JP7511075B1 - 前処理装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 0007511075000001
【課題】鋼帯の酸化の度合いを調整できる前処理装置を提供する。
【解決手段】鋼帯Sの酸化膜を除去する還元炉100の処理上流側に設けられる前処理装置10であって、鋼帯Sを誘導加熱で加熱する誘導加熱装置1と、誘導加熱装置1の処理上流側又は下流側に設けられ、鋼帯Sに雰囲気ガスを直接噴射する噴射ノズル2と、誘導加熱装置1において、鋼帯Sが搬送される搬送通路3内の雰囲気ガスを循環させる循環流路4と、循環流路4の酸素濃度を測定する酸素濃度測定装置5と、酸素濃度測定装置5の測定結果に基づき、循環流路4に供給する酸素供給量を調整する酸素含有ガス供給装置6と、を備えており、噴射ノズル2は、酸素含有ガス供給装置6によって酸素含有ガスが供給された循環流路4の雰囲気ガスを鋼帯Sに噴射するようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼帯の酸化膜を除去する還元炉の処理上流側に設けられる前処理装置に関する。
従来、鋼帯の焼鈍工程において、鋼帯の表面における酸化膜の生成防止又は酸化膜を除去するため、還元炉において還元雰囲気で鋼帯に加熱・冷却処理を行っている。その加熱処理の前に前処理として、特許文献1には、表面をわずかに酸化させることにより、還元炉での加熱処理後のメッキの密着性を向上させる構成が開示されている。
特公昭51-40016号公報 特開平1-262967号公報 特開平9-256074号公報 特開2021-91960号公報
しかし、特許文献1に示される構成では、単に弱酸性のガスを前処理装置内へ導入するだけであり、装置内雰囲気の成分の調整や積極的な酸化膜の生成を行うことは難しい。また、導入されたガスは、装置の出入口から自然排出されるため、均一な前処理を行うことは難しく、導入されたガスを排出してしまうという無駄も生じる。
そこで、特許文献2に示されるように、誘導加熱式の装置内に鋼帯に沿って雰囲気ガスを流して循環させてガスを再利用する構成や、特許文献3及び4に示されるように、雰囲気ガスの循環流路にドライヤや加湿器を設けて、装置内雰囲気の露点(水分量)を調整する構成が開示されているが、いずれにしても、循環する雰囲気ガスが鋼帯の表面に接触しにくく、鋼帯の酸化の度合いを調整することが困難であった。
そこで、本発明では、鋼帯の酸化の度合いを調整できる前処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、鋼帯の酸化膜を除去する還元炉の処理上流側に設けられる前処理装置であって、
鋼帯を誘導加熱で加熱する誘導加熱装置と、
前記誘導加熱装置の処理上流側又は下流側に設けられ、鋼帯に雰囲気ガスを直接噴射する噴射ノズルと、
前記誘導加熱装置において、鋼帯が搬送される搬送通路内の雰囲気ガスを循環させる循環流路と、
前記循環流路の酸素濃度を測定する酸素濃度測定装置と、
前記酸素濃度測定装置の測定結果に基づき、前記循環流路に供給する酸素含有ガス供給量を調整する酸素含有ガス供給装置と、を備えており、
前記噴射ノズルは、前記酸素含有ガス供給装置によって酸素含有ガスが供給された前記循環流路の雰囲気ガスを鋼帯に噴射するようになっている。
前記構成によれば、循環流路の酸素濃度の測定結果に基づき循環流路への酸素含有ガス供給量を調整することによって、噴射ノズルから噴射される雰囲気ガスの酸素濃度を調整することができる。さらに、噴射ノズルから酸素濃度が調整された雰囲気ガスを鋼帯に直接噴射することによって、鋼帯の表面の酸化の度合いを調整することができる。また、鋼帯が搬送される搬送通路内の雰囲気ガスを循環させることによって、鋼帯を酸化させる雰囲気ガスを効率よく使用することができる。
本発明によると、鋼帯の酸化の度合いを調整できる前処理装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る前処理装置の概略構成図である。 噴射ノズル部分の拡大概略図である。 循環ファン411と循環ファン421を共通化し、ガス精製装置412とガス精製装置422とを共通化した前処理装置の概略構成図である。 一対の噴射ノズルがそれぞれ2方向に雰囲気ガスを噴射する噴射ノズル部分の拡大概略図である。 噴射ノズルのさらに別の実施形態を示す概略図である。 図5から内周側円筒部を回転させた状態を示す概略図である。 図5から図6と反対方向に内周側円筒部を回転させた状態を示す概略図である。
図1は、本発明の実施形態に係る前処理装置10の概略構成図である。図1に示されるように、前処理装置10は、処理材である鋼帯Sの酸化膜を除去する還元炉100の処理上流側に設けられており、鋼帯Sを誘導加熱で加熱する誘導加熱装置1と、誘導加熱装置1の処理下流側に設けられ、鋼帯Sにガスを直接噴射する噴射ノズル2と、誘導加熱装置1において、鋼帯Sが搬送される搬送通路3内の雰囲気ガスを循環させる循環流路4と、循環流路4の酸素濃度を測定する酸素濃度測定装置5と、酸素濃度測定装置5の測定結果に基づき、循環流路4に供給する酸素含有ガス供給量を調整する酸素含有ガス供給装置6と、を備えている。なお、酸素含有ガスとは、成分に酸素が含まれていればよく、純酸素や空気も該当する。図1では、鋼帯Sは縦型の前処理装置10内を下から上に向けて搬送されている。図示しないが、その搬送は還元炉100よりも下流で鋼帯Sをコイル状に巻き取ること等によって行われる。
誘導加熱装置1は、ソレノイド型誘導加熱装置11及びトランスバース型誘導加熱装置12を備えており、ソレノイド型誘導加熱装置11は、トランスバース型誘導加熱装置12の処理上流側に設けられている。
噴射ノズル2は、ソレノイド型誘導加熱装置11及びトランスバース型誘導加熱装置12のそれぞれ処理下流側に複数設けられている。図2は、噴射ノズル2部分の拡大概略図である。図2に示されるように、噴射ノズル2は、鋼帯Sに対して垂直に対向するよう一対として設けられており、ソレノイド型誘導加熱装置11に近い側の一対の噴射ノズル21a、21bは、ガスの噴射方向が鋼帯Sに対して(鋼帯Sの搬送方向Xに対して)鋭角θ1をなすように構成されている。そして、噴射ノズル21a、21bの処理下流側には、ガスの噴射方向が鋼帯Sに対して(鋼帯Sの搬送方向Xに対して)垂直な方向である一対の噴射ノズル22a、22bが配置されている。
トランスバース型誘導加熱装置12の処理下流側にも、ソレノイド型誘導加熱装置11の処理下流側と同様、噴射ノズル2が、鋼帯Sに対して垂直に対向するよう一対として設けられている。トランスバース型誘導加熱装置12に近い側の一対の噴射ノズル23a、23bは、ガスの噴射方向が鋼帯Sに対して(鋼帯Sの搬送方向Xに対して)鋭角θ1をなすように構成されている。そして、噴射ノズル23a、23bの処理下流側には、ガスの噴射方向が鋼帯Sに対して(鋼帯Sの搬送方向Xに対して)垂直な方向である一対の噴射ノズル24a、24bが配置されている。なお、噴射ノズル21a、21b、22a、22b、23a、23b、24a、24bの構造は、例えば鋼帯Sの幅方向に延伸する円筒状のパイプであり、噴射口Aはパイプの延伸方向に連結して設けられた小孔もしくはスリット(共に図示せず)であり、循環流路4から送られてくる雰囲気ガスを噴射する。このため、噴射ノズル21a~24bは、雰囲気ガスの状態として、図示していないが、パイプの内側に仕切りを入れ、専用のヒータを設けることで、鋼帯Sの幅方向で温度を異ならせるようにしたり、小孔もしくはスリットの位置及び大きさを調整すること等によって、鋼帯Sの幅方向で噴射量を調整できる構造となっている。また、噴射ノズル21a~24bを全体的に回転させることによって、噴射方向を自在に設定してもよい。本実施形態では、噴射方向が鋼帯Sに対して垂直な方向である一対の噴射ノズルと鋼帯Sに対して鋭角θ1をなす一対の噴射ノズルが設けられているが、さらに、別の一対の噴射ノズルが設けられ、その噴射方向が鋼帯Sに対して垂直または鋭角θ1であってもよく、また、その噴射方向が鋼帯Sに対して上記2つの方向とは異なる方向であってもよい。また、図示しないが、噴射ノズルは一対とせず、鋼帯Sの片側だけに設けられてもよい。
前処理装置10の入口7には、入口シール装置71が設けられている。入口シール装置71は、鋼帯Sを挟んで搬送することによって、入口7から外気が前処理装置10内に侵入すること及び前処理装置10内の雰囲気ガスが外部に放出されることを抑制するようになっている。
循環流路4は、誘導加熱装置1において、鋼帯Sが搬送される搬送通路3内の雰囲気ガスを循環させるようになっている。本実施形態では、誘導加熱装置1は、ソレノイド型誘導加熱装置11及びトランスバース型誘導加熱装置12を備えているので、それぞれの誘導加熱装置11、12に循環流路41、42が設けられる。
循環流路41は、ソレノイド型誘導加熱装置11において、鋼帯Sが搬送される搬送通路31内の雰囲気ガスを循環させるようになっている。循環流路41には、循環ファン411、ガス精製装置412、酸素濃度測定装置51、酸素含有ガス供給装置61、露点測定装置413及び高露点ガス供給装置414が設けられている。循環流路41には、雰囲気ガスの露点を調整する露点制御装置410が配置されており、露点制御装置410は、ガス精製装置412に含まれる脱酸素装置412a及び脱湿装置412b、412c、高露点ガス供給装置414の少なくとも1つを備えている。循環流路41では、ソレノイド型誘導加熱装置11の処理上流側から搬送通路31内の雰囲気ガスを循環ファン411で吸引し、ガス精製装置412、酸素濃度測定装置51、酸素含有ガス供給装置61、露点測定装置413及び高露点ガス供給装置414で循環流路41内の雰囲気ガスの酸素濃度及び露点の調整を行った上で、調整後の雰囲気ガスを噴射ノズル21a、21b、22a及び22bに供給し、噴射ノズル21a、21b、22a及び22bから雰囲気ガスを鋼帯Sに向けて直接噴射するようになっている。噴射ノズル21a、21b、22a及び22bから噴射された雰囲気ガスは、鋼帯Sの酸化に供されながら搬送通路31内を通過し(本実施形態では、鋼帯Sの搬送方向Xに対して反対の方向に流れ)、循環ファン411で吸引されて、再度、循環流路41を循環する。
ガス精製装置412は、脱酸素装置412a及び脱湿装置である脱湿塔412b、412cを備えている。脱酸素装置412aは、循環ファン411によって吸引された搬送通路31内の雰囲気ガス中の酸素を取り除くようになっている。また、脱酸素装置412aの下流側には、脱湿塔412b、412cが配置されている。脱湿塔412b、412cには、脱酸素装置412aによって酸素が取り除かれたガスから水分を吸着(脱湿)する乾燥剤が収容されている。実際の使用では、脱湿塔412b、412cの一方を使用して脱湿を行い、その間他方は吸着した水分を放出する再生サイクル(乾燥剤を加熱して吸着した水分を放出させる)を行う。この動作を一定時間で切り換えることで、脱湿塔412b、412cの脱湿能力を保持している。
なお、搬送通路31内の雰囲気ガスは全量がガス精製装置412を通過する必要はなく、ガス精製装置412は雰囲気ガスの酸素濃度や露点が高い場合に使用されるため、その必要がないときには、一部の雰囲気ガスはガス精製装置412をバイパスするようにしてもよい。すなわち、循環流路41には、ガス精製装置412をバイパスするバイパス流路41aが設けられ、必要なときに開閉弁415を開放もしくは流量を調整することによって、循環流路41を循環する雰囲気ガスの調整の精度を向上させることができる。
酸素濃度測定装置51は、酸素含有ガス供給装置61の下流側に配置され、循環流路41を流れるガスの酸素濃度を測定するようになっている。酸素含有ガス供給装置61は、循環流路41に酸素含有ガス(純酸素や空気も該当)を供給する装置であり、例えば純酸素を用いる場合には、酸素タンク61a及び酸素タンク61aに連結された酸素供給弁61bを備えている。酸素含有ガス供給装置61は、酸素濃度測定装置51の測定結果に基づき、酸素供給弁61bの開度を調整して、循環流路41に供給する酸素量を調整する。
露点測定装置413は、本実施形態では酸素濃度測定装置51の下流側に配置され、循環流路41を流れるガスの露点を測定するようになっている。高露点ガス供給装置414は、循環流路41に高露点ガスを供給する装置であり、加湿装置414a及び加湿装置414aに連結された高露点ガス供給弁414bを備えている。高露点ガス供給装置414は、本実施形態では酸素含有ガス供給装置61の上流側に配置され、露点測定装置413の測定結果に基づき、加湿装置414aを作動させ、高露点ガス供給弁414bの開度を調整して、循環流路41に供給する高露点ガスの量を調整する。なお、露点測定装置413は、酸素濃度測定装置51の上流側に配置されてもよく、高露点ガス供給装置414は、酸素含有ガス供給装置61の下流側に配置されてもよい。
循環流路42は、トランスバース型誘導加熱装置12において、鋼帯Sが搬送される搬送通路32内の雰囲気ガスを循環させるようになっている。循環流路42の構成は、循環流路41の構成と同様である。具体的には、循環流路42には、循環ファン421、ガス精製装置422、酸素濃度測定装置52、酸素含有ガス供給装置62、露点測定装置423及び高露点ガス供給装置424が設けられている。循環流路42には、雰囲気ガスの露点を調整する露点制御装置420が配置されており、露点制御装置420は、ガス精製装置422に含まれる脱酸素装置422a及び脱湿装置422b、422c、高露点ガス供給装置424の少なくとも1つを備えている。循環流路42では、トランスバース型誘導加熱装置12の処理上流側から搬送通路32内の雰囲気ガスを循環ファン421で吸引し、ガス精製装置422、酸素濃度測定装置52、酸素含有ガス供給装置62、露点測定装置423及び高露点ガス供給装置424で循環流路42内の雰囲気ガスの酸素濃度及び露点の調整を行った上で、調整後の雰囲気ガスを噴射ノズル23a、23b、24a及び24bに供給し、噴射ノズル23a、23b、24a及び24bから雰囲気ガスを鋼帯Sに向けて直接噴射するようになっている。噴射ノズル23a、23b、24a及び24bから噴射されたガスは、鋼帯Sの酸化に供されながら搬送通路32内を通過し(本実施形態では、鋼帯Sの搬送方向Xに対して反対の方向に流れ)、循環ファン421で吸引されて、再度、循環流路42を循環する。
ガス精製装置422は、脱酸素装置422a及び脱湿装置である脱湿塔422b、422cを備えている。ガス精製装置422の構成は、ガス精製装置412の構成と同様である。脱酸素装置422aは、循環ファン421によって吸引された搬送通路32内の雰囲気ガス中の酸素を取り除くようになっている。また、脱酸素装置422aの下流側には、脱湿塔422b、422cが配置されている。脱湿塔422b、422cには、脱酸素装置422aによって酸素が取り除かれたガスから水分を吸着(脱湿)する乾燥剤が収容されている。実際の使用では、脱湿塔422b、422cの一方を使用して脱湿を行い、その間他方は吸着した水分を放出する再生サイクル(乾燥剤を加熱して吸着した水分を放出させる)を行う。この動作を一定時間で切り換えることで、脱湿塔422b、422cの脱湿能力を保持している。
なお、循環流路42にも循環流路41と同様、ガス精製装置422をバイパスするバイパス流路42aが設けられ、必要なときに開閉弁425を開放もしくは流量を調整することによって、循環流路42を循環する雰囲気ガスの調整の精度を向上させることができる。
酸素濃度測定装置52は、酸素含有ガス供給装置62の下流側に配置され、循環流路42を流れるガスの酸素濃度を測定するようになっている。酸素含有ガス供給装置62は、循環流路42に酸素含有ガス(純酸素や空気も該当)を供給する装置であり、例えば純酸素を用いる場合には、酸素タンク62a及び酸素タンク62aに連結された酸素供給弁62bを備えている。酸素濃度測定装置52の構成は、酸素濃度測定装置51の構成と同様であり、酸素含有ガス供給装置62の構成は、酸素含有ガス供給装置61の構成と同様である。酸素含有ガス供給装置62は、酸素濃度測定装置52の測定結果に基づき、酸素供給弁62bの開度を調整して、循環流路42に供給する酸素量を調整する。
露点測定装置423は、本実施形態では酸素濃度測定装置52の下流側に配置され、循環流路42を流れるガスの露点を測定するようになっている。高露点ガス供給装置424は、循環流路42に高露点ガスを供給する装置であり、加湿装置424a及び加湿装置424aに連結された高露点ガス供給弁424bを備えている。露点測定装置423の構成は、露点測定装置413の構成と同様であり、高露点ガス供給装置424の構成は、高露点ガス供給装置414の構成と同様である。高露点ガス供給装置424は、本実施形態では酸素含有ガス供給装置62の上流側に配置され、露点測定装置423の測定結果に基づき、加湿装置424aを作動させ、高露点ガス供給弁424bの開度を調整して、循環流路42に供給する高露点ガスの量を調整する。なお、露点測定装置423は、酸素濃度測定装置52の上流側に配置されてもよく、高露点ガス供給装置424は、酸素含有ガス供給装置62の下流側に配置されてもよい。
また、循環ファン411と循環ファン421を共通化し、ガス精製装置412とガス精製装置422とを共通化してもよい。図3は、循環ファン411と循環ファン421を共通化し、ガス精製装置412とガス精製装置422とを共通化した前処理装置10の概略構成図である。図3に示されるように、循環ファン411と循環ファン421を共通化し、ガス精製装置412とガス精製装置422とを共通化した場合、循環流路41の流量及び循環流路42の流量を、複数の流量調整弁43によって個別に調整することになる。上記構成によれば、高価で大型である循環ファン及びガス精製装置のコスト及び設置面積を低減することができる。
(前処理装置10による鋼帯Sの処理)
鋼帯Sは、入口7から前処理装置10内に搬入される。鋼帯Sは入口シール装置71を通過して前処理装置10内に搬送されるため、入口7から外気が前処理装置10内に侵入すること及び入口7から前処理装置10内の雰囲気ガスが外部に放出されることを抑制している。
鋼帯Sは、まずソレノイド型誘導加熱装置11において加熱処理される。鋼帯Sは、ソレノイド型誘導加熱装置11の搬送通路31において、搬送通路31内の雰囲気ガスの環境で加熱処理される。搬送通路31内の雰囲気ガスは、循環流路41によって循環している。搬送通路31内の雰囲気ガスは、ソレノイド型誘導加熱装置11の処理上流側から循環ファン411で吸引され、ガス精製装置412によって脱酸及び脱湿される。ガス精製装置412によって脱酸及び脱湿されたガスは、酸素含有ガス供給装置61によって酸素含有ガスが供給され、高露点ガス供給装置414によって高露点ガスが供給されて、所望の酸素濃度及び露点となるように調整される。酸素含有ガス供給装置61による酸素含有ガス供給量は、循環流路41を流れるガスの酸素濃度を測定する酸素濃度測定装置51の測定結果によって制御される。また、高露点ガス供給装置414による高露点ガスの供給量は、循環流路41を流れるガスの露点を測定する露点測定装置413の測定結果によって制御される。このように、酸素濃度及び露点が調整されたガスが、噴射ノズル21a、21b、22a及び22bから鋼帯Sに向けて直接噴射される。噴射ノズル22a、22bは鋼帯Sに対して垂直な方向から鋼帯Sに向けて雰囲気ガスを噴射し、噴射ノズル22a、22bの処理上流側に位置する噴射ノズル21a、21bは鋼帯Sに対して鋭角をなす方向から鋼帯Sに向けて雰囲気ガスを噴射する。噴射ノズル21a、21b、22a及び22bから噴射されたガスは、鋼帯Sの酸化に供されながら搬送通路31内を通過し、循環ファン411で吸引されて、再度、循環流路41を循環する。
ソレノイド型誘導加熱装置11において加熱処理された鋼帯Sは、次にトランスバース型誘導加熱装置12において加熱処理される。鋼帯Sは、トランスバース型誘導加熱装置12の搬送通路32において、搬送通路32内の雰囲気ガスの環境で加熱処理される。搬送通路32内の雰囲気ガスは、循環流路42によって循環している。搬送通路32内の雰囲気ガスは、トランスバース型誘導加熱装置12の処理上流側から循環ファン421で吸引され、ガス精製装置422によって脱酸及び脱湿される。ガス精製装置422によって脱酸及び脱湿されたガスは、酸素含有ガス供給装置62によって酸素含有ガスが供給され、高露点ガス供給装置424によって高露点ガスが供給されて、所望の酸素濃度及び露点となるように調整される。酸素含有ガス供給装置62による酸素含有ガス供給量は、循環流路42を流れるガスの酸素濃度を測定する酸素濃度測定装置52の測定結果によって制御される。また、高露点ガス供給装置424による高露点ガスの供給量は、循環流路42を流れるガスの露点を測定する露点測定装置423の測定結果によって制御される。このように、酸素濃度及び露点が調整された雰囲気ガスが、噴射ノズル23a、23b、24a及び24bから鋼帯Sに向けて直接噴射される。噴射ノズル24a、24bは鋼帯Sに対して垂直な方向から鋼帯Sに向けて雰囲気ガスを噴射し、噴射ノズル24a、24bの処理上流側に位置する噴射ノズル23a、23bは鋼帯Sに対して鋭角をなす方向から鋼帯Sに向けて雰囲気ガスを噴射する。噴射ノズル23a、23b、24a及び24bから噴射されたガスは、鋼帯Sの酸化に供されながら搬送通路32内を通過し、循環ファン421で吸引されて、再度、循環流路42を循環する。
トランスバース型誘導加熱装置12において加熱処理された鋼帯Sは、例えばロール83で搬送の向きを水平方向に変えられた後、前処理装置10の出口9まで搬送され、前処理装置10の処理下流側に位置し、還元雰囲気において加熱処理を行う還元炉100に送られる。またここでは、加熱には、鋼帯Sを急速加熱するのに有利な誘導加熱装置を用いたが、電気ヒータやラジアントチューブバーナ等の他の加熱方式を用いてもよい。
上記実施形態では、鋼帯Sは縦型の前処理装置10内を下から上に向けて搬送されているが、上から下に向けて搬送されてもよく、鋼帯Sは横型の前処理装置10内を左右方向に向けて搬送されてもよい。また、傾斜した炉体において斜めに搬送されてもよい。そのような場合も、その搬送は還元炉100よりも下流で鋼帯Sをコイル状に巻き取ること等で行われる。
前記構成の前処理装置10によれば、次のような効果を発揮できる。
(1)酸素濃度測定装置5による循環流路4の酸素濃度の測定結果に基づき、酸素含有ガス供給装置6によって循環流路4への酸素含有ガス供給量を調整することで、噴射ノズル2から噴射される雰囲気ガスの酸素濃度を調整することができる。さらに、噴射ノズル2から酸素濃度が調整された雰囲気ガスを鋼帯Sに近距離から直接噴射することによって、単に酸素濃度を高めた雰囲気中で鋼帯Sを搬送させる場合に比べ、鋼帯Sの表面全体を確実に酸化させることができ、鋼帯Sの表面の酸化の度合いを積極的に調整することができる。また、鋼帯Sが搬送される搬送通路3内の雰囲気ガスを循環させることによって、鋼帯Sを酸化させる雰囲気ガスを効率よく使用することができる。
(2)噴射ノズル2は、鋼帯Sに対して垂直な方向と、鋼帯Sに対して鋭角θ1、θ2をなす方向の少なくとも2方向に雰囲気ガスを噴射するので、鋼帯Sの表面の酸化の効果を向上させると同時に斜め噴射での緩やかな酸化の効果も混合させて酸化を進めることができる。なお、鋼帯Sに対して垂直な方向に雰囲気ガスを噴射すると、最短距離で噴射の勢いを落とさず鋼帯Sに雰囲気ガスが当たるので、酸化の効果を向上させることができる。また、複数方向に雰囲気ガスを噴射することによって、雰囲気ガスが鋼帯Sに接触する機会を増やすことができる。
(3)循環流路4には、脱酸素装置412a、422aが配置され、その下流に酸素含有ガス供給装置61、62が配置されており、循環流路4内の雰囲気ガスの酸素濃度が高くなったときは余分な酸素を脱酸素装置412a、422aで吸収することによって酸素濃度を下げることができ、循環流路4内の雰囲気ガスの酸素濃度が低くなったときは不足する酸素を酸素含有ガス供給装置61、62で加えることによって、酸素濃度を上げることができる。したがって、噴射ノズル2から噴射する雰囲気ガスの酸素濃度の調整をより確実に行うことができる。
(4)循環流路4には、高露点ガス供給装置414、424が配置されており、循環流路4内の雰囲気ガスの露点が低いときは、循環流路4に高露点ガスを供給することによって、循環流路4内の雰囲気ガスの露点を上げることができる。循環流路4には、脱湿装置412b、412c、422b、422cが配置されており、循環流路4内の雰囲気ガスの露点が高いときは、循環流路4内の雰囲気ガスにおける湿分を脱湿装置412b、412c、422b、422cで吸収することによって、循環流路4内の雰囲気の露点を下げることができる。したがって、循環流路4内の雰囲気ガスの露点調整をより確実に行うことができる。
(5)誘導加熱装置1は、ソレノイド型誘導加熱装置11及びトランスバース型誘導加熱装置12を備えており、ソレノイド型誘導加熱装置11は、トランスバース型誘導加熱装置12の処理上流側に設けられている。ここで、ソレノイド型誘導加熱装置11は、鋼帯Sの幅方向の温度均一性が優れているが、鋼帯Sの厚さが薄い場合やキュリー点以上の温度では、加熱効率が低下する。一方、トランスバース型誘導加熱装置12は、鋼帯の厚さが薄くなっても加熱効率は低下しない点で優れている。これらの特性をいかして、熱処理の温度や鋼帯の材質、形状によって適切な誘導加熱装置1を選択することができる。そこで、ソレノイド型誘導加熱装置11及びトランスバース型誘導加熱装置12を併用する場合、高温まで昇温させるには、先にソレノイド型誘導加熱装置11でキュリー点近辺の温度まで加熱してから、トランスバース型誘導加熱装置12でさらに昇温させるのが好ましい。
(6)ソレノイド型誘導加熱装置11には循環流路41が設けられ、トランスバース型誘導加熱装置12には循環流路42が設けられているので、誘導加熱装置の型に応じて、誘導加熱のための適切な雰囲気を形成することができる。
(7)前処理装置10の加熱装置として誘導加熱装置1を使用することによって、誘導加熱装置1内における鋼帯Sの搬送通路31、32の容積を小さくすることができ、搬送通路31、32内の雰囲気の調整をより容易かつ正確・迅速に行うことができる。すなわち、誘導加熱装置1内の容積が小さく、雰囲気が循環させにくい搬送通路31、32の雰囲気を循環流路41、42によって強制的に循環させ、鋼帯S表面の酸化膜形成に影響を及ぼす状態を制御して鋼帯Sに雰囲気ガスを噴射するので、より正確かつ迅速に雰囲気の状態を制御でき、安定した酸化膜の形成を行うことができる。なお、本実施形態では、循環流路41、42において雰囲気ガスの酸素濃度及び露点を調整しているが、それ以外に鋼帯Sの表面酸化に影響を及ぼす雰囲気ガスの状態、例えば雰囲気ガスの温度等を循環流路41、42でさらに調整してもよい。
上記実施形態では、各噴射ノズル2は一方向に雰囲気ガスを噴射するノズルとなっているが、一対の噴射ノズル2がそれぞれ2方向に雰囲気ガスを噴射するものでもよい。図4は、一対の噴射ノズル25a、25bがそれぞれ2方向に雰囲気ガスを噴射する噴射ノズル部分の拡大概略図である。図4に示されるように、噴射ノズル25a、25bは、内周側円筒部25a1、25b1及び外周側円筒部25a2、25b2を備えている。内周側円筒部25a1、25b1及び外周側円筒部25a2、25b2はそれぞれ、中心回りに回転可能に構成されている。
噴射ノズル25aにおいて、内周側円筒部25a1は、2つの開口部26a1、26a2を備えており、外周側円筒部25a2は2つの開口部27a1、27a2を備えている。内周側円筒部25a1及び外周側円筒部25a2をそれぞれ回転させ、内周側円筒部25a1の開口部26a1、26a2と外周側円筒部25a2の開口部27a1、27a2とをそれぞれ連通させることによって、2方向に雰囲気ガスを噴射させるようになっている。なお、内周側円筒部25a1の開口部26a1、26a2は、外周側円筒部25a2の開口部27a1、27a2よりも開口面積が大きくなっている。
同様に、噴射ノズル25bにおいて、内周側円筒部25b1は、2つの開口部26b1、26b2を備えており、外周側円筒部25b2は2つの開口部27b1、27b2を備えている。内周側円筒部25b1及び外周側円筒部25b2をそれぞれ回転させ、内周側円筒部25b1の開口部26b1、26b2と外周側円筒部25b2の開口部27b1、27b2とをそれぞれ連通させることによって、2方向に雰囲気ガスを噴射させるようになっている。なお、内周側円筒部25b1の開口部26b1、26b2は、外周側円筒部25b2の開口部27b1、27b2よりも開口面積が大きくなっている。
なお、内周側円筒部25a1、25b1及び外周側円筒部25a2、25b2の回転は、自動で行われてもよく、また手動で行われてもよい。そして、噴射ノズル25a、25bの噴射方向の2方向の内、一つの方向が鋼帯Sに対して垂直な方向であり、他の方向が鋼帯Sに対して鋭角θ2をなす方向に設定されるよう、内周側円筒部25a1、25b1及び外周側円筒部25a2、25b2の回転が所定角度で固定されるように構成されてもよい。
また、2方向に雰囲気ガスを噴射する一対の噴射ノズル25a、25bのそれぞれにおいて、噴射方向の2方向がそれぞれ変更可能に構成されていてもよい。なお、噴射ノズルは、鋼帯Sに対して垂直に対向するように一対として設けられるのが好ましく、さらに、一対として設けられる噴射ノズルは噴射角度が互いに鋼帯Sに対して対称となることが好ましい。本構成によれば、噴射ノズル25a、25bの噴射方向は変更可能に構成されているので、鋼帯Sの表面の所望の位置に酸素を直接噴射することができる。
噴射ノズルのさらに別の実施形態を図5~図7に示す。図5~図7では、噴射ノズルの片側だけを代表として示す。
図5は、噴射ノズル28の初期状態を示している。噴射ノズル28は、固定された外周側円筒部101と回転可能な内周側円筒部111とを備えている。雰囲気ガスを鋼帯Sに垂直に噴射するために、外周側円筒部101には開口部102が設けられ、内周側円筒部111には開口部112が設けられている。内管側円筒部111の開口部112は、内周側円筒部111を回転させても雰囲気ガスを噴射できるよう、図5~図7中Xで示されるように、外周側円筒部101の開口部102に比べて周方向に長くなるよう形成されている。
また、鋼帯Sに対して斜めに噴射するため、外周側円筒部101には開口部103がさらに設けられ、内周側円筒部111には開口部113がさらに設けられている。外周側円筒部101の開口部103は、内周側円筒部111を回転させても雰囲気ガスを噴射できるよう、図5~図7中Yで示されるように、内周側円筒部111の開口部113に比べて周方向に長くなるよう形成されている。
さらに、雰囲気ガスを噴射ノズルに供給するために、外周側円筒部101には開口部104がさらに設けられ、内周側円筒部111には開口部114がさらに設けられている。内周側円筒部111の開口部114は、内周側円筒部111を回転させても雰囲気ガスが噴射ノズル28内に流入できるよう、図5~図7中Zで示されるように、外周側円筒部101の開口部104に比べて周方向に長くなるように形成されている。
図6は、図5から内周側円筒部111を回転させた状態を示す概略図であり、図7は、図5から図6と反対方向に内周側円筒部111を回転させた状態を示す概略図である。上記のように構成することによって、図6及び図7に示されるように、内周側円筒部111を回転させて、噴射ノズル28の斜め方向の噴射方向を図5~図7中のθa、θb、θcのように変更することが可能となっている。したがって、噴射ノズルの噴射方向が変更可能に構成されていることによって、鋼帯Sの表面の所望の位置に雰囲気ガスを直接噴射することができる。
上記実施形態では、誘導加熱装置1として、ソレノイド型誘導加熱装置11及びトランスバース型誘導加熱装置12が設けられているが、いずれか一方の誘導加熱装置のみ設けられてもよく、3以上の誘導加熱装置が設けられてもよい。ただし、ソレノイド型誘導加熱装置11及びトランスバース型誘導加熱装置12の両方が設けられる場合、前述の理由によりソレノイド型誘導加熱装置11は、トランスバース型誘導加熱装置12の処理上流側に設けられることが好ましい。
上記実施形態では、誘導加熱装置1のそれぞれに循環流路4が設けられている(ソレノイド型誘導加熱装置11には循環流路41、トランスバース型誘導加熱装置12には循環流路42が設けられている)が、誘導加熱装置1の加熱雰囲気が同じでよい場合、循環流路を共有してもよい。また、図示しないが、鋼帯Sの温度を監視して、必要な誘導加熱装置のみ循環流路の雰囲気ガスを調整するようにしてもよい。
上記実施形態では、噴射ノズル2は、誘導加熱装置1の処理下流側に設けられているが、誘導加熱装置1の処理上流側に設けられてもよい。この場合、噴射ノズル2から噴射されたガスは、搬送通路3を処理上流側から処理下流側に向けて流れることになる。また、誘導加熱装置1が複数設けられた場合、噴射ノズル2は、一方の誘導加熱装置の処理下流側に設けられ、他方の誘導加熱装置の処理上流側に設けられてもよい。
本発明及び実施形態をまとめると、以下のとおりである。
(1)本発明の一実施形態は、鋼帯の酸化膜を除去する還元炉の処理上流側に設けられる前処理装置であって、
鋼帯を誘導加熱で加熱する誘導加熱装置と、
前記誘導加熱装置の処理上流側又は下流側に設けられ、鋼帯にガスを直接噴射する噴射ノズルと、
前記誘導加熱装置において、鋼帯が搬送される搬送通路内の雰囲気ガスを循環させる循環流路と、
前記循環流路の酸素濃度を測定する酸素濃度測定装置と、
前記酸素濃度測定装置の測定結果に基づき、前記循環流路に供給する酸素含有ガス供給量を調整する酸素含有ガス供給装置と、を備えており、
前記噴射ノズルは、前記酸素含有ガス供給装置によって酸素含有ガスが供給された前記循環流路の雰囲気ガスを鋼帯に噴射するようになっている。
前記構成(1)によれば、循環流路の酸素濃度の測定結果に基づき循環流路への酸素含有ガス供給量を調整することによって、噴射ノズルから噴射されるガスの酸素濃度を調整することができる。さらに、噴射ノズルから酸素濃度が調整されたガスを鋼帯に直接噴射することによって、鋼帯の表面を確実に酸化でき、その酸化の度合いを調整することができる。また、鋼帯が搬送される搬送通路内の雰囲気ガスを循環させることによって、鋼帯を酸化させる雰囲気ガスを効率よく使用することができる。
(2)前記構成(1)において、前記循環流路には、雰囲気ガスの露点を調整する露点制御装置が配置されている。
前記構成(2)によれば、露点制御装置によって、循環流路内の雰囲気ガスの露点を制御し、鋼帯の酸化を調整することができる。
(3)前記構成(2)において、前記露点制御装置は、脱酸素装置、脱湿装置、高露点ガス供給装置のうち少なくとも1つを備えている。
前記構成(3)によれば、露点制御装置が、脱酸素装置、脱湿装置、高露点ガス供給装置のうち少なくとも1つを備えることによって、循環流路内の雰囲気ガスの露点を制御することができる。
(4)前記構成(2)において、前記露点制御装置は、脱酸素装置及び脱湿装置を備えており、
前記脱酸素装置及び前記脱湿装置を迂回するバイパス流路を備えている。
前記構成(4)によれば、脱酸素装置及び脱湿装置を迂回するバイパス流路を備えることによって、循環流路内の雰囲気ガスの露点を下げる必要がないときには、脱酸素装置及び脱湿装置を使用しないようにして、それらの寿命を延ばすことができる。
(5)前記構成(1)において、前記噴射ノズルは、鋼帯に向かって少なくとも2方向に雰囲気ガスを噴射するようになっている。
前記構成(5)によれば、噴射ノズルが鋼帯に向かって少なくとも2方向に雰囲気ガスを噴射するので、雰囲気ガスが鋼帯に接触する機会を増やすことができる。
(6)前記構成(5)において、前記噴射ノズルの噴射方向の少なくとも1つは、鋼帯に対して垂直な方向である。
前記構成(6)によれば、鋼帯に対して垂直な方向に雰囲気ガスを噴射すると、最短距離で噴射の勢いを落とさず鋼帯に雰囲気ガスが当たるので、酸化の効果を向上させることができる。
(7)前記構成(1)において、前記噴射ノズルの噴射方向は、変更可能に構成されている。
前記構成(7)によれば、噴射ノズルの噴射方向は変更可能に構成されているので、鋼帯の表面の所望の位置に雰囲気ガスを直接噴射することができる。
(8)前記構成(1)~(7)のいずれか1つにおいて、前記誘導加熱装置は、ソレノイド型誘導加熱装置及びトランスバース型誘導加熱装置を備えており、前記ソレノイド型誘導加熱装置は、前記トランスバース型誘導加熱装置の処理上流側に設けられている。
前記構成(7)によれば、厚さの薄い鋼帯の幅方向の温度を均一にしながら、高温まで加熱することができる。
特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、各種変形及び変更を行うことも可能である。
本発明では、鋼帯の酸化の度合いを調整できる前処理装置を提供できるので、産業上の利用価値が大である。
1 誘導加熱装置
11 ソレノイド型誘導加熱装置 12 トランスバース型誘導加熱装置
2 噴射ノズル
21a 噴射ノズル 21b 噴射ノズル
22a 噴射ノズル 22b 噴射ノズル
23a 噴射ノズル 23b 噴射ノズル
24a 噴射ノズル 24b 噴射ノズル
25a 噴射ノズル
25a1 内周側円筒部 25a2 外周側円筒部
26a1 開口部 26a2 開口部 27a1 開口部 27a2 開口部
25b 噴射ノズル
25b1 内周側円筒部 25b2 外周側円筒部
26b1 開口部 26b2 開口部 27b1 開口部 27b2 開口部
28 噴射ノズル
101 外周側円筒部 111 内周側円筒部
102 開口部 112 開口部
103 開口部 113 開口部
104 開口部 114 開口部
3 搬送通路
31 搬送通路 32 搬送通路
4 循環流路
41 循環流路
41a バイパス流路
410 露点制御装置
411 循環ファン
412 ガス精製装置
412a 脱酸素装置 412b 脱湿塔 412c 脱湿塔
413 露点測定装置
414 高露点ガス供給装置
414a 加湿装置 414b 高露点ガス供給弁
415 開閉弁
42 循環流路
42a バイパス流路
420 露点制御装置
421 循環ファン
422 ガス精製装置
422a 脱酸素装置 422b 脱湿塔 422c 脱湿塔
423 露点測定装置
424 高露点ガス供給装置
424a 加湿装置 424b 高露点ガス供給弁
425 開閉弁
43 流量調整弁
5 酸素濃度測定装置
51 酸素濃度測定装置 52 酸素濃度測定装置
6 酸素含有ガス供給装置
61 酸素含有ガス供給装置 62 酸素含有ガス供給装置
61a 酸素タンク 61b 酸素供給弁
62a 酸素タンク 62b 酸素供給弁
7 入口
71 入口シール装置
83 ロール
9 出口
10 前処理装置
100 還元炉
S 鋼帯
A 噴射口

Claims (7)

  1. 鋼帯の酸化膜を除去する還元炉の処理上流側に設けられる前処理装置であって、
    鋼帯を誘導加熱で加熱する誘導加熱装置と、
    前記誘導加熱装置の処理上流側又は下流側に設けられ、鋼帯に雰囲気ガスを直接噴射する噴射ノズルと、
    前記誘導加熱装置において、鋼帯が搬送される搬送通路内の雰囲気ガスを循環させる循環流路と、
    前記循環流路の酸素濃度を測定する酸素濃度測定装置と、
    前記酸素濃度測定装置の測定結果に基づき、前記循環流路に供給する酸素含有ガス供給量を調整する酸素含有ガス供給装置と、を備えており、
    前記噴射ノズルは、前記酸素含有ガス供給装置によって酸素含有ガスが供給された前記循環流路の雰囲気ガスを鋼帯に噴射するようになっており、
    前記循環流路には、雰囲気ガスの露点を調整する露点制御装置が配置されている、前処理装置。
  2. 前記露点制御装置は、脱酸素装置、脱湿装置、高露点ガス供給装置のうち少なくとも1つを備えている、請求項1記載の前処理装置。
  3. 前記露点制御装置は、脱酸素装置及び脱湿装置を備えており、
    前記脱酸素装置及び前記脱湿装置を迂回するバイパス流路を備えている、請求項1記載の前処理装置。
  4. 鋼帯の酸化膜を除去する還元炉の処理上流側に設けられる前処理装置であって、
    鋼帯を誘導加熱で加熱する誘導加熱装置と、
    前記誘導加熱装置の処理上流側又は下流側に設けられ、鋼帯に雰囲気ガスを直接噴射する噴射ノズルと、
    前記誘導加熱装置において、鋼帯が搬送される搬送通路内の雰囲気ガスを循環させる循環流路と、
    前記循環流路の酸素濃度を測定する酸素濃度測定装置と、
    前記酸素濃度測定装置の測定結果に基づき、前記循環流路に供給する酸素含有ガス供給量を調整する酸素含有ガス供給装置と、を備えており、
    前記噴射ノズルは、前記酸素含有ガス供給装置によって酸素含有ガスが供給された前記循環流路の雰囲気ガスを鋼帯に噴射するようになっており、
    前記噴射ノズルは、鋼帯に向かって少なくとも2方向に雰囲気ガスを噴射するようになっている、前処理装置。
  5. 前記噴射ノズルの噴射方向の少なくとも1つは、鋼帯に対して垂直な方向である、請求項4記載の前処理装置。
  6. 鋼帯の酸化膜を除去する還元炉の処理上流側に設けられる前処理装置であって、
    鋼帯を誘導加熱で加熱する誘導加熱装置と、
    前記誘導加熱装置の処理上流側又は下流側に設けられ、鋼帯に雰囲気ガスを直接噴射する噴射ノズルと、
    前記誘導加熱装置において、鋼帯が搬送される搬送通路内の雰囲気ガスを循環させる循環流路と、
    前記循環流路の酸素濃度を測定する酸素濃度測定装置と、
    前記酸素濃度測定装置の測定結果に基づき、前記循環流路に供給する酸素含有ガス供給量を調整する酸素含有ガス供給装置と、を備えており、
    前記噴射ノズルは、前記酸素含有ガス供給装置によって酸素含有ガスが供給された前記循環流路の雰囲気ガスを鋼帯に噴射するようになっており、
    前記噴射ノズルの噴射方向は、変更可能に構成されている、前処理装置。
  7. 前記誘導加熱装置は、ソレノイド型誘導加熱装置及びトランスバース型誘導加熱装置を備えており、前記ソレノイド型誘導加熱装置は、前記トランスバース型誘導加熱装置の処理上流側に設けられている、請求項1~6のいずれか1つに記載の前処理装置。
JP2023209202A 2023-12-12 前処理装置 Active JP7511075B1 (ja)

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