JP2011045896A - 熱延鋼板の冷却設備および冷却方法 - Google Patents

熱延鋼板の冷却設備および冷却方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱延鋼板の上面および下面に大量の冷却水を供給する場合において、搬送トラブルの危険性が低く、安定して操業することができる熱延鋼板の冷却設備および冷却方法を提供する。
【解決手段】熱延鋼板の製造ラインにおいて用いられるランアウト冷却設備14であって、軸心間距離が300〜450mmであるテーブルローラー20の1個おきの直上に設置された水切りロール24と、その水切りロール24の間に設置され、円管ノズル22から流量密度1.5〜4.0m3/m2・minの棒状冷却水を、鋼板10の上面から30〜120mmの位置より鋼板10の上面に供給する上面冷却ヘッダ21と、テーブルローラー20の下方に設置され、スプレーノズル32から流量密度2.0〜6.0m3/m2・minの噴霧状冷却水を鋼板10の下面に供給する下面冷却ヘッダ31とを備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、熱延鋼板の冷却設備および冷却方法に関するものである。
熱間圧延によって薄鋼板を製造するライン(熱延鋼板製造ライン)では、通常、図1に示すように、加熱炉11から抽出されたスラブを粗圧延機12と仕上圧延機13で熱間圧延して薄鋼板(熱延鋼板)にした後、ランアウトテーブルに設置されているランアウト冷却設備14によって水冷または空冷を行って組織を制御してから、巻き取り機15でコイル状に巻き取っている。
このうち、板厚が比較的厚い(例えば板厚が8mm以上)ものには、電縫管やスパイラル鋼管の素材としての用途があり、水冷によって比較的低い温度(例えば450〜550℃程度)に急速に冷却すると、細かなフェライト組織やベイナイト組織が得られ、高い強度や高い靭性を確保できることが知られている。
そのような水冷によって熱延鋼板の急速な冷却を行う技術として、大量の棒状冷却水を供給して熱延鋼板を冷却する技術があり、例えば特許文献1に記載されている。これは、冷却ノズル(円管ノズル)を熱延鋼板の上面および下面に対して非常に近い位置に近づけて、棒状冷却水を高速で噴射するものであり、非常に高い冷却速度を確保でき、材料特性にすぐれた製品(薄鋼板)を製造できるとされている。
その際に、熱延鋼板の上面に供給した冷却水は熱延鋼板の上面に滞留して水膜(滞留水)を形成するが、その滞留水が他の冷却ゾーンに流れ出ると、冷却むらが生じるので、特許文献1等においては、水切りロールを設けて冷却水を冷却ゾーン内に留めるようにしている。
特開2002−239623号公報
しかしながら、特許文献1等に記載されている従来の技術は、冷却能力や操業安定性の確保の点で以下のような問題がある。
一般に、熱延鋼板製造ラインのランアウトテーブルに配置されているテーブルローラーのピッチ(軸心間距離)は300〜450mm程度であり、隣り合うテーブルローラー間の間隔は100mm以下であることが多い。
これに対して、ランアウト冷却設備において、図4に示すように、狭い間隔で配置されているテーブルローラー20のそれぞれの直上に水切りロール24を配置した場合、そのような狭い間隔で配置された水切りロール24間に上面冷却ヘッダ21を設置することになり、上面冷却ヘッダ21のサイズ(鋼板搬送方向の長さ)が小さくなってしまう。上面冷却ヘッダ21のサイズが小さいと、当然冷却水供給用配管も小さくなって冷却水供給時の圧力損失も大きくなるので、大量の冷却水を供給できなくなる。
ちなみに、下面冷却ヘッダ31は、テーブルローラー20の下方に設置することができるので比較的大きなサイズにすることができる。
上面冷却ヘッダのサイズ(大きさ)をある程度確保するために、特許文献1ではテーブルローラーの間隔を拡げているが、テーブルローラーの間隔が広くなると、その間にエプロンなどの熱延鋼板の通板が円滑に行われるようなガイドを設けたとしても、通板安定性が大きく損なわれるという問題がある。特に、板厚が1.6mm以下の薄鋼板を製造する場合には通板トラブル(搬送トラブル)が生じる危険性が極めて高く、操業安定性を確保できなくなる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、熱延鋼板の上面および下面に大量の冷却水を供給する場合において、搬送トラブルの危険性が低く、安定して操業することができる熱延鋼板の冷却設備および冷却方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
[1]熱延鋼板の製造ラインにおいて用いられる冷却設備であって、
軸心間距離が300〜450mmであるテーブルローラーの1つまたは複数個おきの直上に設置された水切りロールと、該水切りロールの間に設置され、流量密度1.5〜4.0m3/m2・minの棒状冷却水を、鋼板上面から30〜120mmの位置より鋼板上面に供給する上面冷却ヘッダと、
前記テーブルローラーの下方に設置され、流量密度2.0〜6.0m3/m2・minの棒状冷却水、膜状冷却水、または噴霧状冷却水を鋼板下面に供給する下面冷却ヘッダとを備えていることを特徴とする熱延鋼板の冷却設備。
[2]水切りロールと上面冷却ヘッダの下端がテーブルローラーの上端位置より1.0〜1.7mの高さまで上昇することができる昇降装置を有していることを特徴とする前記[1]に記載の熱延鋼板の冷却設備。
[3]水切りロールの軸心間距離が600mm以上5400mm以下であり、その水切りロールの間に位置する上面冷却ヘッダと下面冷却ヘッダとで構成される冷却ユニットが、仕上圧延機の出側5〜20mの位置より複数設置され、それら複数の冷却ユニットによる総冷却長が5m以上30m以下になっていることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の熱延鋼板の冷却設備。
[4]熱延鋼板の製造ラインにおいて用いられる冷却方法であって、
軸心間距離が300〜450mmであるテーブルローラーの1つまたは複数個おきの直上に水切りロールを設置し、その水切りロールの間に、流量密度1.5〜4.0m3/m2・minの棒状冷却水を、鋼板上面から30〜120mmの位置より鋼板上面に供給する上面冷却ヘッダを設置するとともに、
前記テーブルローラーの下方に、流量密度2.0〜6.0m3/m2・minの棒状冷却水、膜状冷却水、または噴霧状冷却水を鋼板下面に供給する下面冷却ヘッダを設置することを特徴とする熱延鋼板の冷却方法。
[5]水切りロールと上面冷却ヘッダの下端をテーブルローラーの上端位置より1.0〜1.7mの高さまで上昇させることができる昇降装置を設置することを特徴とする前記[4]に記載の熱延鋼板の冷却方法。
[6]水切りロールの軸心間距離を600mm以上5400mm以下とし、その水切りロールの間に位置する上面冷却ヘッダと下面冷却ヘッダとで構成される冷却ユニットを、仕上圧延機の出側5〜20mの位置より複数設置して、それら複数の冷却ユニットによる総冷却長を5m以上30m以下にすることを特徴とする前記[4]または[5]に記載の熱延鋼板の冷却方法。
本発明においては、熱延鋼板の上面および下面に大量の冷却水を供給するに際して、テーブルローラーの1つまたは複数個おきの直上に水切りロールを設置することによって、その水切りロールの間に設置される上面冷却ヘッダのサイズを確保するようにしているので、特許文献1のように、テーブルローラーの間隔を拡げることで上面冷却ヘッダのサイズを確保するのに比べて、搬送トラブルの危険性が低く、安定して操業することができる。その結果、熱延鋼板に適切に高い冷却速度を与えて、高強度、高靭性をもつ品質の高い製品を製造することができる。
熱延鋼板の製造ラインを示す図である。 本発明の一実施形態を示す図である。 本発明の一実施形態を示す図である。 従来技術を示す図である。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、この実施形態において対象とする熱延鋼板製造ラインは、前述の図1に示した製造ラインであり、加熱炉11から抽出されたスラブを粗圧延機12と仕上圧延機13で熱間圧延して薄鋼板(熱延鋼板)にした後、ランアウトテーブルに設置されているランアウト冷却設備14によって水冷または空冷を行って組織を制御してから、巻き取り機15でコイル状に巻き取っている。
そして、この実施形態においては、ランアウト冷却設備14が図2に示すような構成となっている。
すなわち、図2に示すように、ランアウト冷却設備14は、軸心間距離が300〜450mmであるテーブルローラー20の1個おきの直上に設置された水切りロール24と、その水切りロール24の間に設置され、円管ノズル22から流量密度1.5〜4.0m3/m2・minの棒状冷却水を、鋼板10の上面から30〜120mmの位置より鋼板10の上面に供給する上面冷却ヘッダ21と、テーブルローラー20の下方に設置され、スプレーノズル32から流量密度2.0〜6.0m3/m2・minの噴霧状冷却水を鋼板10の下面に供給する下面冷却ヘッダ31とを備えている。
なお、図2中の27は鋼板10の上面に滞留した滞留水膜、28は円管ノズル22を防護するための防護板である。
このようにして、この実施形態においては、熱延鋼板10の上面および下面に大量の冷却水(上面に流量密度1.5〜4.0m3/m2・minの棒状冷却水、下面に流量密度2.0〜6.0m3/m2・minの噴霧状冷却水)を供給するに際して、テーブルローラー20の1個おきの直上に水切りロール24を設置することによって、その水切りロール24の間に設置される上面冷却ヘッダ21のサイズを大きくするようにしているので、特許文献1のように、テーブルローラー20の間隔を拡げることで上面冷却ヘッダ21のサイズを大きくするのに比べて、搬送トラブルの危険性が低く、安定して操業することができる。
そして、上面冷却ヘッダ21のサイズを大きくすることができることによって、上面冷却ヘッダ21への冷却水供給用配管も大きくすることができ、冷却水供給時の圧力損失が小さくなるので、大量の冷却水(流量密度1.5〜4.0m3/m2・minの棒状冷却水)を熱延鋼板10の上面に安定して供給することができる。
なお、図2では、テーブルローラー20の1個おきの直上に水切りロール24を設置するようにしているが、テーブルローラー20の複数個おきの直上に水切りロール24を設置するようにしてもよい。
一方、下面冷却ヘッダ31は、テーブルローラー20の下方に設置しているので、比較的大きなサイズにすることができ、大量の冷却水(下面に流量密度2.0〜6.0m3/m2・minの噴霧状冷却水)を熱延鋼板10の下面に安定して供給することができる。
これによって、鋼板10の板厚が厚くても、高い冷却速度が得られ、高強度、高靭性の材質を作りこむことができる。
ここで、上面冷却ヘッダ21(円管ノズル22)から流量密度1.5〜4.0m3/m2・minの棒状冷却水を鋼板10の上面に供給するようにしているのは、流量密度が1.5m3/m2・min未満であると、鋼板10の板厚が厚い時の冷却速度が十分でなく、高強度、高靭性の材質を作りこむことができなくなるからであり、一方、流量密度が4.0m3/m2・minを超えると、鋼板10上に滞留する冷却水(滞留水膜)27の排水がスムーズにいかなくなり、温度むらが発生するなどの問題が生じるとともに、設備コストも膨大となるからである。
また、下面冷却ヘッダ31(スプレーノズル32)から流量密度2.0〜6.0m3/m2・minの噴霧状冷却水を鋼板10の下面に供給するようにしているのは、流量密度が2.0m3/m2・min未満であると、鋼板10の板厚が厚い時の冷却速度が十分でなく、高強度、高靭性の材質を作りこむことができなくなるからであり、流量密度が6.0m3/m2・minを超えると、テーブルローラー20間での排水がスムーズにいかなくなり、温度むらが発生するなどの問題が生じるとともに、設備コストも膨大となるからである。
なお、鋼板10の下面に供給する冷却水は、噴霧状冷却水に替えて、棒状冷却水や膜状冷却水であってもよく、公知の技術を用いてよい。
そして、上面冷却ヘッダ21と下面冷却ヘッダ31を1組として構成される冷却ユニット毎に注水のオンオフを制御すれば、上面と下面を均等に冷却することができる。その際、下面冷却ヘッダ31からの冷却水の流量密度を上面冷却ヘッダ21からの冷却水の流量密度の1.3〜2.0倍とすればよい。
そして、上記に加えて、この実施形態においては、水切りロール24と上面冷却ヘッダ21が昇降装置(図示せず)によって上下に移動することができるようになっている。
板厚が厚い鋼板を冷却する時や、高い冷却速度を得て高張力鋼板を製造する時には、水切りロール24と上面冷却ヘッダ21を下降させて鋼板10に近い位置で棒状冷却水を噴射すればよい。
一方、鋼板10の板厚が薄い場合や、特に高い冷却速度を必要としない場合には、水切りロール24と上面冷却ヘッダ21を、その下端がテーブルローラー20の上端から1.0〜1.7mの高さ(熱延鋼板の上面冷却ヘッダが設置される一般的な位置)になる位置まで上げて使用すれば、通板安定性が高いので、搬送のトラブルを最小限におさえることができる。
ちなみに、水切りロール24と上面冷却ヘッダ21の下端の上昇位置がテーブルローラー20の上端から1.0mの位置より低いと、板厚が薄い鋼板10が搬送される時に、鋼板10がばたついて先端部が上面冷却ヘッダ21に衝突して、円管ノズル22を破損するなどのトラブルを生じるのでよくない。また、水切りロール24と上面冷却ヘッダ21の下端の上昇位置がテーブルローラー20の上端から1.7mの位置より高いと、それらの昇降のためのストロークが不必要に長くなって、設備コストの増大をまねくのでよくない。
なお、水切りロール24と上面冷却ヘッダ21を昇降させる際に、隣りあう昇降装置では設備の干渉ができてしまって、一部の上面冷却ヘッダ21が空冷区間となってしまう可能性がある。空冷区間を短くし、水冷区間の比率をなるべく長くする方がよいので、図3(a)に下降した状態、図3(b)に上昇した状態を示すように、隣接する複数個の上面冷却ヘッダ21と水切りロール24を架台26と水切りロール支持部25で連結して、ある程度の長さにまとめて昇降させることが望ましい。1つの昇降装置で昇降させる上面冷却ヘッダ21の合計冷却長さを3000〜5400mm程度とするのが好適である。
そして、上面冷却ヘッダ21と下面冷却ヘッダ31を1組として構成される冷却ユニットの長さを最小にするのは、テーブルローラー20の1個おきの直上に水切りロール24を設置する場合である。この場合、1冷却ユニットあたりの温度降下が、例えば7℃程度となって、鋼板10の冷却開始温度がばらついても、注水を行う冷却ユニットの数を増減することによって、冷却終了温度を例えば±10℃以内に制御することができる。注水のオンオフを頻繁に行う場所、例えば、ランアウト冷却設備14のうち、本発明に係る冷却設備が並んだ中での下流に位置する冷却ゾーンでは、このような構成にすればよい。
一方、テーブルローラー20の複数個おきの直上に水切りロール24を設置する場合は、1冷却ユニットあたりの温度降下が大きくなって細かな制御ができないが、上面冷却ヘッダ21を設置するスペースに余裕ができるという利点がある。鋼板10全長にわたって注水を行う場所、例えば、ランアウト冷却設備14のうち、本発明に係る冷却設備が並んだ中での上流に位置する冷却ゾーンでは、このような構成にすることができる。
その際、冷却ユニットは、水切りロール24の軸心距離を600mm以上5400mm以下として構成すればよい。テーブルローラー20の軸心間距離が300mmで、その1個おきの直上に水切りロール24を設置する場合が600mmと最も短い。一方、テーブルローラー20の軸心間距離が450mmで、その11個おきの直上に水切りロール24を設置する場合が5400mmと最も長い。冷却ユニットがこれ以上長くなると、上面冷却ヘッダ21を昇降させるための昇降装置が非常に大きくなり、設備コストがかかるという問題が生じる。
そして、この実施形態に係るランアウト冷却設備14を熱延鋼板製造ラインに適用するには、最上流の冷却ユニットの位置を仕上圧延機13の出側5〜20mとすることが肝要である。仕上圧延機13に近すぎると、冷却開始前の温度を測定できない。仕上圧延機13から遠すぎると、圧延から冷却開始までの時間が長くなりすぎて、この間に再結晶や回復、オーステナイト粒の成長などが進んで、その後の水冷による鋼板10の強度アップの効果が得られなくなるおそれがある。
加えて、複数個設置する冷却ユニットの総冷却長は5〜30mとすればよい。冷却ユニットの総冷却長は、主に、冷却の対象となる鋼板の厚み、搬送速度、冷却開始温度、冷却終了温度などによって決めればよい。例えば、対象材の板厚が最大10mm程度であれば総冷却長は8mでもよいし、最大25mm程度であれば総冷却長は30m必要となる。しかし、板厚が25mmよりも厚い高強度の熱延鋼板を製造するには、超大型の巻き取り機が必要となって現実的でないので、総冷却長を30mより長くする必要はない。また、総冷却長が5m未満である場合は、板厚が薄い鋼板(例えば板厚が7mm以下)しか冷やせなくなり、高強度、高靭性を必要とする電縫管やスパイラル鋼管の素材などの製造は限定的でしかできなくなる。
本発明の実施例を以下に述べる。
この実施例では、前述の図1に示した熱延鋼板製造ラインを用いて熱延鋼板を製造した。すなわち、加熱炉11から抽出されたスラブを粗圧延機12と仕上圧延機13で熱間圧延して熱延鋼板にした後、ランアウトテーブルに設置されているランアウト冷却設備14によって冷却を行って組織を制御してから、巻き取り機15でコイル状に巻き取った。
製造した製品の鋼種や寸法などは様々であったが、ここでは、板厚20mmで引張強度の目標が590MPa以上の高強度鋼板を製造することを目標にして、仕上圧延終了温度800℃の鋼板10を仕上出側速度2.2m/sでランアウト冷却設備14に搬送して500℃まで冷却した場合について述べる。
なお、ランアウトテーブルのテーブルローラー20の径は340mm、テーブルローラー20の軸心間距離は400mmであった。
そして、従来例として、前述の図4に示したランアウト冷却設備を用いて鋼板10の冷却を行った。その際、水切りロール24の径は200mmであったので、水切りロール24の軸心間距離(=テーブルローラー20の軸心間距離)である400mmから水切りロール径24の径である200mmを差し引いた200mmが水切りロール24間のスペースとなり、この200mmのスペースに設置した上面冷却ヘッダ21のサイズ(鋼板搬送方向長さ)は120mmであった。
その結果、従来例では、上面冷却ヘッダ21に冷却水を供給する冷却水供給配管が非常に小さくなってしまい、上面冷却ヘッダ21からの冷却水の流量密度は1.4m3/m2・minしか得られなかった。このため、板厚平均での冷却速度は15℃/sにしかならず、製造された鋼板の引張強度は540MPaしか得られなかった。
これに対して、本発明例として、前述の図2に示したランアウト冷却設備を用いて鋼板10の冷却を行った。その際、水切りロール24の径は200mmであったので、水切りロール24の軸心間距離(=テーブルローラー20の軸心間距離×2)である800mmから水切りロール径24の径である200mmを差し引いた600mmが水切りロール24間のスペースとなり、この600mmのスペースに設置した上面冷却ヘッダ21のサイズ(鋼板搬送方向長さ)は520mmとなった。
その結果、本発明例では、上面冷却ヘッダ21に冷却水を供給する冷却水供給配管を大きくすることができ、上面冷却ヘッダ21からの冷却水の流量密度は4m3/m2・minとすることができた。これにより、板厚平均での冷却速度は50℃/sが得られ、製造された鋼板の引張強度は600MPaが得られた。
なお、本発明例の場合、水冷を行わない冷却ゾーンでは、水切りロール24と上面冷却ヘッダ21をすべて昇降装置によって1.5m上方に退避させたので、最も通板が難しいとされる板厚1.2mmの鋼板を製造する場合でも、安定に通板させることができた。
10 鋼板(熱延鋼板)
11 加熱炉
12 粗圧延機
13 仕上圧延機
14 ランアウト冷却設備
15 巻き取り機
20 テーブルローラー
21 上面冷却ヘッダ
22 円管ノズル
24 水切りロール
25 水切りロール支持部
26 架台
27 滞留水膜
28 防護板

Claims (6)

  1. 熱延鋼板の製造ラインにおいて用いられる冷却設備であって、
    軸心間距離が300〜450mmであるテーブルローラーの1つまたは複数個おきの直上に設置された水切りロールと、該水切りロールの間に設置され、流量密度1.5〜4.0m3/m2・minの棒状冷却水を、鋼板上面から30〜120mmの位置より鋼板上面に供給する上面冷却ヘッダと、
    前記テーブルローラーの下方に設置され、流量密度2.0〜6.0m3/m2・minの棒状冷却水、膜状冷却水、または噴霧状冷却水を鋼板下面に供給する下面冷却ヘッダとを備えていることを特徴とする熱延鋼板の冷却設備。
  2. 水切りロールと上面冷却ヘッダの下端がテーブルローラーの上端位置より1.0〜1.7mの高さまで上昇することができる昇降装置を有していることを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼板の冷却設備。
  3. 水切りロールの軸心間距離が600mm以上5400mm以下であり、その水切りロールの間に位置する上面冷却ヘッダと下面冷却ヘッダとで構成される冷却ユニットが、仕上圧延機の出側5〜20mの位置より複数設置され、それら複数の冷却ユニットによる総冷却長が5m以上30m以下になっていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱延鋼板の冷却設備。
  4. 熱延鋼板の製造ラインにおいて用いられる冷却方法であって、
    軸心間距離が300〜450mmであるテーブルローラーの1つまたは複数個おきの直上に水切りロールを設置し、その水切りロールの間に、流量密度1.5〜4.0m3/m2・minの棒状冷却水を、鋼板上面から30〜120mmの位置より鋼板上面に供給する上面冷却ヘッダを設置するとともに、
    前記テーブルローラーの下方に、流量密度2.0〜6.0m3/m2・minの棒状冷却水、膜状冷却水、または噴霧状冷却水を鋼板下面に供給する下面冷却ヘッダを設置することを特徴とする熱延鋼板の冷却方法。
  5. 水切りロールと上面冷却ヘッダの下端をテーブルローラーの上端位置より1.0〜1.7mの高さまで上昇させることができる昇降装置を設置することを特徴とする請求項4に記載の熱延鋼板の冷却方法。
  6. 水切りロールの軸心間距離を600mm以上5400mm以下とし、その水切りロールの間に位置する上面冷却ヘッダと下面冷却ヘッダとで構成される冷却ユニットを、仕上圧延機の出側5〜20mの位置より複数設置して、それら複数の冷却ユニットによる総冷却長を5m以上30m以下にすることを特徴とする請求項4または5に記載の熱延鋼板の冷却方法。
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