JP2004042081A - 金属板の製造方法及び温度制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】温度制御装置10は、粗圧延装置5の出側に設けた温度計7により測定された鋼板1の先端部の鋼板温度と、鋼板1の比熱(c)、密度(ρ)、板厚(h)等の鋼板情報、冷却ユニット長(L)等の装置情報、及び圧延速度(V)等の圧延情報とをプロセスコンピュータ18から通信部15を介して取得し、情報を記録するRAM等の記憶部12に記憶させる。また、キーボード等の入力部13より予め入力され記憶部12に記憶されている仕上圧延終了後の複数の鋼板温度を含む冷却条件に基づいて、演算部11により冷却ユニットの稼働/非稼働及び仕上圧延装置2の圧延速度を決定し、モニタ等の出力部14に出力するとともに、通信部15を介して冷却ユニットの冷却バルブの開閉及び圧延ローラのモータ回転速度を設定する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板の製造工程における冷却装置の稼働/非稼働及び仕上圧延装置の圧延速度、並びに加熱装置の加熱量を設定し、仕上圧延後の金属板温度を制御することにより、所望の金属板を製造する金属板の製造方法及び温度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷却工程の所定点における金属板温度を冷却条件に設定し、金属板が冷却装置によって冷却されるのに先立って、設定した冷却条件に基づいて冷却装置の稼働/非稼働を設定し、所望の温度プロファイルとなる金属板の製造方法が実用化されている。
【0003】
温度プロファイルは、仕上圧延後の金属板の温度変化を時間の関数として表現した温度曲線のことであり、要求される金属板の特性に基づいて、金属組織学的な観点から決定される。
【0004】
図12は、金属板の温度プロファイルの一例を示す温度曲線である。図中パターン1は、巻取装置の入側での金属板温度である巻取温度を目標値に規定し、仕上圧延装置の出側から巻取装置の入側まで一様な冷却速度で金属板を冷却することを特徴とする温度プロファイルである。
【0005】
パターン2は、仕上圧延装置を出た後に可及的速やかに金属板を急速に水冷却(以下、急速冷却という)し、該急速冷却を停止する時の金属板温度である冷却終了温度(以下、急冷終了温度という)及び前記巻取温度を目標値に規定し、冷却装置の前半に集中して金属板を冷却することを特徴とする温度プロファイルである。すなわち、パターン2には、仕上圧延終了後の冷却工程中に冷却速度(単位時間あたりの金属板の温度降下量)が異なる2つの冷却過程(2a,2b)が存在することになる。なお、冷却工程中の単位時間あたりの金属板温度降下量は線形ではないため、通常、「冷却速度」とは、ある区間における冷却速度の平均冷却速度を指すことが一般的であり、本明細書においてもこのような意味で用いる。
【0006】
パターン3は、前記急冷終了温度、前記急速冷却完了後に所定時間水冷却を停止する中間空冷時間、及び前記巻取温度を目標値に規定し、冷却装置の前半及び後半に集中して金属板を冷却することを特徴とする温度プロファイルである。すなわち、パターン3には、仕上圧延終了後の冷却工程中に冷却速度が異なる3つの冷却過程(3a,3b,3c)が存在することになる。
【0007】
特開平5−112831号公報に開示されているように、一様な冷却速度で金属板を冷却するよりも、仕上圧延終了後に可及的速やかに金属板を急速冷却する方が、加工性に優れた金属板を製造することができるとされている。より具体的に述べれば、冷却速度を増し冷却時間を短縮することにより、金属板の粒成長を抑制するとともに結晶粒を微細化することが可能となり加工性に優れた金属板を製造することができる。
【0008】
図11は、圧延ラインを示す模式図である。図中1は鋼板であり、図示しないライン上流に設けた加熱炉で加熱されたスラブを粗圧延装置5により粗圧延し、複数のスタンドからなるタンデム型の仕上圧延装置2により仕上圧延することにより形成される。
【0009】
仕上圧延後の鋼板1は、仕上圧延装置2と巻取装置3との間に位置する図示しない複数の搬送ロールからなるランナウトテーブル(以下、ROTという)上を搬送され巻取装置3により巻取られる。図中4は、ROTの上側に設けられた複数の上面冷却ユニット4−1a,4−2a,…,4−na、及びROTの下側に設けられた複数の下面冷却ユニット4−1b,4−2b,…,4−nbからなるROT冷却設備である。鋼板1はROTにより搬送されROT冷却設備4を通過することにより冷却される。なお、各冷却ユニットは複数台のラミナー冷却装置又はスプレー冷却装置等から構成される。
【0010】
ROT冷却制御装置9は、鋼板1が仕上圧延装置2にて仕上圧延される前に、後述する方法により、設定した冷却条件に基づいてROT冷却設備4を構成する各冷却ユニットの稼働/非稼働を制御する。なお、図12のパターン1に示した巻取装置3の入側における鋼板1の巻取温度を冷却条件として説明する。
【0011】
まず、粗圧延装置5の出側に設けた温度計7により鋼板1の先端部等の予め設定した部位の鋼板温度を測定する。測定された鋼板温度を仕上圧延装置2の入側における鋼板1の仕上圧延開始温度として、仕上圧延装置2内の水冷却、熱放射、及びロール接触等の熱伝達に起因した温度降下量を算出し、仕上圧延装置2の出側における鋼板1の仕上圧延終了温度を算出する。
【0012】
次に、ライン上流の冷却ユニット4−1a,4−1bから順に冷却ユニット4−2a,4−2b,…を稼働させた場合に生じる鋼板1の温度降下量を各々算出し、算出して得られた仕上圧延終了温度と温度降下量とから巻取装置3の入側における鋼板1の巻取温度を更に算出し、算出して得られた巻取温度が予め設定された巻取温度条件を満足するか否かを判定する。ROT冷却制御装置9は、前記判定結果に基づいて巻取温度条件を満足させるのに必要な冷却ユニットの稼働台数を決定し各冷却ユニットの稼働/非稼働を設定する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した温度プロファイルのパターン2及びパターン3に示すように、仕上圧延後速やかに急速冷却し、鋼板が所望の冷却終了温度まで冷却された時点で急速冷却を停止しようとした場合に、冷却ユニットの稼働/非稼働の設定だけでは所望の冷却終了温度を満足できず設定不能に陥る虞がある。例えば、ROT冷却設備4の最上流の冷却ユニットから下流の冷却ユニットを連続稼働することにより、仕上圧延後速やかに鋼板を急速冷却できるが、最上流の冷却ユニットからK番目までの冷却ユニットを連続稼働して冷却した場合には鋼板温度が所望の冷却終了温度より高温となり、また、最上流の冷却ユニットからK+1番目までの冷却ユニットを連続稼働して冷却した場合には鋼板温度が所望の冷却終了温度より低温となるような場合は、所望の冷却終了温度を満足する設定ができない。
【0014】
この設定不能を解決する方法として、冷却ユニットをより細分化する方法、即ち1冷却ユニットを構成する冷却装置の台数を少なくする第1の方法と、各冷却装置の稼働/非稼働のみならず各冷却装置から供給する冷却水量を制御する方法、即ち冷却装置自体の冷却能力を制御する第2の方法とが考えられる。
【0015】
しかしながら、第1の方法では、ROT冷却設備4を構成する冷却ユニット数が増加することになり、従って、冷却ユニットの稼働/非稼働を制御する冷却バルブ数も増加することになるので、設備コストの点、故障発生率及びメンテナンスの点で不利である。
【0016】
また、第2の方法では、冷却バルブが単なる稼働/非稼働のみならず冷却水の流量も制御する必要があるため、冷却バルブの構造が複雑となり、加えて冷却水の流量を制御する手段が必要となることにより、第1の方法と同様に設備コストの点、故障発生率及びメンテナンスの点で不利である。
【0017】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、冷却工程の所定点における金属板温度を冷却条件に設定し、冷却工程に先だって、設定した冷却条件に基づいて冷却装置の稼働/非稼働のみならず仕上圧延装置の圧延速度を設定することにより金属板の1冷却装置あたりの温度降下量を制御し、冷却装置の稼働/非稼働だけでは冷却条件を達成できない場合に、仕上圧延装置の圧延速度を変更することにより所望の金属板の温度降下量を達成でき、設備追加費用及び設備メンテナンス費用を負担することなく精度良く冷却条件を実現し、所望の特性を有する金属板の製造方法及び温度制御装置の提供を主たる目的とする。
【0018】
また本発明は、仕上圧延終了時の金属板温度である圧延終了温度を冷却条件に設定し、設定した冷却条件に基づいて仕上圧延装置のライン上流に設けた加熱装置の加熱量を設定することにより仕上圧延終了時の金属板の圧延終了温度を制御し、冷却装置の稼働/非稼働及び仕上圧延装置の圧延速度では冷却条件を達成できない場合に、加熱装置の加熱量を変更することにより所望の圧延終了温度を達成でき、所望の特性を有する金属板の製造方法及び温度制御装置の提供を目的とする。
【0019】
更に本発明は、仕上圧延後に最上流の冷却装置から下流側の冷却装置を連続稼働することにより、仕上圧延後可及的速やかに金属板を急速冷却し、また急速冷却終了時の冷却終了温度を冷却条件に規定し、該冷却条件に基づいた温度制御を行うことにより、金属板の粒成長を抑制するとともに結晶粒を微細化することが可能となり、加工性が優れた金属板の製造方法の提供を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る金属板の製造方法は、仕上圧延装置と巻取装置との間に設けた複数の冷却装置を用いて仕上圧延後の金属板を冷却する冷却工程にて仕上圧延後の金属板温度を制御する金属板の製造方法において、前記冷却工程に先だって、前記冷却工程の所定点における金属板温度の条件に基づいて、前記冷却装置の各々の稼働/非稼働と前記仕上圧延装置の圧延速度とを設定することを特徴とする。
【0021】
請求項2に係る金属板の製造方法においては、前記所定点における金属板温度の条件は、一の冷却装置から下流側の冷却装置を連続稼働することで金属板を冷却する場合における稼働している最下流側の冷却装置の出側での金属板温度として規定される冷却終了温度の条件を含むことを特徴とする。
【0022】
請求項3に係る金属板の製造方法においては、最上流側の冷却装置から稼働することを特徴とする。
【0023】
請求項4に係る金属板の製造方法においては、前記冷却工程には冷却速度が異なる複数の冷却過程が存在し、前記所定点における金属板温度の条件は、少なくとも前記複数の冷却過程の内の1つの冷却過程の終了点における金属板温度の条件を含むことを特徴とする。
【0024】
請求項5に係る金属板の製造方法においては、前記冷却工程の上流側に冷却速度が他の冷却過程に較べて相対的に大きい急速冷却過程が存在し、前記所定点における金属板温度の条件は、前記急速冷却過程の終了点における金属板温度の条件を含むことを特徴とする。
【0025】
請求項6に係る金属板の製造方法においては、仕上圧延終了時における金属板温度で規定される圧延終了温度の条件に基づいて、仕上圧延装置の上流側に設けた加熱装置の加熱量を設定することを特徴とする。
【0026】
請求項7に係る金属板の製造方法においては、前記所定点における金属板温度の条件に基づいて、冷却を開始すべき冷却装置から該冷却装置の下流側の冷却装置へと順次冷却装置の稼働台数を変更する稼働台数変更ステップと、前記仕上圧延装置の圧延速度を所定量だけ増速又は減速する圧延速度変更ステップと、前記冷却装置の稼働台数による金属板の温度降下量に基づいて算出した金属板温度が、前記条件を満足するか否かを判定する冷却温度判定ステップとを含み、該冷却温度判定ステップにて、算出した金属板温度が前記条件を満足していると判定されるまで、前記稼働台数変更ステップ又は圧延速度変更ステップのいずれかのステップと前記冷却温度判定ステップとを繰り返すことを特徴とする。
【0027】
請求項8に係る金属板の製造方法においては、前記加熱装置の加熱量を所定量だけ増量又は減量する加熱量変更ステップと、仕上圧延装置による金属板の温度降下量に基づいて算出した金属板温度が、前記圧延終了温度の条件を満足するか否かを判定する圧延温度判定ステップとを含み、該圧延温度判定ステップにて、算出した金属板温度が前記圧延終了温度の条件を満足していると判定されるまで、前記加熱量変更ステップ又は前記圧延速度変更ステップのいずれかのステップと前記圧延温度判定ステップとを繰り返すことを特徴とする。
【0028】
請求項9に係る温度制御装置は、仕上圧延装置と巻取装置との間に設けた複数の冷却装置を用いて仕上圧延後の金属板を冷却する冷却工程にて仕上圧延後の金属板温度を制御する構成とした温度制御装置において、前記冷却工程に先だって、前記冷却工程の所定点における金属板温度の条件に基づいて、前記冷却装置の各々の稼働/非稼働を設定する手段と、前記仕上圧延装置の圧延速度を設定する手段とを備えることを特徴とする。
【0029】
請求項10に係る温度制御装置においては、仕上圧延終了時における金属板温度で規定される圧延終了温度の条件に基づいて、仕上圧延装置の上流側に設けた加熱装置の加熱量を設定する手段を備えることを特徴とする。
【0030】
請求項1、請求項4、及び請求項9の発明にあっては、冷却工程に先だって、冷却装置の稼働/非稼働のみならず仕上圧延装置の圧延速度を変更し、1冷却装置(1冷却ユニット)あたりの金属板の温度降下量を制御することにより、要求される金属板の特性に基づいて、金属組織学的な観点から決定される温度プロファイルを精度良く実現することができる。
【0031】
請求項2及び請求項7の発明にあっては、一の冷却装置から下流側の冷却装置を連続稼働し、金属板が所定の金属板温度に至るのに要する時間を短縮することにより、金属板の結晶粒を微細化することができ、加工性が優れた金属板を製造することができる。
【0032】
請求項3及び請求項5の発明にあっては、最上流側(仕上圧延側)に設けた冷却装置から下流側の冷却装置を連続稼働し、仕上圧延終了後に可及的速やかに急速冷却を開始することにより、金属板の粒成長を抑制することができ、加工性が優れた金属板を製造することができる。
【0033】
請求項6、請求項8、及び請求項10の発明にあっては、冷却装置の稼働/非稼働及び仕上圧延装置の圧延速度のみならず仕上圧延装置の上流側に設けた加熱装置の加熱量を変更し、仕上圧延終了時の金属板温度を制御することにより、要求される金属板の特性に基づいて、金属組織学的な観点から決定される温度プロファイルを精度良く実現することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る圧延ラインを示す模式図である。図中1は鋼板であり、図示しないライン上流に設けた加熱炉で加熱されたスラブを粗圧延装置5により粗圧延し、複数のスタンドからなるタンデム型の圧延ローラを備えた仕上圧延装置2により仕上圧延することにより形成される。
【0035】
仕上圧延後の鋼板1は、パスラインの上下に設けられた複数台の冷却ユニットから構成されるROT冷却設備4を通過することにより冷却された後、巻取装置3にて巻取られる。ROT冷却設備4はライン上流から上側に4−1a,4−2a,…,4−naの冷却ユニットが配置され、下側に4−1b,4−2b,…,4−nbの冷却ユニットが配置されている。
【0036】
各冷却ユニットは複数台のラミナー冷却装置又はスプレー冷却装置等から構成されており、冷却ユニットを構成する冷却装置数を少なくすれば、1冷却ユニットあたりの冷却量を細かく設定することができるので、高精度で鋼板1の冷却条件を設定できる。
【0037】
図中10は温度制御装置であり、粗圧延装置5の出側に設けた温度計7により測定された鋼板温度(例えば、鋼板1の予め設定した測定点(先端部等)における温度又は複数の測定点の平均温度等)と、鋼板1の比熱(c)、密度(ρ)、板厚(h)等の鋼板情報、冷却ユニット長(L)等の装置情報、及び圧延速度(V)等の圧延情報とをプロセスコンピュータ18から通信部15を介して取得し、情報を記録するRAM等の記憶部12に記憶させる。また圧延終了後の冷却工程の所定点における鋼板温度条件を含む冷却条件がキーボード等の入力部13より予め入力され記憶部12に記憶されている。この冷却条件に基づいて、鋼板1が仕上圧延装置2により仕上圧延される前に、演算部11により冷却ユニットの稼働/非稼働及び仕上圧延装置2の圧延速度を決定し、モニタ等の出力部14に出力するとともに、通信部15を介して冷却ユニットの冷却バルブの開閉及び圧延ローラのモータ回転速度を設定する。
【0038】
以下、冷却条件が、急速冷却過程終了時の急冷終了温度目標値(TSaim )、その許容範囲である急冷終了温度許容値(ΔTS)、中間空冷時の冷却装置を停止する中間空冷時間(tair )、後半冷却時の条件である巻取装置3の入側での巻取温度目標値(TCaim )、及びその許容範囲である巻取温度許容値(ΔTC)とした場合(すなわち、図12のパターン3に示すような温度プロファイル)について、温度制御装置10が、鋼板情報、装置情報、及び圧延情報から冷却ユニットの稼働/非稼働及び仕上圧延装置2の圧延速度を決定する処理手順について説明する。なお、上記急冷終了温度目標値(TSaim )及び急冷終了温度許容値(ΔTS)が本発明の冷却工程の所定点における金属板温度の条件に相当する。
【0039】
図2、図3、図4、及び図5は、本発明の温度制御装置が冷却ユニットの稼働台数及び仕上圧延装置の圧延速度を決定する処理手順を示すフローチャートである。ライン上流から上面冷却ユニット及び下面冷却ユニットを連続して稼働してもよいが、各冷却ユニットとも全能力を使うように設定すると、実際の冷却工程において鋼板温度が目標値から外れた場合に、それを修正する制御ができなくなる虞があるので、上下面の各冷却ユニットを交互に稼働する。つまり、最上流側に位置する冷却ユニットは上面冷却ユニット(4−1a)のみを稼働し、最上流から2番目の冷却ユニットは下面冷却ユニット(4−2b)のみを稼働し、最上流から3番目の冷却ユニットは上面冷却ユニット(4−3a)のみを稼働する等のようにする。以下、最上流側に位置する上面及び下面冷却ユニットの両方又は何れか一方を第1冷却ユニット(No.1冷却ユニット)、最上流から2番目の上面及び下面冷却ユニットの両方又は何れか一方を第2冷却ユニット(No.2冷却ユニット)、及び最上流から3番目の上面及び下面冷却ユニットの両方又は何れか一方を第3冷却ユニット(No.3冷却ユニット)等として説明する。
【0040】
これにより、本実施の形態による設定に基づいて実際に鋼板1を冷却した際に、たとえ鋼板温度が目標値から外れた場合においても、それを修正するフィードバック制御が可能となる。例えば冷却不足が発生した場合には、冷却不足に陥った冷却ユニットに対向する冷却ユニットを稼働させれば冷却能力を向上させることができる。
【0041】
まず、プロセスコンピュータ18から鋼板1の比熱(c)、密度(ρ)、板厚(h)からなる鋼板情報、装置情報である冷却ユニット長(L)、及び圧延情報である圧延速度(V)を取得(S1)する。ここで各冷却ユニット長は同一値Lとしたが、あくまで説明の簡略化のためであり、通常は各冷却ユニット長として第i(i=1,2,3,…,n)冷却ユニット長(Li )を用いる。
【0042】
また、プロセスコンピュータ18から、急冷終了温度目標値(TSaim )、急冷終了温度許容値(ΔTS)、中間空冷時間(tair )、巻取温度目標値(TCaim )、及び巻取温度許容値(ΔTC)からなる冷却条件、並びに再計算時のパラメータである速度修正幅(ΔV)を取得(S2)する。
【0043】
従って、S1及びS2は以下の処理手順にて参照する定数及び変数の初期値を受付ける初期設定手順である。再計算時のパラメータである速度修正幅(ΔV)が小さいほど、冷却条件である急冷終了温度許容値(ΔTS)及び巻取温度許容値(ΔTC)を小さく設定することが可能であり、目標の特性をより精度よく実現した鋼板1を製造することが期待できる。
【0044】
しかし、速度修正幅(ΔV)が小さいほどループによる再計算処理の回数が増加するため処理時間が長くなるので、速度修正幅(ΔV)は、所望の鋼板1を製造するために要する冷却条件の要求精度及び温度制御装置10の処理能力から適切に設定する必要がある。
【0045】
次に、ライン上流に設けた冷却ユニットから連続して稼働し、急速冷却を行う急速冷却区間(急速冷却過程)の設定を行う。粗圧延装置5の出側に設けた温度計7により実測された鋼板温度(T0 )とS1及びS2にて取得した各数値とを用いて、それ自体公知の計算式(1)により仕上圧延装置2の出側での鋼板1の圧延終了温度(TF)を算出する。算出した圧延終了温度(TF)は、第1冷却ユニットの入側での冷却ユニット入側鋼板温度(Tin)に相当するので、圧延終了温度(TF)を冷却ユニット入側鋼板温度(Tin)に設定(S3)する。
TF=T0 −ΔTF …(1)
ΔTF=ΔTw +ΔTa +ΔTr −ΔTq −ΔTbh
ΔTw =hw ・(TF−Tw )・tw /(c・ρ・h)
ΔTa =ha ・(TF−Ta )・ta /(c・ρ・h)
ΔTr =hr ・(TF−Tr )・tr /(c・ρ・h)
ΔTq =G・η/(c・ρ・h)
ΔTbh=PB/(c・ρ・h・B・V)
ここで、
TF :圧延終了温度(℃)
T0 :鋼板初期温度(℃)
ΔTF:鋼板の温度降下量(℃)
ΔTw :水冷による鋼板の温度降下量(℃)
ΔTa :空冷による鋼板の温度降下量(℃)
ΔTr :ロール接触による鋼板の温度降下量(℃)
ΔTq :圧延時の加工発熱による鋼板の温度上昇量(℃)
ΔTbh:加熱装置の加熱による鋼板の温度上昇量(℃)
hw :水冷による熱伝達係数(kcal/(m2 ・min・℃))
ha :空冷による熱伝達係数(kcal/(m2 ・min・℃))
hr :ロール接触による熱伝達係数(kcal/(m2 ・min・℃))
tw :水冷に要した時間(min)
ta :空冷に要した時間(min)
tr :圧延に要した時間(min)
c :鋼板の比熱(kcal/(kg・℃))
ρ :鋼板の密度(kg/m3)
h :鋼板の板厚(m)
G :圧延トルク(kcal)
η :圧延トルクの発熱係数
PB :加熱装置の実効出力(kcal/min)
B :加熱装置での鋼板の幅(m)
V :加熱装置での鋼板の速度(m/min)
である。
なお、本実施の形態においては、仕上圧延装置2の出側の直近に第1冷却ユニットが位置する場合を想定しているため、鋼板1が仕上圧延装置2を出てから第1冷却ユニットにより冷却されるまでの空冷による温度降下を無視し、上記のように、圧延終了温度(TF)を冷却ユニット入側鋼板温度(Tin)に設定することとした。しかし、仕上圧延装置2の出側と第1冷却ユニットとの間の空冷による鋼板1の温度降下量が無視できない場合等は、鋼板1の速度及び仕上圧延装置−第1冷却ユニット間距離に基づいて空冷時間(ta )を求め、上記計算式に基づいてこの間の空冷による鋼板1の温度降下量(ΔTa )を算出し、上記算出した圧延終了温度(TF)から、さらにこの温度降下量(ΔTa )を差し引いた値を冷却ユニット入側鋼板温度(Tin)として設定すればよい。
【0046】
S3で算出した冷却ユニット入側鋼板温度(Tin)と、S1及びS2にて取得した各数値とを用いて、第1冷却ユニットにより鋼板1が冷却された場合(S4)の温度降下に基づく鋼板温度をそれ自体公知の計算式(2)及び(3)により算出し、第1冷却ユニットの出側での冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )に設定(S5)する。
Tout =Tin・exp(−αw ・L/(c・ρ・h・V)) …(2)
ここで、
Tout :冷却ユニットの出側での冷却ユニット出側鋼板温度(℃)
Tin :冷却ユニットの入側での冷却ユニット入側鋼板温度(℃)
αw :冷却ユニットの熱伝達係数(kcal/(m2 ・min・℃))
c :鋼板の比熱(kcal/(kg・℃))
ρ :鋼板の密度(kg/m3 )
h :鋼板の板厚(m)
L :冷却ユニット長(m)
V :圧延速度(m/min)
である。
αw =A・(WB /TC )・(1−D・Tw )・VE …(3)
ここで、
αw :冷却ユニットの熱伝達係数(kcal/(m2 ・min・℃))
W :水量密度(l/(min・m2 ))
T :鋼板温度(℃)
Tw :冷却水温度(℃)
V :圧延速度(m/min)
であり、A〜Eは、冷却ユニットの種類によって定まるパラメータである。
なお、パラメータA〜Eは、実操業における実績データに基づき設定することが一般的である。すなわち、実操業における実績データをオフラインで分析し、鋼板温度の計算値と実績値とが概ね一致するようにこれらのパラメータを決めることが一般的に行われており、本実施の形態においてもそのようにして定める。
【0047】
S5で算出した冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )と急冷終了温度の許容範囲上限値(TSaim +ΔTS)とを比較し、冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )が急冷終了温度の許容範囲上限値(TSaim +ΔTS)より小さいか否かを判定(S6)する。
【0048】
S6にて、冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )が急冷終了温度の許容範囲上限値(TSaim +ΔTS)より大きいと判定した場合(S6:NO)には、冷却が不足していることになるから、冷却ユニットを更に稼働させるべく冷却ユニット番号を1インクリメント(S7)する。
【0049】
S5で算出した冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )は次の冷却ユニットの入側での鋼板温度に相当するので、S5で算出した冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )を冷却ユニット入側鋼板温度(Tin)に再設定(S8)し、S5に戻り温度計算を再実行する。
【0050】
一方S6にて、冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )が急冷終了温度の許容範囲上限値(TSaim +ΔTS)より小さいと判定した場合(S6:YES)には、更に下限値を満足するか否かを判定するため、冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )と急冷終了温度の許容範囲下限値(TSaim −ΔTS)とを比較し、冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )が急冷終了温度の許容範囲下限値(TSaim −ΔTS)より大きいか否かを判定(S9)する。
【0051】
S9にて、冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )が急冷終了温度の許容範囲下限値(TSaim −ΔTS)より小さいと判定した場合(S9:NO)には、冷却ユニットの稼働だけでは急冷終了温度の許容範囲に設定することができないので、圧延速度を変更(増速又は減速)することで対応する。即ち、圧延速度を減速すべく速度修正幅(ΔV)分減少した圧延速度(V−ΔV)を新たな圧延速度(V)に再設定(S10)し、S3に戻り温度計算を再実行する。
【0052】
ここで、圧延速度の変更による鋼板温度への影響について説明する。図6は、圧延速度の変更による鋼板温度の時間変化を示す図である。図中、上側に、鋼板1を冷却する際に用いた上面冷却ユニット及び下面冷却ユニットの稼働/非稼働パターンを示す。中段に示した稼働/非稼働パターンは基準速度(圧延速度変更前)時のパターンであり、この時の温度曲線は、図中実線で示すように、3つの冷却ユニットで冷却した場合には3番目の冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )が急冷終了温度の許容範囲上限値(TSaim +ΔTS)より高くなり、4つの冷却ユニットで冷却した場合には4番目の冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )が急冷終了温度の許容範囲下限値(TSaim −ΔTS)より低くなってしまい、条件の急冷終了温度を満足する設定が不可能である。つまり、この設定不能である状況が発生することが、冷却ユニットの稼働/非稼働のみを制御する構成とした従来のROT冷却制御装置9における課題に他ならない。
【0053】
そこで、下段に示すように、圧延速度を減速することで1冷却ユニットあたりの温度降下量を変更(増量)し、3つの冷却ユニットで冷却した場合に、3番目の冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )を急冷終了温度の許容範囲内に設定すること可能となる。また、上段に示すように、圧延速度を増速することで1冷却ユニットあたりの温度降下量を変更(減量)し、4つの冷却ユニットで冷却した場合に、4番目の冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )を急冷終了温度の許容範囲内に設定すること可能となる。従って、従来の冷却ユニットをより細分化する方法、及び各冷却装置から供給する冷却水量を制御する方法によらずとも、鋼板1の圧延速度を変更することにより、1冷却ユニットあたりの鋼板1の温度降下量を増量及び減量する制御が可能となるため、従来の方法における冷却バルブ数の増加及び冷却バルブ構造の複雑化等による設備費用及びメンテナンス費用が不要となる。上述したように、圧延速度を減速又は増速により所望の急冷終了温度の条件を満足することができるが、本実施の形態においては圧延速度を減速する方を用いる。
【0054】
一方S9にて、冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )が急冷終了温度の許容範囲下限値(TSaim −ΔTS)より大きいと判定した場合(S9:YES)には、急速冷却終了時の冷却条件である急冷終了温度目標値(TSaim )及び急冷終了温度許容値(ΔTS)を満足することになる。
【0055】
このときの冷却ユニット数(i)が急速冷却として稼働する冷却ユニット数(Ncr)に相当し、第1冷却ユニットから第Ncr冷却ユニットまでを急速冷却のために稼働するよう設定(S11)する。
【0056】
次に、冷却装置による冷却を停止する中間空冷区間の設定を行う。中間空冷時間(tair )及び冷却ユニット長(L)、並びに圧延速度(V)から中間空冷確保のために冷却を停止する冷却ユニット数(Nstop)を計算式(5)により算出(S14)し、中間空冷区間の設定条件が決定される。
Nstop=V・tair /L …(5)
ここで、
Nstop :停止冷却ユニット数(台)
tair :中間空冷時間(min)
L :冷却ユニット長(m)
V :圧延速度(m/min)
である。
【0057】
従って、第Ncr+1冷却ユニットから第Ncr+Nstop冷却ユニットまでの冷却ユニットが中間空冷機能を果たすことになる。
【0058】
次に、再度冷却ユニットによる冷却が必要か否かを判定する。中間空冷区間を終えた中間空冷終了鋼板温度(Tair )を中間空冷時間(tair )とS1及びS2にて取得した各数値と急速冷却区間終了時の冷却ユニットの出側での冷却ユニット出側鋼板温度(TS)とを用いて、それ自体公知の計算式(6)により算出(S15)する。
Tair =TS・exp(−αair ・tair /(c・ρ・h)) …(6)
ここで、
Tair :中間空冷終了時の鋼板温度(℃)
TS :急速冷却終了時の冷却ユニットの出側での鋼板温度(℃)
αair :冷却停止時の熱伝達係数(kcal/(m2 ・min・℃))
c :鋼板の比熱(kcal/(kg・℃))
ρ :鋼板の密度(kg/m3 )
h :鋼板の板厚(m)
である。
【0059】
S15にて算出した鋼板温度(Tair )が巻取温度の許容範囲内(TCaim −ΔTC〜TCaim +ΔTC)にあるか否かを判定(S16)し、中間空冷終了鋼板温度(Tair )が許容範囲内にあると判定した場合(S16:YES)には、再度冷却する必要がないことになるため、これにて全ての処理を終了する。
【0060】
一方S16にて、中間空冷終了鋼板温度(Tair )が巻取温度の許容範囲内にないと判定した場合(S16:NO)には、残りの冷却ユニットを稼働させ再度冷却する必要があるため、そのための設定条件を算出する。
【0061】
なお、後半冷却の対象冷却ユニットは、中間空冷区間よりライン下流の冷却ユニット、即ち第Ncr+Nstop+j冷却ユニット(j=1,2,3,…)になるが、説明を簡略化するため第Ncr+Nstop+j冷却ユニットのことを第j後半冷却ユニットとして説明する。
【0062】
S15で算出した中間空冷終了鋼板温度(Tair )を第1後半冷却ユニットの入側での冷却ユニット入側鋼板温度(Tin)に設定(S31)し、第1後半冷却ユニットにより鋼板1が冷却された場合(S17)の温度降下に基づく鋼板温度をそれ自体公知の計算式(2)及び(3)により、第1後半冷却ユニットの出側での冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )を算出(S18)する。
【0063】
S18で算出した冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )が巻取温度の許容範囲内(TCaim −ΔTC〜TCaim +ΔTC)にあるか否かを判定(S21)し、許容範囲内にないと判定した場合(S21:NO)には、冷却が不足していることになるから、冷却ユニットを更に稼働させるべく後半冷却ユニット番号を1インクリメント(S22)する。
【0064】
S18で算出した冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )は次の冷却ユニットの入側での冷却ユニット入側鋼板温度(Tin)に相当するので、冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )を冷却ユニット入側鋼板温度(Tin)に再設定(S23)し、S18に戻り温度計算を再実行する。
【0065】
一方S21にて、冷却ユニット出側鋼板温度(Tout )が巻取温度の許容範囲内(TCaim −ΔTC〜TCaim +ΔTC)にあると判定した場合(S21:YES)には、巻取り前の冷却条件に相当する巻取温度目標値(TCaim )、及び巻取温度許容値(ΔTC)はすべて満足することになり、後半冷却区間の設定条件が決定される。
【0066】
このときの後半冷却ユニット数(j)が後半冷却として稼働する冷却ユニット数(Ntc)に相当し、第1後半冷却ユニットから第Ntc後半冷却ユニットまで、換言すれば第Ncr+Nstop+1冷却ユニットから第Ncr+Nstop+Ntc冷却ユニットまでを後半冷却のために稼働するよう設定(S24)する。
【0067】
このような処理手順を実施することにより、急冷終了温度目標値(TSaim )、急冷終了温度許容値(ΔTS)、中間空冷時間(taim )、巻取温度目標値(TCaim )、巻取温度許容値(ΔTC)を冷却条件とし、冷却条件に基づいて、仕上圧延に先だって、冷却装置の稼働/非稼動の設定のみならず仕上圧延装置2の圧延速度を設定することにより鋼板1の温度降下量を制御し、所望の特性を有する鋼板1を製造することができる。なお、要求される温度プロファイルが図12のパターン2に示すようなものであり、冷却条件として中間空冷時間が不要な場合は、上記処理手順から中間空冷区間の設定に関する手順を省略すればよい。
【0068】
(実施の形態2)
図7は本発明の実施の形態2に係る圧延ラインを示す模式図である。この圧延ラインは仕上圧延装置2のライン上流に加熱装置6を追加配置したものであり、仕上圧延前に鋼板1を再加熱することにより、圧延終了温度を冷却開始温度とした冷却条件に基づく制御を行う場合に、加熱装置6は圧延終了温度を補償すべく機能する。
【0069】
図中20は温度制御装置であり、粗圧延装置5の出側に設けた温度計7により測定された鋼板1の先端部の鋼板温度と、プロセスコンピュータ28から鋼板1の比熱(c)、密度(ρ)、板厚(h)等の鋼板情報、冷却ユニット長(L)、加熱出力初期値(PB0 )等の装置情報、及び圧延速度(V)等の圧延情報とを通信部25を介して取得し、情報を記録するRAM等の記憶部22に記憶させる。また圧延終了時の鋼板温度及び圧延終了後の複数の鋼板温度を含む冷却条件がキーボード等の入力部23より予め入力され記憶部22に記憶されている。この冷却条件に基づいて、演算部21により冷却ユニットの稼働及び仕上圧延装置2の圧延速度、及び加熱装置6の加熱出力を決定し、モニタ等の出力部24に出力するとともに、通信部25を介して冷却ユニットの冷却バルブの開閉及び圧延ローラのモータ回転速度、及び加熱装置6の出力電流を設定する。その他の構成は図1と同様であるので、対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0070】
以下、冷却条件が、仕上圧延終了時の圧延終了温度目標値(TFaim )、その範囲である圧延終了温度許容値(ΔTF)、急速冷却終了時の急冷終了温度目標値(TSaim )、その許容範囲である急冷終了温度許容値(ΔTS)、中間空冷時の冷却装置を停止する中間空冷時間(tair )、後半冷却時の条件である巻取装置3の入側での巻取温度目標値(TCaim )、及びその許容範囲である巻取温度許容値(ΔTC)とした場合について、温度制御装置20が、鋼板情報、装置情報、及び圧延情報から冷却ユニットの稼働/非稼働、仕上圧延装置2の圧延速度、及び加熱装置6の加熱量を決定する処理手順について説明する。
【0071】
図8は、本発明の温度制御装置が冷却ユニットの稼働台数、仕上圧延装置の圧延速度、及び加熱装置の加熱量を決定する処理手順を示すフローチャートである。まず、プロセスコンピュータ28から鋼板1の比熱(c)、密度(ρ)、板厚(h)からなる鋼板情報、装置情報である冷却ユニット長(L)、及び圧延情報である圧延速度(V)を取得(S101)する。
【0072】
また、プロセスコンピュータ28から、圧延終了温度目標値(TFaim )、圧延終了温度許容値(ΔTF)、急冷終了温度目標値(TSaim )、急冷終了温度許容値(ΔTS)、中間空冷時間(tair )、巻取温度目標値(TCaim )、及び巻取温度許容値(ΔTC)からなる冷却条件、並びに再計算時のパラメータである第1の速度修正幅(△V1)及び第2の速度修正幅(△V2)を取得(S102)する。速度修正幅は、前述同様、冷却条件の要求精度及び温度制御装置20の処理能力を考慮して設定すればよい。なお、第1の速度修正幅(△V1)と第2の速度修正幅(△V2)とは異なる値に設定した方が望ましい。例えば、第1の速度修正幅(△V1)を第2の速度修正幅(△V2)より大きい値に設定する。
【0073】
更に、プロセスコンピュータ28から、鋼板1を再加熱する加熱装置6の加熱出力(PB)の加熱出力初期値(PB0 )、及び再計算時のパラメータである加熱出力修正幅(ΔPB)を取得(S103)する。加熱出力初期値(PB0 )は例えば装置の零点を含む最小値に設定することができる。
【0074】
従って、S101、S102及びS103は以下の処理手順にて参照する定数及び変数の初期値を受付ける初期設定手順である。
【0075】
次に、粗圧延装置5の出側に設けられた温度計7により実測された鋼板1の先端部の鋼板温度(T0 )を初期値として、S101、S102、及びS103にて取得した各数値を用いてそれ自体公知の計算式(1)により仕上圧延装置2の出側での鋼板1の圧延終了温度(TF)を算出(S104)する。
【0076】
S104で算出した圧延終了温度(TF)と圧延終了温度の許容範囲上限値(TFaim +ΔTF)とを比較し、圧延終了温度(TF)が圧延終了温度の許容範囲上限値(TFaim +ΔTF)より小さいか否かを判定(S105)し、大きいと判定した場合(S105:NO)には、鋼板1が仕上圧延装置2を通過する時間を増加させることで、鋼板1の温度降下量を増加させるべく第1の速度修正幅(ΔV1)分減少した圧延速度(V−ΔV1)を新たな圧延速度(V)に再設定(S106)し、S104に戻り温度計算を再実行する。
【0077】
一方S105にて、圧延終了温度(TF)が圧延終了温度の許容範囲上限値(TFaim +ΔTF)より小さいと判定した場合(S105:YES)には、更に圧延終了温度(TF)と圧延終了温度の許容範囲下限値(TFaim −ΔTF)とを比較し、圧延終了温度(TF)が圧延終了温度の許容範囲下限値(TFaim −ΔTF)より大きいか否かを判定(S107)する。
【0078】
S107にて、圧延終了温度(TF)が圧延終了温度の許容範囲下限値(TFaim −ΔTF)より小さいと判定した場合(S107:NO)には、加熱量が不足していることになるから加熱量を増加させるべく加熱装置6の加熱出力修正幅(ΔPB)分増加した出力(PB+ΔPB)を新たな加熱出力(PB)に再設定(S108)し、S104に戻り温度計算を再実行する。
【0079】
一方S107にて、圧延終了温度(TF)が圧延終了温度の許容範囲下限値(TFaim −ΔTF)より大きいと判定した場合(S107:YES)には、冷却前の冷却条件を満足することになり、圧延終了温度の設定条件が決定される。
【0080】
次に、急速冷却利用ユニット数(Ncr)、中間空冷のため停止する冷却ユニット数(Nstop)、及び後半冷却利用ユニット数(Ntc)を算出し、各々の冷却装置の稼働/非稼働を設定することになるが、これらの処理手順(S109〜S119)は実施の形態1の処理手順と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0081】
ただし、圧延終了温度(TF)は圧延速度(V)の関数であるため、各処理手順にて圧延速度(V)を変更した場合には、圧延終了温度(TF)が変化してしまうことになり圧延終了温度の許容範囲(TFaim −ΔTF〜TFaim +ΔTF)を満足しない場合があるので、S104に戻って温度計算を再実行することになる。
【0082】
このような処理手順を実施することにより、圧延終了温度目標値(TFaim )、圧延終了温度許容値(ΔTF)、急冷終了温度目標値(TSaim )、急冷終了温度許容値(ΔTS)、中間空冷時間(taim )、巻取温度目標値(TCaim )、巻取温度許容値(ΔTC)を冷却条件とし、冷却条件に基づいて冷却装置の稼働及び仕上圧延装置2の圧延速度のみならず加熱装置6の加熱量を変更することにより鋼板1の温度を制御し、所望の特性を有する鋼板1を製造することができる。
【0083】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係る金属板の製造方法及び温度制御装置によれば、金属板を冷却する前に、冷却条件である冷却工程の所定点における金属板温度の条件に基づいて冷却装置の稼働/非稼働のみならず仕上圧延装置の圧延速度を設定し、金属板の温度降下量を制御することにより、設備追加費用及び設備メンテナンス費用を負担することなく様々な温度プロファイルを精度良く実現し、所望の材料特性を有する金属板を製造することができる。また、仕上圧延装置の上流側に設けた加熱装置の加熱量を設定し、冷却開始前の金属板温度を制御することにより、更に様々な温度プロファイルを精度良く実現し、所望の材料特性を有する金属板を製造することができる。
【0084】
また本発明によれば、最上流の冷却装置から下流側の冷却装置を連続稼働し、仕上圧延後可及的速やかに金属板を急速冷却することにより、金属板の粒成長を抑制するとともに結晶粒を微細化することが可能となり、加工性が優れた金属板を安定して製造することができる。
【0085】
更に本発明によれば、冷却能力(冷却装置台数)が十分ある場合には、稼働にする冷却装置と非稼働にする冷却装置とをパターン(例えば、交互パターン)化して冷却装置の稼働/非稼働を設定し、そのことによる金属板の冷却速度の低下を補正すべく圧延速度を増速する設定をすることにより、冷却条件を満足した金属板を製造するのに要する時間を減少させ、生産能率を向上させることができる等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る圧延ラインを示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態1の温度制御装置が冷却ユニットの稼働台数及び仕上圧延装置の圧延速度を決定する処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態1の温度制御装置が冷却ユニットの稼働台数及び仕上圧延装置の圧延速度を決定する処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1の温度制御装置が冷却ユニットの稼働台数及び仕上圧延装置の圧延速度を決定する処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1の温度制御装置が冷却ユニットの稼働台数及び仕上圧延装置の圧延速度を決定する処理手順を示すフローチャートである。
【図6】圧延速度の変更による鋼板温度の時間変化を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る圧延ラインを示す模式図である。
【図8】本発明の実施の形態2の温度制御装置が冷却ユニットの稼働台数、仕上圧延装置の圧延速度、及び加熱装置の加熱量を決定する処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2の温度制御装置が冷却ユニットの稼働台数、仕上圧延装置の圧延速度、及び加熱装置の加熱量を決定する処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態2の温度制御装置が冷却ユニットの稼働台数、仕上圧延装置の圧延速度、及び加熱装置の加熱量を決定する処理手順を示すフローチャートである。
【図11】圧延ラインを示す模式図である。
【図12】金属板の温度プロファイルの一例を示す温度曲線である。
【符号の説明】
1 鋼板
2 仕上圧延装置
3 巻取装置
4 ランナウトテーブル冷却設備(ROT冷却設備)
5 粗圧延装置
6 加熱装置
7 温度計
9 ROT冷却制御装置
10、20 温度制御装置
11、21 演算部
12、22 記憶部
13、23 入力部
14、24 出力部
15、25 通信部
18、28 プロセスコンピュータ
Claims (10)
- 仕上圧延装置と巻取装置との間に設けた複数の冷却装置を用いて仕上圧延後の金属板を冷却する冷却工程にて仕上圧延後の金属板温度を制御する金属板の製造方法において、
前記冷却工程に先だって、前記冷却工程の所定点における金属板温度の条件に基づいて、前記冷却装置の各々の稼働/非稼働と前記仕上圧延装置の圧延速度とを設定すること
を特徴とする金属板の製造方法。 - 前記所定点における金属板温度の条件は、一の冷却装置から下流側の冷却装置を連続稼働することで金属板を冷却する場合における稼働している最下流側の冷却装置の出側での金属板温度として規定される冷却終了温度の条件を含むこと
を特徴とする請求項1に記載の金属板の製造方法。 - 最上流側の冷却装置から稼働すること
を特徴とする請求項2に記載の金属板の製造方法。 - 前記冷却工程には冷却速度が異なる複数の冷却過程が存在し、
前記所定点における金属板温度の条件は、少なくとも前記複数の冷却過程の内の1つの冷却過程の終了点における金属板温度の条件を含むこと
を特徴とする請求項1に記載の金属板の製造方法。 - 前記冷却工程の上流側に冷却速度が他の冷却過程に較べて相対的に大きい急速冷却過程が存在し、
前記所定点における金属板温度の条件は、前記急速冷却過程の終了点における金属板温度の条件を含むこと
を特徴とする請求項4に記載の金属板の製造方法。 - 仕上圧延終了時における金属板温度で規定される圧延終了温度の条件に基づいて、仕上圧延装置の上流側に設けた加熱装置の加熱量を設定すること
を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の金属板の製造方法。 - 前記所定点における金属板温度の条件に基づいて、冷却を開始すべき冷却装置から該冷却装置の下流側の冷却装置へと順次冷却装置の稼働台数を変更する稼働台数変更ステップと、
前記仕上圧延装置の圧延速度を所定量だけ増速又は減速する圧延速度変更ステップと、
前記冷却装置の稼働台数による金属板の温度降下量に基づいて算出した金属板温度が、前記条件を満足するか否かを判定する冷却温度判定ステップとを含み、
該冷却温度判定ステップにて、算出した金属板温度が前記条件を満足していると判定されるまで、前記稼働台数変更ステップ又は圧延速度変更ステップのいずれかのステップと前記冷却温度判定ステップとを繰り返すこと
を特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の金属板の製造方法。 - 前記加熱装置の加熱量を所定量だけ増量又は減量する加熱量変更ステップと、
仕上圧延装置による金属板の温度降下量に基づいて算出した金属板温度が、前記圧延終了温度の条件を満足するか否かを判定する圧延温度判定ステップとを含み、
該圧延温度判定ステップにて、算出した金属板温度が前記圧延終了温度の条件を満足していると判定されるまで、前記加熱量変更ステップ又は前記圧延速度変更ステップのいずれかのステップと前記圧延温度判定ステップとを繰り返すこと
を特徴とする請求項6又は請求項7に記載の金属板の製造方法。 - 仕上圧延装置と巻取装置との間に設けた複数の冷却装置を用いて仕上圧延後の金属板を冷却する冷却工程にて仕上圧延後の金属板温度を制御する構成とした温度制御装置において、
前記冷却工程に先だって、前記冷却工程の所定点における金属板温度の条件に基づいて、前記冷却装置の各々の稼働/非稼働を設定する手段と、
前記仕上圧延装置の圧延速度を設定する手段とを備えること
を特徴とする温度制御装置。 - 仕上圧延終了時における金属板温度で規定される圧延終了温度の条件に基づいて、仕上圧延装置の上流側に設けた加熱装置の加熱量を設定する手段を備えること
を特徴とする請求項9に記載の温度制御装置。
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