JP7306413B2 - 鋼板の製造設備及び製造方法 - Google Patents
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Description
一方、オフライン冷却設備は、加熱炉と冷却装置が近接しているため、鋼板の先尾端の放冷時間差を低減させることができる。
このようなオンライン冷却設備及びオフライン冷却設備のいずれの場合であっても、鋼板全面の均一冷却を実現するためには、冷却設備から鋼板上下面に冷却水を均一に供給すること、及び冷却設備から鋼板に供給される冷却水が鋼板上面で冷却設備入側の上流側や冷却設備出側の下流側に流出することを防止することが重要となる。
特許文献3に示す高温鋼板の水切り方法は、上面冷却装置の下流側に水噴射装置を、更に、その下流側に空気噴射装置を配設し、水噴射装置に設けられたノズルから水を、空気噴射装置に設けられたノズルから空気を噴射可能に構成する。そして、それぞれのノズルから鋼板の上面及び上面冷却装置側の方向であって、且つ、鋼板の側方の縁部の方向に向けて流体を噴射して、鋼板上面の滞留水をノズルから噴射された流体と随伴させて鋼板上から排出するようにしている。
ところで、特許文献3に示す高温鋼板の水切り方法における噴射装置のノズル等の従来の水切りに用いられる流体を噴出するノズルは、搬送方向に沿って設けられた各水切りロール対において上側水切りロールに付随して設けられるのが一般的である。
また、要求されている鋼板Sの板厚、冷却速度、冷却停止温度等に応じて決定された複数の冷却水噴射ノズル対106のうちの特定の冷却水噴射ノズル対106から冷却水Wが噴射された鋼板Sの搬送方向に隣接する水切りロール対(図2では、102k-1,102k及び102k,102k+1)間が水冷ゾーン(図2では、WSk-1、WSk)として設定される。また、鋼板Sの搬送方向の最も出側の水冷ゾーンWSkの出側の水切りロール対102k+1とその水切りロール対102k+1の出側の水切りロール対102k+2との間に水切りゾーンCTが設定される。
そして、鋼板Sの尾端部が水冷ゾーンWSk-1、WSkのうち最も出側の水冷ゾーンWSkの出側の水切りロール対102k+1を抜けて水切りゾーンCTに進入するときには、水切りゾーンCTの出側にある上側水切りロール103は上昇するようになっている。
特許文献4に示す鋼板の冷却装置は、厚板圧延機の入側および/または出側に設置され、被圧延材に対し冷却水を射出する冷却ヘッダを備える冷却装置を、厚板圧延機に対し接近・退避移動が可能な配置とするものである。
また、熱間圧延機の直近の位置に冷却装置を設置した場合に、圧延材に上反りが発生しても、鋼板を適切に冷却することができるものとして、従来、例えば、特許文献5に示すものが知られている。
即ち、特許文献4に示す鋼板の冷却装置の場合、冷却装置において冷却ヘッダはレール上を前進・鋼帯移動可能に設置されている台車に実装されている。前述したような水切りロール出側ノズルをこの台車に設置してレール上を前進・鋼帯移動可能に設置しようとすると、水切りゾーンとなりうるべき全てのゾーンにこのような台車を設置する必要があり、構造が複雑になるという問題がある。
また、本発明の別の態様に係る鋼板の製造方法は、前述の鋼板の製造設備を用いて鋼板を製造することを要旨とする。
加熱炉2には、製造設備1とは別の熱間圧延ラインで所定の厚み(例えば80mm)及び幅(例えば2000mm)にあらかじめ熱間圧延され、室温まで冷却された鋼板Sが装入される。鋼板Sは加熱炉2によって、オーステナイト温度域の所定の加熱温度(例えば、910℃程度)に加熱される。
冷却設備3は、加熱炉2で加熱された鋼板Sを冷却するものであり、鋼板Sの搬送方向に沿って所定間隔で設置された複数(n個)の上下で対をなす水切りロール対41~4n(図1には、4k-1~4k+4のみ図示)を備えている。各水切りロール対41~4nは、鋼板Sに対し上側に配置される上側水切りロール5と、鋼板Sに対し下側に配置される下側水切りロール6とを備えている。各水切りロール対41~4nは、上側水切りロール5と下側水切りロール6とで上下から鋼板Sを挟み込んで鋼板Sを搬送方向に搬送する。各水切りロール対41~4nのうち上側水切りロール5は、筐体7に支持されて昇降可能となっている。
また、冷却設備3は、筐体7を昇降させて各水切りロール対41~4nのうちの上側水切りロール5を昇降させる上側水切りロール昇降装置19を備えている。この上側水切りロール昇降装置19は、例えば油圧シリンダにより構成され、後述する冷却制御装置20にその駆動を制御されて上側水切りロール5を昇降させる。上側水切りロール5は、上側水切りロール昇降装置19により個別に昇降可能である。
この冷却制御装置20は、上位コンピュータ21から要求された材質特性に基づいて、水冷ゾーンWSk-1、WSkの数、空冷ゾーンの数、各水冷ゾーンWSk-1、WSkにおける冷却開始温度、冷却停止温度及び板厚中心位置における平均冷却速度、空冷ゾーンの空冷時間を決定する。そして、冷却制御装置20は、決定された各各水冷ゾーンWSk-1、WSkにおける冷却停止温度等に基づいて水冷ゾーンWSk-1、WSkで使用する冷却水噴射ノズル対8の数及び噴射水量、空冷ゾーンのゾーン長、及び鋼板Sの搬送速度を制御する。これにより、各冷却水噴射ノズル対8から所定の流量の冷却水Wが噴射される。同時に鋼板Sが所定の搬送速度で搬送される。
この冷却制御装置20は、鋼板Sの冷却を行う際に、鋼板Sの搬送方向の最も入側の水冷ゾーンWSk-1の入側の水切りロール対4k-1の筐体7に設置された水切りロール入側ノズル11から当該水冷ゾーンWSk-1の入側に向けて流体Rとしての空気を噴射して水切りを行うよう制御する。
そして、冷却制御装置20は、鋼板Sの冷却を行う際には、鋼板Sの搬送方向の最も入側の水冷ゾーンWSk-1の入側の水切りロール対4k-1の筐体7から水切りゾーンCTの出側の水切りロール対4k+2の筐体7に至るまでの全ての筐体7を降下させるよう制御して、当該筐体7に設置された上側水切りロール5を降下させるように制御する。
また、水切りロール出側ノズル12を保護するために特許文献5に示すようなガイド部材が存在しないため、水切りロール出側ノズル12からの水やエアーの流体Rの噴射が当該ガイド部材によって阻害されるおそれはない。
例えば、図1に示す冷却設備3は、オフライン型の冷却設備に用いられているが、オンライン型の冷却設備に用いられてもよい。
また、水切りロール入側ノズル11及び水切りロール出側ノズル12からは流体Rとしての空気を噴射するようになっているが、空気以外の水などの他の流体を噴射するようにしても良い。
2 加熱炉
3 冷却設備
41~4n 水切りロール対
5 上側水切りロール
6 下側水切りロール
7 筐体
8 冷却水噴射ノズル対
9 上側冷却水噴射ノズル
10 下側冷却水噴射ノズル
11 水切りロール入側ノズル
12 水切りロール出側ノズル
13 配管
14 入側空気ヘッダ
15 配管
16 出側空気ヘッダ
17 配管
18 上側冷却水ヘッダ
19 上側水切りロール昇降装置
20 冷却制御装置
21 上位コンピュータ
22 テーブルロール
W 冷却水
WSk-1、WSk 水冷ゾーン
CT 水切りゾーン
S 鋼板
Claims (3)
- 鋼板の搬送方向に沿って設置された複数の上下で対をなす水切りロール対であって、各水切りロール対のうちの上側水切りロールが筐体に支持されて昇降可能となっている複数の水切りロール対と、前記筐体を昇降させて前記各水切りロール対のうちの上側水切りロールを昇降させる上側水切りロール昇降装置と、前記鋼板の搬送方向に隣接する水切りロール対間に設置された冷却水を噴射する複数の上下で対をなす冷却水噴射ノズル対とを備え、前記複数の冷却水噴射ノズル対のうちの任意の冷却水噴射ノズル対から冷却水が噴射された鋼板の搬送方向に隣接する水切りロール対間が水冷ゾーンとして設定されるとともに、前記鋼板の搬送方向の最も出側の水冷ゾーンの出側の水切りロール対とその水切りロール対の出側の水切りロール対との間に水切りゾーンを設定した冷却設備を有する鋼板の製造設備であって、
前記複数の水切りロール対の各々の上側水切りロールを支持する筐体には、当該水切りロール対の入側の水切りロール対とこの入側の水切りロール対のさらに入側の水切りロール対との間の水冷ゾーンの出側に向けて流体を噴射して水切りを行う水切りロール出側ノズルが設置され、
前記上側水切りロール昇降装置は、前記鋼板の尾端部が前記鋼板の搬送方向の最も出側の水冷ゾーンの出側の水切りロール対を抜けて前記水切りゾーンに進入する際に、前記水切りゾーンの出側の水切りロール対のうちの上側水切りロールを降下させて下側水切りロールとともに前記鋼板を上下に拘束した状態で搬送することを特徴とする鋼板の製造設備。 - 前記上側水切りロール昇降装置は、前記鋼板の尾端部が前記水切りゾーンの出側の水切りロール対を抜けるときに、前記水切りゾーンの出側の水切りロール対よりもさらに出側の水切りロール対のうちの上側水切りロールを支持する筐体を上昇させて上側水切りロール及び水切りロール出側ノズルを上昇させ、下側水切りロールとの間のロール開度を前記鋼板の板厚よりも大きくして前記鋼板を搬送することを特徴とする請求項1に記載の鋼板の製造設備。
- 請求項1又は2に記載の鋼板の製造設備を用いて鋼板を製造することを特徴とする鋼板の製造方法。
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