JP2804072B2 - 高周波加熱調理器 - Google Patents

高周波加熱調理器

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JP2804072B2 JP1105934A JP10593489A JP2804072B2 JP 2804072 B2 JP2804072 B2 JP 2804072B2 JP 1105934 A JP1105934 A JP 1105934A JP 10593489 A JP10593489 A JP 10593489A JP 2804072 B2 JP2804072 B2 JP 2804072B2
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【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は高周波電力を発生してマグネトロンを駆動す
ることにより被加熱物を加熱する高周波加熱調理器に関
するものである。
(従来の技術) マグネトロンを利用した従来の加熱調理器は、商用交
流電源からの入力電圧を昇圧トランスによって直接昇圧
し、この昇圧した出力電圧を整流してマグネトロンを駆
動するものがある。このような加熱調理器では、マグネ
トロンからのマイクロ波出力を変化させるために昇圧ト
ランスへの入力電圧をオン/オフする方法が取られ、こ
のオン/オフの比率を種々変化させることによりマグネ
トロンからの平均マイクロ波出力を種々変化させてい
る。
また、他の従来の加熱調理器は、特公昭59−14236号
公報に示すように周波数変換器を用いてマグネトロンを
駆動する構成のものがある。この加熱調理器では、周波
数変換器の周波数を変化させること等によってマグネト
ロンからのマイクロ波出力を変化させている。
上述した昇圧トランスを利用した加熱調理器における
マグネトロンからのマイクロ波出力の変化は平均値とし
ての変化であるのに対して、周波数変換器を用いた加熱
調理器はマグネトロンからのマイクロ波出力をほぼ瞬時
電力として変化させ得るもので、昇圧トランスを利用し
た加熱調理器よりも優れている。また、両加熱調理器は
最大出力で連続的に被調理物を加熱することができると
ともに、この最大出力よりも少ない出力で被調理物を加
熱することもできる。
具体的には、上記昇圧トランスを利用した加熱調理器
では、昇圧トランスへの入力電圧のオフ時間を0とする
ことによって最大出力を設定できるが、この最大出力以
上の出力を出すことはできない。また、周波数変換器を
用いた加熱調理器では、周波数変換器の周波数を変化さ
せることにより最大出力より大きい最高出力を出すこと
は原理的には可能であるが、この場合、周波数変換器を
構成するスイッチング素子やトランスまたはマグネトロ
ン等の各素子に多大なストレスが加わり、その最高出力
を連続的に発生した場合には各素子が破壊してしまうこ
とになるため、連続最大出力より大きい最高出力を連続
して発生することは困難である。
そこで本願発明者等は、スイッチング素子等が破壊に
至らない程度の時間だけ通常の連続最大出力よりも大き
な最高出力(以下、瞬時最高出力という)を発生するよ
うにした高周波加熱調理器を提案している。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、家庭内においては、日常的に電気洗濯
機や電気掃除機が使用されており、これらが使用されて
いるときにも高周波加熱調理器を用いて調理を行うこと
がある。このような状態で高周波加熱調理器が自動的に
瞬時最高出力で動作すると、当該周波数加熱調理器の出
力値に応じて消費電流が増加し、全体の消費電流が家庭
内で許容される電流許容を上回り、ブレーカが作動して
電源が遮断されてしまうという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、通常の連続最大出力による調理と、
このような通常の連続最大出力よりも大きな最高出力に
よる調理とを選択し得る高周波加熱調理器を提供するこ
とにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記目的を達成するための本発明が提供する手段は供
給される電力のオンオフ制御により高周波電力を発生し
てマグネトロンを駆動する駆動手段と、前記マグネトロ
ンが通常の連続最大出力よりも大きな最高出力を発生し
得る状況であるか否かを判別する判別手段と、この判別
手段によって前記最高出力を発生し得る状況であること
が判別されるときには自動的に前記マグネトロンが通常
の連続最大出力よりも大きな最高出力を発生するように
前記駆動手段を制御する制御手段と、この制御手段の制
御を無効とする無効指示を出力する無効指示手段とを有
して構成した。
(作用) 本発明はマグネトロンが通常の連続最大出力よりも大
きな最高出力を発生し得る状況であるか否かを判別し、
最高出力を発生し得る状況下では制御手段が駆動手段を
制御することにより、自動的にマグネトロンが通常の連
続最大出力よりも大きな最高出力を発生する。また制御
手段の制御を無効とする無効指示を出力する無効指示手
段を有しており、この無効指示手段によって制御手段の
制御が無効とされた場合には通常の連続最大出力を発生
するようにマグネトロンが駆動されるので瞬時最高出力
で動作している時に比べて消費電力の低減を図ることが
できる。
また、通常の連続最大出力による調理と、このような
通常の連続最大出力よりも大きな最高出力による調理と
を選択的に行うことができる。
(実施例) 以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明の一実施例に係わる高周波加熱調理器
の構成を示す回路図である。同図に示す高周波加熱調理
器は、商用電源1からの交流電圧を使用して作動する。
この商用電源1からの交流電圧は本高周波加熱調理器の
扉を閉じることによって閉成するドアスイッチ2a,2bお
よびリレー接点3を介してファンモータ4および整流回
路8の整流ブリッジ5に供給されて整流される。ファン
モータ4には図示しない冷却用のファンが取り付けら
れ、このファンによって後述するインバータ回路13のス
イッチングトランジスタ9、高周波トランス12およびマ
グネトロン17等を冷却するようになっている。
整流回路8の整流ブリッジ5は商用電源1からの交流
電圧を整流して直流電圧に変換し、この直流電圧をチョ
ークコイル6および平滑コンデンサ7で平滑し、インバ
ータ回路13に供給している。インバータ回路13は高周波
トランス12の一次コイル12a、この一次コイル12aに直列
に接続されたスイッチングトランジスタ9、このスイッ
チングトランジスタ9に並列に接続された回生電流用ダ
イオード10および共振用コンデンサ11から構成され、整
流回路8から高周波トランス12の一次コイル12aに流れ
る一次電流I2をスイッチングトランジスタ9によって断
続することにより高周波トランス12の二次コイル12bに
高出力電圧を発生するものである。
インバータ回路13におけるスイッチングトランジスタ
9の断続動作によって高周波トランス12の二次コイル12
bに発生する高出力電圧は半波倍電圧整流回路16に供給
され、倍電圧に昇圧される。半波倍電圧整流回路16は高
周波トランス12の二次コイル12b、倍電圧用コンデンサ1
4および倍電圧用ダイオード15で構成され、当該半波倍
電圧整流回路16で昇圧された倍電圧はマグネトロン17の
アノードとカソードとの間に印加される。また高周波ト
ランス12の三次コイル12cに発生した電圧がマグネトロ
ン17のフィラメントに印加され、これによりマグネトロ
ン17が駆動され、マイクロ波を出力する。
また、前記商用電源1から交流電圧はトランス18を介
して所定の電圧に変換されて制御回路19に供給され、図
示しない整流回路等で所定の直流電圧に整流され、制御
回路19の動作電圧として制御回路19の各部に供給され
る。制御回路19はマイクロコンピュータ22と、このマイ
クロコンピュータ22に供給される動作用の基準クロック
を発生するクロック発振部23と、マイクロコンピュータ
22からの指令信号により前記リレー接点3を開閉制御す
るリレー駆動部21と、マイクロコンピュータ22からの指
令信号によりマイクロ波出力値が設定される出力設定部
24と、この出力設定部24に設定されたマイクロ波設定値
を供給され、この設定値に従って前記スイッチングトラ
ンジスタ9のスイッチングを制御するPWM部25とから構
成されている。また、前記マイクロコンピュータ22には
操作部20から入力信号が供給され、マイクロコンピュー
タ22はこの入力信号に従った動作を行うようになってい
る。
またマイクロコンピュータ22はマグネトロン17の駆動
時間及び停止時間を計測するための計測手段と、この計
測手段で計測した駆動時間及び停止時間等の動作履歴を
記憶するための記憶手段と、この動作履歴に応じてマグ
ネトロン17が通常の連続最大出力よりも大きな最高出力
を発生し得る状況であるか否かを判別する判別手段と、
この判別手段によって最高出力を発生し得る状況である
ことが判別されたときには、前記マグネトロン17が通常
の連続最大出力よりも大きな最高出力を発生するように
制御する制御手段とを有している。また無効指示手段と
して、操作部20に無効スイッチSWを有しており、この無
効スイッチSWが操作されると、前記制御手段による制御
が無効とされ、これにより通常の連続最大出力を発生す
るようにマグネトロン17が駆動されるようになってい
る。
以上のように構成される高周波加熱調理器において、
まずインバータ回路13における動作を第2図および第3
図を参照して説明する。なお、第2図は第1図の高周波
加熱調理器を通常の連続最大出力で動作させた場合の各
部の波形を示す図であり、第3図は第2図の連続最大出
力よりも大きな最高出力を発生するように高周波加熱調
理器を作動させた場合の各部の波形を示す図である。
制御回路19のPWM部25はマイクロコンピュータ22によ
って出力設定部24に設定された設定値に対応する時間に
相当するイオン信号をインバータ回路13のスイッチング
トランジスタ9に供給する。このPWM部25からスイッチ
ングトランジスタ9に供給されるイオン信号は第2図
(f)に示されるように時刻t0からt1までのオン時間t0
nのあいだだけ“H"レベルに設定され、このオン信号が
スイッチングトランジスタ9に供給されると、このオン
信号のオン時間の間スイッチングトランジスタ9はオン
状態になる。スイッチングトランジスタ9がオンになる
と、スイッチングトランジスタ9には第2図(a)に示
すように電流I1が高周波トランス12の一次コイル12aを
介して高周波トランス12のインダクタンスに従って徐々
に上昇するように時刻t0からt1まで流れる。また同様に
第2図(c)に示すような電流I2が高周波トランス12の
一次コイル12aに徐々に上昇するように流れる。このよ
うにスイッチングトランジスタ9がオンしている時のス
イッチングトランジスタ9のコレクターエミッタ間電圧
Vceは第2図(b)に示すように非常に小さな電圧とな
っている。更に、この場合に高周波トランス12の二次コ
イル12bおよびマグネトロン17には、第2図(d)およ
び(e)にそれぞれ示す二次電流I3およびマグネトロン
電流I4が流れ、このマグネトロン電流I4によってマグネ
トロン17は駆動され、マイクロ波を発生する。なお、高
周波トランス12の二次コイル12bに流れる二次電流I3
うち、正方向の電流がマグネトロン17にアノード電流と
して流れ、他方の負方向の電流は半波倍電圧整流回路16
の倍電圧用ダイオード15を介して倍電圧用コンデンサ14
に充電電流として流れ、これにより倍電圧用コンデンサ
14に充電された電圧が次のサイクルの正方向の電圧に加
算されて倍電圧がマグネトロン17に印加されるようにな
っている。
時刻t0からt1までのオン時間t0nの間は、スイッチン
グトランジスタ9には高周波トランス12の一次コイル12
aに流れている電流と同じ電流が流れるが、時刻t1にな
って、オン信号がなくなると、スイッチングトランジス
タ9はオフになり、スイッチングトランジスタ9に流れ
ていた電流I1は第2図(a)に示すように0になる。ス
イッチングトランジスタ9がオフになった後、高周波ト
ランス12の一次コイル12aに流れていた電流I2は第2図
(c)の時刻t1以降で示すように共振用コンデンサ11に
流れてスイッチングトランジスタ9とコンデンサ11が共
振状態になる。これにより共振用コンデンサ11は充電さ
れ、共振用コンデンサ11の電圧、すなわちスイッチング
トランジスタ9のコレクターエミッタ間電圧Vceが第2
図(b)に示すように上昇する。この共振状態におい
て、高周波トランス12の一次コイル12aに流れていた電
流I2の向きが逆転する時点でコレクターエミッタ間電圧
Vceは最も高い電圧になり、その後、この電圧Vceは低下
し、時刻t2において電圧Vceは0になる。このように電
圧Vceが0になる時刻t2では、高周波トランス12の一次
コイル12aに流れている電流I2は共振用コンデンサ11に
流れるのでなく、回生電流用ダイオード10を電流I1とし
て流れるようになり、I1=I2になる。
時刻t2から所定時間遅れた時刻t3において、PWM部25
から再度オン信号が発生し、スイッチングトランジスタ
9に供給され、スイッチングトランジスタ9は再度オン
する。スイッチングトランジスタ9がオンすると、高周
波トランス12の一次コイル12aに流れる電流I2は再度正
方向に流れる。このとき時刻t4から電流I1は回生電流用
ダイオード10を流れるのでなく、スイッチングトランジ
スタ9を流れるようになる。以降同様に、スイッチング
トランジスタ9がオンしているオン時間tonの間は、高
周波トランス12のインダクタンスに従った傾きで徐々に
上昇するようにスイッチングトランジスタ9および高周
波トランス12の一次コイル12aに電流I1およびI2がそれ
ぞれ流れ、オン時間tonの後に再度前記共振状態になる
という動作を繰り返す。これによりマグネトロン17に第
2図(e)に示すようなマグネトロン電流I4が流れ、こ
れによりマグネトロン17が駆動され、マイクロ波を発生
する。
ここで、マイクロコンピュータ22によって出力設定部
24に第2図で示したオン時間tonよりも小さいオン時間
に相当する設定値を設定した場合には、前述したように
スイッチングトランジスタ9に流れる電流I1、高周波ト
ランス12の一次コイル12aに流れる一次電流I2、高周波
トランス12の二次コイル12bに流れる二次電流I3および
マグネトロン17に流れるマグネトロン電流I4は前記設定
値に比例してすべて小さな電流値になる。すなわち、ス
イッチングトランジスタ9を駆動するオン時間tonを変
化させることによってマグネトロン17からのマイクロ波
出力を任意の値に可変することができる。
第3図は第2図に示した連続動作時の最大出力よりも
大きな瞬時最高出力を出した過駆動時の第2図に対応す
る各部の動作波形を示す図である。第3図においては、
過駆動状態を形成して、第2図の連続最大出力よりも大
きな瞬時最高出力をマグネトロン17から出力するため
に、第2図に示したオン時間tonよりも長いオン時間ton
を設定している。この結果、第3図の各部の電流波形
I1、I2、I3、I4は、第2図の各部の対応する電流波形と
比較するとわかるように、オン時間tonが終了してスイ
ッチングトランジスタ9がオフになる時点においてすべ
て大きな値となり、過駆動状態になっている。従って、
マグネトロン17は第2図に示した連続最大出力よりも大
きな最高出力のマイクロ波を出力することになる。な
お、この過駆動状態では、スイッチングトランジスタ9
に流れる電流I1が大きくなるとともに、スイッチングト
ランジスタ9のコレクターエミッタ間電圧Vceも大きな
値となっているので、スイッチングトランジスタ9から
の発熱量はその分増大し、このままの過駆動状態を継続
すると、スイッチングトランジスタ9は破壊することに
なる。また、同様に、高周波トランス12およびマグネト
ロン17に流れる電流も大きな値となっているので、高周
波トランス12およびマグネトロン17からの発熱量もその
分増大し、このままの過駆動状態が継続すると、高周波
トランス12およびマグネトロン17は破損することにな
る。
ところで、このようなスイッチングトランジスタ9、
高周波トランス12およびマグネトロン17等の各素子の過
駆動状態による破壊および破損は、各素子における電流
と電圧による発熱による温度上昇から起こるものであ
り、この温度上昇は瞬間的に発生するものでなく、過駆
動状態で動作を開始して徐々に各素子の温度が上昇し、
破壊温度に達するものであり、動作開始してから破壊温
度に達するまでにはある時間かかるものである。
更に具体的に、第4図を参照して説明する。第4図
(a)は横軸に第1図の高周波加熱調理器の作動時間を
取り、縦軸にスイッチングトランジスタ9の温度を示す
グラフであり、第4図(b)〜(d)は横軸に第4図
(a)の横軸の時間に対応して取った時間を示し、縦軸
に前記マグネトロン17からの出力レベルを示している。
第1図の高周波加熱調理器を第2図で示した連続最大
出力で動作させた場合には、第4図(a)の曲線Aで示
すように、時刻t10から動作を開始したとすると、動作
開始時刻t10において初期温度T1であったスイッチング
トランジスタ9の温度は徐々に上昇し、時刻t12には飽
和温度T3に達する。更に動作を継続してもスイッチング
トランジスタ9の温度は飽和温度以上には上昇せず、ス
イッチングトランジスタ9は破壊することがない。連続
動作状態においては、第4図(c)に示すように本高周
波加熱調理器は例えば500ワットの連続最大出力を連続
的に出力しても破壊することがない。
一方、高周波加熱調理器を通常に連続して動作させる
状態の連続最大出力よりも大きな最高出力を発生して第
3図で示した過駆動状態で動作させた場合には、第4図
(a)の曲線Bで示すように、スイッチングトランジス
タ9の温度は曲線Aの場合より急激に上昇する。このと
き、スイッチングトランジスタ9が破壊しなければ温度
T6まで上昇して飽和するはずであるが、この飽和温度T6
よりも低い破壊温度T5になった時点t12で破壊してしま
うことを示している。この過駆動状態では、第4図
(d)に示すように、高周波加熱調理器は連続最大出力
よりも大きな例えば700ワットの最高出力を発生し、時
刻t12で破壊することになる。
また、第4図(a)に示す曲線Cは、スイッチングト
ランジスタ9の温度が前記連続最大出力時の飽和温度T3
よりも若干低い所定の過駆動安全温度T2になる時刻t11
までは、高周波加熱調理器が最高出力を発生するように
過駆動状態で動作させ、当該所定の過駆動安全温度T2
なった時刻t11以降は出力を連続最大出力まで低下して
動作させているものである。このように動作させること
によりスイッチングトランジスタ9の温度は最終的には
連続最大出力時の飽和温度T3で飽和し、スイッチングト
ランジスタ9が破壊することがないのである。第4図
(b)は、この場合の高周波加熱調理器の出力状態を示
しているが、時刻t10からt11までの期間は、例えば700
ワットの過駆動状態の最高出力を発生し、時刻t11以降
は、例えば500ワットの連続最大出力を発生している。
ところで、実際の使用状態では、高周波加熱調理器を
複数回連続して動作させる場合もあれば、使用環境温度
が低かったり、高かったりする場合もあり、これらの場
合において装置の作動開始時の初期温度T1は種々異なる
ことになるが、この初期温度T1によって瞬時最高出力を
発生し得る過駆動状態の継続時間も異なったものにな
る。例えば、装置作動開始時の初期温度T1が低い時に過
駆動状態にして瞬時最高出力を発生した場合、スイッチ
ングトランジスタ9の温度が過駆動安全温度T2に達する
までの時間、すなわち瞬時最高出力を発生し得る過駆動
状態の継続時間は長くなる。また初期温度T1が高い時に
は、スイッチングトランジスタ9の温度が過駆動安全温
度T2に達するまでの時間、すなわち瞬時最高出力を発生
し得る過駆動状態の継続時間は短くなるものである。
また、スイッチングトランジスタ9の初期温度は、前
回の調理での駆動動作を終了してからの停止時間の長さ
によっても変化する。すなわち、初期温度は装置の停止
時間が長ければ長い程低くなる特性がある。従って、こ
の停止時間を測定すれば、初期温度が推定される。ま
た、上述したように、初期温度が低い程、瞬時最高出力
を発生し得る過駆動状態の継続時間も長くなる。この結
果、停止時間を測定すれば、瞬時最高出力を発生し得る
過駆動状態の継続時間を推定することができることにな
る。
具体的には、第5図を参照して説明する。第5図
(a)〜(d)は横軸に時間を示し、縦軸は第5図
(a)がスイッチングトランジスタ9の温度を示し、第
5図(b)〜(d)がマグネトロン17からの出力レベル
を示している。また、第5図(b)〜(d)はそれぞれ
第5図(a)の曲線B〜Dに対応しているものである。
第5図においては、時刻t10で高周波加熱調理器は前
回の動作を停止したものとし、この停止した時のスイッ
チングトランジスタ9の温度は飽和温度T3である。そし
て、この時刻t10でスイッチングトランジスタ9の温度
は飽和温度T3であったものが、第5図(a)の点線で示
す曲線Aで示すように、停止したことにより徐々に低下
し、最終的には周囲環境温度まで低下していくことにな
る。
ここで、第5図(a)の曲線Bおよび第5図(b)で
示すように、時刻t10から停止し始めて、停止時の飽和
温度T3が温度T11まで低下した時刻t11から高周波加熱調
理器を瞬時最高出力を発生する過駆動状態で再駆動する
と、スイッチングトランジスタ9の温度は時刻t11の温
度T11から再上昇し、時刻t11aで過駆動安全温度T2に達
する。従って、この時刻t11a以降は通常の連続最大出力
に低下させて作動させ、スイッチングトランジスタ9の
温度を連続最大出力時の飽和温度T3に安定させる。な
お、この場合の瞬時最高出力の過駆動状態の継続時間は
温度T11の時刻t11から過駆動安全温度T2になるt11aまで
の間である。
また、第5図(a)の曲線Cおよび第5図(c)で示
すように、時刻t10から停止し始めて、停止時の飽和温
度T3が温度T21まで低下した時刻t21瞬時最高出力の過駆
動状態で再駆動すると、トランジスタ9は温度は時刻t
21から再上昇し、時刻t21aで過駆動安全温度T2に達す
る。この場合の瞬時最高出力の過駆動状態の継続時間は
温度T21の時刻t21から過駆動安全温度T2になるt21aまで
の間である。
すなわち、上述した2つの例における瞬時最高出力の
過駆動状態の継続時間を比較すると、後者のように停止
時間が長く、装置が冷却して再作動開始時の初期温度が
低い程、瞬時最高出力の過駆動状態の継続時間が長いこ
とがわかる。
同様にして、第5図(d)の曲線Dおよび第5図
(d)で示すように、停止時間が更にながく、再作動開
始時の初期温度がT31となって更に低い場合、すなわち
時刻t10から停止していたものを更に停止時間を長くし
て時刻t31から瞬時最高出力の過駆動状態で再駆動する
と、この瞬時最高出力の過駆動状態は更に長い時刻t31a
まで継続する。
上述した第5図における説明は、装置が動作を停止し
た時からの停止時間を長さによって瞬時最高出力を発生
し得る過駆動状態の継続時間が異なることを示すととも
に、この場合においては装置の動作停止時の温度が飽和
温度T3であると特定して説明しているが、実際の使用状
態においては、装置の動作停止時の温度は飽和温度T3
みでなく、種々異なる温度になっている。具体的には、
この装置の動作停止時の温度は、装置が停止するまでの
装置の加熱状態、すなわち装置がどの程度の加熱状態で
どの程度の時間長く加熱動作を行ったかによって異な
る。従って、瞬時最高出力を発生し得る過駆動状態の継
続時間は、このように異なる加熱状態の後に停止した場
合の装置の動作停止時の温度と、その後の停止時間の長
さによって異なってくる。
具体的には、第6図を参照して説明する。第6図
(a)〜(d)は横軸に装置が作動および停止した経過
時間を継続的に示し、縦軸は第6図(a)がスイッチン
グトランジスタ9の温度を示し、第6図(b)〜(d)
がマグネトロン17からの出力レベルを示している。ま
た、第6図(b)〜(d)はそれぞれ第6図(a)の曲
線B〜Dに対応し、第6図(b)〜(d)において斜線
で示した部分が装置が動作している時間を示し、この斜
線で示す動作部分の内、大きな出力レベルのものが例え
ば700ワットの瞬時最高出力を発生している過駆動状態
の部分であり、小さい出力レベルの部分が例えば500ワ
ットの連続最大出力を発生している部分である。
第6図においては、時刻t40で高周波加熱調理器はあ
る初期温度T1から動作したとし、第6図(a)の曲線B
および第6図(b)で示す場合には、時刻t40から過駆
動状態にして瞬時最高出力を発生し、時刻41で停止し、
それから時刻t43まで停止している。また、この時刻t43
から過駆動状態で動作して、時刻t45まで瞬時最高出力
を発生し、以降は連続最大出力に低下して動作するとい
う履歴の動作および停止状態を行っている。
また、第6図(a)の曲線Cおよび第6図(c)で示
す場合には、時刻t40から過駆動状態にして、スイッチ
ングトランジスタ9の温度が過駆動安全温度T2になる時
42まで瞬時最高出力を発生し、それから時刻t44まで
連続最大出力で動作して停止し、時刻t46から再度過駆
動状態にして時刻t47まで瞬時最高出力を発生し、時刻t
47以降は連続最大出力に低下して動作するという履歴の
動作および停止状態を行っている。
更に、第6図(a)の曲線Dおよび第6図(d)で示
す場合には、時刻t40から通常の連続最大出力で時刻t47
まで動作して停止し、時刻t46から過駆動状態にして時
刻t48まで瞬時最高出力を発生し、以降は連続最大出力
に低下して動作するという履歴の動作および停止状態を
行っている。
第6図において、各停止時間t41〜t43およびt44〜t46
はすべて同一であるが、このように停止時間がすべて同
一であるにも関わらず、その前の駆動状態が異なるため
に、その後の瞬時最高出力を発生し得る過駆動状態の継
続時間、すなわちt43〜t45、t46〜t47、t46〜t48はすべ
て異なってくるのである。
このようにして、装置の過去の動作状態および停止時
間からなる履歴に着目し、この履歴における動作時間お
よび停止時間を計測し、この計測した動作時間および停
止時間の過去の時系列的データに応じて瞬時最高出力を
発生し得る過駆動状態の継続時間を算出し、この算出し
た継続時間の間のみ過駆動状態を設定して瞬時最高出力
を発生するようにしている。
次に第7図を参照して作用を説明する。ステップ100
では無効スイッチSWが操作されたか否かを判別してお
り、無効スイッチSWが操作されるとステップ340へ進み
マグネトロン17が通常の連続最大出力よりも大きな最高
出力を発生し得る時間、すなわち瞬時最高出力時間を0
に設定する。これにより通常の連続最大出力を発生する
ようにマグネトロン17が駆動される。
このように無効スイッチSWが操作されると高周波加熱
調理器は通常の連続最大出力で動作するので、家庭内に
おいて他の電気製品を使用している場合には全体の消費
電流を抑えることができる。
ステップ100において無効スイッチSWが操作されてい
ない場合はステップ110へ進む。ステップ110では高周波
加熱調理器が動作中において、その出力値が過駆動状態
の瞬時最高出力の700ワットであるか、または連続最大
出力の500ワットであるかがチェックされる。出力値が7
00ワットの場合には、その加熱時間が3分以上か、2分
以上か、1分以上かがチェックされ(ステップ120,130,
140)、また出力値が500ワットの場合には、その加熱時
間が5分以上か、3分以上か、2分以上かがチェックさ
れる(ステップ150,160,170)。
出力値が700ワットで加熱時間が3分以上の場合、お
よび出力値が500ワットで加熱時間が5分以上の場合に
は、ステップ180以降に進み、停止時間が10分以上か、
7分以上か、4分以上かがチェックされ(ステップ180,
190,200)、停止時間が10分以上の場合には、瞬時最高
出力時間が3分に設定され、停止時間が7分以上の場合
には、瞬時最高出力時間が2分に設定され、停止時間が
4分以上の場合は瞬時最高出力時間が1分に設定され、
停止時間が4分未満である場合には瞬時最高出力時間が
0に設定される(ステップ310,320,330,340)。
また、出力値が700ワットで加熱時間が2分以上の場
合、および出力値が500ワットで加熱時間が3分以上の
場合には、ステップ210以降に進み、停止時間が8分以
上か、5分以上か、2分以上かがチェックされ(ステッ
プ210,220,230)、停止時間が8分以上の場合には、瞬
時最高出力時間が3分に設定され、5分以上の場合に
は、瞬時最高出力時間が2分に設定され、2分以上の場
合には、瞬時最高出力が1分に設定され、2分未満の場
合には、瞬時最高出力時間が0に設定される(ステップ
310〜340)。
更に、出力値が700ワットで加熱時間が1分以上の場
合、および出力値か500ワットで加熱時間が2分以上の
場合には、ステップ240以降に進み、停止時間が5分以
上か、3分以上か、1分以上かがチェックされ(ステッ
プ240,250,260)、停止時間が5分以上の場合には、瞬
時最高出力時間が3分に設定され、3分以上の場合に
は、瞬時最高出力時間が2分に設定され、1分以上の場
合には、瞬時最高出力が1分に設定され、1分未満の場
合には、瞬時最高出力時間が0に設定される(ステップ
310〜340)。
また、出力値が700ワットで加熱時間が1分未満の場
合、および出力値が500ワットで加熱時間が2分未満の
場合には、ステップ270以降に進み、停止時間が3分以
上か、2分以上か、30秒以上かがチェックされ(ステッ
プ270,280,290)、停止時間が3分以上の場合には、瞬
時最高出力時間が3分に設定され、2分以上の場合に
は、瞬時最高出力時間が2分に設定され、30秒以上の場
合には、瞬時最高出力が1分に設定され、30秒未満の場
合には、瞬時最高出力時間が0に設定される(ステップ
310〜340)。
以上のように、本実施例においては、無効スイッチSW
を設けたので、通常の連続最大出力による調理と、この
様な通常の連続最大出力よりも大きな最高出力による調
理とを、例えば他の家電製品の使用による使用電力量の
オーバーなどの外的要因に応じて容易に選択して行うこ
とができる。
なお、上記実施例では、過去1回の動作時間と停止時
間を測定し、これにより瞬時最高出力時間を算出してい
るが、過去1回のみでなく、更に過去の複数回の動作時
間および停止時間の時系列データを取り入れて瞬時最高
出力時間を算出してもよいことは勿論である。
また、前述した実施例はマグネトロンの動作履歴に応
じて、マグネトロンが通常の連続最大出力よりも大きな
最高出力を発生し得る時間を設定するように構成した
が、これに限定されることなく適宜の情報、例えばマグ
ネトロンやスイッチングトランジスタ等の発熱部の温度
に応じて前記最高出力を発生し得る時間を設定するよう
に構成してもよい。
[発明の効果] 以上説明してきたように本発明によればマグネトロン
が通常の連続最大出力よりも大きな最高出力を発生し得
る状況であるか否かを判別して、最高出力を発生し得る
状況であることが判別されるときには自動的にマグネト
ロンが通常の連続最大出力よりも大きな最高出力を発生
するように駆動制御すると共に、無効指示手段からの無
効指示でこの制御を無効とすることができるので、状況
に応じて通常の連続最大出力より大きな最高出力による
調理が自動的に選択して行われると共に、必要に応じて
通常の連続最大出力による調理を選択できる。このた
め、最高出力による調理が選択された場合には、加熱調
理時間の短縮を図ることができ、通常の連続最大出力に
よる調理が選択された場合には、家庭内における全体的
な消費電力を抑えることができる。したがって、外的な
要因がある場合に、無効指示を与えることができ、使い
勝手の良い装置となっている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係わる高周波加熱調理器の
回路図、第2図は第1図の高周波加熱調理器が連続動作
時の最大出力を発生する場合の各部の動作波形図、第3
図は第1図の高周波加熱調理器が瞬時最高出力を発生す
る場合の各部の動作波形を示す図、第4図ないし第6図
は第1図の高周波加熱調理器の原理を説明するための
図、第7図は第1図の高周波加熱調理器の作用を示すフ
ローチャートである。 9……スイッチングトランジスタ 12……高周波トランス 13……インバータ回路 17……マグネトロン 19……制御回路 24……出力設定部 25……PWM部 SW……無効スイッチ
フロントページの続き (72)発明者 中川 達也 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8 東芝 オーディオ・ビデオエンジニアリング株 式会社開発事業所内 (56)参考文献 特開 平2−242025(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F24C 7/02 345

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】供給される電力のオンオフ制御により高周
    波電力を発生してマグネトロンを駆動する駆動手段と、 前記マグネトロンが通常の連続最大出力よりも大きな最
    高出力を発生し得る状況であるか否かを判別する判別手
    段と、 この判別手段によって前記最高出力を発生し得る状況で
    あることが判別されるときには自動的に前記マグネトロ
    ンが通常の連続最大出力よりも大きな最高出力を発生す
    るように前記駆動手段を制御する制御手段と、 調理器外部からの動作指示によりこの制御手段の制御を
    無効とする無効指示を出力する無効指示手段と、 を有し、この無効指示手段に対し、調理器外部からの動
    作指示がないときは最高出力による調理を選択したもの
    とし、調理器外部からの動作指示があったときは通常の
    連続最大出力による調理を選択したものとすることを特
    徴とする高周波加熱調理器。
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