JP2002151246A - 誘導加熱装置 - Google Patents

誘導加熱装置

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JP2002151246A
JP2002151246A JP2000346214A JP2000346214A JP2002151246A JP 2002151246 A JP2002151246 A JP 2002151246A JP 2000346214 A JP2000346214 A JP 2000346214A JP 2000346214 A JP2000346214 A JP 2000346214A JP 2002151246 A JP2002151246 A JP 2002151246A
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heating
temperature
coil
heated
induction
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JP2000346214A
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Shoichi Sano
昭一 佐野
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UCHINO KK
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UCHINO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インバータ回路に接続された加熱コイルに高
周波交流電流を供給して連続的に搬送される複数の被加
熱材を誘導加熱する誘導加熱装置において、保温運転か
ら定常運転に復帰する際、被加熱材の温度のバラツキを
小さく、所定温度への立ち上がりを速やかにする。 【解決手段】 排出側加熱コイル2cの中間点付近に被
加熱材1の温度を検出する温度測定器23を設け、か
つ、供給側コイル2a出口付近及び中間コイル2bの中
間点にも同様の温度測定器21・22を設け、排出側コ
イルの被加熱材温度を定常運転時とで同等に保つよう
に、加熱コイル全体に流れる電流を被加熱材の温度によ
り制御し、入口側コイル及び中間コイルに設けたバイパ
ス回路により、供給側、中間コイルの被加熱材温度によ
り、各バイパス回路に流れる電流を制御し、保温運転時
の加熱コイル内全体の被加熱材温度分布を定常運転時と
類似の状態とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属棒等からなる
鍛造用の被加工物を、高周波電流を流した加熱コイル内
を通過させて加熱する誘導加熱装置、及び、そのコイル
に流れる電流の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から誘導加熱装置に被加工材となる
金属棒を供給して加熱し、誘導加熱装置で熱せられた金
属棒を鍛造加工機に供給して成形することは行なわれて
いる。従来の誘導加熱装置の一般的な構造を説明する。
図5において、1は所定サイズに分割された鋼材等の被
加熱材(被加工材)、2はそれぞれ被加熱材1を高周波
により誘導加熱する加熱コイル、3は被加熱材料が正常
に搬送されていることを検知する材料送り検出器、4は
加熱コイル2に電力を供給するインバータ回路(以下高
周波インバータ)、6は被加熱材1を加熱コイル2中に
連続的に供給するピンチローラ等よりなる供給機構、7
は供給機構6を駆動するモータ、8はモータ7を駆動制
御する駆動制御回路、9は高周波インバータ4及びモー
タ駆動制御回路8を制御するメイン制御装置、10はス
キットレール、5は温度表示部、15は搬送速度の設定
や温度設定や運転状態を表示する操作盤である。そし
て、スキットレール10の下流側に鍛造作業工程となる
プレスやハンマー等が配置される。
【0003】このような誘導加熱装置及び鍛造加工機に
おいて、誘導加熱装置が順調に稼動していても、その後
工程である鍛造作業用のプレスやハンマー等が小さな故
障、所謂、チョコ停を発生したり、鍛造用の金型の部分
修正のため、数分から数十分鍛造作業が余儀なく中断さ
れることがある。従来ではこの中断時において誘導加熱
装置はそのまま通常の加熱を続行し、加熱コイルより排
出された被加熱材は鍛造工程に供されることなく、冷却
後誘導加熱装置に再び戻されて再加工される。また、中
断時間が長くなると判断された時には誘導加熱装置は停
止されるのである。
【0004】しかし、上記のような中断が生じた場合、
誘導加熱装置を稼動させたままでいると、中断時間中に
おいても材料を加熱させているため、無駄な電力が消費
されるとともに電気代も嵩む。また、誘導加熱装置を停
止させると、被加工材は冷えてしまうので鍛造加工機に
供給することはできず、コイル内の被加工材を排出して
回収して再度加熱側へまわす作業が加わるとともに、誘
導加熱装置を再起動させてから所定温に材料が加熱され
るまでの時間がロス(数分〜十数分)が発生してしま
い、その間の電気代も余計に必要となる。そこでこれら
のロスの低減のため、保温加熱運転をすることが考えら
れ、被加熱材料をコイル内で停止させたまま最小エネル
ギーで保温しておき、定常運転開始後には、直ぐに、所
定温度の材料が加熱コイルより排出されるようにするこ
とが最も望ましいのである。
【0005】例えば、図5に示す上記構成の誘導加熱装
置で保温運転を行なうためには、操作盤15上に配設さ
れるボリュームやスイッチ等をオペレーターが手動で操
作して、被加熱材の搬送速度や加熱パワーを調整し、定
常加熱運転に復帰させた時の被加熱材の温度バラツキが
許容範囲内であることを温度表示部5で確認しながら、
被加熱材の径毎、または、コイル径毎に保温条件を調整
する。しかし、保温加熱運転時の減速比は復帰時の温度
バラツキを考慮すると、定常速度の30〜50%以下に
落とせない。つまり、加熱コイルには供給側から排出側
まで略同一の電流が流されているため一様に温められて
おり、搬送速度を極端に遅くすると加熱し過ぎた被加熱
材が排出されることになる。
【0006】具体的に説明すると、図5の如く構成した
誘導加熱装置において、加熱コイル内の被加熱材の温度
分布は図6のようになる。定常加熱状態ではAとなり、
被加熱材の搬送速度を遅くし、加熱パワーを大きく下げ
ると、定常加熱状態AからCの状態へ移行する。そし
て、後工程側の原因によって後作業が中断されると、保
温加熱が必要となる。中断後に定常加熱運転へ早く復帰
したい場合には、Bのように加熱パワーを少し下げて搬
送速度も下げて保温加熱を行なうが、この場合、中断の
原因が解消されて定常運転に復帰させると、供給側(搬
送開始側)の被加熱材の温度がAよりも高くなっている
ために途中でオーバーヒートが発生する。そこで、オー
バーヒートを避けるためにCのような保温加熱を行なう
と温度復帰が遅くなる。このように、保温加熱運転時の
被加熱材の搬送速度が遅ければ遅いほどオーバーヒート
し易く、また、保温加熱運転の時間が長ければ長いほ
ど、復帰が遅くなる傾向となるため、保温時と定常時の
搬送速度の減速比が制限されて、保温加熱機能としては
不十分なものとなっている。
【0007】これらの解決手段として、保温加熱運転時
の被加熱材の温度分布をAに近づけるために、加熱コイ
ルを複数ブロックに分割し、各コイルを個々に制御する
方法や、加熱コイルを複数ブロックに分割し、温度分布
をCの状態での保温加熱運転を行い、定常加熱運転への
復帰時には搬出側コイルを急速加熱し、順次定常加熱条
件に移行する方法等がある。例えば、特開平10−14
4462の技術である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の誘導
加熱装置では、保温加熱運転の機能そのものが不十分で
あり、例えば、上記複数ブロックに分割した加熱コイル
で保温加熱運転を行なう場合には、定常運転時には1台
の高周波インバータで十分であるにも関わらず、保温加
熱運転時においては高周波インバータは複数台必要とな
る。また、複数台のインバータ間の干渉を避けるため
に、コイルブロック間には継ぎ目があり、この継ぎ目で
は温度変化等の問題があり、実用化にはコスト及び製作
面での課題が残されている。また、オペレーターが手動
で保温加熱運転するには設定操作に多大の時間と経験を
要するものであった。
【0009】そして、誘導加熱装置の最主要部である高
周波インバータを保温加熱のために複数台設置するとな
ると、保温加熱運転のために必要となる装置費用は保温
加熱によって低減できるコスト以上となり、保温加熱機
能そのものが不要とならざるを得ないという基本的な問
題をかかえている。
【0010】この発明は上述の問題点を解消するために
なされたもので、定常運転復帰後に被加熱材の温度を速
やかに所定の温度に達するように構成した誘導加熱装置
及びその制御方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。即ち、誘導加熱装置の加熱コイル
を2セクション以上に分割し、排出側コイルの中間点付
近に被加熱材の温度を測定する温度測定器を設け、定常
加熱運転時の測定値を記憶させ、保温加熱運転時には該
加熱コイルの電流を制御し、被加熱材の温度を、定常加
熱運転時の記憶値と同等に保たせるように補正する制御
装置を設けた。
【0012】また、3つのセクションに分割したときに
は供給側コイル及び中間コイルに分流用のバイパス回路
を並列接続し、また、供給側コイル出口付近、中間コイ
ルの中間点付近にそれぞれ被加熱材の温度を測定する温
度測定器を設け、回路に流れる電流を制御し、各被加熱
材の温度を補正し、定常加熱運転時の記憶時と略同等に
保たせる制御装置を設けたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明を解決するための手段は以
上の如くであり、次に本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の誘導加熱装置のブロック図、図2は加熱
コイルとバイパス回路を流れる電流の状態を示す図、図
3は定常運転制御時のフローチャート、図4は保温加熱
運転制御時のフローチャートである。
【0014】図1において、被加熱材1・1・・・はピ
ンチローラからなる供給機構6により連続または間欠的
に誘導加熱装置Yの加熱コイル2内に搬送される。該供
給機構6はモータ7により駆動され、該モータ7は駆動
制御回路8により制御され、該駆動制御回路8はメイン
制御装置9に接続されている。該メイン制御装置9は図
示しないCPUやRAMやROM等を有し、インターフ
ェースを介して操作盤15や温度検出器等と接続され、
該操作盤15にはボリューム等で構成した搬送速度設定
器30や加熱コイル電流設定器31や電源スイッチ32
や表示ランプ33、運転条件設定器34等が配置されて
いる。
【0015】また、前記加熱コイル2は高周波インバー
タ4と接続され、該高周波インバータ4は前記メイン制
御装置9と接続されて加熱運転時の電流制御等を行なえ
るようにしている。また、加熱コイル2は複数のセクシ
ョンに分けられており、本実施例では三つのセクション
に分けて、供給側コイル2a、中間コイル2b、排出側
コイル2cに分割している。そして、各セクション毎に
温度センサー等からなる温度測定器21・22・23が
配置されて、それぞれメイン制御装置9と接続されてい
る。該温度測定器21・22・23は各セクションを通
過する被加熱材1の温度を検出し、メイン制御装置9に
検出値を入力するようにしており、供給側コイル2aの
温度測定器21は出口付近に、中間コイル2b・排出側
コイル2cの温度測定器22・23は略中間位置に配置
されてている。
【0016】また、供給側コイル2aと中間コイル2b
にはそれぞれ分流用として並列に第一バイパス回路11
と第二バイパス回路12が接続され、該第一バイパス回
路11と第二バイパス回路12はそれぞれマグネットス
イッチ等の切換手段11a・12aと、可飽和リアクト
ルまたは鉄心リアクトルまたは空心リアクトル等からな
るリアクトル11b・12bより構成され、該切換手段
11a・12aはメイン制御装置9と接続されて、ON
・OFF制御される。また、誘導加熱装置Yの後工程側
には鍛造装置20等が配置されて被加熱材1が連続的に
加工処理されるようにしており、鍛造装置20に入る前
に温度表示部5を設けてオペレーターが通過する被加熱
材1の温度が判るようにしている。そして、鍛造装置2
0の稼動状態、例えば、鍛造作業中や中断や型の入替等
の運転状態がメイン制御装置9に入力されている。
【0017】以上のような構成の誘導加熱装置Yにおい
て、図3により運転制御を説明する。定常加熱運転時の
動作は、制御盤15で電源をONして(S1)、運転条
件設定器34で設定した運転条件を読み込む(S2)。
この運転条件は定常加熱運転やテスト運転等であり、そ
の設定条件に従ってメイン制御装置9がその条件に合う
温度や電流、または、各設定器からの入力に従って制御
する。次に、操作盤15の搬送速度設定器30から搬送
速度を読み込み(S3)、メイン制御回路9を介して駆
動制御回路8を制御して被加熱材1が所定の速度、例え
ば、2000mm/分で搬送されるように設定する。同じ
く操作盤15の加熱コイル電流設定器31から加熱コイ
ル電流値を読み込み(S4)、メイン制御装置9を介し
て高周波インバータを駆動して(S5)、排出側コイル
2cより排出された被加熱材1が所定の温度、例えば、
1200℃となるように設定する。また、定常加熱運転
時には切換手段11a・12aがOFFとされ、第一バ
イパス回路11及び第二バイパス回路12は加熱コイル
2より切り離されている。一方、温度測定器21・22
・23のデータT1・T2・T3は常にメイン制御装置
9のメモリに読み込まれて(S6)、その現在値を記憶
させている。そして、温度等に異常が発生すると(S
7)安全装置が働いて誘導加熱装置を停止させる(S
8)。
【0018】次に、後工程となる鍛造工程において中断
等が発生すると、誘導加熱装置Yのメイン制御装置9に
保温加熱運転指示信号が入力され、定常加熱運転時に
は、搬送速度設定器30や加熱コイル電流設定器31、
又は、運転条件設定器34により設定、制御されていた
制御系が保温加熱運転となる。
【0019】この保温加熱運転では、図4のように制御
される。まず、被加熱材1の搬送速度を低速度v1とな
るように駆動制御回路8に入力される(S11)。この
低速度は例えば60mm/分程度と遅くし、加熱コイル2
から排出する捨て材(鍛造工程にいかない無駄材)を最
小限にする。理想的には速度0が望ましいが、被加熱材
1の搬送を止めて加熱すると、被加熱材の表面の温度検
出位置にスケールやゴミがあったり、または、測定用の
孔からの外乱の影響を受けたりして、正確な温度を測定
できない場合が多々生じる。そこで、温度の誤測定を避
けるため、この程度の送りを設けているのである。
【0020】そして、各セクションの温度が定常運転時
と略同じとなるように制御する。つまり、定常加熱運転
時には所定の時間毎に各セクションの温度測定器21・
22・23によって温度が検出され、その値T1・T2
・T3はメイン制御装置9のメモリに記憶させている。
そして、保温加熱運転に切り換わると、排出側コイル2
cの温度測定器23の現在値T4を読み込んで(S1
2)、この現在値T4と保温加熱運転に切り換わる直前
の定常加熱運転時に記憶された測定値T3を比較し(S
13)、略同じ温度を保つようメイン制御装置9からの
制御信号で高周波インバータ4を制御して加熱コイル電
流を制御する。この時の温度測定値の誤差αは小さい方
が望ましく、メイン制御装置9に予め設定された数値幅
α内に納まるようにしており、誤差がα以上となり、現
在値T4が記憶された測定値T3よりも高いと(S1
4)加熱し過ぎとなっているので、加熱コイル2への電
流を小さくし(S15)、逆に、記憶された測定値T3
が現在値T4よりも高いと(S14)定常運転時よりも
低い温度となっているので、加熱コイル2への電流を大
きくし(S16)温度を上げる。このような制御を行な
うことで排出側コイル2c内の被加熱材の温度は定常加
熱運転時と同等に保たれる。
【0021】次に図2より、保温加熱モードにおける供
給側コイル2aと中間コイル2bの被加熱材1の温度管
理について説明する。一例として、第一バイパス回路1
1、第二バイパス回路12の構成は切換手段11a・1
2aとしてマグネットスイッチを用い、リアクトル11
b・12bは空心リアクトルで構成されたものとし、直
列接続されている。保温加熱モードに切り換えると同時
に、第一バイパス回路11、第二バイパス回路12のマ
グネットスイッチ11a・11bがON(閉じ)とな
り、第一バイパス回路11、第二バイパス回路12に電
流が流れる。
【0022】仮に供給側コイル2aと第一バイパス回路
11のインピーダンスの比率を2:1、中間コイル2b
と第二バイパス回路12のインピーダンスの比率を1:
2に設定すると、供給側コイル2aと第一バイパス回路
11に流れる電流の比率は1:2、中間コイル2bと第
二バイパス回路12に流れる電流の比率は2:1とな
る。トータル電流、つまり、排出側コイル2cの電流値
を3とすると、供給側コイル2a:中間コイル2b:排
出側コイル2cに流れる電流比は1:2:3とすること
ができる。このようにして、供給側コイル2a、中間コ
イル2b、排出側コイル2cと順に電流値を上げるよう
にすることによって、被加熱材1の搬送が略停止状態に
あっても、一台の高周波インバータ4で加熱コイル2内
の被加熱材1の温度分布を可変とすることが可能とな
る。
【0023】なお、各コイルと各バイパス回路の分流比
は実測値をベースに算出された数値としており、実使用
上においては、定常加熱運転時の加熱条件、つまり、コ
イル径、被加熱材料径、搬送速度、出口温度の違いに等
より、加熱コイル内の被加熱材の温度分布は一定のもの
とはならない。例えば、供給側コイル2a内の被加熱材
1は設定温度となっているが、中間コイル2b内の被加
熱材1は設定温度よりも高い場合等がある。この定常運
転時の温度が異なる場合の解消方法を図4より説明す
る。
【0024】先ず、供給側コイル2a内の被加熱材1の
温度制御は、前記排出側コイル2cのときと同様に、保
温加熱運転時の温度測定器21からの現在値T5を読み
込み(S17)、定常加熱運転時に記憶した温度測定器
21からの測定値T1とを比較し(S18)、それぞれ
の差が誤差許容範囲となる設定値βを越える値となる場
合、現在値T5が低いと(S19)切換手段11aをO
N・OFFさせてバイパス回路11に流れる電流を落と
し供給側コイル2aに多く電流を流して被加熱材1の温
度を上げ(S20)、現在値T5が高い場合には高周波
インバータ4からの電流値を下げて(S21)被加熱材
1の温度を下げ、コイル内の被加熱材1の温度が定常加
熱運転時の温度と略同等の温度になるようにする。
【0025】次に、中間コイル2b内の被加熱材1の温
度制御は、前記と同様に、保温加熱運転時の温度測定器
22からの現在値T6を読み込み(S22)、定常加熱
運転時に記憶した温度測定器22からの測定値T2とを
比較し(S23)、それぞれの差が誤差許容範囲となる
設定値γを越える値となる場合、現在値T6が低いと
(S24)切換手段12aをON・OFFさせてバイパ
ス回路12に流れる電流を落とし供給側コイル2bに多
く電流を流して被加熱材1の温度を上げ(S25)、現
在値T6が高い場合には高周波インバータ4からの電流
値を下げて(S26)被加熱材1の温度を下げ、コイル
内の被加熱材1の温度が定常加熱運転時の温度と略同等
の温度になるようにする。なお、前記設定値β・γは±
5℃程度とする。また、保温加熱運転中は被加熱材1の
温度の上昇・下降のスピードは緩やかとなるように制御
されているので、バイパス回路11・12の電流制御は
数十秒に一回単位のON・OFF制御で支障のないもの
となる。但し、ON・OFF制御はパルス幅制御であっ
ても、時間制御であってもよく限定するものではない。
このようにして保温加熱運転時も加熱コイル2内の被加
熱材1の温度分布は定常加熱運転時と類似したものとす
ることができる。
【0026】次に、誘導加熱装置Yのメイン制御装置9
に定常加熱運転への復帰信号が入力されると(S2
7)、制御系は定常運転時の設定値又は運転条件入力装
置に切り換わり、搬送速度、加熱速度、加熱コイル電流
は直ちに定常状態となり、定常加熱運転に復帰する。加
熱コイル内の被加熱材温度分布は既に定常加熱運転時と
類似となっているために、復帰後に加熱コイル2より排
出される被加熱材1の温度は速やかに所定の温度に達
し、バラツキも少ないものとなる。
【0027】以上のように構成することで、一台の高周
波インバータ4で保温加熱運転中も加熱コイル2内の被
加熱材の温度分布を定常加熱運転時と類似させることが
でき、従って、定常加熱運転に復帰時の所定温度への立
ち上がりが早く、かつ、温度バラツキも小さくなる。そ
して、本装置による保温運転中の搬送速度を定常加熱運
転時の1/30〜1/50程度とする時、材料長を20
0mmとすると、復帰時の捨て材は2個、10分間保温中
の捨て材は3個となり、定常加熱を続けた時の捨て材は
10分で200〜400個、インバータを停止した時は
20〜30個となり、従来と比べてはるかに捨て材を減
少することが可能となることがわかる。
【0028】次に第二実施例を説明する。図1におい
て、温度測定器21または22の一方を省略して、コス
ト削減を図る構成とすることもできる。この場合メイン
制御装置9自身が有するクロックを利用したり、或い
は、内部または外部タイマーを用いるものであり、バイ
パス回路11・12への通電(ON)時間とOFF時間
の比率を、搬送速度や被加熱材の材料の種類等に合わせ
てそれぞれ温度分布に類似するように設定し、温度測定
器の現在の値と記憶した値が設定範囲を越えると、ON
時間を長くしたり短くし、或いは、OFF時間を長くし
たり短くしたりすることで、定常運転時における記憶温
度に対して一定の範囲に維持できるようにするものであ
る。
【0029】具体的には、保温加熱運転時において、排
出側コイル2cへ流す電流制御は前記と同様に行なわれ
る。そして、切換手段11a・12aを切り換えるタイ
ミングを、ONとOFFの比を供給側が排出側より大き
くして、供給側コイル2aに流れる電流が中間コイル2
bよりも小さくして、供給側よりも排出側の被加熱材1
の温度が高くなるようにする。例えば、切換手段11a
は10秒ONした後5秒OFFとし、切換手段12aは
7.5秒ONした後6.5秒OFFと設定しておく。そ
して、例えば、温度測定器21を省いた構成の場合に
は、温度測定器22からの現在(保温加熱モード時)の
検出値T6と定常運転時に記憶した検出値T2を比較し
て、現在の温度が高くなっていると、前記ONとOFF
の比は一定のまま電流値を下げ、現在の温度が低いと電
流値を上げるようにしている。但し、この切換手段の切
換制御は前記の技術に限定されるものではなく。現在の
温度が高い場合には、切換手段11a・12aのON時
間をそれぞれ同一の比率または同一時間短くしたり、或
いは、切換手段11a・12aのOFF時間をそれぞれ
同一の比率または同一時間長くすることもできる。な
お、この制御方法の場合、前記第一実施例に比べて復帰
後のバラツキは大きくなるが、使用上は許容範囲内とす
ることができる。
【0030】そして、上記実施例において、中断時間が
長くなり誘導加熱装置を停止させた場合等では、前記バ
イパス回路11・12を接続した状態で、加熱コイル2
への供給電流を大きくした急速加熱運転をする制御機能
を追加することにより、加熱コイル2内に残された冷た
くなった被加熱材1を無駄なく短時間で定常加熱運転時
の温度まで上昇させることができて、従来よりも短時間
で定常加熱運転に移行することが可能となる。つまり、
急速加熱運転時に加熱コイル2への供給電流を大きくし
て、加熱コイル2内の被加熱材の温度分布のパターンを
定常時と類似させることが可能となるのである。
【0031】
【発明の効果】以上の説明したように構成することによ
って、次のような効果を奏する。請求項1のように、複
数のセクションに加熱コイルを分割して各セクションの
加熱コイルに流す電流を制御するので、各セクション毎
に高周波インバータを設けて、それそれを制御する必要
がなく、一台の高周波インバータに直列接続された加熱
コイルによって、加熱コイル内の被加熱材の温度分布を
定常加熱運転と保温加熱運転と略類似させたものとする
ことができ、コスト低減化を図ることができたのであ
る。
【0032】また、各セクション毎に被加熱材の温度を
測定する温度測定器と、各セクションに流す電流を変更
する手段と、前記加熱コイルに流す電流を制御する手段
と、これらを制御するメイン制御装置とを設け、定常加
熱運転時の各温度測定器の各測定値と、保温加熱運転時
の各温度測定器の各測定値とが略同等となるように、各
セクションの加熱コイルの電流を制御することで、捨て
材の量を減少することができて、コスト低減化を図るこ
とができたのである。また、加熱コイルから排出される
被加熱材の温度バラツキも小さなものとすることができ
たのである。また、保温加熱運転から定常加熱運転へ復
帰させたときに、速やかに所定温度にすることができ、
中断後の定常加熱運転への復帰が早く、時間ロスを短縮
できたのである。更に、保温運転時の加熱コイルへの供
給電流を大きくする制御機能を追加することにより、加
熱コイル内に残された冷たくなった被加熱材や温度の低
くなって被加熱材を無駄なく短時間で定常加熱運転に移
行することが可能となる。
【0033】また、請求項2の如く、前記複数のセクシ
ョンに分割された加熱コイルの排出側端以外の各セクシ
ョンにそれぞれバイパス回路を並列接続し、該バイパス
回路を切換手段とリアクトルにより構成し、各切換手段
をメイン制御装置と接続して、保温加熱運転時に各切換
手段をON・OFFさせて、定常加熱時と保温加熱時の
被加熱材の温度を略同等となるように、前記各セクショ
ンを流れる電流を制御したので、保温加熱運転時の各セ
クションにおける温度分布を、切換手段のON・OFF
により定常加熱運転時の温度分布に容易に近似させるこ
とが可能となり、制御も簡単にできる。
【0034】また、請求項3の如く、前記バイパス回路
のインピーダンスを、供給側を小さく、排出側を大きく
したので、バイパス回路に並列に接続されるそのセクシ
ョンのコイルに流れる電流は、供給側は小さく排出側は
大きくなり、温度傾斜を容易に作ることができ、この傾
斜を保温加熱運転時の温度分布に近づけることで、電流
制御は更に簡単とすることができる。
【0035】また、請求項4の如く、インバータ回路に
接続された加熱コイルに高周波交流電流を供給して連続
的に搬送される複数の被加熱材を誘導加熱する誘導加熱
装置において、、前記加熱コイルを複数のセクションに
分割し、排出側端以外の各セクションにそれぞれバイパ
ス回路を並列接続し、各バイパス回路に切換手段を設け
るとともに、排出側のセクションと排出側端以外の何れ
かのセクションの一つに、そのセクションの被加熱材の
温度を測定する温度測定器を配置し、前記加熱コイルに
流す電流を制御する手段と、前記切換手段と、温度測定
器をメイン制御装置と接続し、前記各セクションの切換
手段のタイミングはONとOFFの比を供給側が排出側
より大きくし、このタイミングを一定として、定常加熱
運転時の各温度測定器の各測定値と、保温加熱運転時の
各温度測定器の各測定値とが略同等となるように、各切
換手段のON・OFFを制御したので、温度測定器の数
を減少できて、切換手段を制御するだけで、保温加熱運
転時の温度分布を定常加熱運転時の温度分布に近づける
ことが可能となり、保温加熱運転を可能とする誘導加熱
装置のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘導加熱装置のブロック図である。
【図2】加熱コイルとバイパス回路を流れる電流の状態
を示す図である。
【図3】定常運転制御時のフローチャートである。
【図4】保温加熱運転制御時のフローチャートである。
【図5】従来の誘導加熱装置のブロック図である。
【図6】加熱コイル内に被加熱材を搬送して加熱したと
きの温度との関係を示す図である。
【符号の説明】
Y 誘導加熱装置 1 被加熱材 2 加熱コイル 2a 供給側コイル 2b 中間コイル 2c 排出側コイル 4 高周波インバータ 9 メイン制御装置 11 第一バイパス回路 12 第二バイパス回路 11a・12a 切換手段 15 操作盤 21・22・23 温度測定器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバータ回路に接続された加熱コイル
    に高周波交流電流を供給して連続的に搬送される複数の
    被加熱材を誘導加熱する誘導加熱装置において、複数の
    セクションに分割された加熱コイルと、各セクション毎
    に被加熱材の温度を測定する温度測定器と、各セクショ
    ンに流す電流を変更する手段と、前記加熱コイルの中を
    被加熱材を連続又は間欠で搬送させる搬送機構と、前記
    加熱コイルに流す電流を制御する手段と、これらを制御
    するメイン制御装置とを設け、定常加熱運転時の各温度
    測定器の各測定値と、保温加熱運転時の各温度測定器の
    各測定値とが略同等となるように、各セクションの加熱
    コイルの電流を制御することを特徴とする誘導加熱装
    置。
  2. 【請求項2】 前記複数のセクションに分割された加熱
    コイルの排出側端セクション以外の各セクションにそれ
    ぞれバイパス回路を並列接続し、該バイパス回路を切換
    手段とリアクトルにより構成し、各切換手段をメイン制
    御装置と接続して、保温加熱運転時に各切換手段をON
    ・OFFさせて、定常加熱時と保温加熱時の被加熱材の
    温度を略同等となるように、前記各セクションを流れる
    電流を制御したことを特徴とする請求項1記載の誘導加
    熱装置。
  3. 【請求項3】 前記バイパス回路のインピーダンスを、
    供給側を小さく、排出側を大きくしたことを特徴とする
    請求項2記載の誘導加熱装置。
  4. 【請求項4】 インバータ回路に接続された加熱コイル
    に高周波交流電流を供給して連続的に搬送される複数の
    被加熱材を誘導加熱する誘導加熱装置において、前記加
    熱コイルを複数のセクションに分割し、排出側端以外の
    各セクションにそれぞれバイパス回路を並列接続し、各
    バイパス回路に切換手段を設けるとともに、排出側のセ
    クションと排出側端以外の何れかのセクションの一つ
    に、そのセクションの被加熱材の温度を測定する温度測
    定器を配置し、前記加熱コイルに流す電流を制御する手
    段と、前記切換手段と、温度測定器をメイン制御装置と
    接続し、前記各セクションの切換手段のタイミングはO
    NとOFFの比を供給側が排出側より大きくし、このタ
    イミングを一定として、定常加熱運転時の各温度測定器
    の各測定値と、保温加熱運転時の各温度測定器の各測定
    値とが略同等となるように、各切換手段のON・OFF
    を制御したことを特徴とする誘導加熱装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5299718B2 (ja) * 2009-03-12 2013-09-25 高周波熱錬株式会社 高周波焼入れ管理システム
KR101512101B1 (ko) 2013-09-30 2015-04-15 세메스 주식회사 기판 처리 장치 및 방법
DE102021113354A1 (de) 2021-05-21 2022-11-24 TRUMPF Hüttinger GmbH + Co. KG Induktoranordnung, eine Induktionserwärmungsanordnung und ein Verfahren zur Induktionserwärmung

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