JP2799052B2 - 高周波加熱調理装置 - Google Patents

高周波加熱調理装置

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    • H05B6/68Circuits for monitoring or control
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、インバータ回路の可変交流出力によってマ
グネトロンを駆動するようにした高周波加熱調理装置に
関する。
(従来の技術) 従来の高周波加熱調理装置は、入力電圧(商用電源電
圧)が変動すると、マグネトロンの高周波出力が変動し
て、調理の出来が悪くなってしまう。
そこで、この様な欠点を解消するため、本出願人は、
マグネトロンの陽極電流を検出して、その陽極電流が一
定になるようにインバータ回路のスイッチング素子の導
通時間幅を制御し、それによってマグネトロンの高周波
出力を一定に保つことを考えている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、調理終了後、マグネトロンの熱が放熱によ
り冷めるまでには暫く時間がかかるので、調理終了後に
あまり時間をおかずに再度調理を開始するような場合に
は、前回の調理終了後の経過時間に応じて、調理開始時
のマグネトロンの初期温度が異なってくる。この様に、
調理開始時のマグネトロンの初期温度が異なれば、その
後のマグネトロンの温度の上昇具合も異なってくるが、
マグネトロンの陽極温度が高ければ、マグネトロンの磁
石(一般にはフェライト磁石)が減磁して、陽極・陰極
間の磁界が弱くなり、陽極電圧が低下する。このため、
前述したように常に陽極電流を一定に保つように制御し
たのでは、陽極温度の高・低(陽極電圧の低・高)によ
って、入力電力ひいては高周波出力が小さくなったり大
きくなったりしてしまう。このため、同じ調理時間でも
マグネトロンが冷えているときと高温になっているとき
では、食品に対する総加熱量が異なってきてしまい、調
理の仕上がり具合にばらつきを生じてしまう。しかも、
調理開始後、時間の経過と共にマグネトロンの温度が上
昇して陽極電圧が低下するため、調理中に高周波出力が
次第に低下してしまい、火力が一定にならない。
本発明はこの様な事情を考慮してなされたもので、従
ってその目的は、高周波出力を安定化させることができ
て、調理の仕上がり具合を均一化できる高周波加熱調理
装置を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明の高周波加熱調理装置は、スイッチング素子の
オン・オフを制御して商用交流電源を高周波電源に変換
するインバータ回路と、このインバータ回路により駆動
されるマグネトロンとを備えたものにおいて、前記マグ
ネトロンの動作時間と停止時間を累積的にカウントする
カウンタと、このカウンタのカウント値に基づいて前記
スイッチング素子の導通時間幅を入力電力が一定となる
ように補正する補正手段とを具備して成るものである。
この場合、カウンタは、マグネトロンの高周波出力に
応じて、1カウント当たりのカウントアップ幅を補正し
たり或はカウント周期を補正するように構成しても良
い。
更に、カウンタは、電源投入後1回目の高周波加熱開
始時を初期値としてカウント動作を開始するように構成
しても良い。
(作用) 加熱開始時のマグネトロンの温度は、前回の加熱時間
(前回の加熱終了時のマグネトロン温度)とその後のマ
グネトロンの停止時間に応じて変動し、また、加熱中の
マグネトロンの温度は動作時間の経過と共に上昇すると
いった具合に、マグネトロンの動作/停止時間とマグネ
トロンの温度との間にはある種の対応関係がある。本発
明はこの様な関係に着目したもので、マグネトロンの動
作時間と停止時間をカウンタにより累積的にカウント
し、そのカウント値に基づいて補正手段がインバータ回
路のスイッチング素子の導通時間幅を入力電力が一定と
なるように補正することにより、高周波出力を安定化さ
せる。
この場合、マグネトロンの高周波出力が調整される
と、マグネトロンの温度上昇率も変化するので、マグネ
トロンの高周波出力に応じて、カウンタの1カウント当
たりのカウントアップ幅を補正したり或はカウント周期
を補正するようにすれば、高周波出力の調整(マグネト
ロンの温度上昇率の変化)に追従した最適な制御が可能
となる。
また、一般に、電源投入時にはそれまでマグネトロン
が十分に冷えているものと思われるので、電源投入後1
回目の高周波加熱開始時を初期値としてカウンタにカウ
ント動作を開始させれば、カウンタのカウント値と実際
のマグネトロン温度との対応関係のずれを電源投入毎に
解消することができて、制御精度を良好に維持すること
ができる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら
説明する。
インバータ回路1は、電源プラグ2に接続された交流
母線3a,3bを通して商用交流電源から交流電力が供給さ
れる。そして、一方の交流母線3aには、ヒューズ4と第
1の扉スイッチ5aが直列に接続され、他方の交流母線3b
には第2の扉スイッチ5bとリレースイッチ6が直列に接
続されている。更に、両扉スイッチ5a,5b間には、扉
(図示せず)の開放時にオンするショートスイッチ28が
設けられ、万一、両扉スイッチ5a,5bがショートした状
態になったとしても、扉の開放によりこのショートスイ
ッチ28がオンして両母線3a,3b間をショートしてインバ
ータ回路1の動作を阻止するようになっている。
一方、インバータ回路1は、全波整流回路7、チョー
クコイル8、平滑コンデンサ9、高圧トランス10の一次
巻線10a、共振コンデンサ11、スイッチング素子たるト
ランジスタ12及びフライホイールダイオード13とから構
成されている。このインバータ回路1は、トランジスタ
12をオン・オフさせることにより、高圧トランス10の一
次巻線10aに高周波電流を発生させ、それによって高圧
トランス10の二次巻線10b,10cに高周波電圧を発生され
る。そして、一方の二次巻線10bには、2つのダイオー
ド14,15のコンデンサ16から成る倍電圧整流回路16が接
続され、この倍電圧整流回路16を通してマグネトロン17
の陽極・陰極間に高周波高電圧が印加される。尚、他方
の二次巻線10cに誘起された電圧は、マグネトロン17の
陰極に印加される。
一方、マグネトロン17の陽極側の通電路には、陽極電
流検出用の電流トランス18が設けられ、この電流トラン
ス18の出力信号が陽極電流検出回路19で処理されて制御
回路20に入力される。
この制御回路20は、操作入力回路21からの操作入力を
受けて、その操作内容を表示回路22に表示させたり、或
は、リレー駆動回路23を介してリレー駆動コイル24の通
断電を制御したり、更には、各種センサ回路25の出力情
報に基づいてマグネトロン17の動作を制御したり、ま
た、トランジスタ駆動回路26を介してトランジスタ12の
オン・オフを制御する。
この場合、制御回路20には、マグネトロン17の動作中
にアップカウントすると共に、マグネトロン17の停止中
にダウンカウントするカウンタ27が内蔵されている。こ
のカウンタ27は、下記の表1に示すように、マグネトロ
ン17の高周波出力に応じて1カウント当たりのカウント
アップ幅を補正するように構成されている(この場合の
カウント周期は1秒で固定されている)。
上記表1に示すように、高周波出力が低下するに従っ
て、カウントアップ幅が小さくなる。これは、高周波出
力が低下するに従って、マグネトロン17の温度上昇率が
低下するためであり、また、マグネトロン17の停止中
は、放熱により温度低下するので、5ずつダウンカウン
トさせるようになっている。この様なカウンタ27のカウ
ント動作は、電源投入中(図示しない電源スイッチのオ
ン中)は継続して実行されるが、マグネトロン17の温度
はある程度の動作時間を経過すると飽和してほぼ一定に
なるので、それ以上はアップカウントしないように、カ
ウント値の上限値が設定されている。また、カウト値の
下限値は0であり、それ以上はダウンカウントしないよ
うになっている。この様にカウントすることによって、
カウント値が大きいときにはマグネトロン17の温度が高
く、逆に、カウント値が小さいときにはマグネトロン17
の温度が低いと類推できるようになっている。
更に、一般に、電源投入時にはマグネトロン17がそれ
までに十分に冷えているものと思われるので、電源投入
後1回目の高周波加熱開始時を初期値(0)としてカウ
ンタ27にカウント動作を開始させ、これによりカウンタ
27のカウント値と実際のマグネトロン17の温度との対応
関係のずれを電源投入毎に解消するようにしている。
この場合、制御回路20は、カウンタ27のカウント値に
基づいてトランジスタ12の導通時間幅を補正する補正手
段として機能し、その補正動作によりマグネトロン17の
陽極電流を自動的に調整してインバータ回路1への入力
電力を一定化するように制御する。具体的には、マグネ
トロン17が十分に冷えているとき、即ちカウンタ27のカ
ウント値が0のときの陽極電流Iminは、マグネトロン17
が十分熱くなったときの陽極電流Imaxの90%になるよう
に設定して高周波加熱を開始する。そして、高周波加熱
中は、カウンタ27のカウント値が所定値アップする毎
(マグネトロン17の温度が所定値アップする毎)に、陽
極電流がImaxの92%,94%,96%,98%,100%となるよう
に順次大きくしていく。
ところで、加熱終了後の経過時間に応じて加熱開始時
のマグネトロン17の初期温度が異なり、その初期温度が
異なれば、その後のマグネトロン17の温度の上昇具合も
異なってくる。勿論、加熱中もマグネトロン17の温度が
上昇する。この場合、マグネトロン17の陽極温度が高け
れば、マグネトロン17の磁石(一般にはフェライト磁
石)が減磁して、陽極・陰極間の磁界が弱くなり、陽極
電圧が低下する。このため、マグネトロン17の温度の高
低を問わず、常に陽極電流を一定に保つように制御した
のでは、マグネトロン17の温度変化によって、第2図に
二点鎖線で示すようにインバータ回路1への入力電流が
変化してしまう(入力電流はマグネトロン17の陽極電圧
と陽極電流との積にほぼ比例する)。この様な入力電流
の低下は、入力電力の低下ひいてはマグネトロン17の高
周波出力の低下をもたらしてしまう。
この点、本実施例によれば、電源投入後1回目の高周
波加熱開始時にカウンタ27が初期値(0)からカウント
動作を開始し、加熱中は一定周期(例えば1秒)でアッ
プカウントする。この際、前記した表1に示すように高
周波出力が低くなるほどカウントアップ幅が小さくな
り、それによってカウント値がマグネトロン17の温度上
昇に応じた値になる。そして、このカウント動作によ
り、カウント値が所定値アップする毎(マグネトロン17
の温度が所定値アップする毎)に、マグネトロン17の陽
極電流を初期の陽極電流Imaxの92%,94%,96%,98%,10
0%と順次大きくしていくように制御する。これによ
り、入力電流が第2図に実線で示すように一定化され、
高周波出力が安定化される。
そして、調理が終了して、マグネトロン17の動作が停
止すると、以後、カウンタ27が一定周期(例えば1秒)
で加熱終了時のカウント値から例えば5ずつダウンカウ
ントする。これにより、マグネトロン17の停止時間の経
過と共にカウント値が小さくなっていき、この様なカウ
ント値の減少が加熱終了後のマグネトロン17の温度低下
に対応したものとなる。従って、次に加熱を開始する場
合には、その加熱開始時点におけるカウンタ27のカウン
ト値が、その時点のマグネトロン17の温度に対応したも
のとなり、以後、加熱時間の経過と共にカウンタ27が一
定周期で前述と同じ様にアップカウントし、そのカウン
ト値に応じてマグネトロン17の陽極電流を徐々に増大さ
せて、入力電流ひいては高周波出力を安定化させる。
この場合、前回の加熱終了後の経過時間に応じて、加
熱開始時のマグネトロン17の初期温度が異なり、その初
期温度が異なれば、その後のマグネトロン17の温度の上
昇具合ひいては陽極電圧の変化具合が異なってくるとい
う事情があっても、前述したように、カウンタ27が前回
の加熱終了時のカウント値から一定周期でダウンカウン
トして、次回の加熱開始時点のカウント値がその時点の
マグネトロン17の温度に対応したものとなるので、加熱
開始時のマグネトロン17の初期温度を考慮した制御が可
能となり、繰り返し調理する場合でも、高周波出力を安
定化できる。
上述したカウンタ27のアップ/ダウンカウント動作
は、電源投入中は調理開始・停止により繰り返される
が、マグネトロン17の温度はある程度の動作時間を経過
すると飽和してほぼ一定になるので、カウント値が飽和
温度に対応する上限値に達すると、それ以後はアップカ
ウント動作を停止する。また、マグネトロン17の動作停
止中に、マグネトロン17の温度が十分に冷えてほぼ一定
(常温)になる頃には、カウンタ27のカウント値が下限
値(0)に達し、それ以後はダウンカウント動作を停止
する。これにより、カウント値が大きいときにはマグネ
トロン17の温度が高く、逆に、カウント値が小さいとき
にはマグネトロン17の温度が低いという、対応関係を良
好に維持できる。
しかも、一般に、電源投入時にはそれまでにマグネト
ロン17が十分に冷えているものと思われるので、上記実
施例のように、電源投入後1回目の高周波加熱開始時を
初期値(0)としてカウンタ27にカウント動作を開始さ
せれば、カウンタ27のカウント値を実際のマグネトロン
17の温度との対応関係のずれを電源投入毎に解消するこ
とができて、制御精度を一層良好に維持することができ
る。
更に、上記実施例では、高周波出力が低下するに従っ
て、カウントアップ幅を小さくするようにしているの
で、高周波出力の調整に伴うマグネトロン17の温度上昇
率の変化に追従した最適な制御が可能となり、この面か
らも制御精度を向上できる利点がある。
この場合、高周波出力の調整に伴い、カウントアップ
幅ではなく、下記の表2に示すように、カウント周期を
高周波出力に応じて変化させるようにしても良い。この
場合のカウントアップ幅は例えば10で、カウントダウン
幅は例えば5である。
[発明の効果] 本発明は以上の説明から明らかなように、マグネトロ
ンの動作時間と停止時間をカウンタにより累積的にカウ
ントし、そのカウント値に基づいて補正手段がインバー
タ回路のスイッチング素子の導通時間幅を入力電力が一
定となるように補正するので、高周波出力を安定化させ
ることができて、調理の仕上がり具合を均一化できる。
この場合、マグネトロンの高周波出力に応じて、カウ
ンタの1カウント当たりのカウントアップ幅を補正した
り或はカウント周期を補正するようにすれば、高周波出
力の調整(マグネトロンの温度上昇率の変化)に追従し
た最適な制御が可能となる。
また、一般に、電源投入時にはそれまでにマグネトロ
ンが十分に冷えているものと思われるので、電源投入後
1回目の高周波加熱開始時を初期値としてカウンタにカ
ウント動作を開始させれば、カウンタのカウント値と実
際のマグネトロン温度との対応関係のずれを電源投入毎
に解消することができて、制御精度を良好に維持するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示したもので、第1図は高周
波加熱調理装置の電気回路図、第2図はマグネトロンの
動作開始後の入力電流の経時的変化を示す図である。 図面中、1はインバータ回路、7は全波整流回路、10は
高圧トランス、12はトランジスタ(スイッチング素
子)、16は倍電圧整流回路、17はマグネトロン、20は制
御回路(補正手段)、27はカウンタである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スイッチング素子のオン・オフを制御して
    商用交流電源を高周波電源に変換するインバータ回路
    と、このインバータ回路により駆動されるマグネトロン
    とを備えた高周波加熱調理装置において、前記マグネト
    ロンの動作時間と停止時間を累積的にカウントするカウ
    ンタと、このカウンタのカウント値に基づいて前記スイ
    ッチング素子の導通時間幅を入力電力が一定となるよう
    に補正する補正手段とを具備して成る高周波加熱調理装
    置。
  2. 【請求項2】カウンタは、マグネトロンの高周波出力に
    応じて1カウント当たりのカウントアップ幅を補正する
    ように構成されていることを特徴とする請求項1記載の
    高周波加熱調理装置。
  3. 【請求項3】カウンタは、マグネトロンの高周波出力に
    応じてカウント周期を補正するように構成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の高周波加熱調理装置。
  4. 【請求項4】カウンタは、電源投入後1回目の高周波加
    熱開始時を初期値としてカウント動作を開始することを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の高周波加
    熱調理装置。
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