JP2000001719A - 高温鋼板の冷却装置 - Google Patents

高温鋼板の冷却装置

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JP2000001719A
JP2000001719A JP16823898A JP16823898A JP2000001719A JP 2000001719 A JP2000001719 A JP 2000001719A JP 16823898 A JP16823898 A JP 16823898A JP 16823898 A JP16823898 A JP 16823898A JP 2000001719 A JP2000001719 A JP 2000001719A
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cooling
cooling water
steel sheet
steel plate
nozzle
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JP16823898A
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Teruo Fujibayashi
晃夫 藤林
Hiroshi Kibe
洋 木部
Satoshi Kamioka
悟史 上岡
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温鋼板を冷却するに際し、鋼板の上下面で
同じ温度履歴になり、板幅方向の冷却むらや反りの生ず
ることがなく、均一に冷却する。 【解決手段】 鋼板1の上面と下面との冷却温度履歴が
同じになるように上部冷却ノズル5と下部冷却ノズル6
とが配置され、上部冷却ノズル5の下流側には水切りス
プレーノズル4が設けられ、上拘束ロール2と下拘束ロ
ール3とによる鋼板に対する拘束力を、拘束ロール間の
距離および鋼板の厚さとの関係において一定値に設定
し、且つ、上拘束ロール2の直径を、拘束ロール間の距
離、冷却水の流量密度、板幅および最大液面高さとの関
係において一定値に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱間圧延された
高温の厚鋼板の冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延機によって熱間圧延された高温
の厚鋼板は、熱間圧延機の出側に設けられた冷却装置に
よって冷却されるが、このような冷却装置による冷却に
は、以下に述べるような問題が存在する。
【0003】一般に圧延直後の温度分布や鋼板の形状ま
たは表面状態の相違に起因して、鋼板の冷却中に冷却む
らが生じやすい。特に、熱間圧延された厚鋼板をオンラ
インで冷却する場合には、鋼板の上面および下面に対す
る冷却が上下で対称にならないために、冷却中に、鋼板
の変形による通板障害など、操業上のトラブルが生ずる
ことが多く、その結果、冷却後の厚鋼板に、変形、残留
応力、材質のバラツキなどが生じやすい。
【0004】上述した問題を解決し、高温の鋼板を均一
に冷却するための装置や方法が種々提案されており、例
えば、次の(1) 〜(5) のような技術が開示されている。 (1) 特開昭58−86904号公報:2組のローラ間を
搬送される鋼板の上下にカバーを設け、スリット状のノ
ズルから冷却ゾーン内に冷却水を噴射し、鋼板の搬送方
向に向けて冷却水を流し冷却する装置(以下、先行技術
1という)。
【0005】(2) 特開昭61−153235号公報:厚
鋼板を2つの冷却装置にオンラインで通過させて冷却す
るに際し、第1冷却装置では上下のスリットノズルから
冷却水を噴射し、第2冷却装置ではスプレーノズルから
冷却水を噴射して厚鋼板を冷却する装置(以下、先行技
術2という)。
【0006】(3) 特開昭61−264137号公報:鋼
板の上方および下方に設けられたスリットノズルから、
15〜25°の角度で鋼板に対し冷却水を噴射して冷却
する方法(以下、先行技術3という)。
【0007】(4) 特開昭59−144513号公報:鋼
板を挟んでその上下に、相対向する2組のノズルを設
け、このノズルから冷却水を噴射して鋼板を冷却する方
法(以下、先行技術4という)。
【0008】(5) 特開昭63−168215号公報:上
流側ロールの近傍に設けられた上部冷却ノズルから、鋼
板に対し冷却水を噴射して鋼板上面を冷却し、そして、
下流側ロールの近傍で冷却水を吸水し、そして、下面側
のロール間中央部に設けられたノズルから噴射される冷
却水によって鋼板下面を冷却する方法(以下、先行技術
5という)。
【0009】冷却と圧延とを組み合わせた制御圧延やオ
ンラインで鋼板を制御冷却するに際しては、製品の高品
質化にともなって、高精度の温度制御特に冷却停止温度
の制御が必要であり、特に、板幅が5mにも及び板厚の
厚い厚鋼板の場合には、冷却に多量の冷却水を使用する
ため、冷却装置の出側における冷却水のせき止めと水切
り、および、鋼板上に滞留した残水の除去が重要であ
る。
【0010】そのため、従来から鋼板の水切り装置に関
し種々の技術が研究されており、例えば、次の(6) 〜
(9) のような技術が提案されている。 (6) 実開昭53−39508号公報:鋼板の上面に向け
てエアノズルを上下動自在に配置し、エアノズルから噴
射されるエアによって水切りを行う(以下、先行技術6
という)。
【0011】(7) 特開平7−9023号公報:テーブル
ローラ上を移送される鋼板の一側方に設けられた噴射ノ
ズルから鋼板の幅方向に高圧のスプレー水を噴射し、鋼
板上に滞留している冷却水の残水を鋼板の他側端から排
除する(以下、先行技術7という)。
【0012】(8) 実開昭58−125611号、実開昭
59−161062号公報:鋼板を間に挟んで上下に設
けられたゴムライニングロールによって鋼板を押圧し水
切りする(以下、先行技術8という)。
【0013】(9) 特開昭60−206516号、実開平
7−33406号公報:水切りロールの下流側に鋼板の
板幅方向に設けられた噴射ノズルから、鋼板の板幅方向
中央部より両端部に向け且つ水切りロール14に向けて水
を噴射し水切りする(以下、先行技術9という)。
【0014】また、熱間圧延直後の鋼板の冷却手段とし
ては、鋼板の板幅方向に設けられたスリット状または円
管状のラミナーノズルから、ラミナー状の冷却水を鋼板
に向けて注水し、冷却することが行われているが、その
場合、鋼板の板幅方向の冷却を均一に行うことが必要で
ある。そのための手段として、例えば、次の(10)〜(12)
のような技術が開示されている。
【0015】(10) 特開昭55−153616号公報:
スリット状のラミナーノズルから噴射される板幅中央部
の流量密度が、板幅端部の流量密度よりも大になるよう
に、板幅中央部からの距離の関数として、冷却水の流量
を分布し、鋼板端部の過冷却を防止する(以下、先行技
術10という)。
【0016】(11) 特開昭58−32511号公報 鋼板端部の過冷却によるむらの発生を防止し、鋼板の幅
方向に多数設けられた円管ラミナーノズルからの流下水
による鋼板端部の過冷却を防止するために、鋼板端部の
円管ラミナーノズルの直下に遮蔽物を設け、鋼板端部に
流下する冷却水をカットする(以下、先行技術11とい
う)。
【0017】(12) 特開平1−284419公報:鋼板
中央部と鋼板端部とに選択的に注水するノズルを、鋼板
の長さ方向に交互に分割して配置し、それぞれの部位の
冷却水量を制御する(以下、先行技術12という)。
【0018】鋼板を冷却装置で冷却した際の鋼板先端部
分の温度は例えば約840℃であるのに対し、鋼板後端
部分の温度は約770℃であって低い。そこで、このよ
うな温度差を打ち消すために、鋼板に対する冷却をその
長手方向に制御することが必要である。そのためには、
冷却水供給指令が出されてから、冷却水が実際に鋼板に
供給されるまでの時間、および、冷却水供給停止指令が
出されてから、冷却水の供給が実際に停止されるまでの
時間の短い、応答性に優れている冷却装置であることが
必要である。そのための手段として、例えば、次の(13)
〜(15)のような技術が開示されている。
【0019】(13) 特公昭58−5730号公報:ヘッ
ダ管内への冷却水の供給を停止すると同時に、ノズル出
口に柱状の回転体を設け、これを回転させることによっ
て、水槽から供給される冷却水を遮断し、ノズル出口か
らの不必要な冷却水の流出を回避することにより、オン
オフ特性を改善する(以下、先行技術13という)。
【0020】(14) 特公昭57−3736号公報:スリ
ットノズルに冷却水を供給する水槽の内部において、冷
却水の供給を遮断する(以下、先行技術14という)。
【0021】(15) 特公昭63−9887号公報:スリ
ットノズルの下流側に可動枠を設けると共に、ノズル出
口に開閉可能な遮蔽蓋を設けることによって、ノズル出
口からの不必要な冷却水の流出を回避し、オンオフ特性
を改善する(以下、先行技術15という)。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】課題1:高温鋼板の上
面においては、鋼板に衝突した冷却水の噴流による冷却
量に加え、鋼板上面を流れる衝突後の滞留水による冷却
量が存在する。一方、鋼板の下面においては、鋼板に衝
突後の冷却水は、重力の影響によって直ちに鋼板から離
脱するので、衝突噴流のみによる冷却量しか期待できな
い。従って、鋼板の上下面を同じ方式で冷却する方法で
は、上下対称の冷却を行うことは困難である。
【0023】そこで、一般には、鋼板の下面に対する冷
却水の流量や流速を大にし、または、下面の冷却長を長
くするなどの方法、または、鋼板下面側の冷却量と上面
側の冷却量とが同一になるように、上面側の冷却量を少
なくする等の調整を行うことが必要とされている。
【0024】また、鋼板の上下面に対する冷却量が同じ
であったとしても、鋼板長手方向の冷却分布には明らか
な相違がある。即ち、鋼板上面側では、鋼板に冷却水が
衝突した後も、その冷却水は、鋼板の表面上を流れるの
で、熱流束は、鋼板の長手方向に一様であるのに対し、
鋼板下面側では、衝突した冷却水は直ちに鋼板の下面か
ら離脱するために、熱流束が鋼板長手方向に降下する傾
向がある。
【0025】鋼板下面の熱流束を上げ、または、鋼板上
面の熱流束を下げる等の手段によって、鋼板上下両面の
冷却量を同一になしても、局所的に見た場合に、長手方
向の位置によっては、常に上下対称の冷却が行われてい
るとは限らず、鋼板の上面および下面の温度履歴が同じ
にはならないため、このような温度履歴の相違から、鋼
板に残留ひずみや変形が生ずることは避けられない。
【0026】図19は、圧延直後の鋼板の上面および下
面に、スリットジェットノズルから冷却水を噴射して鋼
板を冷却した際における、鋼板の表面と裏面の温度履歴
を、有限要素法による熱弾塑性解析によって求めた結果
を示す図であり、図20は、その際に鋼板に生ずるC反
りと称する変形量を、同じく有限要素法による熱弾塑性
解析で求めた結果を示す図である。
【0027】図19および図20から明らかなように、
鋼板の上面に対する熱伝達量と下面に対する熱伝達量の
相違によって、同じ冷却温度であっても、鋼板に残留C
反りが発生している。従って、これを回避するために
は、冷却ゾーン全体の冷却量のみならず、冷却途中にお
ける鋼板上下面の冷却熱流束を同じに保つ必要がある。
【0028】図21は鋼板の上面および下面における冷
却水の接触状態を示す模式図である。図21から明らか
なように、熱間圧延機25を通過した後の鋼板1に対
し、その上面側からスリットノズル5によって冷却水を
噴射し、そして、その下面側からスリットノズル6によ
って冷却水を噴射した場合に、鋼板1の上面に冷却水a
が接触する鋼板搬送方向の位置xと、鋼板1の下面に冷
却水が接触する鋼板搬送方向の位置yとの間に、zで示
す量のずれが存在すると、C反りと称する変形の発生す
ることが有限要素法による熱弾塑性解析で判明した。
【0029】図22に、鋼板の上面および下面に対し冷
却水が接触を開始する、鋼板搬送方向の位置のずれ量z
と、C反り量との関係を示す。図22から、上記ずれ量
zが、C反り量に大きく影響していることがわかる。
【0030】前述した先行技術1〜4における、鋼板の
上面および下面に対する冷却機構は何れも同じであるか
ら、上面および下面を同じ冷却履歴によって冷却するこ
とは困難であり、従って、冷却後の鋼板に歪みが生ずる
ことは避けられなかった。
【0031】先行技術5においては、鋼板の上面と下面
とで、冷却水が鋼板と衝突を開始する鋼板搬送方向の位
置が異なり、また、衝突後の熱流束も、鋼板上面側は、
その長手方向に比較的一定ではあるが、鋼板下面側にお
いては、その長手方向に熱流束の強弱が存在する結果、
上下面の冷却が完全な対称にはならず、従って、歪みの
発生が避けられなかった。
【0032】上述したように、先行技術1〜5によって
は、鋼板上下面の熱負荷が同一になるように、冷却水の
水量を調整することは難しく、特に、冷却中に鋼板に発
生する歪みや応力のために、冷却中または冷却後に鋼板
が変形する問題が生ずる。
【0033】課題2:冷却装置の出側における冷却水の
せき止めと水切り、および、鋼板上に滞留した残水の除
去のための水切り技術として、先行技術6および先行技
術7のように、エアノズルから噴射されるエアまたは噴
射ノズルから噴射されるスプレー水によって、鋼板上に
滞留している冷却水の残水を除去する方法では、厚鋼板
の冷却のように大量の冷却水を使用する場合に、冷却水
を完全にせき止めることはできず、先行技術8のよう
に、ゴムライニングロールによって鋼板を押圧し水切り
する方法では、高温の鋼板のためにゴムライニングロー
ルが損傷しやすく、その耐久性に問題があった。
【0034】また、先行技術9のように、水切りロール
の下流側に鋼板の板幅方向に設けられた噴射ノズルから
水切りロールに向けて水を噴射する装置では、冷却中の
鋼板に上反りが生ずるため、鋼板と水切りロールとの間
に隙間が生じ、多量の冷却水が水切りロールの下流側に
漏出する結果、この漏出水に水を噴射してもその流れを
制御することが難しく、多量の水を噴射しなければ冷却
水を鋼板端部から排除することができない。
【0035】課題3:前述したように、厚鋼板を急速に
冷却する場合には、鋼板の上面および下面に対する冷却
が必ずしも同一とはならないことから、鋼板の板幅方向
にC反りと称する変形が生じやすい。このC反りは、板
幅、板厚、上下面の温度差および温度履歴等によってそ
り量や反りの方向が決まる。
【0036】即ち、一般に、鋼板上面に対する冷却が強
いと下に凸のC反りが発生しやすく、鋼板下面に対する
冷却が強いと、上に凸のC反りが発生しやすくなる。特
に、下に凸のC反りが発生した場合には、拘束ロールと
鋼板との隙間から冷却水が漏洩するため、冷却水が鋼板
中央部に滞留してこの部分の過冷却を引き起こし、板幅
方向の不均一冷却が避けられなくなる。
【0037】課題4:近年、品質上の要求から、鋼板に
対する強冷却による焼き入れが求められており、そのた
めに、大量の冷却水を鋼板に注水して冷却を施すことが
多くなってきた。このような操業においては、大量の冷
却水が水切りロールである上拘束ロールを乗り越えて流
出し、鋼板の不均一冷却を引き起こすことが多い。
【0038】このような冷却水の乗り越えを防止するた
めには、上拘束ロールの直径を大きくすればよいのであ
るが、むやみに直径を大きくすることは経済的ではな
く、また、複数の拘束ロールで複数の冷却ゾーンを構成
する装置においては、冷却ゾーンのスペースを狭くして
しまう問題がある。
【0039】課題5:通常、熱間圧延直後の高温鋼板に
対する冷却は、スリット状ノズルやラミナーノズルか
ら、冷却水を鋼板の搬送方向に流すことによって行われ
ている。厚鋼板を冷却する場合には、冷却される厚鋼板
の板幅が各種あるので、最大幅の鋼板を冷却し得るよう
に、板幅の広いスリット状ノズルを使用し、このスリッ
ト状ノズルから、鋼板の板幅方向に板状に噴射される冷
却水によって冷却が行われる。
【0040】しかしながら、スリット状ノズルに対する
冷却水の供給は、限られた数の冷却水供給管によって行
われるので、ノズルから吐出される冷却水の流速分布
を、鋼板の板幅方向に均一にすることは困難である。そ
のために、通常、スリット状ノズル等に対する冷却水の
供給が板幅方向に不均一になって、流速の遅くなる部分
が生じ、特に、この部分の下流側においては、鋼板に冷
却むらが生じやすく、更に、冷却不足による筋状の材質
欠陥、冷却後に生ずる鋼板の曲がりキャンバーの発生原
因ともなっている。
【0041】課題6:鋼板の板幅方向に設けられたスリ
ット状または円管状のラミナーノズルから、ラミナー状
の冷却水を鋼板に向けて注水し、鋼板の板幅方向の冷却
を均一に行う技術として、先行技術10の方法では、厚鋼
板に対する冷却のように、強冷却が必要な即ち流量密度
が大きいスリット状ラミナーノズルを使用する場合に、
幅方向の流量を制御することができず、更に、スリット
状ラミナーノズルから流下した冷却水が鋼板上を流れ、
鋼板の幅方向端部から流出するために、鋼板端部の過冷
却を防止することは不可能である。
【0042】また、先行技術11および先行技術12の方法
では、流下した冷却水が結局鋼板上を流れ、鋼板端部か
ら流出するために、鋼板端部に流下する冷却水をカット
しても、鋼板端部の過冷却を防止することはできない。
【0043】課題7:応答性に優れたオンオフ特性を有
する冷却装置として、先行技術13、14のように、ス
リットノズルの出口や水槽内部で冷却水を遮断する方法
では、長時間にわたるノズルの使用によって、冷却水の
遮蔽をもたらすシール部分が損傷し、シールが不完全に
なって、適切な遮蔽効果が得られなくなる。
【0044】また、先行技術15のように、スリットノ
ズルの出口に開閉可能な遮蔽蓋を設ける方法では、開閉
のための機構が複雑になり、設備費用の高騰化を招く
上、長期間の使用によるシール部からの水漏れを回避す
ることができず、冷却むらの発生原因になる。
【0045】課題8:何らかの理由、例えば、熱間圧延
直後の鋼板の歪量が異常に大きく、鋼板形状が不良の場
合には、拘束ロールによる冷却水の水切りが十分に行わ
れず、拘束ロールから漏水した場合でも、漏水した冷却
水を鋼板から速やかに除去することができなくなる問題
が生ずる。
【0046】従って、この発明の目的は、上述した1〜
8の課題をすべて解決し、熱間圧延された高温鋼板を冷
却するに際し、鋼板の上面と下面との冷却能分布を同一
にし、鋼板の上下面で同じ温度履歴になるように、且
つ、板幅方向に冷却むらが生ずることなく均一に冷却す
ることができ、C反りが発生することなく、適確な水切
りが行われ、また、冷却水噴射停止指令を出してから実
際に冷却水の噴射が停止されるまでの時間が極めて短
く、応答性の優れたオンオフ特性を有し、冷却中および
冷却後の板変形による通板トラブルが生ぜず連続的な操
業が可能で、これらにより均質な鋼板を安定して製造す
ることができる高温鋼板の冷却装置を提供することにあ
る。
【0047】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、熱間圧延された高温の鋼板を挟んで、その上下に一
定ピッチで複数組設けられた1対の拘束ロールと、前記
複数組の拘束ロールの相互間に設けられた、鋼板の上面
および下面に向けて冷却水を噴射しこれを冷却するため
の上部冷却ノズルと下部冷却ノズルとからなる冷却装置
とから構成された高温鋼板の冷却装置において、冷却装
置における下部冷却ノズルの鋼板長さ方向の数は、鋼板
の上面に対する冷却温度履歴と鋼板の下面に対する冷却
温度履歴とが同じになるように、上部冷却ノズルの鋼板
長さ方向の数よりも多く設置され、上部冷却ノズルと下
部冷却ノズルとは、上部冷却ノズルから噴射された冷却
水の、鋼板上面に対する接触開始位置と、下部冷却ノズ
ルから噴射された冷却水の、鋼板下面に対する接触開始
位置とが同じになるように配置されており、上拘束ロー
ルは、昇降可能になっており、上部冷却ノズルよりも下
流側には、鋼板の板幅方向中央部から両端部に向け且つ
鋼板の移送方向と逆方向に向けた、鋼板上の冷却水を除
去するための水切りスプレーノズルが設けられ、拘束ロ
ールによって鋼板を拘束しながら、鋼板上の冷却水を鋼
板の幅方向両端部に押し出し、前記水切りスプレーノズ
ルから噴射される冷却水によってこれを除去するように
なっており、前記上下1対の拘束ロール間の距離をL
(m)、鋼板の厚さをt(mm)としたときに、上下1対
の拘束ロールによる鋼板に対する拘束力P(t)が、下
記(1)式で求められる拘束力P以上となるか、また
は、各拘束ロール間の距離Lを下記(1)式で求められ
る距離(L)以下に保つように設定されており、 P=6.11×10-53 0.65 ・・・・・・・(1) 拘束ロールの直径D(m)は、拘束ロール間の距離をL
(mm)、鋼板単位幅当たりの冷却水流量密度をQ(m3/
ms)、鋼板板幅をW(m)としたとき、下記(2)式
で求められる値となるように設定されており、 D>0.4(QW/L)2/3 ・・・・・・(2) そして、上部ノズルのヘッダー管に取り付けられる冷却
水供給管の本数は、ヘッダー管にに送り込まれる冷却水
の鋼板板幅方向の流速が、下記(3)式 P=(L/d)・(v2 /2g)<1.0・・・・・(3) 但し、P:ヘッダー管内の圧力損失を表すパラメータ
(m) g:重力加速度(=9.8)(m/s2 ) π:円周率 L:冷却水供給管1本当りが冷却水を供給するヘッダー
管長さ(m) d:ヘッダー管内径(m) B:冷却水供給管1本当りから供給される冷却水の流量
(m3 /s) v:ヘッダー管内の板幅方向の冷却水の次式により規定
される流速(m/s) v=B/(2・ (π/4) ・d2 ) を満足するように定められていることに特徴を有するも
のである。
【0048】請求項2に記載の発明は、上拘束ロールに
これをサポートし、前記上ロールが撓んだときに、その
中央部から拘束力を伝えるバックアップロールが設けら
れていることに特徴を有するものであり、請求項3に記
載の発明は、上拘束ロールが凸状ロールからなっている
ことに特徴を有するものであり、請求項4に記載の葉
は、水切りスプレーノズルが、鋼板の一側端側に、鋼板
の他端側に向け、且つ、鋼板の移送方向と反対方向に向
けて水切り水を噴射するように設けられていることに特
徴を有するものである。
【0049】請求項5に記載の発明は、冷却装置の、上
部冷却ノズルおよび下部冷却ノズルは、各々隔壁によっ
て幅方向に区画された複数のノズル室からなるスリット
ノズルからなっており、このように区画された複数のノ
ズルの各々には、冷却水の流量制御機構が設けられてお
り、上部スリットノズルおよび下部スリットノズルの各
々から鋼板に向けて噴射される冷却水の流量が、前記鋼
板の板幅方向に制御可能になっていることに特徴を有す
るものである。
【0050】請求項6に記載の発明は、冷却装置の、上
部ノズルが取り付けられているヘッダー管には、冷却水
供給管と圧縮ガス供給管とが接続されており、冷却水供
給管および圧縮ガス供給管の途中には、ヘッダー管に冷
却水が供給されているときには、圧縮ガス供給管からの
圧縮ガス供給を停止し、そして、ヘッダー管に圧縮ガス
が供給されているときには、冷却水供給管からの冷却水
の供給を停止するための制御弁が設けられていることに
特徴を有するものである。
【0051】請求項7に記載の発明は、冷却装置の入側
に、鋼板の形状不良をその冷却前に矯正するための第1
矯正機が設けられ、そして、冷却装置の出側に、冷却装
置で冷却された鋼板の形状不良を矯正するための第2矯
正機が設けられていることに特徴を有するものである。
【0052】
【発明の実施の形態】〔課題1を解決するための手段〕
図1は、この発明の装置の第1実施態様を示す説明図で
ある。図1に示すように、鋼板1を挟んで上下に1対の
水切りロールを兼ねた拘束ロール即ち上拘束ロール2と
下拘束ロール3とが所定間隔(例えば1000mm)をあ
けて複数組(例えば20組)設けられ、上下1対の複数
組の拘束ロール2、3の相互間が、冷却ゾーンになって
いる。
【0053】複数組の拘束ロール2、3の相互間の鋼板
上面側には、鋼板搬送方向の上流側ロールから下流側ロ
ールに向け屈曲した上部スリットノズル5が設けられて
おり、そして、鋼板下面側には、下部スリットノズル6
が、鋼板1の板幅方向に一定ピッチ(例えば100mmピ
ッチ)で且つ鋼板1の長手方向に複数列(例えば5列)
設けられている。
【0054】図2に示すように、複数組の拘束ロール
2、3の相互間の、上部スリットノズル5よりも下流側
には、鋼板1の板幅方向にヘッダー管4aが設けられ、
ヘッダー管4aには、鋼板1の板幅方向中央部から両端
部に向け且つ鋼板1の移動方向と逆方向に、鋼板1に対
し45°の角度で左右1本ずつの水切りスプレーノズル
4が設けられている。
【0055】上部スリットノズル5から、例えば200
0l/m2 min の量の水を鋼板1の上面に向けて噴射
し、下部スリットノズル6から、例えば1400l/m
2 minの量の水を鋼板1の下面に向けて噴射する。
【0056】上部スリットノズル5および下部スリット
ノズル6の位置および各ノズルからの冷却水の流量を、
次のようにして調整する。 (1) 上部スリットノズル5から噴射された冷却水が鋼板
1の上面に接触を開始する位置と、下部スリットノズル
6から噴射された冷却水が鋼板1の下面に接触を開始す
る位置とが同一になるように、上部スリットノズル5お
よび下部スリットノズル6の位置を調整する。
【0057】(2) 鋼板1の上面および下面に対する冷却
能力、即ち、鋼板1が各冷却ゾーンを通過したときに奪
われる熱量(抜熱量)を、鋼板上下面で同一となし、上
下面の冷却がバランスするように、上部スリットノズル
5および下部スリットノズル6から噴射される冷却水の
流量を調整する。
【0058】(3) 冷却中の鋼板1の上面と下面の表面温
度履歴が同一になるように、下部スリットノズル6から
の冷却水の流量を調整する。局所的な熱流束分布が、鋼
板1の上下面で対称になるように、例えば、上部スリッ
トノズル5を、拘束ロール相互間の冷却ゾーン毎に1個
配置し、下部スリットノズル6を、拘束ロール相互間の
冷却ゾーン毎に、鋼板1の長手方向に4列配置する。鋼
板1の下面に衝突した冷却水は、重力によって直ちに鋼
板から離脱するから、鋼板1の上下面における抜熱量を
同じにし、冷却中の鋼板上下面の表面温度履歴が同じに
なるように、下部スリットノズル6は密に配置されてい
る。
【0059】なお、上下1対の複数組の拘束ロール2、
3間に配置されている上部スリットノズル5と下部スリ
ットノズル6との比率は、条件によって任意に設定する
ことができる。下部スリットノズル6は密に配置されて
いるほど局所的な熱流束の不均一は解消されるが、メン
テナンス性および経済性の観点から、必要以上に密にす
る必要はない。
【0060】図3は、この発明の装置の第2実施態様を
示す説明図である。図3に示すように、第2実施態様の
装置においては、拘束ロール2,3の各組相互間の鋼板
下面側に、冷却水が収容されたタンク7が配置されてお
り、下部冷却ノズルとして、タンク7の水中に、板幅方
向に一定ピッチ(例えば100mmピッチ)で、鋼板搬送
方向に複数列(例えば5列)設けられた円管8aと、円
管8aの各々の上部に鋼板1の下面に向けて設けられた
導管8bとからなる導管付き円管ラミナーノズル8が配
置されている点が、第1実施態様の装置と相違する。
【0061】タンク7内の冷却水は、導管付き円管ラミ
ナーノズル8の水中に没している円管8aから導管8b
内に噴射され、その随伴流で生じた液流によって鋼板1
は効率的に冷却される。上部スリットノズル5および導
管付き円管ラミナーノズル8の位置および各ノズルから
の冷却水の流量の調整は、前述したと同様である。
【0062】局所的な熱流束分布が、鋼板1の上下面で
対称にするように、例えば、上部スリットノズル5を、
拘束ロール相互間の冷却ゾーン毎に1個配置し、導管付
き円管ラミナーノズル8を、鋼板長手方向に4列で且つ
板幅方向に100mmピッチで配置する。このように、導
管付き円管ラミナーノズル8を、板幅方向に100mmピ
ッチで配置する理由は、100mmピッチ以下とすれば、
この水量条件下で、板幅方向にほぼむらのない均一な冷
却が施されるからである。
【0063】なお、上部スリットノズル5と導管付き円
管ラミナーノズル8との比率は、条件によって任意に設
定することができる。導管付き円管ラミナーノズル8は
密に配置されているほど、局所的な熱流束の不均一は解
消されるが、メンテナンス性および経済性の観点から、
必要以上に密にする必要はない。
【0064】図4は、この発明の装置の第3実施態様を
示す説明図である。図4に示すように、第3実施態様の
装置においては、拘束ロール2,3の各組相互間の鋼板
下面側に、下部冷却ノズルとして、円管から水を噴射し
ラミナー状の液流で鋼板1を冷却する円管ラミナーノズ
ル9が、板幅方向に一定ピッチ(例えば70mmピッチ)
で鋼板長手方向に複数列(例えば8列)密に設けられて
いる点が第1実施態様の装置と相違する。
【0065】上部スリットノズル5から、例えば200
0l/m2 min の量の水を鋼板1の上面に噴射し、円管
ラミナーノズル9から、例えば2100l/m2 min の
量の水を鋼板1の下面に向け噴射する。上部スリットノ
ズル5および円管ラミナーノズル9の位置および各ノズ
ルからの冷却水の流量の調整は、前述したと同様であ
る。
【0066】局所的な熱流束分布が、鋼板1の上下面で
対称になるように、例えば、上部スリットノズル5を、
拘束ロール相互間の冷却ゾーン毎に1個配置し、円管ラ
ミナーノズル9を、鋼板の板幅方向に70mmピッチで鋼
板長手方向に7列配置する。
【0067】円管ラミナーノズル9を、板幅方向に70
mmピッチで配置する理由は、70mmピッチ以下とすれ
ば、この水量条件下で、板幅方向にほぼむらのない均一
な冷却が施されるからである。
【0068】なお、上部スリットノズル5と円管ラミナ
ーノズル9との比率は、条件によって任意に設定するこ
とができる。円管ラミナーノズル9は密に配置されてい
るほど局所的な熱流束の不均一は解消されるが、メンテ
ナンス性および経済性な観点から、必要以上に密にする
必要はない。
【0069】図5は、この発明の装置の第4実施態様を
示す説明図である。図5に示すように、第4実施態様の
装置においては、拘束ロール2,3の各組相互間の鋼板
下面側に、下部冷却ノズルとして、スプレーノズル10
が鋼板の板幅方向に一定ピッチ(例えば200mmピッ
チ)で且つ鋼板の長手方向に複数列(例えば8列)密に
設けられている点が第1実施態様の装置と相違する。
【0070】上部スリットノズル5から、例えば200
0l/m2 min の量の水を鋼板1の上面に噴射し、スプ
レーノズル10から、例えば3000l/m2 min の量
の水を鋼板1の下面に向け噴射する。上部スリットノズ
ル5およびスプレーノズル10の位置および各ノズルか
らの冷却水の流量の調整は、前述したと同様である。
【0071】局所的な熱流束分布が、鋼板1の上下面で
対称になるように、例えば、上部スリットノズル5を拘
束ロール相互間の冷却ゾーン毎に1個配置し、スプレー
ノズル10を、鋼板の板幅方向に200mmピッチで且つ
長手方向に8列配置する。
【0072】スプレーノズル10を、板幅方向に200
mmピッチで配置する理由は、200mmピッチ以下とすれ
ば、この水量条件下で、板幅方向にほぼむらのない均一
な冷却が施されるからである。
【0073】なお、上部スリットノズル5とスプレーノ
ズル10との比率は、条件によって任意に設定すること
ができる。スプレーノズル10は密に配置されているほ
ど局所的な熱流束の不均一は解消されるが、メンテナン
ス性および経済性の観点から、必要以上に密にする必要
はない。
【0074】図6は、この発明の装置の第5実施態様を
示す説明図である。図6に示すように、第5実施態様の
装置においては、拘束ロール2,3の各組相互間の鋼板
下面側に、冷却ノズルとして、多孔板ノズル11が設け
られている点が第1実施態様の装置と相違する。
【0075】多孔板ノズル11は、その上面に、鋼板の
板幅方向に50mmピッチで、長手方向に50〜100mm
ピッチで千鳥状に密に設けられたノズルから、鋼板1に
対し冷却水を噴射するようになっている。
【0076】上部スリットノズル5から、例えば200
0l/m2 min の量の水を鋼板1の上面に噴射し、多孔
板ノズル11から、例えば3600l/m2 min の量の
水を鋼板1の下面に向けて噴射する。上部スリットノズ
ル5および多孔板ノズル11の位置および各ノズルから
の冷却水の流量は、前述したと同様である。
【0077】多孔板ノズル11のノズルピッチの下限を
50mmとした理由は、50mmピッチ以下とすれば、この
水量条件下で、幅方向にほぼむらのない均一な冷却が施
されからである。なお、上述した上部スリットノズル5
に対する多孔板ノズル11のノズルの比率は、条件によ
って任意に設定することができる。ノズルは密に設ける
ほど、局所的な熱流束の不均一は解消されるが、その数
が多すぎるとノズル口径が細くなり、ノズル詰まりが生
ずる等メンテナンス性が悪くなる。
【0078】〔課題2を解決するための手段〕図2に示
すように、上拘束ロール2は、その幅方向両端部の上面
に設けられた油圧シリンダー12によって上下に昇降可
能になっている。上拘束ロール2は、図7に示すよう
に、その中央部が凸状の凸クラウンになっているか、ま
たは、図9のこの発明の第6実施態様の装置に示すよう
に、上拘束ロール2の中央部付近上部に、油圧シリンダ
ー12によって上拘束ロール2と共に昇降可能なバック
アップロール13を設け、バックアップロール13から
荷重を加えて上拘束ロール2を凸状のクラウンになるよ
うにし、これによって、上拘束ロール2が撓んだとき
に、中央部から拘束力を伝え、上拘束ロールの撓みを防
止している。下拘束ロール3は、搬送ロールを兼ねてお
り昇降しない。
【0079】複数の上拘束ロール2間の、上部スリット
ノズル5よりも下流側には、鋼板1の板幅方向にヘッダ
ー管4aが設けられ、ヘッダー管4aには、鋼板1の板
幅方向中央部から両端部に向け且つ鋼板1の移動方向と
逆方向に、鋼板1に対し45°の角度で左右1本ずつの
水切りスプレーノズル4が設けられている。
【0080】このように、上拘束ロール2は、凸クラウ
ンを有するロールになっているか、または、バックアッ
プロール13によって荷重が加えられるようになってお
り、上拘束ロール2の自重およびその付帯設備の重さ以
上の拘束力で鋼板1を押圧し拘束している。
【0081】従って、図8に示すように、上拘束ロール
2と鋼板1との間の隙間特に中央部の隙間は狭く、冷却
水aが鋼板1の板幅中央部から漏洩することなくその両
端部から押し出され、水切りスプレーノズル4から噴射
される水切り水によって鋼板1の表面上から速やかに除
去される。従って、少ない水量で確実に水切りすること
ができる。
【0082】図10は、この発明の装置の第7実施態様
を示す部分概略斜視図である。図10に示すように、第
7実施態様の装置においては、水切りスプレーノズル4
が、鋼板1の一側端部側に、鋼板1の他端部側に向け且
つ鋼板1の移送方向と逆方向に水切り水を噴射するよう
に設けられている。この実施態様によれば、水切りスプ
レーノズル4から噴射された水切り水によって、鋼板1
上に滞留する冷却水aは、鋼板1の他端部側に押しやら
れ排出される。上記以外の構成は第6実施態様の装置と
同様である。
【0083】〔課題3を解決するための手段〕上述した
ように、複数組の拘束ロール2、3で高温の鋼板1を拘
束しながら搬送し、上部スリットノズル5および下部ス
リットノズル6から鋼板1上に冷却水を噴射して冷却す
るに際し、上拘束ロール2および下拘束3による鋼板1
に対する拘束力P(t)は、上下1対の拘束ロール2、
3間の距離をL(m)、鋼板1の厚さをt(mm)とした
ときに、下記(1) 式で求められる値以上の拘束力で鋼板
1を拘束しながら冷却する。
【0084】 P=6.11×10-53 0.65 ・・・・・・・・・(1) また、拘束ロール2、3の1対当たりの拘束力が、設備
上の制約から制限されるときは、各拘束ロール2、3間
の距離Lを、上記(1)式から求まる距離(L)以下に
保って、鋼板1を拘束しながら冷却する。
【0085】上記(1)式は、有限要素法を用いたシュ
ミレーションにより求められた式である。この計算で
は、C反り量を押さえ込むために必要な拘束力を求めて
いるが、鋼板の板厚8〜80mm、隣り合う拘束ロール間
の間隔を600〜2000mmの範囲で計算し、その結果
から、重回帰分析により導出した。
【0086】拘束ロール2、3による鋼板1に対する拘
束力を、上述した範囲とすることによって、C反りが発
生せず、発生しても極く僅かであるため、確実に水切り
を行うことが可能になる。従って、上拘束ロール2と鋼
板1との間から冷却水が漏洩し、隣のゾーンに滞留して
過冷却を引き起こすことがなく、均一な冷却が可能にな
る。
【0087】〔課題4を解決するための手段〕大量の冷
却水を噴射して鋼板上面を冷却する場合に、冷却水が上
拘束ロール2を乗り越えることのないように、上拘束ロ
ール2を適切な径に定めるべく、上拘束ロール2、2間
の距離Lを0.6〜3.0m、鋼板幅1m当たりの冷却
水密度を0.003〜0.083m3 /秒、鋼板板幅を
2.0〜5.0mの可変とし、上拘束ロール2、2間に
滞留する冷却水の最高液面高さH(m)を調査した。
【0088】図11は、上拘束ロール間に滞在する冷却
水の最高液面高さを示す図で、横軸はQW/L(但し、
Q:鋼板単位幅当たりの冷却水流量密度(m3/ms)、L:
拘束ロール間の距離(mm)、W:鋼板板幅(m) )を示
し、縦軸は、最高液面高さH(m)を示す。
【0089】黒四角のデータは模擬試験装置によるもの
であり、黒丸のデータは実施によるものである。即ち、
液面最高高さHが、通常では当業者が思い付かないよう
なパラメータ(QW/L)と直線関係にあることが発見
された。図11中におけるCは横軸と縦軸との間の勾配
を表す係数である。模擬試験装置で求めた係数Cは、
0.32〜0.34であった。このデータをもとに、実
機に直径300mmの水切りロールを設けて液面の最高高
さHを測定したところ、やはり、パラメータ(QW/
L)と直線関係にあり、その係数Cは0.4であること
がわかった。
【0090】これにより実機データであるC=0.4を
採用し、液面最高高さHを表す式として、 D>0.4(QW/L)2/3 ・・・・・・・(2) を得た。そこで、この発明においては、上拘束ロールの
直径(D)を、上記(2)式で求められる値となるよう
に設定する。
【0091】これによって、冷却水が上拘束ロール2を
乗り越え次のゾーンに流入することがなく、従って、冷
却むらのない均一な冷却を行うことができる。 〔課題5を解決するための手段〕図12に示すように、
鋼板1の上面に、鋼板移送方向の上流側から下流側に向
けて設けられたスリット状ノズル5は、これに冷却水を
供給する水平な円管状のヘッダー管14に接続されてお
り、ヘッダー管14には所定間隔をあけて複数本の垂直
な冷却水供給管15が取付けられている。
【0092】冷却水供給管15から円管状のヘッダー管
14に供給された冷却水は、ヘッダー管14内を矢印イ
で示すように鋼板の板幅方向に流れた後、ヘッダー管1
4に接続されたスリット状ノズル5から鋼板1上に噴射
される。その際、ヘッダー管14内を流れる冷却水は、
板幅方向に流れるよりも、矢印アに示すようにスリット
状ノズル5の方向に流れやすくなり、板幅方向に冷却水
が十分に行き渡らなくなる結果、スリット状ノズル5か
ら鋼板1上に噴射された冷却水の流速は、冷却水供給管
15の直下部分よりも、鋼板1の板幅方向両端部および
冷却水供給管15の接続部中間部の方が少なくなる。
【0093】そこで、冷却水の板幅方向の速度成分即ち
下記式で決定されるヘッダー管内の板幅方向における冷
却水の最高流速(v)、ヘッダー管の内径(d)、冷却
水供給管1本当たりが供給する冷却水の流量(B)およ
びヘッダー管長さ(L)と、スリット状ノズル下流の流
速分布の幅方向均一性との関係を調べた結果、下記(4)
式のような関係のあることがわかった。
【0094】 v=B/(2 (π/4) ・d2 )・・・・・・・・(4) 即ち、ヘッダー管14内における板幅方向の流速がある
値以上になると、ヘッダー管14の板幅方向の圧力損失
が大になり、冷却水供給管15から離れるに従って圧力
が低下し、スリット状ノズル下流に設けられたラミナー
ノズルの流速が小になる。
【0095】図13には、ヘッダー管内における冷却水
の最高流速(v)、ヘッダー管の内径(d)およびヘッ
ダー管の長さ(L)によって表されるヘッダー管内の圧
力損失を示すパラメーター(P)と、ノズル吐出口にお
ける吐出流速の最小値(Umin)と最大値(Uma
x)との比(Umin/Umax)との関係が示されて
いる。図13から、下記(3)式に示すように、Pを
1.0以下にすることによって、板幅方向の冷却水量の
幅方向均一性を保証する即ち流速のばらつきを5%以内
にすることが可能になる。
【0096】 P=(L/d)・(v2 /2g)<1.0・・・・・・・・(3) 但し、P:ヘッダー管内の圧力損失を表すパラメータ
(m) g:重力加速度(=9.8)(m/s) π:円周率 L:冷却水供給管1本当りが冷却水を供給するヘッダー
管長さ(m) d:ヘッダー管内径(m) B:冷却水供給管1本当りから供給される冷却水の流量
(m3 /s) v:ヘッダー管内の板幅方向の冷却水の次式により規定
される流速(m/s) v=B/(2・ (π/4) ・d2 ) ヘッダー管14内における冷却水の板幅方向の流速が上
記(5) 式によって決定される関係式を満足するように、
ヘッダー管14に取付けられる冷却水供給管15の本数
を決定することによって、噴射された冷却水の流速を鋼
板の板幅方向に均一となし、板幅方向に冷却むらの生ず
ることがなく均一に鋼板を冷却することができる。
【0097】〔課題6を解決するための手段〕上部スリ
ットノズルおよび下部スリットノズルから鋼板に向けて
噴射される冷却水の流量を、鋼板の幅方向に制御可能と
なし、鋼板を板幅方向にむらの生ずることがなく、均一
に冷却するために、必要に応じて、図14および図15
に示す、この発明の第8実施態様の装置を使用する。
【0098】即ち、図14および図15に示すように、
鋼板1を挟んでその上下に設けられた拘束ロール2,3
の各組相互間の鋼板上面側には、鋼板移送方向の上流側
ロールから下流側ロールに向けた上部スリットノズル5
が設けられ、そして、鋼板下面側には、同じく鋼板移送
方向の上流側ロールから下流側ロールに向けた下部スリ
ットノズル6が設けられている。上部スリットノズル5
および下部スリットノズル6は、ノズルに冷却水を供給
するヘッダー管14と、ヘッダー管14に取り付けられ
た、鋼板の移送方向に屈曲するスカート部16と、その
先端の冷却水噴射口17とからなっている。
【0099】上述した構造の上部スリットノズル5およ
び下部スリットノズル6の各々のスカート部16および
スカート部先端の冷却水噴射口17は、隔壁18によっ
て鋼板の板幅方向に複数のノズル室19に区画されてお
り、スカート部16が接続されているヘッダー管14
も、複数のノズル室19毎に隔壁18によって複数の室
に区画されている。スカート部16およびスカート部先
端の冷却水噴射口17を区画する隔壁18は、合流に際
して冷却水中に乱流が生じないように、滑らかな流線形
状になっている。
【0100】このように区画されたヘッダー管14の各
室毎に、冷却水供給管15が取り付けられており、冷却
水供給管15の途中には、独立して冷却水の流量を制御
することができる流量調整弁20、および、独立してO
N,OFF制御を行うことができるバタフライ弁21が
設けられている。
【0101】上述した装置によれば、冷却される鋼板1
の板幅に応じ、適切な量の冷却水を噴射することがで
き、鋼板両端部に対する冷却水の噴射量を鋼板中央部に
対する噴射量よりも少なくすることによって、鋼板両端
部の過冷却を防止することができる。
【0102】〔課題7を解決するための手段〕冷却水の
噴射停止指令を出してから、鋼板上への冷却水の噴射が
実際に停止するまでの時間を短くなし、応答性に優れた
オンオフ特性を付与するために、必要に応じて図16に
示す、この発明の第9実施態様の装置を使用する。即
ち、図16に示すように、上部スリットノズル5が取り
付けられたヘッダー管14には、冷却水供給管15が接
続されており、冷却水供給管15の途中には冷却水制御
弁22が取り付けられている。また、ヘッダー管14に
は、圧縮ガス供給管23が接続されていおり、圧縮ガス
供給管23の途中には圧縮ガス制御弁24が取り付けら
れている。
【0103】鋼板1を冷却するために、鋼板1の表面上
に冷却水を噴射する場合には、先ず、冷却水制御弁22
の制御機構に電気信号を送って、制御弁22を開放す
る。冷却水制御弁22と圧縮ガス制御弁24の開閉動作
は相互に逆に行われるように電気的に接続されているの
で、冷却水制御弁22が開放されると、圧縮ガス制御弁
24は閉じられる。従って、冷却水は、冷却水供給管1
5を通り、ヘッダー管14を経て均一な圧力で上部スリ
ットノズル5から噴射し、鋼板1を冷却する。
【0104】鋼板の冷却を制御するために、鋼板の表面
上への冷却水の噴射を停止する場合には、冷却水制御弁
22の制御機構に電気信号を送って、制御弁22を閉じ
る。このように、冷却水制御弁22が閉じられると、圧
縮ガス制御弁24は開放される。従って、圧縮ガスはヘ
ッダー管14内に供給され、ヘッダー管14内に残存す
る冷却水を、極めて短時間に外部に排出する。その結
果、上部スリットノズル5から冷却水の垂れが生ずるこ
とがなく、鋼板に対する冷却水の噴射および停止におい
て、応答性に優れたオンオフ特性が得られる。
【0105】〔課題8を解決するための手段〕何らかの
理由で、熱間圧延直後の鋼板の歪量が異常に大きく、鋼
板形状が不良の場合には、拘束ロールによる冷却水の水
切りが不十分になり、均一な冷却が行われにくくなる。
また、拘束ロールによる冷却水の水切りを、より確実に
行わせるために、必要に応じて、図17および図18に
示す、この発明の第10実施態様の装置を使用する。
【0106】即ち、図17に示すように、熱間仕上圧延
機25の出側には、冷却装置Aとの間に第1矯正機27
が設置されており、冷却装置Aの出側には、第2矯正機
28が設置されている。
【0107】図18に示すように、第1矯正機26は、
2重式またはそれ以上のホットレベラーであり、レベリ
ングロール26aを5本以上備えていて、ホットレベラ
ーの圧下駆動機構は2重式以上の多重式構造になってい
る。冷却装置Aの出側に設けられた第2矯正機27も2
重式またはそれ以上のホットレベラーである。
【0108】このように、熱間仕上圧延機25によって
圧延された厚鋼板の形状を、冷却装置Aの入側において
第1矯正機26において矯正することにより、冷却装置
Aにおける鋼板の冷却時に発生する前述した課題を、よ
り確実に解消することができ、また、冷却装置Aを通板
中の鋼板に生ずる形状不良によるトラブルのなくなっ
て、設備の稼働率が向上する。更に、冷却装置Aにおけ
る冷却によって、鋼板に反り等の形状不良が生じても、
第2矯正機27によって矯正されるため、形状、品質の
優れた鋼板を得ることができる。
【0109】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
熱間圧延された高温鋼板を冷却するに際し、鋼板の上面
と下面との冷却能分布を同一にし、鋼板の上下面で同じ
温度履歴になるように、且つ、板幅方向に冷却むらが生
ずることなく均一に冷却することができ、C反りが発生
することなく、適確な水切りが行われ、また、冷却水噴
射停止指令を出してから実際に冷却水の噴射が停止され
るまでの時間が極めて短く、応答性の優れたオンオフ特
性を有し、冷却中および冷却後の板変形による通板トラ
ブルが生ぜず連続的な操業が可能で、これらにより均質
な鋼板を安定して製造することがで、更に、冷却装置を
通板中の鋼板の生ずる形状不良によるトラブルが減少し
て設備の稼働率を向上させることができ、製品歩留りが
向上する等、多くの工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の装置の第1実施態様を示す説明図で
ある。
【図2】図1の部分概略斜視図である。
【図3】この発明の装置の第2実施態様を示す説明図で
ある。
【図4】この発明の装置の第3実施態様を示す説明図で
ある。
【図5】この発明の装置の第4実施態様を示す説明図で
ある。
【図6】この発明の装置の第5実施態様を示す説明図で
ある。
【図7】拘束ロールを通過中の鋼板の変形と冷却水の漏
洩状態を示す概略正面図である。
【図8】図7の概略斜視図である。
【図9】この発明の装置の第6実施態様を示す部分概略
斜視図である。
【図10】この発明の装置の第7実施態様を示す部分概
略斜視図である。
【図11】拘束ロール間に滞在する冷却水の最高液面高
さを示す図である。
【図12】スリット状ノズルの構造を示す概略斜視図で
ある。
【図13】ヘッダー管内の圧力損失を表すパラメータP
とスリットノズル吐出口における冷却水吐出流速の均一
性(Umin/Umax)との関係を示した図である。
【図14】この発明の装置の第8実施態様を示す部分概
略斜視図である。
【図15】図14の部分拡大説明図である。
【図16】この発明の装置の第9実施態様を示す部分概
略断面図である。
【図17】この発明の装置の第10実施態様を示す概略
正面図である。
【図18】図17の部分拡大概略斜視図である。
【図19】圧延直後の鋼板を冷却した際の鋼板表面と裏
面との温度履歴を示す図である。
【図20】圧延直後の鋼板を冷却した際の鋼板のC反り
量を示す図である。
【図21】鋼板の上面および下面における冷却水の接触
状態を示す説明図である。
【図22】鋼板の上面および下面に対し冷却水が接触を
開始する位置のずれ量とC反り量との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 鋼板 2 上拘束ロール 3 下拘束ロール 4 水切りスプレーノズル 5 上部スリットノズル 6 下部スリットノズル 7 タンク 8 導管付き円管ラミナーノズル 9 円管ラミナーノズル 10 スプレーノズル 11 多孔板ノズル 12 油圧シリンダ 13 バックアップロール 14 ヘダー管 15 冷却水供給管 16 スカート部 17 冷却噴出口 18 隔壁 19 ノズル室 20 流量調整弁 21 バフライ弁 22 冷却水制御弁 23 圧縮ガス供給管 24 制御弁 25 熱間仕上圧延機 26 第1矯正機 27 第2矯正機 A 冷却装置 a 冷却水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上岡 悟史 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K034 AA10 BA05 CA01 DA04 DB03 FA05 FB03 FB05 FB08 FB09 4K043 AA01 CB01 FA13 HA07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延された高温の鋼板を挟んで、そ
    の上下に一定ピッチで複数組設けられた1対の拘束ロー
    ルと、前記複数組の拘束ロールの相互間に設けられた、
    前記鋼板の上面および下面に向けて冷却水を噴射しこれ
    を冷却するための上部冷却ノズルと下部冷却ノズルとか
    らなる冷却装置とから構成された、高温鋼板の冷却装置
    において、 前記冷却装置における前記下部冷却ノズルは、前記鋼板
    の上面に対する冷却温度履歴と前記鋼板の下面に対する
    冷却温度履歴とが同じになるように、前記上部冷却ノズ
    ルの鋼板長さ方向の数よりも多く設置され、そして、前
    記上部冷却ノズルと前記下部冷却ノズルとは、前記上部
    冷却ノズルから噴射された冷却水の、前記鋼板上面に対
    する接触開始位置と、前記下部冷却ノズルから噴射され
    た冷却水の、前記鋼板下面に対する接触開始位置とが同
    じになるように配置されており、 前記拘束ロールの上ロールは、昇降機構によって昇降可
    能になっており、そして、前記上部冷却ノズルよりも下
    流側には、前記鋼板の幅方向中央部から両端部に向け且
    つ前記鋼板の移送方向と逆方向に向けた、前記鋼板上の
    冷却水を除去するための水切りスプレーノズルが設けら
    れ、前記拘束ロールによって鋼板を拘束しながら、鋼板
    上の冷却水を鋼板の幅方向両端部に押し出し、前記水切
    りスプレーノズルから噴射される冷却水によってこれを
    除去するようになっており、 前記上下1対の拘束ロール間の距離をL(m)、鋼板の
    厚さをt(mm)としたときに、上下1対の拘束ロールに
    よる鋼板に対する拘束力P(t)が、下記(1)式で求
    められる拘束力P以上となるか、または、各拘束ロール
    間の距離Lを下記(1)式で求められる距離(L)以下
    に保つように設定されており、 P=6.11×10-53 0.65 ・・・・・・・(1) 前記拘束ロールの直径D(m)は、拘束ロール間の距離
    をL(mm)、鋼板単位幅当たりの冷却水流量密度をQ
    (m3/ms)、鋼板板幅をW(m)としたとき、下記
    (2)式で求められる値となるように設定されており、 D>0.4(QW/L)2/3 ・・・・・・・・・(2) そして、前記上部ノズルのヘッダー管に取り付けられる
    冷却水供給管の本数は、前記ヘッダー管にに送り込まれ
    る冷却水の鋼板板幅方向の流速が下記(3)式 P=(L/d)・(v2 /2g)<1.0・・・・・(3) 但し、P:ヘッダー管内の圧力損失を表すパラメータ
    (m) g:重力加速度(=9.8)(m/s2 ) π:円周率 L:冷却水供給管1本当りが冷却水を供給するヘッダー
    管長さ(m) d:ヘッダー管内径(m) B:冷却水供給管1本当りから供給される冷却水の流量
    (m3 /s) v:ヘッダー管内の板幅方向の冷却水の次式により規定
    される流速(m/s) v=B/(2・ (π/4) ・D2 ) を満足するように定められていることを特徴とする、高
    温鋼板の冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記拘束ロールの上ロールに、前記上ロ
    ールをサポートし、前記上ロールが撓んだときに、その
    中央部から拘束力を伝えるバックアップロールが設けら
    れている、請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記拘束ロールの上ロールは、その中央
    部が凸状の凸クラウンロールからなっている、請求項1
    記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記水切りスプレーノズルが、前記鋼板
    の一側端側に、前記鋼板の他端側に向け、且つ、前記鋼
    板の移送方向と反対方向に向けて水切り水を噴射するよ
    うに設けられている、請求項1記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記冷却装置の、前記上部冷却ノズルお
    よび前記下部冷却ノズルは、各々隔壁によって幅方向に
    区画された複数のノズル室からなるスリットノズルから
    なっており、このように区画された複数のノズルの各々
    には、冷却水の流量制御機構が設けられており、前記上
    部スリットノズルおよび前記下部スリットノズルの各々
    から鋼板に向けて噴射される冷却水の流量が、前記鋼板
    の板幅方向に制御可能になっている、請求項1〜4の何
    れか1に記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記冷却装置の、前記上部ノズルが取り
    付けられている前記ヘッダー管には、冷却水供給管と圧
    縮ガス供給管とが接続されており、前記冷却水供給管お
    よび前記圧縮ガス供給管の途中には、前記ヘッダー管に
    冷却水が供給されているときには、前記圧縮ガス供給管
    からの圧縮ガス供給を停止し、そして、前記ヘッダー管
    に圧縮ガスが供給されているときには、前記冷却水供給
    管からの冷却水の供給を停止するための制御弁が設けら
    れている、請求項1〜5の何れか1に記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記冷却装置の入側には、前記鋼板の形
    状不良をその冷却前に矯正するための第1矯正機が設け
    られ、そして、前記冷却装置の出側には、前記冷却装置
    で冷却された前記鋼板の形状不良を矯正するための第2
    矯正機が設けられている、請求項1〜6の何れか1に記
    載の装置。
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