JPH09140135A - 負荷電力制御装置 - Google Patents

負荷電力制御装置

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JPH09140135A
JPH09140135A JP7294470A JP29447095A JPH09140135A JP H09140135 A JPH09140135 A JP H09140135A JP 7294470 A JP7294470 A JP 7294470A JP 29447095 A JP29447095 A JP 29447095A JP H09140135 A JPH09140135 A JP H09140135A
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JP
Japan
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induction heating
load
heating coil
billet
temperature
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JP7294470A
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Inventor
Tadayuki Hatakeyama
忠之 畠山
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JAPAN AJAX MAGNETHERMIC CO Ltd
Original Assignee
JAPAN AJAX MAGNETHERMIC CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つの電源で誘導加熱コイル等の負荷へ供給
する電力を調整することができる負荷電力制御装置を提
供する。 【解決手段】 定常運転のときは開閉器5−1,…およ
び6−1,…を閉じ、一時停止の際には開閉器5−1,
…を開く。リアクトル4−1,…のインピーダンスは、
それぞれのタップを選択することによって調整され、こ
れにより、誘導加熱コイル3−1,…に供給される電力
がその順番で大きくなるように設定されている。これに
より、誘導加熱コイル3−1〜3−4内のビレットの放
射熱損失に見合った熱量を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば誘導加熱
コイルなどの負荷へ電力を供給する場合に用いて好適な
負荷電力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、金属ビレットをプレスで鍛造
して加工する鍛造ラインでは、ビレットの加熱を誘導加
熱装置で連続的に行うことが多い。ここで、誘導加熱装
置は、ビレットを誘導加熱コイルの中を通過させてビレ
ットに誘導電流を生じさせるようになっており、誘導加
熱コイルの中を搬送されるビレットは徐々に昇温し、誘
導加熱コイルの出口において設定温度に達するように誘
導加熱コイルに供給する電力や搬送速度が設定される。
図5は誘導加熱コイル10内のスキッドレール12上を
搬送されるビレット11,…の温度分布を示す図であっ
て、加熱時間または誘導加熱コイル10の入口からの距
離と、ビレット11の温度を示している。
【0003】このように、ビレット11の平均温度θm
は、誘導加熱コイル10の出口においてほぼ設定温度
(例えば1250゜C)となり、この時点ではビレット
11の表面温度θsと中心温度θcに温度差Δθが生じて
いるが、この温度差Δθは、加熱コイル10を出た後プ
レスに到達するまでの間に最適な値となるように鍛造ラ
インの設計が行われており、図5に示すような温度分布
に従って昇温し、設定温度に均一に加熱されるようにな
っている。また、誘導加熱コイル10の出力(kw)と
長さLcは、時間当たりに加熱することが要求されるビ
レット11,…の最大能力を基準に設定される。すなわ
ち、所定寸法のビレットを所定温度に効率良く加熱する
最適時間によって決定され、誘導加熱コイル10の最大
能力を使用したときに図5の実線に示す温度分布が得ら
れるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、誘導加
熱コイルは常に最大能力で使用されるとは限らない。た
とえば、時間当たり1トンで搬送速度1.0m/分の処
理を最大能力としたときに、誘導加熱コイルの出力を最
大出力のほぼ半分とし、搬送速度0.5m/分で時間当
たり0.5トンのビレットを加熱する場合を考える。誘
導加熱コイルは、ビレットが1.0m/分の速度で入口
から出口まで搬送されて設定温度まで昇温するように設
計されているから、搬送速度が半分になると、加熱コイ
ルの長さは一定のままであるから、加熱時間は最適加熱
時間の2倍となり不必要に長い時間加熱することにな
る。その結果、ビレットは誘導加熱コイルの出口の手前
で最高温度に達し、それ以後は熱放散で降温する。図5
の破線は、そのような場合のビレットの平均温度θm1の
変化を示すもので、誘導加熱コイルの出口で平均温度θ
m1を設定温度とすると、加熱コイル10の出口よりも手
前で最高温度部位が生じることになる。このように、従
来の誘導加熱装置においては、最大能力よりも低い能力
で使用した場合に、ビレットが早期に過昇温となり品質
上望ましくない結果を招来するという問題があった。
【0005】また、プレスの金型の段取替えやトラブル
の発生などの理由により、ラインが一時的に停止するこ
とがあるが、その場合にラインの運転をいかにして再開
するかが問題である。まず、ビレットの搬送と誘導加熱
コイルへの電力の供給とを所定時間時間停止すると、図
6(A)に示すように、ビレットの温度が時間の経過と
ともに低下し、その程度は熱放散が激しい誘導加熱コイ
ルの出口側で顕著である。このため、運転再開時に誘導
加熱コイル内にビレットを収容したまま電力を供給して
も、図5に示す温度分布を得ることはできない。したが
って、運転の再開に際しては、一時停止中に誘導加熱コ
イル内に滞留していたビレットはラインから排出しなけ
ればならない。
【0006】次に、ラインが一時停止しているときに、
加熱されたビレットの放射熱損失を補うために、誘導加
熱コイルに保温電力を供給することが考えられる。図6
(B)の破線は、比較的低い保温電力を誘導加熱コイル
に所定時間供給したときのビレットの温度分布を示し、
実線は定常運転時の温度分布を示す。図6(B)に示す
ように、誘導加熱コイル内のビレットの温度分布を見る
と、出口から入口へ向けて約半分までが定常運転時より
も低温となっている。このため、図6(B)に示す温度
分布から誘導加熱コイルへの電力供給と搬送とを開始す
ると、先頭から約半分のものは昇温不足でラインから排
出しなければならない。しかも、入口側の半分のビレッ
トについては定常運転時の温度分布よりも温度が高いか
ら、出口において設定温度にするためにはかなり困難な
温度制御が必要になる。
【0007】さらに、ラインが一時停止しているとき
に、比較的高い保温電力を供給することが考えられる。
図6(C)の破線は、そのような保温電力を誘導加熱コ
イルに所定時間供給したときの温度分布を示す。この場
合には、温度の低い入口側のビレットの昇温が激しく、
よってこの温度分布から定常運転を開始すると、入口側
に位置する多くのビレットは加熱過剰となるためにライ
ンから排出しなければならない。また、出口近傍のいく
つかのビレットも昇温不足のために排出しなければなら
い。さらに、ラインからの排出を免れる若干のビレット
についても、定常運転時よりも温度が高いから、出口に
おいて設定温度にするためにはかなり困難な温度制御が
必要になる。
【0008】そこで、ラインが一時停止しているとき
に、誘導加熱コイル内でビレットを通常運転時よりも低
速で搬送しながら定常運転時よりもかなり低い電力を誘
導加熱コイルに供給し、ラインが一時停止している間は
加熱したビレットを低速搬送しながら排出し、運転再開
時には誘導加熱コイルへの電力供給と搬送速度を定常運
転時のレベルにし、誘導加熱コイルから出てきたビレッ
トを鍛造プレスにそのまま供給する方法が考えられる。
【0009】しかしながら、この方法においても、低速
で搬送しながら加熱するため、ビレットのうち誘導加熱
コイルの出口の手前の部分の温度が設定温度よりも高く
なってしまい、いずれにしても上記した問題を解決する
ことはできない。しかも、定常運転時よりもかなり低い
電力レベルで運転するためには、整合変圧器を設けて電
力を供給するようにしなければならないため、設備の製
造コストが割高になり、かつ、非効率的になるという問
題も有している。
【0010】なお、複数の誘導加熱コイルを連設して各
誘導加熱コイルに別個の電源から電力を供給するように
構成し、各誘導加熱コイルの出力を調整して所望の温度
分布を得るようにした負荷電力制御装置が提供されてい
る。しかしながら、この装置の場合の製造コストは非常
に割高になるという欠点を有している。よって、本発明
は、製造コストの増加を最小限にして誘導加熱コイル等
の負荷へ供給する電力を調整することができる負荷電力
調整装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、 電源から負荷に供給される電力を制御する負荷電
力制御装置において、上記負荷を複数の負荷部分に分割
し、上記各負荷部分と上記電源との間に、当該負荷部分
に供給される負荷電力を調整する調整手段を設けたこと
を特徴としている。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、前記負荷部分は誘導加熱コイルであり、各誘導加熱
コイルが前記電源に並列に接続されて前記負荷を構成し
ていることを特徴としている。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1におい
て、前記負荷部分が誘導加熱コイルであり、各誘導加熱
コイルが前記電源に直列に接続されて前記負荷を構成し
ていることを特徴としている。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1におい
て、前記負荷が誘導加熱コイルであり、前記調整手段が
上記誘導加熱コイルの所定箇所と前記電源との間に介装
されることにより前記負荷部分を構成していることを特
徴としている。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項1ないし
4のいずれかにおいて、前記調整手段が、前記負荷部分
への負荷電力の供給を断続する開閉器であることを特徴
としている。
【0016】請求項6に記載の発明は、請求項1ないし
4のいずれかにおいて、前記調整手段が、前記負荷部分
の負荷インピーダンスを調整することを特徴としてい
る。
【0017】(作用)本発明にあっては、電源から各負
荷部分に供給される負荷電力が調整手段により調整され
るので、電源を複数用いることなく負荷の所望の部分の
負荷電力を増減することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
A.第1実施形態 (1)実施形態の構成 以下、図1を参照しながら本発明の第1実施形態につい
て説明する。第1実施形態は本発明を誘導加熱装置に適
用したものであり、図1(A)はそのブロック図であ
る。図において符号1はインバータ電源(電源)であ
り、インバータ電源1にはn個の誘導加熱コイル(負荷
部分)3−1〜3−nが並列に接続されている。誘導加
熱コイル3−1〜3−nは、一直線状に並べられ、それ
らの内部にはビレットを搬送するためのスキッドレール
(それぞれ図示略)が配置されている。
【0019】誘導加熱コイル3−1とインバータ電源1
との間には開閉器(調整手段)5−1,6−1が介装さ
れ、一方の開閉器5−1の両端にはリアクトル(調整手
段)4−1が並列に接続されている。リアクトル4−1
には複数のタップが設けられており、このタップを選択
することにより、所定の範囲内でインピーダンスを変更
できるようになっている。このような構成は、他の誘導
加熱コイル3−2〜3−(n−1)についても同様であ
り、これらには開閉器5−2〜5−(n−1),6−2
〜6−(n−1)およびリアクトル4−2〜4−(n−
1)が設けられている。なお、図中符号2はコンデンサ
であり、インバータ電源1からみた負荷全体(リアクト
ルも含む)のインピーダンスを補償するためのものであ
る。
【0020】(2)実施形態の動作 a.生産量を低下させる場合 次に、上記構成の誘導加熱炉の動作について誘導加熱コ
イルが4個の場合を例にして説明する。まず、誘導加熱
炉を最大能力で使用する場合には、開閉器5−1〜5−
3および開閉器6−1〜6−3を全て閉じ、この状態で
インバータ電源1から交流電流を誘導加熱コイル3−1
〜3−4に供給する。次に、ビレットを誘導加熱コイル
3−1の入口から内部に供給する。その際のビレットの
搬送速度は、時間当たりの処理能力が最大能力となるよ
うに設定する。こうして、ビレットは誘導加熱コイル3
−1から3−2と順番に通過してゆき、誘導加熱コイル
3−4の出口に来たときに設定温度まで昇温する。そし
て、誘導加熱コイル3−1の入口から誘導加熱3−4の
出口まで並んだビレットの温度分布は、図5の実線(平
均温度θm)に示すようになる。
【0021】次に、ビレットの搬送速度を落として生産
量を最大能力の70〜80%まで低下させる場合には、
開閉器6−1を開く。これにより、インバータ電源1の
交流電流が誘導加熱コイル3−1に供給されなくなるか
ら、ビレットは誘導加熱コイル3−2に入ってから加熱
され始め、誘導加熱コイル3−4の出口に来たときに設
定温度まで昇温する。そして、誘導加熱コイル3−2の
入口から誘導加熱コイル3−4の出口まで並んだビレッ
トの温度分布は、図5の実線(平均温度θm)に示すも
のとほぼ同等になる。
【0022】次に、ビレットの搬送速度をさらに落とし
て生産量を最大能力の50〜70%まで低下させる場合
には、開閉器6−1に加えて開閉器6−2を開く。これ
により、インバータ電源1の交流電流が誘導加熱コイル
3−1と3−2に供給されなくなるから、ビレットは誘
導加熱コイル3−3に入ってから加熱され始め、誘導加
熱コイル3−4の出口に来たときに設定温度まで昇温す
る。そして、誘導加熱コイル3−2の入口から誘導加熱
コイル3−4の出口まで並んだビレットの温度分布は、
図5の実線(平均温度θm)に示すものとほぼ同等にな
る。
【0023】このように、上記構成の誘導加熱炉におい
ては、ビレットの搬送速度が遅くなった分だけ使用する
誘導加熱コイル3−1〜3−4の数を減らすから、その
結果としてビレットが常温から設定温度まで昇温するに
要する時間があまり変わらない。つまり、生産量を落と
してもビレットの昇温曲線があまり変わらないため、誘
導加熱炉内において所望の温度分布を得ることができ
る。
【0024】b.運転を一時停止させる場合の保温方法 次に、定常運転をしていて運転を一時停止させる場合の
動作について説明する。定常運転は、上述のように一部
の誘導加熱コイル3−1〜3−4を使用する場合もある
が、ここでは、全ての誘導加熱コイル3−1〜3−4を
使用する場合について説明する。まず、定常運転の際に
は、開閉器5−1〜5−4および開閉器6−1〜6−4
を全て閉じ、この状態でインバータ電源1から交流電流
を誘導加熱コイル3−1〜3−4に供給する。
【0025】次に、運転の一時停止とともに誘導加熱コ
イル3−1〜3−4内でのビレットの搬送を停止し、開
閉器5−1〜5−3を開く。これにより、インバータ電
源1の交流電流がリアクトル4−1〜4−3を介して誘
導加熱コイル3−1〜3−3に供給される。これによ
り、誘導加熱コイル3−1〜3−3に供給される交流電
流は、各リアクトル4−1〜4−3のインピーダンスに
応じた値となり、誘導加熱コイル3−1〜3−3に供給
される電力が他の誘導加熱コイル3−4よりも小さくな
る。
【0026】ここで、リアクトル4−1〜4−3のイン
ピーダンスは、それぞれのタップを選択することによっ
て調整され、これにより、誘導加熱コイル3−1〜3−
4に供給される電力がその順番で大きくなるように設定
されている。すなわち、誘導加熱コイル3−1〜3−4
内のビレットの放射熱損失に見合った熱量を供給するよ
うになっている。これにより、ビレットは、誘導加熱コ
イル3−1〜3−4内に滞留した状態で図5の実線(平
均温度θm)に示すものとほぼ同等の温度分布を有する
ようになる。
【0027】次に、定常運転を再開する場合には、開閉
器5−1〜5−3を閉じてビレットの搬送を開始する。
開閉器5−1〜5−3を閉じることにより、インバータ
電源1が発生する交流電流は、リアクトル4−1〜4−
3を介さずに直接誘導加熱コイル3−1〜3−3に供給
されるから、搬送されるビレットに定常通りの熱量が供
給される。したがって、誘導加熱コイル3−4から出た
最初のビレットから連続して鍛造プレス等の後工程へ供
給することができる。
【0028】このように、上記構成の誘導加熱炉におい
ては、生産量を落とした場合や定常運転を一時的に停止
した場合であっても、誘導加熱コイル3−1〜3−n内
のビレットの温度分布を所望の状態に維持することがで
きる。よって、加熱の温度管理を正確かつ確実に行うこ
とができるとともに、加熱したビレットを排出するよう
な無駄がなく、しかも、インバータ電源が1つで済むた
め非常に経済的である。
【0029】B.第2実施形態 次に、図2を参照して本発明の第2実施形態について説
明する。第2実施形態は、誘導加熱コイルを互いに直列
に接続した点においてのみ前記第1実施形態と異なって
いる。そこで、第1実施形態の構成要素と同等の構成要
素には同符号を付してその説明を省略する。図2に示す
ように、誘導加熱コイル3−1〜3−nはそれぞれ直列
に接続され、誘導加熱コイル3−1,3−nの一端がイ
ンバータ電源1に接続されている。また、開閉器6−1
〜6−(n−1)とリアクトル4−1〜4−(n−1)
は、それぞれ誘導加熱コイル3−1〜3−(n−1)と
並列に接続され、開閉器5−1〜5−(n−1)は、そ
れぞれリアクトル4−1〜4−(n−1)に直列に接続
されている。
【0030】上記構成の誘導加熱炉においては、開閉器
6−1〜6−(n−1)を断続することにより、誘導加
熱コイル3−1〜3−(n−1)に電力を供給するか否
かを選択することができる。また、開閉器5−1〜5−
(n−1)を断続することにより、リアクトル4−1〜
4−(n−1)を使用するか否かを選択することができ
る。そして、開閉器5−1〜5−(n−1)を閉じるこ
とにより、誘導加熱コイル3−1〜3−(n−1)に供
給される電力は、それらとリアクトル4−1〜4−(n
−1)との総合インピーダンスによって決定される。
【0031】よって、上記構成の誘導加熱炉において
も、生産量を落とした場合には開閉器6−1〜6−(n
−1)を断続し、定常運転を一時的に停止した場合には
開閉器5−1〜5−(n−1)を断続することにより、
誘導加熱コイル3−1〜3−n内のビレットの温度分布
を所望の状態に維持することができる。
【0032】C.第3実施形態 次に、図3を参照して本発明の第3実施形態について説
明する。第3実施形態は、1つの誘導加熱コイル3を複
数の負荷部分3−1〜3−(n−1)に分割して使用す
る点が前記実施形態と異なっている。すなわち、誘導加
熱コイル3には等間隔あるいは設計により適宜定めた間
隔で接点3aが設けられている。各接点3aには、開閉
器5−1〜5−(n−1)を介してリアクトル4−1〜
4−(n−1)の一端がそれぞれ接続され、各リアクト
ル4−1〜4−(n−1)の他端は誘導加熱コイル3の
一端に接続されている。
【0033】ここで、開閉器5−1を閉じた場合を考え
てみると、インバータ電源1から供給される電流がリア
クトル4−1に分流するから、誘導加熱コイル3の負荷
部分3−1の負荷電流は、他の負荷部分3−2,…の負
荷電流よりも小さくなる。さらに、開閉器5−2を閉じ
ると、電流がリアクトル4−2にも分流するから、負荷
部分3−2の負荷電流は他の負荷部分3−3,…の負荷
電流よりも小さくなる。そして、リアクトル4−2のイ
ンピーダンスがリアクトル4−1のインピーダンスより
も大きければ、負荷部分3−2の負荷電流は負荷部分3
−1の負荷電流よりも大きくなる。このように、リアク
トル4−1〜4−(n−1)のインピーダンスをその順
番で段々と大きくなるように設定しておけば、誘導加熱
コイル3の入口側(図中左側)から出口側(右側)へ向
かうに従って負荷電流が大きくなる。これにより、図5
の実線で示すような温度分布を得ることができる。
【0034】D.第3実施形態の変形例 次に、図4を参照して上記第3実施形態の変形例につい
て説明する。図4に示すように、誘導加熱コイル3−
1,3−2は互いに並列に接続され、開閉器6を断続す
ることにより、誘導加熱コイル3−1を使用するか否か
を選択することができる。また、誘導加熱コイル3−
1,3−2の中央部には、それぞれ端子3aが設けられ
ている。誘導加熱コイル3−1の両端とその端子3aに
は、それぞれリアクトル4−1,4−2が開閉器5−
1,5−2を介して接続されている。また、誘導加熱コ
イル3−2の一端とその端子3aには、リアクトル4−
3が開閉器5−3を介して接続されている。
【0035】ここで、図4の状態から開閉器6,5−1
を閉じた場合を考えてみると、インバータ電源1から供
給される電流がリアクトル4−1に分流するから、誘導
加熱コイル3の負荷部分3−1aの負荷電流は、他の負
荷部分3−1bの負荷電流よりも小さくなる。さらに、
開閉器5−2を閉じると、電流がリアクトル4−2にも
分流するから、負荷部分3−1bの負荷電流が負荷部分
3−2aの負荷電流よりも小さくなる。この場合もリア
クトル4−2のインピーダンスがリアクトル4−1のイ
ンピーダンスよりも大きければ、負荷部分3−1bの負
荷電流は負荷部分3−1aの負荷電流よりも大きくな
る。したがって、この変形例においても、リアクトル4
−1〜4−3のインピーダンスをその順番で段々と大き
くなるように設定しておけば、誘導加熱コイル3の入口
側(図中左側)から出口側(右側)へ向かうに従って負
荷電流が大きくなる。これにより、図5の実線で示すよ
うな温度分布を得ることができる。
【0036】E.実験例 次に、より具体的な例で実施形態の利点を説明する。図
1(B)は同図(A)の誘導加熱装置を長さ760mm
2つの誘導加熱コイルで構成し(すなわち、n=2)、
ビレットを加熱したときの温度分布を示す。ここで、加
熱したビレットの寸法は直径42mm、長さが80〜2
00mmであり、生産速度1050kg/時で1250
゜Cまで加熱した。このときの誘導加熱コイル3−1
(以下、Aコイルという)と(以下、Bコイルという)
の電気的状態を表1に示す。また、誘導加熱炉を保温状
態としたときの電気的状態も表1に併記した。
【0037】表1に示すように、定常運転である上記生
産速度で加熱を行う場合に必要な計算上の電力は、Aコ
イルが210kw、Bコイルが165kwであった。ま
た、AコイルおよびBコイルの電圧は1090Vとし、
電流はそれぞれ356Aと644Aとなった。
【0038】
【表1】
【0039】次に、ビレットの搬送を停止して図1
(B)の温度分布を維持するためには、計算ではAコイ
ルに3kw、Bコイルに21.5kwの電力を供給すれ
ば良い。そこで、Bコイルに21.5kwの電力を供給
するために、Bコイルの電圧を394Vに設定したとこ
ろ電流が233Aとなった。この場合、表1の()内に
示すように、Aコイルにも394Vが印加され、両コイ
ルの負荷インピーダンスの相異により、Aコイルを流れ
る電流が128Aとなって27.4kwが供給された。
このように、単にインバータ電源により電圧を下げただ
けでは、Aコイルに必要量を大幅に上回る電力、すなわ
ち、過剰な熱量が供給される結果、内部のビレットの温
度が図1(B)の破線に示すように上昇する。しかしな
がら、本発明では、開閉器5−1を開くことにより、加
熱コイル3−1の印加電圧を小さくするすることができ
るので、適正なリアクタンスを有するリアクトル4−1
を選定することにより、加熱コイル3−1の電圧を13
0V、電流値を43Aとし、印加電力を3kwにするこ
とによって図1(B)の実線に示す温度分布を得ること
ができた。
【0040】F.変更例 本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、下記
のように種々の変更が可能である。 第1〜第4実施形態ではタップ付リアクトルを用いて
いるが、本発明の目的達成のためには必ずしもタップ付
でなくてもよい。 タップが付いていないリアクトルを使用することもで
きる。 過飽和リアクトルを用いることもできる。過飽和リア
クトルの制御装置へ供給する制御電流を変化させること
により、そのインピーダンスを連続的に変化させること
ができるので、より精密な温度管理を行うことができ
る。 出力調整装置としてサイリスタ式あるいはトランジス
タ式を適用可能である。 本発明はビレットの加熱に限定されるものではなく、
連続棒鋼、スラブの加熱にも適用することができる。 上記実施形態では、いずれも加熱コイル(負荷部分)
3−1,…に供給される電力がその順番で大きくなるよ
うに設定されているが、必要に応じてその逆の順番で大
きくなるように設定することもできる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
源から各負荷部分に供給される負荷電力が調整手段によ
り調整されるので、電源を複数用いることなく負荷の所
望の部分の負荷電力を増減することができる。したがっ
て、製造コストの増加を最小限にして誘導加熱コイル等
の負荷へ供給する電力を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は第1実施形態の誘導加熱炉を示すブロ
ック図であり、(B)はビレットの温度分布を示す線図
である。
【図2】第2実施形態の誘導加熱炉を示すブロック図で
ある。
【図3】第3実施形態の誘導加熱炉を示すブロック図で
ある。
【図4】第3実施形態の変形例を示すブロック図であ
る。
【図5】誘導加熱コイルと内部のビレットの温度分布を
示す図である。
【図6】誘導加熱コイル内のビレットの温度分布を示す
図である。
【符号の説明】
1…インバータ電源(電源)、3−1,…誘導加熱コイ
ル(負荷部分)、3…誘導加熱コイル(負荷)、4ー
1,…リアクトル(調整手段)、5−1,…開閉器(調
整手段)、6−1,…開閉器(調整手段)。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源から負荷に供給される電力を制御す
    る負荷電力制御装置において、 上記負荷を複数の負荷部分に分割し、 上記各負荷部分と上記電源との間に、当該負荷部分に供
    給される負荷電力を調整する調整手段を設けたことを特
    徴とする負荷電力制御装置。
  2. 【請求項2】 前記負荷部分は誘導加熱コイルであり、
    各誘導加熱コイルが前記電源に並列に接続されて前記負
    荷を構成していることを特徴とする請求項1に記載の負
    荷電力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記負荷部分は誘導加熱コイルであり、
    各誘導加熱コイルが前記電源に直列に接続されて前記負
    荷を構成していることを特徴とする請求項1に記載の負
    荷電力制御装置。
  4. 【請求項4】 前記負荷は誘導加熱コイルであり、前記
    調整手段が上記誘導加熱コイルの所定箇所と前記電源と
    の間に介装されることにより前記負荷部分を構成してい
    ることを特徴とする請求項1に記載の負荷電力制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記調整手段は、前記負荷部分への負荷
    電力の供給を断続する開閉器であることを特徴とする請
    求項1ないし4のいずれかに記載の負荷電力制御装置。
  6. 【請求項6】 前記調整手段は、前記負荷部分の負荷イ
    ンピーダンスを調整することを特徴とする請求項1ない
    し4のいずれかに記載の負荷電力制御装置。
JP7294470A 1995-11-13 1995-11-13 負荷電力制御装置 Pending JPH09140135A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN113933348A (zh) * 2020-06-29 2022-01-14 宝山钢铁股份有限公司 一种热波检测的自适应均匀化感应加热系统及方法

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