JP2002316205A - 熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法および熱延鋼帯の製造方法 - Google Patents

熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法および熱延鋼帯の製造方法

Info

Publication number
JP2002316205A
JP2002316205A JP2001052462A JP2001052462A JP2002316205A JP 2002316205 A JP2002316205 A JP 2002316205A JP 2001052462 A JP2001052462 A JP 2001052462A JP 2001052462 A JP2001052462 A JP 2001052462A JP 2002316205 A JP2002316205 A JP 2002316205A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel strip
cooling
hot
roll
rolled steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001052462A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3900844B2 (ja
Inventor
Teruo Fujibayashi
晃夫 藤林
Sadanori Imada
貞則 今田
Yoshimichi Hino
善道 日野
Toru Minote
徹 簑手
Yoichi Motoyashiki
洋一 本屋敷
Shozo Ikemune
省三 池宗
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP2001052462A priority Critical patent/JP3900844B2/ja
Publication of JP2002316205A publication Critical patent/JP2002316205A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3900844B2 publication Critical patent/JP3900844B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Nozzles (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、最終仕上げ圧延機を出てから巻き取
り機に至るまでのランナウトテーブルにおいて張力がか
からない鋼帯をも安定して強冷却する熱延鋼帯の冷却装
置と、その冷却方法および熱延鋼帯の製造方法を提供し
ようとするものである。 【解決手段】鋼帯が搬送されるランナウト3上で、搬送
ロール11間に下面冷却ボックス12を設置し、このボ
ックスと相対する位置にライン上から昇降可能な上面冷
却ボックス14を設置し、鋼帯に対し上下対称に冷却水
を噴射し、これら上下部からくる冷却水流が合流するほ
ぼ中心部に鋼帯を通過させ、少なくとも出側には搬送ロ
ールと周速度が同一の水切りロール16を昇降自在に設
置し、鋼帯先端が冷却速度を通過するのと同時に水切り
ロールを回転させながら下降させ、同時に上面冷却ボッ
クスも下降させて鋼帯の冷却を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延された高
温鋼帯を冷却するための冷却装置と、その冷却方法およ
び熱延鋼帯の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱延鋼帯は、加熱炉においてス
ラブを所定温度に加熱し、加熱されたスラブを粗圧延機
で所定厚みに圧延して粗バーとなし、ついでこの粗バー
を複数基のスタンドからなる連続熱間仕上げ圧延機にお
いて所定の厚みの鋼帯となす。そして、この熱延鋼帯を
ランナウトテーブル上の冷却スタンドにおいて冷却した
後、巻き取り機で巻き取ることにより製造される。
【0003】このような圧延された高温の鋼帯をライン
上で搬送し、かつ巻き取り機で巻き取られる以前に連続
的に冷却するオンラインの冷却装置では、第1に鋼帯の
通板性を考慮しなければならない。
【0004】たとえば、鋼帯の上面冷却をなすため、円
管状のラミナー冷却ノズルを鋼帯搬送用の搬送ロール
(ローラテーブルとも呼ばれる)上方部位で、かつ鋼帯
の幅方向に亘って直線状に備え、この冷却ノズルから複
数のラミナー冷却水を注水する。なお、上記ランナウト
テーブルは、上記搬送ロールが複数、集まったものであ
る。
【0005】このとき、鋼帯が落下する冷却水の水圧で
押されても、鋼帯パスラインが搬送ロールの上接点を結
んだ線から下方へ押し込まれないよう、搬送ロールの直
上で、かつ搬送ロールの軸長さと同一全長のラミナー冷
却ノズルを配置する。また、搬送ロール相互間にスプレ
ーノズルを配置し、ここから上方に冷却水を噴射して鋼
帯下面の冷却をなしている。
【0006】したがって、このような冷却形態では鋼帯
の上下面の冷却が厳密には上下対称とならず、鋼帯の冷
却は特に上面側は間欠的な冷却となり、急速な冷却(た
とえば、板厚3mmで冷却速度200℃/s以上)はほ
ぼ不可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら近年は、
結晶粒径が細かい熱延鋼帯が、加工性に優れることと、
低Cepでも強度が高いこと等から求められており、そ
のための急速な冷却(強冷却)が必要となっている。
【0008】このように、熱延鋼帯に対して急速冷却を
行うにあたって、従来の冷却装置では以下のような問題
がある。すなわち、鋼帯の上下面で冷却水がかかる冷却
開始位置が一致しないために、材質の不均一化につなが
る虞れがある。また、冷却後、鋼帯の上面には冷却水が
滞留し、上面側の過冷却を引き起こす。この過冷却は、
長手方向において一様とならず、この方向における冷却
停止温度にばらつきが生じている。
【0009】さらに、幅方向についても冷却水が鋼帯端
部からライン両側へ流出するので、鋼帯中央部に比べて
端部が過冷却になり易く、温度停止時間がばらついてい
た。その結果、材質が均一にならなかった。
【0010】そこで、鋼帯を横切るように流体を斜め方
向に噴射して鋼帯上面の冷却水を排出する方法(特開平
9−141322号公報)や、拘束ロール(ピンチロー
ルとも呼ばれる)を水切りロールとして冷却水を堰き止
める方法(特開平10−166023号公報)のような
水切り方法が提案されている。
【0011】しかしながら、前者の方法によると、強冷
却を行うと鋼帯上に大量の冷却水が滞留して水切り効果
がほとんどない。また、後者の方法では、圧延機を出て
から巻き取り機に至るまでの鋼帯先端はフリー状態で搬
送されるために、鋼帯は上下動しながら波を打ったよう
に無拘束状態で通過する。
【0012】そのため、ローラテーブル上に拘束ロール
を設けることは安定通板を妨げることになり、拘束ロー
ルをランナウトの冷却装置に適用することは難しかっ
た。また、無拘束で、振動する鋼帯先端部付近を強冷却
しようとすると、先端の振動をさらに悪化させて安定通
板を確保することができない。拘束ロールと鋼帯との接
触によって疵の発生が避けられなかった。
【0013】これに対して、特開平6−328117号
公報では、鋼帯の先端における冷却水の上下水量比を、
下面の水量を増やすことで有効的に冷却する方法が提案
されているが、冷却水量比を変えると上下面に対する冷
却がアンバランスとなり、特に急速な冷却が必要な場合
には材質の不均一が避けられなかった。そして、下面冷
却が弱くなるので、材質的に必要な強冷却を実現するこ
とが難しかった。
【0014】特に、薄物と呼ばれる板厚2mm以下の鋼
帯を冷却する場合では、鋼帯先端が冷却水圧によって上
下に振動したり、ランナウトテーブルの後半部で鋼帯が
折れ込んで安定通板ができず、通板が不能に陥ることも
考えられる。
【0015】特公昭59−50420号公報では、鋼帯
の送り方向に設けたフレームにローラテーブルを複数個
配置し、これらローラテーブル間に冷却水用ガイドを設
けている。このガイドと鋼帯表面とを所定間隔に保持す
るため、ガイドにガイドロールを設けて鋼帯へ押圧する
装置が開示されている。
【0016】しかしながら、この装置では、鋼帯の先端
が上下に波打ち振動しながら搬送されるので、冷却水用
ガイドと鋼帯表面とを均一間隔にすることが難しい。薄
物鋼帯の場合、先端が搬送ロールに接触すると通板が妨
げられて鋼帯が詰まるトラブルが発生し易い。
【0017】通常、鋼帯は耳波や中伸びなど、平坦でな
いことが多く、このような形状不良の鋼帯を対象とする
には、ガイドロールで押圧することはできないので、別
途レベラを用意して平坦にする必要があり、作業工数が
大となってしまう。
【0018】特公平4−11608号公報には、圧延機
から搬出された直後に鋼帯を冷却する直近冷却装置が開
示されているが、鋼帯の品質管理上の重要項目である圧
延時の鋼帯温度や板厚を検知するためのセンサーを設け
ることができない。
【0019】したがって、最終仕上げ圧延機の後方に空
冷域を設け、この空冷域に温度計や厚み計を設置しなけ
ればならない。ところが、鋼帯先端がフリーであって上
下に振動するので、鋼帯先端から冷却を開始することが
難しかった。
【0020】一方、安定通板を得るための装置として、
実開昭57−82407号公報には、テーブルロールの
上方に回転駆動する別の駆動ロールを設けて、鋼帯に走
行駆動力を付与する技術が開示される。
【0021】しかしながら、この技術では、上方の駆動
ロールを下面テーブルロールと同様に密に配置しなけれ
ば、鋼帯先端がロール間に突っ込んだり、途中から折れ
るおそれがある。一旦、鋼帯先端が上部ロールや下部ロ
ールに衝突すると、反動で上下振動が発生し、特に薄物
鋼帯では安定通板が難しい。また、鋼帯の上下面両側に
ロールを密に配置すると、冷却ノズルの配置空間が少な
くなって強冷却ができない。
【0022】第1の発明は、上記の事情を考慮してなさ
れたものであり、その目的とするところは、最終仕上げ
圧延機を出てから巻き取り機に至るまでのランナウトテ
ーブルにおいて張力がかからない鋼帯を安定して強冷却
する熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法を提供しよう
とするものである。
【0023】第2の発明は、上記の事情を考慮してなさ
れたものであり、その目的とするところは、鋼帯を冷却
水で冷却する際に、鋼帯上から冷却水を速やかに排出し
て、鋼帯の走行を円滑化し、かつ疵の発生の無い熱延鋼
帯の冷却装置と、その冷却方法を提供しようとするもの
である。
【0024】第3の発明は、上記の事情を考慮してなさ
れたものであり、その目的とするところは、鋼帯を急速
冷却するのに、最終仕上げ圧延機を出てから巻き取り機
に至るまで鋼帯先端を安定して通板させ、かつ冷却効率
を確保する熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法を提供
しようとするものである。
【0025】第4の発明は、上記の事情を考慮してなさ
れたものであり、その目的とするところは、以上の第1
ないし第3の発明による熱延鋼帯の冷却装置と、その冷
却方法のいずれかを用いて、熱延鋼帯を冷却する冷却工
程を備えた、熱延鋼帯の製造方法を提供しようとするも
のである。
【0026】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、かかる問
題点を解決するためになされていて、鋼帯が搬送される
ランナウト上で、搬送ロール間に下面冷却ボックスを設
置し、このボックスと相対する位置に昇降可能な上面冷
却ボックスを設置して鋼帯に対し上下対称に冷却水を噴
射し、これらの冷却水流が合流するほぼ中心部に鋼帯を
通過させ、少なくとも出側には搬送ロールと周速度が同
じとなるように同期して回転する水切りロールを昇降自
在に設置し、鋼帯先端が冷却速度を通過するのと同時に
水切りロールを回転させながら下降し、同時に上面冷却
ボックスも下降させて鋼帯の冷却を行う。
【0027】さらに、鋼帯の先端の通過と同時に、先端
の上下面を水切りロールと搬送ロールとでピンチし、こ
のピンチとともに鋼帯の上下面から冷却水を所定の条件
で噴射して鋼帯を冷却する熱延鋼帯の冷却装置と、その
冷却方法である。
【0028】以上のごとき冷却装置と冷却方法を採用す
ることにより、上下対称に急速な冷却が可能となり、こ
のオンラインの冷却によって結晶粒径の微細な熱延鋼帯
の安定した製造が可能となる。
【0029】その結果、冷却装置の下流側の鋼帯上に冷
却水が残留することなく過冷却を防止でき、冷却停止温
度が鋼帯の幅方向と長手方向に一定となり、冷却中の上
面と下面の冷却条件が全く同じとなって、冷却中の曲が
りや冷却後の残留応力の発生を少なくするばかりか、鋼
帯の長手方向、幅方向、厚み方向に結晶粒径がそろった
均一な熱延鋼帯の安定した製造を得る。
【0030】また、鋼帯の先端が巻き取り機に巻き取ら
れる前の張力がかからない状態においても、冷却水を張
力がかかった鋼帯中央部と同じ冷却条件で注水すること
が可能で、材質が上下に均一で、しかも長手方向に亘っ
て均一となり、製品の歩留まりが高く、鋼帯の品質が安
定する。
【0031】第2の発明は、かかる問題点を解決するた
めになされていて、複数の回転する搬送ロール上を鋼帯
が搬送されるランナウトで冷却装置における入り側、あ
るいは出側、あるいは出入り側での搬送ロール直上で、
かつ搬送ロールと平行に水切り手段を配置し、その水切
り手段を鋼帯と隙間を存する位置に設置する。
【0032】そして、水切り手段は上下に昇降自在とす
るとともに、水切り手段として水切りロールを採用し、
望ましくは水切りロールと鋼帯の距離は1〜10mmと
し、水切りロールの周速が鋼帯の搬送速度とほぼ一致す
るように水切りロールを回転させ、さらに水切りを確実
にするために、水切りロールについて冷却装置の反対側
に少なくとも1つ以上の流体噴射ノズルを設け、水切り
ロールと鋼帯の隙間から流出する冷却水を鋼帯上から速
やかに排出させる。
【0033】また、鋼帯先端が通過する際は水切りロー
ルを上方に退避して疵発生や通板性を阻害しない構造と
する。したがって、水切りロールは圧延後のランナウト
上の鋼帯上面から冷却水を効率よく排除することとな
る。
【0034】なお、水切り手段としては、水切りロール
が最も好ましいが、これに代わって、邪魔板を適切な角
度で配置する水切り手段であっても適用可能である。さ
らには、冷却装置を構成する上面冷却ボックスと下面冷
却ボックスとを、搬送される鋼帯を介して互いに対向す
る位置に配置して、それぞれ熱延鋼帯に対して冷却水を
吐出し冷却し、上面冷却ボックスを搬送ロールに対して
昇降自在とし、少なくともその出側で、かつ搬送ロール
と相対する位置に水切りロールを備えている。
【0035】そして、冷却水をラミナー流として吐出す
るノズルの出口と熱延鋼帯との距離を、30〜100m
mの範囲に設定した。
【0036】以上のごとき冷却装置と冷却方法を採用す
ることにより、鋼帯上面からの冷却水の排除を効率よく
なして、結晶粒径の微細な熱延鋼帯の安定した製造が可
能となる。
【0037】第3の発明は、かかる問題点を解決するた
めになされていて、最終仕上げ圧延機後方の複数の回転
する搬送ロールからなる搬送手段上を鋼帯が搬送される
ランナウトで、搬送ロール直上に鋼帯の板厚以上の隙間
を開けて同伴ロールを仕上げ圧延機出側から連続的に設
置し、この同伴ロールを搬送ロールとほぼ等周速で回転
し、鋼帯の搬送速度以上の周速で回転して鋼帯を後方に
押し出す。
【0038】さらに、搬送ロール相互間と、同伴ロール
相互間に通板用ガイドを設け、これらガイド間に鋼帯を
通板させる。ガイドに対して鋼帯と反対側に冷却ノズル
を設けて、鋼帯の上下から冷却水を噴射し冷却する。こ
のような冷却装置を最終仕上げ機の後方で、巻き取り機
の前方のランナウト中に設ける。
【0039】さらに、冷却装置の通板の途中あるいは直
後の位置に鋼帯をピンチする少なくとも1以上のピンチ
ロール対を設けて、鋼帯の最先端がピンチロール対に到
達すると同時に、その上流側の鋼帯に張力をかけて、通
板を安定させる。さらに、このピンチロール対の転接
は、下流側のピンチロール対あるいは巻取り機に到達す
ると同時に順次解放する。
【0040】以上のごとき熱延鋼帯の冷却装置と冷却方
法を採用することにより、圧延直後の鋼帯を安定して急
速冷却できる。特に、鋼帯先端が巻き取り機に巻き取ら
れる前の張力がかからない状態でも、張力がかかる鋼帯
中央部と同じ冷却条件で冷却し、鋼帯先端から上面と下
面の冷却条件が全く同じとなる。
【0041】曲りの発生や、冷却後の残留応力の発生を
抑制して、長手方向と、幅方向および厚み方向に結晶粒
径が揃うこととなる。材質が均一で製品の歩留まりが高
く、品質が安定した熱延鋼帯を提供できる。
【0042】冷却を施しても、鋼帯が折り込んだり、ま
たアコーディオン状になったりせず、上下の流体圧によ
って鋼帯のパスラインが一定となるので、疵発生の防止
にもつながる。
【0043】第4の発明は、以上の第1ないし第3の発
明による熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法のいずれ
かを用いて、熱延鋼帯を冷却する冷却工程を備え、熱延
鋼帯の製造をなす。
【0044】すなわち、鋼帯上面からの冷却水の排除を
効率よくなして過冷却を防止でき、冷却中の曲がりや冷
却後の残留応力の発生を少なくするばかりか、鋼帯の長
手方向、幅方向、厚み方向に結晶粒径がそろった均一な
熱延鋼帯の安定した製造が可能となる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、第1の発明を、図面を参照
して説明する。図1は、第1の実施の形態での熱延鋼帯
の製造設備を概略的に示し、図2は、第1の冷却装置を
概略的に示す。
【0046】粗圧延機で圧延された粗バー1は搬送手段
をなす搬送ロール上を搬送されて、連続的に7つの連続
仕上げ圧延機2で所定の厚みまで圧延された後、最終仕
上げ圧延機2Eの後方のランナウトテーブル3に導かれ
る。このランナウトテーブル3のほとんど大部分に冷却
装置(冷却手段)が配置されていて、ここで冷却された
あと、巻き取り機4で巻き取られ、熱延コイルとなる。
【0047】ランナウトテーブルを構成する搬送ロール
11の相互間隔は狭いほど通板の安定性が向上するが、
狭すぎると冷却装置を配置するスペースがなくなって冷
却長が長く、冷却効率が悪くなる。そこで、搬送ロール
11相互の距離は、ロール直径+100mmからロール
直径の3倍程度のピッチであることが望ましい。
【0048】上記冷却装置として、このランナウトテー
ブル3の上流側には第1の冷却装置5が配置され、この
下流側には第2の冷却装置6が配置される。上記第1の
冷却装置5は、最終仕上げ圧延機2Eの後方約10mの
位置から約25mの位置に亘って設けられていて、後述
するように構成される。
【0049】上記第2の冷却装置6は、上記第1の冷却
装置5の下流側に、約70mに亘って設置されていて、
ランナウトテーブル3の上部側に所定のピッチで配置さ
れる複数の円管ラミナーノズル7と、下面側で鋼帯の搬
送手段を構成する搬送ロール11間に配置される市販の
複数のスプレーノズル8からなっている。
【0050】さらに、最終仕上げ圧延機2Eと第1の冷
却装置5との間には、鋼帯温度計9およびγ線の板厚計
10が設置されている。
【0051】このランナウトテーブル3に沿って配置さ
れる第1,第2の冷却装置5,6は、強冷却が必要な鋼
種については第1の冷却装置5で圧延直後の急速冷却処
理を行い、続いて所定の巻き取り温度で巻き取られるよ
うに後方にある第2の冷却装置6で冷却処理を行うこと
ができる。
【0052】また、強冷却が必要でない鋼帯について
は、第1の冷却装置5の急速冷却の作動を停止して、従
来型の緩冷却である第2の冷却装置6のみでの冷却処理
をなすことができ、材料としての鋼帯の作り分けが可能
である。
【0053】図2に示すように、第1の冷却装置5の配
置スペース内において、長手方向に約800mmピッチ
で、直径350mmの搬送手段を構成する搬送ロール1
1が配置されていて、これら搬送ロール11は鋼帯の下
面側に位置している。
【0054】そして、搬送ロール11の相互間に、下面
冷却手段をなす、長さ約430mm、幅約1860mm
の下面冷却ボックス12が設けられている。この下面冷
却ボックス12は、装置の長手方向に沿って、合計12
台が配置されていて、第1の冷却装置5として延べ約5
160mmの長さに亘って設けられることになる。そし
て、この下面冷却ボックス12端面と冷却される鋼帯1
3下面との距離は、約50mmに設定されている。
【0055】一方、上記第1の冷却装置5における鋼帯
13の上面側には、下面冷却ボックス12と相対する位
置に、かつ全く同じ長さと幅寸法に設定された上面冷却
手段をなす上面冷却ボックス14が、下面冷却ボックス
12と同じ数だけ配置されている。
【0056】上面冷却ボックス14はフレーム18に支
持されており、このフレームの上面冷却ボックス14出
側には水切り手段をなす水切りロール16が取付けられ
る。この水切りロール16は、後述するように熱延鋼帯
を冷却するにあたって、鋼帯の過冷却を引き起こす要因
となる、鋼帯の上面に滞留した冷却水を除去するための
ものであって、材質の均質化に有効な手段である。
【0057】そして、フレーム18には空気シリンダー
15が連結されていて、これらで上部冷却ブロック20
が構成される。
【0058】上記空気シリンダー15の作用によって、
鋼帯13上面と上面冷却ボックス14端面との距離を、
下面冷却ボックス12端面と鋼帯13下面との距離に等
しくなるように、上面冷却ボックス14の設置高さの調
整をできるようになっている。
【0059】また、第1の冷却装置5が作用しない非冷
却時は、鋼帯の先端が通過するタイミングを合わせて空
気シリンダー15が作動し、上面冷却ボックス14と水
切りロール16をライン上方約500mmの位置まで上
昇させ、これらを鋼帯13から退避するようになってい
る。通常の、鋼帯13に対する冷却作用時には上下両面
冷却ボックス14,12間の距離が、鋼帯13の板厚+
100mmとなるように設定されている。
【0060】上記水切りロール16は、搬送ロール11
に相対する位置にあって、直径200mmの回転駆動さ
れるロールであり、その回転は下部側の搬送ロール11
の周速と同一となるように制御される。
【0061】この実施の形態では、上面冷却ボックス1
4と水切りロール16が同時に移動するように設定した
が、より冷却の応答性を上げるためには、鋼帯13の先
端通過と連動して、上流側の上部冷却ブロック20から
順次作動して、それぞれの水切りロール16と上面冷却
ボックス14の下降を開始することが望ましく、そのた
めに上面冷却ボックス14と水切りロール16を互いに
独立して昇降可能としてもよい。
【0062】上下面冷却ボックス14,12の鋼帯13
に相対する端面は、板厚が1.6mmの鋼板が用いられ
ている。この鋼板には所定口径のノズル孔が、所定の間
隔で千鳥状に設けられている。これらのノズル孔から供
給される冷却水は柱状のラミナー流となり、少なくとも
その上流側の衝突点は上下で対称となるように上下面冷
却ボックス14,12の位置が合せられている。
【0063】さらに、通板性安定のために、鋼帯13下
面については下面冷却ボックス12と搬送ロール11と
の間に、かつ鋼帯13上面については上面冷却ボックス
14相互間に、いわゆるスノコ状のガイド17が設けら
れていて、特に鋼帯13の先端が各隙間に引っ掛かるこ
とのないように工夫されている。
【0064】また、これらスノコ状ガイド17では鋼帯
13と接する虞れがある面は有機樹脂膜で覆われ、鋼帯
と接触しても鋼帯には疵が発生しないような工夫がなさ
れている。この有機樹脂膜の材質は、鋼帯に疵が発生し
ないように鋼帯よりも柔らかく、高温の鋼帯が通過する
際に受ける輻射熱で温度が上昇しても強度が保たれるよ
うな耐熱の材料が好ましい。
【0065】なお、第1の冷却装置5から冷却水を噴射
しない場合において、この面が高温にならないように冷
却水を鋼帯に届かない範囲で冷却水を噴射しておくこと
が効果的である。また、望ましくは水切りロール16も
同様の樹脂材でロール表面がコーティングされており、
疵の発生を抑制する工夫がなされている。
【0066】つぎに、熱延鋼帯13に対する冷却工程に
ついて説明する。最終仕上げ圧延機2Eから搬出された
熱延鋼帯13の先端が第1の冷却装置5を通過するのと
同時に、対応する位置の上部冷却ブロック20が作動し
て上面冷却ボックス14と水切りロール16を下降させ
る。そして、下降した上面冷却ボックス14およびこの
ボックスと対応する位置の下面冷却ボックス12から冷
却水が噴射される。
【0067】このような工程の設定は、鋼帯の先端が通
過する以前に上下面冷却ボックス14,12から冷却水
を噴射すると、冷却水が鋼帯先端に対する通過の抵抗と
なり、先端の通板性を阻害する虞れがあることによる。
【0068】鋼帯13の先端が一旦通過した後は、上面
冷却ボックス14から噴射される冷却水の圧力と、下面
冷却ボックス12から噴射される冷却水の圧力とのバラ
ンスによって、鋼帯13のパスラインが一定に保たれ
る。したがって、鋼帯13に対して張力がかからない状
態であっても、鋼帯13の通板性が安定することにな
り、鋼帯13に対する均一な強冷却が施される。
【0069】なお、鋼帯13先端が第1の冷却装置5に
入ってこの先端と対応する上下面冷却ボックス14,1
2から冷却水を噴射するが、このとき上面冷却ボックス
14を上昇位置に保持したままでもよい。そして、通板
性が安定した段階で上面冷却ボックス14と水切りロー
ル16を降下させても、既に通過した鋼帯部分およびこ
れから通過しようとする鋼帯部分の通板性に悪影響を及
ぼすことはない。
【0070】ただし、水切りロール16の降下中におい
ては、搬送ロール11と水切りロール16の周速を好ま
しくは圧延速度よりも若干速くしたほうが、圧延機から
冷却装置間の鋼帯のたるみ発生を防止して安定した通板
性を確保できる。
【0071】そして、水切りロール16が完全に降下
し、鋼帯13を水切りロール16と搬送ロール11によ
ってピンチした状態で鋼帯13に一定の張力が働くよう
にこれらの回転を制御すれば、熱延鋼帯の安定通板を確
保する機能を持たせることができ、上記水切りロール1
6と鋼帯13とのスリップによる疵の発生防止に有効と
なる。
【0072】なお、鋼帯13に対するピンチのタイミン
グと、鋼帯上下面に対する冷却条件との関係は、以下の
ようになる。すなわち、鋼帯13の先端の通過と同時
に、先端の上下面を水切りロール16と搬送ロール11
とでピンチする工程と、このピンチ工程とともに鋼帯1
3の上下面から冷却水を所定の条件で噴射して鋼帯を冷
却する工程とを具備する。
【0073】あるいは、鋼帯13の先端の通過と同時
に、先端の上下面を水切りロール16と搬送ロール11
とでピンチする工程と、このピンチ工程とともに鋼帯1
3の上面にかかる流体圧と下面にかかる流体圧とがほぼ
等しくなるように冷却水を噴射して鋼帯を冷却する工程
とを具備する。
【0074】あるいは、鋼帯13の先端の通過と同時に
水切りロール16を降下して先端に当接させ、下面の搬
送ロール11と互いに同一の周速で鋼帯をピンチする工
程と、このピンチ工程とともに鋼帯の上面にかかる流体
圧と下面にかかる流体圧とがほぼ等しくなるように冷却
水を噴射して鋼帯を冷却する工程とを具備する。
【0075】第1の冷却装置5を構成する上下面冷却ボ
ックス14,12と鋼帯13との距離を、ここでは50
mmに設定したが、これは以下のような理由による。す
なわち、冷却手段と鋼帯との距離をより離間すれば、冷
却水の勢いが鋼帯と冷却手段との間に存在する流体(冷
却水)によって吸収されてしまい弱まる。逆に、冷却手
段と鋼帯との距離をより接近させれば、冷却水の勢いが
強まるために鋼帯は上面から噴射される冷却水から受け
る面圧と下面から受ける面圧とがバランスする位置を通
過して、鋼帯の振動や片寄った走行を矯正しセンタリン
グする効果が働く。
【0076】通常、流体が鋼帯に作用する圧力が0.0
1〜0.2Kg/cmG程度あれば、上述のセンタリ
ング効果が期待できる。このとき、ラミナー状の冷却水
が鋼帯に到達し、鋼帯を冷却するためには冷却手段と鋼
帯との距離をあまり離すことができない。
【0077】この距離は、ラミナー流のノズル出口の直
径が2〜5mm程度であれば30〜100mmが好まし
い。たとえば、100mm以上では冷却水流の勢いが弱
まり強冷却が不可能になる。逆に、30mm以下に近づ
き過ぎると、冷却水の行き場がなくなり良好な水流が得
難くなる。したがって、急速冷却が不可能となり、ある
いは冷却水の流れが鋼帯の中央部と端部とで大きく異な
って冷却ムラが発生する。
【0078】なお、以上の条件は冷却手段の構成によっ
て異なってくるので、上記の限りではないが、流体が鋼
帯に作用する力が0.01〜0.2Kg/cmG程度
となるようにして、鋼帯幅方向の冷却を均一となす冷却
水の諸噴射条件を決定すればよい。
【0079】さらに、通板性を安定させるために、第1
の冷却装置5の入側にも、冷却装置出側に設けたのと同
じ昇降可能な水切りロール16をさらにもう1組設け
て、入側の通板安定性確保を図ってもよい。ただし、鋼
帯の搬送速度が速いので、入り側の水切りロール16は
冷却水の漏出を防止する効果よりも、むしろ通板安定性
への寄与が大きい。
【0080】以上の設備において、仕上げ板幅が150
0mmで、仕上げ板厚が3mmの鋼帯をスレッディング
速度650mpm、加速率9mpm/sで加速し、最大
1200mpmまで加速後、減速して650mpmで鋼
帯後端を尻抜けさせた。
【0081】鋼帯の加速時は、第1の冷却装置5と第2
の冷却装置6の水量を増加することで、巻き取り温度が
一定となる制御を行った。そのとき、鋼帯は先端から後
端まで安定して各冷却装置5,6を通過し、所定の冷却
が行われた。しかも、各冷却装置5,6の前後に冷却水
の漏出はなく、また疵の発生もなかった。
【0082】その結果、ほぼ先端から後端まで結晶粒径
が微細で一定した熱延鋼帯を安定して製造できた。巻き
取り温度の変動が先端から後端までで15℃以内であ
り、安定した冷却が実現された。各温度計の実測値から
鋼帯13の冷却速度を推定すると、第1の冷却装置5で
は500℃/sの急速冷却が実現することとなる。
【0083】(比較例)比較例として、第1の実施の形
態と同様の圧延設備で仕上げ板厚3mmの熱延鋼帯を圧
延し、そのあと以上述べた第2の冷却装置6で安定通板
を妨げない範囲で最大流量の冷却を行った場合を説明す
る。
【0084】仕上げ板厚3mmの鋼帯をスレッディング
速度650mpm、加速率9mpm/sで加速し、最大
1200mpmまで加速後、減速して650mpmで鋼
帯後端を尻抜けさせた。このとき、第2の冷却装置6の
みで安定通板が可能な範囲で、かつ最大の冷却水量で冷
却を施す、急速冷却をなした。
【0085】その冷却速度は70℃/sであり、特に鋼
帯の上面と下面で、その結晶粒径のバラツキが大きく、
また先端から後端にかけてバラツキがみられた。結果と
して、この鋼帯は先端部と後端部のそれぞれ70mが所
定の材質が得られず切り捨てられることとなり、歩留ま
りが落ちた。
【0086】以下、第2の発明を、図面を参照して説明
する。図3は、第2の実施の形態での熱延鋼帯の製造設
備を概略的に示す。
【0087】粗圧延機で圧延された粗バー1は搬送ロー
ル上を搬送されて、連続的に7つの連続仕上げ圧延機2
で所定の厚みまで圧延された後、最終仕上げ圧延機2E
の後方のランナウトテーブル3に導かれる。このランナ
ウトテーブル3は全長約80mあり、そのほとんど大部
分は冷却装置を構成していて、ここで冷却されたあと、
後方の巻き取り機4で巻き取られて熱延コイルとなる。
【0088】ランナウトテーブル3に設けられる冷却装
置(冷却手段)25は、ランナウトテーブル3の上面側
に所定ピッチで配置される複数の円管ラミナーノズル2
6と、下面側で鋼帯の搬送手段を構成する搬送ロール1
1間に配置される複数のスプレーノズル27からなって
いる。そして、後述する水切り装置(水切り手段)28
が冷却装置25の出口に配置されている。
【0089】上記水切り装置28と、その周辺の構成は
図4に示すようになっている。ランナウトテーブル3に
おいて、長手方向に約400mmピッチで、直径350
mmの回転する搬送ロール11が配置され、これら搬送
ロール11は鋼帯13の下面側に位置している。
【0090】搬送ロール11相互間に、幅方向に100
mmピッチで、冷却水を噴射する上記スプレーノズル2
7が設けられている。このスプレーノズル27は市販品
でよい。一方、上面側には鋼帯パスラインから高さ15
00mmのところに円管ラミナーノズル26が幅方向に
100mmピッチで各搬送ロール11の軸上に1列とな
って設けられている。
【0091】上記水切り装置28として、冷却装置25
の最後の搬送ロール11直上に搬送ロールと平行に直径
250mmの水切りロール30が配置されている。この
水切りロール30は上下に昇降駆動され、その高さ位置
の保持を任意に変更可能となっている。なお、水切りロ
ール30の一側部には、このロールを回転駆動するため
の駆動モータ23が連結されている。
【0092】水切りロール30と鋼帯13との間に隙間
(距離)を存することによって、鋼帯に対する負荷荷重
の調整が不要となるとともに水切りが確実に行える。こ
の隙間は、狭ければ狭いほど、水切り効果が高い。
【0093】しかしながら、実際の設備では搬送にとも
なう鋼帯13の振動があるので、その隙間は30mm以
下とし、望ましくは1〜10mmを保持するように設定
するのがよい。
【0094】これより少ないと水切り性は良好となる
が、水切りロール30と鋼帯13との接触から振動が発
生し、通板性が阻害する虞れがある。また、これよりも
大きく設定すると、接触は回避されるが水切り性が悪化
する。すなわち、漏洩水の量が増えて、漏洩した冷却水
を吹き飛ばすパージの水量と、圧力を増やす必要が生じ
る。そして、さらに望ましくは3〜5mmとするとよ
い。
【0095】また、鋼帯13が水切りロール30に接触
したときに、鋼帯に疵付きを生じないように、上記駆動
モータ23によって水切りロール30は鋼帯13の搬送
速度と一致する周速となるように回転調整されている。
【0096】さらに、水切りロール30と鋼帯13との
隙間から流出する冷却水を鋼帯上面から速やかに排出さ
せるため、水切りロール30の後方で、かつ鋼帯13の
一側縁から他側縁に向け、この幅方向に亘って高圧水を
噴射する流体噴射手段である水切りスプレーノズル22
が設けられている。
【0097】このようにして構成される水切り装置28
は、以下に述べるようにして作用する。圧延後の鋼帯1
3先端が冷却装置25を通過すると同時に水切りロール
30を所定の位置、すなわち水切りロール30と鋼帯1
3の隙間(距離)が、たとえば5mmを保持するように
下降する隙間設定が行われる。このとき水切りロール3
0が鋼帯13に接触して疵を発生させることのないよう
に、鋼帯13の搬送速度と同一の周速に水切りロール3
0を回転駆動する。
【0098】さらに、水切りロール30後方の水切りス
プレーノズル22により、鋼帯13と水切りロール30
との隙間から漏出する冷却水を鋼帯の幅方向一側縁から
排出させるべく、水を斜め方向から高圧(約2MPa)
で噴射する。あるいは/さらに、鋼帯13の後端の通過
に同期させて、水切りロール30を上昇させる。
【0099】以上の設備において、仕上げ板幅1230
mm、仕上げ板厚3mmの鋼帯を600mpmで通過さ
せながら冷却を行った。このとき、冷却装置25おいて
鋼帯13上に注がれた冷却水の一部は鋼帯の動きととも
に冷却装置25から後方へ流出しようとするが、水切り
ロール30によって大半の冷却水が堰き止められ、鋼帯
両側端から落下する。
【0100】それでもなお、水切りロール30と鋼帯1
3との隙間から漏出する冷却水は、水切りロール30後
方直後において水切りスプレーノズル22から噴射され
る高圧のスプレー水によって鋼帯一側縁から吹き飛ばさ
れる。
【0101】その結果、水切りロール30後方において
鋼帯上に残存する冷却水はほとんで皆無であるととも
に、水切りロールによる鋼帯に疵の発生はない。滞留水
による過冷却がなくなって、鋼帯各部の冷却終了温度が
一定となる。鋼帯の長手方向に亘って材質を詳細に調査
したところ、全て均一な結晶粒径の鋼帯が安定して得ら
れている。
【0102】図5に、第3の実施の形態での熱延鋼帯の
製造設備を概略的に示している。粗圧延機で圧延された
粗バー1は連続的に7つの連続仕上げ圧延機2で所定の
厚みまで圧延された後、最終仕上げ圧延機2Eの後方に
全長約80mに亘って設けられるランナウトテーブル3
に導かれる。このランナウトテーブル3のほとんど大部
分は冷却装置を構成していて、鋼帯13はここで冷却さ
れたあと、後方の巻き取り機4で巻き取られて熱延コイ
ルとなる。
【0103】このランナウトテーブル3には長さ約15
mの後述する近接タイプの冷却装置34が設けられてい
て、さらにこの冷却装置34の後部には後述する水切り
装置28Aが設けられている。
【0104】上記冷却装置34は、図6に示すように構
成される。すなわち、下面側に長手方向に約800mm
のピッチで、直径350mmの回転する搬送ロール11
が設けられる。これら搬送ロール11の間に、幅方向に
約1860mmに亘って下面冷却ノズル35が設けられ
ている。この下面冷却ノズル35はスノコ状のガイド3
6に対して幅方向に等間隔で設置されている。
【0105】一方、上面側において下面冷却ノズル35
と相対する位置に上面冷却ノズル37が設けられてい
る。この上面冷却ノズル37においてもスノコ状のガイ
ド38によって鋼帯13と接触しないことは同様であ
る。そして、上面冷却ノズル37を支持するフレームF
は図示しない駆動機構によって昇降駆動されるようにな
っている。
【0106】ここで用いられる上面冷却ノズル37およ
び下面冷却ノズル35は、鋼帯13を急速冷却するため
に円柱状のラミナーノズルが採用される。ただし、これ
に限定されるものではなく、別形式のノズルである、た
とえばフラットラミナーノズルとスプレーノズルを上下
に組み合わせてもよい。いずれにしても、冷却水の噴射
条件は上下面とも3500L/mminとした。
【0107】図7に示すように、上記水切り装置28A
として、冷却装置34の最後の搬送ロール11直上に搬
送ロールと平行に直径250mmの水切りロール30が
配置されている。この水切りロール30は上下に昇降駆
動され、その高さ位置を任意に変更可能となっている。
【0108】負荷調整を不要として水切りを確実に行う
ため、水切りロール30と鋼帯13との隙間(距離)を
1〜10mm、たとえば5mmを保持するように下降す
る隙間設定が行われる。
【0109】下降のタイミングは、圧延後の鋼帯13先
端が冷却装置34を通過するのと同時であり、あるいは
/さらに、鋼帯13の後端の通過に同期させて、水切り
ロール30を上昇させる。
【0110】上記水切りロール30の周速は、水切りロ
ール30に鋼帯13が接触するようなことがあっても鋼
帯に疵が発生しないように、鋼帯13の搬送速度と同一
となす。
【0111】さらに、水切りロール30の直後位置には
高圧水を噴射する流体噴射手段である複数の水切りスプ
レーノズル22aが設けられている。これら水切りスプ
レーノズル22aは鋼帯13の幅方向にたとえば5本、
300mm間隔で、互いに斜めに向けて設けられてい
る。
【0112】複数の水切りスプレーノズル22aから高
圧水(約1.5MPa)を一斉に噴射すると、鋼帯13
の幅方向の一端部から他端部に向けて水切り水が噴射さ
れることになり、水切りロール30と鋼帯13との隙間
から流出する冷却水を吹き飛して、鋼帯13の幅方向一
側縁から排出させられる。
【0113】水切りスプレーノズル22aを鋼帯13の
幅方向に亘って備えたので、たとえ幅寸法が広い鋼帯で
あっても、あるいは水切りスプレーノズルの水圧が低く
なってしまっても、確実に水切りをなす。
【0114】ここでは搬送される鋼帯13先端と水切り
スプレーノズル22aとの衝突を防止するためのガイド
39が、水切りスプレーノズル22aの近傍位置に設け
られている。
【0115】以上の設備において、仕上げ板幅1800
mm、仕上げ板厚3mmの鋼帯を600mpmで搬送し
ながら冷却を行った。圧延後の鋼帯13先端が冷却装置
34を通過するのと同時に水切りロール30を降下し
て、鋼帯13に対する隙間設定が行われる。さらに、複
数の水切りスプレーノズル22aから一斉に高圧水を噴
射する。
【0116】冷却装置34において、鋼帯13上に注が
れた冷却水の一部は鋼帯の動きとともに冷却装置から後
方へ流出しようとするが、上記水切りロール30によっ
てその大半が堰き止められ、かつ鋼帯の側端縁から落下
する。
【0117】たとえ水切りロール30と鋼帯11との隙
間から冷却水が漏出しても、複数の水切りスプレーノズ
ル22aから噴射される高圧のスプレー水によって、一
側縁から吹き飛ばされる。
【0118】水切りロール30後方で鋼帯13上に残存
する冷却水はほとんど皆無となり、水切りロール30に
よる鋼帯に疵の発生はない。滞留水による過冷却がなく
なって、鋼帯各部の冷却終了温度が一定となる。鋼帯の
長手方向に亘って材質を詳細に調査したところ、全て均
一な粒径の鋼帯が安定して得られていた。
【0119】図8に、第4の実施の形態での熱延鋼帯の
製造設備を概略的に示している。粗圧延機で圧延された
粗バー1は連続的に7つの連続仕上げ圧延機2で所定の
厚みまで圧延された後、最終仕上げ圧延機2E後方の全
長約80mのランナウトテーブル3に導かれる。このラ
ンナウトテーブル3のほとんど大部分は冷却装置を構成
していて、ここで冷却されたあと、後方の巻き取り機4
で巻き取られて熱延コイルとなる。
【0120】このランナウトテーブル3には長さ約2m
の近接タイプの冷却装置40A〜40Hが8組設けられ
ている。各冷却装置40A〜40Hの出側直後位置にお
ける搬送ロール11直上で平行に、直径250mmの水
切りロール30が8本と、第1番目の冷却装置40Aの
入り側に1本、合わせて9本配置され、これらで水切り
装置28Bが構成される。
【0121】各水切りロール30は上下方向に昇降駆動
され、その高さ位置を任意に変更可能である。負荷調整
を不要として水切りを確実に行うため、水切りロール3
0と鋼帯13との隙間(距離)が1〜10mm、たとえ
ば5mmを保持するように下降する隙間設定が行われ
る。
【0122】下降のタイミングは、圧延後の鋼帯13先
端が冷却装置40A〜40Hを通過するのと同時であ
り、あるいは/さらに、鋼帯13の後端の通過に同期さ
せて、水切りロール30を上昇させる。
【0123】上記水切りロール30の周速は、水切りロ
ール30に鋼帯13が接触するようなことがあっても鋼
帯に疵が発生しないように、鋼帯の搬送速度と同一とな
す。
【0124】さらに、各水切りロール30の直後位置
(第1番目の水切りロールについてはその前方)には、
高圧水を噴射する流体噴射手段である複数の水切りスプ
レーノズル22aが設けられている。これら水切りスプ
レーノズル22aは鋼帯の幅方向に亘ってたとえば5
本、300mm間隔で、互いに斜めに向けて設けられて
いる。
【0125】複数の水切りスプレーノズル22aから高
圧水(約2MPa)を一斉に噴射すると、鋼帯の幅方向
の一端部から他端部に向けて水切り水が噴射されること
になり、水切りロールと鋼帯との隙間から流出する冷却
水を吹き飛ばすようになっている。
【0126】以上の設備において、仕上げ板幅1200
mm、仕上げ板厚5mmの鋼帯を300mpmで搬送し
ながら冷却を行った。各冷却装置40A〜40Hにおい
て鋼帯13上に注がれた冷却水の一部は鋼帯の動きとと
もに冷却装置から後方へ流出しようとするが、上記水切
りロール30によってその大半が堰き止められ、かつ鋼
帯の側端縁から落下する。
【0127】たとえ水切りロール30と鋼帯13との隙
間から冷却水が漏出しても、水切りスプレーノズル22
aから噴射される高圧のスプレー水によって、一側縁か
ら吹き飛ばされる。
【0128】水切りロール30後方において鋼帯13上
に残存する冷却水はほとんど皆無となり、水切りロール
30による鋼帯に疵の発生はない。滞留水による過冷却
がなくなって、鋼帯各部の冷却終了温度が一定となる。
鋼帯の長手方向に亘って材質を詳細に調査したところ、
全て均一な粒径の鋼帯が安定して得られた。
【0129】この実施の形態では、鋼帯13の搬送速度
や板厚に応じて使用する冷却装置の数を変更しても、最
下流側の冷却装置の後流側の水切りロールと水切りスプ
レーノズルを選択的に使用できるので、冷却装置から漏
出する冷却水を効率よく排出することとなる。
【0130】また、冷却装置での鋼帯の搬送速度が遅い
場合や、冷却水量が多い場合などは、冷却装置の上流側
にも冷却水が流出する虞れがある。このような場合は、
冷却装置の入り口側に水切りロール30と、その前に水
切りスプレーノズル22aを設置して上流側に漏出する
冷却水の水切りを行う。
【0131】以上述べた第2ないし第4の実施の形態
で、水切り装置として、直径250mmの水切りロール
30を備えたが、これに限定されるものではない。たと
えば、図9(A)に示すように、板体であって、鋼帯と
平行な平面部を備えるとともに、鋼帯搬送上流側と下流
側に沿って斜めに折曲された水切りガイド板30Aであ
ってもよい。
【0132】さらに、図9(B)に示すように、板体で
あって、その頂点部が鋼帯と並行になるように湾曲成さ
れた水切りガイド板30Bであってもよい。これら水切
りガイド板30A,30Bは水切りロール30のように
回転駆動されないので、鋼帯13が衝突した場合に、鋼
帯に疵が発生し易い。そこで、これらガイド板30A,
30Bは鋼帯よりも柔らかい材料、たとえば合成樹脂材
を選択する。
【0133】当然のことながら、鋼帯13が水切りロー
ル30に衝突することも考えられるので、水切りロール
30にあっても、たとえば有機樹脂材を被覆したコーテ
イングロールの適用は可能である。
【0134】また、図9(C)に示すように、ブラシか
らなる水切りガイド体30Cであってもよい。図9
(D)に示すように、耐熱性素材で成形された暖簾状の
水切りガイド体30Dであってもよい。さらに、特に図
示しないが、耐熱性素材で成形された、すだれ状の水切
りガイド体であってもよい。
【0135】いずれにしても、先に説明した水切りロー
ル30と同様、所定位置に配置され、上下に昇降駆動さ
れて、その高さ位置の保持を任意に変更可能である。そ
れぞれの先端部と鋼帯13との隙間(距離)は1〜10
mmに保持されるなど、全ての条件を水切りロール30
と同一に揃えられる。
【0136】なお、以上述べた第2ないし第4の実施の
形態で、水切りロール30の後方に鋼帯の幅方向に対し
て斜めに水を噴射する水切り用のスプレーノズル22,
22aを配置したが、これに限定されるものではなく、
他の構造の水切りノズルであってもよい。
【0137】たとえば、幅方向に沿って所定ピッチで多
数並べたスプレーノズルで冷却水を水切りロールへ押し
返す構成のもの、あるいは幅方向に多段に設けた斜めの
スプレーノズルから噴射した冷却水で吹き飛ばす構成の
もの、あるいは以上の水切り構造を2つ以上組み合わせ
たものなどが考えられる。
【0138】以下、第3の発明を、図面を参照して説明
する。図10(A)は、第5の実施の形態での熱延鋼帯
の製造設備を概略的に示しており、図10(B)は、こ
の製造設備における冷却装置(冷却手段)の詳細を示し
ている。
【0139】なお、この実施の形態は板厚3mmの熱延
鋼帯を冷却する条件であって、最終仕上げ圧延機から離
れた位置に冷却装置が配置され、かつストリップガイド
および入側・出側のピンチロール対が存在しない場合に
適用される。
【0140】すなわち、粗圧延機Aで圧延された粗バー
1は搬送テーブル上を搬送されて、連続的に7つの連続
仕上げ圧延機2で所定の厚みまで圧延された後、最終仕
上げ圧延機2E後方のランナウトテーブル3に導かれ
る。このランナウトテーブル3のほぼ中央部には冷却装
置(冷却手段)50が配置され、ここで鋼帯13は冷却
されたあと、後方の巻き取り機6で巻き取られて熱延コ
イルとなる。
【0141】なお説明すれば、上記ランナウトテーブル
3における搬送手段は、直径300mmの複数の搬送ロ
ール11からなり、ロールピッチを350mmとして連
続的に配置されている。
【0142】ランナウトテーブル3における最終仕上げ
圧延機2Eより5mの位置から20mの位置に亘って、
上記冷却装置50が配置される。冷却装置50の入り側
には、図示しない厚み計や仕上げ温度計等のセンサー類
が配置されている。
【0143】冷却装置50には、517mmピッチで複
数の搬送ロール11が配置されている。それぞれの搬送
ロール11上には、上下方向に駆動可能な同伴ロール5
1が搬送ロール11と平行に配置されている。
【0144】これら同伴ロール51は、鋼帯の先端を安
定して通板させるのに必要な手段であり、構造上、前述
した水切りロールと機能を兼ねる。基本的には、同伴ロ
ール51は搬送ロール11と同方向で、かつ同一周速で
回転駆動される。
【0145】そして、同伴ロール51と対向する搬送ロ
ール11との隙間は、通板される熱延鋼帯13の板厚+
約5mmに設定されている。通板性を考慮すると、鋼帯
13の板厚+30mm以内が適当である。
【0146】搬送ロール11および同伴ロール51と、
熱延鋼帯13との接触による、鋼帯の疵付きを防止する
ため、これらロール11,51の周速は鋼帯13の搬送
速度の0〜20%速い速度に設定するのが好ましい。
【0147】そして、より通板性を高めるため、鋼帯1
3先端において前へ引張る力がかかるように、鋼帯13
の搬送速度の5〜20%速い速度に設定するのが、張力
がかからない鋼帯先端の通板をより安定させるために、
より好ましい。
【0148】なお、鋼帯先端が巻き取り機に到達したあ
との張力のかかった状態では、疵防止の観点から、これ
らロールの周速を鋼帯搬送速度とほぼ等周度に変えても
よい。ここに言う、ほぼ等周度とは、機械的に避けがた
い速度のずれを含めた範囲を意味し、通常±5%程度の
速度誤差を言う。
【0149】冷却装置50自体の長さは約15mあり、
したがって同伴ロール51と搬送ロール11は、それぞ
れ30本設置されている。上記同伴ロール51は昇降自
在であり、鋼帯13が搬送されてくる以前に上方に退避
できるようになっている。
【0150】上記冷却装置50として、通板される鋼帯
13の下面側に位置する冷却装置50aと、上面側に位
置する冷却装置50bとから構成される。下面側冷却装
置50aには、各搬送ロール11相互間に平板状の通板
ガイド(通板用ガイド体)52が架設され、このガイド
の下方に複数のスプレーノズル53が配置されている。
上記通板ガイド52には、スプレーノズル53から噴射
される冷却水が通過する孔部が設けられている。
【0151】上面冷却装置50bには、各同伴ロール5
1相互間に平板状の通板ガイド(通板用ガイド体)52
が架設され、このガイドの上方に全く同一構造のスプレ
ーノズル53が設けられてなる。上記通板ガイド52に
は、スプレーノズル53から噴射される冷却水が通過す
る孔部が設けられている。
【0152】なお、搬送される鋼帯13と各スプレーノ
ズル53との位置が必要以上に離間すると、冷却水の勢
いが鋼帯13とスプレーノズル53との間に存在する流
体によって吸収されて弱まる。
【0153】最適量だけ接近すれば、冷却水の勢いが強
まるために、鋼帯13は上面から噴出する冷却水による
面圧と、下面から噴出する冷却水による面圧とがバラン
スする位置を通過する。したがって、鋼帯13の振動抑
制をなすとともに、上下方向に片寄っている鋼帯13を
センタリングする。
【0154】上記通板ガイド52はスノコ状や格子状で
あってもよく、あるいは平板状の板に冷却水を通すのに
必要な部分のみ孔部を設けた形式であってもよい。
【0155】つぎに、連続仕上げ圧延機3で圧延された
鋼帯13を冷却装置50で冷却する冷却工程について説
明する。遅くとも、熱延鋼帯13の先端が連続仕上げ圧
延機2Eから搬出される以前に、冷却装置50を構成す
る上下のスプレーノズル53から冷却水を噴射する。こ
のとき、スプレーノズル53の鋼帯13の上面と下面に
作用する噴射条件が同一なるように、噴射圧や流量を調
整する。
【0156】これにより、通板する鋼帯13の上面と下
面に働く流体圧が同じになり、鋼帯13が上下に振動し
ないことは勿論、一方向に片寄らずにすみ、センタリン
グ効果が得られて通板が安定する。
【0157】そして、全ての同伴ロール51および搬送
ロール11を回転駆動して、鋼帯13の搬入を待機す
る。上述したように、これらロール51,11の回転方
向は、いずれのロール51,11も鋼帯13を圧延機2
から巻き取り機4へ導く方向であり、周速は鋼帯13の
通板速度と同じか、もしくはそれよりも若干は速くなる
ように調整されて搬送されている。
【0158】最終仕上げ圧延機2Eから出た状態の鋼帯
13の板厚が3mmのものでは、搬送ロール11による
搬送速度を650mpmとして通過させた。このときの
鋼帯13の仕上がり温度は、890℃であった。
【0159】上記冷却装置50において、搬送ロール1
1と同伴ロール51との隙間を8mmに設定し、かつ両
ロール11,51の周速が680mpmになるように回
転駆動している。
【0160】冷却装置50内に搬入される鋼帯13は、
その先端が同伴ロール51もしくは搬送ロール11に衝
突することもあるが、これらロール51,11はともに
回転しているので、鋼帯13先端は円滑に同伴ロール5
1と搬送ロール11との隙間に滑り込む。また、上下の
スプレーノズル53による上面側と下面側からの冷却水
の圧力によって、鋼帯13のパスラインが一定に保持さ
れる。
【0161】上述の条件設定にもとづき、板厚が3mm
程度の薄物鋼帯13であっても、その先端から安定した
通板が実現され、均一な強冷却が施される。
【0162】冷却装置50を抜け出た位置での鋼帯13
温度は700℃であった。そのあと、鋼帯13先端は下
流側に配置される搬送ロール11上を通板されるが、冷
却装置50内を通板中の鋼帯13が振動したり、片寄っ
たりすることがない。通板中での鋼帯温度のバラツキは
なく、鋼帯13先端が巻き取り機4に巻き取られたあと
も、通板・冷却は安定して継続される。
【0163】このように、冷却装置50を備えたランナ
ウトテーブル3では、板厚が3mm程度の鋼帯13の先
端から中央部と、それ以降および終端部に亘って同じ熱
履歴を実現でき、製品であるコイル全体で材質のバラツ
キが小さく、強度、伸びが一様となる。
【0164】なお、鋼帯13の上下面を冷却するノズル
としてスプレーノズル53を用いたが、柱状の円管ラミ
ナー方式や噴流方式であってもよい。鋼帯13の上面と
下面に作用する流体圧でセンタリング効果を得るための
条件は、各冷却方式によって異なるので、その冷却方式
に応じて決定すればよい。
【0165】上述したように、同伴ロール51は、噴射
された冷却水が上流側や下流側へ流出するのを防ぐ水切
りロールの機能を合わせ持っており、制御性のよい冷却
を実現できる。
【0166】すなわち、たとえば冷却水が冷却装置50
から前後方向に流出すると、鋼帯13に対して局所的な
過冷却を引き起こす。また、冷却水は幅方向に流れて、
鋼帯13側端部から落下するので、幅方向に不均一な冷
却となる。水切りロールの機能を持たせた同伴ロール5
1を備えることにより、このような不具合の発生を防止
する。
【0167】図11(A)は、第6の実施の形態での熱
延鋼帯の製造設備を概略的に示しており、図11(B)
は、この製造設備における冷却装置(冷却手段)の詳細
を示している。
【0168】この実施の形態は第5の実施の形態より通
板性が悪い、板厚1.6mmの熱延鋼帯、いわゆる薄物
熱延鋼帯を冷却する条件であって、最終仕上げ圧延機か
ら離れた位置に冷却装置が配置され、かつストリップガ
イドおよび入り側と出側にピンチロール対が設けられる
場合に適用される。なお、上記薄物熱延鋼帯とは、一般
に板厚2mm以下の鋼帯を言う。
【0169】すなわち、粗圧延機Aで圧延された粗バー
1は搬送ロール上を搬送されて、連続的に7つの連続仕
上げ圧延機2で所定の厚みまで圧延された後、最終仕上
げ圧延機2Eの後方のランナウトテーブル3に導かれ
る。
【0170】このランナウトテーブル3のほぼ中央部に
は冷却装置(冷却手段)50Aが配置され、ここで鋼帯
13は冷却されたあと、後方の巻き取り機4で巻き取ら
れて熱延コイルとなる。
【0171】上記ランナウトテーブル3には、搬送手段
として直径300mmの搬送ロール11が、350mm
のロールピッチで連続的に配置されている。最終仕上げ
圧延機2Eより5mの位置から20mの位置の間に亘っ
て、上記冷却装置50Aが配置されている。
【0172】冷却装置50Aの入り側直前位置と、出側
直後位置には、鋼帯13をピンチするピンチロール対5
5A,55Bが設けられている。これらピンチロール対
55A,55B間で鋼帯13をピンチし、鋼帯がピンチ
ロール対を通過するのと同時に、鋼帯13に対して張力
を付与するようになっている。これらピンチロール対5
5A,55Bのロール相互間隙は、鋼帯13の板厚−
0.1mmに設定されていて、互いに同方向に回転駆動
される。
【0173】図11(B)のみ示すように、入り側ピン
チロール対55Aの圧延機2側には、上下一対のストリ
ップガイド56aが設けられている。これらストリップ
ガイド56aは、圧延機2側において互いに間隔が広
く、ピンチロール対55A側ではロール対転接部に対向
するよう狭くなり、互いに傾斜する。このことから、圧
延機2から導かれる鋼帯13の先端をピンチロール対5
5A間に円滑に、かつ確実に導びくことができる。
【0174】これらピンチロール対55A,55Bは、
鋼帯13に対する張力を制御する機能と、ピンチ後の鋼
帯13が左右に蛇行しないように、左右の押付け力を調
整する機能を有している。
【0175】なお、この実施の形態では冷却装置50A
の直後にピンチロール対55Bを配置したが、これに限
定されるものではなく、冷却装置50A内にもピンチロ
ール対を配置し、送られてくる鋼帯を順次ピンチし、通
板性を確保しながら冷却することも効果的である。
【0176】冷却装置50Aにおいて、517mmピッ
チで複数の搬送ロール11が配置されている。各搬送ロ
ール11上には、上下方向に駆動可能な同伴ロール51
が搬送ロール11と平行に配置されている。
【0177】これら同伴ロール51は、搬送ロール11
と同方向でかつ同一周速で回転駆動される。各同伴ロー
ル51と対向する搬送ロール11の隙間は、通板される
鋼帯13の板厚+約5mmに設定されている。
【0178】上記冷却装置50A自体の全長は約15m
あり、したがって同伴ロール51と搬送ロール11は、
それぞれ30本づつ設置されている。上記同伴ロール5
1は昇降自在であり、鋼帯13が搬送されてくる以前に
上方に退避できるようになっている。
【0179】上記冷却装置50Aとして、通板される鋼
帯13の下面側に位置する冷却装置50aと、上面側に
位置する冷却装置50bとから構成される。下面側冷却
装置50aと上面側冷却装置50bはともに、先に図1
0(B)で説明したものと同一構成であり、ここでは同
番号を付して新たな説明は省略する。
【0180】つぎに、連続仕上げ圧延機2で圧延された
鋼帯13を冷却装置50Aで冷却する冷却工程について
説明する。
【0181】遅くとも、熱延鋼帯13の先端が連続仕上
げ圧延機2から搬出される以前に、冷却装置50Aを構
成する上下のスプレーノズル53から冷却水を噴射す
る。このとき、スプレーノズル53の鋼帯13の上面と
下面に作用する噴射条件が同一となるように、噴射圧や
流量を調整する。
【0182】これにより、通板する鋼帯13の上面と下
面に働く流体圧が同じになり、鋼帯13が上下に振動し
ないことは勿論、一方向に片寄らずにすみ、センタリン
グ効果が得られて通板が安定する。
【0183】そして、全ての同伴ロール51および搬送
ロール11を回転駆動して、鋼帯13の搬入を待機す
る。これらロール51,11の回転方向は、いずれのロ
ール8,7も鋼帯13を圧延機2から巻き取り機4へ導
く方向であり、周速は鋼帯13の通板速度と同じか、も
しくはそれよりも若干は速くなるように調整されている
ことは、ここでも変わりがない。
【0184】最終仕上げ圧延機2Eから出た状態の鋼帯
13の板厚が1.6mmものでは、搬送速度を650m
pmとして通過させた。このときの鋼帯13の仕上がり
温度は、840℃であった。
【0185】上記冷却装置50Aにおいて、搬送ロール
11と同伴ロール51との隙間を7mmに設定し、かつ
両ロール7,8の周速が680mpmになるように回転
駆動している。
【0186】最終仕上げ圧延機2Eから通板される鋼帯
13は、ストリップガイド56a,56aによってガイ
ドされ、その先端は円滑で、かつ確実に入り側のピンチ
ロール対55Aに挟持される。
【0187】鋼帯13が入り側のピンチロール対55A
でピンチされた瞬間に、鋼帯13に対して張力が付与さ
れる。鋼帯13の先端が一旦ピンチロール対55Aに噛
み込まれれば、それ以降は安定通板する。
【0188】そのあと鋼帯13は、最初(第1番目)の
同伴ロール51と搬送ロール11との間に導かれる。こ
のとき、鋼帯13先端が上記同伴ロール51に衝突する
ようなことがあっても、同伴ロール51が回転している
うえ、ピンチロール対11Aによって鋼帯13は上下の
動きが拘束されているので、同伴ロール51と搬送ロー
ル11の隙間に円滑に滑り込み、折れ込みや突っかかり
を生じない。
【0189】冷却装置50A内では、上下のスプレーノ
ズル53による上面側と下面側からの冷却水の圧力によ
ってパスラインが一定となり、鋼帯13の安定した通板
と冷却がなされる。
【0190】冷却装置50Aを抜け出た位置での鋼帯1
3の温度は400℃であった。そのあと、鋼帯13の先
端は出側のピンチロール対55Bで再びピンチされ、張
力が付与される。
【0191】鋼帯13先端が巻き取り機4に巻き取られ
るまで下流側の搬送ロール11上を通板されるが、その
間、冷却装置50A内を通板中の鋼帯13は振動した
り、片寄ったりすることがない。冷却装置50Aを出た
ところでの鋼帯13温度のバラツキはなく、鋼帯13先
端が巻き取られたあとも、通板・冷却は安定して継続さ
れる。
【0192】なお、ピンチロール対55Aは鋼帯13先
端が通板し、下流側のピンチロール対55Aに到達して
ピンチされるか、または巻き取り機4に巻き付いたら順
次解放するよう設定されている。
【0193】このように、上記冷却装置50Aを備えた
ランナウトテーブル3においては、板厚が1.6mm程
度の薄物鋼帯13の先端から中央部と、それ以降および
終端部に亘って同じ熱履歴を実現でき、製品であるコイ
ル全体の材質のバラツキが小さく、強度、伸びが一様と
なる。
【0194】冷却装置50Aの入り側にピンチロール対
55Aを備えたことにより、鋼帯13先端を第1番目の
同伴ロール51と搬送ロール11との隙間に確実に導く
ことができ、さらには最終仕上げ圧延機2Eと冷却装置
50Aとの間で鋼帯13が折れ込んだりアコーディオン
状にならないように張力を付与する。
【0195】冷却装置50Aの出側にピンチロール対5
5Bを備えたことにより、冷却装置50Aから出た後の
鋼帯13が巻き取り機4に至るまでの間に鋼帯先端が振
動しても、その影響が冷却装置50A内の鋼帯13にま
で及ぼさずにすむ。
【0196】そして、鋼帯13が一旦ピンチロール対5
5Bに挟持されたあとは、冷却装置50A内における鋼
帯に張力が付与されるので、安定した冷却を施すことが
できる。
【0197】図12(A)は、第7の実施の形態での熱
延鋼帯の製造設備を概略的に示し、図12(B)は、こ
の製造設備に用いられる最終仕上げ圧延機から冷却装置
(冷却手段)全般に亘る部位を拡大して示す。
【0198】なお、この実施の形態は、先に説明した第
5の実施の形態より通板性が悪い板厚1.2mmの熱延
鋼帯を冷却する条件で、最終仕上げ圧延機直後に冷却装
置を配置した場合に適用される。
【0199】すなわち、粗圧延機Aで圧延された粗バー
1は搬送ロール上を搬送されて、連続的に7つの連続仕
上げ圧延機2で所定の厚みまで圧延された後、最終仕上
げ圧延機2Eの後方のランナウトテーブル3に導かれ
る。
【0200】このランナウトテーブル3のほぼ中央部に
は冷却装置(冷却手段)50Bが配置され、ここで鋼帯
13は冷却されたあと、後方の巻き取り機4で巻き取ら
れて熱延コイルとなる。
【0201】上記ランナウトテーブル3は、搬送手段と
して直径300mmの搬送ロール11が所定間隔を存し
て、最終仕上げ圧延機2E出側から冷却装置50Bを介
して巻き取り機4まで連続的に配置されている。上記冷
却装置50Bの入り側には、図示しない板厚計や仕上げ
温度計などのセンサー類が配置される。
【0202】そして、ランナウトテーブル3上には周速
が搬送ロール11と同じで鋼帯13を圧延機2から巻き
取り機4へ送る方向に回転する同伴ロール51が、最終
仕上げ圧延機2Eより20mの位置に亘って連続的に配
置されている。
【0203】最後端の同伴ロール11と隣接した位置に
は、ピンチロール対55が設けられる。このピンチロー
ル対55は上下方向に昇降駆動する機構に支持されてい
て、搬送される鋼帯13に転接し、鋼帯に張力を付与す
るようになっている。
【0204】上記冷却装置50Bには、上記搬送ロール
11が500mm間隔で配置されている。それぞれの搬
送ロール11の上には、上下方向に駆動可能な同伴ロー
ル51が搬送ロール11と平行に配置されている。
【0205】これら同伴ロール51は、搬送ロール11
と同方向でかつ同一周速で回転駆動されるようになって
いる。各同伴ロール51と対向する搬送ロール11との
隙間は、通板される鋼帯13の板厚+約5mmに設定さ
れている。
【0206】最終仕上げ圧延機2E出側より冷却装置5
0B出側に至る長さは約20mあり、したがって同伴ロ
ール51は40本設置されている。これら同伴ロール5
1は昇降自在であるところから、鋼帯13が搬送されて
くる以前に上方に退避できるようになっている。
【0207】最終仕上げ圧延機2Eと最初(第1番目)
の同伴ロール51との間と、それ以降で冷却装置50B
の最終端までにおける各同伴ロール51相互間には、通
板ガイド(通板用ガイド体)52aが設けられる。
【0208】また、最終仕上げ圧延機2Eと最初(第1
番目)の搬送ロール11との間と、それ以降で冷却装置
50Bの最終端までにおける各搬送ロール11相互間に
は、通板ガイド(通板用ガイド体)52bが設けられ
る。
【0209】したがって、上記各ガイド52a,52b
は通板される鋼帯13に対して上面側と下面側とに配置
される。これらガイド52a,52b相互の間隔は、通
板される鋼帯13の先端がめくりあがったり、後方に折
れ込んだりしないように、ある程度は狭く設定されてい
る。
【0210】上記冷却装置50Bについて説明すると、
最終仕上げ圧延機2Eの出側5mの位置から20mの位
置までに亘って配置されていて、通板される鋼帯13の
下面側に位置する冷却装置50aと、上面側に位置する
冷却装置50bとから構成される。
【0211】下面側冷却装置50aは、各搬送ロール1
1相互間の下部通板ガイド52bの下方に、冷却ノズル
としてスプレーノズル53が配置されている。この通板
ガイド52bには、スプレーノズル53から噴射される
冷却水が通過する孔部が設けられている。
【0212】一方、上面冷却装置50bは、各同伴ロー
ル51相互間に架設された通板ガイド52aの上方に、
同一構造のスプレーノズル53が設けられている。この
通板ガイド52aには、スプレーノズル53から噴射さ
れる冷却水が通過する孔部が設けられている。
【0213】なお、搬送される鋼帯13と各スプレーノ
ズル53との位置が必要以上に離間すると、冷却水の勢
いが鋼帯13とスプレーノズル53との間に存在する流
体によって吸収されて弱まる。
【0214】ただし、最適量だけ接近すれば、冷却水の
勢いが強まるために、鋼帯13は上面から噴出する冷却
水による面圧と、下面から噴出する冷却水による面圧と
がバランスする位置を通過する。したがって、鋼帯13
の振動抑制をなすとともに、上下方向に片寄った鋼帯1
3をセンタリングする。
【0215】つぎに、連続仕上げ圧延機2で圧延された
鋼帯13を冷却装置50Bで冷却する冷却工程について
説明する。遅くとも、熱延鋼帯13の先端が最終仕上げ
圧延機2Eから搬出される以前に、冷却装置50Bを構
成する上下のスプレーノズル53から冷却水を噴射す
る。このとき、スプレーノズル53の鋼帯13の上面と
下面に作用する噴射条件が同一となるように、噴射圧や
流量を調整する。
【0216】したがって、通板する鋼帯13の上面と下
面に働く流体圧が同じになり、鋼帯13が上下に振動し
ないことは勿論、一方向に片寄らずにすみ、センタリン
グ効果が得られて通板が安定する。
【0217】そして、全ての同伴ロール51および搬送
ロール11を回転駆動して、鋼帯13の搬入を待機す
る。これらロール51,11の回転方向は、いずれのロ
ール51,11も鋼帯13を圧延機2から巻き取り機4
に導く方向であり、周速は鋼帯13の通板速度と同じ
か、もしくはそれよりも若干は速くなるように調整され
ている。
【0218】上記冷却装置50Bの出側に配置されてい
るピンチロール対55は、互いのロール間隔を鋼帯13
の板厚と同一として、冷却装置50Bから搬出される鋼
帯の先端に転接するように調整されている。
【0219】最終仕上げ圧延機2Eからピンチロール対
55までの間は、鋼帯13の先端は自由端となり、かつ
無張力であるために、鋼帯13は自由に振動して弛みが
発生する虞れがある。そこで、ピンチロール対11の回
転数を10%程度のリード率(鋼帯の搬送速度に対する
ロール周速の先行率のこと)となるべく、搬送速度を7
20mpmに設定している。
【0220】最終仕上げ圧延機2Eから出た状態の鋼帯
13の板厚が1.2mmのものでは、搬送速度を650
mpmとして鋼帯先端から冷却装置50Bに搬入する。
このときの鋼帯13の仕上がり温度は890℃であっ
た。
【0221】この冷却装置50Bにおいて、搬送ロール
11と同伴ロール51との隙間は6mmに設定されてい
る。そして、搬送ロール11と同伴ロール51ともにリ
ード率が5%となるよう、周速を680mpmで回転駆
動している。
【0222】冷却装置50B内に搬入される鋼帯13
は、その先端が同伴ロール51もしくは搬送ロール11
に衝突することもあるが、これら同伴ロール51および
搬送ロール11ともに回転しているので、鋼帯13先端
は円滑に同伴ロール51と搬送ロール11との隙間に滑
り込む。
【0223】最終仕上げ圧延機2Eから冷却装置50B
最終端に亘る同伴ロール51相互間と搬送ロール11相
互間に備えた上下部通板ガイド52a,52bによっ
て、鋼帯13の上下振動が規制される。しかも、上下の
スプレーノズル53による上面と下面との冷却水の圧力
によって、鋼帯13のパスラインが一定となる。
【0224】これら種々の条件から、板厚が1.2mm
の薄物鋼帯13であっても、鋼帯13の先端から安定し
た通板が実現され、均一な強冷却が施される。鋼帯13
の先端が冷却装置50Bから出てピンチロール対55に
到達し、ここでピンチされると、これより上流側の鋼帯
に張力が発生してパスラインはより安定する。
【0225】なお、冷却装置50Bを抜け出たあとピン
チロール対55付近での鋼帯13の温度は700℃であ
った。このピンチロール対55から鋼帯13の先端が巻
き取り機4に巻き取られるまで下面側の搬送ロール11
によって搬送され、冷却装置50B内を通板中の鋼帯1
3が振動したり、片寄ることがない。鋼帯13に対する
冷却は安定して行われ、冷却装置50Bを出たところで
の鋼帯温度のバラツキはない。
【0226】鋼帯13先端が巻き取り機4に到達するタ
イミングをとって、ピンチロール対55のロール相互は
離間し、鋼帯13を解放する。巻き取り機4の巻き取り
作用にともなって鋼帯13に対して新たな張力が発生
し、通板と冷却が継続して安定する。
【0227】以上を総括すると、所定の噴射条件で冷却
水を噴射した状態で熱延鋼帯を搬送し、この熱延鋼帯の
先端を冷却装置の入り側および/もしくは出側直後およ
び/もしくは冷却途中の位置でピンチロール対がピンチ
し、鋼帯先端が下流側のピンチロール対あるいは巻き取
り機4などの張力付与手段に到達するのと同時に、上流
側のピンチロール対から順次、熱延鋼帯を解放すること
になる。
【0228】このように、冷却装置50Bを備えたラン
ナウトテーブル3を構成することにより、鋼帯13の先
端から中央部と、それ以降および終端部に亘って同じ熱
履歴を実現でき、製品であるコイル全体で材質のバラツ
キが小さく、強度、伸びが一様となる。
【0229】なお、鋼帯13の上下面を冷却するノズル
としてスプレーノズル53を用いたが、これに限定され
るものではなく、柱状の円管ラミナー方式や噴流方式な
どであってもよい。そして、鋼帯13の上面と下面に作
用する流体圧でセンタリング効果を得るための条件は、
各冷却方式によって異なるので、その冷却方式に応じて
決定すればよい。
【0230】上述の第5の実施の形態ないし第7の実施
の形態において、同伴ロール51と搬送ロール11との
隔間を、鋼帯13の板厚+約5mmに設定したのは、以
下の理由にもとづく。
【0231】すなわち、同伴ロール51と搬送ロール1
1の隔間を鋼帯13の板厚と同じか、それ以下にする
と、同伴ロール51に負荷がかかってしまう。安定した
通板を行うためには、同伴ロール51に対する詳細な回
転数制御が必要となり、また同伴ロール51を支持して
いる両軸受けの押付け力をバランスさせないと、鋼帯1
3がそれ以降で蛇行するおそれがある。
【0232】したがって、同伴ロール51を鋼帯13に
対するピンチロールとすることは、設備的にも機能的に
もかなり複雑な機能が要求される。一方、鋼帯板厚+3
0mm以上に間隔を広げると、鋼帯13の先端が通過す
る際に上下の振動が激しくなって安定通板を損なう。
【0233】そこで、同伴ロール51と搬送ロール11
の隔間は、鋼帯13の板厚+通板する板厚を越えて板厚
+30mmとする。望ましくは、鋼帯13の板厚+約5
mmがよいとの結論が得られることになる。
【0234】(比較例)先に述べた第5〜第7の3つの
実施の形態と同一の製造設備で、以下に説明する8つの
比較例を実施した。比較例1は、第5の実施の形態の同
伴ロールと通板ガイドを設けず、これらに代って同じ位
置にスプレーノズルを設け冷却水を噴射した状態で、板
厚3mmの鋼帯を冷却装置へ送って鋼帯先端から冷却し
た場合である。
【0235】比較例2は、第5の実施の形態の同伴ロー
ルは設けたが、通板ガイドは設けず、これに代って同じ
位置にスプレーノズルを設け冷却水を噴射した状態で、
板厚3mmの鋼帯を冷却装置へ送って鋼帯先端から冷却
した場合である。
【0236】比較例3は、第5の実施の形態と同様の装
置構成をなすが、ここでは板厚1.6mmの熱延鋼帯を
冷却装置へ送って鋼帯先端から冷却した場合である。
【0237】比較例4は、第6の実施の形態において、
冷却装置の入り側に備えたストリップガイドが存在しな
い場合である。比較例5は、同じく第6の実施の形態に
おいて、入り側のピンチロール対が無い場合である。比
較例6は、同じく第6の実施の形態において、出側のピ
ンチロール対が無い場合である。
【0238】比較例7は、第7の実施の形態において、
圧延機から5mまでの範囲で同伴ロールが無い場合であ
り、比較例8は、同じく第7の実施の形態において、圧
延機から5mの範囲で通板ガイドが無い場合である。
【0239】以上の結果を、表1にまとめて示す。
【表1】
【0240】比較例1では、最終仕上げ圧延機出側より
冷却装置入り側までに亘って、鋼帯を上面側から拘束す
る手段が全く無いために、板厚が3mmで中程度の剛性
を持った鋼帯であっても、通板中の鋼帯先端が搬送ロー
ルとの衝突によって上下に大きく振動する。冷却装置に
おける第1番目の冷却ノズルと搬送ロールとの間に鋼帯
先端を噛み込めず、鋼帯は冷却ノズルに衝突し、ノズル
の破損に至る。
【0241】なお、同伴ロールと鋼帯との隙間から漏出
する冷却水は、同伴ロール後方直後において、図7に示
すような水切りスプレーから噴射される高圧のスプレー
水によって鋼帯の一側縁から吹き飛ばすのが好ましい。
【0242】その結果、同伴ロール後方において鋼帯上
に残存する冷却水はほとんど皆無となり、滞留水による
過冷却がなくなって、鋼帯各部の冷却終了温度が一定と
なる。鋼帯の長手方向に亘って材質を詳細に調査したと
ころ、全て均一な粒径の鋼帯が安定して得られることが
分かった。
【0243】比較例2では、先端が第1の同伴ロールに
噛み込めても、通板ガイドが無いために、同伴ロールと
冷却ノズルとの間に鋼帯先端が突っ込む虞れがあり、安
定した通板ができない。
【0244】比較例3では、同伴ロールと通板ガイドが
存在するので、鋼帯先端が第1の同伴ロールと搬送ロー
ルとの間に入り込めば安定した通板と冷却がなされる
が、第5の実施の形態と比較して板厚が薄いため剛性が
小さく、鋼帯の振動が大きくて、先端が冷却装置に到達
した時点でアコーディオン状の詰りが発生した。
【0245】比較例4では、比較例3の冷却装置の入出
側に鋼帯をピンチするピンチロール対を設けたが、スト
リップガイドが無いために鋼帯先端がピンチロール対の
隙間に噛み込まれない場合があり、そのときは先端が冷
却装置に到達した時点でアコーディオン状の詰りが発生
した。
【0246】比較例5では、比較例3の冷却装置の入り
側にストリップガイドを設けたが、入り側にピンチロー
ル対がないために、仕上げ圧延機から冷却装置までに先
端がフリーな状態で搬送される。その結果、圧延機から
冷却装置までの間に発生した鋼帯の弛みがアコーディオ
ン状に成長して詰りが発生した。
【0247】比較例6は、冷却装置の入り側にストリッ
プガイドと出側にピンチロール対を設けたが、入り側に
ピンチロール対が無いために、仕上げ圧延機から冷却装
置までに先端がフリーな状態で搬送される。その結果、
圧延機から冷却装置までの間に発生した鋼帯の弛みがア
コーディオン状に成長して詰りが発生した。
【0248】比較例7は、冷却装置の入り側にストリッ
プガイドとピンチロール対を設けたが、出側にピンチロ
ール対が無いので、仕上げ圧延機と冷却装置間、および
冷却装置内において弛みが生じて助長し、ついにはアコ
ーディオン状に成長して詰りが発生した。
【0249】この弛みは、ピンチロール対の回転数をリ
ード率をもって設定することにより、ある程度は解消す
るが、どちらか1方のピンチロール対では取りきれな
い、あるいは取れるまでに時間がかかり、その間冷却が
安定しない、振動する、もしくはガイドとの接触による
疵付きが多発する等の問題がある。
【0250】比較例8は、第7の実施の形態で圧延機の
後5mの部分に同伴ロールがない場合で、比較例9は、
通板ガイドがない場合であるが、いずれも板厚1.2m
mの鋼帯の先端が詰まって、安定通板ができなかった。
【0251】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、以下
の効果を奏する。
【0252】(1)鋼帯の先端から後端に至るまで均一
な冷却条件で冷却でき、特に長手方向と幅方向とで冷却
停止温度が一定となり、材質のバラツキが低減し、均一
で、かつ疵のない鋼帯が得られるので、品質が安定す
る。それにともなって、先端部の切捨て代が少なくなり
歩留まりが高い。
【0253】(2)鋼帯が無張力の状態で冷却装置を通
過しても、鋼帯の走行が安定しているので、詰まりや操
業停止のトラブルが少ない。
【0254】(3)鋼帯先端が巻き取り機に巻き取られ
るまでの鋼帯の通板が不安定の状態においても、冷却装
置内での通板性が安定し、均一な冷却が行えるため、材
質が一定してコイルの歩留まりが高い。特に、板厚2m
m以下の薄物鋼帯を対象とした安定通板と完全冷却が行
える。
【0255】(4)無張力で搬送冷却される鋼帯先端の
長さが短くてすみ、鋼帯の中央部とほぼ同様の冷却を施
せるので、材質のばらつく部分が短くなる。冷却中の鋼
帯の走行が安定するので、詰まりや操業停止などのトラ
ブル発生が少なくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の第1の実施の形態を示す、圧延設
備の概略の構成図。
【図2】同実施の形態の、冷却装置の概略の構成図。
【図3】第2の発明の第2の実施の形態を示す、圧延設
備の概略の構成図。
【図4】同実施の形態の、冷却装置と水切り装置の概略
の構成図。
【図5】同発明の第3の実施の形態を示す、圧延設備の
概略の構成図。
【図6】同実施の形態の、冷却装置の概略の構成図。
【図7】同実施の形態の、冷却装置と水切り装置の概略
の構成図。
【図8】同発明の第4の形態を示す、圧延設備の概略の
構成図。
【図9】他の実施の形態の、各種の水切り装置の概略の
斜視図。
【図10】第3の発明の第5の実施の形態を示す、圧延
設備および冷却装置の概略の構成図。
【図11】同発明の第6の実施の形態を示す、圧延設備
および冷却装置の概略の構成図。
【図12】同発明の第7の実施の形態を示す、圧延設備
および冷却装置の概略の構成図。
【符号の説明】
2E…最終仕上げ圧延機、 13…熱延鋼帯、 11…搬送ロール(搬送手段)、 12…下面冷却ボックス(下面冷却手段)、 14…上面冷却ボックス(上面冷却手段)、 16…水切りロール(水切り手段)、 3…ランナウトテーブル、 5…第1の冷却装置、 6…第2の冷却装置、 25…冷却装置、 10…水切りロール、 22…水切りスプレー(流体噴射手段)、 51…同伴ロール、 52…通板ガイド(通板用ガイド体)、 10…スプレーノズル(冷却ノズル)、 55A,55B,55…ピンチロール対、 56a,56b…ストリップガイド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 3/00 B05D 3/00 A 7/00 7/00 A 7/14 7/14 Z B21B 39/08 B21B 39/08 A 39/12 39/12 C // C21D 9/573 101 C21D 9/573 101Z (31)優先権主張番号 特願2001−38710(P2001−38710) (32)優先日 平成13年2月15日(2001.2.15) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 日野 善道 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 簑手 徹 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 本屋敷 洋一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 池宗 省三 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AC02 AC77 AC84 AC93 AC94 BB18Z DA04 DB02 EA05 4F033 AA05 BA04 CA05 DA01 4K043 AA01 CB01

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱延鋼帯の製造設備における最終仕上げ圧
    延機の後方に設けられ、所定間隔を存して配置され熱延
    鋼帯を搬送する複数の搬送ロールからなる搬送手段と、 この搬送手段の上面側に配置され、熱延鋼帯上面に対し
    て冷却水を噴射し冷却する少なくとも1つ以上の上面冷
    却手段と、 この上面冷却手段と搬送される熱延鋼帯を介して下面側
    に配置され、熱延鋼帯下面に対して冷却水を噴射し冷却
    する少なくとも1つ以上の下面冷却手段とを具備し、 上面冷却手段は、昇降自在であるとともに、少なくとも
    その出側で、かつ上記搬送ロールと相対する位置に水切
    り手段を備えたことを特徴とする熱延鋼帯の冷却装置。
  2. 【請求項2】上記水切り手段は、水切りロールを備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の熱延鋼帯の冷却装置。
  3. 【請求項3】上記上面冷却手段と上記下面冷却手段は、
    熱延鋼帯に対する面が平面状であることを特徴とする請
    求項1および請求項2のいずれかに記載の熱延鋼帯の冷
    却装置。
  4. 【請求項4】上記搬送手段に沿って、少なくとも2つの
    冷却装置を配置し、その一方を請求項1ないし請求項3
    記載のいずれかの冷却装置とすることを特徴とする熱延
    鋼帯の冷却装置。
  5. 【請求項5】上記水切りロールは、上記搬送ロールの周
    速と同じ周速に設定されることを特徴とする請求項2記
    載の熱延鋼帯の冷却装置。
  6. 【請求項6】上記上面冷却手段と、上記下面冷却手段と
    は、熱延鋼帯を介して互いに対向する位置に配置される
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに
    記載の熱延鋼帯の冷却装置。
  7. 【請求項7】熱延鋼帯の製造設備における最終仕上げ圧
    延機の後方において、鋼帯の先端の通過と同時に、先端
    の上下面を水切りロールと搬送ロールとでピンチする工
    程と、 このピンチ工程とともに、鋼帯の上下面から冷却水を所
    定の条件で噴射して鋼帯を冷却する工程と、を具備した
    ことを特徴とする熱延鋼帯の冷却方法。
  8. 【請求項8】熱延鋼帯の製造設備における最終仕上げ圧
    延機の後方において、鋼帯の先端の通過と同時に、先端
    の上下面を水切りロールと搬送ロールとでピンチする工
    程と、 このピンチ工程とともに、鋼帯の上面にかかる流体圧と
    下面にかかる流体圧とがほぼ等しくなるように冷却水を
    噴射して鋼帯を冷却する工程と、を具備したことを特徴
    とする熱延鋼帯の冷却方法。
  9. 【請求項9】熱延鋼帯の製造設備における最終仕上げ圧
    延機の後方において、鋼帯の先端の通過と同時に、水切
    りロールを降下させて先端に当接させ、下面の搬送ロー
    ルとで、互いに同一の周速で鋼帯をピンチする工程と、 このピンチ工程とともに、鋼帯の上面にかかる流体圧と
    下面にかかる流体圧とがほぼ等しくなるように冷却水を
    噴射して鋼帯を冷却する工程と、を具備したことを特徴
    とする熱延鋼帯の冷却方法。
  10. 【請求項10】複数の回転する搬送ロール上を熱延鋼帯
    が搬送されるランナウトテーブルに、熱延鋼帯を冷却す
    る冷却手段が配置され、この冷却手段の入り側、あるい
    は出側あるいは出入り側における搬送ロール直上に、搬
    送ロールと平行でかつ鋼帯とは隙間を存して配置される
    水切り手段を具備したことを特徴とする熱延鋼帯の冷却
    装置。
  11. 【請求項11】上記水切り手段は、上下方向に昇降自在
    であることを特徴とする請求項10記載の熱延鋼帯の冷
    却装置。
  12. 【請求項12】上記水切り手段は、水切りロールを備え
    たことを特徴とする請求項10および請求項11のいず
    れかに記載の熱延鋼帯の冷却装置。
  13. 【請求項13】上記水切りロールは、その周速が鋼帯の
    搬送速度とほぼ一致するように回転駆動されることを特
    徴とする請求項12記載の熱延鋼帯の冷却装置。
  14. 【請求項14】上記水切りロールの後方に、水切りロー
    ルと鋼帯との隙間から漏出する冷却水を鋼帯の一側縁に
    向かって吹き飛ばす流体噴射手段を設けたことを特徴と
    する請求項12および請求項13のいずれかに記載の熱
    延鋼帯の冷却装置。
  15. 【請求項15】請求項11ないし請求項14記載の熱延
    鋼帯の冷却装置を用いて、鋼帯の先端の通過に同期させ
    て水切り手段を降下させる、あるいは/さらに鋼帯の後
    端の通過に同期させて水切り手段を上昇させることを特
    徴とする熱延鋼帯の冷却方法。
  16. 【請求項16】降下させた水切り手段と鋼帯との隙間
    を、1〜10mmに保持することを特徴とする請求項1
    5記載の熱延鋼帯の冷却方法。
  17. 【請求項17】上記冷却手段は、搬送される熱延鋼帯の
    上面側に配置され、熱延鋼帯上面に対して冷却水を吐出
    し冷却する少なくとも1つ以上の上面冷却手段と、 この上面冷却手段と搬送される熱延鋼帯を介して下面側
    に配置され、熱延鋼帯下面に対して冷却水を吐出し冷却
    する少なくとも1つ以上の下面冷却手段とを具備し、 上面冷却手段は、昇降自在であるとともに、少なくとも
    その出側で、かつ上記搬送ロールと相対する位置に上記
    水切り手段を備えたことを特徴とする請求項10ないし
    請求項14のいずれかに記載の熱延鋼帯の冷却装置。
  18. 【請求項18】上記上面冷却手段と下面冷却手段は、冷
    却水をラミナー流として吐出するノズルであって、この
    ノズルの出口と上記熱延鋼帯との距離を、30〜100
    mmの範囲に設定したことを特徴とする請求項17記載
    の熱延鋼帯の冷却装置。
  19. 【請求項19】上記上面冷却手段と、上記下面冷却手段
    とは、熱延鋼帯を介して互いに対向する位置に配置され
    ることを特徴とする請求項17および請求項18のいず
    れかに記載の熱延鋼帯の冷却装置。
  20. 【請求項20】仕上げ圧延機で熱間圧延された鋼帯を搬
    送する複数の搬送ロールからなる搬送手段と、上記鋼帯
    を冷却する冷却手段を備えた熱延鋼帯の冷却装置におい
    て、 上記搬送ロールと搬送される鋼帯を介して対向する位置
    に、鋼帯の厚みを越える隙間をもって、上記搬送ロール
    とほぼ等周速で回転し、もしくは鋼帯の搬送速度以上の
    周速で回転する同伴ロールが配置されることを特徴とす
    る熱延鋼帯の冷却装置。
  21. 【請求項21】上記各搬送ロール間および上記各同伴ロ
    ール間には、それぞれ通板用ガイド体が設けられること
    を特徴とする請求項20記載の熱延鋼帯の冷却装置。
  22. 【請求項22】上記冷却手段は、所定間隔を存して設け
    られ冷却水を噴射する複数の冷却ノズルであって、これ
    ら冷却ノズルは上記通板用ガイド体と鋼帯を介して対向
    する位置に配置されることを特徴とする請求項21記載
    の熱延鋼帯の冷却装置。
  23. 【請求項23】上記冷却手段の入り側直前位置に設けら
    れ、鋼帯をピンチして冷却手段に導くピンチロール対
    と、 このピンチロール対の入り側直前位置に設けられ、搬送
    される鋼帯を上記ピンチロール対の隙間に案内するスト
    リップガイドとを具備したことを特徴とする請求項20
    ないし請求項22のいずれかに記載の熱延鋼帯の冷却装
    置。
  24. 【請求項24】上記冷却手段の冷却途中あるいは出側直
    後の位置に、鋼帯をピンチするピンチロール対が設けら
    れることを特徴とする請求項23記載の熱延鋼帯の冷却
    装置。
  25. 【請求項25】仕上げ圧延機において熱間圧延された鋼
    帯を搬送する複数の搬送ロールからなる搬送手段と、上
    記鋼帯を冷却する冷却手段を備えた熱延鋼帯の冷却装置
    において、 上記仕上げ圧延機から連続する搬送ロールと搬送される
    鋼帯を介して対向する位置に、鋼帯の厚みを越える隙間
    をもって、上記搬送ロールとほぼ等周速で回転し、もし
    くは鋼帯の搬送速度以上の周速で回転する同伴ロールが
    配置されることを特徴とする熱延鋼帯の冷却装置。
  26. 【請求項26】上記各搬送ロール間および上記各同伴ロ
    ール間には、それぞれ通板用ガイド体が設けられること
    を特徴とする請求項25記載の熱延鋼帯の冷却装置。
  27. 【請求項27】上記冷却手段は、所定間隔を存して設け
    られ冷却水を噴射する複数の冷却ノズルであって、これ
    ら冷却ノズルは上記通板用ガイド体と鋼帯を介して対向
    する位置に配置されることを特徴とする請求項26記載
    の熱延鋼帯の冷却装置。
  28. 【請求項28】上記冷却手段からの出側直後位置に、鋼
    帯をピンチするピンチロール対が設けられることを特徴
    とする請求項25ないし請求項27のいずれかに記載の
    熱延鋼帯の冷却装置。
  29. 【請求項29】所定の噴射条件で冷却手段から冷却水を
    噴射した状態で熱延鋼帯を搬送し、この熱延鋼帯の先端
    を冷却手段の入り側および/もしくは出側直後および/
    もしくは冷却途中の位置でピンチロールがピンチし、鋼
    帯先端が下流側のピンチロールあるいは巻き取り機など
    の張力付与手段に到達するのと同時に、上流側のピンチ
    ロールから順次、熱延鋼帯を解放することを特徴とする
    熱延鋼帯の冷却方法。
  30. 【請求項30】スラブを加熱する加熱工程と、 前記加熱工程にて加熱されたスラブを粗圧延する粗圧延
    工程と、 前記粗圧延工程で粗圧延された粗バーを仕上げ圧延する
    仕上げ圧延工程と、 前記仕上げ圧延工程により仕上げ圧延された鋼帯を、請
    求項1ないし請求項6、請求項10ないし請求項14、
    請求項17ないし請求項28の冷却装置のいずれか、ま
    たは、請求項7ないし請求項9、請求項15および請求
    項16、請求項29の冷却方法のいずれかによって冷却
    する冷却工程と、 前記冷却工程にて冷却された鋼帯を巻き取る巻き取り工
    程と、を有することを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
JP2001052462A 2000-03-01 2001-02-27 熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法および熱延鋼帯の製造方法 Expired - Fee Related JP3900844B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001052462A JP3900844B2 (ja) 2000-03-01 2001-02-27 熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法および熱延鋼帯の製造方法

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000056218 2000-03-01
JP2000056211 2000-03-01
JP2000-56218 2000-03-01
JP2000-56211 2000-03-01
JP2000-315277 2000-10-16
JP2000315277 2000-10-16
JP2001038710 2001-02-15
JP2001-38710 2001-02-15
JP2001052462A JP3900844B2 (ja) 2000-03-01 2001-02-27 熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法および熱延鋼帯の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006274278A Division JP4114701B2 (ja) 2000-03-01 2006-10-05 熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法および熱延鋼帯の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002316205A true JP2002316205A (ja) 2002-10-29
JP3900844B2 JP3900844B2 (ja) 2007-04-04

Family

ID=27531432

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001052462A Expired - Fee Related JP3900844B2 (ja) 2000-03-01 2001-02-27 熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法および熱延鋼帯の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3900844B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010029896A (ja) * 2008-07-28 2010-02-12 Ihi Corp 圧延装置及び圧延装置の制御方法
JP2010064098A (ja) * 2008-09-10 2010-03-25 Jfe Steel Corp 厚鋼板の冷却設備
JP2010090480A (ja) * 2009-12-25 2010-04-22 Jfe Steel Corp 高炭素熱延鋼板の製造方法
JP2011045896A (ja) * 2009-08-26 2011-03-10 Jfe Steel Corp 熱延鋼板の冷却設備および冷却方法
JP2011073054A (ja) * 2009-10-02 2011-04-14 Nippon Steel Corp 熱延鋼板の冷却方法及び冷却装置
JP2012051013A (ja) * 2010-09-02 2012-03-15 Jfe Steel Corp 熱鋼板の水切り装置および水切り方法
CN108746223A (zh) * 2018-08-23 2018-11-06 湖州华特不锈钢管制造有限公司 一种钢管水冷装置
CN112296100A (zh) * 2020-10-16 2021-02-02 四川汇源钢建科技股份有限公司 一种冷轧带钢终冷台及其冷却方法
WO2021229949A1 (ja) 2020-05-15 2021-11-18 Jfeスチール株式会社 厚鋼板の温度偏差予測方法、厚鋼板の温度偏差制御方法、厚鋼板の温度偏差予測モデルの生成方法、厚鋼板の製造方法、及び厚鋼板の製造設備
JP2022115684A (ja) * 2021-01-28 2022-08-09 Jfeスチール株式会社 鋼板の製造設備及び製造方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010029896A (ja) * 2008-07-28 2010-02-12 Ihi Corp 圧延装置及び圧延装置の制御方法
JP2010064098A (ja) * 2008-09-10 2010-03-25 Jfe Steel Corp 厚鋼板の冷却設備
JP2011045896A (ja) * 2009-08-26 2011-03-10 Jfe Steel Corp 熱延鋼板の冷却設備および冷却方法
JP2011073054A (ja) * 2009-10-02 2011-04-14 Nippon Steel Corp 熱延鋼板の冷却方法及び冷却装置
JP2010090480A (ja) * 2009-12-25 2010-04-22 Jfe Steel Corp 高炭素熱延鋼板の製造方法
JP2012051013A (ja) * 2010-09-02 2012-03-15 Jfe Steel Corp 熱鋼板の水切り装置および水切り方法
CN108746223A (zh) * 2018-08-23 2018-11-06 湖州华特不锈钢管制造有限公司 一种钢管水冷装置
WO2021229949A1 (ja) 2020-05-15 2021-11-18 Jfeスチール株式会社 厚鋼板の温度偏差予測方法、厚鋼板の温度偏差制御方法、厚鋼板の温度偏差予測モデルの生成方法、厚鋼板の製造方法、及び厚鋼板の製造設備
KR20220152392A (ko) 2020-05-15 2022-11-15 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 후강판의 온도 편차 예측 방법, 후강판의 온도 편차 제어 방법, 후강판의 온도 편차 예측 모델의 생성 방법, 후강판의 제조 방법, 및 후강판의 제조 설비
CN112296100A (zh) * 2020-10-16 2021-02-02 四川汇源钢建科技股份有限公司 一种冷轧带钢终冷台及其冷却方法
JP2022115684A (ja) * 2021-01-28 2022-08-09 Jfeスチール株式会社 鋼板の製造設備及び製造方法
JP7306413B2 (ja) 2021-01-28 2023-07-11 Jfeスチール株式会社 鋼板の製造設備及び製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3900844B2 (ja) 2007-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2001064362A1 (fr) Dispositif et procede de refroidissement d'une bande d'acier laminee a chaud et procede de fabrication de cette bande d'acier laminee a chaud
JP4029871B2 (ja) 鋼板の冷却装置、熱延鋼板の製造装置及び製造方法
WO2004014577A1 (ja) 熱延鋼帯の冷却装置、熱延鋼帯の製造方法および熱延鋼帯の製造ライン
JP4114701B2 (ja) 熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法および熱延鋼帯の製造方法
JP3900844B2 (ja) 熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法および熱延鋼帯の製造方法
JP3642031B2 (ja) 熱延鋼帯の冷却装置
JP4120129B2 (ja) 熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法
JP4924538B2 (ja) 熱延鋼板の製造装置及び製造方法
JP3644140B2 (ja) 高温金属板の冷却装置
JP4544234B2 (ja) 熱延鋼帯の冷却装置および冷却方法
JP3562423B2 (ja) 熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法
JP4292672B2 (ja) 熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法
JP3644434B2 (ja) 熱延鋼帯の製造設備及び熱延鋼帯の製造方法
JP4924579B2 (ja) 熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法
JP2007260774A (ja) 熱延鋼帯の冷却装置および冷却方法
JP4518117B2 (ja) 熱延鋼帯の冷却装置および冷却方法
JP3591409B2 (ja) 熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法
JP5991023B2 (ja) 連続熱間圧延設備による鋼帯の製造方法
JP4164982B2 (ja) 熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法
JP3722101B2 (ja) 熱延鋼帯の冷却制御方法
JP2001246409A (ja) 熱延鋼帯の冷却装置と、その冷却方法
JP3815410B2 (ja) 熱延鋼帯の冷却制御方法
JP5556087B2 (ja) 熱延鋼板の冷却設備および冷却方法
JP4706696B2 (ja) 熱延鋼帯の製造方法及び製造設備
JP2002143918A (ja) 熱間圧延ラインの水冷ゾーンにおける冷却方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060410

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060808

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061005

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20061109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3900844

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120112

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130112

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130112

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140112

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees