JP2001023762A - 誘導加熱装置 - Google Patents

誘導加熱装置

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JP2001023762A
JP2001023762A JP11191408A JP19140899A JP2001023762A JP 2001023762 A JP2001023762 A JP 2001023762A JP 11191408 A JP11191408 A JP 11191408A JP 19140899 A JP19140899 A JP 19140899A JP 2001023762 A JP2001023762 A JP 2001023762A
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heating coil
heating
heated
temperature
inverter device
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JP11191408A
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Yukinobu Nakamura
行延 中村
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被加熱材が加熱コイル内に低温で滞在してい
る状態において、再起動時に被加熱材の温度を短時間で
上げて、無駄材を最小にする誘導加熱装置を得る。 【解決手段】 連続的に搬送される複数の被加熱材5を
常温より誘導加熱する加熱コイル1と、加熱コイル1に
接続されて高周波の電力を供給する高周波インバータ装
置3と、被加熱材5を供給部から排出部に向かって加熱
コイル1の中を連続して搬送させる搬送機構25とを有
する誘導加熱装置において、加熱コイル1の中に被加熱
材5が滞在している状態で高周波インバータ装置3を起
動する場合に、高周波インバータ装置3の出力電流を検
出する電流検出器28と、高周波インバータ装置3の出
力周波数を一時的に変更する手段を有する冷材起動制御
装置24とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば鍛造用の
誘導加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は例えば特公昭57−23988号
公報に示された従来の誘導加熱装置を示す構成図であ
る。図において、1は加熱コイルで、内部を被加熱材5
(通常は丸棒の鋼材)が通過することにより、被加熱材
5を誘導加熱する。2は加熱コイル1と共振回路を構成
するコンデンサ、3は加熱コイル1に誘導加熱用の高周
波電力を供給する高周波インバータ装置、4はコンデン
サ用の開閉器、10,11は高周波インバータ装置3が
発生する電圧の大きさを設定する抵抗器、12,13は
リレーの接点である。
【0003】次に、動作について説明する。誘導加熱装
置の運転開始前には加熱コイル1に被加熱材5がない状
態である。誘導加熱装置へ運転指令を出すと、被加熱材
5の搬送機構(ローラ機構などで構成、図示せず)に搬
送指令が出され、同時に高周波インバータ装置3が運転
を開始して電圧を発生する。ここで、被加熱材5の搬送
速度は、誘導加熱装置の後工程である鍛造用プレス装置
の処理タクトに応じた値で設定され、高周波インバータ
装置3の発生する電圧は、被加熱材5を所定の温度(約
1,200℃)に昇温するために必要な投入電力に応じ
た値で設定される。
【0004】ここで、加熱コイル1は、螺旋状に巻かれ
た銅管の内面および外面に耐火セメントまたは断熱材な
どの耐火物で構成され、誘導加熱装置の運転開始時は、
耐火物の温度は低い。よって、誘導加熱装置の運転開始
時のように耐火物の温度が低いときには、被加熱材5か
らの放射エネルギーが大きくなるため、被加熱材5にと
って熱損失となる。よって、加熱コイル1に一定の電力
を投入しても、誘導加熱装置の運転開始時と、運転開始
時から時間が経過した定常期間では、被加熱材5の昇温
程度が異なる。すなわち、誘導加熱装置の運転開始時か
らある期間は被加熱材の昇温程度が小さくなり、所定の
温度1,200℃まで昇温しない。
【0005】ここで、加熱コイル1に投入する電力を大
きくするには、加熱コイル1に印加する電力、すなわち
高周波インバータ装置3の発生する電力、つまり発生す
る電圧を高くすればよく、加熱コイル1に投入する電力
を小さくするには、加熱コイル1に印加する電力、すな
わち高周波インバータ装置3の発生する電力、つまり発
生する電圧を低くすればよい。
【0006】そのため、従来の誘導加熱装置を運転する
ときには、以下の運転する方法を行う。まず、誘導加熱
装置の運転開始時には、リレー接点12を閉じ、リレー
接点13を開いて、高周波インバータ装置3に設定する
電圧の基準値として抵抗器10を有効にする。抵抗器1
0の電圧基準値は、抵抗器11の電圧基準値に比べて高
くしてあり、高周波インバータ装置3の発生する電圧は
高くなり、加熱コイル1に投入する電力は大きくなる。
被加熱材5が加熱コイル1内を通過していくと、加熱コ
イル1の耐火物の温度が上昇していき、加熱コイル1に
投入する電力を小さくする必要があるため、高周波イン
バータ装置3の発生する電圧を低くする。そこで、リレ
ー接点12を開き、リレー接点13を閉じて、抵抗器1
1を有効にする。抵抗器11の電圧基準値は、抵抗器1
0の電圧基準値より低く設定されていて、高周波インバ
ータ装置3に指令する電圧を低くする。
【0007】このようにして、誘導加熱装置の運転開始
時の加熱コイル1への投入電力と、定常運転時の加熱コ
イル1への投入電力を、高周波インバータ装置3の発生
する電圧によって変える。これにより、誘導加熱装置の
運転開始時の加熱コイル1の耐火物の温度差を補償し
て、被加熱材5の温度をできるかぎり一定に維持するこ
とができる。リレー接点12,13は、リレーで構成さ
れる制御回路にて制御され、通常は、被加熱材5が加熱
コイル1の出口に到達したことをもって、リレー接点1
2からリレー接点13に切り替えている。
【0008】上述の方法とは別に、コンデンサの容量を
切り替えることにより加熱コイルヘの投入電力を切り替
えることもできる。図4において、コンデンサ2の一部
には容量可変用の開閉器4が取り付けられている。高周
波インバータ装置3の出力する周波数は加熱コイル1と
コンデンサ2の共振回路の周波数で決定され、コンデン
サ2の容量が大きくなると周波数は低くなる。周波数が
低くなることにより、加熱コイルのインピーダンスが低
くなるので、高周波インバータ装置3の発生する電圧が
同じであっても、加熱コイル1への投入電力を変えるこ
とができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の誘
導加熱装置においては、誘導加熱装置の運転開始時に、
高周波インバータ装置の発生する電圧を一時的に高くす
るか、高周波インバータ装置の出力する周波数を低くす
ることにより、加熱コイルヘの投入電力を高くして、加
熱コイルの耐火物温度が低い状態で、被加熱材の温度を
所定温度まで上げることができるが、以下のような問題
点があった。
【0010】上記の例では加熱コイル1内に被加熱材5
がない状態において誘導加熱装置の運転を開始する場合
に有効であった。ここで、誘導加熱装置が連続して運転
中に、後工程であるプレス装置が故障等で停止した場
合、被加熱材5のプレス装置への送り込みを停止する必
要から、誘導加熱装置も即座に停止する。すなわち、被
加熱材5の搬送が停止するとともに、高周波インバータ
装置3も停止し、加熱コイル1への電力供給を停止す
る。約1,200℃まで加熱する定常加熱時において
は、加熱コイル1内の被加熱材5の温度は図5の実線a
に示すようなカーブとなるが、次にプレス装置が運転を
再開するときには、加熱コイル1内の被加熱材5の温度
カーブは図5の実線bに示すように低下している。
【0011】この低下の度合いは、停止時間が長いほど
大きくなる。ここで、高周波インバータ装置3から見た
負荷回路すなわち加熱コイル1とコンデンサ2の並列回
路のインピーダンスは、以下のようになる。一般に被加
熱材5の温度が高い場合に比べて、被加熱材5の温度が
低下している場合(冷材と呼ぶ)、具体的には鋼材の磁
性の有無の境界であるキュリー点すなわち約770℃以
下で、上記のインピーダンスは低くなる。よって、加熱
コイル1内の被加熱材5の温度カーブが実線aに比べて
実線bの場合は上記のインピーダンスは低くなる。
【0012】図6に示すように、高周波インバータ装置
3の出力する電圧と電流とも制限値(VL,IL)があ
り、定常加熱時には、電圧、電流とも制限値にほぼ近づ
き、動作点は図6のA点になる。また、被加熱材5の温
度が低下している場合(冷材)は、動作点はB点とな
り、インピーダンスが低いため、電流の制限値にかか
り、電圧は高くすることができない。そのため、電圧と
電流の積である電力はB点の場合はA点に比べて低くな
り、高周波インバータ装置3の発生する電力は低くな
り、被加熱材5に投入される電力も低くなる。よって、
プレス装置が運転を再開するときに、被加熱材5が低温
で加熱コイル1にある状態で誘導加熱装置を再起動させ
るときには、誘導加熱装置から排出される被加熱材5は
しばらくの間、低温となるが、時間とともに被加熱材5
は昇温し、所定温度に達する。
【0013】しかし、低温の被加熱材5が加熱コイル1
内に入っている状態では被加熱材5に投入される電力も
低くなるので、被加熱材5が昇温する時間が長くかかる
ことになるばかりでなく、プレス装置で鍛造できない無
駄材が多く発生することになる。この場合、被加熱材5
の搬送を停止して加熱を行い、加熱コイル1内の被加熱
材5を昇温させる方法も考えられが、加熱コイル1内の
被加熱材5がすべて昇温するため、本来は昇温させる必
要のない加熱コイル1の入口付近の被加熱材5が過昇温
の状態となって好ましくない。
【0014】この発明は、このような問題点を解消する
ためになされたもので、加熱コイル内に温度が低下した
被加熱材がある状態で誘導加熱装置を起動する場合に、
簡単に被加熱材の温度を早く所定値に近づけることがで
きる誘導加熱装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る誘
導加熱装置は、連続的に搬送される複数の被加熱材を常
温より誘導加熱する加熱コイルと、該加熱コイルと共振
回路を構成するコンデンサと、上記加熱コイルと上記コ
ンデンサに接続されて高周波の電力を供給するインバー
タ装置と、上記被加熱材を供給部から排出部に向かって
上記加熱コイルの中を連続して搬送させる搬送機構とを
有する誘導加熱装置において、上記加熱コイルの中に上
記被加熱材が滞在している状態で上記誘導加熱装置を起
動するときに、上記インバータ装置の出力する電流を検
出する電流検出器と、該電流検出器の検出値に基づいて
上記インバータ装置の出カインピーダンスを制御する制
御手段とを備えたものである。
【0016】請求項2の発明に係る誘導加熱装置は、請
求項1の発明において、上記制御手段は、上記コンデン
サの一部を切り離す第1の開閉器を有し、該開閉器の開
閉に応じて上記インバータ装置の出力周波数を変更する
ようにしたものである。
【0017】請求項3の発明に係る誘導加熱装置は、請
求項1の発明において、上記制御手段は、リアクタンス
機器と、該リアクタンス機器を上記加熱コイルと直列に
投入する第2の開閉器とを有するものである。
【0018】請求項4の発明に係る誘導加熱装置は、請
求項1の発明において、上記制御手段は、上記加熱コイ
ルの一部を切り離す第3の開閉器を有するものである。
【0019】請求項5の発明に係る誘導加熱装置は、請
求項4の発明において、上記加熱コイルは低温域加熱コ
イルと高温域加熱コイルからなり、上記低温域加熱コイ
ルに上記第3の開閉器を直列に接続したものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
図を参照して説明する。 実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1を示す
構成図である。なお、図1において、図4と対応する部
分には同一符号を付し、その説明を省略する。図におい
て、24は冷材起動制御装置、25は被加熱材5を搬送
させるためのピンチローラ機構、26はピンチローラ機
構25を回転させるモータ、27はモータ26の回転速
度を指令する速度制御装置、28は高周波インバータ装
置3の出力する電流を検出する電流検出器である。な
お、本実施の形態では、第1の開閉器としての開閉器4
と冷材起動制御装置24は制御手段を構成し、電流検出
器28の検出値に基づいてコンデンサ2の一部、即ち2
つのコンデンサ2の一方に設けられた開閉器4を開閉し
て高周波インバータ装置3の発生する交流の周波数を変
化させる機能を有する。
【0021】次に、動作について、図5および図6を参
照して説明する。誘導加熱装置の定常加熱時には、図5
の実線aに示すように、昇温パターンは、加熱コイル1
の出口すなわち誘導加熱装置の出口で所定の温度である
約1,200℃になるように、冷材起動制御装置24か
らは高周波インバータ装置3に対して、定常加熱時の電
圧(図6のVA)が指令される。ここで誘導加熱装置が
連続して運転中に、後工程であるプレス装置が故障等で
停止した場合、従来例と同じくビレットのプレス装置へ
の送り込みを停止する必要から、誘導加熱装置も即座に
停止する。
【0022】すなわち、冷材起動制御装置24より速度
制御装置27へ停止指令が出て、モータ26が停まり、
ピンチローラ25が回転を停止することにより被加熱材
5の搬送が停止するとともに、高周波インバータ装置3
も停止し、加熱コイル1への電力供給を停止する。次に
プレス装置が運転を再開するときには、従来例と同じ
く、加熱コイル1内の被加熱材5の温度カーブは図5の
実線bに示すように低下している。この低下の度合い
は、停止時間が長いほど大きくなる。
【0023】再起動加熱時には、以下の動作が行われ
る。定常加熱時においては、開閉器4は投入されている
誘導加熱装置の運転再開時にまず、開閉器4を切る、す
なわち開放することにより、コンデンサ2の容量を減少
させる。高周波インバータ装置3の発生する交流電力の
周波数は、加熱コイル1のインダクタンスLとコンデン
サ2の静電容量Cから決まる共振周波数F=1/(2π
√(L・C))で決まるので、コンデンサ2の容量が少
なくなると発生する周波数は高くなる。
【0024】定常加熱時のコンデンサ容量をC1、共振
周波数をF1とすると、再起動加熱時にコンデンサ容量
をC2とした場合の共振周波数F2は大体以下の値とな
る。 F2=F1×√(C2/C1) 加熱コイル1のインピーダンスはインダクタンスLにω
すなわち2πFを乗じた値であるから、周波数が高くな
ると、加熱コイル1のインピーダンスはF2/F1倍だ
け高くなる。
【0025】ここで、再起動加熱の開始時には、開閉器
4を開放して高周波インバータ装置3が出力する周波数
を高くすることにより、図6に示す高周波インバータ装
置3の動作点はC点すなわち電圧にしてVCになり、周
波数を変えない場合のB点すなわち電圧にしてVBの場
合に比べて高くなる。よって、高周波インバータ装置3
の発生する電力すなわち被加熱材5に投入される電力も
高くなり、被加熱材5の昇温は早くなり、図5に示すよ
うに被加熱材5が昇温して実線bから実線cのように7
70℃のキュリー点を越えると負荷回路のインピーダン
スは定常値に近くなるので、開閉器4を投入して高周波
インバータ装置3の発生する周波数をもとの値に復帰さ
せる。こうすることにより、動作点はB点からA点に短
い時間で到達することになり、被加熱材5の温度は早く
所定値に復帰することになる。
【0026】以上のような開閉器4の投入、開放の動作
は冷材起動制御装置24によって指令される。冷材起動
制御装置24においては、電流検出器28によって検出
された高周波インバータ装置3が出力する電流を常時監
視しており、誘導加熱装置の運転開始時に電流検出器2
8の検出する電流を見て、電流値が高周波インバータ装
置3の制限値(図6のIL)に達していれば低温すなわ
ち冷材と判断されるので、上記ように開閉器4に開放指
令を出して高周波インバータ装置3の出力する周波数を
高くする。被加熱材5の温度が高くなって電流値が高周
波インバータ装置3の制限値(図6のIL)以下になれ
ば、開閉器4に投入指令を出して周波数を元に戻す。
【0027】以上のように、被加熱材5が加熱コイル1
内に冷材で滞在している状態で誘導加熱装置を再起動運
転するときには、再起動加熱の開始時に一時的にコンデ
ンサ2の容量を減少させて高周波インバータ装置3の発
生する周波数を高くして、高周波インバータ装置3の負
荷回路のインピーダンスを高くして発生する電力を高く
し、被加熱材5を昇温させる時間を早めることができ
る。
【0028】このように本実施の形態では、誘導加熱装
置の再起動加熱の開始時に、高周波インバータ装置の出
力する電流値を検出する電流検出器の信号により、被加
熱材の温度が低いと判断される場合にはコンデンサの量
を減らして高周波インバータ装置の発生する交流の周波
数を大きくさせて加熱コイルのインピーダンスを大きく
し、電力をかかりやすくして被加熱材の温度を早く上げ
ることができる。
【0029】実施の形態2.図2は、この発明の実施の
形態2を示す構成図である。なお、図1において、図1
と対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略す
る。図において、29は高周波インバータ装置3の出力
側のコンデンサ2と加熱コイル5の間に設けられ、加熱
コイル1に直列に接続されたリアクタンス機器としての
リアクトル、30はリアクトル29に並列に接続された
の開閉器である。その他の構成は、図1と同様である。
なお、本実施の形態では、第2の開閉器として開閉器3
0と冷材起動制御装置24は制御手段を構成し、電流検
出器28の検出値に基づいて開閉器30を開閉して高周
波インバータ装置3から見たインピーダンスを変化させ
る機能を有する。
【0030】次に、動作について、図5および6を参照
して説明する。誘導加熱装置の定常加熱時と再加熱の開
始時の昇温パターンは、上記実施の形態1と同様である
ので、その説明を省略する。
【0031】再起動加熱時には、以下の動作が行われ
る。定常加熱時においては、開閉器30は投入されてい
てリアクトル29は短絡されている。誘導加熱装置の運
転再開時にまず、開閉器30を切る、すなわち開放する
ことにより、リアクトル29は加熱コイル1に直列に挿
入される高周波インバータ装置3から見たインピーダン
スは、加熱コイル1のインピーダンスとリアクトル29
のインピーダンスを合わせた値となる。リアクトル29
のインダクタンスが加熱コイル1のインダクタンスとほ
ぼ同じ場合は、合わせたインピーダンスは2倍になる。
【0032】再起動加熱の開始時には、開閉器30を開
放してリアクトル29を加熱コイル1に直列に挿入する
ことにより、図6の動作点は実施の形態1と同様にC点
近くになり、図6に示す高周波インバータ装置3の発生
する電圧はVCになり、リアクトル29を投入しない場
合のB点すなわち電圧にしてVBの場合に比べて高くな
る。よって、発生する電力はB点の場合に比べて高くな
る。リアクトル29にて消費される電力はわずかである
から、発生電力の大半は加熱コイル1に投入され、被加
熱材5に投入される電力も高くなるから、被加熱材5の
昇温は早くなる。
【0033】被加熱材5が昇温して実施の形態1と同様
に図5の実線cに達すると、負荷回路のインピーダンス
は定常値に復帰するので、開閉器30を投入してリアク
トルを短絡する。こうすることにより、動作点はC点か
らA点に短い時間で到達することになり、被加熱材5の
温度は早く所定値に復帰することになる。上記動作は実
施の形態1と同じく冷材起動制御装置24によって、電
流検出器28の検出電流値の大小により指示される。
【0034】以上のように、被加熱材5が加熱コイル1
内に低温すなわち冷材で滞在している状態で誘導加熱装
置を再起動運転するときには、再起動加熱の開始時に一
時的にリアクトル29を加熱コイル1に直列に挿入する
ことにより、高周波インバータ装置3の負荷回路のイン
ピーダンスを高くして発生する電力を高くし、被加熱材
5を昇温させる時間を早めることができる。
【0035】このように、本実施の形態では、誘導加熱
装置の再起動加熱の開始時に、高周波インバータ装置の
出力する電流値を検出する電流検出器の信号により、被
加熱材の温度が低いと判断される場合には、高周波イン
バータ装置の出力側のコンデンサと加熱コイルの間にリ
アクトル機器を一時的に挿入し、高周波インバータ装置
の発生する電力を大きくして被加熱材の温度を早く上げ
ることができる。
【0036】実施の形態3.図3は、この発明の実施の
形態3を示す構成図である。なお、図1において、図1
と対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略す
る。図において、31は低温域加熱コイル、32は高温
域加熱コイル、33は低温域加熱コイル31に接続され
た開閉器である。つまり、本実施の形態では、実質的
に、1つの加熱コイルを2分割し、片方の加熱コイルの
使用を選択する開閉器を設けたものである。その他の構
成は、図1と同様である。なお、本実施の形態では、第
3の開閉器としての開閉器33と冷材起動制御装置24
は制御手段を構成し、電流検出器28の検出値に基づい
て開閉器33を開閉して高周波インバータ装置3から見
たインピーダンスを変化させる機能を有する。
【0037】次に、動作について、図5および6を参照
して説明する。誘導加熱装置の定常加熱時と再加熱の開
始時の昇温パターンは、上記実施の形態1と同様である
ので、その説明を省略する。
【0038】再起動加熱時には、以下の動作が行われ
る。定常加熱時においては、開閉器33は投入されてい
て加熱コイル31は使用されている。誘導加熱装置の運
転再開時にまず、開閉器33を切る、すなわち開放する
ことにより、加熱コイル31は加熱コイル32と切り離
される。高周波インバータ装置3から見たインピーダン
スは、加熱コイル31と加熱コイル32の並列の合計イ
ンピーダンスであるので、加熱コイル31を切り離すこ
とにより、合計インピーダンスは大きくなる。
【0039】再起動加熱の開始時には、開閉器33を開
放して加熱コイル31を加熱コイル32と切り離すこと
により、図6の動作点は上記実施の形態1と同様にC点
近くになり、図6に示す高周波インバータ装置3の発生
する電圧はVCになり、加熱コイル31を切り離さない
場合のB点すなわち電圧にしてVBの場合に比べて高く
なる。よって、発生する電力はB点の場合に比べて高く
なり、被加熱材5に投入される電力も高くなるから、被
加熱材5の昇温は早くなる。
【0040】被加熱材5が昇温して上記実施の形態1と
同様に図5の実線cに達すると負荷回路のインピーダン
スは定常値に復帰するので、開閉器33を投入して加熱
コイル31を挿入する。こうすることにより、動作点は
C点からA点に短い時間で到達することになり、被加熱
材5の温度は早く所定値に復帰することになる。上記動
作は実施の形態1と同じく冷材起動制御装置24によっ
て、電流検出器28の検出電流値の大小により指示され
る。
【0041】以上のように、被加熱材5が加熱コイル1
内に低温すなわち冷材で滞在している状態で誘導加熱装
置を再起動運転するときには、再起動加熱の開始時に開
閉器33を開放して加熱コイル31を加熱コイル32と
切り離すことにより、高周波インバータ装置3の負荷回
路のインピーダンスを高くして発生する電力を高くし、
被加熱材5を昇温させる時間を早めることができる。
【0042】このように、本実施の形態では、誘導加熱
装置の再起動加熱の開始時に、高周波インバータ装置の
出力する電流値を検出する電流検出器の信号により、被
加熱材の温度が低いと判断される場合には、加熱コイル
の低温域側を切り離して加熱コイルのインピーダンスを
大きくし、高周波インバータ装置の発生する電力を大き
くして被加熱材の温度を早く上げることができる。
【0043】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、連続的に搬送
される複数の被加熱材を常温より誘導加熱する加熱コイ
ルと、該加熱コイルと共振回路を構成するコンデンサ
と、上記加熱コイルと上記コンデンサに接続されて高周
波の電力を供給するインバータ装置と、上記被加熱材を
供給部から排出部に向かって上記加熱コイルの中を連続
して搬送させる搬送機構とを有する誘導加熱装置におい
て、上記加熱コイルの中に上記被加熱材が滞在している
状態で上記誘導加熱装置を起動するときに、上記インバ
ータ装置の出力する電流を検出する電流検出器と、該電
流検出器の検出値に基づいて上記インバータ装置の出カ
インピーダンスを制御する制御手段とを備えたので、加
熱コイル内に温度が低下した被加熱材がある状態で誘導
加熱装置を起動する場合に、簡単に被加熱材の温度を早
く所定値に近づけることができ、以て、被加熱材が昇温
する時間が短縮され、プレス装置で鍛造できない無駄材
の発生を防止できるという効果がある。
【0044】請求項2の発明によれば、上記制御手段
は、上記コンデンサの一部を切り離す第1の開閉器を有
し、該開閉器の開閉に応じて上記インバータ装置の出力
周波数を変更するので、誘導加熱装置の再起動加熱の開
始時に、被加熱材の温度が低いと判断される場合にはコ
ンデンサの量を減らして高周波インバータ装置の発生す
る交流の周波数を大きくさせて加熱コイルのインピーダ
ンスを大きくし、電力をかかりやすくして被加熱材の温
度を早く上げることができるという効果がある。
【0045】請求項3の発明によれば、上記制御手段
は、リアクタンス機器と、該リアクタンス機器を上記加
熱コイルと直列に投入する第2の開閉器とを有するの
で、誘導加熱装置の再起動加熱の開始時に、被加熱材の
温度が低いと判断される場合には、高周波インバータ装
置の出力側のコンデンサと加熱コイルの間にリアクトル
機器を一時的に挿入し、高周波インバータ装置の発生す
る電力を大きくして被加熱材の温度を早く上げることが
できるという効果ある。
【0046】請求項4の発明によれば、上記制御手段
は、上記加熱コイルの一部を切り離す第3の開閉器を有
するので、誘導加熱装置の再起動加熱の開始時に、被加
熱材の温度が低いと判断される場合には、加熱コイルの
一部を切り離して加熱コイルのインピーダンスを大きく
し、高周波インバータ装置の発生する電力を大きくして
被加熱材の温度を早く上げることができるという効果が
ある。
【0047】請求項5の発明によれば、上記加熱コイル
は低温域加熱コイルと高温域加熱コイルからなり、上記
低温域加熱コイルに上記第3の開閉器を直列に接続した
ので、誘導加熱装置の再起動加熱の開始時に、被加熱材
の温度が低いと判断される場合には、加熱コイルの低温
域側を切り離して加熱コイルのインピーダンスを大きく
し、高周波インバータ装置の発生する電力を大きくして
被加熱材の温度を早く上げることができるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す構成図であ
る。
【図2】 この発明の実施の形態2を示す構成図であ
る。
【図3】 この発明の実施の形態3を示す構成図であ
る。
【図4】 従来の誘導加熱装置を示す構成図である。
【図5】 加熱コイル内の被加熱材の昇温状態を説明す
るための図である。
【図6】 高周波インバータ装置の電圧、電流の動作を
説明するための図である。
【符号の説明】
1 加熱コイル、 2 コンデンサ、 3 高周波イン
バータ装置、 4 コンデンサ用開閉器、 5 被加熱
材、 24 冷材起動制御装置、 25 被加熱材搬送
装置、 26 搬送機構用モータ、 27 モータ制御
装置、 28電流検出器、 29 リアクトル、 30
リアクトル用開閉器、 31 低温域加熱コイル、
32 高温域加熱コイル、 33 加熱コイル用開閉
器。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続的に搬送される複数の被加熱材を常
    温より誘導加熱する加熱コイルと、該加熱コイルと共振
    回路を構成するコンデンサと、上記加熱コイルと上記コ
    ンデンサに接続されて高周波の電力を供給するインバー
    タ装置と、上記被加熱材を供給部から排出部に向かって
    上記加熱コイルの中を連続して搬送させる搬送機構とを
    有する誘導加熱装置において、 上記加熱コイルの中に上記被加熱材が滞在している状態
    で上記誘導加熱装置を起動するときに、上記インバータ
    装置の出力する電流を検出する電流検出器と、 該電流検出器の検出値に基づいて上記インバータ装置の
    出カインピーダンスを制御する制御手段とを備えたこと
    を特徴とする誘導加熱装置。
  2. 【請求項2】 上記制御手段は、上記コンデンサの一部
    を切り離す第1の開閉器を有し、該開閉器の開閉に応じ
    て上記インバータ装置の出力周波数を変更するようにし
    たことを特徴とする請求項1記載の誘導加熱装置。
  3. 【請求項3】 上記制御手段は、リアクタンス機器と、
    該リアクタンス機器を上記加熱コイルと直列に投入する
    第2の開閉器とを有することを特徴とする請求項1記載
    の誘導加熱装置。
  4. 【請求項4】 上記制御手段は、上記加熱コイルの一部
    を切り離す第3の開閉器を有することを特徴とする請求
    項1記載の誘導加熱装置。
  5. 【請求項5】 上記加熱コイルは、低温域加熱コイルと
    高温域加熱コイルからなり、上記低温域加熱コイルに上
    記第3の開閉器を直列に接続したことを特徴とする請求
    項4記載の誘導加熱装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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