JP3596460B2 - 厚鋼板の熱処理方法およびその熱処理設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、厚鋼板の熱処理方法およびその熱処理設備に係り、特に、板厚の比較的薄い高温厚鋼板の冷却に際して、冷却装置の出側における厚鋼板の冷却停止温度を精度よく制御し、かつ厚鋼板の先端部から後端部まで均一温度とすることができる厚鋼板の熱処理方法およびその熱処理設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
圧延後の高温の鋼板を、オンラインで冷却装置内を通過させながら冷却することが一般的である。特に近年、冷却と圧延を組み合わせた制御圧延やオンラインで鋼板を冷却する制御冷却方法では、製品の高品質化にともなって、高精度の温度制御、特に、冷却開始温度と冷却停止温度をある狭い範囲に制御して冷却することが厚鋼板の品質上重要である。
【0003】
従来の鋼板温度制御の方法では、鋼板を一定搬送速度で冷却装置内を通過させながら上下から冷却水を注水し、その冷却水量の調整によって冷却の強さを変更する流量制御による方法、又は、冷却条件を一定にした冷却装置内を通過する鋼板の搬送速度を変更して冷却停止温度を制御する搬送速度制御による方法が一般的であった。
【0004】
流量制御による方法としては、例えば、特公平7ー61493号公報(以下、従来技術1という)に開示されているように、冷却装置内で搬送される鋼板の温度を検出し、上下面の温度差が規定値以内になるように冷却水量を制御する方法や、特開平9ー10823号公報(以下、従来技術2という)に開示されているように、上ノズルの流量が不均一冷却となる限界流量を求めて、必要な上下ノズルの合計流量が限界流量の2倍以下の領域では、上下いずれかのノズルの流量を0とする方法、または上ノズルの流量を限界流量に固定し、下ノズルの流量のみを調整する流量制御方法があった。
【0005】
一方、搬送速度により制御する方法としては、例えば、特開昭62ー199723号公報(以下、従来技術3という)に開示されているように、鋼板が冷却装置に進入してから冷却装置の冷却ゾーン長相当分だけ進むごとに鋼板速度変更量を求め、鋼板速度を変更する方法、また、特開平1ー205811号公報(以下、従来技術4という)に開示されているように、鋼板速度を加速させながら冷却する方法があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、流量制御による従来技術1では、冷却水量を絞ると、ノズルから噴射される冷却水量が減り、幅方向、長手方向の冷却が不均一となることがあった。また、従来技術2では、不均一冷却を防止することができても、上下の制御範囲が不連続となるために細かな温度制御を行うことが難しく、上下温度の差の拡大から歪みが発生しやすかった。さらに、冷却水流量を調節するためには、流量調整弁やその制御に複雑な制御系が必要で、設備費が膨大となっていた。
【0007】
また、搬送速度を制御する従来技術3では、冷却速度が段階的に変化するために、冷却後の鋼板長手方向の温度分布が階段状となり、材質の不連続、例えば、硬度の分布に差が生じ、あるいは熱歪が発生するという問題があった。さらに、従来技術4では、冷却装置に入る時点での鋼板先端部の温度と所要冷却時間、および鋼板後端部が冷却装置に入る時点の実測温度(あるいはその予測温度)と、その所要冷却時間がわかっているかあるいは正確に予測されていないと、初期の搬送速度と加速率を決定することができず、あるいは冷却停止温度を正確に制御することは難しかった。特に後端部の実測温度が、初期速度と加速率を決めた段階より後で当初想定していた温度と食い違っていた場合、加速率の変更を行うと先端部の目標冷却停止温度が実際と食い違ってしまうため、初期速度と加速度を決定した後にはそのパターンを変更することは不可能であった。
【0008】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、冷却開始温度を一定にし、かつ、冷却後は、冷却停止温度を厚鋼板の長手方向で一定にすることができる厚鋼板の熱処理方法およびその熱処理設備を提供すること、特に、厚鋼板の先端部から後端部に渡って、冷却開始温度および冷却停止または終了温度がほぼ一定の温度範囲に納まる様に熱処理をすることができる厚鋼板の熱処理方法およびその熱処理設備を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる厚鋼板の熱処理方法およびその熱処理設備は、次のように構成したものである。
(1) 矯正機を通してレベリングを施したのち誘導加熱装置を通過させて加熱し、ついで加速冷却を行う圧延後の厚鋼板の熱処理方法であって、前記矯正機の前方又は後方に前記厚鋼板の温度を計測する温度計を設けて該厚鋼板の温度を計測し、その温度に応じて加速冷却装置の入り口における厚鋼板の長手方向の温度が一様になるように前記誘導加熱装置の出力を調整し冷却開始温度が所定の温度範囲になるようにする。
(2) 上記(1)の厚鋼板の熱処理方法であって、ソレノイド型誘導加熱装置で全体温度を上げ、トランスバース型誘導加熱装置で局所的に温度を上げる。
【0010】
(3) 矯正機、誘導加熱装置、通過型の加速冷却装置を順次設置し、前記厚鋼板を連続的に通過させて熱処理を行う厚鋼板の熱処置設備であって、前記矯正機の前後に温度計を設け、その温度出力に応じて前記加速冷却装置の入り側の厚鋼板の温度が一様になるように誘導加熱装置の出力を制御し冷却開始温度が所定の温度範囲になるようにする制御装置を設けた。
(4) 上記(3)の厚鋼板の熱処理設備であって、前記誘導加熱装置は、全体温度を上げるソレノイド型誘導加熱装置と、局所的に温度を上げるトランスバース型誘導加熱装置とからなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
一般に厚鋼板は、仕上圧延機でリバース圧延によって圧延されることが多い。この場合、圧延中に板厚が薄くなるにつれて放冷による温度効果が大きくなることから、圧延されるごとに厚鋼板の特に長手方向に温度の差が生じる。特に、厚鋼板の先端部および後端部は温度が低下する傾向がつよい。
【0012】
一方、加速冷却方法は、鋼板の先端部から順次連続的に冷却装置を通過させながら冷却する通過型冷却方法が、生産性が高いことと設備長が短くて済むことから、冷却装置の中に鋼板を滞在させて一斉に冷却する一斉型冷却方法よりも一般的に行われている。この通過型冷却方法では、鋼板先端部が冷却装置に入ってから鋼板後端部が冷却装置に挿入されるまでには時間差が生じる。この間、後端部の温度は徐々に降下し、仮に一定の搬送速度で鋼板を搬送、冷却する場合を想定すると、鋼板先端部と後端部の冷却開始温度には、鋼板の長手方向に差が生じ、例え、一定の冷却を行ったとしても、冷却開始時の鋼板先端部と後端部の温度差とほぼ同じ温度差が冷却停止温度に生じる。これは、材質のバラツキ、特に引張強度が鋼板の先端部−中央−後端部で異なった板となる。
【0013】
そこで、本発明では、厚鋼板を誘導加熱装置によって誘導加熱することで、加速冷却装置に入る時点の鋼板の各部の温度が同じになるように加熱・温度制御を行う。
このとき、誘導加熱および加速冷却を行うには、誘導加熱装置において、狭いコイル間の隙間を衝突することなく幅広い厚鋼板が通過する必要があり、また、加速冷却装置では厚鋼板の形状が乱れていると、局所的な冷却の不均一や冷却後に下側にへこんだ部分に冷却水が滞留して過冷却が生じる虞れがあるので、圧延で形状が乱れた厚鋼板を連続的に矯正機を通過させてレベリングを行い、誘導加熱および加速冷却の前に、平坦な厚鋼板とした後、誘導加熱、加速冷却を行う。
【0014】
次に、矯正された厚鋼板の先端部から後端部まで、許容される冷却開始温度の範囲内で加速冷却装置に入るように、誘導加熱装置を通過する各部の温度に応じて、また、速度に応じて、誘導加熱装置の出力を変更して、加速冷却装置の入り口における厚鋼板の温度が常に一定になるように加熱を制御する。
また、圧延終了時に、厚鋼板の長手方向にある温度偏差を持っている場合がある。こうした長手方向にある温度偏差を持った厚鋼板を、誘導加熱装置を通過させて連続的に加熱するときは、搬送速度を制御してもよい。
厚鋼板の搬送速度、加速冷却装置への侵入時刻は、伝熱計算により厚鋼板の温度降下量を求めることによっても決定できるし、自然放冷時の温度降下量を実験によって求めておき、これに基いて決定し、あるいは決定しておいてもよい。
【0015】
以上の説明からわかるように、本発明は、板厚が例えば20mm以下の薄い厚鋼板や、板長の長い厚鋼板のように、厚鋼板の先端部が加速冷却装置に入ってから厚鋼板の後端部が加速冷却装置に侵入するまでに厚鋼板の後端部の温度が下がって、目標とする冷却開始温度範囲からはずれてしまう場合に特に有効である。
【0016】
[実施例]
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。図1は本実施例の厚鋼板の製造ラインを示す模式図である。図に示すように、仕上圧延機1でリバース圧延された厚鋼板2は、仕上圧延機1の後方に直線的かつ連続的に並べられた矯正機3、誘導加熱装置4,5、加速冷却装置6を通過し、連続的に加速冷却(焼き入れ処理)するようになっている。ここで、矯正機3は仕上圧延機1の後方約50mの位置に設けられており、上ロール3本と下ロール2本、計5本のロールを配置した矯正機で、繰り返し曲げによって反り、耳波、中伸び等の圧延時に生じた厚鋼板2の形成不良を直すことができる。
【0017】
次に設けられている誘導加熱装置は、厚鋼板2の全断面をほぼ均等に加熱可能なソレノイド型の誘導加熱装置4と、板幅方向に移動可能で板端部を優先的に加熱可能な移動型のトランスバース型の誘導加熱装置5とで構成されており、その長さは約5mで、これらの誘導加熱装置4,5の出力は制御装置7によって制御される。そして、図2に示すように、ソレノイド型の誘導加熱装置4は、厚鋼板2の表面を加熱するコイル8とこれに接続された電源9を備え、トランスバース型の誘導加熱装置5は、厚鋼板2を板厚方向に均一に加熱するコイル10とこれに接続された電源11を備えている。
誘導加熱装置4,5の直後には、長さ20mの加速冷却装置6が配置されている。
【0018】
この熱処理ラインには、矯正機3の前、矯正機3の後、誘導加熱装置4,5の後、加速冷却装置6の後にそれぞれ温度計12a,12b,12c,12dが設けられており、厚鋼板2の幅方向および長手方向の温度を計測するようになっている。温度の制御は、計算機7に組み込まれている温度制御モデルで逐次厚鋼板2の各部の温度、すなわち、幅方向、長手方向および板厚方向の温度を計算しながら、実績に基づいて計算値を修正する方式で、ある瞬間の各部温度を計算機上では認識している。ここで行う温度制御は、上記計算機上で実績に基づいた各部温度が、加速冷却装置6の入り口に到達した時点でほぼ一定の温度になるように、各プロセス条件、例えば、矯正機3の水冷装置や、ソレノイド型誘導加熱装置4の出力、鋼板幅方向の板エッジ部を選択的に加熱するトランスバース型誘導加熱装置5の位置と出力を制御する。
【0019】
加速冷却装置6は、上下に挟まれた21組の上拘束ロール13aと下ロール13bの間を、圧延直後の厚鋼板2が搬送されながらオンラインで冷却される冷却装置であって、各ロール間のピッチは1.0mで、加速冷却装置6の全長は20mである。各ロール間の上面および下面側には、夫々100mmピッチで設けた市販のスプレーノズル14から厚鋼板1m2 あたり、上面には2000L/(m2 ・min)、下面にはそのおよそ2倍の水量の水を噴射し、厚鋼板2を冷却している。冷却制御は、厚鋼板2の所望とされる材質や組織に応じて、加速冷却に必要とされる冷却開始温度、冷却速度、冷却停止温度を満足するように、厚鋼板2の搬送速度、冷却所要時間、各冷却水供給弁のオンーオフ制御を計算で求め、制御する。
【0020】
この構成の熱処理装置に、仕上圧延直後の板幅4000mm、板長48m、板厚15mmの厚鋼板2を通過させて熱処理を行った。この厚鋼板2の所要冷却条件は、冷却開始温度が830℃±10℃、冷却停止温度が600℃±10℃、冷却速度が30℃/s以上である。いま、圧延後のこの厚鋼板2を仕上圧延したのち直ちに最高速度で搬送して、加速冷却装置6を通過させたとしても、加速冷却装置6の入口での厚鋼板2の各部温度は、先端部が830℃、最高部が先端部から12mの位置で860℃、後端部が780℃と、後端部で所要の冷却開始温度がとれない問題が生じる。
【0021】
そこで、本実施例では、ソレノイド型誘導加熱装置4を用いて、加速冷却装置6の入口での厚鋼板2の各部温度が所要冷却開始温度域に入るように、その出力を制御する。このとき、板幅方向のエッジ部は中央部に比べて温度が通常下がっており、このエッジ部の冷却開始温度が所要温度域に入るように、幅方向のエッジ部を選択的に加熱するトランスバース型誘導加熱装置5の幅方向位置と出力を制御する。
【0022】
次に、温度制御方法について説明する。ここでは簡単のために、熱処理装置を通過する厚鋼板2の速度を一定にした場合を説明する。矯正機3の入側の温度計12aの計測値から誘導加熱装置4,5で加熱しなかった場合、成り行きで加速冷却装置6の入口に到達する時点の温度を計算によって予測する。このとき、計測する温度はなるべく加速冷却装置6に近い位置の温度を用いて計算する方が、すなわち、矯正機3の後の温度計12bの計測値を用いて予測した方が、加速冷却装置6入側の予測した温度の精度は高いが、時間的に計算が間に合わない場合は、矯正機3の入側の温度から逐次、加速冷却装置6への到達時点の各部温度を計算する。
【0023】
本実施例では、温度計12aによって、厚鋼板2の先端部の温度を計測したところ、830℃であった。このままの速度で搬送されて、加速冷却装置6に到達するまでには、温度が降下する。この温度降下量を、逐次厚鋼板2の各部について求め、厚鋼板2の各部が加速冷却装置6に到達した時点の各部温度が、所要熱処理条件の冷却開始温度830℃±10℃に入るように計測した当該部位が誘導加熱装置4,5に到達した時点で、誘導加熱装置4,5の出力を調整して熱補償をおこなう。この操作を連続的に行うことで、この厚鋼板2の冷却開始温度が830℃±10℃に納まる様に制御を行った。
【0024】
ここでは温度を補償する意味で、誘導加熱装置4,5による加熱のみを説明したが、温度が高い部分については、例えば、加速冷却装置6を矯正機3や誘導加熱装置4,5の前後に設けて冷却してもよい。また、搬送速度を変更する場合には、逐次、加速冷却装置6への到着時刻までの放冷による熱ロスを見積もる計算を速度変更に応じて繰り返せば、熱補償量、すなわち誘導加熱装置4,5に加えるパワーを連続的に求めることができる。
【0025】
ここでは、搬送速度を一定にした場合の矯正機3、誘導加熱装置4,5および加速冷却装置6の条件を決定する場合を説明したが、搬送速度を変更する場合についても、前述の計算モデルでそのパターンをあらかじめ決定しておけば、誘導加熱装置4,5の出力や位置を求めて制御することができる。
以上の方法と設備によって、加速冷却装置6の入口での厚鋼板2の温度は、厚鋼板2の全面に渡って830℃±10℃の範囲に入った。
本実施例によれば、先端部および後端部の熱履歴は、当初目標の冷却開始温度範囲830℃±10℃と冷却停止温度範囲600℃±10℃に入っており、厚鋼板2全体に渡って熱履歴に差が少ないことから材質のバラツキがきわめて少なく、厚鋼板2内の硬度差を、従来の速度制御法あるいは流量制御法に比べて1/3以下に抑えることができた。そのため、材質はずれによる格落ちがなく、製品歩留りが大幅に向上した。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば次のような効果を得ることができる。
(1) 矯正機を通してレベリングを施したのち誘導加熱装置を通過させて加熱し、ついで加速冷却を行う圧延後の厚鋼板の熱処理方法であって、前記矯正機の前方又は後方に前記厚鋼板の温度を計測する温度計を設けて該厚鋼板の温度を計測し、その温度に応じて加速冷却装置の入り口における厚鋼板の長手方向の温度が一様になるように前記誘導加熱装置の出力を調整し冷却開始温度が所定の温度範囲になるようにしたので、材質の局所的バラツキや熱歪の発生が少なく、厚鋼板全体の温度のバラツキを少なくすることができる。
【0027】
(2) 上記(1)の厚鋼板の熱処理方法であって、ソレノイド型誘導加熱装置で全体温度を上げ、トランスバース型誘導加熱装置で局所的に温度を上げるようにしたので、加速冷却装置の入口での厚鋼板の各部温度が所要冷却開始温度域に入るようにその出力を制御することができる。
【0028】
(3) 矯正機、誘導加熱装置、通過型の加速冷却装置を順次設置し、前記厚鋼板を連続的に通過させて熱処理を行う厚鋼板の熱処置設備であって、前記矯正機の前後に温度計を設け、その温度出力に応じて前記加速冷却装置の入り側の厚鋼板の温度が一様になるように誘導加熱装置の出力を制御し冷却開始温度が所定の温度範囲になるようにする制御装置を設けたので、厚鋼板を連続的に冷却する加速冷却装置において、均一な冷却開始温度および均一な冷却停止温度の厚鋼板の製造が可能となる。また、厚鋼板内の材質のバラツキが少なく均質な厚鋼板を安定して製造することが可能となる。さらに、製品歩留りを高くすることができる。
【0029】
(4) 上記(3)の厚鋼板の熱処理設備であって、前記誘導加熱装置は、全体温度を上げるソレノイド型誘導加熱装置と、局所的に温度を上げるトランスバース型誘導加熱装置とからなるので、加速冷却装置の入口での厚鋼板の各部温度が所要冷却開始温度域に入るようにその出力を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す模式図である。
【図2】図1の要部の説明図である。
【符号の説明】
1 仕上圧延機
2 厚鋼板
3 矯正機
4 誘導加熱装置
5 誘導加熱装置
6 加速冷却装置
7 制御装置
12a〜12d 温度計
Claims (4)
- 矯正機を通してレベリングを施したのち誘導加熱装置を通過させて加熱し、ついで加速冷却を行う圧延後の厚鋼板の熱処理方法であって、前記矯正機の前方又は後方に前記厚鋼板の温度を計測する温度計を設けて該厚鋼板の温度を計測し、その温度に応じて加速冷却装置の入り口における厚鋼板の長手方向の温度が一様になるように前記誘導加熱装置の出力を調整し冷却開始温度が所定の温度範囲になるようにすることを特徴とする厚鋼板の熱処理方法。
- ソレノイド型誘導加熱装置で全体温度を上げ、トランスバース型誘導加熱装置で局所的に温度を上げることを特徴とする請求項1記載の厚鋼板の熱処理方法。
- 矯正機、誘導加熱装置、通過型の加速冷却装置を順次設置し、前記厚鋼板を連続的に通過させて熱処理を行う厚鋼板の熱処置設備であって、前記矯正機の前後に温度計を設け、その温度出力に応じて前記加速冷却装置の入り側の厚鋼板の温度が一様になるように誘導加熱装置の出力を制御し冷却開始温度が所定の温度範囲になるようにする制御装置を設けたことを特徴とする厚鋼板の熱処理設備。
- 前記誘導加熱装置は、全体温度を上げるソレノイド型誘導加熱装置と、局所的に温度を上げるトランスバース型誘導加熱装置とからなることを特徴とする請求項3記載の厚鋼板の熱処理設備。
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