JP4054328B2 - 熱延ロングコイルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱延ロングコイルの製造方法に関し、特に、1本当たりのコイル長を最大にすることでコイル単重をアップし、生産性及び歩留まりの向上を図る事ができる熱延ロングコイルの製造方法に関するものである。
従来、コイルの熱間タンデム圧延では、製鋼工程から送られてきたスラブを粗圧延して粗バーとし、この粗バーを多スタンドの熱間仕上圧延機で仕上圧延してコイルに巻き取ることで、所定寸法の薄板コイルとしている。
仕上圧延においては、仕上圧延されたコイル先端がコイラーに噛み込むまでは、ホットランテーブルを通過する先端部が波打って重なり合わないようにするために、圧延速度を低速にして圧延し、先端がコイラーに噛み込んだ後は張力を付与して圧延することが可能となるので、圧延速度を加速して加速圧延を行い、所定の圧延速度となった後に圧延速度を定速とする圧延が行われている。
仕上圧延温度については、粗圧延された粗バーの後方ほど仕上圧延までの待ち時間が長く、放令されて熱の逸散が大きいので、仕上圧延機入り側で低い温度となる。温度低下の対策としては、仕上圧延で加速圧延をすることで加工発熱によって温度を上昇させ、粗バーの後方になるほど圧延速度を速くして圧延温度を確保し、かつ仕上圧延時間を短縮することで温度低下を抑制している。
しかし、圧延速度を変えるだけでは、仕上圧延温度を制御するのに限界がある。つまり、加速圧延による温度上昇には圧延機の駆動モーターのパワーに制限があり、圧延速度を無限に速くすることはできないし、圧延速度を上げると圧延荷重が大きくなって圧延ロールが撓み、圧延スタンド間の形状不良及び表面品質不良を招く。
このため、粗圧延機と仕上圧延機との間にソレノイド型誘導加熱装置のバーヒーターを設置し、粗バーの幅方向全体を加熱制御することで、仕上圧延温度を長手方向に一定となるようにした熱延鋼帯の圧延方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この熱延鋼帯の圧延方法においては、仕上圧延された鋼帯の材質を均一化することの観点から、仕上圧延機出側温度を所定の目標温度の範囲内に収めることを狙いとし、粗バーの温度に応じてバーヒーター(ソレノイド型誘導加熱装置)の加熱温度を制御するものである。この方法では、粗バーの全長に亙って加熱するためバーヒーターの電力消費量が多くなるという問題がある。
また、仕上圧延においては、粗バーの仕上圧延機入り側の温度は圧延の進行とともに空冷の時間が経過するので粗バーの温度は低下し、そして、粗バー温度が低下すると、仕上圧延時におけるスタンド間で形状不良が発生し易くなる。そして、粗バーの温度低下はコイル長が長くなればなる程大きくなるので、コイル長を短くして仕上圧延操業の安定化を図るのが一般的である。
図1(a)及び(b)は、熱延鋼帯の製造方法において、コイル長の短いケースと長いケースとの圧延仕上温度を比較して示す図である。コイル長の短い場合については、図1(a)に示すように、圧延仕上温度は、コイル先端部の温度は低いけれども、熱延鋼帯(コイル)ミドル部から後端は加速圧延による加工発熱によって温度が上昇し、熱延鋼帯(コイル)後端部に向かって高温となる。これに対して、コイル長が長い場合については、図1(b)に示すように、圧延仕上温度は圧延の進行に伴ってコイル長が長い程、仕上圧延迄の経過時間は長くなり、放冷時間が長くなって、粗バー後端部になる程温度低下が大きくなるので、加速圧延による加工発熱によりミドル部で鋼板温度が上昇するが、ミドル部から後端では加工発熱による温度上昇が寄与しても鋼板温度は低い。
したがって、コイル長を長くし、コイル単重をアップして生産性及び歩留の向上を図るためには、コイルミドル部から後端の区間の鋼板温度を制御する必要がある。
特開平10−291016号公報
本発明は、コイル長の長いロングコイルの製造方法において、少ないバーヒーターの電力で、かつ材質の均一性を損なわず、コイル長のアップ(コイル単重をアップ)に伴う仕上圧延時の通板形状不良による通板トラブルおよびコイル残片処理によるラインの長期間の休止を回避し、更に鋼板表面温度の上昇によるスケール疵の発生を防止して1本あたりのコイル長をアップし、生産性及び歩留の向上を図ることを目的とする。
熱間圧延で、ロングコイルを製造する場合に、粗バー温度が仕上圧延までの待機時間が長いため放冷降温するサーマルランダウン現象が発生し、仕上圧延時に通板形状不良を引き起こし、これを防止するためにはコイル長の拡大に伴って大きなバーヒーターの加熱電力が必要となっていた。
本発明者は、バーヒーターの加熱電力を少なくし、かつ通板形状不良をなくすことについて鋭意研究し、その結果、圧延速度パターンをコイルが仕上圧延機最上流スタンドを抜けるまで加速圧延とすること、及びバーヒーターの加熱パターンを変化させることで従来の問題が解決できることを見出して、本発明を完成した。
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1) 仕上圧延の進行に伴って低下する粗バーの仕上圧延機入り側温度の低下代の増加にあわせて、粗バーの全幅の加熱制御を行うバーヒーターの幅方向の加熱パターンを変化させ、幅方向クオーター部から幅方向中央部の温度と端部からクオーター部の温度との温度差が、絞り疵が発生しない温度差以内になるように加熱することを特徴とする熱延ロングコイルの製造方法。
(2) コイル先端がコイラー噛込み後、コイル後端が仕上圧延機最上流スタンドを抜けるまで圧延速度の加速を継続するとともに、仕上圧延機出側のコイル幅方向クオーター部から幅方向両側部と幅方向クオーター部から幅方向中央部との温度差が絞り疵が発生しない温度差以内になるようにバーヒーターで粗バーの加熱を行うことを特徴とする請求項1記載の熱延ロングコイルの製造方法。
(3) バーヒーターの幅方向の加熱パターンが幅方向クオーター部から幅方向両側部よりも幅方向クオーター部から幅方向中央部が仕上圧延機入り側温度の低下代の増加にあわせて大きくなるように変化させることを特徴とする上記(1)または(2)記載の熱延ロングコイルの製造方法。
(4) 仕上圧延機出側でコイル幅方向のクオーター部から幅方向両側部の温度と幅方向クオーター部から幅方向中央部との温度差が15℃以内の温度範囲とすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱延ロングコイルの製造方法。
(5) バーヒーターがトランスバース型誘導加熱装置であることを特徴とする上記(1)から(4)のいずれかに記載の熱延ロングコイルの製造方法。
本発明のロングコイルの製造方法によれば、少ないバーヒーターの電力で、かつ仕上圧延時の通板形状不良を発生させることなく、ロングコイルを製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
コイルをロングコイル(大単重コイル)化する熱間圧延では、コイル長が拡大すると1本当たりの圧延時間が長くなるため、単位時間当たりのコイル間のアイドル回数が減少し、生産性を向上させることが可能になる。また、コイルの最先端及び後端の温度低下部が圧延ロールを疵つけないようにするため、常法どおりコイル最先端及び後端の切断除去を行うが、1本当たりのコイル長が長い程、除去される最先端及び最後端の重量比率が小さくなり、歩留が向上することになる。
したがって、熱延コイルの生産性及び歩留向上のためには、ロングコイル化することが望ましいことである。
ところが、コイル長の長い熱延コイルを製造する場合には、粗圧延された粗バーは仕上圧延迄の経過時間が長くなるので、図1(b)の破線で囲った部分に示すように、放冷降温して粗バーのミドル部から後端に恒って仕上圧延温度が低下する。この現象はサーマルランダウンあるいは単にランダウンと称されている。
サーマルランダウンが発生するメカニズムは、次のように考えられる。
図2(a)は、粗バー長手方向位置と仕上圧延機入り側温度との関係を示す図である。仕上圧延機入り側の粗バー温度は、図2(a)に示すように、時間の経過に伴って放冷により冷却される。従って、粗バーの先端では温度が高く尾端で温度が低下する。図2(b)は、コイル長(m)と圧延速度(m/min)との関係を示す図である。図2(b)に示すように、仕上圧延はコイル先端がホットランテーブル(HRT)を通過する時には、圧延速度を低くしてホットランテーブル上のアコーデオン状のループを最小限にとどめ、コイル先端がコイラーに噛み込まれて、ホットランテーブル上のコイルに張力が付加された以降は圧延速度を加速して圧延速度を上昇させる。圧延速度が速くなると、仕上圧延機入り側から出側までの通過時間が短くなり、空冷やスタンド内での水冷による温度抜熱が小さく、また、ロールバイト内での加工発熱、摩擦発熱が大きくなって、仕上圧延機出側のコイル温度が高くなる。圧延速度を加速して所定の圧延速度となった後は、圧延速度を定速にして圧延するので加工発熱等による温度上昇は生じない。
仕上圧延速度が上昇すると仕上圧延での鋼板温度は高くなるため、仕上圧延速度と相似状の温度パターンが仕上圧延機入り側の粗バー温度に付加されて仕上圧延機出側のコイル温度となる。図2(c)は、熱延鋼帯(コイル)長手方向位置と圧延仕上温度との関係を示す図である。熱延鋼帯(コイル)長手方向位置と圧延仕上温度との関係は、図2(a)と図2(b)とが合わさった図2(c)の状態となり、仕上圧延機出側でのサーマルランダウンは、仕上圧延速度が定速になった時点から発生すると考えられる。
従来技術のように仕上圧延機出側温度を圧延後鋼帯の長手方向に一定となるようにしようとすると、図3に示すように、サーマランダウン部ではコイル長の拡大に伴って大きなバーヒーターの加熱電力が必要となる。バーヒーターの加熱電力は熱延ライン全体の2〜3%にも及ぶため、特にロングコイルではサーマランダウン部の大きな加熱電力が必要となって経済性が損なわれる。そこで、バーヒーターによって大きな加熱電力を使わないでロングコイルを圧延する方法が望まれる。
また、サーマランダウンが生じると、圧延温度低下部でロールの圧延荷重が増大し、ワークロールが撓み、その結果、コイルの形状不良が発生し、耳波、中波形状が大きくなる通板形状不良を引き起こし、ウオークして2枚噛みにたくれ込み、板切れとなる通板トラブルが生じ易く、コイル残片処理のためのラインの長時間休止を招いて生産性低下を生じるこことなる。そのため、特に耳波、中波形状が悪化し易い薄手広幅材、硬質ハイテン材は、コイル長が熱延ライン加熱炉の間口限界から制約されるスラブ長相当のコイル長限界に対して、それより短いスラブを設計するなどして、コイル長を短くせざるを得なかった。
さらに、従来のように仕上圧延機出側温度を圧延後鋼帯の長手方向に一定とするためには、サーマランダウン部で、図3に示すようにコイル長の拡大に伴って大きなバーヒーターの加熱が必要となるが、ソレノイド型誘導加熱装置のバーヒーターでは、ソレノイド型の特徴として鋼板板厚方向の表面温度が板厚方向中心温度よりも約2倍に加熱されてしまうため、表面が酸化されて表面スケール疵を発生し、歩留まりの低下を招くという問題がある。
本発明では、仕上圧延速度が定速となるタイミングを変更して、サーマルランダウンの発生を防止することとした。
図4の(a)、(c)、(e)は仕上圧延速度パターンをコイル長(m)と圧延速度(mpm)との関係によって示す図、及び(b)、(d)、(f)は、長手方向温度パターンをコイル長(m)と仕上圧延機出側温度(℃)との関係によって示す図である。
本発明者は、ロングコイルを圧延する際の圧延速度パターンにおいて、加速圧延後の定速圧延によってサーマルランダウンが発生すると考え、加速圧延の加速率を変更することで、圧延速度が定速となるタイミングを変更してサーマルランダウン発生タイミングについて試験調査を行った。
図4(a)は、圧延速度の加速率を13mpm/sec.とした場合の例であり、この場合はコイル長約750mで加速圧延から定速圧延に圧延速度パターンを切り換えた。その結果、図4(b)に示すように、コイル長約750mmから尾端にサーマルランダウンが発生した。
図4(c)は、圧延速度の加速率を24mpm/sec.とした場合の例であり、この場合は、コイル長約500mで加速圧延から定速圧延に圧延速度パターンを切り換えた。その結果、図4(d)に示すように、コイル長約500mから尾端にサーマルランダウンが発生した。
図4(e)は、圧延速度の加速率を6mpm/sec.とした場合の例であり、この場合は、コイル長約1250mで加速圧延から定速圧延に圧延速度パターンを切り換えた。その結果、図4(d)に示すように、コイル長約1250mから尾端にサーマルランダウンが発生した。
図4(a)、(c)及び(e)での圧延条件は、表1に示す通りであった。
Figure 0004054328
図4の(a)〜(f)に示すように、圧延速度での加速圧延の加速率を大きな値、或いは小さな値にしても、圧延速度を加速圧延から定速圧延に変更するタイミングが、サーマルランダウンとほぼ一致することが分かった。
そこで、本発明は、サーマルランダウン発生を防止するため、コイル尾端まで圧延速度を定速(一定速度)とせず、コイラー噛み込み後、仕上圧延機最上流スタンド抜けまで圧延速度の加速を継続する圧延速度パターンとした。
図5は、加速圧延を継続する圧延速度パターンを示す図で、図5(a)は仕上圧延速度パターンをコイル長(m)と圧延速度(mpm)との関係で示す図で、図5(b)は長手方向温度パターンをコイル長(m)と仕上圧延機出側温度(℃)との関係で示す図である。
図5(a)での圧延条件は、表2に示す通りであった。











Figure 0004054328
図5に示すように、常に加速する圧延を継続すれば、仕上圧延機出側でのサーマルランダウンの温度低下は解消し、仕上圧延機出側コイル(鋼板)温度を一定化することができた。
しかしながら、コイラー噛み込み後、コイル尾端が仕上圧延機最上流スタンド抜けまで常に加速する圧延を継続する圧延速度パターンで仕上圧延を行った場合においても、ロングコイル化で発生する通板形状不良の問題は解決できていない。
即ち、ロングコイルを製造する場合には、図2に示すように、仕上圧延機入側の粗バー温度は、先端から尾端にかけて温度が低下していくため、仕上圧延機群の前段スタンドにおいては、粗バー先端から後端にかけて温度が低下し、それにつれて仕上圧延機群の前段スタンドの圧延荷重が大きくなる。
圧延荷重が大きくなると、ワークロールの端部から圧下力を及ぼすため、図6に示すようにワークロール1は撓み、圧延荷重が大きいほどこの撓み量は大きくなる。そして、ワークロールの撓み2によって鋼板3に軸方向板厚差が生じ、幅方向クオーター部の内側より外側の圧下率が大きくなる。その結果、図7に示すように、スタンド間コイル(鋼板)形状が端波形状コイル4の形態となる。このため、コイルが仕上圧延機下流側次スタンド圧延時に端波形状部がしわ状にたくれ込み2板噛み込み状に絞り込み、疵又は板切れを生じる。この状況は、加速圧延をすると、本来,仕上出側温度が高温化するため表面酸化によるスケール疵の発生の防止が必要であるため加熱炉焼き上げパターンの付加等によって仕上入側温度のサーマルランダウン傾向を更に促進させ低温化することが必要である。その結果、しない場合に比べて圧延荷重が大きくなるためにより厳しくなる。即ち、加速圧延すると、より早い時点から、入側温度を低温化しなければならないため絞りが発生しやすい。したがって、加速圧延を使うと、温度を一定にする効果が得られるが、コイル長が長いほど形状改善は困難になる。
サーマルランダウンで圧延荷重が大きくなる部位で、加熱エネルギーをなるべく少なくして、端波形状を改善する為に、発明者は検討を繰り返した結果、鋼板の幅方向中央部の温度と端部の温度差を小さくすれば、圧延荷重が大きくなる部位でも端波形状を防止できることを見出した。
図8(a)及び(b)は、コイルの仕上圧延機出側幅方向温度分布を示す図である。
仕上圧延機出側のコイル幅方向温度分布は、図8(a)に示すように、コイル幅方向中央部5の温度が幅方向クオーター部6やエッヂ部7より低くなっている略M字状温度分布であると、中央部の圧延荷重が大きくなり、ワークロールが図6に示すように撓み、圧延時に高温の端部の伸びが大きくなって端波形状が発生する。
そこで、仕上圧延機出側のコイル幅方向温度分布を、図8(b)に示すように、コイル幅方向クオーター部から幅方向エッジ部の領域と、幅方向クオーター部から幅方向中央部の領域温度の差が小さくなるように、仕上圧延機入側又はスタンド間で粗バーをバーヒーター加熱8すると、幅方向中央部の板の伸びが大きくなり、コイル幅方向クオーター部から幅方向エッジ部の領域の伸びとの差が小さくなって、スタンド間の端波形状が縮小される。
また、バーヒーターの幅方向の加熱パターンが幅方向クオーター部から幅方向両エッジ部と幅方向クオーター部から幅方向中央部の温度の差が、仕上圧延機入側温度の低下代の増加に合わせて小さくなるようにバーヒーターによる加熱昇温量ΔTを変化させることで、圧延荷重が大きくなる部位で、端波形状が生じない温度差にする調整が出来るので、コイル尾端まで端波形状を少ない加熱エネルギーで防止することができる。
図8(c)には、圧延荷重の許容に対する割合と、端波形状が悪化して絞り疵が発生する仕上げ温度出側の幅方向の温度差(図8(b))の関係を示すが、圧延荷重の許容に対する割合により端波形状は変わり得ることがわかる。例えば、圧延荷重の許容に対する割合が63%の時には、幅方向クオーター部から幅方向両エッジ部と幅方向クオーター部から幅方向中央部の温度の差が15℃以上で、端波形状が悪化して絞り疵が発生することが判る。
この場合の圧延荷重の許容に対する割合とは、圧延機の許容荷重の何%を圧延に用いるかの指標であり、圧延機のタイプや剛性により異なることが考えられるので、図8(c)のような関係を圧延機毎に求めれば、入り側での幅方向クオーター部から幅方向中央部とコイル幅方向クオーター部から幅方向エッジ部の温度差を仕上圧延機入側温度の低下代の増加に合わせて、入り側での幅方向クオーター部から幅方向中央部と、コイル幅方向クオーター部から幅方向エッジ部の、温度差を調整出来る。 仕上げ温度の低下代を考慮しないで、調整する場合には、図8(c)から、バーヒーターによる加熱昇温量は、端部から幅方向クオーター部とクオーター部から幅方向中央部の温度が温度差で15℃の範囲内であることが好ましい。
一方、温度差Δtを幅方向クオーター部よりも幅方向中央部が15℃より高い場合には、コイル中央部が圧延時に伸び過ぎて、かえってコイルに中波が発生することとなって、コイルの形状不良を招くこととなる。
また、バーヒーターによる加熱として1000Hz以上の周波数を用いるソレノイド型誘導加熱装置で粗バーを加熱すると、板厚方向の表面温度が板厚方向中心温度よりも2倍加熱されてしまうため、表面が酸化され、表面スケール疵を発生し歩留の低下を招く問題がある。
そこで、本発明では、バーヒーターとしてトランスバース型誘導加熱装置を用いて板厚方向の温度差を生じさせないように加熱することにした。
即ち、U字鉄芯タイプのトランスバース型誘導加熱装置は、磁束を粗バーの板厚方向に均一に貫通しやすく、このため板厚方向に温度差が生じることなく加熱でき、板表面温度と板厚方向中心温度との温度差を小さくできる。
バーヒーターによる加熱昇温量を大きくするには、複数台のバーヒーターによる加熱を行えばよい。
図9は、複数台(3台)のトランスバース型誘導加熱装置を熱延ラインに配置した例を示す図である。
図9に示すようにU字鉄芯9とコイル10を備えたトランスバース型誘導加熱装置11を搬送ロール上の粗バーの搬送方向に直列状に配置する。No.1〜No.3の各々のトランスバース型誘導加熱装置は矢印に示すように板幅方向に自由に移動可能となっているので、粗バー板幅に応じて各々の誘導装置を板幅方向に移動させて、板幅の任意の区域、例えば、板幅全体や板幅中央部の温度を選択的に加熱昇温させることができる。
加熱制御方法としては、例えば、仕上圧延機出側の板幅方向の温度を温度計により測定し、その測定値を誘導加熱装置の加熱制御装置にフィードバックし、加熱制御装置により誘導加熱装置の加熱昇温量を制御することによって行うことができる。
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
加熱炉で1200℃に加熱した30ton鋼片を粗圧延してバー厚30mmの粗バーとした。この粗バーを仕上圧延して板厚2mm、コイル単重30tonのロングコイルを製造した。
図4(e)の速度パターンでの実験を行った。同鋼種で行ったバーヒーター設置前の実験では、コイル長が1700mを過ぎた時点から端波形状の悪化が見られたので、本実験ではこの時点からバーヒーターで加熱を行い、幅方向クオーター部〜幅方向中央部幅方向クオーター部〜幅方向中央部の温度差が15℃以下になるように調整した。その結果、端波形状が改善されて、ロングコイルの製造が可能になった。
仕上圧延では、コイル先端がコイラーに噛み込んだ後は、図5(a)の様なパターンで加速率13mpm/secの加速圧延を、コイル後端が仕上圧延機最上流スタンドを抜けるまで実施した。
また、仕上圧延機出側のコイル幅方向温度を測定し、その測定値に基づいて、仕上圧延機入側に設置したバーヒーター(トランスバース型誘導加熱装置)の加熱温度制御を行った。即ち、仕上圧延機出側のコイル幅方向温度が幅方向クオーター部〜幅方向幅方向両側部(エッジ部)と幅方向クオーター部〜幅方向中央部幅方向クオーター部〜幅方向中央部の温度差が5〜12℃になるように、仕上圧延機入側の粗バーを加熱するバーヒーターの加熱制御を行った。
仕上圧延の結果は、サーマルランダウンが生ぜず、ロングコイルの通板形状不良が発生しなかった。また、バーヒーターによって、仕上圧延機入側の粗バー中央部を加熱したことで、粗バー全幅を加熱する場合に比較して電力消費量が約30%低下できた。
熱延鋼帯の製造方法において、コイル長の短いケースと長いケースとの圧延仕上温度を比較して示す図である。 サーマルランダウンが発生するメカニズムを示す図で、(a)は、粗バー長手方向位置と仕上圧延機入り側温度との関係を示す図で、(b)はコイル長(m)と圧延速度(mpm)との関係を示す図で、(c)は熱延鋼帯(コイル)長手方向位置と圧延仕上温度との関係を示す図である。ここで、mpmはm/分の意味である。 コイルの仕上圧延機出側温度を長手方向に一定とするためのバーヒーター加熱代を示す図である。 (a)、(c)、(e)は仕上圧延速度パターンをコイル長(m)と圧延速度(mpm)との関係によって示す図、及び(b)、(d)、(f)は、長手方向温度パターンをコイル長(m)と仕上圧延機出側温度(℃)との関係によって示す図である。 加速圧延を継続する圧延速度パターンを示す図で、図5(a)は仕上圧延速度パターンをコイル長(m)と圧延速度(mpm)との関係で示す図で、図5(b)は長手方向温度パターンをコイル長(m)と仕上圧延機出側温度(℃)との関係で示す図である。 圧延荷重が大きくなるとワークロールが撓み、鋼板に軸方向板厚差が生じることを示した図である。 仕上圧延機スタンド間鋼板形状が端波形状となった状態の図である。 鋼板(コイル)の仕上げ圧延機出側温度分布を示す図である。 複数台(3台)のトランスバース型誘導加熱装置を熱延ラインに配置した例を示す図である。
符号の説明
1 ワークロール
2 ワークロールの撓み
3 鋼板
4 端波形状コイル
5 幅方向中央部
6 幅方向クオーター部
7 エッジ部
8 バーヒーター加熱
9 U型鉄芯
10 コイル
11 トランスバース型誘導加熱装置
12 粗バー

Claims (5)

  1. 仕上圧延の進行に伴って低下する粗バーの仕上圧延機入り側温度の低下代の増加にあわせて、粗バーの全幅の加熱制御を行うバーヒーターの幅方向の加熱パターンを変化させ、幅方向クオーター部から幅方向中央部の温度と端部からクオーター部の温度との温度差が、絞り疵が発生しない温度差以内になるように加熱することを特徴とする熱延ロングコイルの製造方法。
  2. コイル先端がコイラー噛込み後、コイル後端が仕上圧延機最上流スタンドを抜けるまで圧延速度の加速を継続するとともに、仕上圧延機出側のコイル幅方向クオーター部から幅方向両側部と幅方向クオーター部から幅方向中央部との温度差が絞り疵が発生しない温度差以内になるようにバーヒーターで粗バーの加熱を行うことを特徴とする請求項1記載の熱延ロングコイルの製造方法。
  3. バーヒーターの幅方向の加熱パターンが幅方向クオーター部から幅方向両側部よりも幅方向クオーター部から幅方向中央部が仕上圧延機入り側温度の低下代の増加にあわせて大きくなるように変化させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の熱延ロングコイルの製造方法。
  4. 仕上圧延機出側でコイル幅方向のクオーター部から幅方向両側部の温度と幅方向クオーター部から幅方向中央部との温度差が15℃以内の温度範囲とすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱延ロングコイルの製造方法。
  5. バーヒーターがトランスバース型誘導加熱装置であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の熱延ロングコイルの製造方法。
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