JP4714628B2 - 厚鋼板の冷却設備列及び冷却方法 - Google Patents

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Description

本発明は,熱間圧延により厚鋼板を製造する際に,熱間仕上げ圧延した厚鋼板を冷却する場合に適用される,厚鋼板の冷却設備列及び冷却方法に関するものである。
最近,厚鋼板の製造において仕上圧延後の制御冷却により鋼板の強度や溶接性の向上を図っている。制御冷却では,均一な材質特性及び平坦度を得るために,板幅方向の温度分布が一様となるように冷却する必要がある。しかしながら,この均一冷却を阻害する鋼板の条件として,鋼板表面に生成する鉄酸化物(以下「スケール」と称する)の厚みにばらつきがあることが一般的に知られている。
このスケールの影響を排除するために冷却前にデスケーリングによりスケールを除去する方法が特許文献1に開示されている。また,スケールへの影響は,明示されていないが,冷却前にプラズマ照射により冷却速度を制御する方法が特許文献2に開示されている。
特開2000−271627号公報 特開2003−181519号公報
一般に,スケールが鋼板の冷却に与える影響については以下のことが知られている。すなわち,スケールのような熱を伝導させにくい物質の付着により,水冷を行う際の鋼板の冷却速度は向上する。このような現象が起こる原因として,スケールのような熱を伝導させにくい物質の付着により図6に示すように膜沸騰の終了する温度(クエンチ点温度)が上昇することが知られている。このため,厚鋼板表面にスケールの部分的な剥離などが生じ,スケールの厚みにばらつきがあると厚鋼板面内で冷却速度がばらつき,材質ばらつきの原因となる。実際にスケールの厚みのばらつき(スケール斑)を調べたところ,薄いところで3〜5μm,厚いところで30μm以上であった。
特許文献1の冷却方法では,デスケーリングによりスケールを除去した後,冷却する。この方法ではスケールの除去により膜沸騰の終了温度が下がるため,冷却能力が低下するという問題が生じる。膜沸騰の終了温度が低下すると図6に示すように冷却能力が低い状態が表面温度の低い領域まで保持されるために,冷却速度が小さくなってしまう。このために,水量を増加させて冷却能力を増加させる,あるいは通板速度を低下させて冷却時間を長くする必要がある。しかしながら,これでは,経済面で冷却に必要な動力が増加する,生産性が悪くなるなどの短所がある。
特許文献2の冷却方法では,プラズマ照射により,クエンチ点温度が上昇することが記載されている。これは,プラズマ照射により,鋼板表面に付着した水,油分などの不純物分子が除去されることにより,鋼板表面の水との接触角度が低下し,鋼板と水が接触しやすくなるため,膜沸騰の崩壊(鋼板と水の接触開始)温度であるクエンチ点温度が高くなるものと考えられている。しかしながら,特許文献2の方法には以下の短所があり,厚鋼板の冷却では適用が困難である。第一には,図7のように厚鋼板6の表面のスケール8の厚みのばらつきが大きく,スケール8のある部分とない部分がある場合,そのスケール有無でのプラズマ照射の効果が不明である。第二には,プラズマ照射は本発明者らが行った実験では,図2に示すように面間距離(プラズマ噴出孔先端と鋼板面との距離)が遠くなると効果が大きく低下する特性があることが判明している。厚鋼板では,通常の仕上げ圧延後の状態では,鋼板先端もしくは尾端の反り,または幅方向の波変形などがあり,プラズマ照射距離をある一定値以下にするための装置が必須である。第三には,プラズマ照射時間が長いため,照射設備が長大なものになる,生産性が著しく低下する,あるいは冶金学的に必要な冷却開始温度を維持できないなどの短所がある。たとえば,厚さ30mm×幅4m×長さ15mの鋼板を仕上げ圧延後に特許文献2の方法,すなわち60秒間プラズマ照射する場合,厚鋼板と同じサイズのプラズマ照射装置を設置して,厚鋼板をその直下で静止させ,60秒間照射する方法,あるいは,たとえば,幅4m,長さ1mのプラズマ照射装置を設置し,1/60m/秒の速度で鋼板を通過させる方法などが考えられる。いずれの場合にしても,この間の厚鋼板の温度降下は前後の搬送時間も考慮すると80℃以上になることが考えられる。このためには,加熱炉での加熱温度をあらかじめ80℃以上通常に比較して高温にするなどの措置が必要となり,燃料の経済的な損失が大きい。また,上記の幅4m,長さ1mの通板型プラズマ照射装置を用いた場合は,プラズマ照射後の厚鋼板では冷却装置と通板速度を同期させることは困難であることから,プラズマ照射装置を鋼板が通過し終えてから冷却する必要がある。この場合,冷却までの時間が長くなるためにプラズマ照射後に表面にスケールが成長し,プラズマ照射効果が減じるというという欠点もある。このように特許文献2の技術を特許文献1の冷却方法に単純に適用することはできない。
本発明は,上記従来技術の課題であるプラズマ照射装置の問題を有利に解決して,搬送中の厚鋼板を噛み込んだ拘束ロール間で厚鋼板の上下面に注水して冷却するに際して,クエンチ点温度を上昇させ,厚鋼板形状の平坦度の向上と材質の均一化を図ることのできる,厚鋼板の冷却設備列及び冷却方法を提供することを目的とするものである。
本発明は上記課題を解決するため以下の(1)〜(5)を要旨とするものである。
(1)厚鋼板を仕上げ圧延後に冷却する設備列であって、仕上げ圧延機の後に、熱間矯正機と、温度計と、プラズマ照射装置と、上下に配置されたロールで一組をなす複数組の拘束ロール対で高温状態の厚鋼板を噛み込んで搬送しながら拘束ロール対の間で厚鋼板上下面に注水する冷却装置とをこの順で備え、前記プラズマ照射装置のプラズマ噴出孔先端と厚鋼板面との距離を15mm以上100mm以下とし、プラズマ照射時間を1秒以上3秒以下とし、プラズマ出力を単位面積で除した出力密度が2.5W/mm 以上、としたことを特徴とする厚鋼板の冷却設備列。
(2)厚鋼板を仕上げ圧延後に冷却する設備列であって、仕上げ圧延機の後に、熱間矯正機と、温度計と、上下に配置されたロールで一組をなす複数組の拘束ロール対で高温状態の厚鋼板を噛み込んで搬送しながら拘束ロール対の間で厚鋼板上下面に注水する冷却装置とをこの順で備え、前記冷却装置は、プラズマ照射装置を第一番目の拘束ロール対と第二番目の拘束ロール対の間に有し、前記プラズマ照射装置のプラズマ噴出孔先端と厚鋼板面との距離を15mm以上100mm以下とし、プラズマ照射時間を1秒以上3秒以下とし、プラズマ出力を単位面積で除した出力密度が2.5W/mm 以上、としたことを特徴とする厚鋼板の冷却設備列。
(3)厚鋼板を仕上げ圧延後に冷却する方法において、仕上げ圧延後に熱間矯正、温度測定を行い、その後に鋼板上下面にプラズマ照射を行い、上下に配置されたロールで一組をなす複数組の拘束ロール対で高温状態の厚鋼板を噛み込んで搬送しながら、拘束ロール対の間で厚鋼板上下面に注水して冷却し、前記プラズマ照射装置のプラズマ噴出孔先端と厚鋼板面との距離を15mm以上100mm以下とし、プラズマ照射時間を1秒以上3秒以下とし、プラズマ出力を単位面積で除した出力密度が2.5W/mm 以上、とすることを特徴とする厚鋼板の冷却方法。
(4)厚鋼板を仕上げ圧延後に冷却する方法において、仕上げ圧延後に熱間矯正、温度測定を行い、上下に配置されたロールで一組をなす複数組の拘束ロール対で高温状態の厚鋼板を噛み込んで搬送しながら、第一番目の拘束ロール対と第二番目の拘束ロール対の間に配置されたプラズマ照射装置、厚鋼板上下面にプラズマ照射を行い、厚鋼板上下面に注水して冷却し、前記プラズマ照射装置のプラズマ噴出孔先端と厚鋼板面との距離を15mm以上100mm以下とし、プラズマ照射時間を1秒以上3秒以下とし、プラズマ出力を単位面積で除した出力密度が2.5W/mm 以上、とすることを特徴とする厚鋼板の冷却方法。
本発明により,仕上げ圧延後の冷却を行って鋼板の材質を創り出す際に,クエンチ点温度を上昇させ,鋼板表面のスケール斑の影響を抑制して,厚鋼板形状の平坦度良好で材質の均一な鋼板を製造することが可能な冷却設備列及び冷却方法を提示することができる。
本発明の厚鋼板の冷却設備列Aは,例えば図1に示すように,仕上げ熱間圧延機1の後段に配置した熱間圧延鋼板の冷却装置4において,仕上げ熱間圧延機1で熱間圧延して得られた表面温度750-950℃の高温の厚鋼板6を搬送中に水噴射により700℃〜室温に急速冷却する場合に適用して特に顕著な効果を奏するものである。
以下に本発明の厚圧延鋼板の冷却設備列Aについて説明する。
本発明の厚圧延鋼板の冷却設備列Aは,例えば図1に示すように仕上げ圧延機1の後方に,厚鋼板6の形状を熱間で矯正する熱間矯正機3,厚鋼板6の温度を計る温度計7,厚鋼板6にプラズマを照射するプラズマ照射装置2,複数組の拘束ロールを備えた冷却装置4をこの順で有する設備列から成る。
プラズマ照射装置2は,例えば厚鋼板6の上下面に向けて窒素または空気のプラズマを噴出するプラズマ噴出孔2aを備えている。冷却装置4は,上下に配置されたロール51,52で一組をなす複数組の拘束ロール対53と,隣り合う拘束ロール対53の間で厚鋼板6の上下面に注水する注水スプレー(図示せず)を備えている。
そして,上記冷却設備列Aでは,仕上げ圧延機1において仕上げ圧延された高温の厚鋼板6が,先ず熱間矯正機3に搬送され,上下に配置された複数のロールにより加圧され矯正される。次に厚鋼板6は,温度計7の下を通過し,プラズマ照射装置2に搬入される。プラズマ照射装置2では,厚鋼板6の上下面にプラズマが所定の条件で照射される。このプラズマの照射は,プラズマ噴出孔2aから行われる。プラズマ照射装置2を通過した高温の厚鋼板6は,次に冷却装置4に搬入され,上下の拘束ロール51,52の間に噛み込まれて搬送され,拘束ロール対53同士の間の注水スプレーにより厚鋼板6の上下面に注水が行われる。こうして厚鋼板6が冷却される。
ここで,上記冷却設備列Aにおけるプラズマ照射の効果について検証する。
ここでは厚鋼板6にスケール斑が発生した場合について,厚鋼板6のスケールが有る部分(多い部分)と無い部分(少ない部分)での冷却に与えるプラズマ照射の影響を調査した。これにあたり,上記冷却設備列Aを用いて高温の厚鋼板6にプラズマ照射しその後高温の厚鋼板6をスプレー冷却し,この厚鋼板6の冷却時の温度推移を鋼板内部に埋め込んだ熱電対により測定して,厚鋼板6のクエンチ点温度を検出した。
まず,厚鋼板6の表面に十分なスケールがあり,スケール厚みが30μm以上と厚い場合では,プラズマ照射なし時には,クエンチ点温度は630℃であった。また,プラズマ照射有り時には,クエンチ点温度は640℃とその差は少なかった。これは,クエンチ点温度がスケールの効果でかなりの高温まで上昇しているためと推定される。
一方,厚鋼板6の表面にスケールがほとんどなく,スケールの生成が5μm程度になるようにして加熱して試験を行った。このスケール厚さは厚鋼板6においてスケール剥離があった場合のスケール厚さである。この試験において,図2は,プラズマ照射時のプラズマ照射装置2のプラズマ噴射孔2aと鋼板面の距離を変更した場合の厚鋼板6のクエンチ点温度の変化を示すグラフであり,図3は,プラズマ照射時間を変更した場合の厚鋼板6のクエンチ点温度の変化を示すグラフであり,図4は,プラズマ出力を変更した場合の厚鋼板6のクエンチ点温度の変化を示すグラフである。
図4に示すように,照射時間を短縮してもプラズマ出力の増加することによりクエンチ点温度を上昇させ得ることが判明した。そして,その上昇したクエンチ点温度は,通常の厚鋼板の操業条件時のスケール厚み30μmを付与した場合でのクエンチ点温度640℃にほぼ同等なレベルであった。
この結果,スケール厚5μmのプラズマ照射なし時のクエンチ点温度550℃をプラズマ照射により630℃まで上昇させ,スケール厚30μmのプラズマ照射あり時のクエンチ点温度640℃に近づけることができる。すなわち,厚鋼板6のスケール斑がある面にプラズマ照射を行うことにより,クエンチ点温度のバラツキを80℃(スケール30μm;630℃,スケール5μm;550℃)から10℃(スケール30μm;640℃,スケール5μm;630℃)まで低減できる。
したがって,上記実施の形態の冷却設備列Aによれば,厚鋼板6の表面にスケール斑があっても,厚鋼板6を均一に冷却することができ,形状,材質ともに均質な鋼板製品を得ることができる。
なお,図2,3,4に基づいて,冷却設備列Aにおける適正プラズマ処理条件を検討すると,スケールの斑に関わらず厚鋼板6を均一に冷却できるプラズマ照射条件として,図4からプラズマ出力を単位面積で除した出力密度が2.5W/mm2以上,図3から照射時間が3秒以下,図2から照射時のプラズマ噴出孔2aと厚鋼板6の面間距離が100mm以下であることが望ましい。なお,面間距離が15mm未満では,厚鋼板6の振動によりプラズマ噴出孔2aが破損する可能性があるので,面間距離は,15mm以上が望ましい。また,プラズマ照射時間は1秒以上が望ましい。
プラズマ照射装置2の設置位置については,厚鋼板6の仕上げ圧延後の形状を考慮し,厚鋼板6を平坦化した後であることが必須であるため,以上の実施の形態では図1に示したようにプラズマ照射装置2を熱間矯正機3の後に設置した。これは厚鋼板6に十分な平坦度を出せないと,曲がった厚鋼板6がプラズマ照射装置2に衝突しプラズマ照射装置2を破損する可能性があるためである。さらにプラズマ照射装置2を厚鋼板6の冷却前の温度を測定する温度計7の後に設置した。これは,プラズマ照射後,極力早く冷却を開始しないと,厚鋼板表面でのスケール生成があるため,プラズマ照射効果が低下するためである。また,通常温度計7は放射温度計であるため,プラズマ照射による厚鋼板表面での輻射率の変化を回避する必要があるためである。
以上の実施の形態では,冷却設備列Aにおいてプラズマ照射装置2を冷却装置4の前方に設けていたが,図5に示すようにプラズマ照射装置2を冷却装置4の第一番目の拘束ロール対53と第二番目の拘束ロール対53との間に配置してもよい。こうすれば,厚鋼板6とプラズマ噴出孔2aの位置関係が安定し,面間距離を一定にできる。これは,冷却装置4の前にプラズマ照射装置2を設置した場合は,厚鋼板6の先端が冷却装置4に入る前のテーブルロール上では若干ではあるが振動するため,厚鋼板6とプラズマ噴出孔2aとの位置関係が変化するためである。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において,各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
以下,本発明の厚鋼板の冷却方法と厚鋼板の冷却設備列Aの実施例を,実施例1及び実施例2並びに比較例1を用いて具体的に説明する。なお,これらの比較は表1にまとめておく。
(実施例1)
図1は,本発明の厚鋼板の冷却設備列Aを配置した,仕上げ圧延機1から冷却装置4までの厚鋼板製造設備列である。ここでは,仕上圧延機1,熱間矯正機3,温度計7,プラズマ照射装置2,複数対の拘束ロールからなる冷却装置4が順に設置される。熱間矯正機3は,上下合わせてロールが15本設置されており,荷重は2000トンの能力を有している。プラズマ照射装置2は,圧延方向の長さが1m,プラズマ出力は12.5MW,プラズマ噴出孔2aの厚鋼板6との面間距離は100mmに設定した。
この実施例1では,仕上げ圧延を行って得られた板厚25mm,幅4000mmの温度800℃の厚鋼板6を熱間矯正してから,5組の拘束ロール対53に噛み込ませて搬送速度20m/分で搬送しながら,上面は水量密度1.0m/m/分の注水を行って冷却した。一方,下面側は水量密度1.3m/m2/分の注水を行って冷却した。
この冷却によって10秒間冷却された後の厚鋼板6の温度を測定したところ,幅方向中央部での鋼板温度500℃に対して幅方向では±10℃と均一性が高く,反りや残留応力の極めて小さい,形状,材質ともに均一性に優れた十分に満足できる厚鋼板6を得ることができた。なお,ここでの厚鋼板6の温度の測定は,鋼板面の端部から板厚の2倍相当の縁部の領域を除いて行ったものである。
(実施例2)
実施例2では,図5に示すように仕上げ圧延機1,熱間矯正装置3 ,温度計7,プラズマ照射装置2,複数対の拘束ロールからなる冷却装置4が順に設置される。熱間矯正機3は,上下合わせてロールが15本設置されており,荷重は2000トンの能力を有している。プラズマ照射装置2は,複数対の拘束ロールからなる冷却装置4の熱間矯正機3側から第一番目の拘束ロール対53と第二番目の拘束ロール対53との間に設置され,圧延方向の長さが1m,プラズマ出力は12.5MW,プラズマ噴出孔2aの厚鋼板6との面間距離は50mmに設定した。
この実施例2では,仕上げ圧延を行って得られた板厚25mm,幅4000mmの温度800℃の厚鋼板6を熱間矯正してから,5組の拘束ロール対53に噛み込ませて搬送速度20m/分で搬送しながら,上面は水量密度1.0m/m/分の注水を行って冷却した。一方,下面側は水量密度1.3m/m2/分の注水を行って冷却した。
この冷却によって10秒間冷却された後の厚鋼板6の温度を測定したところ,幅方向中央部での鋼板温度500℃に対して幅方向では±10℃と均一性が高く,反りや残留応力の極めて小さい,形状,材質ともに均一性に優れた十分に満足できる厚鋼板6を得ることができた。
(比較例1)
比較例1では,仕上げ圧延機1,熱間矯正機3,温度計7,プラズマ照射装置2,複数対の拘束ロールからなる冷却装置4が順に設置される。熱間矯正機3は,上下合わせてロールが15本設置されており,荷重は2000トンの能力を有している.プラズマ照射装置2は,圧延方向の長さが1mであり,プラズマは用いなかった。
この比較例1では,仕上げ圧延を行って得られた板厚25mm,幅4000mmの温度800℃の厚鋼板6を熱間矯正してから,5組の拘束ロール対53に噛み込ませて搬送速度30m/分で搬送しながら,上面は水量密度1.0m/m/分の注水を行って冷却した。一方,下面側は水量密度1.3m/m2/分の注水を行って冷却した。
この冷却によって10秒間冷却された後の厚鋼板6の温度を測定したところ,幅方向中央部での鋼板温度500℃に対して幅方向では±40℃と均一性が悪く,残留応力の大きい,形状,材質ともに均一性が不足し,後工程での精整処理(矯正,熱処理など)が必要であった。
Figure 0004714628
本発明は,高温の厚鋼板を拘束ロールで拘束して搬送し上下部よりスプレーノズルを用い冷却する際に,スケール斑による温度ばらつき効果を軽減して均一性の高い鋼材材質を得る際に有用である。
本発明を使用する際の代表的な設備列の図面である。 プラズマ噴出孔と厚鋼板の面間距離と冷却時のクエンチ点温度変化の関係を示す図面である。 プラズマ照射時間と冷却時のクエンチ点温度変化の関係を示す図である。 プラズマ出力密度と冷却時のクエンチ点温度変化の関係を示す図である。 本発明を使用する際の別の設備列を示す図である。 プラズマ照射時の水冷時の冷却能力と鋼板表面温度の関係を模式的に示す図である。 厚鋼板のスケールばらつき状況を示す図である。
符号の説明
1 仕上げ圧延機
2 プラズマ照射装置
3 熱間矯正機
4 冷却装置
6 厚鋼板
7 温度計
8 スケール
51 上拘束ロール
52 下拘束ロール
53 拘束ロール対
A 冷却設備列

Claims (4)

  1. 厚鋼板を仕上げ圧延後に冷却する設備列であって、
    仕上げ圧延機の後に、熱間矯正機と、温度計と、プラズマ照射装置と、上下に配置されたロールで一組をなす複数組の拘束ロール対で高温状態の厚鋼板を噛み込んで搬送しながら拘束ロール対の間で厚鋼板上下面に注水する冷却装置とをこの順で備え
    前記プラズマ照射装置のプラズマ噴出孔先端と厚鋼板面との距離を15mm以上100mm以下とし、
    プラズマ照射時間を1秒以上3秒以下とし、
    プラズマ出力を単位面積で除した出力密度が2.5W/mm 以上、
    としたことを特徴とする厚鋼板の冷却設備列。
  2. 厚鋼板を仕上げ圧延後に冷却する設備列であって、
    仕上げ圧延機の後に、熱間矯正機と、温度計と、上下に配置されたロールで一組をなす複数組の拘束ロール対で高温状態の厚鋼板を噛み込んで搬送しながら拘束ロール対の間で厚鋼板上下面に注水する冷却装置とをこの順で備え、
    前記冷却装置は、プラズマ照射装置を第一番目の拘束ロール対と第二番目の拘束ロール対の間に有し、
    前記プラズマ照射装置のプラズマ噴出孔先端と厚鋼板面との距離を15mm以上100mm以下とし、
    プラズマ照射時間を1秒以上3秒以下とし、
    プラズマ出力を単位面積で除した出力密度が2.5W/mm 以上、
    としたことを特徴とする厚鋼板の冷却設備列。
  3. 厚鋼板を仕上げ圧延後に冷却する方法において、仕上げ圧延後に熱間矯正、温度測定を行い、その後に厚鋼板上下面にプラズマ照射を行い、上下に配置されたロールで一組をなす複数組の拘束ロール対で高温状態の厚鋼板を噛み込んで搬送しながら、拘束ロール対の間で厚鋼板上下面に注水して冷却し、
    前記プラズマ照射装置のプラズマ噴出孔先端と厚鋼板面との距離を15mm以上100mm以下とし、
    プラズマ照射時間を1秒以上3秒以下とし、
    プラズマ出力を単位面積で除した出力密度が2.5W/mm 以上、
    とすることを特徴とする厚鋼板の冷却方法。
  4. 厚鋼板を仕上げ圧延後に冷却する方法において、仕上げ圧延後に熱間矯正、温度測定を行い、上下に配置されたロールで一組をなす複数組の拘束ロール対で高温状態の厚鋼板を噛み込んで搬送しながら、第一番目の拘束ロール対と第二番目の拘束ロール対の間に配置されたプラズマ照射装置、厚鋼板上下面にプラズマ照射を行い、厚鋼板上下面に注水して冷却し、
    前記プラズマ照射装置のプラズマ噴出孔先端と厚鋼板面との距離を15mm以上100mm以下とし、
    プラズマ照射時間を1秒以上3秒以下とし、
    プラズマ出力を単位面積で除した出力密度が2.5W/mm 以上、
    することを特徴とする厚鋼板の冷却方法。
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