JP2005296973A - 熱延鋼板の製造方法とその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表面疵の発生を抑制しながら、仕上げ温度を全長にわたって目標値に制御することが可能な熱延鋼板の製造方法及びその装置を提供する。
【解決手段】 粗圧延機でスラブに粗圧延を施して被圧延材4とするとともに、その被圧延材を複数のスタンドF1〜F7を備えた仕上げ圧延機5で圧延して熱延鋼帯100を製造する方法であって、仕上げ圧延機の少なくとも一つのスタンド間(F1/F2間、又はF2/F3間)にデスケーリング装置11と冷却装置12とをそれぞれ複数設置し、仕上げ圧延機における圧延速度に応じてデスケーリング装置と冷却装置のそれぞれの使用数を変化させることにより、被圧延材の仕上げ圧延機出側での表面温度を所定の範囲に制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱延鋼帯の製造方法に関し、特に仕上げ圧延機出側温度を長手方向にわたって目標値に制御して熱延鋼帯を製造することが可能な熱延鋼帯の製造方法及びその装置に関する。
図4は、熱延鋼帯100の圧延工程を模式的に示す説明図である。連続鋳造機により製造されたスラブ1は、同図に示すように、加熱炉2に装入されて所定の温度に加熱される。スラブ1は加熱炉2により加熱された後、粗圧延機3により粗圧延を行われて被圧延材(以下「粗バー4」ともいう。)に薄く延ばされる。
粗バー4は、図示しない搬送テーブルにより粗圧延機3から仕上げ圧延機5まで所定の搬送パターンで搬送される。この間に粗バー4は必要に応じて誘導加熱方式などの加熱装置6により加熱された後、複数スタンドから成る(図示例ではF1〜F7の7スタンド)仕上げ圧延機5により所定の板厚に仕上げ圧延され、続く冷却装置7により所定の巻き取り温度に冷却され、巻き取り機8でコイル9に巻き取られる。この巻き取り温度は、巻き取り機8の入口での熱延鋼帯100の温度である。
この時の仕上げ圧延機出側における熱延鋼帯の温度(以下、「仕上げ温度」ともいう。)は、熱延鋼帯100の機械的特性に大きく影響を及ぼす。特に炭素鋼を熱間圧延する場合、特性確保の観点から圧延温度をフェライト変態開始温度(Ar3温度)よりも高くする必要がある。仕上げ圧延中に被圧延材の温度がAr3変態温度以下となると、粗大粒や歪の蓄積により鋼板の強度、延性、靭性等の特性が劣化する可能性があり、仕上げ温度の下限値(仕上げ下限温度)が設定される。また、仕上げ圧延機の圧延ロールのロール肌荒れの関係から仕上げ温度の上限値(仕上げ上限温度)が決まっており、この仕上げ温度の下限値と上限値との間で目標とする機械特性値が得られるように仕上げ温度目標値が設定される。
熱延鋼帯の仕上げ圧延では、一般的に粗バーの長手方向の後方側(上流側)ほど、仕上げ圧延機に到達するまでの待ち時間が長くなるため、放熱による温度低下量が大きくなる。このため、以前より粗バーの先端部が仕上げ圧延機を通過した後に圧延速度を増加させる加速圧延を行うことにより、粗バーの長手方向の後方側の温度低下量を抑制し、仕上げ圧延機出側温度を全長にわたって確保するようにしていた。
図5は、仕上げ圧延機5の通板速度の変更パターンの一例を示すグラフである。同図に示すように、仕上げ圧延機5の通板速度は、先端部の圧延不良を抑制するとともに、圧延時間の短縮も目的の一つとして先端部を圧延する際の通板速度V1から徐々に加速されて最高速度V2まで上昇され、その後に後端部を圧延する際の通板速度V3まで低下される。
ところで、上記熱延鋼帯の製造において、被圧延材は高温状態で搬送、圧延されるため、被圧延材の表面には酸化スケールが生成する。この酸化スケールは酸化鉄を主成分とするものであるが、金属酸化物を含むこともある。このような酸化スケール(以下において単に「スケール」ともいう。)が被圧延材の表面に存在したまま、熱間圧延を行うと、圧延時にスケールが鋼板表面に押し込まれて表面疵(一般に「うろこ状スケール」や「散砂状スケール」といわれる。)が発生する。特に、近年は熱延鋼帯の機械的性質の改善に伴い、その利用範囲が拡大されていることから高い表面品質へのニーズが高まり、スケールを原因とする表面品質劣化を防止することが重要となっている。
こうした酸化スケール成長に起因するスケール欠陥の発生を抑制するため、仕上げ圧延機入側や仕上げスタンド間でデスケーリングを行ったり、被圧延材の表面温度を低くするための冷却等を行ったりすることが一般的であり、例えば特許文献1には仕上げスタンド間にある被圧延材の表面温度を規定する方法が、特許文献2には仕上げスタンド間でのデスケーラーと冷却装置との組み合わせにより酸化皮膜厚みを規定値以下にする方法が開示されている。
さらに、通常スラブは加熱炉内においてスキッド上に保持された状態で加熱されるため、スキッドに接触している部分の温度が他の部分に比べて低下する加熱むらが発生する。この低温部分を「スキッドマーク」と称する。粗バーには加熱炉での加熱むらに起因するスキッドマークによる温度低下が長手方向に周期的に発生する。仕上げ温度は上下限内に入れるだけでなく極力均一な温度になることが望まれる。特許文献3や特許文献4には、仕上げ圧延機スタンド間での注水制御の方法や、粗圧延機と仕上げ圧延機間での誘導加熱によるスキッドマーク低減方法等が開示されている。
特開平11−319904号公報 特開2000−246325号公報 特開平7−75816号公報 特開2000-176525号公報
しかし、上記各特許文献に開示された方法においても被圧延材の表面温度や結果として得られる酸化皮膜厚みを規定値以下とするため、例えば被圧延材の長手方向のどの位置でデスケーリング装置及び冷却装置を使用するべきかが不明であり、加速圧延に応じたデスケーリング装置及び冷却装置の使い分けはなされていない。一般的にデスケーリング装置は噴射圧力、応答性が大きいが流量は小さく、被圧延材の表面冷却用の冷却装置は逆に噴射圧力、応答性は小さいが流量は大きく冷却能力は優れている。結果的に先端部通板時の圧延速度とある一定のレートで加速する加速圧延中(一般に4〜40mpm/s程度)、尾端部通板時の圧延速度では各々の圧延速度に応じて応答性、冷却能力により、仕上げ温度変動防止のために使い分ける必要がある。しかし、その方法は不明瞭であり、仕上げ圧延温度変動が残存、追従遅れが発生してしまうこととなる。
つまり、表面の酸化スケール除去のためには高圧水であるデスケーラーの使用が有効であるが、被圧延材の表面温度低下には冷却装置(以下「スプレー」ともいう。)の使用が有効である。加速圧延中の応答性を要求される場合は、長手方向の圧延速度への追従の点からは、デスケーラーを用いないと仕上げ温度の上昇を招いてしまう。最高速度に到達すると今度は応答性でなく冷却能の大きな冷却装置を用いないと冷却不足となり仕上げ温度の上昇を招くことになる。しかし、例えば冷却能力を確保するために噴射圧力を高めるだけでは特に被圧延材が圧延機に噛み込む際に上反りや下反り等の形状(平坦)崩れを引き起こす懸念もあり、先端通板時にはむやみに噴射圧力を上げることはできない。
ここに、本発明の課題は、表面疵の発生を抑制しながら、仕上げ温度を全長にわたって目標値に制御することが可能な熱延鋼板の製造方法及びその装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々の実験を行い、以下の知見を得た。
(1)少なくとも1つの仕上げスタンド間に噴射圧力が5〜20MPaのデスケーリング装置と噴射圧力が0.1〜2.0MPaの冷却装置とをそれぞれ複数設ける。そして、長手方向の圧延速度の変化に応じ、デスケーリング装置と冷却装置を使い分ける。これにより表面疵の発生を抑制しながら仕上げ温度を全長にわたって目標値に制御することができる。
冷却装置を複数設置するのは以下の理由による。すなわち、表面疵の発生を抑制するには、特定圧延機間での冷却水量の増加が必要となるが、冷却装置を大型化して冷却水量を増加させると、長手方向の鋼板温度変動が大きくなるからである。また、スタンド間に冷却装置を複数台設け、それぞれの冷却装置の冷却水量の増加を抑制し、全体として冷却水量を増加させることにより、表面疵の発生を抑制しながら温度変動を抑制することができるからである。
デスケーリング装置を複数設置するのは以下の理由による。すなわち、表面疵の発生を抑制するには、特定圧延機間でのデスケーリング性の向上が必要となるが、デスケーリング圧力を高めると鋼板温度変動が大きくなるといった問題や通板性が悪化するといった欠点がある。一方、スタンド間にデスケーリング装置を複数台設け、それぞれのデスケーリング圧力の増大を抑制し、全体としてデスケーリング性を高めることにより、表面疵の発生を抑制しながら温度変動を抑制することができるからである。
(2)表1にデスケーリング装置及び冷却装置の性能概要を示す。
Figure 2005296973
一般にデスケーリング装置は噴射圧力が高く、給水配管内を常に高圧状態で維持しているため開閉の応答性は非常に良い。したがって、鋼帯表面にスケール除去には効果大であるが、反面噴射される流量自体は小さいためそれに応じて鋼帯の冷却能力は小さい。一方、冷却装置は、デスケーリング装置に比べて噴射圧力が小さく、スケール除去能力はない。しかし、噴射流量は大きいので、鋼帯冷却能力は大きい。
(3)したがって、例えば、圧延速度の低い先端部には、デスケーリング装置のみ、あるいはデスケーリング装置と冷却装置とを用いる。
(4)加速圧延中は、デスケーリング装置の使用数を増加する。これにより、仕上げ温度の追従遅れが防止される。
(5)圧延速度が最高速度に到達し一定の場合には、冷却装置の使用数を増加させる。これにより仕上げ温度が上限を超えるのが抑制される。
(6)圧延速度の低い先端部では、噴射圧力を低くし、速度の増加に伴い噴射圧力を増加させる。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きで付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の第1の態様は、粗圧延機(3)でスラブ(1)に粗圧延を施して被圧延材(4)とするとともに、その被圧延材を複数のスタンド(F1〜F7)を備えた仕上げ圧延機(5)で圧延して熱延鋼帯(100)を製造する方法であって、仕上げ圧延機の少なくとも一つのスタンド間(F1/F2間、又はF2/F3間)にデスケーリング装置(11)と冷却装置(12)とをそれぞれ複数設置し、仕上げ圧延機における圧延速度に応じてデスケーリング装置と冷却装置のそれぞれの使用数を変化させることにより、被圧延材の仕上げ圧延機出側での表面温度を所定の範囲に制御することを特徴とする熱延鋼帯の製造方法である。
この熱延鋼帯の製造方法によれば、スタンド間にそれぞれ複数ずつ設けられたデスケーリング装置と冷却装置とのそれぞれの使用数を鋼帯の圧延状況に応じて使い分けることにより、表面疵の発生を抑制しながら、仕上げ温度を全長にわたって目標値に制御することが可能となる。
上記第1の態様にかかる熱延鋼帯(100)の製造方法において、さらに、圧延速度の変化に応じてデスケーリング装置(11)及び/又は冷却装置(12)の噴射圧力を調整することが好ましい。
このようにすれば、仕上げ温度をさらに正確に制御することが可能となる。
また、上記第1の態様にかかる熱延鋼帯(100)の製造方法(変形例を含む。)において、仕上げ圧延機(5)の入り側にデスケーリング装置(11)を設けるとともに、該デスケーリング装置と粗圧延機(3)との間に誘導加熱装置(6)を設け、該誘導加熱装置により被圧延材を板幅方向全幅にわたって加熱することも好ましい。
特に板厚の薄い熱延鋼帯の場合、粗バーが仕上げ圧延機により圧延される際に先端部を通過後に加速圧延となるので、先端部での温度降下量が大となる。しかし、このようにすれば、先端部の温度低下を下限値以上に確保することができるとともに、加熱炉内で生じるスキッドマークの低温部への集中加熱により、スキッドマークの低減が可能となる。これにより、冷却装置の応答を含めた誤差に対する対応が可能となり、結果的に仕上げ圧延機出側における長手方向の温度変動の少ない熱延鋼帯を得ることができる。
さらに、上記第1の態様にかかる熱延鋼帯(100)の製造方法(変形例を含む。)において、デスケーリング装置(11)と冷却装置(12)とは、仕上げ圧延機の入り側第1スタンドと第2スタンドとの間、及び/又は第2スタンドと第3スタンドとの間に設置することが好ましい。
この様な構成によって、仕上げ前段スタンド(F1〜F3)でのスケール除去が可能になる。また、この範囲では板厚が厚いので、デスケール用の高圧水(5〜20MPa)の適用が容易である。また、熱間圧延において板平坦形状を安定させるために比較的大きな圧下率をとる前段スタンドにおけるロールの肌荒れを抑制することが可能となる。さらに、デスケーリング装置により表面スケールを除去した後、直ちに冷却装置により冷却することにより、冷却の効率を高めることもできる。
本発明の第2の態様は、粗圧延機(3)と、該粗圧延機の下流側に配置されるとともに複数のスタンド(F1〜F7)を有する仕上げ圧延機(5)とを備える熱延鋼帯(100)の製造装置であって、仕上げ圧延機の少なくとも一つのスタンド間にデスケーリング装置(11)と冷却装置(12)とをそれぞれ複数備えることを特徴とする熱延鋼帯の製造装置である。
上記第2の態様にかかる熱延鋼帯の製造装置において、さらに、仕上げ圧延機の入り側にデスケーリング装置を備えるとともに、該デスケーリング装置と粗圧延機との間に誘導加熱装置を設けてもよい。
本発明の熱延鋼帯の製造方法によれば、仕上げ圧延機の少なくとも一つ以上のスタンド間に圧力、流量レベルの異なるデスケーリング装置、冷却装置を複数配置し、被圧延材の圧延速度に応じて最適な冷却装置を使い分けることにより、結果的にコイル長手方向での表面疵の発生を抑制しながら、かつ被圧延材の仕上げ圧延機出側での表面温度を追従遅れなく所定の目標値に制御することが可能となる。これにより、表面疵発生を防ぎ、機械特性に優れた熱延鋼帯を製造することができる。本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下、本発明にかかる熱延鋼板の製造方法の実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
連続鋳造機により、厚みが例えば250mm程度のスラブ1(図4参照)が製造される。製造されたスラブ1は、加熱炉2に装入されて所定の温度に加熱される。スラブ1は加熱炉2により加熱された後、粗圧延機3により粗圧延を行われて、板厚が例えば30mm程度の粗バー4に薄く引き延ばされる。この粗バー4は、必要に応じて誘導加熱装置6により加熱された後、複数スタンドからなる仕上げ圧延機5により所定の板厚に仕上げ圧延され、続く冷却装置7により所定の巻き取り温度に冷却され、巻き取り機8でコイル9に巻き取られる。
図1は、仕上げ圧延機入側から圧延機出側の間に設置されたデスケーリング装置と冷却装置の配置例を示している。この配置列は、F1−F2間とF2−F3間にそれぞれ2組のデスケーリング装置11を備え、さらにF4−F5間を除く全てのスタンド間のそれぞれに2組の冷却装置12を備えている。
図1において、粗バー4は必要に応じて誘導加熱装置6により加熱された後、仕上げ圧延機5で仕上げ圧延される前に、粗バー4表面のスケールを除去、及び仕上げ温度上昇防止のために仕上げ圧延機5の入側に設けた3組のデスケーリング装置11、11、11によりスケール除去が行われる。
仕上げ圧延開始後はスタンド間に設けたデスケーリング装置11によるスケール除去とともに冷却装置12により、鋼帯表面温度の調整が行われる。この仕上げ圧延機間での鋼帯冷却を、「スタンド間冷却」ともいう。
被圧延材の長手方向の仕上げ温度が製品である熱延鋼帯100の機械的特性に応じて定まる仕上げ下限温度以上となるとともに、圧延ロールのロール肌荒れ防止のため定められた仕上げ上限温度以下となるように、図5に示す仕上げ圧延機速度パターンに基づいて、誘導加熱装置6による昇温、仕上げ前や仕上げスタンド間でのデスケーリング、スタンド間冷却の各条件が決定される。
仕上げ圧延機速度パターンは予め決められているため、仕上げ温度を目標値に制御するために、仕上げスタンドF1〜F7間でのデスケーリング装置11と冷却装置12(スタンド間スプレー)の使用数、並びに噴射圧力が設定される。仕上げ温度の下限値確保のためには仕上げスタンド間でのデスケーリング装置11と冷却装置12(スタンド間スプレー)の使用数を減少させる。さらに、噴射圧力を小さくして流量を減少させる。さらに誘導加熱装置6により被圧延材を加熱するのが望ましい。反面、仕上げ温度を上限値以下とするためには、圧延機速度パターンである加速圧延に追従して、各冷却装置12の使用数を増加させ、噴射圧力を増加して流量を増加させる。
(第1実施形態)
圧延速度の低い長手方向先端部では、デスケーリング装置11のみ若しくは冷却装置12を併用して熱延鋼帯100の表面スケール除去と表面温度上限以下確保を行い、仕上げ圧延機5が加速を開始すると応答性の良いデスケーリング装置11の使用数を追加することにより、長手方向の仕上げ温度の追従遅れを防止させる。
仕上げ圧延機5が最高速度に到達して圧延速度が一定となると、冷却能力の高い冷却装置12の使用数を増加することにより長手方向での仕上げ温度の上限以上となることを防止する。
なお、粗バー誘導加熱装置6、仕上げ圧延機出側温度予測装置、圧延ラインの速度制御を行う圧延ライン制御装置、デスケーリング装置11・冷却装置12の出力を制御する演算装置により、仕上げ圧延機5出側での熱延鋼帯100の温度を予測演算し、各冷却装置12に制御信号を出力する。
(第2実施形態)
第1実施形態と同様に、圧延速度の低い長手方向の先端部では、デスケーリング装置11のみ若しくは冷却装置12を併用して熱延鋼帯100の表面スケール除去と表面温度上限以下確保を行う。仕上げ圧延機5が加速を開始すると応答性の良いデスケーリング装置11の使用数追加で長手方向の仕上げ温度追従遅れを防止させ、仕上げ圧延機5が最高速度に到達して圧延速度が一定となった際は冷却能力の高い冷却装置12の使用数を増加することにより長手方向での仕上げ温度上限以下を確保する。
この際、被圧延材の板厚や圧延速度量に対応して冷却装置12の冷却能力不足を防止するため、噴射圧力を可変とさせ圧力を増大させることで冷却能力を増加させることが好ましい。被圧延材の長手方向で先端部が圧延機に噛み込む際には圧延速度を低く、かつ、上反り、下反りを防止するため噴射圧力を低く設定する。圧延速度が上がり最高速度に到達すると各冷却装置12の使用数の増加に加えて、噴射圧力を増加させることにより、冷却能力の増大をはかることができる。
(第3実施形態)
仕上げ圧延機出側温度を長手方向に一定化させるため、上記第1実施形態及び第2実施形態に示すスタンド間の冷却に加え、仕上げ圧延機入側での誘導加熱装置6により被圧延材を加熱する。特に板厚の薄い熱延鋼帯の場合、粗バー4が仕上げ圧延機5により圧延される際に先端部を通過後に加速圧延となるので、先端部での温度降下量が大となる。先端部の温度低下を誘導加熱により下限値以上に確保することができるとともに、加熱炉2(図4参照)内で生じるスキッドマークの低温部への集中加熱により、スキッドマークの低減が可能となる。これにより、冷却装置12の応答を含めた誤差に対する対応が可能となり、結果的に仕上げ圧延機出側における長手方向の温度変動の少ない熱延鋼帯が得られる。
図1に示す基本構成の装置列を用い、先端部を誘導加熱装置6で加熱後、圧延速度に応じてデスケーリング装置11と冷却装置12の使用数並びにその噴射圧力を調整して仕上げ温度を制御する試験を実施した。対象材は、低炭素鋼で仕上げ圧延機出側での板厚は1.6mm、板幅は1150mmであり、仕上げ出側温度の目標値は830℃(上下限±15℃)である。先端部通板速度は約640mpm、加速率40mpm/s、最高速度は1600mpmであり、仕上げ入側での誘導加熱装置6を使用した。
図2に、比較例にかかる仕上げ圧延機入側、圧延機間に設置された各種冷却装置(デスケーリング装置11、冷却装置12)の配置の例を示す。比較例(2)は、F1−F2間、F2−F3間、F3−F4間、F5−F6間、F6−F7間に1組の冷却装置12を設け、F1−F2間、F2−F3間に1組のデスケーリング装置11を設けた。それ以外は図1と同じ構成とした。比較例(3)は、F1−F2間、F2−F3間に1組のデスケーリング装置11を設けた。それ以外は図1と同じ構成とした。
図3に本発明例(1)と比較例(2)、(3)における試験結果を示す。各図の横軸は、コイルの長手位置を示している。また、縦軸はそれぞれ上段から、温度(仕上げ出側温度、「FT」と記載)、誘導加熱装置6の投入電力、デスケーリング装置11の使用本数(「デスケ本数」と記載)、冷却装置12の本数(「スプレー本数」と記載)、冷却装置12の噴射圧力(供給ポンプの圧力を「供給水圧力」と記載)、仕上げ圧延機最終スタンド速度(F7速度)を示す。
図3に示すように、本発明例(1)は、全長にわたり、仕上げ温度を目標温度範囲内に制御することができた。また、表面疵の発生もなかった。
比較例(2)、(3)では、加速圧延中の追従遅れ、並びに最高速度到達後の冷却不足により仕上げ温度が目標温度範囲外れとなった。
本発明により、薄物材の熱延鋼帯で先端部では誘導加熱装置6の昇温を活用し、圧延機加速開始後は応答性の良いデスケーリング装置11を補助的冷却装置として用いて追従遅れを防止し、最高速度到達後は冷却能の大きい冷却装置12(スプレー)を用いるとともに、その噴射圧力を長手方向の圧延速度に応じて可変とすることによって、仕上げ圧延機出側での仕上げ温度を全長にわたって精度良く目標値に制御することが可能となった。
以上、現時点において、最も、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う熱延鋼板の製造方法及びその装置もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本実施形態の仕上げ圧延機入側、圧延機間に設置された各種冷却装置(デスケーリング、冷却装置)の配置の一例を示す図である。 比較例にかかる仕上げ圧延機入側、圧延機間に設置された各種冷却装置(デスケーリング、冷却装置)の配置の一例を示す図である。 本発明例と比較例における試験結果を示す図である。 熱延鋼帯の圧延工程の模式図である。 仕上げ圧延機における通板速度の変更パターンの一例を示す図である。
符号の説明
V1 先端部通板速度
V2 最高速度
V3 尾端部通板速度
1 スラブ
2 加熱炉
3 粗圧延機
4 粗バー
5 仕上げ圧延機
6 誘導加熱装置
7 圧延後冷却装置
8 巻き取り機
9 コイル
10 圧延工程全体
11 デスケーリング装置
12 冷却装置
13 仕上げ圧延機出側温度計
100 熱延鋼帯

Claims (7)

  1. 粗圧延機でスラブに粗圧延を施して被圧延材とするとともに、その被圧延材を複数のスタンドを備えた仕上げ圧延機で圧延して熱延鋼帯を製造する方法であって、前記仕上げ圧延機の少なくとも一つのスタンド間にデスケーリング装置と冷却装置とをそれぞれ複数設置し、前記仕上げ圧延機における圧延速度に応じて前記デスケーリング装置と冷却装置のそれぞれの使用数を変化させることにより、前記被圧延材の前記仕上げ圧延機出側での表面温度を所定の範囲に制御することを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
  2. さらに、前記圧延速度の変化に応じてデスケーリング装置及び/又は冷却装置の噴射圧力を調整する請求項1に記載の熱延鋼帯の製造方法。
  3. 前記仕上げ圧延機の入り側にデスケーリング装置を設けるとともに、該デスケーリング装置と前記粗圧延機との間に誘導加熱装置を設け、該誘導加熱装置により前記被圧延材を板幅方向全幅にわたって加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱延鋼帯の製造方法。
  4. 前記デスケーリング装置と冷却装置とは、前記仕上げ圧延機の入り側第1スタンドと第2スタンドとの間、及び/又は第2スタンドと第3スタンドとの間に設置することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱延鋼帯の製造方法。
  5. 粗圧延機と、該粗圧延機の下流側に配置されるとともに複数のスタンドを有する仕上げ圧延機と、を備える熱延鋼帯の製造装置であって、前記仕上げ圧延機の少なくとも一つのスタンド間にデスケーリング装置と冷却装置とをそれぞれ複数備えることを特徴とする熱延鋼帯の製造装置。
  6. さらに、前記仕上げ圧延機の入り側にデスケーリング装置を備えるとともに、該デスケーリング装置と前記粗圧延機との間に誘導加熱装置が設けられたことを特徴とする請求項5に記載の熱延鋼帯の製造装置。
  7. 前記デスケーリング装置と冷却装置とは、前記仕上げ圧延機の入り側第1スタンドと第2スタンドとの間、及び/又は第2スタンドと第3スタンドとの間に備えられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の熱延鋼帯の製造装置。
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