JP2004334623A - 温度制御装置 - Google Patents

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温 風間
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Abstract

【課題】大電力時の電力制御を開閉器により行うようにし、半導体素子に大電力用を用いずに済むようにした温度制御装置を提供する。
【解決手段】乾燥炉3はヒータ4によって加熱される。ヒータ4と交流電源の入力端子1a,1bとの間には電磁開閉器2が接続され、この電磁開閉器2にはトライアック5が並列接続されている。制御ユニット6は、ヒータ4への通電開始時には電磁開閉器2を介してヒータ4に通電を行い、温度センサ7が設定温度の約90%の温度を検出して以降は、電磁開閉器2をオフにし、トライアック5を動作させてヒータ4に通電を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度制御装置に関し、特に、電力用半導体素子による温度制御は低容量時に限定し、電力用半導体素子の定格容量を低減できるようにした温度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、乾燥炉の炉内温度をヒータにより制御する場合、所望の温度になるまではヒータに連続通電を行い、設定温度値の近傍ではオフとオンを繰り返して設定値を維持するようにしている。ヒータの通電制御は、通電電流が大きい場合、接点の接触不良、焼損等を回避する目的から、機械的動作をするリレー等は用いず、サイリスタ(Thyristor)、GTO(ゲート・ターンオフ・サイリスタ)、トライアック(TRIAC:3極双方向サイリスタ)等の電力制御用半導体素子(以下、電力用半導体素子という)が用いられる。
【0003】
この場合、電力用半導体素子の定格は、当該電力用半導体素子を流れる最大電流及び最大電力に耐える容量のものを選ぶ必要がある。しかし、炉内温度が低いときには電力用半導体素子に連続的に電流が流れるものの、或る温度以上の炉内温度においては断続的に電流が流れるため、平均電力は数分の一程度になる。したがって、ヒータの通電制御を1個の電力用半導体素子のみで行おうとすれば、連続通電時の耐電力容量を持つ大型で高価な電力用半導体素子が必要になる。
【0004】
そこで、大電力範囲の動作域(炊飯時)ではリレーとトライアックによる並列回路によって電力制御をし、小電力の動作域(保温時)ではトライアックのみにより電力制御を行う調理器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特公平1−28570号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の温度制御装置によると、大電力時にリレーのみによりオン/オフを行った場合にリレー接点がアークにより溶着するのを防止するため、オン時にはトライアックを先にオンにさせてからリレーをオンにし、オフ時にはリレーを先にオフにしてからトライアックをオフにさせている。
【0007】
このような制御は、比較的小電流のオン/オフに用いられるリレーを用い、かつオン/オフが頻繁に行われる制御(例えば、炊飯モード)を行う場合に有効であり、調理器に比べ、大電力を必要とする乾燥炉では電流容量が少ないリレーを用いることができず、機械的スイッチとしては電磁開閉器等を用いることになる。したがって、特許文献1のようにトライアックに電磁開閉器を並列にして並列回路を構成することによる制御は不要であり、乾燥炉等の制御に適用することはできない。
【0008】
したがって、本発明の目的は、大電力時の電力制御は開閉器により行うと共に小電力時の電力制御は半導体素子により行い、大電力用の半導体素子を用いずに済むようにした温度制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、雰囲気内の温度を調整する発熱体に、通電開始から設定温度近傍にかけては連続的に電流を流し、前記設定温度の近傍に達した後は断続的に通電を行って前記設定温度を維持する温度制御装置において、電源と前記発熱体との間に接続される電磁開閉器と、前記電磁開閉器に並列接続されると共に前記設定温度及び前記設定温度近傍の温度のときに前記発熱体に流れる電流に応じた電力容量をもった電力用半導体素子と、前記雰囲気内の温度を測定する温度センサと、前記通電開始から前記設定温度近傍にかけては前記電磁開閉器をオンにして前記発熱体に通電を行い、前記温度センサが前記設定温度の近傍の温度を検出した後は前記電磁開閉器をオフにすると共に前記電力用半導体素子を動作させて前記発熱体に通電を行う制御部とを備えることを特徴とする温度制御装置を提供する。
【0010】
この構成によれば、通電開始から設定温度近傍にかけては電磁開閉器を介して発熱体に通電を行い、雰囲気温度が設定温度近傍になった以後は電磁開閉器に代え、電力用半導体素子を用いて通電制御を行う。これにより、電力用半導体素子は最大電力に合わせた電力容量のものを用いる必要がなくなり、小容量のもので間に合うため、小電力用の半導体素子を用いることか可能になり、コストダウン及び温度制御装置の小型化が可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る温度制御装置の構成を示す。
交流の商用電源(ここでは、AC200V)が印加される入力端子1a,1bには、電磁開閉器2と乾燥炉3に設置されている発熱体としてのヒータ4を直列にして接続されている。電磁開閉器2には、トライアック5が並列接続されている。このトライアック5及び電磁開閉器2は、制御ユニット6によって制御される。また、乾燥炉3には温度センサ7が設置され、炉内温度を検出し、その検出信号を制御ユニット6へ送出する。
【0012】
ヒータ4は、例えば20KWの電力容量を有しており、最大で100Aが流れる。したがって、電磁開閉器2は、100Aを支障なく流せる定格のものを用いる。乾燥炉3は、ヒータ4によって例えば500℃に加熱される。電磁開閉器2には制御ユニット6から駆動電流2aが印加され、トライアック5にはゲート制御信号5aが制御ユニット6から印加される。制御ユニット6は、CPU、ROM、RAMのほか、電磁開閉器2及びトライアック5を接続するためのインターフェース等(いずれも図示せず)を備えて構成されるマイクロコンピュータであるが、専用の制御回路による構成であってもよい。
【0013】
図2は制御ユニット6により実行される処理を示す。また、図3は炉内温度及びヒータ電流と時間の関係を示す。図1〜図3を参照して、本発明に係る温度制御装置の動作を以下に説明する。なお、図2においては、ステップを「S」で表している。
【0014】
入力端子1a,1bに接続された状態で、制御ユニット6の電源スイッチ(図示せず)がオンにされると(S101)、制御ユニット6から電磁開閉器2に駆動電流2aが送られることにより電磁開閉器2がオンにされる。この結果、ヒータ4に通電が行われる。このとき、トライアック5はオフ状態にある。ヒータ4への通電により、乾燥炉3内の温度は徐々に上昇する。温度制御中の炉内温度は温度センサ7によって逐次測定される。
【0015】
図3のように、ヒータ4への通電開始直後は、ヒータ4の抵抗値が低いために大きな電流が流れ、ヒータ4が加熱するにつれて抵抗値が大きくなるため、電流は或るレベルまで減り、以後は一定値になる。時間の経過に伴って乾燥炉3の内部温度は徐々に上昇する。乾燥炉3内の温度が、乾燥炉3の目標温度(500℃)の90%(450℃)に到達すると(S103)、制御ユニット6によって電磁開閉器2がオフにされ、同時に制御ユニット6からトライアック5にゲート信号5aが送られることにより、トライアック5がオンにされる(S104)。この段階では、図3に示すように温度はほぼ設定値に近づいている。そこで、トライアック5はPID(比例・積分・微分)制御により(S105)、オンとオフを繰り返す制御をし、設定温度を維持するように制御する。この制御は、電源オフが検出(S106)されるまで継続される。
【0016】
トライアック5の動作中は、連続通電ではなく断続通電になるため、トライアック5に流れる電流はヒータ4に流れる最大電流の約20%(20A)であり、電磁開閉器2に比べて大幅に少ない電力容量の定格で済むことになる。したがって、トライアック5は、PID制御に基づいてヒータ4の最大電流の約20%を長時間流し続けた場合でも、支障なく安定動作する定格のものを選択することになる。このように、トライアック5は20〜30A以下の比較的小容量の定格のもので済むため、ローコスト化が可能になり、装置の低価格化及び小型化を図ることができる。
【0017】
上記実施の形態においては、電力用半導体素子としてトライアックを用いるものとしたが、同様の機能を有する他の電力用半導体素子を用いることができることはいうまでもない。そして、電力用半導体素子は、1本で必要な電力をまかなう必要はなく、複数個を並列接続し、分担する構成であってもよい。
【0018】
また、上記実施の形態においては、乾燥炉を示したが、本発明は、乾燥炉以外の装置、例えば、加熱炉、陶器窯、恒温槽、焼却炉、オーブン、電気ストーブ、電磁調理器等の装置にも適用可能である。また、発熱体はヒータに限定されるものではなく、通電に伴って発熱する全てのものが含まれる。
【0019】
【発明の効果】
以上より明らかなように、本発明の温度制御装置によれば、通電開始から設定温度近傍にかけては電磁開閉器を介して発熱体に通電を行い、雰囲気温度が設定温度近傍になった以後は電磁開閉器をオフにし、これに代えて電力用半導体素子により通電制御を行う構成にしたので、電力用半導体素子を最大電流に合わせた電力容量のものを選ぶ必要がなく、小電力容量のもので間に合うため、コストダウン及び温度制御装置の小型化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る温度制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の制御ユニットの処理を示すフローチャートである。
【図3】炉内温度及びヒータ電流と時間の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1a,1b 入力端子
2 電磁開閉器
2a 駆動電流
3 乾燥炉
4 ヒータ
5 トライアック
5a ゲート制御信号
6 制御ユニット
7 温度センサ

Claims (4)

  1. 雰囲気内の温度を調整する発熱体に、通電開始から設定温度近傍にかけては連続的に電流を流し、前記設定温度の近傍に達した後は断続的に通電を行って前記設定温度を維持する温度制御装置において、
    電源と前記発熱体との間に接続される電磁開閉器と、
    前記電磁開閉器に並列接続されると共に前記設定温度及び前記設定温度近傍の温度のときに前記発熱体に流れる電流に応じた電力容量をもった電力用半導体素子と、
    前記雰囲気内の温度を測定する温度センサと、
    前記通電開始から前記設定温度近傍にかけては前記電磁開閉器をオンにして前記発熱体に通電を行い、前記温度センサが前記設定温度の近傍の温度を検出した後は前記電磁開閉器をオフにすると共に前記電力用半導体素子を動作させて前記発熱体に通電を行う制御部とを備えることを特徴とする温度制御装置。
  2. 前記電力用半導体素子は、トライアックであることを特徴とする請求項1記載の温度制御装置。
  3. 前記電力用半導体素子は、前記電力容量として、最大電流の約20%の値の電流を長時間支障なく通電可能な値を満たしていることを特徴とする請求項1記載の1又は2記載の温度制御装置。
  4. 前記制御部は、前記設定温度近傍の温度として、設定温度の90%の温度値を用いることを特徴とする請求項1記載の温度制御装置。
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