JP2862553B2 - 高周波加熱調理器 - Google Patents

高周波加熱調理器

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JP2862553B2
JP2862553B2 JP1047056A JP4705689A JP2862553B2 JP 2862553 B2 JP2862553 B2 JP 2862553B2 JP 1047056 A JP1047056 A JP 1047056A JP 4705689 A JP4705689 A JP 4705689A JP 2862553 B2 JP2862553 B2 JP 2862553B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、マグネトロンを高周波インバータで駆動
し、マグネトロンから出力されるマイクロ波によって被
調理物を加熱して調理する高周波加熱調理器に関する。
(従来の技術) マグネトロンを利用した従来の加熱調理器には、商用
交流電源からの入力電圧を昇圧トランスによって直接昇
圧し、この昇圧した出力電圧を整流してマグネトロンを
駆動するものがある。このような加熱調理器では、マグ
ネトロンからのマイクロ波出力を変化させるために昇圧
トランスへの入力電圧をオン/オフする方法が取られ、
オン/オフの比率を種々変化させることによりマグネト
ロンからの平均マイクロ波出力を種々変化させている。
また、他の従来の加熱調理器には、特公昭59−14236
号公報に示すように周波数変換器を用いてマグネトロン
を駆動する構成のものがある。この加熱調理器では、周
波数変換器の周波数を変化させること等によってマグネ
トロンからマイクロ波出力を変化させている。
上述した昇圧トランスを利用した加熱調理器における
マグネトロンからのマイクロ波出力の変化は平均値とし
ての変化であるのに対して、周波数変換器を用いた加熱
調理器はマグネトロンからのマイクロ波出力をほぼ瞬時
電力として変化させ得るもので、昇圧トランスを利用し
た加熱調理器よりも優れている。また、両加熱調理器は
最大出力で連続的に被調理物を加熱することができると
ともに、この最大出力よりも少ない出力で被調理物を加
熱することもできる。
具体的には、上記昇圧トランスを利用した加熱調理器
では、昇圧トランスへの入力電圧のオフ時間を0とする
ことによって最大出力を設定できるが、この最大出力以
上の出力を出すことはできない。また、周波数変換器を
用いた加熱調理器では、周波数変換器の周波数を可変す
ることにより最大出力より大きい最高出力を出すことは
原理的には可能であるが、この場合、周波数変換器を構
成するスイッチング素子やトランスまたはマグネトロン
等の各素子に多大なストレスが加わり、その最高出力を
連続的に発生した場合には各素子が破壊してしまうこと
になるため、連続最大出力より大きい最高出力を発生す
ることは困難である。
(発明が解決しようとする課題) 上述した従来の各加熱調理器は、連続的に加熱するこ
とができ最大出力以下においてはマイクロ波出力を自在
に可変することができるが、この連続最大出力より大き
いマイクロ波出力を発生することができないという問題
がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、通常の連続最大出力よりも大きなマ
イクロ波出力を発生し、加熱調理時間の短縮化を図った
高周波加熱調理器を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明の高周波加熱調理器
は、インバータからなる駆動回路を介してマグネトロン
を駆動し、マグネトロンから出力されるマイクロ波によ
って被調理物を加熱調理する高周波加熱調理器であっ
て、前記駆動回路によるマグネトロンの駆動を停止した
時から次に前記駆動回路によってマグネトロンを再駆動
するまでの停止時間を計測する停止時間計測手段と、こ
の停止時間計測手段で測定した停止時間に従って、マグ
ネトロンが通常の連続最大出力よりも大きな最高出力を
発生し得る時間を算出する時間算出手段と、この時間算
出手段で算出した時間を表示する表示手段と、マグネト
ロンを再駆動する場合、再駆動開始時から前記時間算出
手段で算出した時間まで通常の連続最大出力りも大きい
最高出力をマグネトロンが発生するように前記駆動回路
を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
(作用) 本発明の高周波加熱調理器では、マグネトロンの駆動
を停止した時から再駆動するまでの停止時間を測定し、
この測定した停止時間に従って、マグネトロンが通常の
連続最大出力よりも大きい最高出力を発生し得る時間を
算出して表示し、この時間まで通常の連続最大手段より
も大きな最高出力をマグネトロンが発生するように駆動
回路を制御する。
(実施例) 以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明の一実施例に係わる高周波加熱調理器
の構成を示す回路図である。同図に示す高周波加熱調理
器は、商用電源1からの交流電圧を使用して作動し、こ
の商用電源1からの交流電圧は本高周波加熱調理器の扉
を閉じることによって閉成するドアスイッチ2a,2bおよ
びリレー接点3を介してファンモータ4および整流回路
8の整流ブリッジ5に供給されて整流される。
ファンモータ4には図示しないファンが取り付けら
れ、このファンによって後述するインバータ回路13のス
イッチングトランジスタ9、高周波トランス12およびマ
グネトロン17等を冷却するようになっている。
整流回路8の整流ブリッジ5は商用交流電源1からの
交流電圧を整流して直流電圧に変換し、この直流電圧を
チョークコイル6および平滑コンデンサ7で平滑し、イ
ンバータ回路13に供給している。インバータ回路13は高
周波トランス12の一次コイル12a、この一次コイル12aに
直列に接続されたスイッチングトランジスタ9、このス
イッチングトランジスタ9に並列に接続された回生電流
用ダイオード10および共振用コンデンサ11から構成さ
れ、整流回路8から高周波トランス12の一次コイル12a
に流れる一次電流I2をスイッチングトランジスタ9に
よって断続することにより高周波トランス12の二次コイ
ル12bに高出力電圧を発生するものである。
インバータ回路13におけるスイッチングトランジスタ
9の断続動作によって高周波トランス12の二次コイル12
bに発生する高出力電圧は半波倍電圧整流回路16に供給
され、倍電圧に昇圧される。半波倍電圧整流回路16は高
周波トランス12の二次コイル12b、倍電圧用コンデンサ1
4および倍電圧用ダイオード15で構成され、当該半波倍
電圧整流回路16で昇圧された倍電圧はマグネトロン17の
アノードとカソードとの間に印加されるとともに、また
高周波トランス12の三次コイル12cに発生した電圧がマ
グネトロン17のフィラメントに印加され、これによりマ
グネトロン17は駆動され、マイクロ波を出力する。
また、前記商用電源1からの交流電圧はトランス18を
介して所定の電圧に変換されて制御回路19に供給され、
図示しない整流回路等で所定き直流電圧に整流され、制
御回路19の動作電圧として制御回路19の各部に供給され
る。制御回路19はマイクロコンピュータ22と、このマイ
クロコンピュータ22に供給される動作用の基準クロック
を発生するクロック発振部23と、マイクロコンピュータ
22からの指令信号により前記リレー接点3を開閉制御す
るリレー駆動部21と、マイクロコンピュータ22からの指
令信号によりマイクロ波出力値を設定される出力設定部
24と、この出力設定部24に設定されたマイクロ波設定値
を供給され、この設定値に従って前記スイッチングトラ
ンジスタ9のスイッチングを制御するPWM部25とから構
成されている。また、前記マイクロコンピュータ22には
操作部20から入力信号が供給され、マイクロコンピュー
タ22はこの入力信号に従った動作を行うようになってい
る。
以上のように構成される高周波加熱調理器において、
まずインバータ回路13における動作を第2図および第3
図を参照して説明する。なお、第2図は第1図の高周波
加熱調理器を通常の連続最大出力で動作させた場合の各
部の波形を示す図であり、第3図は第2図に連続最大出
力よりも大きな最高出力を発生するように高周波加熱調
理器を作動させた場合の各部の波形を示す図である。
制御回路19のPWM部25はマイクロコンピュータ22によ
って出力設定部24に設定された設定値に対応する時間に
相当するオン信号をインバータ回路13のスイッチングト
ランジスタ9に供給する。このPWM部25からスイッチン
グトランジスタ9に供給されるオン信号は第2図(f)
に示されるように時刻t0からt1までの継続時間tonを有
し、このオン信号がスイッチングトランジスタ9に供給
されると、このオン信号の間スイッチングトランジスタ
9はオン状態になる。スイッチングトランジスタ9がオ
ンになると、スイッチングトランジスタ9には第2図
(a)に示すように電流I1が高周波トランス12の一次コ
イル12aを介して高周波トランス12のインダクタンスに
従って徐々に上昇するように時刻t0からt1まで流れると
ともに、また同様に第2図(c)に示すような電流I2
高周波トランス12の一次コイル12aに徐々に上昇するよ
うに流れる。このようにスイッチングトランジスタ9が
オンしている時のスイッチングトランジスタ9のコレク
ターエミッタ間電圧Vceはだ2図(b)に示すように非
常に小さな電圧となっている。更に、この場合に高周波
トランス12の二次コイル12bおよびマグネトロン17に
は、第2図(d)および(e)にそれぞれ示す二次電流
I3およびマグネトロン電流I4が流れ、このマグネトロン
電流I4によってマグネトロン17は駆動され、マイクロ波
を発生する。なお、高周波トランス12の二次コイル12b
に流れる二次電流I3のうち、正方向の電流がマグネトロ
ン17にアノード電流として流れ、他方の負方向の電流は
半波倍電圧整流回路16の倍電圧用ダイオード15を介して
倍電圧用コンデンサ14に充電電流として流れ、これによ
り倍電圧用コンデンサ14に充電された電圧が次のサイク
ルの正方向の電圧に加算されて倍電圧がマグネトロン17
に印加されるようになっている。
時刻t0からt1までのオン時間tonの間は、スイッチン
グトランジスタ9には高周波トランス12の一次コイル12
aに流れている電流と同じ電流が流れるが、時刻t1にな
って、オン信号がなくなると、スイッチングトランジス
タ9はオフになり、スイッチングトランジスタ9に流れ
ていた電流I1は第2図(a)に示すように0なる。スイ
ッチングトランジスタ9がオフになった後、高周波トラ
ンス12の一次コイル12aに流れていた電流I2は第2図
(c)の時刻t1以降で示すように共振用コンデンサ11に
流れて共振状態になり、これにより共振用コンデンサ11
は充電され、共振用コンデンサ11の電圧、すなわちスイ
ッチングトランジスタ9のコレクターエミッタ間電圧Vc
eを第2図(b)に示すように上昇する。この共振状態
において、高周波トランス12の一次コイル12aに流れて
いた電流I2の向きが逆転する時点でコレクターエミッタ
間電圧Vceは最も高い電圧になり、その後、この電圧Vce
は低下し、時刻t2において電圧Vceは0になる。このよ
うに電圧Vceが0になる時刻t2になると、高周波トラン
ス12の一次コイル12aに流れている電流I2は共振用コン
デンサ11に流れるのでなく、回生電流用ダイオード10を
電流I1として流れるようになり、I1=I2になる。
時刻t2から所定時間遅れた時刻t3において、PWM部25
から再度オン信号が発生し、スイッチングトランジスタ
9に供給され、スイッチングトランジスタ9は再度オン
になる。スイッチングトランジスタ9がオンになるとと
もに、高周波トランス12の一次コイル12aに流れる電流I
2は再度正方向になる時刻t4から電流I1は回生電流用ダ
イオード10を流れるのでなく、スイッチングトランジス
タ9を流れるようになる。以降同様に、スイッチングト
ランジスタ9がオンのオン時間tonの間は、高周波トラ
ンス12のインダクタンスに従った傾きで徐々に上昇する
ようにスイッチングトランジスタ9および高周波トラン
ス12の一次コイル12aに電流I1およびI2がそれぞれ流
れ、オン時間tonの後に再度前記共振状態になるという
動作を繰り返し、これによりマグネトロン17に第2図
(e)に示すようなマグネトロン電流I4が流れ、これに
よりマグネトロン17は駆動され、マイクロ波を発生す
る。
ここで、マイクロコンピュータ22によって出力設定部
24に第2図で示したオン時間tonよりも小さいオン時間
に相当する設定値を設定した場合には、前述したように
スイッチングトランジスタ9に流れる電流I1、高周波ト
ランス12の一次コイル12aに流れる一次電流I2、高周波
トランス12の二次コイル12bに流れる二次電流I3および
マグネトロン17に流れるマグネトロン電流I4は該設定値
に比例してすべて小さな電流値になる。すなわち、スイ
ッチングトランジスタ9を駆動するオン時間tonを可変
することによってマグネトロン17からのマイクロ波出力
を任意の値に可変することができる。
第3図は第2図に示した連続動作時の最大出力よりも
大きな瞬時最高出力を出した過駆動時の第2図に対応す
る各部の動作波形を示す図である。第3図においては、
過駆動状態を形成して、第2図の連続最大出力よりも大
きな瞬時最高出力をマグネトロン17から出力するため
に、第2図に示したオン時間tonよりも長居オン時間ton
を設定している。この結果、第3図の各部の電流波形
I1,I2,I3,I4は、第2図の各部の対応する電流波形と
比較するとわかるように、オン時間tonが終了してスイ
ッチングトランジスタ9がオフになる時点においてすべ
て大きくなり、過駆動状態になっている。従って、マグ
ネトロン17は第2図に示した連続最大出力よりも大きな
最高出力のマイクロ波を出力することになる。なお、こ
の過駆動状態では、スイッチングトランジスタ9に流れ
る電流I1が大きくなるとともに、スイッチングトランジ
スタ9のコレクターエミッタ間電圧Vceも大きくなって
いるので、スイッチングトランジスタ9からの発熱はそ
の分大きくなり、このままの過駆動状態を継続すると、
スイッチングトランジスタ9は破壊することになる。ま
た、同様に、高周波トランス12およびマグネトロン17に
流れる電流も大きくなっているので、高周波トランス12
およびマグネトロン17からの発熱もその分大きくなり、
このままの過駆動状態が継続すると、高周波トランス12
およびマグネトロン17は破損することになる。
ところで、このようなスイッチングトランジスタ9、
高周波トランス12およびマグネトロン17等の各素子の過
駆動状態による破壊および破損は、各素子における電流
と電圧による発熱による温度上昇から起こるものであ
り、この温度上昇は瞬時的に発生するものでなく、過駆
動状態じ動作を開始して徐々に各素子の温度が上昇し、
破壊温度に達するものであり、動作開始してから破壊温
度に達するまでにはある時間かかるものである。
更に具体的に、第4図を参照して説明する。第4図
(a)は横軸に第1図の高周波加熱調理器の作動時間を
取り、縦軸にスイッチングトランジスタ9の温度を示す
グラフであり、第4図(b)〜(d)は横軸に第4図
(a)の横軸の時間に対応した取った時間を示し、縦軸
に前記マグネトロン17からの出力レベルを示している。
第1図の高周波加熱調理器を第2図で示した連続最大
出力で動作させた場合には、第4図(a)の曲線Aで示
すように、時刻t10から動作を開始した場合、動作開始
時刻t10で初期温度T1あったスイッチングトランジスタ
9の温度は徐々に上昇し、時刻t12には飽和温度T3にな
り、更に動作を継続してもスイッチングトランジスタ9
の温度は飽和温度以上上昇せず、スイッチングトランジ
スタ9は破壊することなく連続動作を継続することがで
きる。この通常連続状態においては、第4図(c)に示
すように本高周波加熱調理器は例えば500ワットの連続
最大出力を連続的に出力しても破壊することがない。
一方、高周波加熱調理器を通常連続状態の連続最大出
力よりも大きな最高出力を発生して第3図で示した過駆
動状態で動作させた場合には、第4図(a)の曲線Bで
示すように、スイッチングトランジスタ9の温度は曲線
Aの場合より急激に上昇し、スイッチングトランジスタ
9が破壊しなければ温度T6まで上昇して飽和するはずで
あるが、この飽和温度T6よりも低い破壊温度T5になった
時点t12で破壊してしまうとを示している。この過駆動
状態は、第4図(d)に示すように、高周波加熱調理器
は連続最大出力よりも大きな例えば700ワットの最高出
力を発生し、時刻t12で破壊することになる。
また、第4図(a)に示す曲線Cは、スイッチングト
ランジスタ9の温度が前記連続最大出力時の飽和温度T3
よりも若干低い所定の安全温度T2になる時刻t11まで
は、高周波加熱調理器が最高出力を発生するように過駆
動状態で動作させ、当該所定の過駆動安全温度T2になっ
た時刻t11以降は出力を連続最大出力まで低下して動作
させているものである。このように動作させることによ
りスイッチングトランジスタ9の温度は最終的には連続
最大出力時の飽和温度T3で飽和し、スイッチングトラン
ジスタ9が破壊することがないのである。第4図(b)
は、この場合の高周波加熱調理器の出力状態を示してい
るが、時刻t10からt11までの期間は例えば700ワットの
過駆動状態の最高出力を発生し、時刻t11は例えば500ワ
ットの連続最大出力を発生している。
ところで、実際の使用状態では、高周波加熱調理器を
複数回連続して動作させる場合もあれば、使用環境温度
が低かったり、高かったりする場合もあり、これらの場
合において装置の作動開始時の初期温度T1は種々異なる
ことになるが、この初期温度T1によって瞬時最高出力を
発生し得る過駆動状態の継続時間も異なったものにな
る。例えば、装置作動開始時の初期温度T1が低い時に過
駆動状態にして瞬時最高出力を発生した場合、スイッチ
ングトランジスタ9の温度が過駆動安全温度T2に達する
までの時間、すなわち瞬時最高出力を発生し得る過駆動
状態の継続時間は長くなり、また初期温度T1が高い時に
は、スイッチングトランジスタ9の温度が過駆動安全温
度T2に達するまでの時間、すなわち瞬時最高出力を発生
し得る過駆動状態の継続時間は短くなるものである。
また、スイッチングトランジスタ9の初期温度は、前
回の駆動動作を終了してからの停止時間の長さによって
も変化する。すなわち、初期温度は装置の停止時間が長
ければ長い程低くなる特性がある。従って、この停止時
間を測定すれば、初期温度が推定される。また、上述し
たように、初期温度が低い程、瞬時最高出力を発生し得
る過駆動状態の継続時間も長くなる。この結果、停止時
間を測定すれば、瞬時最高出力を発生し得る過駆動状態
の継続時間を推定することができることになる。
具体的には、第5図を参照して説明する。第5図
(a)〜(d)は横軸に時間を示し、縦軸は第5図
(a)がスイッチングトランジスタ9の温度を示し、第
5図(b)〜(d)がマグネトロン17からの出力レベル
を示している。また、第5図(b)〜(d)はそれぞれ
第5図(a)の曲線B〜Dに対応しているものである。
第5図においては、時刻t10で高周波加熱調理器は前
回の動作を停止したものとし、この停止した時のスイッ
チングトランジスタ9の温度は飽和温度T3である。そし
て、この時刻t10でスイッチングトランジスタ9の温度
は飽和温度T3にあったものが、第5図(a)の点線で示
す曲線Aで示すように、停止したことにより徐々に低下
し、最終的には周囲環境温度まで低下していくことにな
る。
ここで、第5図(a)の曲線Bおよび第5図(b)で
示すように、時刻t10から停止し始めて、停止時の飽和
温度T3が温度T11まで低下した時刻t11から高周波加熱調
理器を瞬時最高出力を発生する過駆動状態で再駆動する
と、スイッチングトランジスタ9の温度は時刻t11の温
度T11から再上昇し、時刻t11aで過駆動安全温度T2に達
する。従って、この時刻以降は通常の連続最大出力に低
下させて動作させ、スイッチングトランジスタ9の温度
を連続最大出力時の飽和温度T3に安定させる。なお、こ
の場合の瞬時最高出力の過駆動状態の継続時間は温度T
11の時刻t11から過駆動安全温度T2になるt11aまでの間
である。
また、第5図(a)の曲線Cおよび第5図(c)で示
すように、時刻t10から停止し始めて、停止時の飽和温
度T3が温度T21まで低下した時刻t21から瞬時最高出力の
過駆動状態で再駆動すると、トランジスタ9の温度は時
刻t21から再上昇し、時刻t21aで過駆動安全温度T2に達
する。この場合の瞬時最高出力の過駆動状態の継続時間
は温度T21の時刻t21から過駆動安全温度T2になるt21a
での間である。
すなわち、上述した2つの例における瞬時最高出力の
過駆動状態の継続時間を比較すると、後者のように停止
時間が長く、装置が冷却して再作動開始時の初期温度が
低い程、瞬時最高出力の過駆動状態の継続時間が長いこ
とがわかる。
同様にして、第5図(d)の曲線Dおよび第5図
(d)で示すように、停止時間が更に長く、再作動開始
時の初期温度がT31となって更に低い場合、すなわち時
刻t10から停止していたものを更に停止時間を長くして
時刻t31から瞬時最高出力の過駆動状態で再駆動する
と、この瞬時最高出力の過駆動状態は更に長い時刻t31a
まで継続する。
このように、本発明は、装置の停止時間に着目し、こ
の停止時間を計測し、この計測した停止時間に応じて瞬
時最高出力を発生し得る過駆動状態の継続時間を算出
し、この算出した継続時間の間のみ過駆動状態を設定し
て瞬時最高出力を発生するようにしたものである。
第6図はこのような本実施例の作用を示すフローチャ
ートである。第6図を参照して、作用を説明する。本高
周波加熱調理器が停止すると、該停止から次に再作動す
るまでの加熱停止期間toffを検出する(ステップ11
0)。そして、この停止期間toffが前述した第5図の期
間(t31−t10)より長い場合には、瞬時最高出力を発生
する過駆動状態の継続時間を(t31a−t31)に設定し
(ステップ130)、この設定時間まで過駆動状態にして
瞬時最高出力を発生し、加熱調理を行い、以降は通常の
連続最大出力に切り替える。
また、停止期間toffが期間(t31−t10)よりも短い場
合には、この停止期間toffが更に短い場合には、この停
止期間toffが更に短い期間(t21−t10)より長いか否か
をチェックする(ステップ140)。長い場合には、瞬時
最高出力を発生する過駆動状態の継続時間を更に短い期
間(t21a−t21)に設定し(ステップ150)、この設定時
間まで過駆動状態にして瞬時最高出力を発生する。ま
た、停止期間toffが期間(t21−t10)よりも短い場合に
は、この停止期間toffが更に短い期間(t11−t10)より
長いか否かをチェックする(ステップ160)。長い場合
には、瞬時最高出力を発生する過駆動状態の継続時間を
更に短い期間(t11a−t11)に設定し(ステップ170)、
この設定時間まで過駆動状態にして瞬時最高出力を発生
する。また、停止期間toffが期間(t11−t10)よりも短
い場合には、瞬時最高出力を発生する過駆動状態の継続
時間を0に設定し、通常の連続最大出力のみで作動させ
る。
以上のように、本実施例においては、スイッチングト
ランジスタ9等の温度を測定する必要もなく、単に停止
期間を測定するだけで瞬時最高出力を発生し得る過駆動
状態の継続時間を算出することができ、温度測定手段を
一切必要としないので、制御回路の単純化を図ることが
でき、部品点数を低減し、信頼性の向上、コストダウン
を図ることができる。
本実施例においては装置の停止時間に基づいて瞬時最
高出力を発生し得る過駆動状態の継続時間を決めている
が、これは逆に本高周波加熱調理器を使用開始しようと
する時において停止時間から瞬時最高出力を発生し得る
過駆動状態の継続時間を算出し、この算出した時間を例
えば表示部等に表示して使用者に明示するように構成す
ることにより、過駆動状態による瞬時最高出力で短縮し
た加熱調理時間を把握することができる。
具体的には、例えば500ワットで3分加熱を必要とす
る調理があったとし、この場合に700ワットの瞬時最高
出力時間が4分と表示されたとすると、使用者は700ワ
ットの瞬時最高出力だけで加熱調理を行うことができる
ことがわかり、この結果加熱時間の設定を2.14分、すな
わち3×500/700=2.14分とすればよいことがわかる。
また、同様に500ワットで3分加熱を必要とする調理
の場合で、瞬時最高出力時間が1分30秒と表示されたと
すると、加熱調理を2.4分、すなわち(3×500−1.5×7
00)÷500+1.5=2.4分と設定すればよいことがわかる
のである。
なお、上記実施例では、第6図に示したように、停止
期間toffを3段階に分けて説明したが、これに限定され
るものでなく、更に複数の区分に分けてもよいし、また
は数式を利用して連続的に変化するようにしてもよいこ
とは勿論である。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、マグネトロン
の駆動を停止した時から再駆動するまでの停止時間を測
定し、この測定した停止時間に従って、マグネトロンが
通常の連続最大出力よりも大きい最高出力を発生し得る
時間を算出して表示し、この時間まで通常の連続最大手
段よりも大きな最高出力をマグネトロンが発生するよう
に駆動回路を制御するので、通常の連続最大出力よりも
大きな最高出力を発生して加熱調理を行うことができ、
加熱調理時間を短縮化することができるとともに、また
装置作動開始時に瞬時最高出力を発生し得る継続時間を
使用者に報告して、迅速且つ的確な調理の実現に寄与す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係わる高周波加熱調理器の
回路図、第2図は第1図の高周波加熱調理器が連続動作
時の最大出力を発生する場合の各部の動作波形図、第3
図は第1図の高周波加熱調理器が瞬時最高出力を発生す
る場合の各部の動作波形を示す図、第4図および第5図
は第1図の高周波加熱調理器の原理を説明するための
図、第6図は第1図の高周波加熱調理器の作用を示すフ
ローチャートである。 9…スイッチングトランジスタ 12…高周波トランス 13…インバータ回路 17…マグネトロン 19…制御回路 24…出力設定部 25…PWM部
フロントページの続き (72)発明者 中川 達也 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8 東芝 オーディオ・ビデオエンジニアリング株 式会社開発事業所内 (56)参考文献 特開 昭64−12492(JP,A) 特開 昭50−5950(JP,A) 特開 昭64−12493(JP,A) 実開 昭49−48548(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05B 6/68 350 F24C 7/02 345

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インバータからなる駆動回路を介してマグ
    ネトロンを駆動し、マグネトロンから出力されるマイク
    ロ波によって被調理物を加熱調理する高周波加熱調理器
    であって、 前記駆動回路によるマグネトロンの駆動を停止した時か
    ら次に前記駆動回路によってマグネトロンを再駆動する
    までの停止時間を計測する停止時間計測手段と、 この停止時間計測手段で測定した停止時間に従って、マ
    グネトロンが通常の連続最大出力よりも大きな最高出力
    を発生し得る時間を算出する時間算出手段と、 この時間算出手段で算出した時間を表示する表示手段
    と、 マグネトロンを再駆動する場合、再駆動開始時から前記
    時間算出手段で算出した時間まで通常の連続最大出力よ
    りも大きい最高出力をマグネトロンが発生するように前
    記駆動回路を制御する制御手段と を有することを特徴とする高周波加熱調理器。
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