JP4466500B2 - 鋼板の冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、熱間圧延設備で使用される、鋼板の冷却装置に関し、特に、高い冷却能力を有し、装置の安定性を向上させることが可能な、鋼板の冷却装置に関する。
熱延鋼板は、通常、加熱されたスラブを粗圧延機および連続熱間仕上圧延機を用いて処理することにより所定の厚みに加工され、引き続き、ホットランテーブルに配置された冷却装置により所定温度へ冷却された後、巻き取り装置によって巻き取られる。
熱延鋼板の用途は、溶接鋼管、軽量形鋼、自動車部品、冷間圧延鋼板素材等、多岐に亘っており、近年、その機械的性質の向上や、合金元素の削減等が求められている。そして、このような熱延鋼板を製造するには、生産性を低下させることなく、熱延鋼板を目的の温度へ精度良く冷却することが好ましく、かかる冷却を実施可能な冷却装置が望まれている。
熱延鋼板の冷却装置に関する技術は、これまでにいくつか開示されてきている。例えば、特許文献1には、ノズルヘッダを上下2段に配列して下段ヘッダ側ノズルからの注水点を搬送テーブルローラの直上とし、上段ヘッダ側ノズルからの注水点を前記ローラ間の中央として配列するとともに、上下各段における各複数のノズルヘッダ毎にそれぞれオンオフバルブを接結して制御単位とする、ホットストリップの冷却装置に関する技術が開示されている。かかる技術によれば、ノズルヘッダを上下2段に配列することによって、大径のノズルヘッダの使用が可能となり、これによってストリップの幅員方向に亘り、より均一な大流量密度による冷却を容易に実施することができる、としている。
実公平1−114107号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術では、高い冷却能力を実現するために極めて多数のヘッダが必要になる。そのため、給水配管の取り回しなどで冷却装置全体が複雑化し、設備トラブルを招きやすいという問題があった。加えて、特許文献1に開示されている冷却装置では、注水点が搬送テーブルローラ間の中央とされていたため、鋼板の通板性が悪化し、鋼板の生産性が低下しやすいという問題があった。
そこで、本発明では、高い冷却能力を維持しつつ、装置の構造を簡略化することが可能な、鋼板の冷却装置を提供することを課題とする。
円管ラミナノズルを備える冷却装置(以下において、「パイプラミナー冷却装置」と記述する。)では、ノズルから流下したラミナ流が鋼板と衝突する地点(注水点)の近傍で、大きな冷却能力が発生する。そこで、本発明者らは、注水点の間隔、すなわち、通板方向におけるノズルの間隔を変更した試験を実施し、冷却能力に及ぼすノズル間隔の影響を調査した。試験条件と得られた知見を以下に示す。図6は、当該試験により得られた鋼板の冷却曲線測定結果から求めた、800℃〜600℃の平均熱伝達率(W/m・℃)と、ノズル間隔(mm)との関係を示している。ここに、「800℃〜600℃の平均熱伝達率(W/m・℃)」とは、温度降下グラフ(温度と時間との関係)から下記式(1)を用いて求められる鋼板の熱伝達率を、800℃〜600℃の区間で算出し、平均したものをいう。
H=c・ρ・h・ΔT/(Δt・T) ・・・・(1)
ここで、
H:熱伝達率(W/m・℃)、c:比熱(J/kg・℃)、ρ:密度(kg/m)、
h:鋼板板厚(m)、ΔT:温度降下量(℃)、Δt:経過時間(sec)、
T:測定時温度(℃)、である。
<試験条件>
1.パイプラミナー冷却装置
ノズル内径;15mmφ、 鋼板板幅方向におけるノズルの間隔;50mm、
ノズル先端から鋼板までの高さ;1500mm
2.鋼板
加熱温度;900℃、 厚さ;9.0mm、 板幅;400mm、
搬送方向長さ;1600mm
3.その他の条件
鋼板搬送速度;0.5m/sec、
冷却水温度;30℃、
上下に配置したヘッダそれぞれの通板方向上流側、及び、同下流側に備えられる各ノズルの、鋼板搬送方向における間隔(以下において、「ノズル間隔」と記述する。);100mm、150mm、200mm、300mm、450mmの5条件、
鋼板上の水量密度(w)が0.5〜3.0m/m・minとなるように、各ノズルの水量を調整
<知見>
1)図6より、一般的な水量密度(0.5〜3.0m/m・min)では、ノズル間隔が100〜150mmの時に、熱伝達率が最大となり、大きな冷却能力を得られることが分かった。したがって、上記一般的な水量密度の場合には、ノズル間隔を100〜150mmとすることが好ましい。
2)パイプラミナー冷却装置では、ノズルから流下したラミナ流が鋼板と衝突した近傍で大きな冷却能力が発生するが、鋼板の上面側表面においては、ノズルから流下し、鋼板に衝突した後の冷却水が常時滞留している。したがって、ある水量密度において、上記ノズル間隔が小さくなるほど1つのノズルから流下する水量が低下するが、流下する水量が低下し過ぎると、鋼板上に滞留した冷却水によってラミナ流の衝突エネルギーが遮られるため、十分な冷却能力が得られ難い。
3)ノズル間隔が過大になると、鋼板上の注水点密度が小さくなるため、熱伝達率が低下し、十分な冷却能力が得られ難い。
4)円管ラミナノズルを備えるヘッダ(以下において、「パイプラミナーヘッダ」と記述する。)は、ノズルに十分な量(例えば、水量密度が0.5〜3.0m/m・minとなる量)の冷却水を供給する必要性と、当該量の冷却水に耐え得る強度を確保する等の観点から、構造上、150mm程度の直径が必要となる。したがって、ノズル間隔を100〜150mmとするには、パイプラミナーヘッダを上下方向に積み重ねる形態で配置する必要がある。
5)熱間圧延ラインでは、鋼板搬送方向(以下において、「通板方向」と記述することがある。)に多数のヘッダを配設した冷却装置が用いられる。優れた冷却能力を有する冷却装置とする観点から、上述のように、ヘッダは上下方向に積み重ねる形態で配置するとともに、ヘッダ数を低減して冷却装置を簡素化する観点から、両側(鋼板搬送方向の上流側及び下流側)にノズルを配置した構造とする。
6)通板性を向上させる観点から、ノズルからの注水点の位置は、テーブルローラ直上の鋼板上面側表面(以下において、「接触点」と記述する。)近傍とすることが好ましい。具体的には、接触点と注水点との距離が、搬送テーブルローラの半径以内とするのが望ましい。注水点の位置が接触点から離れすぎると、通板性(特に、鋼板先端部の通板性)が低下し、通板トラブルを招くおそれがある。
本発明者らは、上記知見を得て、本発明を完成させるに至った。以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明は、ノズル(4、4、…)を備えるヘッダ(3、3、…)を複数具備し、鋼板(1)の上方に配置されたノズル(4、4、…)を介して注がれる冷却媒体(5、5、…)により、鋼板(1)を冷却可能な、鋼板の冷却装置(100)であって、ヘッダ(3、3、…)に、複数のノズル(4、4、…)が備えられるとともに、複数のノズル(4、4、…)が、ヘッダ(3、3、…)の、搬送方向上流側及び下流側に備えられ、複数のヘッダ(3、3、…)が、上下方向に配置されていることを特徴とする。
ここに、冷却媒体(5、5、…)は、鋼板(5)を冷却可能なものであれば特に限定されず、その具体例としては、工業用水等を挙げることができる。さらに、「複数のノズル(4、4、…)が、ヘッダ(3、3、…)の、搬送方向上流側及び下流側に備えられる」とは、ヘッダ(3、3、…)に備えられるノズル(4、4、…)の一部が、搬送方向上流側に備えられるとともに、ヘッダ(3、3、…)に備えられる他のノズル(4、4、…)が、搬送方向下流側に備えられることを意味している。
上記本発明にかかる鋼板の冷却装置(100)において、ノズル(4、4、…)が、ラミナノズルであることが好ましい
ここに、ラミナノズルとは、ラミナ流の冷却媒体(5、5、…)を吐出可能なノズル(4、4、…)を意味している。
ノズル(4、4、…)が、ラミナノズルである上記本発明にかかる鋼板の冷却装置(100)において、上下方向に多段に配置したヘッダ(3、3、…)に備えられるノズル(4、4、…)の、鋼板(1)の搬送方向における間隔の最小値が、100mm以上150mm以下であることが好ましい
ここに、「上下方向に多段に配置したヘッダ(3、3、…)」とは、同一鉛直平面内に存在し得るヘッダ(3a、3b、…)を意味している。なお、鉛直平面とは、水平方向を法線方向とする平面を意味している。また、ノズル(4、4、…)を上記間隔で配置した場合における、鋼板表面の水量密度は、特に限定されず、通常操業時に設定される値等とすることができる。冷却装置の冷却能を容易に向上可能とする観点からは、当該水量密度を0.5m/m・min以上、3.0m/m・min以下とすることが好ましい。
上記本発明にかかる鋼板の冷却装置(100)において、鋼板(1)が、搬送テーブルローラ(2、2、…)上を搬送され、搬送テーブルローラ(2、2、…)の軸中心を通る鉛直平面と鋼板(1)の上面側表面との交線をA、ノズル(4、4、…)から鋼板(1)へ注がれる冷却媒体(5、5、…)と鋼板(1)の上面側表面との衝突点(以下において、「注水点」と記述することがある。)をB、搬送テーブルローラ(2、2、…)の半径をRとするとき、交線Aと注水点Bとの距離がR以下であることが好ましい
本発明によれば、ノズル総数を維持しながらヘッダ総数を低減できるので、高い冷却能力を維持しながら省スペース化を図ることが可能な、鋼板の冷却装置を提供できる。さらに、ヘッダが上下方向に配置されるので、ヘッダの支持構造を簡略化することにより、冷却装置の簡素化が可能になる。したがって、本発明によれば、高い冷却能力を維持しつつ、装置の構造を簡略化することが可能な、鋼板の冷却装置を提供できる。
本発明において、ラミナノズルが備えられることにより、冷却装置の冷却能力を向上させることが容易になる。
本発明において、ノズル間隔が100mm以上150mm以下とされることにより、一般的な水量密度(0.5〜3.0m/m・min)で使用される冷却装置の冷却能力を効率良く向上させることが可能になる。
本発明において、交線Aと注水点Bとの距離が搬送テーブルローラの半径R以下とされることにより、上記効果に加えて、さらに、鋼板の通板性を向上させ得る、鋼板の冷却装置を提供することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。以下において、鋼板の冷却装置を単に「冷却装置」と記述する。
図1は、第1実施形態にかかる本発明の冷却装置、及び、搬送テーブルローラ(以下において、単に「ローラ」と記述することがある。)上を搬送される鋼板の一部を概略的に示す側面図である。図1において、Aはローラの中心を通る鉛直平面と鋼板の上面側表面との交線の端部を、Bは冷却水が鋼板表面に衝突する点(以下において、「注水点」と記述することがある。)を、直線矢印は通板方向を、それぞれ示している。
図示の冷却装置100は、複数のパイプラミナーヘッダ3a及び3bを備え、パイプラミナーヘッダ3aの上方に、パイプラミナーヘッダ3bが配置された2段構造である。そして、これらのパイプラミナーヘッダ3a、3b(以下において、3a、3bを単に「ヘッダ3」と記述することがある。)の通板方向上流側及び下流側に、ノズル4a、4a、…、4b、4b、…が備えられている。ノズル4a、4a、…、4b、4b、…(以下において、4a、4bを単に「ノズル4」と記述することがある。)は、鋼板板幅方向(紙面に垂直な方向)に所定の間隔を開けて、ヘッダ3に備えられており、ノズル4から吐出される冷却水5、5、…によって、半径Rのローラ2、2、…上を搬送される鋼板1が冷却されている。
図示の冷却装置100、100、…において、ノズル4は、ヘッダ3aの搬送方向上流側及び下流側に備えられるノズル4a、4aと、当該ヘッダ3aの上方に配置されるヘッダ3bの同上流側及び下流側に備えられるノズル4b、4bとの通板方向の間隔が、100mm〜150mmとなるように配置されている。このように、ノズル4を通板方向に100mm〜150mmの間隔で配置すれば、高密度冷却が可能になり、高い冷却能力を有する冷却装置100とすることが可能になる。
図2は、第2実施形態にかかる本発明の冷却装置、及び、ローラ上を搬送される鋼板の一部を概略的に示す側面図である。図2において、図1と同様の構成をとる部材・物質には、図1にて使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。図2において、直線矢印は、通板方向を示している。
図2に示すように、第2実施形態にかかる本発明の冷却装置200は、複数のパイプラミナーヘッダ3a、3b、及び、3cを備え、パイプラミナーヘッダ3aの上方にパイプラミナーヘッダ3bが配置されるとともに、当該パイプラミナーヘッダ3bの上方にパイプラミナーヘッダ3cが配置された3段構造である。そして、これらのヘッダ3a、3b、3cの通板方向上流側及び下流側に、ノズル4a、4a、4b、4b、4c、4c(以下において、これらをまとめて「ノズル4」と記述することがある。)が備えられ、これらのノズル4は、鋼板板幅方向(紙面に垂直な方向)に所定の間隔を開けて備えられている。
第1実施形態にかかる冷却装置100、100、…と同様に、冷却装置200、200、…も、ノズル4a、4a及びノズル4b、4bは通板方向に100mm〜150mmの間隔で配置され、さらに、ノズル4b、4b、及び、ノズル4c、4cも通板方向に100mm〜150mmの間隔で配置されている。このように、上下方向に3つのヘッダ3a、3b、3cを配置しても、各ヘッダ3a、3b、3cに備えられるノズル4を100mm〜150mmの間隔で配置することにより、高い冷却能力を有する冷却装置200、200、…とすることが可能になる。
また、図1及び図2に示す冷却装置100、200において、ノズル4は、交線Aと、上記ノズル4から吐出された冷却水5、5、…の注水点Bとの距離が、R以下となるように、配置されている。すなわち、図3に示すように、注水点は、ローラ2、2の直上からローラ2、2の半径R以内の領域とされている。このように、冷却水5、5、…の注水点を、搬送テーブルローラ2、2、…の直上近傍(半径R以内)とすれば、冷却水5、5、…の衝突による鋼板搬送速度の低下を抑制することができ、鋼板の通板性を従来よりも向上させることが可能になる。
なお、図2に示す3段構造の冷却装置200は、図1に示す2段構造の冷却装置100に比べ、更に水量密度を高め、冷却能力を高めることができる。一方、両冷却装置100、200から吐出される冷却水5、5、…の水量密度を一定にした場合、3段構造の冷却装置200では、注水点1つ当たりの流下水量を減少させても同等の冷却能力を発揮できる。そのため、冷却装置200であれば、鋼板搬送速度の低下をより一層抑制できるため、通板性の面では有利になる。
本発明の冷却装置100、200は上記構造を有するため、従来の冷却装置(図7参照)と同等の高い冷却能力を維持しながら、ヘッダ数を1/2に削減することができ(図1及び図7参照)、設備の大幅な簡素化が可能となる。
図4は、本発明の冷却装置100、100、…を通板方向に沿って複数台備えた圧延ライン1000の概略図である。図4において、図1に示す部材・物質と同様の構成をとるものには、図1にて使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。
図4に示すように、仕上圧延機8、8によって圧延された鋼板1は、鋼板1を搬送するためのローラ2、2、…を鋼板の搬送方向に並べたランアウトテーブルにより搬送され、コイラー9によって巻き取られる。本発明にかかる冷却装置100は、ランアウトテーブル上方に配置され、搬送方向に複数台配置される。なお、鋼板1の下面側表面は、ローラ2、2、…の間に配置された下面冷却装置(例えば、スプレー冷却方式の冷却装置等)から吐出される冷却水により、冷却される。
図5は、図4に示す冷却装置100を拡大して示す概略図であり、図5(A)は、冷却装置100、鋼板1、及びローラ2、2の側面図、図5(B)は、同正面図である。図5(A)及び(B)において、図1と同様の構成をとるものには、図1にして使用した符号と同符号を付し、その説明を省略する。
図5(A)に示す冷却装置100は、パイプラミナーヘッダ3a、3bを上下方向に配置した構造を有しており、下方に配置されるパイプラミナーヘッダ3aに備えられるノズル4a、4aから注がれる冷却水5の注水点をローラ2、2の中心の直上とし、上方に配置されるパイプラミナーヘッダ3bに備えられるノズル4b、4bから注がれる冷却水5の注水点を、ヘッダ3aの注水点からの距離が上記半径R以内としたものである。冷却装置100を図5に示す構造とすれば、例えば、ヘッダ3aの下にもう1段ヘッダを追加し、当該追加ヘッダから注がれる冷却水の注水点を、ノズル4a、4aの注水点の内側であってノズル4a、4aの注水点からの距離がR以内となるようにすることにより、冷却装置100の冷却能を容易に向上させることが可能になる。
一方、図5(B)に示すように、各ヘッダ3a、3bに接続される給水配管10、10には、バルブ11、11が備えられており、当該バルブ11、11を操作することにより、給水配管10、10から各ヘッダ3a、3bへ供給される冷却水量を調整することができる。したがって、例えば、図1及び図5に示す上下2段構造の冷却装置100では、一方のパイプラミナーヘッダのみに冷却水を供給することによる低密度冷却と、双方のヘッダに冷却水を供給することによる高密度冷却とを行うことができる。
仕上圧延機の出側に本発明の冷却装置を複数配置した圧延ラインを用いて、本発明の冷却装置(実施例)及び従来の冷却装置(比較例)の冷却能力を、計算機シミュレーションにより評価した。実施例にかかる冷却装置は、図1に示す2段構造の冷却装置とし、当該冷却装置を通板方向に沿って48基配置した。これに対し、比較例にかかる冷却装置は、特許文献1に開示されている、図7に示す構造とした。表1に、実施例及び比較例にかかる冷却装置の設備仕様を示す。
Figure 0004466500
なお、実施例及び比較例において、鋼板の板厚は3.0mm、冷却前の鋼板温度は約900℃、通板速度は15m/secとし、搬送テーブルローラの半径は150mmであった。また、表1において、冷却テーブル長さとは、最も仕上寄りの注水点から最もコイラー寄りの注水点までの長さを意味している。さらに、広間隔部とは、通板方向に隣接する2つの冷却装置それぞれの、最も外側に位置するノズルから注水される冷却水の注水点間隔を意味している。加えて、狭間隔部とは、下方に位置するヘッダの通板方向上流側(下流側)に位置するノズルと、当該ヘッダの上方に位置するヘッダの通板方向上流側(下流側)に位置するノズルとの、通板方向の距離(ノズル間隔)を意味している。
表1に示すように、実施例にかかる冷却装置のヘッダ数及びバルブ数は、比較例にかかる冷却装置のヘッダ数及びバルブ数の1/2であった。すなわち、各ヘッダに冷却水を供給する供給配管の数も1/2であり、実施例にかかる冷却装置は、比較例にかかる冷却装置よりも、設備全体として簡素化されていた。なお、実施例にかかる冷却装置では、上記ノズル間隔を120〜130mmとした。また、下方に備えられるヘッダを介して注がれる冷却水の注水点をローラの直上とするとともに、当該ヘッダの上方に備えられるヘッダを介して注がれる冷却水の注水点、同直上から130mmの位置となるようにした。
表2に、結果を示す。表2に示すように、水量密度が1.0m/m・min、及び、2.0m/m・minの場合における冷却能力を調査したところ、両方の場合において、実施例にかかる冷却装置は、比較例にかかる冷却装置と同等の冷却能力を有することが確認された。すなわち、本発明によれば、ヘッダ数及びバルブ数を1/2にしても、これまでの冷却装置(比較例)と同等の冷却能力を有する冷却装置を提供することが可能になる。
Figure 0004466500
すなわち、本発明によれば、高い冷却能力を維持しつつ、装置の構造を簡略化することが可能な、冷却装置を提供できることが確認された。また、本発明の冷却装置によれば、鋼板を支持する搬送テーブルローラ近傍に注水点を容易に設置できるため、鋼板の通板性においても、本発明の冷却装置が優れていた。
第1実施形態にかかる本発明の冷却装置、及び、搬送テーブルロー上を搬送される鋼板の一部を概略的に示す側面図である。 第2実施形態にかかる本発明の冷却装置、及び、搬送テーブルロー上を搬送される鋼板の一部を概略的に示す側面図である。 通板性の低下を抑制可能な注水範囲を示す図である。 本発明の冷却装置を備える圧延ラインを示す概略図である。 第1実施形態にかかる本発明の冷却装置を拡大して示す概略図である。 平均熱伝達率(W/m・℃)と、ノズル間隔(mm)との関係を示す図である。 従来の冷却装置を示す図である。
符号の説明
1 鋼板
2 搬送テーブルローラ
3、3a、3b、3c ヘッダ
4、4a、4b、4c ノズル
5 冷却媒体(冷却水)
7 下面冷却装置
8 仕上圧延機
9 コイラー
10 冷却水供給配管
11 冷却水制御バルブ
100、200 鋼板の冷却装置

Claims (1)

  1. ノズルを備えるヘッダを複数具備し、鋼板の上方に配置された前記ノズルを介して注がれる冷却媒体により、該鋼板を冷却可能な、鋼板の冷却装置であって、
    前記ヘッダに、複数の前記ノズルが備えられるとともに、該複数のノズルが、前記ヘッダの、搬送方向上流側及び下流側に備えられ、
    複数の前記ヘッダが、上下方向に配置され
    前記鋼板が、搬送テーブルローラ上を搬送され、
    前記搬送テーブルローラの軸中心を通る鉛直平面と前記鋼板の上面側表面との交線をA、前記ノズルから前記鋼板へ注がれる冷却媒体と前記鋼板の上面側表面との衝突点をB、前記搬送テーブルローラの半径をRとするとき、前記交線Aと前記衝突点Bとの距離がR以下であることを特徴とする、鋼板の冷却装置。
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