加熱することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる誘導加熱装置の一構成例を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態におけるエッジ加熱部の一構成例を示す図である。 図3は、本実施の形態におけるインダクタの鉄心間距離の制御を具体的に説明する図である。 図4は、本発明の実施の形態にかかる誘導加熱方法の一例を示すフローチャートである。 図5は、本発明の実施の形態におけるインダクタの鉄心間距離を変更する際のコア動作の別例を説明する図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明にかかる誘導加熱装置および誘導加熱方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下では、被加熱板の一例として熱間圧延対象の鋼板を例示するが、本実施の形態により、本発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、各図面において、同一構成部分には同一符号が付されている。
(誘導加熱装置)
まず、本発明の実施の形態にかかる誘導加熱装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる誘導加熱装置の一構成例を示す図である。図1に示すように、本発明の実施の形態にかかる誘導加熱装置1は、被加熱板の一例である鋼板15の板幅等を測定する板幅計2と、鋼板15の板幅方向両側のエッジ部温度測定を行う温度測定部3と、鋼板15の板幅方向における両側のエッジ部(以下、両側エッジ部と適宜略す)を誘導加熱するエッジ加熱部4とを備える。また、誘導加熱装置1は、各種情報を入力する入力部5と、エッジ加熱部4による鋼板15の誘導加熱の制御に用いるデータを記憶する記憶部6と、エッジ加熱部4の動作等を制御する制御部7とを備える。
板幅計2は、エッジ加熱部4に向かう搬送方向(図1中の太線矢印参照)に順次搬送される鋼板15の板幅方向の搬送ずれ量と鋼板15の板幅とを測定する板幅測定部として機能する。具体的には、図1に示すように、板幅計2は、エッジ加熱部4よりも鋼板15の搬送方向の上流側に配置される。板幅計2は、エッジ加熱部4の入側において、順次搬送される鋼板15の両側エッジ部の各位置を検出し、検出した各位置をもとに、鋼板15の搬送経路に対する板幅方向のずれ量である搬送ずれ量と、この鋼板15の板幅とを算出する。板幅計2は、このような算出処理を連続的または断続的に実行し、これにより、エッジ加熱部4の入側における鋼板15の搬送ずれ量および板幅を順次測定する。その都度、板幅計2は、測定した鋼板15の搬送ずれ量および板幅を制御部7に送信する。
温度測定部3は、エッジ加熱部4に向かう搬送方向に順次搬送される鋼板15の板幅方向における両側のエッジ部の各温度を測定する。具体的には、温度測定部3は、放射温度計等の非接触型の温度計を用いて構成され、図1に示すように、エッジ加熱部4よりも鋼板15の搬送方向の上流側、例えば、板幅計2とエッジ加熱部4との間に配置される。温度測定部3は、エッジ加熱部4の入側において、順次搬送される鋼板15の両側エッジ部の各温度を、連続的または所定時間毎に断続的に測定する。その都度、板幅計2は、測定した鋼板15の両側エッジ部の各温度を制御部7に送信する。
エッジ加熱部4は、トランスバース方式の誘導加熱法によって鋼板15の両側エッジ部を誘導加熱するものである。図2は、本発明の実施の形態におけるエッジ加熱部の一構成例を示す図である。図2には、鋼板15の搬送方向から見たエッジ加熱部4の概略構成が図示されている。鋼板15の搬送方向(図1中の太線矢印参照)は、この鋼板15の板幅方向および板厚方向に対して垂直な方向である。また、鋼板15の板幅方向および板厚方向は、互いに垂直な方向である。
図2に示すように、エッジ加熱部4は、鋼板15の板幅方向における両側エッジ部15a,15bを各々誘導加熱するための一対のインダクタ20,23と、鋼板15の板幅方向に沿った一対のインダクタ20,23の位置(以下、板幅方向位置という)を調整するための台車26a,26bと、一対のインダクタ20,23の各鉄心間距離Za,Zbを個別に調整するための駆動部27a,27bと、各エッジ部15a,15bの誘導加熱に必要な電力を一対のインダクタ20,23に供給する電源部28とを備える。
一対のインダクタ20,23は、図2に示すように、鋼板15の板厚方向に両側エッジ部15a,15bを各々非接触に挟むC型のインダクタである。一対のインダクタ20,23は、鋼板15の搬送経路を挟んで鋼板15の一方のエッジ部15a側と他方のエッジ部15b側とに各々配置される。この際、一対のインダクタ20,23は、例えば図2に示すように、鋼板15の板幅方向に対向するように配置されることが望ましい。
インダクタ20は、図2に示すように、鋼板15の一方のエッジ部15aを鋼板15の板厚方向の両側(例えば上下)から非接触に挟むC型のコア21と、コア21の脚部21c,21dに巻回される加熱コイル22とによって構成される。コア21は、上側コア21a、下側コア21b、および回転軸21eを用いて構成される。上側コア21aは、コア21の上側の部分をなす磁性体であり、下側コア21bは、コア21の下側の部分をなす磁性体である。回転軸21eは、上側コア21aを下側コア21bに回転可能に接合して、上側コア21aと下側コア21bとを一体化する部材である。上側コア21aは、この回転軸21eを中心に回動することができる。下側コア21bは、図2に示すように、台車26aの上部に固定され、この回転軸21e回りに回転可能な上側コア21aを支持する。なお、回転軸21eの軸方向は、鋼板15の搬送方向(図1参照)に平行であることが望ましい。一方、加熱コイル22は、図2に示すように、上側コア21aの脚部21cと下側コア21bの脚部21dとに巻回されており、電源部28に対して直列に接続される。加熱コイル22は、電源部28から供給された交番電流を消費して、鋼板15のエッジ部15aをその板厚方向に貫通する交番磁界を発生させる。この加熱コイル22による交番磁界の磁束は、コア21によって強化され且つ整えられる。
このような構成を有するインダクタ20は、図2に示すように、コア21の脚部21c,21dの間隙内に進入した鋼板15のエッジ部15aを板厚方向の両側から非接触に挟み、このエッジ部15aに対し、上述したコア21および加熱コイル22による磁束を印加する。これにより、インダクタ20は、エッジ部15aに渦電流を誘導し、この渦電流に由来するジュール熱によってエッジ部15aを誘導加熱する。この結果、インダクタ20は、エッジ部15aの温度を目標温度に昇温する。
インダクタ23は、図2に示すように、鋼板15の他方のエッジ部15bを鋼板15の板厚方向の両側(例えば上下)から非接触に挟むC型のコア24と、コア24の脚部24c,24dに巻回される加熱コイル25とによって構成される。コア24は、上側コア24a、下側コア24b、および回転軸24eを用いて構成される。上側コア24aは、コア24の上側の部分をなす磁性体であり、下側コア24bは、コア24の下側の部分をなす磁性体である。回転軸24eは、上側コア24aを下側コア24bに回転可能に接合して、上側コア24aと下側コア24bとを一体化する部材である。上側コア24aは、この回転軸24eを中心に回動することができる。下側コア24bは、図2に示すように、台車26bの上部に固定され、この回転軸24e回りに回転可能な上側コア24aを支持する。なお、回転軸24eの軸方向は、鋼板15の搬送方向(図1参照)に平行であることが望ましい。一方、加熱コイル25は、図2に示すように、上側コア24aの脚部24cと下側コア24bの脚部24dとに巻回されており、電源部28に対して直列に接続される。加熱コイル25は、電源部28から供給された交番電流を消費して、鋼板15のエッジ部15bをその板厚方向に貫通する交番磁界を発生させる。この加熱コイル25による交番磁界の磁束は、コア24によって強化され且つ整えられる。
このような構成を有するインダクタ23は、図2に示すように、コア24の脚部24c,24dの間隙内に進入した鋼板15のエッジ部15bを板厚方向の両側から非接触に挟み、このエッジ部15bに対し、上述したコア24および加熱コイル25による磁束を印加する。これにより、インダクタ23は、エッジ部15bに渦電流を誘導し、この渦電流に由来するジュール熱によってエッジ部15bを誘導加熱する。この結果、インダクタ23は、エッジ部15bの温度を目標温度に昇温する。
ここで、上述したインダクタ20,23による鋼板15の両側エッジ部15a,15bの各昇温量は、電源部28から加熱コイル22,25に供給される交番電流の供給量と、両側エッジ部15a,15bを各々非接触に挟むインダクタ20,23のラップ長La,Lbおよび鉄心間距離Za,Zbとをもとに、各々独立して制御可能である。
本実施の形態において、図2に示すように、ラップ長La,Lbは、鋼板15の両側エッジ部15a,15bと一対のインダクタ20,23とが各々重なり合う長さである。すなわち、ラップ長Laは、インダクタ20のコア21の脚部21c,21dによって板厚方向に上下から非接触に挟まれる鋼板15のエッジ部15aとインダクタ20(詳細には脚部21c,21d)との重なり合う長さである。ラップ長Lbは、インダクタ23のコア24の脚部24c,24dによって板厚方向に上下から非接触に挟まれる鋼板15のエッジ部15bとインダクタ23(詳細には脚部24c,24d)との重なり合う長さである。一方、鉄心間距離Za,Zbは、一対のインダクタ20,23が鋼板15の両側エッジ部15a,15bを各々非接触に挟む各間隙の距離である。すなわち、鉄心間距離Zaは、インダクタ20のコア21が板厚方向に鋼板15のエッジ部15aを非接触に挟む間隙(詳細には脚部21c,21d間の間隙)の距離である。鉄心間距離Zbは、インダクタ23のコア24が板厚方向に鋼板15のエッジ部15bを非接触に挟む間隙(詳細には脚部24c,24d間の間隙)の距離である。
台車26a,26bは、鋼板15の板幅方向に一対のインダクタ20,23の各々を移動させるインダクタ移動部として機能する。具体的には、図2に示すように、台車26aは、その上部にインダクタ20を固定配置されており、鋼板15の板幅方向に移動することにより、インダクタ20を板幅方向に移動させる。このようにして、台車26aは、インダクタ20の板幅方向位置を調整する。台車26bは、その上部にインダクタ23を固定配置されており、鋼板15の板幅方向に移動することにより、インダクタ23を板幅方向に移動させる。このようにして、台車26bは、インダクタ23の板幅方向位置を調整する。
駆動部27a,27bは、一対のインダクタ20,23が鋼板15の両側エッジ部15a,15bを各々非接触に挟む各間隙の距離、すなわち、一対のインダクタ20,23の各鉄心間距離Za,Zbを変更する距離変更部として機能する。具体的には、駆動部27aは、インダクタ20のコア21の回動可能部分、すなわち、上側コア21aを、回転軸21e回りに回動させる。これにより、駆動部27aは、インダクタ20の鉄心間距離Zaを変更(調整)する。駆動部27bは、インダクタ23のコア24の回動可能部分、すなわち、上側コア24aを、回転軸24e回りに回動させる。これにより、駆動部27bは、インダクタ23の鉄心間距離Zbを変更(調整)する。
電源部28は、一対のインダクタ20,23を各々形成する各コア21,24に巻回した各加熱コイル22,25へ交番電流を供給する。これにより、電源部28は、鋼板15の両側エッジ部15a,15bを誘導加熱し得る高周波の磁束を加熱コイル22,25に発生させる。
一方、図1に示す誘導加熱装置1において、入力部5は、入力キーおよびマウス等の入力デバイスを用いて実現され、操作者の入力操作に対応して各種情報を制御部7に入力する。この入力部5による入力情報として、例えば、誘導加熱後における鋼板15の両側エッジ部15a,15bの目標温度を示す情報、制御部7に対して処理開始または処理停止を指示する指示情報、誘導加熱制御に必要な各種データ等が挙げられる。
記憶部6は、ハードディスク等の更新可能にデータを蓄積可能な記憶デバイスを用いて実現され、誘導加熱制御に必要な各種データを更新可能に記憶する。例えば、記憶部6は、鋼板15の両側エッジ部15a,15b間における昇温量の差と一対のインダクタ20,23の鉄心間距離Za,Zbの各変化量との相関データ6aを記憶する。本実施の形態において、相関データ6aは、上述した両側エッジ部15a,15b間の昇温量の差と、この昇温量の差を補正して誘導加熱後の両側エッジ部15a,15bの各温度を均一にするに必要な鉄心間距離Za,Zbの各変化量との相関を示すデータである。このような相関データ6aは、誘導加熱装置1による鋼板15等の被加熱板に対する誘導加熱の実績データ、実験データ、またはシミュレーションデータ等を用いることにより、予め作成される。
制御部7は、誘導加熱装置1の機能を実現するためのプログラム等を記憶するメモリおよびこのメモリ内のプログラムを実行するCPU等を用いて実現される。制御部7は、エッジ加熱部4の台車26a,26b、駆動部27a,27b、電源部28、および記憶部6を制御し、且つ、板幅計2、温度測定部3、入力部5、およびプロセスコンピュータとの電気信号の入出力を制御する。具体的には、制御部7は、板幅計2によって測定された鋼板15の搬送ずれ量と板幅とをもとに、鋼板15の両側エッジ部15a,15bと一対のインダクタ20,23とのラップ長La,Lb(図2参照)がラップ長目標値と一致する各目標位置へ一対のインダクタ20,23の各々を移動させるように台車26a,26bを制御する。
また、制御部7は、温度測定部3によって測定された鋼板15の両側エッジ部15a,15bの各温度と両側エッジ部15a,15bの目標温度とをもとに、両側エッジ部15a,15bのうちの第1のエッジ部を目標温度に昇温するに必要な第1の昇温量と、両側エッジ部15a,15bのうちの第2のエッジ部を目標温度に昇温するに必要な第2の昇温量とを設定する。制御部7は、温度測定部3によって測定された第1のエッジ部の温度が第2のエッジ部に比べ高い場合、設定した第1の昇温量と第2の昇温量との差に応じて、一対のインダクタ20,23のうち、第1のエッジ部を誘導加熱する第1のインダクタにおける間隙の距離(すなわち鉄心間距離)を、第2のエッジ部を誘導加熱する第2のインダクタに比べ長くするように駆動部27a,27bを制御する。且つ、制御部7は、上述した第2の昇温量に応じて、電源部28による各加熱コイル22,25への交番電流の供給量を制御する。
一方、プロセスコンピュータ11は、鋼板15を処理する熱間圧延ライン等のプロセスラインの操業を管理するコンピュータである。プロセスコンピュータ11は、誘導加熱装置1によって両側エッジ部15a,15bを誘導加熱される鋼板15のオーダー情報を制御部7に提供する。このオーダー情報には、例えば、鋼板15の金属種類(鋼種)、板厚、搬送速度等の操業に関する情報が含まれる。
(インダクタの鉄心間距離の制御)
つぎに、本実施の形態におけるインダクタ20,23の鉄心間距離Za,Zbの制御について説明する。図3は、本実施の形態におけるインダクタの鉄心間距離の制御を具体的に説明する図である。誘導加熱装置1による誘導加熱前の鋼板15における両側エッジ部15a,15bのうち、例えば、一方のエッジ部15bが他方のエッジ部15aに比べて高温である場合、温度測定部3によって測定されたエッジ部15b(第1のエッジ部)の温度は、他方のエッジ部15a(第2のエッジ部)に比べて高い。この場合、高温なエッジ部15bを目標温度まで昇温するに必要な第1の昇温量は、低温なエッジ部15aを目標温度まで昇温するに必要な第2の昇温量に比べて少ない。このような状態において、制御部7は、これら第1の昇温量と第2の昇温量との差に応じ、高温なエッジ部15bを誘導加熱するインダクタ23(第1のインダクタ)の鉄心間距離Zbを、低温なエッジ部15aを誘導加熱するインダクタ20(第2のインダクタ)の鉄心間距離Zaに比べて長くするように駆動部27a,27bを制御する。
具体的には、図3に示すように、制御部7は、昇温量の多いインダクタ20における脚部21c,21dの間隙の距離、すなわち、鉄心間距離Zaを基準距離Zsとする。この際、制御部7は、インダクタ20の上側コア21aが回動前の初期状態となるように駆動部27aを制御し、これにより、上側コア21aの脚部21cと下側コア21bの脚部21dとを最も近接させた状態にする。その後、制御部7は、昇温量の少ないインダクタ23における脚部24c,24dの間隙の距離、すなわち、鉄心間距離Zbを長くするように駆動部27bを制御する。この駆動部27bの制御により、制御部7は、図3に示すように、インダクタ23の上側コア24を回転軸24e回りに回動させて、上側コア24aの脚部24cを下側コア24bの脚部24dから離間させる。この結果、制御部7は、インダクタ23の鉄心間距離Zbを、温度測定部3によって測定されたエッジ部15bの温度とエッジ部15aの温度との温度差分、基準距離Zsに比べて長くする。
上述したように制御部7によって鉄心間距離Za,Zbを制御された一対のインダクタ20,23の各加熱コイル22,25に電源部28から交番電流が供給された際、インダクタ20は、この交番電流の供給量に応じた誘導加熱をエッジ部15aに対して行う。これにより、インダクタ20は、低温なエッジ部15aに必要な第2の昇温量を得られることから、このエッジ部15aを目標温度に昇温することができる。これに並行して、インダクタ23は、上述したインダクタ20による誘導加熱に比べて、温度測定部3によるエッジ部15bの測定温度とエッジ部15aの測定温度との差分だけ弱めた誘導加熱を高温なエッジ部15bに対して行う。これにより、インダクタ23は、上述した第2の昇温量に比べてエッジ部15a,15bの温度差分だけ少ない昇温量、すなわち、高温なエッジ部15bに必要な第1の昇温量を得ることができる。この結果、インダクタ23は、上述のエッジ部15aと同じ目標温度にエッジ部15bを昇温することができる。
(誘導加熱方法)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる誘導加熱方法について説明する。図4は、本発明の実施の形態にかかる誘導加熱方法の一例を示すフローチャートである。本発明の実施の形態にかかる誘導加熱方法は、上述した誘導加熱装置1(図1参照)を用いて、図4に示すステップS101〜S108を実行することにより、加熱対象の鋼板15の両側エッジ部15a,15b(図2参照)を各々適切に昇温して、昇温後の両側エッジ部15a,15bの各温度を均一にするものである。
詳細には、本発明の実施の形態にかかる誘導加熱方法において、誘導加熱装置1は、図4に示すように、まず、加熱対象の鋼板15のオーダー情報を取得する(ステップS101)。ステップS101において、制御部7は、鋼板15のオーダー情報として、鋼板15の鋼種、板厚、および搬送速度等の操業に関する情報を取得する。
続いて、誘導加熱装置1は、加熱対象の鋼板15の搬送ずれ量および板幅を測定する(ステップS102)。ステップS102において、板幅計2は、エッジ加熱部4に向かって順次搬送される鋼板15の両側エッジ部15a,15bをエッジ加熱部4の入側において検出し、検出した両側エッジ部15a,15bの板幅方向の各位置を算出する。つぎに、板幅計2は、算出した両側エッジ部15a,15bの各位置をもとに、鋼板15の板幅方向の中心位置を算出し、この中心位置と鋼板15の搬送経路中心との差を、鋼板15の板幅方向の搬送ずれ量として測定する。この搬送ずれ量は、エッジ加熱部4の入側における鋼板15の搬送時の蛇行量に相当する。また、板幅計2は、これら両側エッジ部15a,15bの各位置をもとに、鋼板15の板幅を算出(測定)する。その後、板幅計2は、測定した鋼板15の搬送ずれ量および板幅を示す電気信号を制御部7に送信する。
ついで、誘導加熱装置1は、加熱対象の鋼板15における両側エッジ部15a,15bの各温度を測定する(ステップS103)。ステップS103において、温度測定部3は、エッジ加熱部4に向かって順次搬送される鋼板15の板幅方向における両側エッジ部15a,15bの各温度を非接触に測定する。これにより、温度測定部3は、エッジ加熱部4の入側における両側エッジ部15a,15bの各温度、すなわち、エッジ加熱部4によって誘導加熱される前の両側エッジ部15a,15bの各温度を得る。その後、温度測定部3は、測定した鋼板15の両側エッジ部15a,15bの各温度を示す電気信号を制御部7に送信する。
その後、誘導加熱装置1は、加熱対象の鋼板15における両側エッジ部15a,15bの各昇温量を設定する(ステップS104)。ステップS104において、制御部7は、上述したステップS103によって温度測定部3が測定した鋼板15の両側エッジ部15a,15bの各温度と両側エッジ部15a,15bの目標温度とをもとに、これら両側エッジ部15a,15bの各昇温量を設定する。
この際、制御部7は、入力部5による入力情報をもとに両側エッジ部15a,15bに共通の目標温度を予め設定している。制御部7は、この目標温度と、温度測定部3によって測定されたエッジ部15aの温度との温度差を算出し、この算出した温度差を、両側エッジ部15a,15bのうちの一方のエッジ部15aを目標温度に昇温するに必要な昇温量(以下、エッジ部15aの必要昇温量と適宜いう)として設定する。且つ、制御部7は、この目標温度と、温度測定部3によって測定されたエッジ部15bの温度との温度差を算出し、この算出した温度差を、両側エッジ部15a,15bのうちの他方のエッジ部15bを目標温度に昇温するに必要な昇温量(以下、エッジ部15bの必要昇温量と適宜いう)として設定する。
上述したステップS104を実行後、誘導加熱装置1は、鋼板15の両側エッジ部15a,15bを各々誘導加熱するエッジ加熱部4の各インダクタ20,23(図2参照)の板幅方向位置を制御する(ステップS105)。ステップS105において、誘導加熱装置1は、上述したステップS102によって板幅計2が測定した鋼板15の搬送ずれ量と板幅とをもとに、図2に示したラップ長La,Lbがラップ長目標値と一致する各目標位置へ、一対のインダクタ20,23の各々を鋼板15の板幅方向に移動させる。なお、ラップ長La,Lbは、上述したように、鋼板15の両側エッジ部15a,15bと一対のインダクタ20,23とが各々重なり合う長さである。
詳細には、ステップS105において、制御部7は、板幅計2から取得した鋼板15の板幅をもとに、鋼板15にラップ長目標値を算出する。ついで、制御部7は、インダクタ20,23とエッジ部15a,15bとの各ラップ長La,Lbがラップ長目標値と一致するように、インダクタ20,23の目標とする各板幅方向位置すなわち各目標位置を算出する。続いて、制御部7は、このように算出したインダクタ20,23の各目標位置を、板幅計2から取得した鋼板15の搬送ずれ量分だけ板幅方向にシフトして、これら各目標位置を補正する。その後、制御部7は、インダクタ20,23の各板幅方向位置と補正後の各目標位置とが一致するように、台車26a,26b(図2参照)の各板幅方向の移動を制御し、この台車26a,26bの制御を通して、各インダクタ20,23の板幅方向位置を制御する。
台車26aは、制御部7の制御に基づいて板幅方向に移動し、これにより、上述した補正後の目標位置へインダクタ20を移動させて、インダクタ20のラップ長Laをラップ長目標値と一致させる。これと同時に、台車26bは、制御部7の制御に基づいて板幅方向に移動し、これにより、上述した補正後の目標位置へインダクタ23を移動させて、インダクタ23のラップ長Lbをラップ長目標値と一致させる。
上述したステップS105を実行後、誘導加熱装置1は、図2に示したエッジ加熱部4の各インダクタ20,23の鉄心間距離Za,Zbを制御する(ステップS106)。なお、図2に示したように、鉄心間距離Zaは、インダクタ20のコア21が鋼板15の板厚方向にエッジ部15aを非接触に挟む間隔の距離である。鉄心間距離Zbは、インダクタ23のコア24が鋼板15の板厚方向にエッジ部15bを非接触に挟む間隔の距離である。
ステップS106において、制御部7は、上述したステップS103によって温度測定部3が測定した鋼板15のエッジ部15aの温度とエッジ部15bの温度とを比較し、これら2つの温度の高低を判断する。ここで、エッジ部15bの温度がエッジ部15aの温度に比べて高い場合、制御部7は、インダクタ23の鉄心間距離Zbを、エッジ部15aの必要昇温量とエッジ部15bの必要昇温量との差に応じて、インダクタ20に比べ長く制御する。この場合、インダクタ23は、鋼板15の板厚方向に両側エッジ部15a,15bを各々非接触に挟む一対のインダクタ20,23のうちの高温なエッジ部15b(第1のエッジ部)に対応する第1のインダクタである。インダクタ20は、一対のインダクタ20,23のうちの低温なエッジ部15a(第2のエッジ部)に対応する第2のインダクタである。また、エッジ部15aの必要昇温量およびエッジ部15bの必要昇温量は、上述したステップS104によって既に設定されている。
詳細には、まず、制御部7は、インダクタ20の上側コア21a(図2参照)を回動前の初期状態に戻すように駆動部27aを制御し、この初期状態のインダクタ20の鉄心間距離Zaを基準距離Zsとする(図3参照)。ついで、制御部7は、インダクタ23の鉄心間距離Zbを、上述したステップS103によって温度測定部3が測定したエッジ部15bの温度とエッジ部15aの温度との温度差分、基準距離Zsに比べて長く制御する。
この際、制御部7は、記憶部6から相関データ6aを読み出し、読み出した相関データ6aと、エッジ部15aの必要昇温量とエッジ部15bの必要昇温量との差(以下、必要昇温量差と適宜略す)とをもとに、鉄心間距離Zbの変化量を導出する。この鉄心間距離Zbの変化量は、両側エッジ部15a,15b間の必要昇温量差を補正して誘導加熱後の両側エッジ部15a,15bの各温度を均一にするために必要なインダクタ23の上側コア24aの動作量(回動量)に相当する。制御部7は、この鉄心間距離Zbの変化量分だけ上側コア24aが回動するように駆動部27bを制御し、この駆動部27bの制御を通して、インダクタ23の鉄心間距離Zbを、上述した両側エッジ部15a,15b間の温度差分だけ基準距離Zsに比べ長くする。
一方、ステップS106において、エッジ部15aの温度がエッジ部15bの温度に比べて高い場合、制御部7は、インダクタ20の鉄心間距離Zaを、両側エッジ部15a,15b間の必要昇温量差に応じて、インダクタ23に比べ長く制御する。この場合、インダクタ20は、一対のインダクタ20,23のうちの高温なエッジ部15a(第1のエッジ部)に対応する第1のインダクタである。インダクタ23は、一対のインダクタ20,23のうちの低温なエッジ部15b(第2のエッジ部)に対応する第2のインダクタである。
詳細には、まず、制御部7は、インダクタ23の上側コア24aを回動前の初期状態に戻すように駆動部27bを制御し、この初期状態のインダクタ23の鉄心間距離Zbを基準距離Zsとする。ついで、制御部7は、インダクタ20の鉄心間距離Zaを、上述したステップS103によって温度測定部3が測定したエッジ部15aの温度とエッジ部15bの温度との温度差分、基準距離Zsに比べて長く制御する。
この際、制御部7は、記憶部6から相関データ6aを読み出し、読み出した相関データ6aと両側エッジ部15a,15b間の必要昇温量差とをもとに、鉄心間距離Zaの変化量を導出する。この鉄心間距離Zaの変化量は、両側エッジ部15a,15b間の必要昇温量差を補正して誘導加熱後の両側エッジ部15a,15bの各温度を均一にするために必要なインダクタ20の上側コア21aの動作量(回動量)に相当する。制御部7は、この鉄心間距離Zaの変化量分だけ上側コア21aが回動するように駆動部27aを制御し、この駆動部27aの制御を通して、インダクタ20の鉄心間距離Zaを、上述した両側エッジ部15a,15b間の温度差分だけ基準距離Zsに比べ長くする。
上述したステップS106を実行後、誘導加熱装置1は、加熱対象の鋼板15における両側エッジ部15a,15bを誘導加熱する(ステップS107)。ステップS107において、制御部7は、鋼板15の両側エッジ部15a,15bのうちの低温なエッジ部の必要昇温量(第2の昇温量)に応じて、一対のインダクタ20,23の各加熱コイル22,25へ供給する交番電流の供給量を制御する。エッジ加熱部4は、このように制御部7によって交番電流の供給量が制御された一対のインダクタ20,23によって、鋼板15の両側エッジ部15a,15bを誘導加熱する。
ここで、本実施の形態において、低温なエッジ部は、鋼板15の両側エッジ部15a,15bのうち、ステップS103によって温度測定部3が測定した温度が低い方のエッジ部(第2のエッジ部)である。高温なエッジ部は、鋼板15の両側エッジ部15a,15bのうち、ステップS103によって温度測定部3が測定した温度が高い方のエッジ部(第1のエッジ部)である。すなわち、誘導加熱前の鋼板15の両側エッジ部15a,15bにおいて、第2のエッジ部は、第1のエッジ部に比べ低温である。
制御部7は、ステップS101においてプロセスコンピュータ11から取得した鋼板15の鋼種、板厚、および搬送速度等のオーダー情報に基づき、両側エッジ部15a,15bのうちの低温なエッジ部をその必要昇温量分、昇温し得る誘導加熱条件を設定する。ついで、制御部7は、一対のインダクタ20,23の各コア21,24に巻回した各加熱コイル22,25(図2参照)へ供給する交番電流の供給量を、設定した誘導加熱条件に応じて電源部28に指示する。これにより、電源部28から各加熱コイル22,25に供給される交番電流の供給量は、両側エッジ部15a,15bのうちの低温なエッジ部をその必要昇温量分、昇温し得る供給量に制御される。
例えば、鋼板15の両側エッジ部15a,15bのうちのエッジ部15aが低温なエッジ部である場合、電源部28は、制御部7の制御に基づき、エッジ部15aをその必要昇温量分、昇温し得る供給量の交番電流を一対のインダクタ20,23の各加熱コイル22,25に供給する。この場合、インダクタ20は、低温なエッジ部15aに対し、この交番電流の供給量に応じた誘導加熱を行い、これにより、このエッジ部15aの温度を、エッジ部15aの必要昇温量分、昇温して、両側エッジ部15a,15bに共通の目標温度に調整する。一方、インダクタ23は、上述したステップS106によって、両側エッジ部15a,15b間の温度差分、鉄心間距離Zbをインダクタ20に比べ長く制御されている。このようなインダクタ23は、インダクタ20と同時に、高温なエッジ部15bに対し、上述した交番電流の供給量に応じた誘導加熱に比べて両側エッジ部15a,15b間の温度差分だけ弱い誘電加熱を行う。これにより、インダクタ23は、このエッジ部15bの温度を、両側エッジ部15a,15b間の必要昇温量差分だけ少ない昇温量、すなわち、エッジ部15bの必要昇温量分、昇温して、上述した共通の目標温度に調整する。
または、鋼板15の両側エッジ部15a,15bのうちのエッジ部15bが低温なエッジ部である場合、電源部28は、制御部7の制御に基づき、エッジ部15bをその必要昇温量分、昇温し得る供給量の交番電流を一対のインダクタ20,23の各加熱コイル22,25に供給する。この場合、インダクタ23は、低温なエッジ部15bに対し、この交番電流の供給量に応じた誘導加熱を行い、これにより、このエッジ部15bの温度を、エッジ部15bの必要昇温量分、昇温して、両側エッジ部15a,15bに共通の目標温度に調整する。一方、インダクタ20は、上述したステップS106によって、両側エッジ部15a,15b間の温度差分、鉄心間距離Zaをインダクタ23に比べ長く制御されている。このようなインダクタ20は、インダクタ23と同時に、高温なエッジ部15aに対し、上述した交番電流の供給量に応じた誘導加熱に比べて両側エッジ部15a,15b間の温度差分だけ弱い誘電加熱を行う。これにより、インダクタ20は、このエッジ部15aの温度を、両側エッジ部15a,15b間の必要昇温量差分だけ少ない昇温量、すなわち、エッジ部15aの必要昇温量分、昇温して、上述した共通の目標温度に調整する。
上述したステップS107を実行後、誘導加熱装置1は、鋼板15の両側エッジ部15a,15bに対する誘導加熱の処理が完了したか否かを判断する(ステップS108)。ステップS108において、この誘導加熱の処理が完了していない場合(ステップS108,No)、誘導加熱装置1は、上述したステップS101に戻り、このステップS101以降の処理ステップを繰り返す。一方、この誘導加熱の処理が完了した場合(ステップS108,Yes)、誘導加熱装置1は、本処理を終了する。
以上、説明したように、本発明の実施の形態では、被加熱板の板幅方向における両側エッジ部の各温度を誘導加熱前に測定し、測定した両側エッジ部の各温度とその目標温度とをもとに、これら両側エッジ部のうちの第1のエッジ部を目標温度に昇温するに必要な第1の昇温量と、第2のエッジ部を目標温度に昇温するに必要な第2の昇温量とを設定する。また、測定した第1のエッジ部の温度が第2のエッジ部に比べ高い場合、被加熱板の両側エッジ部を板厚方向に各々非接触に挟む一対のインダクタのうち、この第1のエッジ部に対応する第1のインダクタの鉄心間距離を、この第1のエッジ部よりも低温な第2のエッジ部に対応する第2のインダクタの鉄心間距離に比べ長くなるように、上述した第1の昇温量と第2の昇温量との差に応じて制御し、且つ、この一対のインダクタの各コアに巻回した各加熱コイルへ供給する交番電流の供給量を、この低温な第2のエッジ部に必要とされる第2の昇温量に応じて制御し、このように鉄心間距離および交番電流の供給量が制御された一対のインダクタによって被加熱板の両側エッジ部を各々誘導加熱する。
このため、順次搬送される被加熱板の誘導加熱前における両側エッジ部間の温度偏差に応じ、第2のエッジ部よりも高温な第1のエッジ部を誘導加熱する第1のインダクタの鉄心間距離を、この第2のエッジ部を誘導加熱する第2のインダクタとは別に独立して、この第2のインダクタの鉄心間距離よりも長くすることができる。これに加え、被加熱板の連続的な搬送に伴う両側エッジ部間の温度偏差の変化に対応して、第1のインダクタおよび第2のインダクタの各鉄心間距離を応答よく適宜制御することができる。以上のことにより、上述した誘導加熱前における両側エッジ部間の温度偏差を可能な限り低減しつつ、誘導加熱前の第1のエッジ部に対して第1の昇温量分の誘導加熱を行うとともに、誘導加熱前の第2のエッジ部に対して第2の昇温量分の誘導加熱を行うことができる。この結果、上述した誘導加熱前における両側エッジ部間の温度偏差が誘導加熱による昇温後の両側エッジ部の各温度に引き継がれる事態を防止できることから、順次搬送される被加熱板の両側エッジ部を、これら両側エッジ部の各温度がその目標温度に昇温して均一となるよう誘導加熱することができる。
また、本発明の実施の形態では、上述した鉄心間距離の制御に加え、順次搬送される被加熱板の板幅方向の搬送ずれ量と板幅とを誘導加熱前に測定し、測定した被加熱板の搬送ずれ量と板幅とをもとに、この被加熱板の両側エッジ部と一対のインダクタとの各ラップ長がラップ長目標値と一致する板幅方向の各目標位置へ、この一対のインダクタの各々を移動させている。このため、上述した鉄心間距離の制御に制限されることなく、誘導加熱前の被加熱板の蛇行に応じ一対のインダクタの各々を板幅方向の目標位置へ移動させて、この一対のインダクタの各ラップ長を被加熱板の両側エッジ部の誘導加熱に好適なものに制御することができる。この結果、両側エッジ部に対する各ラップ長を制御するに必要な一対のインダクタの板幅方向の移動制御と、高温な第1のエッジ部を誘導加熱する第1のインダクタの鉄心間距離を制御するに必要な駆動制御とを並行して円滑に行うことができる。このことは、順次搬送される被加熱板の両側エッジ部を各々目標温度に昇温して均一な温度とする誘導加熱に対し、有効に寄与する。
なお、上述した実施の形態では、被加熱板の両側エッジ部のうちの第1のエッジ部の温度が第2のエッジ部に比べ高い場合、被加熱板の両側エッジ部を誘導加熱する一対のインダクタのうち、高温な第1のエッジ部に対応する第1のインダクタの上側コア(例えば図3に示す上側コア24a)を回動させて、この第1のインダクタの鉄心間距離を制御していたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、第1のインダクタの鉄心間距離は、この第1のインダクタの上側コアを上下方向(被加熱板の板厚方向)に昇降させて制御してもよい。
図5は、本発明の実施の形態におけるインダクタの鉄心間距離を変更する際のコア動作の別例を説明する図である。被加熱板の一例である鋼板15の両側エッジ部15a,15b(図2参照)のうち、誘導加熱前のエッジ部15bの温度が誘導加熱前のエッジ部15aに比べ高い場合、このエッジ部15bに対応するインダクタ23の鉄心間距離Zbは、例えば図5に示すように、上側コア24aを、図2に示す鋼板15の板厚方向に上昇させることにより、他方のインダクタ20の鉄心間距離Za(=基準距離Zs)に比べ長くしてもよい。この場合、一対のインダクタ20,23において、上側コア21a,24aは、例えば図5に示すように、板厚方向に昇降できるように下側コア21b,24bと各々係合(一体化)するように構成されてもよい。また、本発明における距離変更部としての駆動部27a,27b(図2参照)は、鉄心間距離Za,Zbを各々変更する際、上側コア21a,24aを各々回動する代わりに、上側コア21a,24aを板厚方向に各々昇降させればよい。
また、上述した実施の形態では、一対のインダクタ20,23の各板幅方向位置を制御して鋼板15に対する各ラップ長La,Lbを制御した後、一対のインダクタ20,23の鉄心間距離Za,Zbを制御していたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、上述した鉄心間距離Za,Zbの制御は、一対のインダクタ20,23の各ラップ長La,Lbの制御の前に行ってもよいし、この各ラップ長La,Lbの制御と同時に(並行して)行ってもよい。
さらに、上述した実施の形態では、温度測定部3よりも鋼板15の搬送方向の上流側に板幅計2が配置されていたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、板幅計2は、温度測定部3よりも鋼板15の搬送方向の下流側、すなわち、温度測定部3とエッジ加熱部4との間に配置されてもよい。
また、上述した実施の形態では、鋼板15の両側エッジ部15a,15bの目標温度を入力部5が制御部7に入力していたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、両側エッジ部15a,15bの目標温度は、鋼板15のオーダー情報の一つとしてプロセスコンピュータ11から制御部7に入力されてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、被加熱板の一例として熱間圧延対象の鋼板15を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、被加熱板は、交番磁界によって渦電流を誘起可能な金属板であればよく、例えば、鋼板または帯状鋼板(鋼帯)であってもよいし、鋼以外の鉄合金の金属板であってもよいし、銅またはアルミニウム等の鉄合金以外の金属板であってもよい。また、被加熱板は、熱間圧延対象の金属板であってもよいし、冷間圧延対象の金属板であってもよい。
また、上述した実施の形態により本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上述した実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明に含まれる。
1 誘導加熱装置
2 板幅計
3 温度測定部
4 エッジ加熱部
5 入力部
6 記憶部
6a 相関データ
7 制御部
11 プロセスコンピュータ
15 鋼板
15a,15b エッジ部
20,23 インダクタ
21,24 コア
21a,24a 上側コア
21b,24b 下側コア
21c,21d,24c,24d 脚部
21e,24e 回転軸
22,25 加熱コイル
26a,26b 台車
27a,27b 駆動部
28 電源部

Claims (6)

  1. 加熱対象の金属板の幅方向における両側のエッジ部の各温度を測定する温度測定部と、
    前記金属板の厚さ方向に前記両側のエッジ部を各々非接触に挟む一対のインダクタと、前記一対のインダクタが前記両側のエッジ部を各々非接触に挟む各間隙の距離を変更する距離変更部と、前記一対のインダクタを各々形成する各コアに巻回した各コイルへ交番電流を供給する電源部と、を有し、前記両側のエッジ部を誘導加熱するエッジ加熱部と、
    前記温度測定部によって測定された前記両側のエッジ部の各温度と前記両側のエッジ部の目標温度とをもとに、前記両側のエッジ部のうちの第1のエッジ部を前記目標温度に昇温するに必要な第1の昇温量と、第2のエッジ部を前記目標温度に昇温するに必要な第2の昇温量とを設定し、前記温度測定部によって測定された前記第1のエッジ部の温度が前記第2のエッジ部に比べ高い場合、前記第1の昇温量と前記第2の昇温量との差に応じて、前記一対のインダクタのうち、前記第1のエッジ部を誘導加熱する第1のインダクタにおける前記間隙の距離を、前記第2のエッジ部を誘導加熱する第2のインダクタに比べ長くするように前記距離変更部を制御し、且つ前記電源部による前記各コイルへの交番電流の供給量を、前記第1のエッジ部に比べ低温の前記第2のエッジ部を前記第2の昇温量分、昇温し得る供給量に制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 前記制御部は、前記第2のインダクタにおける前記間隙の距離を基準距離とし、前記第1のインダクタにおける前記間隙の距離を、前記温度測定部によって測定された前記第1のエッジ部の温度と前記第2のエッジ部の温度との温度差分、前記基準距離に比べ長くするように前記距離変更部を制御することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 順次搬送される前記金属板の幅方向の搬送ずれ量と前記金属板の板幅とを測定する板幅測定部をさらに備え、
    前記エッジ加熱部は、前記金属板の幅方向に前記一対のインダクタの各々を移動させるインダクタ移動部を有し、
    前記制御部は、前記板幅測定部によって測定された前記金属板の搬送ずれ量と板幅とをもとに、前記両側のエッジ部と前記一対のインダクタとが各々重なり合う長さであるラップ長が該ラップ長の目標値と一致する各目標位置へ前記一対のインダクタの各々を移動させるように前記インダクタ移動部を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の誘導加熱装置。
  4. 加熱対象の金属板の幅方向における両側のエッジ部の各温度を測定する温度測定ステップと、
    前記温度測定ステップによって測定した前記両側のエッジ部の各温度と前記両側のエッジ部の目標温度とをもとに、前記両側のエッジ部のうちの第1のエッジ部を前記目標温度に昇温するに必要な第1の昇温量と、第2のエッジ部を前記目標温度に昇温するに必要な第2の昇温量とを設定する昇温量設定ステップと、
    前記温度測定ステップによって測定した前記第1のエッジ部の温度が前記第2のエッジ部に比べ高い場合、前記金属板の厚さ方向に前記両側のエッジ部を各々非接触に挟む一対のインダクタのうちの前記第1のエッジ部に対応する第1のインダクタが前記第1のエッジ部を非接触に挟む間隙の距離を、前記第1の昇温量と前記第2の昇温量との差に応じて、前記一対のインダクタのうちの前記第2のエッジ部に対応する第2のインダクタに比べ長く制御する距離制御ステップと、
    前記一対のインダクタの各コアに巻回した各コイルへ供給する交番電流の供給量を、前記温度測定ステップによって測定した温度が前記第1のエッジ部に比べ低い前記第2のエッジ部前記第2の昇温量分、昇温し得る供給量に制御し、前記一対のインダクタによって前記両側のエッジ部を誘導加熱する誘導加熱ステップと、
    を含むことを特徴とする誘導加熱方法。
  5. 前記距離制御ステップは、前記第2のインダクタが前記第2のエッジ部を非接触に挟む間隙の距離を基準距離とし、前記第1のインダクタにおける前記間隙の距離を、前記温度測定ステップによって測定した前記第1のエッジ部の温度と前記第2のエッジ部の温度との温度差分、前記基準距離に比べ長く制御することを特徴とする請求項4に記載の誘導加熱方法。
  6. 順次搬送される前記金属板の幅方向の搬送ずれ量と前記金属板の板幅とを測定する板幅測定ステップと、
    前記板幅測定ステップによって測定した前記金属板の搬送ずれ量と板幅とをもとに、前記両側のエッジ部と前記一対のインダクタとが各々重なり合う長さであるラップ長が該ラップ長の目標値と一致する各目標位置へ、前記一対のインダクタの各々を前記金属板の幅方向に移動させるインダクタ位置制御ステップと、
    をさらに含むことを特徴とする請求項4または5に記載の誘導加熱方法。
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